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地球温暖化防止の更なる推進

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地球温暖化防止の更なる推進
地球温暖化防止の更なる推進
二酸化炭素の排出状況
1 水道局の排出する二酸化炭素
2 水道水源林の保全活動
水道局の事業に伴う二酸化炭素の排出は、ほとんどが
水道局が管理する水道水源林では、1年間で約2万ト
電力使用によるものです。
ンの二酸化炭素を吸収・固定しており、水道局の二酸化
電気使用量は、水運用など総配水量に左右されます。近
炭素排出量抑制に大きく寄与しています。水道局では、第
年では、より安全でおいしい水を供給するための高度浄
10 次水道水源林管理計画(平成 18 年度から平成 27
水処理設備の導入により、電力使用量が増加傾向でした。
年度)に基づいて水道水源林を管理し、森林の保護・育成
しかし、各部署で創意工夫して取り組んだ結果、エネルギ
を通じて、良好な水環境の保全に努めています。
ー使用に伴う二酸化炭素排出量は減少しました。
水道水源林の保全管理については、25 ページをご覧ください。
更
な
る
推
進
地
球
温
暖
化
防
止
の
▼CO2 排出量の活動別内訳の推移
活
(t-CO2)
動
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
6,534
5,837
5,514
4,805
291,691
294,408
284,131
286,679
熱の使用に伴う排出
4,987
4,328
3,590
2,727
燃料の使用に伴う排出
9,737
9,365
10,322
9,398
敷地外工作物等※
-
8,326
6,446
3,804
その他ガス
-
399
336
314
計
312,949
322,663
310,339
307,727
水道水源林による吸収量
△ 22,808
△ 21,499
△ 20,647
△ 20,843
290,141
301,164
289,692
286,884
オフィス活動による排出※
電気の使用に
伴う排出
オフィス活動以外による排出
その他
合
計
※オフィス活動による排出量には、電気使用量の計量ができない庁舎からの排出量は含んでいません。
※敷地外工作物とは、事業所敷地外に設置されている配水本管テレメータ、圧力・流量計等の電気工作物です。
その他
4,118t
(1.3%)
燃料の使用
9,398t(3.0%)
電気の使用(オフィス活動)
4,805t(1.6%)
熱の使用
2,727t(0.9%)
(千t-CO2)
350
300
298
290
301
290
287
平成22年度
平成23年度
250
CO2排出量合計
307,727tーCO2
200
150
100
電気の使用(オフィス活動以外)
286,679t
(93.2%)
50
0
▲活動別 CO2 排出状況(平成 23 年度)
12
環境報告書 2012|東京都水道局
平成19年度
平成20年度
平成21年度
▲CO2 排出量の推移(水源林による吸収効果を含める。)
再生可能エネルギーの有効利用
1 太陽光発電
現在 12 か所で太陽光発電設備を設置しています。小
河内貯水池では、水質保全装置の電源として設置してお
り、奥多摩水と緑のふれあい館の電気としても使われて
います。
また、浄水場のろ過池覆がい化に併せて設置し、浄水場
の電源として利用しています。
施設名称
設置場所
東村山浄水場
設置
年度
定格出力 発電電力量 CO2 削減量
(kW) (千 kWh/ (t-CO2/年)
H 6
70
67
26
小河内貯水池
陸上
H10
高月浄水所
ろ過池覆がい上部 H15
153
88
34
20
16
6
朝霞浄水場
三園浄水場
ろ過池覆がい上部 H16
1,200
768
293
ろ過池覆がい上部 H16
400
360
138
小作浄水場
ろ過池覆がい上部 H16
280
219
83
東村山浄水場
ろ過池覆がい上部 H18
1,200
829
317
長沢浄水場
ろ過池覆がい上部 H18
200
162
62
金町浄水場
ろ過池覆がい上部 H18
800
598
228
三郷浄水場
ろ過池覆がい上部 H18
1,080
614
235
小作浄水場
配水池上部
H21
180
211
81
配水池上部
H22
80
102
39
5,663 4,034
1,542
合 計
定格出力
(kW)
設置年度
発電電力量 CO2 削減量
(千 kWh/年) (t-CO2/年)
東村山浄水場
H12
1,400
5,677
2,169
南千住給水所
H16
95
601
230
亀戸給水所
H19
90
256
98
八雲給水所
H21
300
551
211
1,885
7,085
2,708
合 計
▲水力発電設備設置一覧
配水池上部
砧浄水場
施設名称
水力発電の仕組
村山下貯水池
電動弁
東村山浄水場
(水位関係図)
有効落差
13.5m
貯水池
着水井
電動弁
着水井
浄水
処理へ
発電機
変電設備
水車
水車
