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果樹の生産振興・野菜の生産振興(PDF:10116KB)

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果樹の生産振興・野菜の生産振興(PDF:10116KB)
小品目果樹の生産振興(ゆず) 下條村におけるナシ黒星病防
除の取り組み
■ 背景とねらい
■ 背景とねらい
下伊那南部地域では古くから栽培され、柚餅子
下條村は、飯田下伊那地域の中でもナシ黒星病
を中心に活用されてきた。最近では、
「ゆず果汁」
の発生が特に多く毎年問題となっている。中には
や「ゆずうどん」
、
「柚子チョコレート」等の新商
毎年多発生となる重症園地も見られ、多発の原因
品が出されている。下級品の有効利用や生産量の
究明とその対策が求められていた。そこで、下條
確保が求められている。
村果樹同志会の協力を得て、ナシ黒星病の発生低
■ 本年度の取り組みと成果
本年度の取り組みと成果
減に取り組んだ。
1 剪定講習会による低樹高化
■ 本年度の取り組みと成果
樹令の古いものは、樹高が高く作業性が悪く、
1 防除上の問題点の洗い出し
放任されやすい。剪定講習会では、苗木から低樹
11 園地について、3回の発病率調査結果と防除
高を意識した樹づくりを含め、誘引等を活用した
実績の関係を検討した結果、多発園では 4 月中旬
作業性の向上を伝えた。天龍村では、苗木の購入
のデランフロアブルが未散布だったり、開花期前
を補助し、新植が進められた。
後のEBI剤散布時期がズレているなどの問題が
2 販売会・商談会への参加
見つかった。
それぞれの加工業者は名古屋市等で行われた商
2 EBI剤の代替農薬の検討
談会へ積極的に参加するなど販路拡大について努
開花直前に散布するアンビルフロアブルの代替
めてきた。また、昨年から試験的に行われてきた
薬剤2剤を検討した。ファンタジスタ顆粒水和剤
八幡屋礒五朗への原料提供が新たに始まった。
は、アンビルフロアブルと同等の効果だったが、
3 加工の増産体制整備
使用回数制限があるため検討が必要となっている。
天竜の農林業公社によりゆずの集荷が近隣町村
3 被害落葉の埋設処理(26 年度試験準備)
で行われ、平成22年の 4.2tから25年は 12t
感染率 80%の重症園で、ほ場の半分について、
まで増加した。泰阜村では、収穫ができない生産
感染源である被害落葉の埋設処理を行った。次年
者に対し、収穫の補助を試験的に実施した。
度、感染源除去効果を確認する予定である。
■ 今後の課題
柚子の生産者は、高齢者が多く、後継者育成が
■ 今後の課題
必要になっている。製品の需要量に対し原料が大
開花期までの防除について、重点的に防除指導
きく不足しており、生産量の増加が求められてい
を行う。また、感染率調査により効果の確認を行
る。また、未収穫の樹の収穫をどのようにするか
う。重症園での被害落葉除去効果の確認を行う。
が課題となっている。
落葉時に乗用モアを用いて落葉の破砕を行い腐熟
(阿南支所:西嶋秀雄)
化促進効果の確認を行う予定である。
(技術係:山近龍浩)
一般活動
果樹の生産振興
19
凍霜害発生時の
凍霜害発生時の対応
発生時の対応とその後の経過
対応とその後の経過(果樹)
とその後の経過(果樹)
■気象経過
表 防霜ファンからの距離と「南水」の着果率
側枝1m当たり
ファンから
の距離
花芽数
着果数
着果率
4 月 5 日までは高温で果樹の生育は進んだ。南
信農業試験場におけるナシの発芽は平年よりも 2
~3 日、カキの発芽は 5 日早かった。その後 5 回
10m区
9.7
5.3
55%
にわたって寒気が入り込み、凍霜害が発生した。
20m区
11.7
7.4
63%
30m区
11.1
2.5
22%
特に4月 11~12 日と 21~22 日にかけては強い寒
飯田市座光寺(420m) 5月31日調査
1㎡当たりの花芽数、着果数を調査(4~5か所)
気が入り込み低温となった。今年度発生した凍霜
害の特徴として、低温遭遇時間の長さがあげられ
