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WINGDAILY
(1)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1766号 2008年(平成20年)10月07日( 火曜日) WING DAILY
【HEADLINE NEWS】
★RR社、より画期的ソリューションに多大な投資
オープンローターなど将来エンジンの選択肢
ロールス・ロイス(RR社)のエンジニアリング・フェローで
あるジェフ・カーク氏が10月2日、次世代の民間航空機エンジ
ンにおけるRR社の“選択肢”について講演した。カーク氏は、
環境性能改善への課題や運営コストに対する圧力が大きく高
まっている、としつつ、より画期的なソリューションが市場要
求などに受け入れられるかどうか、産業界の見解は未だに不透
明で一致していない、と語った。そのうえでRR社は将来ニーズ
に応えるため、テクノロジーおよび開発中の画期的となりうる
ソリューションに対して大きな投資を行っている、などと積極
的に業界が抱えるソリューションに取り組む姿勢をみせた。な
お、カーク氏は航空業界として、環境や文化交流などの面で、
どれだけ航空業界が貢献を果たしているか、ということをより
強く強調すべき、と訴えた。
カーク氏は、RR社の次世代エンジンの方向性として、大型エ
ンジンでは推進効率を改善するポイントとして、低圧システム
の重量を決定するファン直径、ナセルによる抵抗、そして航空
機へのエンジンの取り付け方が挙げられる、としている。
また、エンジン構成要素の効率を高め、より高サイクル圧と高
温を実現する方法があるが、温度が理論値レベルに近づき、90
%を超えている効率性物が物理的限界に近づくにつれて困難に
なるという。
さらに、中間冷却によってサイクル効率を高める可能性があ
り、NOx削減などのメリットを生み出し、さらに素材や圧力改
善により低圧システムの重量を削減する可能性も存在する、と
指摘した。
カーク氏は「熱効率の改善は、エンジンコア部分のサイズ縮
小によって得ることができる」としているが、空力学的側面か
らサイズの影響や機械的なスペースの制約により制限されてい
るという。ただ、「まったく新しいコアシステムの可能性は存
在する」とした。
熱効率改善のためには、全体として圧力比やタービン進入時
の温度を抑える必要があることも予想されているが、「燃費改
善と相反することであることから、矛盾要件を考慮しつつ、最
適化を図る必要性がある」とした。
また、小型・中型機向けの将来エンジンの方向性は、特に速
力が重要でない場合、「オープン・ローター・システムを導入
する可能性がある」としている。
同システムの導入可能性を指摘。しかしながら、騒音問題やこ
のようなシステムの承認をいかに得るか、また、エンジンの取
り付け方法など、様々な課題が立ちはだかっているが、一方で
前進も見られる。
これまでの研究で、騒音生成メカニズムとその軽減方法の研究
が実施された。今年8月の騒音に関する試験では、「良好な結
果が得られた」としており、RR社が考えていた理論的な成果が
実証されたという。
カーク氏は、RR社はエンジン開発研究であらゆる分野で投資
Airline & Aviation E-mail News
発行所 航空新聞社:W I N G
D A I L Y 編集部
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購読料半年33,600円年間63,000円(消費税含む)
を行っており、その研究が実際に市場投入されるかどうかは不
透明としつつも「市場からのあらゆる要求に対して、それを満
たすことができるエンジン性能実現を追求する」と、あらゆる
ソリューションによる解決に意欲をみせた。
オープン・ローター2016-17年に実用可能に
カーク氏、実用化は騒音伝播などの理解必要
ロールス・ロイス社(RR社)のジェフ・カーク氏が本紙のイ
ンタビューに応えた。カーク氏は、2016〜2017年にはオープ
ン・ローターが実用化できる、との見通しを示した。なお、
カーク氏は、2007年2月にRR社を退職しており、現在はRR社
のエンジニアリング・フェローとなっている。
カーク氏は、オープン・ローターを実用化させるためには、
「理論的な基礎物理学を理解しなければならず、騒音の発生と
その伝播など、物理的な面を理論的に理解しなければならな
い」と指摘。RR社は長年、騒音に関する研究を進めてきてお
り、オープン・ローターに関しても、1980年代に行われた試験
を基に分析を行っている、とした。今年の8月には、テストも
行っており、その結果には「大変満足しており、RR社で予測し
ていたことが実証された」と、実用化に向けて前進したことを