(発電電力)
更
な
る
推
進
発電機
水の流れ
(発電時)
最大出力1400kW
▲水力発電イメージ
(東村山浄水場)
▲太陽光発電設備設置一覧
A給水所の送水に
必要な圧力
B給水所に
おける引入
余剰圧力
A給水所
引入流量
小水力発電設備
B給水所
送水ポンプ
浄水場
引入れの余剰圧力と流量による
未利用エネルギーの有効利用
▲給水所における小水力発電イメージ
▲太陽光発電設備(朝霞浄水場)
2 水力発電
平成 13 年3月に、東村山浄水場に村山下貯水池と浄
水場との間の高低差を利用した水力発電設備を設置しま
した。この水力発電設備は、当該浄水場で使用する電力の
約 25%を賄うことができる発電能力があります。それ
以降は、3か所の給水所に、配水池へ水を引き入れる際の
余剰圧力と流量を利用した小水力発電設備を設置しまし
た。
▲小水力発電設備(南千住給水所)
東京都水道局|環境報告書 2012
13
地
球
温
暖
化
防
止
の
地球温暖化防止の更なる推進
エネルギーの効率的な利用
水道局は、様々な取組を通して、エネルギーの効率的な
利用を推進しています。
水道局では、都市ガスを燃料にして発電を行い、排
1 コージェネレーションシステムの導入によるエ
ネルギーの有効利用
コージェネレーションシステムを採用した常用発電設
備 を 、平 成 10 年 10 月 、東 村 山 浄 水 場 (機 器 仕 様
1,600kW2台、
最大供給能力
3,200kW)に、平
成 12 年 10 月
更
な
る
推
進
地
球
温
暖
化
防
止
の
★ コージェネレーションシステム
には全国自治体
に先駆けて導入
熱を回収して排水処理過程で発生するスラッジの加
温に活用するコージェネレーションシステムを導入
しています。燃料の都市ガスは、石油や石炭に比べて
燃焼時の二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)の
排出が少なく、硫黄酸化物(SOx)を排出しない、環
境負荷の少ないエネルギー資源です。このシステム
ではエネルギー効率が 60%から 70%(通常の火力
発電では約 40%)と高く、震災時など長時間にわた
り電力会社からの送電が止まった際にも浄水場の運
転を継続することができます。
し た PFI※1 モ デ
ル事業により金
▲コージェネレーションシステムを採用した常用
発電設備(ガスタービン発電設備)
町浄水場(機器仕
様 6,140kW2
台、最大供給能力 10,000kW)に、さらに、平成 17 年
4 月 に は PFI 事 業 に よ り 朝 霞 浄 水 場 ( 機 器 仕 様
4,020kW3 台 及 び 6,280kW1 台 、 最 大 供 給 能 力
17,200kW)及び三園浄水場(機器仕様 1,400kW及び
2,100kW各1台、最大供給能力 3,420kW)に導入して
います。
※1 PFI(Private Finance Initiative の略)
公共部門によって行われてきた社会資本の整備、運営等の分野に、民
間事業者の資金、経営ノウハウ等を導入し、民間主導で効率的に社会
資本を整備しようとする手法です。
3 効率的な水運用による省エネルギー
水運用センターでは、コンピュータや情報通信システ
ムを利用して、総合的な水運用を行い、安定供給に努めて
います。
2 高効率照明設備の導入
従来の流量と圧力中心の水運用に、浄水場や給水所等
高効率照明は、
で使用されるエネルギーを管理する視点を加え、より一
種類により特徴
層エネルギー効率に配慮した水運用に取り組んでいま
があるため、照度
す。
や安全性など各
条件を考慮し導
入しています。
平成 21 年度、
さらに、ルートごとのエネルギー使用量が予測できる
トータルエネルギー管理システムを導入することによ
り、送配水過程におけるエネルギー使用状況を分析し、水
供給の最適化を図っています。
三園浄水場の外
灯に LED 照明設備を採用し、三園浄水場の屋外照明にか
▲三園浄水場の LED 照明設備
かる消費電力量は、従前の水銀灯の消費電力量より約8
割削減されました。
また金町浄水場では、平成 21 年度、新取水施設の屋外
照明に無電極ランプを導入しています。
さらに東村山浄水場では、平成 23 年度、配水池の周辺
等における屋外照明に LED 照明を導入しています。
ルートA
䚷
䚷
給水所
浄水場
ルートB
▲水供給の最適化(イメージ図)
14
環境報告書 2012|東京都水道局
給水所
給水区域
4 効率的な送配水システムの構築
5 ポンプ設備の省エネルギー化
平常時はもとより、事故時などにもお客さまに安定し
浄水場や給水所等から送り出す水の量や圧力の調整
て水をお届けするために、効率的な送配水システムの構
は、主にポンプの回転数制御により行っています。これま
築を進めています。構築に当たっては、浄水場や給水所間
で、ポンプの回転数制御には、液体抵抗器※1を主に用い
の相互融通機能を充実させ、二系統受水が可能となるよ
てきましたが、この制御機器は、低速回転域においてエネ
うに送水ルートを整備していきます。また、ポンプを使用
ルギー効率が低下する特性があるため、ポンプの設備の