る。飯田市座光寺のナシ園(620m)では、0℃以
防霜対策を実施した園地でも、低温遭遇時間が
下に遭遇した時間が 4/11~12 では 9 時間 30 分、
長かったこと、高標高地域では温度が低くなり過
4/12~13 では 8 時間に及んだ。
ぎたことなどにより、防霜対策の効果が低い園地
■品目ごとの傾向
もあった。
また、
初期の着果は確保できたものの、
ナシでは、凍霜害発生時に開花期を迎えていた
その後の生理的落果でほとんどの果実が落果した
園地、品種で大きな被害となった。品種ごとの違
園地も見られた。
いでは、
「新高」
、
「南水」など、開花期の早い品種
■ 凍霜害発生後の対策
凍霜害発生後の対策
ナシでは、凍霜害発生後もあきらめずに人工授
で被害が大きい傾向が見られた。
「幸水」は相対的
に被害が軽い傾向だった。
粉を行うことが一番の対策であることが確認され
た。高位の番花や遅れ花など、通常の年では品質
表 ナシの品種と着果率の違い(5月13日調査)
着果
地域(標高)
品種
果そう率(%)
面から利用しない着果位置でも、あきらめずに授
粉を行った園地ではある程度の着果数を確保する
南水
28.0%
幸水
62.8%
南水
7.5%
豊水
14.0%
幸水
28.8%
ことができた。また、1 果そうに 2 果着果させた
高森町(420m)
り、サビ果や変形果などあえて残すなど様々な工
夫が行われた。
高森町(680m)
420m園は燃焼法を実施、680m園は防霜対策未実施
各園、各品種150果そう前後を調査し、1果以上着果
している果そうの割合を算出した
カキでは、地域により被害程度に大きな差が見
られ、飯田市南部、下條村、阿智村で大きな被害
となった。
「市田柿」よりも「平核無」の被害が大
きかった。また、せん定の強弱で差が見られ、せ
ん定の強い樹では被害が大きい傾向だった。
■防霜対策による被害程度の違い
防霜ファン設置園では、ファンから 20m までは
1 果そうに 2 果着果させたナシ樹
高い効果が見られた。またナシでは、防霜ファン
により 5 倍以上の着果を確保した園地があった。
カキでは新梢管理を重点的に指導した。南信農
燃焼法は、霜だまりや階段状の園地では防霜フ
業試験場の調査結果では、6 月中下旬に 30cm 程度
ァンよりも高い効果が見られた。しかし、凍霜害
に摘心することで、翌年の新梢の徒長防止と花芽
の発生回数が多かったことから、燃焼資材が足り
確保が期待できることが分かった。
なくなる事例が多く発生した。
(技術係:山近龍浩)
一般活動
果樹の生産振興
20
果菜類や新興野菜の推進による複合産地の構築
果菜類の単収向上及び連作障害対策
願い、JAとともに発病実態調査を行った。南部
■ 背景とねらい
地域を中心に巡回し診断キットを用いて判定し
飯田・下伊那の野菜生産は、きゅうり、トマト、
ピーマンなどの果菜類の栽培が主体であるが、連
たが、巡回した 8 ほ場全てで発病が確認された。
作に伴う病害虫発生などが問題となっている。そ
(2) トマト難防除病害虫対策研修会の開催
12 月 6 日、JA営農部大会議室において飯伊
こで、連作障害を回避し単収向上をめざす。
■ 本年度の取り組み
農業振興協議会とJAトマト専門部との共催に
1 ネコブセンチュウ対策
よる、かいよう病と黄化葉巻病の対策研修会を開
きゅうり、トマトの施設栽培を中心にネコブセ
催した。研修会では、野菜花き試と病害虫専技か
ら説明していただき、有意義な研修会となった。
ンチュウ発生が問題となっている。薬剤の効果が
低い圃場、有機栽培圃場での防除対策のため、熱
水土壌消毒による防除効果を検討した。
(1) きゅうりでの効果確認
6 月下旬に阿智村の鉄骨ガラスハウスの抑制栽
培において、野菜花き試協力のもとで熱水土壌消
毒を行った。熱水の 1 回処理、2 回処理と D-D 剤
処理を組み合わせた試験を行ったが、熱水 2 回処
理で高い殺虫効果が認められた。
(2) トマトでの効果確認
4 月下旬~5 月上旬に飯田市山本のパイプハウ
スの夏秋栽培(有機栽培)で、野菜花き試協力の
トマト難防除病害虫研修会
もと熱水土壌消毒を行った。熱水の 1 回処理、2
