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 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2271号 2010年(平成22年)12月2日 木曜日 (1)
WING DAILY
【HEADLINE NEWS】
★エアバス、新エンジン搭載のA320開発へ
L-XとPW1100G搭載、燃料消費量15%削減
Leap-X及びPW1100Gを搭載したA320neo
エアバスは12月1日、エアバスのベストセラー機となってい
るA320ファミリーに新エンジンの搭載を決定した。新エンジ
ン搭載のA320はA320neoと名付けられた。搭載される新エン
ジンはCFMインターナショナル社製のLeap-Xと、プラット&
ホイットニー製のPW1100G。エアバスでは、A320neoの引き
渡しを2016年春から開始する予定とのことで、実際の製造着
手はその1年前程度になることが想定される。なお、エアバス
は今後15年間でA320neoの需要を4000機と見込んでいる。
エアバスによると、A320neoはA319/320/321(標準座席
数:A319:124席、A320:150席、A321:185席、エンジ
ン:CFM56-5またはV2500)に適用するとのことで、同じ
A320ファミリーのうち、エアバスの製品ラインナップのなか
で最も小型なA318(107席級、エンジン:CFM56-5及び
PW6000)は外れた。またA320neoの開発投資額は10億ユー
ロをやや超える見込みで、新エンジン搭載により、機体もウィ
ングボックス、主翼、そしてパイロンの設計に若干の変更が加
えられる。
また、機体価格は従来のA320ファミリーを若干上回る価格
となる見込みで、既存のA320ファミリーのリストプライスは
A319が7440万米ドル、A320は8140万米ドル、そしてA321は
9550万米ドルとなっている。
エアバスは新エンジン搭載によって最大15%もの燃料消費量
削減効果があるとしており、その内訳は新エンジン搭載により
12.5%、標準装備化されるシャークレットによる効果が2.5%
となる。
また、燃料節減によりCO2排出量も削減される見通しで、エ
アバスでは1機あたり年間3600トンの排出削減効果があるとし
Airline & Aviation E-mail News
発行所 航空新聞社:W I N G
D A I L Y 編集部
〒1 0 7 - 0 0 5 2
東京都港区赤坂 4 - 8 - 6 赤坂余湖ビル3 階
TEL(03)3796-6647 FAX(03)3796-6643
URL=http://jwing.com [email protected]
購読料半年33,600円年間63,000円(消費税含む)
ているほか、NOxの排出量も2桁削減。騒音も削減するほか、
運用コストも低減することができるという。さらに、航続距離
は最大で950㎞延長するか、もしくは有償搭載量は2トン増加
することが可能となる。
エアバスのA320ファミリーの受注残機数は2000機以上と大
量の受注残を抱えている。そのため、エアバスは金融危機で落
ち込んでいたA320ファミリーの月産レートを34機から、今月
には月産36機のペースに増産、2012年には月産40機体制を整
えていく計画。エアバスではトゥールーズとハンブルクの
A320最終組立工場の既存ラインでA320neoの製造対応が可能
とのことで、既存のA320とA320neoの“パラレル・ライン”
が構築される模様だ。
月産レートのうちどの程度の機数がA320neoとなるかは今後
の受注動向次第。従来型のA320ファミリーを発注済み顧客と
の間でA320neoへの切り替えも検討される可能性があることか
ら、A320neo需要が急速に高まることも想定される。
なお、今回のエアバスのA320neo開発の方針を受けて、航空
会社各社からも「顧客ニーズを汲み取った判断を下したエアバ
スの決定を支持する」などといった、15%の大幅な燃料削減効
果を持つA320neoに好意的な姿勢をみせる声が聞かれている。
日本が参画するIAEの行方は
新たなJV立ち上げも、JAECは新JVに参画の意向
新エンジンの搭載が決定して改良が加速するA320ファミ
リーだが、気に掛かるのが今後のインターナショナル・エア
ロ・エンジンズ(IAE)の方向性だ。同社は1983年に設立さ