せず、地盤の高低差を利用して水を流す自然流下方式の
更新時等にはインバータ制御装置※2など、エネルギーロ
更なる活用を検討しています。
スの少ない機器への取替えを推進しています。これによ
平成 23 年5月に、三郷浄水場から東海給水所へ送水
する東南幹線の整備が完了し、運用を開始しました。これ
り、より効率的なポンプ運転が可能となり、ポンプ運転に
かかる電力量を削減できます。
により、送水ルート間の高低差が少なくなり、効率的な送
配水が可能となりました。
インバータ方式
液体抵抗器による制御
▼自然流下方式を活用した送配水システムのイメージ
エネルギー
損失
M
浄水場
エネルギー
損失
インバータ
更
な
る
推
進
M
給水所
液体抵抗器
エネルギー損失の比較
液体抵抗器
による制御
エネルギー
損失
▼東西幹線整備のイメージ
整備前は標高が低い浄水場か
ら標高が高い区域を経由する
送水を余儀なくされていた。
東西幹線整備前
三郷浄水場
北部幹
線
東
南
幹
線
大蔵
練馬和田堀線
和田堀
第二城南幹線
第一城南幹線
エネルギー
損失
▲液体抵抗器方式とインバータ制御方式のイメージ
練馬
上井草
䠚
インバータ方式
※1 液体を電気抵抗体として利用した抵抗器。ポンプの回転数制御に
液体抵抗器を用いる方法は、構造が簡単で価格が安いため古くから
盛んに用いられてきましたが、低速回転域において抵抗による損失
が大きくなるため、エネルギー効率が低下する欠点があります。
※2 インバータ制御方式は、電動機の電源の電圧や周波数を制御する
ことで、ポンプの回転制御を行う方式。ポンプを回転させる電動機の
特性に合わせ、損失が少なくなるよう電源の電圧や周波数を変化さ
せることで、効率の良い運転を行います。
6 直結配水方式の導入
直結配水方式とは、給水所への送水圧を利用し、小さな
東南幹線整備後
サブル
ート
練馬
上井草
和田堀
第一城南幹線
第二城南幹線
ポンプ(直結配水ポンプ)で配水することで、ポンプ電力
の省エネルギー化を図る方式です。
北部幹
線
練馬和田堀線
東
南
幹
線
大蔵
三郷浄水場
平成 23 年度から江東給水所に導入しています。
メインルート
標高の低い経路で送水
し、電力を削減できる。
標高30m以上
標高10m∼30m
標高10m以下
幹
東南
備
線整
給
給水所
水所
浄水場
送
水
送水
ポ
ンプ
ポンプ
直結配水ポンプ
直
結配水ポンプ
お客さま
お客さま
少
ない電力で送水可能
少ない電力で送水可能
▲給水所における直結配水のイメージ
東京都水道局|環境報告書 2012
15
地
球
温
暖
化
防
止
の
地球温暖化防止の更なる推進
エネルギーの効率的な利用
7 トップレベル事業所の認定
平成 22 年度に稲城ポンプ所が、都民の健康と安全を
確保する環境に関する条例(平成 12 年条例第 215 号。
以下「環境確保条例」という。)におけるトップレベル事
業所に認定されました。※3
所管の多摩給水管理事務所では、所内に省エネ推進委
員会を設置し、ポンプ設備のインバータ化や、照明設備の
高効率器具への交換など、効果的な省エネ対策の検討・
実施を積極的に行ってきました。このような取組が大き
く評価され、官公署施設では初めての認定事業所となり
更
な
る
推
進
地
球
温
暖
化
防
止
の
ました。
さらに、平成 23 年度にも4か所の水道施設が、トップ
レベル事業所に認定されました。
コラム
東京水道施設再構築基本構想
~首都東京を支え続ける安全・安心な水
道の創造~
間もなく大規模浄水場などの都の水道施設が、一
斉に更新時期を迎えます。このため水道局では、大
規模災害や環境負荷低減などのリスクや社会的要
請に対応できる、新たな安全度を備えた水道施設へ
の再構築を進めるために、平成 24 年3月に「東京
水道施設再構築基本構想」を策定しました。
本構想では、再構築の方向性の一つとして、
「低エ
ネルギー化の追求」を掲げており、再生可能エネル
ギーの導入やエネルギー回収、自然流下による位置
エネルギーの活用などにより、水道事業全体のエネ
※3 東京都は、環境確保条例を改正し、都内の大規模なビルや工場に対
し CO2排出量の削減義務を課して、省エネルギー・CO2 排出量削
減の取組を推進しています。水道局では、16 の事業所が対象施設と
なっており、事業所ごとに CO2 排出量実績比6%の削減義務を負
っています。 この対象施設のうち、省エネの取組が極めて優れていると認定さ
れた施設は、トップレベル事業所として CO2 排出削減義務率が半
分に軽減されます。
認定年度
事業所名
平成 22 年度
稲城ポンプ所
ルギー効率を高め、より少ないエネルギーで水道水
を供給していくことを目指しています。
淀橋給水所
平成 23 年度
練馬給水所
和田堀給水所
羽村導水ポンプ所
▲トップレベル事業所一覧
詳細は、水道局公式ホームページへ
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/torikumi/
saikoutiku/index.htmll
節電対策
1 庁舎電力使用量の抑制