明らかにしている。カーク氏は「強調しておきたいのは、この
システムの可能性を無視できない。我々が認識しなければなら
ないのは、乗り越えなければならないハードルだ」と、新たな
技術を実用化することに意欲をみせた。
また、RR社では、『ビジョン5』、『ビジョン10』、『ビ
ジョン20』という中長期的ビジョン戦略を立てている。
エンジン設計は、新技術が生まれて、それが成果として現れ
るためには、7〜10年を要するという。つまり、5年後の就航と
いうことを考えると、すでに立証されている技術を活用しなけ
ればならないのだという。
たとえば、今の技術を今後10年たったところで就航させたな
らば、それはもはや陳腐化した技術で、2010年代後半に要求さ
れるB737後継やA320後継機といった10年先を考えると、その
段階となった時に、どういうエンジンのアーキテクチャー、さ
らにはどのようなエンジン技術が必要となるか、ということを
念頭に考えなければならないようだ。
20年先を見据えたビジョン20は、具体的にどういう機材が必
要になるか、ということを検討するのではなく、一般的な傾向
として、将来テクノロジーの展望をするもの。新燃料や、航空
機の新しいアーキテクチャー、さらには経済状況、世界情勢な
どを考慮した非常に変化に富んだトレンドを考えるものだとい
う。
RR社はあらゆる技術開発分野に多大な時間や資金など、各種
リソースを投入しており、例えば材料分野でも、継続的に開発
が行われているという。カーク氏は、既存の炭素繊維やチタン
合金、ニッケル・コバルト合金など、「今後10年間の間に、物
質特性などいろいろなプロセスの開発があると思う」と語っ
た。
また、代替燃料についてカーク氏は、バイオ燃料は実際に実
運航に耐えられるようなパフォーマンスを確保することができ
るかどうか、食料供給と競合するか、という問題がある、と指
(2)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1766号 2008年(平成20年)10月07日( 火曜日) 摘。パフォーマンスについては、現在、試験中の段階にあり、
来年も各種試験を実施する計画。一方、食料問題については、
注視しなければならない課題としつつ、代替燃料として食料問
題と競合しないような、代替燃料開発に取り組むことが最適と
考えているようだ。RR社では、エアラインや機体メーカー、燃
料メーカーなどと共同で代替燃料の開発にあたっており、例え
ば、ジャトロファという植物を使った代替燃料開発に取り組ん
でいるという。
カーク氏はTrentシリーズのうち、Trent500、Trent900、
Trent1000などの設計に携わった。カーク氏は「Trentエンジン
は、段階的に進歩してきた」と語るように、Trent500では新し
いコアを作り、T r e n t 9 0 0 では、2 重反転方式を導入。
Trent1000では、電気を多用するためにエンジンアーキテク
チャーを変更し、B787のように電気を多用することになった機
材に対応した、としている。
エアバスのA350XWB搭載用エンジンであるTrentXWBで
も、「多くの技術や教訓、今までのTrentシリーズで培った教
訓が取り込まれていくと思う。これまでの実運航から学んだ教
訓や、パフォーマンスの維持、リスクの低い設計などが学んで
きた教訓で、常に新たなテクノロジーや素材を導入している」
と語った。
また、カーク氏が実際に携わったTrent1000開発では、「騒
音や燃費効率改善に対しては、非常にチャレンジングな目標が
設定されていた」という。より電気的にするという要求がボー
イング側からあり、「通常は高圧システムから動力を取るとこ
ろ、Trent1000は3軸構造であるため、IPシステムから動力を得
ている。これにより、燃費改善や騒音低減などの面で有利に
なった」と語っている。
なお、MRJにも搭載されるGTFエンジンという道をP&W社
は選択した。カーク氏は「ファンの速度はまったく同じ」と指
摘。「ギアボックスがあるのは、ファンのスピードを遅くする
ためではなくて、低圧タービンの速度を上げるため。これによ
り、低圧タービンのいくつ
かのステージが削減され
る」とメリットをあげてい
る。しかし、一方で「ギア
ボックスを入れて、クーリ
ングシステムを入れなけれ
ばならない。低圧タービン
のいくつかのステージを削
減するというメリットが、
重量により相殺されてしま
う」とも指摘している。
【航空関連ニュース】
★GXYが運航運送事業廃止届を提出
初号機就航2年で廃止、整備・燃油費が経営圧迫
航空局は6日、佐川急便系列の貨物運航会社ギャラクシーエ
アラインズ(GXY)から航空運送事業の廃止届出を受けた、と