れ、P&W、ロールス・ロイス、MTU、そして日本航空機エン
ジン協会が参画。A320搭載用エンジンとしてV2500(現在、
アップグレード版のV2500SelectOneを供給)を開発・製造し
て供給してきており、JAECが参画していることを示すよう
に、日本の航空機産業もIAEには大きく係わっている。
日本としてはV2500の開発を契機に、エンジン分野で国際共
同開発に大きく足を踏み入れた経緯もあるほか、A320ファミ
リーの好調な受注を背景に、エンジンも大量の受注残を抱えて
安定収入が見込める、いわば民需航空エンジン事業の生命線の
1つ。
JAECによると、「P&Wのギアド・ターボファン・エンジン
を共同開発する方向で、P&Wと協議している」とのことだ
が、「ロールス・ロイスはA320neoに参画しない方針で、IAE
としての枠組みは使うことができない。そのため、新たなジョ
■■お知らせ■■
試験的にツイッターでヘッドラインニュースの掲載を始め
ました。
ご活用いただければ幸甚です。(編集部)
ツイッター・ウイングニュース
http://twitter.com/wingnews/
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2271号 2010年(平成22年)12月2日 木曜日 (2)
イント・ベンチャーを立ち上げて、製造する可能性がある」
と、新たなジョイント・ベンチャーをスタートさせてA320neo
にエンジンを供給していく考えにあることを明らかにした。
JAECとしては「新たなジョイント・ベンチャーに参画する
方向で協議している」とのことで、今後詰めの協議が行われる
ようだ。
最大市場の競争激化、ボーイングも737改良中
ボーイング、737級で来年新たな方向性か
エアバスがA320neoの開発を決定したこのクラスの機体は、
今後20年間で最も多くの機体需要が見込まれている市場。その
ため、従来からエアバスとボーイングは共に改良に向けた多額
の投資を繰り返してきており、双方で様々な改良が重ねられて
きた。
ボーイングはB737NextGenerationの開発を1993年11月17
日の初受注からスタート。同年12月17日にサウスウェスト航
空にB737-700初号機を引き渡した。以来、17年の歳月のなか
で燃料消費料削減等、様々な改善に取り組んでおり、2012年
時点では開発当時と比べて7%の燃料消費量削減を達成する見
込みだ。
さらに、ボーイングではB737改良をさらに強力に推し進め
ていくことを検討中で、来年にもエアバスと同様に新エンジン
搭載か、あるいは新型機開発に踏み切るか、顧客のニーズに応
えるべく方針を決定する可能性がある模様だ。
これまでエアバスとボーイングの2大巨頭が支配してきた巨
大市場だが、カナダのボンバルディアが開発しているCシリー
ズ、ロシアのイルクーツ社がMS-21(150~180席級)の開発
に着手。さらに、ブラジルのエンブラエルもE-195X(130席
級)の開発可否を来年には決定するほか、中国のCOMACも
C919(150~200席級)を開発する方針を打ち出すなど、続々
とA320ファミリーおよびB737ファミリーのクラスの機体開発
に乗り出しており、これまで市場を支配してきたエアバス、
ボーイングとしても顧客の要望に耳を傾けながら、新技術を取
り込んで運航コスト低減、高信頼性、環境適合性、そして旅客
快適性といったファクターの改善を強化していく模様だ。
【航空関連ニュース】
★ANAと楽天Ă海外ダイナミックパッケージ開始
取扱額5年後150億円目標Ă日米JVăスターA拡大も
全日空(ANA)と楽天は国内線に続き、国際線でも提携
し、海外旅行のダイナミックパッケージ「ANA楽パック」を
12月1日から開始した。当初はアジア、欧州、ホノルルの11路
線だが、順次全路線を取り扱う。会見した楽天トラベルの岡武
公士社長は、「5年後に全日空の国際線売上額3000億円の5%
に当たる150億円を目標にしたい」と述べた。
ANAの片野坂真哉取締役営業推進本部長は、これからの
テーマとしながらも、4月から開始するユナイテッド航空/コ
ンチネンタル航空との日米路線の共同事業、さらにコードシェ
アをしているスターアライアンスへ取扱いを拡大する意向を示
した。
楽天ANAトラベルオンラインの宮川純一郎社長によると、
2006年に国内ダイナミックパッケージの「ANA楽パック」を