日頃の取組に加えて、夏の節電要請に基づき、さらに創意
工夫を凝らし節電に努めてきた結果、平成 23 年度の庁舎
における電力使用量は、前年度に比べて約 13%、目標基準
値としている平成 20 年度に比べて約 18%の削減を達成
しました。
庁舎電力の水道局全体に占める割合は、約2%と少な
いですが、一般家庭の使用量に換算すると、約4千世帯分
と、非常に大量の電気を使用しています。引き続き、庁舎
においても節電に努めていきます。
16
環境報告書 2012|東京都水道局
16,000
15,344
15,500
15,000
H24 年度末までの
目標値 14577 千 kW
(H20 年度比5%以上削減)
14,625
14,500
14,434
14,000
13,500
13,000
18%減
12,500
12,000
(千kWh)
H20年度基準値
▲庁舎電力使用量
H21年度
H22年度
12,579
H23年度
節電対策
(1)庁舎での節電の取組
(2)優良な取組事例の共有
ア 照明の消灯
職場における環境負荷低減に向けた優良取組を表彰
職場の徹底消灯、昼休みの
する制度を活用し、職員の環境負荷低減の意識啓発と
取組の共有化を図っています。(38 ページ参照)
一斉消灯及び最終退庁時に
おけるエリアごとの消灯を
2 節水による節電の呼び掛け
実施しています。
イ 空調機、換気装置等の使い方
空調温度の徹底管理、最終
▲執務室の照明の間引き
水道局では、河川などから取り入れた水を浄水場で
きれいにして、ポンプ等により圧力をかけてお客さま
退庁時の空調停止、執務時間外の換気装置の運転停止等
にお届けしていますが、その過程で多くの電力を使っ
を実施しています。 ています。都内の使用水量の約7割が家庭生活用水で
ウ 事務機器、その他
す。そのため家庭における節水は、大きな節電効果があ
最終退庁時、コピー機やプリンター等の電源を切るよ
ります。
これまでも貴重な水資源確保のために節水をお願い
うにしています。
また、勤務時間外の電気温水器や暖房便座の停止、作業
に支障のない範囲でできる限りの照明の間引き等を実施
してきましたが、夏場の電力確保のためにも、より一層
更
な
る
推
進
の節水への協力をお客さまへ呼び掛けました。
しています。
参考:「水を大切ににする習慣を」(56 ページ)
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/customer/life/g_jouzu.html
トピックス 浄水場・給水所における節電対策
水道局は、事業活動に伴い、東京都内の電力使用量の
約1%に相当する約8億 kWh という膨大なエネルギ
ーを使用する電力の大口需要家です。
《電力使用制限の実施》
国の電力使用制限令により、平成 23 年7月1日か
ら9月9日まで、電力ピーク時間帯の午前9時から
そのうち、浄水場や給水所等における設備の運転に
午後8時までの使用電力について、水道事業者には
多くの電力を使用しています。東京都は利根川及び荒
5%の削減が求められました。水道局では、契約電力が
川の下流部に位置しており、標高の低い地点で取水せ
500kW以 上 の 46 施 設 の 使 用 電 力 の 合 計 値 を
ざるを得ません。また標高の低い地点で浄水した水を
送配水するためにはポンプを利用して行う必要があ
り、水道局の電力使用量の約 6 割が送配水過程で使わ
れています。そのため、特に浄水場や給水所等において
は、エネルギー対策に関する様々な取組を行い、電力使
用量の削減に努めています。
管 理 し 、局 内 の 対 象 施 設 を 総 体 と し て 、指 定 電 力
(81,101kW)以下への削減を進めました。
▼水道局における電力使用制限対象施設(46 施設)
浄水場・
浄水所
東村山浄水場、小作浄水場、玉川浄水場、砧浄水
場、砧下浄水所、朝霞浄水場、三園浄水場、金町
浄水場、三郷浄水場、高月浄水所、滝の沢浄水
所、
深大寺浄水所、
小川浄水所
給水所・
ポンプ所
羽村導水ポンプ所、三郷導水ポンプ所、本郷給水
所、芝給水所、亀戸給水所、東海給水所、和田堀
給水所、代々木増圧ポンプ所、大蔵給水所、八雲
給水所、練馬給水所、板橋給水所、高井戸増圧ポ
ンプ所、江東給水所、豊住給水所、有明給水所、水
元給水所、南千住給水所、北野増圧ポンプ所、北
野給水所、日野増圧ポンプ所、楢原給水所、新町
給水所、拝島給水所、東大和給水所、八坂給水
所、稲城ポンプ所、大谷口給水所、淀橋給水所、上
井草給水所、
葛西給水所、
小右衛門給水所
庁舎
立川庁舎
(千kWh)
850,000
800,000
790,225
799,356
767,714
782,111
769,479
750,000
700,000
650,000
600,000
550,000
500,000
H19
H20
H21
H22
▲設備の運転による電力使用量の推移
H23 (年度)
東京都水道局|環境報告書 2012
17
地
球
温
暖
化
防
止
の
地球温暖化防止の更なる推進
節電対策
《電力使用制限に対する浄水場・給水所での節電対策》
使用電力の削減は、実施場所となった施設ごとに進