発表した。ギャラクシーエアラインズは羽田−北九州/那覇/新
千歳、関西−新千歳線で運航していた。10月6日をもって運航
を停止、2006年10月の初号機就航から丸2年で撤退したことに
なる。
今年8月5日、GXYは航空局に混雑空港国内定期航空運送事業
廃止届を行っており、航空貨物運送事業からの撤退を表明し
た。
経営存続の大きな壁となった要因は、安全確保のための整備
費用負担や、燃油費用の高騰など。2008年3月期決算で、営業
損失30億円を計上し、繰延資産の一括償却ならびに固定資産の
減損処理が不可避のものとなり、21億円の債務超過に転落して
いた。
GXYは、貨物専用機を用いて国内線の主要路線を結ぶことで
宅配便の翌日配達可能地域拡大ということを目的として佐川急
便の100%出資で、去る2005年5月17日に資本金3億円で設立。
同年8月には第3者割当増資により資本金を50億円まで増資
し、2006年9月に航空運送事業許可を取得し、10月には1号機
(A300−600R)が就航を開始した。11月に日本航空インター
ナショナルとコードシェアを開始し、2007年4月には2号機の
就航を開始していた。事業開始当初は羽田−北九州/那覇で運
航を開始し、その後、羽田−新千歳、関西−新千歳の4路線8
便に事業を拡大。2007年度には貨物輸送量は3万トンを超えて
いた。
★ADO9月、旅客数5.9%増も利用率は2ポ減少
北海道国際航空(ADO)の2008年9月の輸送実績(速報値)
によると、全路線合計の旅客数は、5.9%増の15万1356人と大
幅増、提供座席数は8.3%増の16万9374席となったものの、利
用率は2ポイント減の89.4%となった。
札幌線では提供座席数を増やしたため、旅客数も同様に伸
び、16%近い増加が見られた。
そのほか好調だった路線は、女満別線。旅客数が前年同月比
11.9%増となっただけでなく、利用率も全路線内で唯一増加、
1.8%の増加が見られた。
一方、函館線が伸び悩み、旅客数が対前年比20%近く減少、
利用率も6.7%減という数字になった。
▼札幌線=旅客数:9万6384人(16%増)、提供座席数:10万
6717席(17.7%増)、利用率:90.3%(1.3ポ減)
▼旭川線=旅客数:2万390人(9.7%減)、提供座席数:2万
3310席(2.8%減)、利用率:87.5%(6.7ポ減)
▼函館線=旅客数:1万8997人(18.5%減)、提供座席数:2万
RR社のジェフ・カーク氏。Trentシリー 1857席(15.4%減)、利用率:86.9%(5.4ポ減)
ズの開発に携わった。現在は、RR社の ▼女満別線=旅客数:1万5585人(11.9%増)、提供座席数:
エンジニアリング・フェロー。
1万7490席(9.6%増)、利用率:89.1%(1.8ポ増)
★羽田国際化、昼間時間帯3万回以上の国際線困難
牧山参議院議員の国際化拡大で航空局が答弁
牧山ひろえ参議院議員の羽田空港の再拡張と国際化に関する
質問が提出された。
(3)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1766号 2008年(平成20年)10月07日( 火曜日) 質問では、羽田空港は昼間の国際線枠を増やすべきとの声が
派生型のローンチについては、「タイミングは市場の要求次
多く、就航路線はASEAN諸国を含むアジア・太平洋地区の主
第。A380-900は、将来、どのような形で市場が動くかで決定
要都市まで拡大し、羽田空港の国際化には更なる増便枠が必要
する。今の問題ではない」とコメント。さらに、フレイター・
だとの考えもある、としている。
バージョンについては、旅客型を優先させるために一時期凍結
その答弁で航空局側は「2010年の供用開始以降の増枠は、安
させたものの、プログラムは再開することになっている。カル
全を確保しつつ段階的に実施する必要があり、国際線に振り向
カイエ氏は「今、最もプライオリティが置かれていることは引
けて昼間時間帯は約3万回を就航させるため、これ以上の国際
き渡しを確実に行うこと。加速的に生産を行っているが、依然
線の発着回数の増加は困難。昼間時間帯は、羽田空港のアクセ
としてチャレンジはある。(旅客型は)エールフランスが関心
ス利便性を活かせる路線を中心とした国際線の増加を推進す
を持っており、貨物機にはフェデックスとUPSが関心を示して
る」と航空局側は回答している。
いる」としている。
また神奈川口構想はまだ具体的な進捗が見られない。国土交
エアバスは昨年10月、シンガポール航空にA380を納入。シ
通省が主体となり、神奈川口構想の早期実現に向け事業着手時
ンガポール航空には既に6機のA380が飛来しており、今年5月
期を明示すべきだ、との質問に対する答弁では、「神奈川口構
には成田路線における運航も開始された。今年7月28日にはエ