開始してから順調に進捗し、07年から10年の4年間で取扱額は
5倍に成長。10年末には利用者100万人を突破するとともに、
楽天トラベルの岡武公士社長(左)と
ANAの片野坂真哉取締役営業推進本部長
10年売上目標の200億円も突破する見通しという。
一方、海外のダイナミックパッケージは楽天トラベルで「海
外楽パック」として展開、09年から10年は取扱額を約2倍に伸
ばしている。宮川社長は「国内旅行だけでなく海外旅行もウェ
ブにシフトしており、着実に成長している」と現状を述べた。
こうした状況を受けて、楽天トラベルとANAは今回の
「ANA楽パック」を国際線で展開することを決定した。海外
「ANA楽パック」は、国内旅行と同様に、ANA提供の航空座
席、楽天提供の宿泊施設、オプショナルツアーを含むダイナ
ミックパッケージを海外で展開する。ANAは週846便、国内1
日900便以上と楽天トラベルの海外5万9000軒のホテルを選ん
でパッケージを購入する。
当初はアジア6(ソウル、北京、上海、香港、台湾、バンコ
ク)、欧州4(ロンドン、パリ、フランクフルト、ミュンヘ
ン)、ホノルルの11都市でスタートし、順次、ANAの全路線
を取り扱う。
地方−羽田発のダイナミックパッケージ展開
インバウンドでも提携、中国需要で協力検討
「ANA楽パック」は海外旅行商品の場合、通常のマイレー
ジ付与率が50%だが、これを70%に上げる。また、国内線乗
り継ぎはマイルを100%付与する。また、最大7カ月前から事
前座席指定を可能にするなどサービスを拡充する。
とくに、国内線で拡大してきた「ANA楽パック」の特徴を
生かし、10月末の羽田国際化により国内線と国際線のネット
ワークの利便性が向上したことから、地方−羽田ー海外を組み
合わせて、ANAを使った地方から羽田経由国際線のダイナ
ミックパッケージを展開する。
12月1日のスタート時は、羽田9路線のうち7路線をカバー。
羽田7路線の予約が可能となる。また、成田、関空、中部から
もネットワークで予約できる。
宮川社長は「自分が住んでいる空港から海外に行ける、出発
できる。これにより、海外旅行が便利になる。今回を契機に、
地方から海外のバリエーションを展開したい」と述べた。
岡武社長も地方からの海外旅行のなかなか伸びないという現
状について「我々エージェントの責任は大きい。海外の魅力を
地方にインターネットで情報発信して需要を創造するようなコ
ンテンツが必要」と述べ、地方の海外旅行需要創造に取り組む
ことを示唆した。
また、楽天とANAは海外へダイナミックパッケージの展開
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2271号 2010年(平成22年)12月2日 木曜日 (3)
とともに、今回、インバウンドとマイレージ拡大の提携も発表
した。
インバウンドについては、第1弾として楽天トラベルとANA
の多言語(英語・韓国語・中国語)サイトの相互リンクを開始
した。両社は連携してインバウンド需要の取り込みを進めると
し、とくに中国からのインバウンド需要への取り組みについて
今後準備を進めていくことを示唆した。
ANAと楽天トラベルのマイレージ提携の拡大は、国内ホテ
ル予約に加えて、海外ホテル予約でもマイルが付与される。
今回の海外「ANA楽パック」の開始を記念して、来年1月11
日までキャンペーンを展開、海外「ANA楽パック」はポイン
トが10倍付与。また30万円の旅行が抽選で5名にプレゼントさ
れる。
※海外「ANA楽パック」URL
http://travel.rakuten.co.jp/kaigai_package/ana/
ANAセールス「WEBフリープラン」知名度向上を
ANAの片野坂営業推進本部長は、ANAセールスが展開する
ダイナミックパッケージについても触れ、国内は「旅作」がか
なり周知されているが、これを機会に既に展開している海外の
ダイナミックパッケージ「WEBフリープラン」の知名度向上
に努力していく意向を示した。
※ANA「WEBフリープラン」URL
http://www.ana.co.jp/inttour/webfree/
★スカイマーク、JAL退職者を計470名採用へ
国際線進出対応などで大量採用を決定
スカイマークは事業規模縮小に踏み切った日本航空の退職者
を大量採用する方針を固めた。スカイマークによると、先頃表
明した国際線事業進出や航空業界を取り巻く環境を踏まえた措
置だという。