められ、対象 46 施設全体の電力合計値の監視を水運
用センターで行いました。電力の使用状況は、モニタリ
ングシステムを整備して、パソコンの画面で確認でき
る見える化を行い、電力使用状況の予測や局内対象施
設の削減対策実施状況の把握を行いました。
※ 原水連絡施設は、利根川・荒川水系の原水を荒川から取水し、東
村山浄水場に揚水するとともに、多摩川水系の原水を自然流下によ
り朝霞浄水場へ補給できるようにし、原水の相互融通性を持たせた
施設です。通常は、主に利根川・荒川水系の水を利用して、小河内
貯水池など多摩川水系の水は貯水に努めつつ利用しています。最も
水需要が多い夏季や水質事故時、渇水時等においては、多摩水系の
水を多く利用するなど、原水の効率的な運営を図っています。
利根川と多摩川との
原水連絡施設
利根大堰
利根川
順送・・・利根川→東村山
逆送・・・多摩川→朝霞・三園
更
な
る
推
進
地
球
温
暖
化
防
止
の
山口
貯水池
小河内
貯水池
武蔵水路
荒川
原水
連絡管
朝霞・三園
浄水場
多摩川
村山(上下)
貯水池
東村山
浄水場
小作
取水堰
奥多摩湖
秋ヶ瀬
取水堰
羽村
取水堰
玉川上水
▲モニタリングシステム
(拡大画面)
削減対策は、事業目的の安全でおいしい水の安定供
節電対策③追加措置
給を前提とし、①固定的措置②緊急時の臨時的措置③
追加措置は、固定的措置が行えない場合に追加的に
追加措置の三段階に分けて、最大限の取組を実施しま
実施するもので、非常用発電設備の運転等を準備しま
した。
したが、幸いにも他の措置で電力使用制限に対応でき
たため、実施には至りませんでした。
節電対策① 固定的措置(常時実施した対策)
ア 水運用による削減
水道水の送配水に使用するポンプの運転時間帯
を、電力削減が必要なピーク時間帯以外に変更しま
節電対策において、水道局内の各組織が、綿密な調整
と連携の下それぞれの役割を着実に果たすことで、夏
の電力使用制限に対応できました。
した。
イ 設備運転時間の変更等
浄水処理の過程に不可欠なろ過池の洗浄実施時間
(ポンプ稼働時間)を電力のピーク時間帯から変更し
ました。
節電対策②緊急時の臨時対応
緊急時の臨時対応は、固定的措置を実施するなかで、
常用発電設備の故障及び急な電力需要増が発生した場
合に行う緊急的な削減対策で、浄水場等の円滑な運営
に影響が出ないよう実施しました。
20,000
原水連絡施設 における、原水連絡流量を下げ、受
電電力量を減らしました。
環境報告書 2012|東京都水道局
平成23年度
使用できる電力の限度
指定合計電力81,101kW
80,000
60,000
※
平成22年度
指定使用最大電力量
ウ 常用発電設備の活用
金町浄水場及び朝霞浄水場の常用発電設備の増強
運転を行いました。
ア 朝霞原水連絡流量の減量
18
100,000
40,000
0
(千kW)1
5
10 15 20 25
30
7月
5
10 15 20
8月
25
30
5
9
9月
▲46 施設における平均最大電力合計
棒グラフのデータは、平成 22 年度、平成 23 年度の平日のみのデー
タを表示しています。
直結給水化の推進
直結給水方式の普及・拡大は、安全でおいしい水をお届
(千件) 8,000
けできる上に、CO2 排出量の抑制につながります。直結給水
7,000
化率が 70%に達成した場合、平成 19 年度と比べて約3万
6,000
70%
直結給水率
69%
68%
67%
5,000
替え見積りサービス等を通じて、直結給水化を推進してい
66%
65%
4,000
ます。
なお、現在新築建物において9割以上が直結給水方式を
64%
3,000
導入しています。
63%
2,000
62%
1,000
■直結切替え見積りサービス
貯水槽を所有又は管理されているお客さまにとっては、
直結給水方式に切り替えることにより、貯水槽清掃等の維
持管理が不要になります。
また、直圧直結給水方式では配水管の圧力をそのまま利
用するため、エネルギーの有効活用になります。
水道局では、直結給水方式への切替えを促進するために、
平成 19 年4月から、貯水槽水道方式を利用しているお客
さまを対象に、工事費の見積りや工事内容の説明を無料で
行うサービスを実施しています。
直 結給 水 率
7千トンの CO2 排出量が削減できます。水道局では直結切
貯水槽水道方式件数
直結給水方式件数
61%
0
H20
H19
H21
60%
H23 (年度)
H22
▲直結給水化の状況
■小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業(学校
フレッシュ水道)
更
な
る
推
進
蛇口から水を飲むという水道の文化を次世代に引
き継ぐとともに、貯水槽水道の直結給水化を促すこ
とを目的に、小中学校の水飲栓直結給水化モデル事
業(学校フレッシュ水道)を実施しています。
本事業は、区市町又は私立学校法人が実施する直
結給水化工事に対し、技術支援と工事費用の一部を
貯水槽水道方式
負担するものです。
高置水槽
これまでに実施した小中学校の児童、生徒及び教
職員の皆さまからは、おいしい、安心、冷たいなど高