想における多摩川の川崎市側と羽田空港を結ぶ連絡道路は、東
ミレーツ航空に、さらに、9月19日にはカンタス航空にそれぞ
京都、神奈川県、横浜市、川崎市、関東地方整備局、東京航空
れ初号機が導入された。
局を構成する京浜臨海部基盤施設検討会でそのルート、構造物
カルカイエ氏は、「(A380は)新世代の、新たな体験をもた
等を検討しており、空港跡地の利用方策の大田区の意向にも配
らす航空機。そして、新たな航空史の一章を開く航空機でもあ
慮して検討を進めている」と回答している。
る。30年間に亘った伝説的な航空機B747の独占状態に終止符
が打たれることが現実のものとなった」と21世紀の新たなフ
★日本航空協会、首都圏空港テーマのセミナー
ラッグシップとすべく、A380の収益力や環境適合性の高さなど
パネルディスカッションも開催
を強調した。
カルカイエ氏は、今後の航空市場は、短期的な経済の減速は
日本航空協会は来る11月27日、航空セミナーを開催する。
あるものの、長期的にみれば、経済は回復し、航空旅客数も伸
テーマは「2010年首都圏空港の変貌〜国際交流と地域活性化の
びていくとしつつ、A380のような大型機の需要は、昨今の景気
新たなステージ〜」。
後退による影響はない、との認識を示している。
セミナーでは、航空局の篠原康弘航空事業課長、日本経済研
カルカイエ氏は、1969年にB747がテスト飛行を実施した当
究センターの吉野源太郎客員研究員、東京工大の屋井鉄雄教
時の航空輸送量は、RPKで3500億RPKだったが、例えば、
授、そして成田国際空港会社の黒野匡彦特別顧問が講演。さら
2018年〜2019年の1年間で3600億RPK増加すると考えられて
に、パネルディスカッションも予定されている。
いると展望。航空輸送量は15年間で2倍、20年間で3倍にまで伸
場所は航空会館(東京都港区新橋)7階大ホール。定員140名
張するとの見通しを示す一方で「空港数・滑走路本数が2倍に
で、参加費は1万円(税込み)。
なるわけではない」とし、「業界として大型機を必要としてい
申し込み方法は、日本航空協会ホームページ(http://
る」と語った。
www.aero.or.jp)より、申込書をダウンロード、または電話な
また、人口1000万人を超えるいわゆる“メガシティ”は「今
どで入手して記入のうえ、FAXまたは郵送で行う。
後増加する」との見通しを示し、「まさにこれが航空輸送に
申し込み先および問い合わせ先は以下の通り。
とって源泉となる人口」としている。この“メガシティ”は、
財団法人 日本航空協会 文化情報室「航空セミナー」係
経済、地理的ににも重要で、人間活動が活発なことから、ハブ
〒105-0004港区新橋1-18-1航空会館8F
となる空港が存在。そのハブ−ハブ間を結ぶ幹線ルートでは大
電話=03-3502-1206
型機の必要性を強調した。
FAX=03-3503-1375
“メガシティ”は1820年にロンドン1都市だったが、現在で
は26都市となった。カルカイエ氏は2015年には「約33都市に
【海外メーカーニュース】
なる」と予測。B747型が登場以来20年間で「1300機必要だっ
たが、私どもはA380は20年で1200機が必要になると考えてい
★エアバス・カルカイエ氏、今年受注でも2013年納入
る」としている。
日本でのプロモに自信、派生型開発は市場要求次第
カルカイエ氏は、A380の燃費効率や静穏性の高さを強調。ま
た、航空会社にとっては座席数が多く、かつイールドの高い客
エアバスのA380プロダクト・マーケティ
室設定を行うことができることから、航空会社の経営環境に
ング・ディレクターのリシャール・カルカ
とって大きな利益をもたらす、などとしている。
イエ氏が来日し、A380の優位性などを強調
した。全日空(ANA)は現在、大型機選定
★ボーイング第3四半期納入実績を発表
委員会を発足させて、A380を含む大型機の
B737とF18の量産が好調
選定を進めており、カルカイエ氏は、個別
案件には回答できないとしつつも、日本で
ボーイングは3日、2008年第3四半期の民間航空機部門およ
のプロモーションに「自信を持っている」
び統合防衛システム部の納入実績を発表した。それによると民
エアバスのリ
シャール・カルカ とし、日本の航空会社がA380を使用して利
間航空機はB737が67機など合計84機を納入し、年間累計では
益をあげることができる、との認識を示し
イエ氏
た。また、カルカイエ氏は生産体制につい
て、「生産計画では2012年までには満杯の状態。今年受注を受
けても、引き渡しは2013年ということになる」と語った。
