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「エジプト環境モニタリング研修センタープロジェクト」 の実施結果から見た

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「エジプト環境モニタリング研修センタープロジェクト」 の実施結果から見た
〔事例研究〕
Case Study
「エジプト環境モニタリング研修センタープロジェクト」
の実施結果から見た環境協力に関する一考察
An Outcome Study
of an Environmental Monitoring Training Project in Egypt
: Lessons Learned and Recommendations from the Study
井上堅太郎*
Kentaro INOUE
安倍 裕樹**
今井 千郎***
Yuki ABE
Senro IMAI
千原 大海***
石田 滋雄***
Hiromi CHIHARA
Shigeo ISHIDA
岩崎 英二****
高畠 千佳*****
Eiji IWASAKI
Chika TAKAHATAKE
要 約
JICAは、1997年から2002年に環境モニタリング技術等の移転を目的としてエジプト
環境モニタリング研修センタープロジェクト(Environmental Monitoring Training Project:
EMTP)を実施した。また、2002年から04年にかけて、EMTPの成果をフォローアップ
するためのEMTP-FUを実施した。それらの実施結果等については、JICAによるEMTP
終了時評価報告、EMTP-FU運営指導報告に取りまとめられている。
この事例研究は、これらの報告およびその他の関連資料を参考にしつつ、EMTP、
EMTP-FUの実施結果について研究し、EMTPの経験から得られるこれからの環境協力に
資すると考えられる教訓等についての考察、提言を行うものである。
EMTPの経験からの教訓として、1)協力開始時期とカウンターパート機関の選定の重
要性、2)環境モニタリングがエジプトの環境の保全のためにどのような意味を持つかに
ついて認識を共有することの重要性、そのことをふまえたプロジェクトの目標設定や設
計の必要性、3)環境協力のための人材の確保・育成の必要性、4)プロジェクトの背景と
なる環境行政・環境政策などを総合的にとらえる必要性、さらには、5) すべての国・
地域が持続可能な社会を目指す環境政策の形成過程にあるという視点の必要性などにつ
岡山理科大学社会情報学科教授
Professor, Department of Socio-Information, Okayama University of Science
**
岡山理科大学大学院社会情報専攻
Socio-Information Major, Graduate School of Okayama University of Science
*** JICA国際協力専門員
Senior Advisor, Institute for International Cooperation, JICA
**** JICA地球環境部第二グループ環境管理第二チーム長
Team Director, Environmental Management II Team, Second Group, Global Environment Department, JICA
***** JICAボリビア事務所
Assistant Resident Representative, JICA Bolivia Office
*
国際協力研究 Vol.22 No.1(通巻43号)2006.4
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いて言及した。こうした考察から、環境協力立案における総合的・長期的な視点および
そのための環境政策形成過程評価プログラムの必要性等を提言する。
ABSTRACT
JICA carried out an Environmental Monitoring Training Project (EMTP) in Egypt
from 1997 to 2002 with the primary objective of transferring environmental monitoring
technologies. Subsequently, a follow-up project based on the outcomes of the training
project (EMTP-FU) was conducted from 2002 to 2004. The results of these projects are
described in the EMTP final evaluation report and the EMTP-FU operational guideline
report, both of which were compiled by JICA.
The case study scrutinizes the results of both EMTP and EMTP-FU based on these
two reports and other-related documents and points out lessons learned from EMTP, contributing to future cooperation activities in the field of environment, as well as makes recommendations for such future activities.
The lessons include the following five points. First, It is critically important to start a
project at the right time with suitable counterpart organizations. Second, it is also important that JICA and the Egyptian counterparts mutually understand how environmental
monitoring contributes to environmental conservation in Egypt, and goal-setting and a
design for the project based on such mutual understanding are required. Third, it is essential to choose the right persons with suitable expertise as members of a Japanese project
team. Such human resources should be systematically developed in Japan. Fourth, environmental administration and policies that underlie the project must be understood in a
comprehensive manner. Fifth, it is better to work on projects with a perspective that all
countries and regions are still in the process of formulating environmental policies for
sustainable societies.
Considering these lessons, the study suggests that comprehensive and long-term perspectives are essential in designing environmental cooperation projects and that evaluation programs on the environmental policy formulation process are useful for adopting
such perspectives.