3 夏秋いちごの萎黄病、炭疽病対策
回処理、水のみ、無処理区を設けたが、熱水 2 回
西部地区の殆どと南部の一部で萎黄病及び炭
処理で高い殺虫効果が認められた。
疽病の発生が課題となっている。両者とも苗伝染
するため、無病苗確保が重要である。そこで、発
生がない大鹿村いちご生産組合に依頼し、2 戸か
ら無病苗を譲渡願い、持ち込み防止策を図った。
4 スイートコーン固化培地育苗と機械定植
スイートコーンは西部を中心に栽培が多いが、
省力化と安定生産をねらいとし、固化培地育苗に
よる若苗を機械定植する方法を検討した。固化培
地はコストがかかるが、収量は慣行栽培と同等で
あり、固化培地の有利性は実証できなかった。
■ 今後の課題
きゅうり抑制栽培での熱水土壌消毒試験
産地が古くなっている上に高齢化が進み、土壌
2 トマトかいよう病対策
伝染線病害を中心に連作障害が拡大傾向にある。
南部地域(阿南町、泰阜村、売木村など)を中
JAとも連携して防除対策を組み立て、果菜類の
心にトマトかいよう病の発生が認められ、発生実
生産安定を図りたい。
態調査と対策研修会を開催した。
(1) かいよう病発生実態調査
(担い手・経営係:木下義明)
10 月 8 日に、野菜花き試験場、専技の協力を
一般活動
野菜の生産振興
21
アスパラガス株養成量調査
白ねぎ等新興野菜の推進によ
白ねぎ等新興野菜の推進 によ
る複合産地の構築
■ 背景とねらい
■ 背景とねらい
アスパラガスは半永年性の作物で、株養成結果
飯伊地域は果菜類主体の産地であるが、近年、
が翌年の春収量に反映される。そこで、13 年にわ
白ねぎ、ズッキーニ、オクラ等の新興野菜の生産
たり株養成量調査に取り組んできた。茎葉黄変期
量が増えており、これら品目の栽培推進により複
に株養成状況を把握し、指導の基礎資料として生
合産地を構築する。
産者の栽培管理に役立てる。
■ 本年度の取り組みと成果
本年度の取り組みと成果
■ 本年度の取り組みと成果
本年度の取り組みと成果
1 ねぎの葉枯病、黒斑病の実態調査
ネギ葉枯病には高温期に生じる輪紋病斑と低温
1 活動対象:JAアスパラガス専門部、18 農家
の圃場(生産中止で前年比 1 圃場減)
期に生じる黄色斑紋病斑の 2 つの病徴がある。こ
のうち高温期の輪紋状病斑はネギ黒搬病の病徴と
2 調査方法
酷似し、肉眼では区別つかない。そこで、輪紋病
JA各支所の担当者とともに、
12 月 3 日、
5 日、
9 日の 3 日間で調査した。調査項目は、茎葉の黄
斑の病害種類をJAとともに調査した。
変程度(5 段階)
、1.5m当たり立茎数と養成茎直
径、貯蔵根の太さとブリックス値などとし、本年
は茎葉刈取りによる GI’値調査は行わなかった。
3 調査結果
平成 25 年の 18 圃場の平均単収は 1,699kg/10a
で、前年の 1,228kg/10aに対して 38%多かった。
本年の貯蔵根ブリックスは平均 15.1%で、前年の
12.6%に対して約 20%高く、
平年の 14.7%と同等
以上であった。なお、1m当たり立茎数と平成 25
ネギ葉枯病の輪紋病斑
年度単収の関係は、1m当たり立茎数が 10~15 本
16 圃場から 1 圃場当たり 10 葉を採取し 160 葉
程度のほ場で収量が多く、それより多いと収量が
を調査した。その結果、葉枯病斑が 46%、黒斑病
低い傾向が認められた。
斑が 30%で、
両者の複合感染病斑が 24%認められ、
4000
葉枯病がやや優勢であった。
H25年単収(
年単収(
年単収(kg/10a)
)
3500
2 ねぎ品種試験への協力
3000
2500
JAではねぎの新品種試験を、管内 4 箇所で実
施設
2000
露地
施した。調査には多くの労力を要するため、試験
1500
1000
圃場の掘り取り、調整作業、調査に協力した。
500
0
3 ズッキーニのウイルス対策
0
5
10
15
20
25
1m当たり立茎数(本)
m当たり立茎数(本)
ズッキーニ栽培では WMV、
CMV などウイルス病発
1m当たり立茎数と単収
当たり立茎数と単収
生が課題となっている。本年度は、ウイルス耐病