(4)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1766号 2008年(平成20年)10月07日( 火曜日) 325機に達した。防衛部門ではF/A-18が12機、F-15が7機、
C-17が4機など量産が続いている。機種別の実績は次の通り。
なお、()内は2008年の第3四半期までの累計機数。
《民間航空機部門》
▼次世代B737=67機(254機)
▼B747=4機(13機)
▼B767=2機(8機)
▼B777=11機(50機)
計84機(325機)
《統合防衛システム部門》
▼アパッチ(新造)=1機(2機)
▼チヌーク(新造)=4機(8機)
▼C-17=4機(12機)
▼デルタII(民間)=1機(1機)
▼F-15=7機(11機)
▼F/A-18E/F=12機(33機)(EA-18Gを含む)
▼衛星(政府・民間)=−(1機)
▼T-45TS=2機(5機)
▼767給油機(海外)=−(2機)
【海外エアラインニュース】
★ジェットスター、関空―ゴールドコースト線開設
認知度向上で関空利用オセアニア訪問者が増加
カンタスグループの航空会社であるジェットスター航空は10
月1 日、関空−ゴールド
コースト便の就航を開始し
た。当日空港カウンターで
は、ジェットスター航空の
機体のコスチュームを着た
キャラクターや、コアラや
カンガルーの着ぐるみが初
便搭乗者を出迎え、ビーチ
バックのセットやスペシャ
ルチョコレートなどの記念
品が配布された。
新路線は、従来デイリー
で運航されていた関空−ブ
リスベン−シドニー線に代
わるもので、関空−ゴール
ドコースト間をA330型機
により、エコノミークラス
とプレミアムキャビンのス
タークラスの2クラス制で 関空ではカンガルーとコアラがお出迎
え。片岡日本支社長
デイリー運航。週5日はシ
ドニーまでの接続便も運航される。
同路線の変更は、従来のブリスベン便に到着した旅行者の大
半がゴールドコーストに向かうリゾート客であることを踏まえ
たもので、「ゴールドコースト空港からの中心地へのアクセス
はわずか15分〜20分となり、格段にアクセスが良くなるだけで
なく、アジアからの便が集中していたブリスベンよりもCIQの
通過もスムーズになり、利用者の利便性を優先した結果」(同
社片岡優日本支社長)としている。
同初便の搭乗率は76%。この結果について片岡氏は「10月に
しては良い結果」と評価。同社では昨年3月に初の日本への乗
り入れを開始して以来、年間約20億円の予算を投じ、人気タレ
ント、ベッキーさんを起用したテレビコマーシャルをはじめと
する大規模なマーケティング活動を実施。同社のPRのみなら
ず、オーストラリアというデスティネーションの魅力も同時に
伝えるプロモーションを続けてきた。
今年7月17日〜8月18日の間、関空の入国管理局の出国者数によ
ると、全体の旅行者数が前年比94%とマイナスで推移した中、
オーストラリアにおいてはキャパシティが10%マイナスするも
のの、旅行者数は前年比133%と大幅なプラスを記録。関西エ
リアでの一般客が旅行会社を訪ね、「ジェットスターを利用す
るとどこに行けるのか」「ジェットスターは安いのでしょ」と
いったアプローチがあるなど、同社を指定しての問い合わせが
増えており、「PR効果が浸透した結果、一般消費者が航空会社
を指定して購入を求める傾向も出てきた」(片岡支社長)と
し、認知度の向上と利用者からの支持が高まっていることを指
摘している。
成田―ゴールドコースト/ケアンズ、年末年始満席
また、今年12月18日からは新規路線として成田—ゴールド
コースト間の直行便(2クラス制、週5便)の運航も始まるが、
予約状況について片岡支社長は「昨年の関空線開設時よりも良
い状況で推移している。年末年始のピーク時は既に満席、1月
以降も好調に推移している」とコメント。日本からの旅行客に
加え、オーストラリアのスキー客も増える時期でもあるため、
良いバランスで推移しており、「カンタスグループとして、利
益率を上げるという目標を達成することができる」としてい
る。
同社ではまた、カンタス航空の路線を引き継ぐ形で、成田—
ケアンズも開設。ゴールドコーストやケアンズ以遠は、シド
ニーやメルボルン、アデレードなどへのフライト接続が可能
だ。これにより年内には日豪路線において、カンタスグループ
内最多となる19便を運航することとなる。
既に今年8月1日には東京支店を開設しており、中田東京支店
長ほか全4名の体制で営業活動を行う。
片岡支社長によると、成田便の特徴として、関空、中部と比
較して、直販比率が30%と高いほか、1月に関しては、スター
クラスの予約が好調としている。今後は和食の料理人、神田川
敏郎氏がアレンジする機内食をスタークラスに導入するなど、
エコノミークラスとスタークラスの差別化を進めることを計画
しているとのことだ。
★KAL下期パスカル、成田ー仁川で往復2万3000円〜