Center: CCC)、 EEAAの 地 方 支 局 ( Regional
はじめに
Branch Office: RBO)の分析部門に対して環境モ
ニタリングの技術移転を行うプロジェクトであ
エジプトに対して1997年から2002年の5年間に
った。同プロジェクトは、これらの分析部門が
わたり技術協力プロジェクト「エジプト環境モ
エジプト環境法に基づく一般環境監視、汚染発
ニタリング研修センタープロジェクト」(以下、
生源監視等を実施する部門であることから、そ
EMTP)が実施された。また2003年から04年に
のために必要な技術を習得して環境モニタリン
わたり、EMTPの成果をフォローアップするた
グを行えるようになり、その結果をもとにエジ
めに2人の長期専門家が派遣されるなどの協力
プト環境庁が適切な対策をとることができるよ
(以下、EMTP-FU)が実施された。これらはエ
う、わが国に要請されたものであった。EMTP
ジプト政府において環境行政の責任を担う環境
については、02年4月に終了時評価報告書(以下、
庁(Egyptian Environmental Affairs Agency: EEAA)
EMTP終了時評価報告書。JICA[2002a])が公
をカウンターパート機関とし、その本庁内の分
表され、EMTP-FUについては、04年4月に運営
析部門のカイロ中央センター(Cairo Central
指導報告書(以下、EMTP-FU運営指導報告書。
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「エジプト環境モニタリング研修センタープロジェクト」の実施結果から見た環境協力に関する一考察
JICA[2004])が公表されている。これらの報
告書では、EMTP、EMTP-FUが当初の目的に沿
I エジプトの環境政策形成の経緯
って成果を収めている側面があるとする一方、
問題や課題、また、他のプロジェクトへの教訓
等を指摘している。
しかし、それら以外にも、これからの環境協
エジプトは、1973年に第4次中東戦争が終了し
た後、74年の門戸開放政策により74年から81年
のGDP成長率が年平均8.9%となった。次いで、
力に資することとして考察、提言できる点はあ
経済各部門の生産力向上と所得分配の公平を掲
る。また、当然ながら両報告書はEMTP、EMTP-
げた第1次社会経済開発5カ年計画期間中の82年
FUについて評価・報告しており、それ以外のこ
から87年に、GDP成長率が6.8%であった。87年
とについて論じてはいない。一方、2003年3月に
にはGDPが約340億ドル、1人当たりのGDPは約
は国際開発学会・環境ODA評価研究会による
678ドル/年であった(世界資源研究所[1992]
「環境センターアプローチ:途上国における社会
p.250)。人口は86年の約4800万人から96年の約
的環境管理能力の形成と環境協力」(以下、環境
5900万人に増加した(Central Agency for Public
ODA評価研究会報告書。[2003a, b])が公表さ
Mobilisa-tion and Statistics[1998]p.6)。2001年
れた。しかし報告書は、6つのセンタープロジェ
にGNPが約996億ドル、1人当たり1530ドル/年、
クト(タイ、中国、インドネシア、チリ、メキ
人口約6500万人である。80年の商業エネルギー
シコ、エジプト)のうち、EMTPについてはほ
利用が約1600万トン(石油換算)、1人当たり391
とんど踏み込んで検討していない。
㎏、2000年の商業エネルギー利用が約4600万ト
「エジプト環境モニタリング研修センタープロ
ン、1人当たり726㎏である(世界銀行[2004]
ジェクト研究会」(以下、EMTP研究会。安倍を
p.144)。淡水資源利用は、2000年に約660億m3で
除くこの一文の筆者らの有志者により構成)は、
ある(同 p.136)
。
2003年から04年にわたりEMTP、EMTP-FUにつ
1982年にEEAAが設立され、また「ナイル川
いて研究し、04年11月に「エジプトEMTPおよ
と水路を汚染から防止する法律」(以下、ナイル
び関連する環境協力に関する研究」をまとめた。
川汚染防止法)が制定され、これによりナイル
EMTP研究会は、EMTP終了時評価報告書、
川への排水が規制されるようになった。89年に
EMTP-FU運営指導報告書、その他の関連公表資
ムバラク大統領が全国民に対して環境保全を促す
料をもとに研究を行った。さらには、研究会に
演説を行った((社)海外協力センター[1994]
参画したメンバーの多くがEMTP、EMTP-FUに
p.12)。1992年国連環境開発会議を機に世界銀行
直接、間接にかかわってきた経験を通じて得た
の協力の下で「環境行動計画」
(Government of the
情報を加味した。本稿は、その研究結果を報告
ARAB Republic of EGYPT [1992]
)を策定した。
するものであるが、基本的にEMTPとEMTP-FU
その後1994年環境法を制定し、これによりナイ
の成否等を論じようとするものではないし、ま