4 情報の発信
性の「グリーンボート 2 号」と「ゼルダ・ネロ」
得られた調査結果は、2 月 3 日開催の JA アスパ
を検討した。
「グリーンボート 2 号」が耐病性、果
ラガス専門部生産振興大会及び、2 月 12 日のみな
実品質、草勢など総合的に優れた。
み支部生産振興大会において情報伝達した
■ 今後の課題
ねぎは土付きねぎを主体とし、一部むきねぎも
■ 今後の課題
過去からの積み上げデータもあり、次年度以降
推進する。また、ズッキーニ、オクラなどの新興
も継続して調査して情報提供する。
野菜も栽培検討しながら推進する。
(担い手・経営係:木下義明)
(担い手・経営係:木下義明)
一般活動
野菜の生産振興
22
大鹿村産唐辛子「大鹿七味」
の販売(大鹿村)
みょうがの株更新によるL級
率向上への取り組み
■ 背景とねらい
■ 背景とねらい
平成23年度に、大鹿村の「食」
「農」
「観光」
阿智村は標高が高く、生産されるみょうがは、
をキーワードとした新たな地域振興のために、村
鮮やかな紅色を呈し、品質が良い。軽作業が中心
内の食と農の現状を多角的に調査・収集し、特産
なため、高齢の農業者でも栽培が継続しやすく、
農産物・特産品づくり・新たな観光資源の育成を
重要な品目である。しかし、定植から 20 年以上経
目指した「食の宝探しプロジェクト」の伝統作物
過した畑が多く、地下茎が過密になり、収穫量の
部門で、大河原で30年以上にわたり自家採取と
減少及び病害の発生が問題となっている。
そこで、
栽培が続けられている「トウガラシ」が確認され
管理機を使用した春先の畝間間引きによる株更新
た。
で、良品確保及び病害発生の軽減を図った。
平成24年度には、長野市の大手唐辛子販売業
■ 本年度の取り組みと成果
本年度の取り組みと成果
者から試験的に使用したいとの引合いがあり、農
1 株更新試験の実施
業委員会が中心となり今後の可能性を探ると共に、
阿智村清内路に調査圃場を設置した。4 月 5 日
唐辛子の栽培は鳥獣被害も比較的少なく、手間を
に管理機で畝間 80 ㎝を耕起し、
地下部を圃場外へ
かけずに生産ができ、遊休農地の有効活用が期待
持ち出し、株更新を行った。試験区と対照区につ
できる作物として3戸の農家で試験栽培を行い、
いて生育及び収穫調査を行い、株更新試験の効果
67kgを乾燥唐辛子を出荷した。
について検討した。本年は、株更新 1 年目のため
■ 本年度の取り組みと成果
本年度の取り組みと成果
更新試験区は生育が小さく減収した。しかし、調
本年度についても、農業委員会が中心となり苗
査の結果、草丈とL級率が正比例関係にあり、草
の生産を共同で行い、試験栽培グループの拡大を
丈の確保が良品確保へ大きく影響していることが
目指し、11戸の農家で栽培を行い、295kg
わかった。
の乾燥唐辛子の出荷した。
2 みょうが部会での報告
また、今年度中に「大鹿村唐辛子生産組合」の
今回の調査内容及び結果について、部会の収穫
設立を予定している。
指導会(8 月 22 日 10 名)
、及び総会(1 月 23 日
■ 今後の課題
23 名)での報告を実施した。株更新の効果検証は
1 栽培技術 ・栽培指標の作成
これからの課題だが、草丈とL級率の関係につい
2 乾燥調製
て、興味を持ってもらえた。
・乾燥技術の向上
■ 今後の課題
・パイプハウス等利用した共同乾燥
1 株更新試験の継続と効果の検証
2 生育とL級率の関係の調査
3 大鹿村内での「大鹿七味」の販売
3 みょうが部会及び農協と連携した活動
調査については随時、
部会で報告を行っていく。
減収対策への株更新などの取り組みは、効果及び
実施方法を農協と検討した上で連携して農家へ普
及を図っていく。
(地域第三係:若子由佳里)
(地域第一係:北沢善克)
一般活動
野菜の生産振興
23
飼料用イネWCSの低コス
ト・省力栽培(阿智村)
ト・省力栽培
稲作現地検討会・水田作検討
会の開催
■ 背景とねらい
■ 背景とねらい
輸入粗飼料の価格が高騰する中、畜産農家か
稲作現地指導会は、水稲の生育状況や取り組み
らは安価な粗飼料供給が求められている。そこ