スカイマークでは運航乗務員を約120名、整備士を約50名、
客室乗務員を約100名採用。とくに客室乗務員については2014
年からスタートする国際線事業に対応すべく、2013年末まで
には最終的に300名程度の採用を計画している。
スカイマークではJAL退職者を従来より積極的に受け入れ、
体制強化を図ってきた。とくに、運航乗務員については、従来
の社内規定を変更。従来、年齢の高い乗務員は規定上、正社員
試験に到達する前に契約社員で終わってしまう可能性があった
が、規定を変更して若いパイロットと同様に正社員となるるよ
うに対応するなどの取組みを進めている。
★DAL、SFJ子会社に羽田での地上業務を委託
来年2月Ă羽田−デトロイト線とロサンゼルス線
デルタ航空(DAL)は2011年2月から、スターフライヤー
(SFJ)が12月1日に子会社として設立した国際線旅客ハンド
リング業務を行う「スターフライヤー フロンティア」に、
DALが来年2月に就航させる羽田発の国際線搭乗手続き、手荷
物受託、搭乗口案内などの旅客ハンドリングなどの地上業務を
委託する。
DALでは、2011年2月19日に運航を開始するする羽田−デ
トロイト線と羽田−ロサンゼルス線の各直行便の業務をスター
フライヤーフロンティアに委ねることとしている。
また、スターフライヤーフロンティアは今後、羽田空港に
おける海外航空会社の旅客ハンドリング業務を増やしていくと
しているが、当面はDAL運航便を専門に旅客ハンドリング業務
を行っていく方針だ。SFJではスターフライヤーフロンティア
設立を今後の国際線展開に向けての準備としても位置付けてお
り、国際線業務についての習熟を図っていくとしている。
【スターフライヤーフロンティア概要】
▼設立日:2010年12月1日
▼所在地:福岡県北九州市小倉南区空港北町6番北九州空港ス
ターフライヤー本社ビル
▼代表取締役:大石博通(スターフライヤー執行役員運送客室
本部長)
▼資本金:900万円(スターフライヤー100%出資)
▼事業内容:国際線旅客ハンドリング業務
▼人員:40人程度予定
★ANA、羽田発のロス行きCクラス割引運賃を設定
成田発着欧州行きYクラス運賃も限定販売
全日空(ANA)は1日、羽田発北米行きビジネスクラス割引
運賃「スーパービジ割28ペア羽田スペシャル」の2011年1月3
日~3月31日出発分および、成田発欧州行きエコノミークラス
割引運賃「スーパーエコ割ヨーロッパスペシャル」の2010年
12月27日~2011年3月5日出発分の運賃を設定し、国土交通省
へ申請を行った。
新たに設定されたスーパービジ割28ペア 羽田スペシャル
は、羽田−ロサンゼルス線を土曜日に滞在する旅程で、2人以
上のグループ利用により運賃の高い割引が期待できる。従来の
「スーパービジ割28」との比較では、平日出発で1人当たり4
万7000円、週末出発で9万7000円安い設定となっている。購入
の条件は2人以上のグループで全旅程を同一便で旅行するこ
と、予約・購入はグループ全員同時に行う。
またスーパーエコ割ヨーロッパスペシャルでは、成田空港
からの欧州線について土曜日を目的地に滞在する旅程の場合
に、より高い割引が期待できる運賃、10年12月3日~11年1月
16日に販売を実施する。
〈スーパービジ割28ペア羽田スペシャル燃油サーチャージ込
み往復運賃例〉
▼羽田−ロサンゼルス線=平日51万8000円(2人の運賃)
〈スーパーエコ割ヨーロッパスペシャル燃油サーチャージ込
み往復運賃例〉
▼成田−ロンドン/パリ/ミュンヘン/フランクフルト線=12月
27日:平日9万9000円、12月28~29日:平日14万2000円、12月
30~31日:平日12万円、1月1日~2月28日:平日7万7000円、3
月1~5日:平日9万9000円
★日本初の複数フォワーダーによる貨物機チャーター
羽田−香港線2日より乗り入れ開始
東京国際エアカーゴターミナル(TIACT)は2日より、日本
初となる複数フォワーダーのチャーターによる運航が開始す
る。これはこのほど解禁されたフォワーダーチャーターの仕組
みを活用し、日本通運、郵船ロジスティクス、西日本鉄道、近
鉄エクスプレス4社によって週5便のスプリットチャーターとし
て、香港航空のA330-200F型機によって羽田空港への乗り入
れを開始する。
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2271号 2010年(平成22年)12月2日 木曜日 (4)