ル川汚染防止法と併せて、全国にわたる環境汚
た、EMTP終了時評価報告書、EMTP-FU運営指
染の規制、環境基準(大気汚染、騒音)、有害廃
導報告書の評価や記述そのものを論じようとす
棄物規制、環境影響評価、環境状況の年次報告
るものでもない。その経験から得られるこれか
などの環境政策の枠組みが整った。この1994年
らの環境協力に資すると考えられる教訓の考察、
環境法の中でEEAAを環境政策の主たる執行機
提言を行うものである。
関として規定した。
環境モニタリングについては、EEAAが計画
の策定・実施を監理すること、環境状況の年次
報告をすること(環境法第5条)、また発生源の
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測定を実施すること、排出基準違反者に対する
CCCとRBOの分析室、維持管理費等、5年間で合
法手続きを行うこと(同法第22条)などを規定
計約7億3000万円を負担し、カウンターパート70
した。しかしEEAAには、環境モニタリングを
人の配置を行った。EMTP終了時評価報告書で
行うための体制が整っていなかった。1990年代
は、「プロジェクト目標達成度は調査時点による
の後半にはCCCを中心として、8カ所のRBOによ
と一部不十分であるが、プロジェクト期間満了
りエジプト全土をカバーする環境モニタリング
時までには、概ね達成される見込み……ラボラ
ネットワークの計画を構想した。2002年には5カ
トリーマネージメントの面では、まだ不十分…
所のRBOについて建物、人員配置および監視分
…引き続き何らかの形で支援が望ましいが、予
析室整備をほぼ完了し、その他についても整備
算面・人員面での政策的支援は、十分期待でき
が進んでいる(2005年6月現在、1カ所を追加し
るので自立発展性もあると期待でき、それだけ
て全部で9カ所となっている)。
でも十分に意義のあるプロジェクトであった…
2002年には、国連開発計画(United Nations
…プロジェクト終了までには……(中略)目標
Development Programme)の支援により、NGO、
は達成される見込みである」(JICA[2002a]
メディア、青年、経済界など各界各層の意見を
p.29)などと結論づけられた。
反映した2017年までの新たな
「国家環境行動計画」
EMTP-FUは、2002年9月から04年10月までの
(EEAA[2002b])が公表されている。05年6月現
約2年間、各地の環境の状況に応じた調査、
在で「環境情報」の集積・評価・公表という側面
EMTPにより移転された技術の向上のための反
については、
「1999-2000版環境年次報告」
(EEAA
復訓練のために行われた。この期間中、長期専
[2001])、「2000-2001版環境年次報告」
(EEAA
門家2人、短期専門家4人を派遣し活動を行い、
[ 2 0 0 2 a ])、「 エ ジ プ ト 環 境 状 況 報 告 ・ 2 0 0 4 」
エジプト側カウンターパートの12人を国別研修
(EEAA[2005]
)などを発表している。
で受け入れた。2004年3月の運営指導調査団派遣
時の評価は、「EMTPを経て、EMTP-FUに引継が
II EMTPおよびEMTP-FUの概要
れてきた……協力は、単にカウンターパートの
分析技術が確かなものとなるだけでなく、環境
前述のように、エジプト全土にわたる環境モ
行政に責任を持つ国の機関として行う環境モニ
ニタリングのためには、CCC、RBOに環境分析
タリングの意味が理解されるようになってきて
技術を備える必要があった。そこで、日本に技
いる……しかし……自力で完全に求められる役
術者訓練のための協力を要請し、日本は1997年
割を果たして行く状態とはいえない……新規の
から2002年までの5年間、CCC職員と5カ所の
プロジェクト検討にあたって……支援のあり方
RBO職員に対して技術移転を行った。これが
を検討・実施する必要がある」などであった
EMTPであり、そしてEMTPの終了後に、02年か
(JICA[2004]p.83)
。
ら04年にかけて補完的に実施されたのがEMTPFUである。
III EMTPに関する考察
EMTPでは、日本側は無償資金協力による機
材供与の合計約18億1200万円、長期派遣専門家
EMTP終了時評価報告書は、カウンターパー
14人、短期派遣専門家22人を投入した。そして、
トが測定技術の習得とともに、測定結果である
EMTP期間中に、エジプト側のカウンターパー
データを少なくとも定性的に発生源活動との関
トのうち10人を研修員として、またEMTPに並
係において評価して報告することができるよう
行してエジプトから国別特設研修に20人、集団
になり、目標は達成したとした。その一方で、
研修に9人を日本に受け入れた。エジプト側は
各RBO、CCCの活動に基づく環境の状況の取り
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「エジプト環境モニタリング研修センタープロジェクト」の実施結果から見た環境協力に関する一考察
まとめなど、EMTPによる成果が十分に環境政
EMTP目標は「CCCおよびRBOが水・大気質の