状況を把握し、生育後半の指導の一助とするため
で飼料用稲の湛水直播栽培と既存機械の利用
に開催した。水田作検討会は、本年問題となった
による収穫を組み合わせた低コストで省力的
事項を整理し、今後の水田作の安定と来年の栽培
な WCS の生産技術の実証を行った。併せて生育
に向けて検討するために開催した。
調査、収量調査を実施し地域に適した品種につ
■ 本年度の取り組み
いて検討した。
1 稲作現地検討会
7 月 22 日
■ 本年度の取り組みと成果
本年度の取り組みと成果
2 水田作検討会
1 耕種概要
■稲作現地検討会の概況
(1)試験圃場:阿智村 (矢越:標高 970 メートル)
12 月 13 日
全量基肥試験圃場・環境にやさしい認証実証圃
(2)播種日:5/22
場・
「風さやか」直播圃場・WCS 直播圃場を視察
(3)播種量:4kg/10a(無コーティング種子)
し現地検討した。この後、室内にて生育状況・栽
2 結果の概要
培管理・高温障害対策・病害虫防除対策・
「風さ
(1)経済性:
やか」について検討した。各検討事項は、生育後
半の指導に役立ったと思われる。出席者は、関係
無コーティング種子の背負い式散布機による播種
及び歩行式の刈り払い機、集草機の利用により
者 16 名であった。
栽培と収穫は省力、低コストに実施できた。
(2)品種別の収量
9/1
10/8
出穂
品種名
10a 収量
期
稈長
穂長
茎数
kg
クサホナミ
9/2
58.5
21.0
338
1,433
リーフスター
9/18
59.0
17.0
278
1,550
モミロマン
9/12
76.0
18.5
462
1,850
タチアオバ
9/15
69.6
22.4
377
1,853
■水田作検討会の概況
本年の水稲の生育で特に問題となった「高温
登熟による胴割れ米、白未熟米等の発生」
・
「カメ
風乾物収量はモミロマン、タチアオバがすぐれた。
ムシによる斑点米の発生」
・新品種「風さやか」
(3)飼料成分
について検討した。高温障害対策では栽培管理や
飼料成分(乾物中%)
適期収穫が今後も重要であり、
「風さやか」の作
品種名
DM
TDN
CP
NDF
NFE
クサホナミ
55.3
59.5
6.9
51.4
56.8
リーフスター
41.2
55.5
8.4
60.8
50.7
モミロマン
31.7
57.9
12.1
56.2
47.4
タチアオバ
31.3
55.6
9.6
59.6
46.8
付推進も重要な対策となる。斑点米対策では発生
地帯のカメムシの発生種の確認が必要となった。
出席者は、関係者 25 名であった。
■ 今後の課題
飯田・下伊那地区の良質米生産を図るため関係
晩生品種が牧草の代替として給与しやすい。
者による情報の共有と指導に当たっての共通の認
■ 今後の課題
識を持つため検討会を開催する。
省力、低コスト栽培技術の普及及び栽培面積
低コスト化など稲作農家の経営の安定化を検
の拡大。
討する。
(地域第一係:高橋達男)
(担い手・経営係:小林 勉)
一般活動
24
特産農畜産物のブランド化と6次産業化
の推進
きのこ経営改善に向けた取組について
きのこ経営改善に向けた取組について
■ 背景とねらい
本年度よりきのこ経営改善を目的として長野
県きのこ農家緊急経営再建支援事業に取り組み、
管内ではぶなしめじの生産者 2 戸を対象に取り組
んできている。ロス率の低減、A級比率向上、財
務・労務技術の向上を目標に取り組み、今後、管
内生産者のモデルとするための基礎資料とする。
■ 本年度の取り組み
1 活動対象
図2 培養後期環境改善(ファンの設置)によるビン間温度
ぶなしめじ生産法人
2 調査方法
した。25℃以下となったことを確認した。
(1)培養環境
2 生育環境の課題抽出
培養環境の課題を調査するため、
「おんどとり」
を用いて 8 月~10 月(図1)にかけて培養中期か
外気に近い場所(B7)は外気の影響を大きく受け
ることが明らかとなった(図 3 上線、図 4 下線)。
ら後期の調査を行った。さらに改善後(12 月;図
2)の調査を行った。
(2)生育環境
同様に夏季と冬季における生育室内の温度変化