TIACTでは、今般のチャーター便に加え、11月18日の日本
通運によるフォワーダーチャーター運航など、短い準備期間に
あってもフォワーダー、航空会社、国交省などの連携により運
航が実現することができたとして、貨物取扱がさらに堅調に推
移するものとして、今般のチャーター便運航に喜びの意を示し
た。
★関空、香港航空が香港線の貨物定期便開設
関西国際空港に本日2日から香港航空が関空−香港線に貨物
定期便に就航する。運航は木・土曜日の週2便体制で、A330200フレイター(最大積載量:65トン)を投入する。
香港航空が、貨物定期便を日本に就航することは初めてのこ
とで、関空会社は有数のグローバルネットワークを持つ香港
と、物流ネットワークが強化される、との見解を示している。
関空会社によると、これにより関空−中国間の貨物便は週
75.5便となるという。
★ドイツのクリスマスが羽田空港に登場
「R A X2010 BIG BIRD」開催
日本空港ビルデングは25日まで、羽田空港ビッグバードで
「RomanticAirportXmas2010inBIGBIRD」を開催する。こ
れはスタッフがロマンティック街道沿いのローテンブルク市に
ある「ケーテ・ウォルファルト本社」を訪れ、実際のアドバイ
スからクリスマスツリーに飾り付けを行っている。日本空港ビ
ルではCS理念としても掲げる“訪れる人に安らぎを、去り行
く人にしあわせを”の銘文が刻まれるドイツ・ローテンブルグ
市と毎年交流を続けている。
第1旅客ターミナル(1PTB)2階マーケットプレイスは光の
カーテンがツリーまでの道を飾り、イルミネーションで使用す
る電力はグリーン電力によりまかなっている。
また12月23日にはクリスマスマーケットを再現し、限定
2010人に限定クッキーをプレゼント。ほか23日は第2旅客ター
ミナル(2PTB)2階南端、25日は1PTBマーケットプレイス2
階で、航空会社スタッフなどで構成される合唱団コンサートや
ハンドベル演奏会を開催する。
★関東自動車、宇都宮−羽田空港のバス運行10周年
マロニエ号羽田空港線の記念キャンペーンを開催
関東自動車をはじめとした東京空港交通、東野交通は8日、
宇都宮−羽田空港線を運行するリムジンバス「マロニエ号羽田
空港線」が満10年の節目を迎えるに当たり、2010年12月8~
11年1月10日に「運行開始10周年記念キャンペーン」を計画し
ている。
これはプレゼント企画として、期間中に羽田空港行きに乗車
しアンケートに答えた利用者から抽選でギフト旅行券や東京
ディズニーリゾートのペアパスポートなどが当たる。また応募
者の中から抽選で20組40人に、羽田空港新国際線ターミナル
の見学と、お台場地区ホテルでブッフェスタイルランチの日帰
りツアーに無料で招待する。
〈プレゼント賞品〉
▼特等=ギフト旅行券5万円:1人
▼1等=ギフト旅行券3万円:2人
▼2等=東京ディズニーリゾートのペアパスポート:3組
▼3等=150分の1高速バス模型2台セット:20人
★NAA、空港内道路案内標識を新規設置
成田国際空港会社では、空港内構内道路の道路案内標識につ
いて、総務省関東管区行政評価局からあっせんを受け、検討を
行い案内標識を新規設置した。
総務省関東管区評価局からのあっせんの内容は第2ターミナ
ルへ向かう際の国際線出発と国際線到着の分岐表示について、
申出か所の分岐点に補助看板を設置するなど、利用者にとって
わかりやすい案内方法について検討するよう要請されているも
ので12月にも第2ターミナルへ向かう際の出発・津お茶区の分
岐までの中間地点付近の2地点に、補助看板を出し対応するこ
ととした。
【航空工業/宇宙関連ニュース】
★IHI、円高耐性・増産対応で海外パートナー選定も視野
欧米等中心に長期視点でアジアにも目を
IHI航空宇宙事業本部の石戸利典本部長は12月1日、円が急騰
して民需事業で為替差損が生じる状況にあるなかで「1ドル80
円以上になったり、更なる増産体制を構築することが求められ
るようであれば、海外のパートナーを探していくことになる」
との考えを明らかにした。
大手重工メーカー各社の民需事業は、円高による煽りを受け
る形で為替差損が膨らみつつあり、一部のプロジェクトでは赤
字に転落する状況も出ている。ここ最近の為替は80円前半まで
円高が進行した一時に比べて84円台を回復するなど、やや落ち
着きを取り戻しつつあるものの、防衛予算の削減に起因した防