策に生かされる状態にはならなかったとしてい
一般環境および発生源、および産業廃棄物のモ
る。
ニタリングを適切に実施できるようになる」と
EMTP研究会はこの指摘に関連する問題、そ
された。成果として、「CCCおよびRBOのスタッ
の他の教訓等について、以下のとおりと考える。
フが水、大気、廃棄物のサンプリング、分析お
よび評価方法を身につける」などの6項目が目標
1. 投入時期とカウンターパート機関の妥当性
EMTP終了時評価報告書は、エジプトが1994
年環境法を施行するにあたって環境モニタリン
とされた。EMTP終了時評価報告書はこのこと
に関連して、基本設計の不十分さを指摘してい
る。
グ技術を必要としていたので、協力の開始時期
要約すると、これらの上位目標やプロジェク
は適切であったこと、同法に基づき環境監視・
ト目標等の記述からは、エジプト側への技術移
測定の責任を担うEEAAへの協力は、カウンタ
転が測定技術の範囲のみにとどまるのか、それ
ーパート機関として適切であったこと、また、
とも、入手したモニタリング情報を評価するこ
本庁内のCCCだけでなく地方での環境監視・測
とまで含まれるのかについて不明確であったこ
定の権限を持つRBOの分析室に対してもプロジ
と、プロジェクトの開始段階において移転技術
ェクト開始後早い段階から協力を行って技術レ
の活用に関して日本側、エジプト側が十分な認
ベルを向上させたことなどから、協力は妥当な
識を共有しなかったこと等、その結果、プロジ
ものであったと評価した(JICA[2002a])。I章
ェクトの基本設計が十分でなかったとするもの
で述べたとおり、エジプトは経済発展により
である。なお、モニタリング技術により得られ
1990年代に1人当たりGDPが1000ドルを超えてい
る情報を環境政策の検討に活用することが明確
る。環境ODA評価研究会報告書の中での議論で、
にされていないことについては、プロジェクト
概して1人当たりGDPが1000ドルを超えたころか
の途中段階で気付き、内容の一部見直しを行い、
ら公害問題が顕在化することが指摘されており、
測定技術の移転に加えて、測定データの評価を
経済発展の段階と比較しても、エジプトへの協
ある程度のレベルで行うことができるようにな
力は適切な時期に開始されたと考えられる。ま
ることを補足した。しかし、EMTP終了時評価
た、同報告書で触れているとおり、他国の環境
報告書はこのことについても、日本側の関係者
センタープロジェクトでは環境監視・測定の責
の間で認識に一致しない点があり、プロジェク
任を直接的に持たない組織をカウンターパート
トの進行に混乱があったことを指摘している。
とした例があることを考慮すると、モニタリン
一般的に、環境に関する技術協力は相手国に
グ技術を直接必要としていた組織に技術移転を
おける環境の質が改善され、望ましい状態に維
行った点は非常に妥当であったといえる。そし
持されることを目指しているといえる。環境モ
て、環境管理分野での協力を通じ一般市民に裨
ニタリングの技術協力においては正確に環境分
益することの重要性を鑑みると、地域住民に接
析を行うことができることを出発点とし、そこ
する機会の多いRBOに早い段階から協力したこ
から得られる情報を環境政策の検討に活用でき
とは重要であり、他の環境センタープロジェク
るようになることが必要である。EMTP研究会
トと比較しても特徴的である。
は、EMTPの開始当初の段階で、環境モニタリ
ングのそうした意味を関係者が共有すること、
2. プログラム目標と基本設計
そのうえでプロジェクトの設計がなされ管理さ
EMTP上位目標は「エジプトにおいて環境法
れる必要があったことを指摘する。つまり、エ
の 施 行 に よ り 環 境 規 制 基 準 が 遵 守 さ れ る 」、
ジプトにおける環境の保全のために、プロジェ
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クトがどのような意味を持つかについての認識
こうした人材の確保について「国際環境協力
を共有しておくこと、そうした認識がプロジェ
研修のあり方検討会報告書」は「専門家の持つ
クト目標、上位目標に反映されることが必要で
べき力」として、相手国におけるニーズを把握
あったということである。
する力、専門知識を相手国に合った形で活かす
なお、III章の1で触れたとおりEMTPのカウン
力、持続可能な開発についての理解、コミュニ
ターパート機関は環境モニタリングによって得
ケーション力、生活力などを挙げている(国際
られる情報を必要な環境政策の検討に活用する
環境協力研修のあり方検討会[1998]pp.11-16)。
立場の組織であったので、EMTP終了時評価報
また、「第2次環境分野別援助研究会報告書」は、
告書に指摘されているように、発生源の測定結
従来の環境モニタリングや公害防止などの枠を
果から改善を求める行政勧告・命令が100件以上
超えた技術ノウハウの移転を行う方向に広がり
出されるなど、実際に行政に反映された事例が
つつあること、法的規制や行政指導を行う政策
ある(JICA[2002a]pp.21-22)。プロジェクト