のバラツキを調査した。部屋の水平(図 3、4)、垂
直の場所による温度差を調査した。
■ 本年度の成果
1 培養環境の課題抽出
図3 夏期生育室内温度の違い
接種後から培養中期までの培養温度はビン間が
25℃以下で問題はみられなかったが、培養後期に
培養場所が変わると図1 のように25℃以上となり
熟成環境に問題があることが明らかとなった。
培養後期における環境改善のためパレット間に
循環扇設置し、その効果を確認したのが図 2 であ
る。図中の中央下にある培養室の見取り図の後期
培養場所 2 か所でビン間、コンテナ間の温度調査
図4 冬期生育室内温度の違い
■ 今後の課題
1 培養環境
培養温度の改善がきのこの収量・品質に及ぼす
培養後期
影響について今後確認が必要である。
2 生育環境
生育室内温度のバラツキ改善が課題である。
図1
ビン間とコンテナ間における培養温度調査(抜粋)
(技術係:山本秀樹)
一般活動
25
特産農畜産物のブランド化と6次産業化
の推進
ダリアのウイロイド対策
について
JA花き部会 農林水産祭で
内閣総理大臣賞受賞
■ 背景とねらい
■ 農林水産祭で内閣総理大臣賞受賞
ダリアは管内の主力品目となっているが、病害
11月23日に明治神宮会館で平成25年度
虫に弱いことが課題となっており、特に CSDVdの
(第52回)農林水産祭式典が開催され、天皇杯
侵入が疑われていて、
不安要因となっている。 こ
他三賞受賞者、農林水産大臣賞受賞者並びに各界
のため、母株圃場を検査することとなった。検査
代表者、農林水産大臣をはじめ多数の方々の参加
については秋田県農業センター他でも取り扱って
のもとに行われた。JAみなみ信州からも部会長
いるが、長野県としてダリアの支援をして欲しい
以下4名が出席し内閣総理大臣賞を受賞した。
と要請されたため現地で組み立てを行った
■ 経過
JA花き部会は平成9年農協が広域合併した
■ 本年度の取り組みと成果
本年度の取り組みと成果
11月5日と1月8日にPSTVdとCSDVdの PCR
後、平成10年に新設された。高齢化が進む地域
検査を行った。サーマルサイクラーやトランスイルミネーター等の機器
の農業者に「小面積でも経営が可能で軽量作物の
飯田家保の備品を借用した。プライマー他試薬は
花きを導入しましょう」
と部会参加を呼びかけて、
飯田農振協とJAと県植防協でご負担頂いた。
現在は567名(H23現在)まで増加した。
「小規模でも市場・消費者に気にされる産地づく
り」をスローガンに多品目の草花作りで販売額を
伸ばしてきた。この結果、昨年3月10日には第
42回日本農業賞で大賞を受賞した。
■ 昨年に引き続き
これまでの実績をまとめ推薦し、8月24日に
は農林水産祭園芸分科会現地審査をうけた。その
後10月17日には、農産・園芸他7部門の農林
水産大臣賞受賞者492点の中から、農林水産祭
中央審査委員会(会長 東京農業大学教授 林良
1月8日 JA 職員によるPCR検査の実技
博氏)によって厳正に審査され選考された。これ
検査当日は野菜花き試藤永研究員と飯田家保
らの審査では中山間地域で高齢農業者が多い中で
木内獣医師の指導の元、JA職員と普及C職員が
567名と非常に多い部会員が協力し合って産地
作業をした。方法は広島農試のダイレクトティシュー
づくりに取り組んできたことが評価された。
RT-PCR 法により実施した。この結果母株圃の 30
株について陰性が判明した。
■ 今後の展開
今後の展開
母株圃から出荷される苗については無病である
ことが確保された。今後は各農家の圃場で CSDVd
と考えられているわい化株について検査し、陽性
株を排除してゆけば産地の清浄化が確保される。
また、手技を現地の技術者が取得すれば、他の病
虫害等についても応用できる。
11月23日農林水産祭式典
(技術係:中村武郎)
一般活動
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特産農畜産物のブランド化と6次産業化
の推進
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