来年3月創立40周年価格、中国線ほか一律5万円
大韓航空(KAL)は、このほど、今年度下期(10月1日〜来
年3月31日)の正規割引運賃「PASSKAL(パスカル)」を発
表した。今回は1泊2日も可能な「PASSKAL1M」と、7日前ま
で購入が可能な「PASSKAL14」の2種類を設定し、全23路線
に適用する。「PASSKAL14」の料金は、成田ー仁川線で往復
2万3000円〜(燃油サーチャージ8000円が別途必要)。
「PASSKAL1M」は共同運航便も対象で、週284便のスケ
ジュールから選択できる。また、復路の日程変更も可能とい
う。料金は、成田ーロサンゼルス線で往復4 万5 0 0 0 円〜
(KE001またはKE002便限定で、燃油サーチャージ6万円が別
途必要)。
今回のパスカルは、オセアニア区間(シドニー、ブリスベ
(5)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1766号 2008年(平成20年)10月07日( 火曜日) ン、メルボルン、ナンディ、オークランド、クライストチャー
チ)や、アメリカ行きのプレステージクラス運賃が新たに追加
設定された。
さらに、KALは来年3月1日に創立40周年を迎えることを記念
して、来年3月1日〜3月4日の期間で限定特別価格を提供する。
料金は中国、モンゴル、東南アジア、中央アジア、一部アメリ
カ方面行き一律5万円(ホームページ限定のウェブパスカルは
4万円)。ただし、往復で2万円〜6万円の燃油サーチャージが
別途必要になる。
予約および購入は日本地域サービスセンター(フリーコール:
0088-21-2001)、ホームページ、または全国主要旅行会社ま
で。
なお、KALによると、「WEBPASSKAL」および「WEB
PASSKAL7」の名称は、料金変更に伴い、10月1日より「WEB
PASSKAL1M」および「WEBPASSKAL14」に変更された。
※ホームページURL=www.koreanair.com
【旅行関連ニュース】
★VWC下期重点地域、中国・ベトナム・マカオに決定
チャーター規制緩和やESTA簡便化などへ交渉も
ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の下期重点地域
に、中国、ベトナム、マカオの3デスティネーションが選ばれ
たことがわかった。上期からの9デスティネーションと合わせ
て、下期からは12重点市場向けにプロモーションを展開してい
く。また、VWCと“両輪”に位置付けられる海外旅行の阻害要
因(バリア)解消に向けた活動では、下期より新たに、ITC
チャーター便のさらなる規制緩和や、米渡航時に義務化される
ESTAの申請手続簡便化、パスポートの取得手続容易化の3項目
に取り組むことが決定した。
これは、10月6日に開かれた「第2回VWC2000万人推進特別
委員会」(委員長:佐々木隆JATA海外旅行委員長・JTB会
長)で、VWCの2008年度下期事業計画が承認されたもの。同
日の会合には、本保芳明観光庁長官も出席し、2010年の海外旅
行者2000万人達成に向けて、アウトバウンド分野でも官民が共
同歩調で取組を進める方針が確認された。
また、同日の自由討議では、消化率が低く直前に返却される
アロットの問題や、海外ホテル仕入でのデポジット問題など、
長年の商慣習に起因した構造的課題の解決を図るべき、などの
意見が出されたほか、安売り競争の限界を指摘する声も出たと
いう。VWCによる需要喚起へのプロモーションと平行して、旅
行業界の自己変革が必要、との認識が広まりつつあるようだ。
さらに、ツーウェイツーリズムを促進し、日本人が海外旅行に
出かけていくことは、“国益”にかなうとの認識を政府内で共
有してほしい、との意見も出された。
まず、VWCについては、下期重点デスティネーションとし
て、新たに中国、ベトナム、マカオを追加する。上期の重点9
デスティネーション(米本土、ハワイ、グアム、韓国、台湾、
香港、タイ、オーストラリア、フランス)も継続して重点市場
に位置付けるが、このうち米本土では、日本市場向けの観光予
算が重点投下されているカリフォルニア州での取組を強化する
方針だ。
新たに追加された重点デスティネーションのうち、中国につ
いては、年間400万人程度の市場規模を誇り、かつ、昨今の海
外旅行市場の伸びを牽引してきた重要市場であることから、早
期の需要回復に向けたプロモーションを展開する。とくに、地
方発着の国際線の主力路線は、中国線および韓国線であること
から、その需要回復は地方需要活性化のためにも重要として、
下期重点デスティネーションに選ばれた。
今後は、JATAに設置されている「日中交流推進特別委員
会」が中心となって、具体的な取組方策を検討していく。まず