アドバイザー型の専門家の需要に対応できてい
設計段階、また、進行段階においても、日本側、
ないこと、それらの人材育成が必要であること
エジプト側の関係者が環境モニタリングの意味
を指摘している(JICA国際協力総合研修所
をよく理解し、共有することができていれば、
[2001]pp.182-189、pp.327-343)。これらは
よりよい成果が得られ、日本の協力の結果がよ
EMTPの経験からも指摘できることである。
り大きなインパクトをもたらす可能性があった
のではないかと考える。
4. 総合的な視点の必要性
EMTPは主に大気汚染、水質汚濁、一部に産
3. 環境協力のための人材の確保・育成
業廃棄物に関係するモニタリングの技術移転を
EMTP終了時評価報告書は、プロジェクトが
内容とするものであったので、事前調査報告書
多くを委託する専門家の人選を慎重に行うべき
(JICA[1996a])、実施協議調査団報告書(JICA
こと、環境行政に造詣の深い人物と分析技術者
[1997])に見られるように、当然ながらこれら
とのバランスをとることが望ましかったことな
に関係する環境法、行政組織、環境の現状等を
どを指摘している。
報告している。しかし、相手国の関係者や社会
EMTP研究会としては、「行政に対する造詣」
という言葉のニュアンスを超えて、「環境ガバナ
の、環境問題に関する認識についての記述はな
かった。
ンス」(松下[2002])とも呼ばれるような意味
その一方で、EMTP終了時評価報告書は、プ
において環境政策全般をよく知るとともに、カ
ロジェクトの進行とともにカウンターパートが
ウンターパートに対して環境に関する認識や仕
さまざまな経験を積む中でモティベーションを
事に対するモティベーションを高めるように技
高めていったこと、エジプト側が発生源インス
術移転ができ、また、応用力や創造力を備えて
ペクションの重要性とともに一般環境モニタリ
現地の事情に即して対処できる力を有する人材
ングの重要性を認識するようになったこと、汚
が望ましいと考える。このことはプロジェクト
染発生源事業者や国民の環境意識が発生源イン
チーム以外の環境協力の関係者についてもいえ
スペクションの実績に基づく法施行とその報道
る。EMTPのようなチームで技術移転を行う場
などを通じて高まったこと、を評価している
合には、プロジェクトチーム全体として、人材
(JICA[2002a]pp.21-24)。これらは望ましいこ
の質の確保ができるよう配慮すること、特にチ
とであるが、EMTP開始直前の実施協議調査団
ームのリーダーとなるその人について、人選を
報告書等には、関係者や社会的な環境認識等の
配慮することが望まれる。
記述は見られないし、プロジェクトの進行中に
16
「エジプト環境モニタリング研修センタープロジェクト」の実施結果から見た環境協力に関する一考察
実施された運営指導調査団等の報告書において
センタープロジェクトを主に評価対象とし、「環
もそのような側面からの記述はなされていない
境センターが……環境モニタリングおよびモニ
(JICA[1996a, b]
[1997]
[1998]
[1999]
[2001]
)
。
タリング結果の分析・解析等においては満足し
EMTPのような大規模の環境技術協力プロジェ
うる技術的能力を形成したものの、そうした研
クトの実施にあたっては、環境法、環境行政・
究結果を環境政策の立案・実行に結びつける組
組織などだけでなく、カウンターパート、関係
織的位置づけになく、政府の環境管理能力を向
行政機関、事業者、国民などの環境認識を事前
上させるという点においては限界があった」(環
に幅広く把握しておくこと、把握できていない
境ODA評価研究会[2003a]p.89)と記述してお
とすればそのことを明記すること、また、そう
り、環境モニタリングの結果は環境政策の立案
した把握結果をふまえてプロジェクトを進める
等に活用されるべきものとの認識を示している。
ことがより望ましいあり方と考える。
そのことは単に環境モニタリングに関係する
また、協力案件が相手国の環境行政、環境政
技術協力だけではなく、他の多くの環境分野の
策とどのようなかかわりがあるかをとらえる必
技術協力においても相手国の環境行政、環境政
要がある。EMTP終了時評価報告書は「上位目
策の側から協力案件を見ること、さらには環境
標の達成は最終的な環境行政、環境政策の目標
行政、環境政策そのものを総合的に見る必要性
とされるものであって、それはEEAAをはじめ
(EMTP研究会[2004]pp.23-24)を示唆してい
とするエジプト政府、さらにはエジプトの各界
ると考える。この点については、「第2次環境分
各層の支持を得て進められるもの……本プロジ
野別援助研究会報告書」が「援助ニーズを有す
ェクトの成果は、今後の環境行政、環境政策を
る環境問題の優先順位を考え、最も優先度の高
進めるにあたって、必要な最も基本となる環境
いものを選定して地域の援助ニーズとするアプ
モニタリングデータとその基本的な評価結果を
ローチ……総合的・包括的な支援計画が必要」
提供する人材、組織を育てたことである」
(JICA[2001]pp.11-12)とした。また、「環境