い評価を得ています。
▼学校フレッシュ水道の事業内容
受水槽
公立小中学校
ポンプ
P
水道メータ
実施期間
平成19年度から平成28年度まで
対象枠
都営水道区域の公立
(区市町立)
小中学校600校
(公立小中学校約2,
000校の3割相当)
私立小中学校
直圧直結給水方式
又は
増圧直結給水方式
実施期間
平成22年度から平成28年度まで
対象枠
都営水道区域の私立小中学校60校
(公立小中学校約200校の3割相当)
吸排気弁
貯水槽
(高置水槽)
吸排気弁
各トイレ
各水飲栓
貯水槽
(受水槽)
水道メータ
メータバイパスユニット
水道メータ
BP
メータバイパスユニット
▲直結給水方式への切替えイメージ
配水管
増圧
ポンプ
水道メータ
給食室
校庭水飲栓
直結給水の配管
貯水槽経由の配管
▲学校フレッシュ水道のイメージ図
参考 URL:
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/tokyosui/pro/pro2.html
東京都水道局|環境報告書 2012
19
地
球
温
暖
化
防
止
の
地球温暖化防止の更なる推進
自動車利用に関する環境対策
1 低公害・低燃費車の導入
2 自動車燃料使用量の抑制
平成 23 年4月から、環境確保条例では、都内で 200 台
以上の自動車を使用する事業者に対して、平成 27 年度末
までに使用する自動車のうち、特定低公害・低燃費車の割
引き続き、自動車の乗合の推進、公共交通機関の活用、エ
コドライブ推進等により、自動車燃料使用量の抑制に努め
平成 23 年度に自動車環境管理計画書を作成し、平成 27
ます。
年度までの5か年の低公害・低燃費車の導入計画を定めま
▼自動車燃料使用量
に導入しています。
(t-CO2)
(L)
500,000
水道局で保有する自動車は、平成 24 年3月末時点で
地
球
温
暖
化
防
止
の
269,204 リットル※4 でした。
合を5%以上とすることを義務付けています。水道局では、
した。導入義務の開始※1を受け、低公害・低燃費車を積極的
更
な
る
推
進
保有自動車における燃料使用量は、平成 23 年度は
620 台(被けん引車を除く。
)です。そのうち、条例第 35
条に規定する知事が別に定める低公害・低燃費車(特定低
845
400,000
358,755
燃料使用量
二酸化炭素排出量
778
325,358
300,000
699
301,078
681
293,325
公害・低燃費車※2)を 70 台保有しており、特定低公害・低
1000
800
625
269,204 600
燃費車換算導入率※3は、5.97%です。
200,000
400
▼水道局の自動車保有状況(平成 24 年 3 月現在)
100,000
200
車 種
低公害・低燃費車
低公害・低燃費車以外
合計
区分
台数
台数
超
優
準超
準優
良
準良
39
1
2
24
0
0
527
ディーゼル車
超
優
準超
準優
良
準良
0
4
0
0
0
0
16
20
天然ガス自動車
超
優
準超
準優
良
準良
0
0
0
0
0
0
7
7
70
550
620
ガソリン車
合 計
導入率
593
0
H19
H20
H21
H22
H23
0
(年度)
3 その他
水道局では、引き続きディーゼル車対策、アイドリングス
トップの実施、環境により良い自動車による配送等の推進
を通じて、自動車利用における環境に配慮した活動を実施
しています。
5.97%
▲アイドリングストップの看板(西部支所)
▲水道局の局有車
20
環境報告書 2012|東京都水道局
※1 平成 23 年4月1日に環境確保条例が改正され、自動車を使用す
る事業者は、低公害車の導入、自動車環境管理計画書の提出等が義務
付けられました。
※2 特定低公害・低燃費車:排出ガスを発生しない、又は排出ガスの
発生量が相当少なく、かつ燃費性能が特に高い自動車で、超、優、準
超、準優、良、準良の各低公害・低燃費車に区分した上で公表してい
ます。
※3 特定低公害・低燃費車換算導入率:保有する自動車に対する特定
低公害・低燃費車の割合、電気自動車及び燃料電池自動車、平成 27
年度燃料基準 25%向上以上又は平成 22 年度燃料基準 50%向上
以上の自動車に換算し、導入率を算出しています。
※4 ガソリン以外の燃料(軽油及び圧縮天然ガス(CNG))は、ガソリ
ンに置き換えた上で算出しています。
調査・研究
1 気候変動の影響に関する調査・研究
近年、気候変動による影響が世界各地で顕在化・深刻
化しており、水道事業においても水資源の不足や水質の
悪化など深刻な影響が及ぶことが懸念されています。 将来にわたり水道事業を安定的に行うため、平成 19
年度、気候変動が水道事業に与える影響と今後の課題に
ついて調査・整理し、検討を行いました。調査結果につい
てはパンフレット気候変動が水道事業に与える影響を作
成し、国内外の会議や展示会で配布しました。
平成 21 年度以降については、水道局の事業エリアに
絞り、過去の観測データの収集・解
調査の結果、植物系活性
炭の活性炭成形技術の向
上により、水処理性が石炭