は第一弾として、中国路線の就航地を中心に、全国19都市で
「上海セミナー」を開催する計画で、既に先週からスタートし
ている。東京でも12月2日に開催する予定。これに先立ち、中
国の四川省および陜西省に120名規模の研修視察団が派遣され
たことは既報の通り。
中国は年間400万人市場、早期需要回復へ始動
ベトナム・マカオは成長力と潜在性を引き出す
一方、ベトナムとマカオについては、海外旅行市場全体がマ
イナス傾向にある中で、マカオは好調、ベトナムは堅調な動き
を見せており、その成長力と潜在性を活かすべく、下期重点デ
スティネーションに選ばれた。
このうちベトナムについては、10月にベトナム旅行促進のた
めのワーキンググループを設置し、日本人ガイドの不足をはじ
めとする受入体制整備や、ホーチミンおよびハノイ以外の新規
デスティネーション開発などを検討する。WG設置にあたって
は、旅行会社のみならずランドオペレーターや航空会社等の参
画も予定している。また、去る9月30日〜10月5日には、70名
規模の研修旅行がベトナム航空主催で行われており、さらなる
需要喚起のきっかけとしたい考え。
とくに、ベトナムは、来年2009年が「日メコン交流年」にあ
たるほか、国交省も2008年度より、ベトナムとウズベキスタン
でODA予算を活用した海外旅行の新規デスティネーション開発
を進めている。しがたって、ベトナムでは、官民連携による取
組が進められる見通しだ。
マカオについては、2007年(1〜12月)の日本人観光客数が
前年比36.0%増の29万9406人、2008年上半期(1〜6月)が前
年同期比29.4%増の16万8332人と3割前後の勢いで伸びてお
り、さらなる市場拡大に向けた取組を後押しする。また、マカ
オへは、地方空港を中心に双方向チャーター便が運航されてお
り、両国双方にとってメリットの高い双方向チャーターを促進
したい考え。
また、下期は、地方需要活性化に向けたイベント開催などを
積極化する。JATA地方支部を中心に、地方での旅行博など7〜
8企画が検討されている。例えば、10月中には福岡で、「海外
旅行フェア」が開催される予定のほか、来年3月頃には東北で
「トラベル・ワールド2008」の開催が計画されるなど、各地で
イベントが開催される予定だ。
さらに、下期の中核的事業の1つである「もっと!海外へパ
スポートキャンペーン」は、去る9月19日の発表以来、既に相
当数の応募が寄せられているという。現在、専用のパンフレッ
トスタンドを作成・配布中で、各社の店頭での露出を高めるこ
とで、さらなる応募拡大と海外旅行機運の盛り上げにつなげた
い考え。
ITCチャーター、旅行会社にも個札売り容認を
第三国の条件緩和や、成田チャーターの緩和要望
一方、海外旅行の阻害要因となっているバリアの解消に向け
た取組では、下期に新たに取り組む課題として、①ITCチャー
ター便のさらなる規制緩和、②米渡航時に来年1月12日から義
務づけられるESTA(電子渡航認証システム)の登録申請簡便
(6)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1766号 2008年(平成20年)10月07日( 火曜日) 化、③パスポート取得手続きの容易化−−の3つに取り組む方
針だ。上期は、燃油サーチャージ問題など、5つの課題に取り
組んできたが、下期はこれに3項目を追加する。
まず、ITCチャーター便のさらなる規制緩和については、先
のJATA国際観光会議でも、田川博己JTB社長から提言があっ
たが、その実現に向けた働きかけを進めていくこととなる。
ITCチャーターについては、昨年2007年の5月31日付および9
月10日付の二度にわたり、国交省航空局が通達を発出。外航に
対する50%ルールの撤廃や、第三国国籍の航空会社による
チャーター便の条件付き認可、運航頻度制限の撤廃など、規制
緩和が相次いで実現したことは既報の通りだ。
それだけに、さらなる規制緩和を求めていくことは、ハード
ルが高いものと見られるが、国際定期便路線網がさらなる縮小
傾向にある中で、チャーター便の活用の重要性が高まっている
ことから、より活用しやすい環境整備を求めていく。
ITCチャーター便のさらなる規制緩和では、大きく3項目を要
望していくことが検討されている。
まず、第1に、チャーター商品の多様化に対応できるよう、
旅行会社によるチャーター便での航空券販売の緩和を挙げてい
る。既に、羽田−金浦・虹橋チャーター便や、羽田空港の深夜
早朝・特定時間帯チャーターでは、総座席数の50%未満まで、
航空会社による座席のみの個札販売が認められているが、旅行
会社でも航空券のみの個札販売が行えるよう働きかけていく。
とくに地方路線では、定期便撤退などを補完する形でチャー