(JICA[2002a]p.32)としている。当初の実施
分野全体の能力形成すなわち社会的環境管理能
協議調査団報告書(JICA[1997])などにはこ
力の形成を目指した援助のプログラム化が重要」
うした記述は見られないが、徐々にプロジェク
(環境ODA評価研究会[2003a]pp.93-94)と指
ト関係者間にそういう考え方が浸透し、終了時
摘し、中国の環境センタープロジェクトについ
評価報告書の記述に至ったと見ることができる。
ては「政策レベルの人材育成」に寄与しようと
さらにEMTP-FU運営指導調査団報告書は、他の
した側面が存在した(同「2003b」p.35)ことに
プロジェクトへの教訓として「測定技術移転を
も関連を見出すことができる。
するプロジェクトであっても、環境行政・環境
こうした考え方に関連してEMTP-FU運営指導
管理・環境政策などの基本的な理解を求めるよ
報告書について指摘できることは、EMTP-FUに
うなプログラムを工夫することが必要」(JICA
関係する環境法、行政組織、環境モニタリング
[2004]p.85)としている。
の状況などと併せて、水利用・水資源、廃棄物
関連する記述として、インドネシアでの環境
処理の現状等、大学・研究機関・NGO・民間企
センタープロジェクトの終了時報告で「協力の
業の動向、住民の環境意識などを含む幅広い動
初期段階から環境観測の結果を環境管理に生か
向を報告し、環境行政、環境政策とそれを取り
すことを含めた計画とするべきである」(JICA
巻く国の状況を垣間見ることができるものとな
[2000]p.42)としている例がある。また、環境
っていることである(JICA[2004]pp.28-81)。
ODA評価研究会報告書はEMTPに先行して実施
もとより「エジプトの社会的環境管理のすべて
された中国、タイ、インドネシア、メキシコの
の面での調査ができたとはいえない」(同 p.80)
国際協力研究 Vol.22 No.1(通巻43号)2006.4
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ものであるが、さらに補強されるべき調査項目
案件に限らず、相手国に対する長期的な視点か
として環境教育の実態、事業者の取り組み、メ
ら環境協力のあり方を見通すことができるとも
ディア・世論の動向など10項目を挙げている
想定される。メキシコでの環境センタープロジ
(同 pp.80-81)。この視点はこれからのあり方を
ェクトの終了時報告においては「環境分野の協
示唆しているものと思われる。
力は、技術移転活動の成果が目に見える形では
表れにくく、息の長い対応により本当の成果が
5. 持続可能な社会を目指す長期的視点
上がるものであると思われる。よって、プロジ
日本の環境政策は現在では環境基本法を基本
ェクトの計画段階での長期ヴィジョンに基づく
として枠組みを構築している。これは、国民、
立案が必要」(JICA[2002b]p.31)としている。
NGO・NPO、自治体、政府、国会等が関与して、
先述のIII章の4において、協力案件が相手国
環境汚染、廃棄物処理、自然環境保全・生物多
においてどのような意義を有するかについて、
様性保全、景観保全、循環型社会形成、地球環
環境行政、環境政策の現状をさまざまな側面か
境保全などに対応する社会的な仕組みで、その
ら把握して、総合的な視点でとらえることの必
中に環境モニタリングも組み込まれている(環
要性をすでに指摘した。同時に、相手国におけ
境基本法第13条)。こうした環境政策の仕組みを
る環境政策の形成過程という視点から、協力案
構築し始めた時期については、少なくとも1950
件や環境協力のあり方を長期でとらえることの
年代ごろまで、あるいはそれ以前にさかのぼる
必要性も挙げられる。この2つの側面から環境協
ことができる。日本は先進国の一員であり途上
力案件に対する事前評価を行うことにより、正
国に比べて進んだレベルの環境政策の枠組みを
確な採否の判断や採択後の望ましい協力のあり
構築しているが、環境基本計画(環境基本法第
方の確保が可能になるものと考える。こうした
15条に基づく閣議決定計画。最新のものは2000
考え方は環境協力の事前評価、環境協力アセス
年12月決定。環境省[2000])に示されているよ
メントともいうべきものに途を開く可能性があ
うに、環境については「良好な状態に保全し、
る。また、対象国に対する総合的・長期的な環
また、その全体を自然の系として健全に維持し
境協力の立案を可能にするものと考えられる。
……」ていくように、「持続可能な社会を目指し
て」いる過程にある。具体的には温室効果ガス
IV 提 言
の削減、循環型社会の構築など大きな課題を含
むさまざまな問題に取り組んでいるところであ
る。環境ODA評価研究会報告書は「社会的環境
ここまでの考察から、次のような提言をもっ
て本稿を締めくくることとする。
管理の発展ステージ」として、中国、タイ、イ
ンドネシア、メキシコが1970年代ごろから法整
備、行政組織整備、環境管理に取り組んでいる
。
ことを挙げている(
[2003a]p. ⅩⅩⅤⅡ)
1. 今後のエジプト協力への提言
エジプトでの今後の環境協力プロジェクトに