系活性炭と同じレベルま
で向上したことが確認で
きました。現在、使用済み
▲植物系活性炭の原料(ヤシ殻)
���
の植物系活性炭をもう一度、再生(再賦活処理)して使用
できるかを研究しています。
使用済活性炭の土壌改良材等への再利用
事業に及ぼす影響等についてより
高度浄水処理の過程で使用している活性炭は、長年使
詳細な分析等を継続的に行ってい
更
な
る
推
進
用していると吸着性能や強度が低下するため、新しい活
ます。
性炭に交換する必要があります。その際に交換した古い
今後も東京都環境局などと連携
活性炭が使用済活性炭です。今後、高度浄水処理導入の拡
して実施している気候変動の影響
大に伴い、使用済活性炭が増加するため、その有効利用が
研究の成果や国の機関による新た
課題となっています。
な気候変動予測プログラムの開発
実施していきます。
きました。
(2)
リサイクル推進に関する調査研究
析や将来の気候変化予測から、水道
動向を見据えつつ継続的に調査を
できるか調査研究を行って
▲パンフレット
「気候変動が水道事業に与える影響」
2 その他環境に関する調査・研究
そこで、使用済活性炭が植物育成培地や土壌改良材の原
料として利用できるか、その化学的性質、物理的特性を調
査し、利用した場合の特性や植物の育成に及ぼす影響を検
証しました。その結果、植物育成培地や土壌改良材につい
(1)二酸化炭素排出量削減に関する研究
て、
品質面の
ア 水道とエネルギーに関する共同研究
安全性に問
水道局の事業は、東京の電力使用量の約 1%という多
題はなく、
改
くのエネルギー消費により運営されていることから、ポ
良資材とし
ンプ設備等の省エネルギー型機器の採用、水運用におけ
ての有用性
るトータルエネルギー管理システムの導入によるエネル
が示されま
ギー効率の改善や小水力発電の導入による未利用エネル
した。
ギーの活用により、環境負荷の低減を図っています。
一方、より安全でおいしい水を供給するため、利根川水
系取水量の全量を対象に高度浄水処理の導入を進めてお
り、これに多量の電力を使用することから、一層の環境負
(3)水の有効利用と安全性向上のための研究開発
荷の低減が求められています。
玉川水処理調査・実験
こうした状況を踏まえ、水道事業におけるエネルギー
有効利用を推進するため、基礎調査及び環境負荷低減の
体系化を行い、より一層の環境負荷低減を目標に大学と
共同研究を実施しています。
玉川浄水場の原水である多摩川中流域の水質は、硝酸
態窒素や有機物濃度が比較的高いことから、これらの物
質を効率的に除去する浄水処理技術が必要になっていま
す。このため、NF 膜※を中心とした浄水処理に関する調
イ 植物系活性炭の実用化に関する調査研究
現在、高度浄水施設の生物活性炭には、石炭系活性炭が使
査を行っています。
用されています。一方、石炭系活性炭の代わりに植物系活性
炭を使用した場合、原料の植物の成長過程で大気中の二酸
化炭素を吸収(カーボンマイナス)することから、環境負荷
低減に貢献することができます。そこで、石炭系活性炭と植
※ 分子量の最大が数百程度までの低分子物質をろ過することができる
膜。分離対象物は、臭気物質等の溶解性物質やウイルスなど。
物系活性炭(原料は、ヤシ殻)の水処理性等の比較を行い、
高度浄水施設の生物活性炭吸着処理に植物系活性炭が使用
・水道水源林の保全管理に関する調査・研究の取組は、28 ページへ
・漏水防止技術の向上への取組(研究開発)は、22 ページへ
東京都水道局|環境報告書 2012
21
地
球
温
暖
化
防
止
の
地球温暖化防止の更なる推進
水資源の有効利用の促進
1 漏水率3%への挑戦
的な調査作業により早期発見に努め、発見後速やかに
20 年前の平成3年度末には 10.6%であった漏水率
を、水道局では、平成 23 年度末に 2.8%まで減少させま
した。
世界の大都市における漏水率は 10%から 30%程度
であることから、東京都はトップレベルの水準にあると
いえます。平成 24 年度には、IWA(国際水協会)プロジ
ェクト・イノベーション・アワード(PIA)2012 におい
て世界賞及び東アジア地域大賞を受賞するなど、漏水防
止の取組は、高く評価されています。
更
な
る
推
進
地
球
温
暖
化
防
止
の
漏水防止対策は、水資源の有効活用に寄与することは
もちろん、道路陥没など漏水による二次的災害や濁水の
発生を防止できます。さらに、浄水・送配水過程でのエネ
ルギーが省力化されることにより、二酸化炭素排出量の
低減が図れます。
今後も、経年管・初期ダクタイル管の取替や、給水管の
材質改善などを行うとともに、より一層効率的な作業方
法の検討や調査機器の開発等を進めながら、着実に漏水
防止を推進していきます。
▼漏水量・漏水率と配水管ダクタイル化率及び給水管ステンレス化率 の
推移
※
(億m3/年)
高く耐震性の高いダクタイル鋳鉄管などに取り替え、
平成 23 年度末には概ね解消しています。現在は、初期
ダクタイル管の取替を推進しています。
・配水小管の分岐部から宅地内水道メータまでにおい
て、漏水の多くの発生原因だった鉛製給水管をステン