ター便が運航されるケースも多く、レジャー客向けの包括旅行
商品だけでなく、ビジネス需要にも対応できる個札販売を認め
てもらうことで、幅広い需要に対応できるようにしてほしいと
の声が以前から挙がっている。
第2に、第三国の航空会社によるチャーター便の運航条件緩
和を挙げている。上述の通り、昨年の規制緩和によって、第三
国国籍の航空会社によるチャーター便運航が認められたが、発
着地国の航空企業が対応できない場合であって、相互主義の観
点から、第三国で本邦航空会社による同様のチャーター便の運
航が認められること、との条件が付されており、このハードル
が高く、申請しても認められない状況にあるという。このた
め、条件面のさらなる緩和を要望していく。
第3に、成田空港における定期便就航路線のチャーター便運
航の認可を挙げている。現在、成田空港では、定期便就航路線
でのチャーター便は認められていないが、夏休みやゴールデン
ウィークなどのピーク期には需要に応えきれていないのが現状
として、需要創出の受け皿として定期便就航路線でもチャー
ター便運航を認めてもらえるよう働きかけていく方針。
米渡航時のESTA、団体旅行や間際対応求める
パスポートの申請窓口拡充や取得料金低廉化を
次に、②米渡航時に来年1月12日から義務づけられるESTA
の登録申請簡便化については、米渡航前にオンライン上で登録
認証が必要となることから、旅行需要に影響が出ることが懸念
されており、旅行者の負荷を抑えるためにも手続きの簡便化を
求めていく。とくに、団体旅行や間際需要にどう対応するかが
課題として、TIA(全米旅行産業協会)や観光庁とも協力しつ
つ、米政府への働きかけを行っていく。
また、③パスポート取得手続きの容易化については、下期か
ら展開するパスポートキャンペーンと平行する形で、取得手続
きの容易化や、取得料金の低廉化を求めていく。諸外国では、
インターネットや郵便局などでもパスポートが申請できる国も
あり、日本でも申請窓口の拡充を働きかける。また、取得料金
についても、諸外国は平均1万円程度であるのに対し、日本は
1万6000円と高く、低廉化を要望していく方針。
先にVWCが実施した若者に対する海外旅行意識調査でも、海
外旅行に行かない理由の第2位にパスポート取得・更新手続き
の煩雑さが挙げられており、この解消を図ることが必要として
いる。
なお、上期から継続して取り組む5 項目は、①燃油サー
チャージ問題への対応、②教育旅行市場における取組、③姉妹
都市、姉妹校交流の一層の促進、④休日・休暇への取組、⑤海
外職場旅行に関する税法上の課題−−の5つ。
このうち燃油サーチャージ問題については、2009年度上期か
らの旅行代金の総額表示化に向けた交渉が各社間で進められて
いるが、引き続き、本体運賃への一本化に向けて、サーチャー
ジ額の縮小などを働きかけていくほか、旅行業約款第14条の改
正に向けた検討も進めていく。
また、教育旅行市場への取組では、公立高校の海外修学旅行
に関する日数・旅行代金の上限緩和に向けて、文科省や教育委
員会等への働きかけを国交省とともに進めてきており、引き続
きその実現に向けた要望を行っていく。
海外職場旅行に関する税法上の課題では、課税対象外となっ
ている4泊5日の旅行期間を、6日間に拡大するよう要望してい
く。既に、自民党税調に対して要望書を提出しているが、税制
関係要望の実現は非常に難しく、根気強い働きかけを行ってい
く。
★ジャルパック、今冬の「オーロラ・アラスカ」発売
JALチャーター利用、合計で400名の販売目標
ジャルパックはこのほど、JALチャーター利用商品「オーロ
ラ・アラスカ」を発売した。JALが実施するアラスカ(フェア
バンクス)へのチャーター便14本を利用し、AVAスペシャルと
して6日間の旅程とした。ツアーは、初日のオーロラ鑑賞1回が
付いた「基本コース」と、オーロラ鑑賞付き「充実コース」の
2コースを用意、基本コースで旅行代金は13万3800円からとし
た。全出発地合計で400名の販売をめざす。
出発地はチャーターが発着する成田、関空、中部、福岡、仙
台を設定、エグゼクティブクラス仕様の座席を利用する「らく
らくシート」サービスも用意した。現地では空港〜ホテル間の
送迎にジャルパック専用車を用意したほか、到着日は12時まで
に部屋を用意する。また、希望者には「買出しシャトル」で
スーパーへ案内する。
オーロラ鑑賞は、日本人夫婦が経営するログハウス「ボリア
リス・ロッジ」を利用、オーロラ鑑賞以外にも「チェナ温泉1
泊2日プラン」や、スキー&スノーボード、アイスフィッシン
グ、犬ぞりとスノーモービルツアーなど、多彩なオプショナル
ツアーを用意している。
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