おいては、協力の成果が環境政策の検討に活用
先進国も開発途上国も、それぞれに持続可能
されることを明確に位置づけ、単に分析技術を
な社会の構築を目指す環境政策の形成過程にあ
移転するのでなくそれを活かすことのできる技
ると見ることができる。こうした見方に立てば、
術移転を目指す必要がある。そのことを日本側、
途上国における環境政策の経緯・現状・見通し
エジプト側の双方が確認し、新たなプロジェク
を把握して、協力要請案件を検討する場合には、
トを進める日本側専門家、エジプト側カウンタ
相手国の環境政策の形成過程にその案件を位置
ーパートが確かに理解して成果を上げるように
づけるようなあり方が想定される。また、要請
仕向ける必要がある。また、技術協力プロジェ
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「エジプト環境モニタリング研修センタープロジェクト」の実施結果から見た環境協力に関する一考察
表−1 環境政策形成過程評価支援プログラムの骨子
1 評価の対象となる相手国の主体
国民,NGO・NPO,自治体,政府,国会
2 評価プログラムに含まれる主要指標
(1) 自然:面積,陸域,気候,水域,動植物等
(2) 政治・社会・経済等:近代史,政治,経済,産業,貿易等
,土地利用,
(3) 基礎的社会指標等:人口,GDP,HDI(人間開発指数)
エネルギー使用,自動車保有台数,水利用・水資源等
(4) 環境法・行政:立法,行政(組織)
,地域政策(地方自治)
3 環境政策の対象分野等
(1) 個別分野:環境汚染対策,廃棄物処理,資源循環,自然環境保全・
景観保全,地球環境保全等
(2) 横断的分野:環境教育,環境情報等
4-1 環境要素と環境の質の評価
環境汚染,廃棄物,資源循環,自然環境・景観,地球環境関連事項等
4-2 環境政策と形成過程の評価
環境政策の内容
(1) 総合環境政策
(2) 環境汚染対策,廃棄物,資源循環,自然環境・景観,地球環境関連
4
評
価
(3) 横断的事項:環境教育,環境情報公開,地方自治,国民世論
4-3 各主体の環境政策に対する関与の評価
国会,政府,地方自治,事業者,国民(世論)
,NGO・NPO,マスメディア
4-4 総合評価
環境に関係のある基礎的社会指標の評価
環境質評価
政策評価
各主体の環境関与評価
(出典)筆者作成.
クトおよびそれ以外の環境協力について検討、
りよく知り「環境政策対話」が可能な力を持っ
実施するにあたって、改めてエジプトの環境行
てもらうこと、新たに環境協力に携わる人には
政、環境政策の現状を把握し、今後の協力の位
必要不可欠な環境政策に対する基礎的な事項を
置づけ、方向性を明確にしつつ行うことが不可
知ってもらうことなど、効果的な種々のプログ
欠である。すでに2005年12月より、新プロジェ
ラムを用意すること、また、そうしたものを総
クト「エジプト地域環境管理技術向上プロジェ
合的に集大成して人材の確保、養成を進める体
クト」(Regional Environmental Management
系的な推進策を用意する必要があると考える。
Improvement Project:REMIP)が開始されている。
既述のEMTPでの教訓を新プロジェクト関係者
が意識していくことが重要であろう。
3. 総合的・長期的視点に立った支援プログラ
ムの立案と環境協力アセスメントの必要性
本稿で述べたとおり、環境協力案件の検討に
2. 協力のための援助人材の確保・育成
あたっては、相手国における案件の意義につい
環境協力に携わる人材を確保し、その力量を
て環境行政、環境政策の現状の側面から総合的
高めるために、関係者による検討の場を用意し、
な視点でとらえること、および環境政策の形成
検討を進める必要があると考える。語学力その
過程という側面から長期的な視点でとらえるこ
他の即応的な研修等に加えて、個別の専門技術
とが必要である。この2つの側面を基礎として環
を有する専門家等に環境行政・環境政策を知っ
境協力案件を事前評価することが必要である。
てもらうこと、プロジェクトチームリーダーな
また、そうしたあり方の将来における展開とし
どの重要な責任を担う人について環境政策をよ
て、環境協力アセスメントとも呼ぶようなもの
国際協力研究 Vol.22 No.1(通巻43号)2006.4
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を検討することは意味があると考える。
それに資するものとして、相手国の環境の状
況と環境政策の経緯、現状、見通しを総合的に
評価できるプログラムを検討し実用化を図るこ
とが有効と考える。たとえば、それは表−1の
「環境政策形成過程評価支援プログラムの骨子」
のような項目・構成のものである。これは、開
発途上国における環境行政、環境政策に関係す
る情報をできる限り幅広く網羅しておくための
ものである。多くの国の情報が蓄積された場合
には、開発途上国間の相対的な環境行政・環境
政策の比較を可能にし、また、開発途上国の状
況を包括的・総合的に把握するにあたって客観
性のある情報を提供してくれる可能性がある。
それは支援を急ぐべき国、急ぐべき課題を抽出