需売上の頭打ちもあって、民需の売上比率が防需を上回る傾向
にあり、為替変動対策は喫緊の課題となった。
こうしたなかでIHIは現在、契約などをドル建てベース化を
進めてきており、「だいたい7割程度がドル化された」として
おり、為替変動リスク耐性を強化しているところ。
「残りの3割は、如何に生産性向上を図るかなど、競争力強
化を図る」としており、新しい製造方法などを採り入れなが
ら、10-20%の生産性向上に取り組むことにより、リスク耐性
の強化を進めていく方針だ。
しかしながら、更なる増産体制構築が求められるなど、新た
な設備投資を行わなければならないような際には“円建て”と
なるなど、為替変動リスクを強化していかなければならないの
も事実。そのため、増産による新規設備投資が求められるよう
な事態となれば、海外のパートナーをみつけて作業の外注化も
検討していくことになるようだ。その際には海外パートナー
に、単に“外注”するのではなく、IHIから人材を派遣して体
制を確立するなど長期的な“パートナー”関係を構築していく
方針だ。
「航空エンジンの場合、人件費が安いということよりも、確
実に製造できることが重要」(石戸本部長)との見解を示して
おり、すでに実力・実績を積み上げてきた欧米、カナダ、東
欧、メキシコなどを含めた諸外国の海外パートナーとの提携を
視野に入れていることを明らかにした。
そのうえで石戸本部長は「タービンやブレード、シャフトと
いった重要部品はIHIが外に出すことはないが、これまで外に
出すことは考えられなかったものを国外のパートナーに出すこ
ともありうる」としている。
さらにIHI全社としてアジアにどう目を向けていくか、とい
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2271号 2010年(平成22年)12月2日 木曜日 (5)
う考えを持っており、航空エンジン事業としても長い視点でみ
ればアジア諸国へ一部分担を外出ししていくこともありうると
の見通しを示した。
再生型燃料電池、年度内に試作電池完成へ
2012年度に飛行試験実施計画も
また、ボーイングとの共同研究で航空機用再生型燃料電池シ
ステムの研究開発が進められているが、今年度中に搭載型モデ
ルの設計、試作、耐環境評価等に取り組んでいくことを明らか
にした。搭載型モデルは2012年度にはボーイングのB737に搭
載して飛行試験を実施する。
今年3月3日、IHIとボーイングは再生型燃料電池テクノロ
ジーの共同研究を開始する覚書を締結。これによりIHIは航空
機用補助電源という新たな事業分野に踏み出すことになった。
ボーイングはこの再生型燃料電池を、初期段階としてギャ
レー、ポンプ、照明用電力として応用することを検討。2014
年から認証段階に入る予定で、2017年頃には初期運用を開始
していく方針。
この燃料電池システムを使うことで、燃料消費量とCO2排出
量をそれぞれ約1%程度削減できる見込みで、発電機による発
電量低減化や、さらには電力システムの小型軽量化も図ること
もできる見通し。
航空機のジェットエンジンは、飛行するための推力確保や、
空調等の空気の確保、そして発電機による電力確保という役割
を果たしている。その発電能力は、エンジン出力と比例し、タ
キシングや降下中はエンジン出力が低いため、一般に電力は不
足する。一方、離陸上昇や巡航時のエンジン出力は高くなるた
め電力に余裕ができる。
そこで運航中の電力の需給バランスを保つために再生型燃料
電池システムでは、電力に余裕ができる上昇・巡航時に水を電
気分解して水素と酸素を生成・保存し、タキシングや降下中な
ど電力が不足する時には水を電気分解した水素と酸素を使って
発電するシステムを構築することを目指す。また、発電時に生
じる水は、熱交換器を通って再び水電解装置に戻るか、航空機
の温度環境制御システムなどに再利用する。
航空機用の燃料電池に求められる能力は、小型軽量かつ長時
間に亘り一定の電力供給を行うことができる、つまりエネル
ギー密度が高いことで、IHIでは航空機用に開発する燃料電池
の出力は15~30キロワットで、エネルギー密度は500Wh/kg
以上700Wh/kgを達成することができる見込みだ。
石戸本部長によると、「将来的にボーイング機に採用される
ことを期待している」としているものの、「(ボーイングとの
契約は)共同研究契約であり、設計やものづくりのノウハウは
我々にあってボーイング機のみという縛りはない」としてお