し、選択するような場合にも有効であると考え
る。
参考文献
エジプト環境モニタリング研修センタープロジェクト
(EMTP)研究会[2004]「研究結果報告書−エジプ
トEMTP及び関連する環境協力に関する研究−」
(社)海外協力センター[1994]「平成5年環境庁委託
開発途上国環境保全企画推進調査報告書−エジプ
ト・アラブ共和国−」
——[1995]『地球的課題援助研究調査(開発途上国環
境対策評価)
(エジプト・アラブ共和国)
』
環境省編[2000]
「環境基本計画」
国際開発学会・環境ODA評価研究会[2003a]「環境セ
ンターアプローチ:途上国における社会的環境管
理能力の形成と環境協力」
——[2003b]「環境センターアプローチ:途上国にお
ける社会的環境管理能力の形成と環境協力〈個別
評価研究〉
」
国際環境協力研修のあり方検討会[1998]「国際環境協
力研修のあり方検討会報告書」
JICA国際協力総合研修所[2001]「第2次環境分野別援
助研究会報告書」
JICA社会開発協力部[1996a]「エジプト・アラブ共和
国環境モニタリング研修センター・事前調査報告
書」
——[1996b]「エジプト・アラブ共和国環境分野基礎
調査団報告書」
——[1997]「エジプト・アラブ共和国環境モニタリン
グ研修センター・実施協議調査団報告書」
20
——[1998]「エジプト・アラブ共和国環境モニタリン
グ研修センター・運営指導調査団報告書」
——[1999]「エジプト・アラブ共和国環境モニタリン
グ研修センター・巡回指導調査団報告書」
——[2000]「インドネシア共和国環境管理センタープ
ロジェクト終了時評価報告書」
——[2001]「エジプト・アラブ共和国環境モニタリン
グ研修センター・運営指導調査団報告書」
——[2002a]「エジプト・アラブ共和国環境モニタリ
ング研修センタープロジェクト終了時評価報告書」
——[2002b]「メキシコ合衆国環境研修研究センター
フェーズⅡ終了時評価報告書」
JICA地球環境部[2004]「エジプト・アラブ共和国環境
モニタリング研修センタープロジェクト(フォロ
ーアップ協力)運営指導報告書」
世界銀行編,鳥居泰彦監訳[2004]『世界経済・社会統
計』東洋書林
世界資源研究所編[1992年]『世界の資源と環境199293』ダイアモンド社 松下和夫[2002]『環境ガバナンス−市民・企業・自治
体・政府の役割』岩波書店
Central Agency for Public Mobilisation and Statistics[1998]
“STATISTICAL YEAR BOOK1992-1997 ARAB
REPUBLIC OF EGYPT”
Government of the ARAB Republic of EGYPT[1992]
“ENVIRONMENTAL ACTION PLAN”
EEAA[2001]
“Annual Report 1999-2000”
——[2002a]
“Annual Report 2000-2001”
——[2002b]“The National Environmental Action Plan
2002-2017”
——[2005]
“State of The Environment Report”
井上
堅太郎(いのうえ けんたろう)
専門分野は環境政策.岡山県庁にて環境行政に携わ
った後,エジプト環境庁にJICA専門家として派遣.
現在,岡山理科大学社会情報学科教授.
安倍 裕樹(あべ ゆうき)
岡山理科大学大学院社会情報専攻.研究テーマは環境
政策.
現在,修士課程在学中.
今井 千郎(いまい せんろう)
東京大学大学院農学系修士課程修了.環境庁を経て,
アフリカ開発銀行にて開発融資プロジェクトの環境評
価担当,日中友好環境保全センターでは日本専門家チ
ーム主席顧問などを務める.
現在,JICA国際協力専門員.
千原 大海(ちはら ひろみ)
東京大学大学院工学系研究科修了.イラン計画予算
庁・開発と計画のための研究所にてJICA専門家,日中
「エジプト環境モニタリング研修センタープロジェクト」の実施結果から見た環境協力に関する一考察
友好環境保全センターフェーズ3プロジェクトチームリ
ーダーなどを務める.エジプト環境モニタリング研修
センタープロジェクトチームリーダー.
現在,JICA国際協力専門員.
石田 滋雄(いしだ しげお)
ボストン大学開発経済学修士.専門分野は工業開発,
中小企業育成等.エジプト環境モニタリング研修セン
タープロジェクト終了時評価調査団に団長として参加.
現在,JICA国際協力専門員.
岩崎 英二(いわさき えいじ)
筑波大学大学院環境科学研究科修了.JICAフィリピ
ン事務所,世界銀行研究所環境部,JICA社会開発協力
部第二課を経て,
現在,JICA地球環境部第二グループ環境管理第二チ
ーム長.
高畠 千佳(たかはたけ ちか)
筑波大学第三学類国際総合学部卒.JICA社会開発協
力部および地球環境部にてエジプト環境モニタリング
研修センタープロジェクト本部担当.
現在,JICAボリビア事務所.
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