り、獲得したノウハウを使ってエアバス機などへの搭載も可能
だという。
エコエンジン、ビジネスジェットにも視野展開
また、石戸本部長はエコエンジンについて、「今は残念なが
らいまはマーケットがないが、いつ化けるかわからない。小型
エンジンの技術を仕上げておいて、マーケットが参入を狙う」
とのスタンスを維持しつつ「リージョナルだけでなく、ビジネ
スジェットなどでも技術を使用することができないか、視野を
広げていく」と、対象となる機体の間口を広げるなどして、商
業化に繋げていきたいとの考えを明らかにした。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受
け、50席クラスの環境適応型小型航空機用エンジン研究開発プ
ロジェクト(エコエンジン)第3期実用化実証フェーズに入っ
た。
石戸本部長によると、今年度は燃費改善を目指したエンジン
の高圧力比高性能圧縮機の性能実証試験用の供試体製造を実施
しているとのことで、今後は試験の準備を整える。
また、高圧化でより高度な低NOx化技術が必要になった燃焼
器は、燃焼器の一部を切り出したセクター型燃焼器の燃焼試験
を実施。目標とする低NOx性能を満たす性能を出しており、今
後はエンジン形態を模擬したフルアニュラー型燃焼器による試
験を実施して、目標達成を目指す考え。
【防衛関連ニュース】
★「防衛生産・技術基盤研究会」、座長に白石隆氏
北澤防相、反発承知で武器輸出三原則見直す
防衛省は12月1日午前、防衛生産・技術基盤の実態を踏ま
え、その在り方について議論する「防衛生産・技術基盤研究
会」の初会合を開き、座長に白石隆・政策研究大学院大学客員
教授を選出した。
初会合の冒頭で北澤俊美防衛大臣は挨拶し、財政事情が厳し
い中、安全保障環境は極めて複雑になっている現況の中で「防
衛省が身動きがとれないような状態では国民に安心感を与える
ことができない」との認識を示し、その打開のため自ら「武器
輸出三原則の見直し」を提言してきたのは、政権交代で是非と
も着手しなければと責任感もあった、と述べた。そして党内の
反発は承知の上で、武器輸出三原則の見直しを推進する意向を
表明した。それに加えて日本の防衛は決して戦争を起こすこと
のないようにという強い意志表示のための防衛力であると持論
を述べた。
北澤防衛大臣の発言は、世界的な防衛技術革新の中で日本が
共同開発に参加できないことが、日本の生産技術基盤の維持の
ネックとなっていることを解決するため、武器輸出三原則の見
直しを進めるという認識を再確認したものと言える。
研究会では安定的で中長期的な防衛力の整備・維持に役立て
る防衛生産・技術基盤の維持・育成のため調査・分析を行うこ
とにしており、初会合では当面の検討課題について議論が行わ
れた。
【海外エアラインニュース】
★復興航空とマンダリン航空Ă山形県へチャーター便
来年1月〜2月と秋Ă台湾から20便ほど運航
台湾の復興航空とマンダリン航空が2011年1月から2月と同
年秋に、台湾−山形空港間と台湾−庄内空港間を結ぶプログラ
ムチャーター便を、計20便ほど運航する。山形県の吉村美栄子
知事が11月下旬、台湾を訪れた際に両航空会社が明らかにし
た。
両航空会社では、来年1月から2月のプログラムチャーター便
として復興航空が8便、マンダリン航空が2便を運航する予定
としている。また、復興航空の8便のうち4便は庄内空港着、
茨城空港発で、残り4便は茨城空港着、庄内空港発。マンダリ
ン航空の2便はいずれも山形空港発着となる見込みだ。さら
に、マンダリン航空は今年秋にプログラムチャーター便7便を
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2271号 2010年(平成22年)12月2日 木曜日 (6)
運航しているが、2011年秋に10便程度に増便して運航する方
針としている。
山形県観光交流課では「台湾からの観光客に、県内の魅力を
知ってもらえる機会が増える」とプログラムチャーター便を歓
迎している。
★エア・カナダĂ羽田−バンクーバーの運航延期
エア・カナダは1月31日から運航する予定だった羽田−バン
クーバー線の運航を延期した。就航開始日は3月5日の予定。既
に予約を受け付けており、また旅行会社も旅行商品を販売して
いる。
航空券の取扱いはエア・カナダ・ジャパン・コールセンター
(月~金午前9時から午後6時まで、土曜午前9時から午後1時
まで。日曜・祝日休み)で受け付けている。
TEL:03-5405-8800(東京)
TEL:0120-048-048(東京03地域以外)
【旅行関連ニュース】
★KNT、相鉄観光を完全子会社化、12月20日付で
「近畿日本ツーリスト神奈川」に商号変更
近畿日本ツーリスト(KNT)は、来たる12月20日付けで、
連結子会社の相鉄観光を100%子会社化する。KNTは現在、相
鉄観光の90%の株式を保有しており、残る10%についても同
日付で相鉄ホールディングスから譲受する。これに伴い、相鉄
観光は12月1日の臨時株主総会で、「株式会社近畿日本ツーリ
スト神奈川」(英文社名:KINKI NIPPON TOURIST
KANAGAWACO.,LTD.)に12月20日付で商号変更することを
決議した。
KNTは、約6年前の2004年12月24日付で、相鉄観光の90%
の株式を相模鉄道から譲受し、連結子会社化した。今回、100
%子会社化する背景には、相鉄観光のブランド名にかかる使用
期限契約の終了があり、KNTブランドによるさらなる営業強化
を図るためにも、完全子会社化することにした。また現在は、
仕入やシステムも別々になっているが、今後は国内・海外仕入
の共同化や、KNTシステムの活用などを進めていく方針。
相鉄観光は、神奈川県内で地域密着営業を展開しており、
KNTグループの旅行取扱シェア拡大に寄与してきた。年間売上
高は約50億円、営業利益も計上している。相鉄観光の概要は以
下の通り。
▼現社名=相鉄観光株式会社
▼所在地=神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-17-1相鉄・岩
崎学園ビル2階
▼代表者=飯田重行代表取締役社長
▼事業内容=旅行業
▼資本金=1億円
【組織・人事】
★防衛省人事
(12月1日付)
▼防衛医科大学校教授(航空幕僚監部首席衛生官付兼航空医学
実験隊)1空佐 立花正一
▼第1対戦車ヘリコプター隊長(第9師団司令部第1部長)2陸
佐 西岡克浩
▼北部方面航空野整備隊長(陸上自衛隊補給統制本部)2陸佐
茂田英樹
▼東北方面航空隊長兼霞目駐屯地司令(自衛隊鳥取地方協力本
部長)1陸佐 荒関和人
▼第1ヘリコプター団副団長(陸上自衛隊幹部学校学校教官)
1陸佐 佐々木博茂
▼陸上自衛隊関東補給処付(第1ヘリコプター団副団長)1陸佐
中島一仁
▼海上幕僚監部装備部航空機課機体班長(海上幕僚監部装備部
航空機課)2海佐 猪森聡彦
▼第4整備補給隊司令(海上自衛隊補給本部装備計画部航空装
備計画課長)1海佐 荒川純一
▼海上自衛隊第3術科学校副校長(海上自衛隊第3術科学校教務
部長)1海佐 山口和哉
▼海上自衛隊第3術科学校教務部長(海上自衛隊航空補給処航
空機部長)1海佐 神田忠臣
▼海上自衛隊補給本部装備計画部航空装備計画課長(海上幕僚
監部装備部航空機課機体班長)1海佐 与田敦夫
▼海上自衛隊航空補給処航空機部長(第4整備補給隊司令)1海
佐 北野修司
▼陸上幕僚監部装備部副部長(開発実験団長)陸将補 飯塚稔
▼第7師団副師団長兼東千歳駐屯地司令(陸上自衛隊補給統制
本部副本部長)陸将補 小渕信夫
▼第11旅団長(東北方面総監部幕僚長兼仙台駐屯地司令)陸将
補 吉田明生
▼開発実験団長(東北方面総監部幕僚副長)陸将補 川瀬昌俊
▼陸上自衛隊補給統制本部本部副本部長(陸上幕僚監部装備部
副部長)陸将補 岩崎親裕
▼勧奨退職(第11旅団長)陸将補 松川史郎
▼陸上幕僚監部装備部通信電子課長(自衛隊福島地方協力本部
長)1陸佐 馬場清美
▼陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練計画課長(西部方面航空隊
長兼高遊原分屯地司令)1陸佐 沖巴佳彦
▼北部方面後方支援隊長(東北方面総監部装備部長)1陸佐 岸谷清満
▼東北方面総監部装備部長(陸上幕僚監部装備部通信電子課
長)1陸佐 田原計
▼西部方面航空隊長兼高遊原分屯地司令(陸上自衛隊研究本部
研究員)1陸佐 田尻祐介
▼中央即応集団司令部幕僚長(東北方面総監部情報部長)1陸
佐 二見弘幸
★海上保安庁人事
(12月1日付)
▼函館海上保安部巡視船つがる業務管理官(第一管区海上保安
本部函館航空基地長)四十住初男
▼第一管区海上保安本部函館航空基地長(第三管区海上保安本
部羽田航空基地次長)五反田和久
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