レス鋼管などに取り替え、平成 18 年度までに概ね解
消しました。
・水圧の確保や漏水の未然防止等を目的として、私道内
に複数埋設されている給水管を配水管に取り替える施
策を積極的に実施しています。
2 漏水防止技術の向上
(1)漏水発見技術の開発
都市化の進展に伴う騒音及び道路交通量の増大など、
漏水発見作業を取り巻く環境の悪化に対応するため、漏
水発見技術の向上を目的とした技術開発に積極的に取り
組んできました。これまでに開発した主な機器は、下表の
とおりです。
(%)
3
20
15
70
60
漏水率
漏水量
10
50
40
1
30
5
配水管ダクタイル化率及び給水管ステンレス化率
80
2
機器名
100
90
20
漏水量
漏水率
10
配水管ダクタイル化率
給水管ステンレス化率
0
0
S55 S58 S61
修理します。
・漏水の未然防止のため、公道下の古い水道管を、強度が
H2
H5
H8
0
H11 H14 H17 H20 H23
概 要
電子式漏水発見器 センサーで路面上から漏水音を検知
最小流量測定装置 夜間、
水道使用のない時間に着目し、
漏水を検知
相関式漏水発見器
漏水音を管路上の2点で捉え、その伝搬時間の差から漏水
位置を特定
時間積分式漏水発見器 漏水音が継続音であることを利用した音聴機器
希ガス式漏水発見器
ヘリウムガスを消火栓等から注入し、漏水地点からのヘリウ
ムガスを検出して漏水箇所を特定
▲開発した機器一覧
(2)漏水予防技術の開発
漏水防止の観点から、腐食防止技術及び施工方法の研
究並びに管材料・継手の改良・開発に取り組んできまし
た。これまでに、各種土壌の影響調査や給水管取り出し部
の腐食防止に関する調査研究を実施し、配管の耐用年数
の向上や効率的な腐食防止技術の採用に努めています。
最近では、断水せずに送・配水本管内面の調査が可能
(年度)
※
給水管ステンレス化率
配水管からの給水管取出し件数(口径 50 ミリメートル以下)に対
するステンレス鋼管の取出し件数の割合
年度
H3
H13
H23
漏水率
(%)
10.6
6.4
2.8
な管内調査ロボットの開発など、新しい漏水防止技術を
開発しました。
≪漏水防止の具体的取組≫
・地上に流出した漏水は、即日修理を原則とし、24 時間
体制で対応するとともに、地下に潜在する漏水は、計画
22
環境報告書 2012|東京都水道局
▲管内調査ロボット
節水への取組 ~節水型都市づくり~
節水型都市づくりとは、都民に必要な水を確保しつつ、
水の合理的使用を促進することにより、渇水に強く、潤い
のある都市にすることです。水道局では、広報活動による
節水意識の高揚や水の有効利用の推進など、有限な水資
源に対し総合的見地から安定給水に努め、水を大切にす
る節水型都市の実現を目指しています。
▼都内雨水利用状況
分類
都施設
区・市施設
国施設
民間施設
計
件数
203
443
41
631
1,318
両国国技館 他
—
施設例
また、水道局では、水の有効利用を推進するため、平成
元年6月に、
「水道局庁舎等に係る水有効利用設備設置基
用施設を設置し、水の循環利用※5 や雨水利用を行ってい
水道局では、水道の蛇口に組み込むだけで節水効果の
ある節水型のコマを独自に開発し、営業所などで無償配
布するなど普及に努めています。
ます。
※4 雑用水とは、トイレ洗浄水や防災用水などの、人の飲用その他これ
に類する用途以外に使用される水をいいます。
※5 循環利用とは、排水を処理して、トイレ洗浄水などの雑用水として
再利用することです。
▼水道局の水有効利用状況
節水コマ
(東京都型)
普通コマ
循環
利用
この部分の大きさが違います。
2 節水意識の高揚(PR 活動)
パンフレットやチラシの配布、水道なんでも相談等の
開催により、お客さまの節水意識の高揚に取り組んでい
ます。(39、56 ページ参照)
局がそれぞれの所管において、雑用水利用施設の設置を
依頼しており、水道局は、建物の新築時に行う給水装置新
平均
1,993
0〜34
8
14,039
7〜77
21
員一人一人の節水意識の啓発に努めています。その結果、
平成 23 年度の庁舎の水使用量は、平成 20 年度基準値
の 11%削減を達成しました。
ています。
平成 24 年3月末現在、都内では、循環利用施設 747
件及び雨水利用施設 1,318 件が稼働しています。
102
▼都内循環利用施設利用状況
(平成 24 年 3 月末)
98,827
98
96,982
96
11%減
94
92
61,635
24.8
88
地区循環※2 186(54 地区) 102,310
23,600
23.1
広域循環※3
182(7 地区)
96,558
33,731
34.9
計
747
447,808
118,966
26.6
循環利用水量
計画量
[m3/日](B)
102,883
100
循環利用率
×100[%]
(B/A)
248,940
本郷庁舎、文京営業所、和泉庁舎、
水の科学館
範囲
水道局では、水道事業者として、節水活動に率先して取
104
379
4
(%)
利用率
4 庁舎における水使用量の抑制
設の申込みの際に、循環利用及び雨水利用の指導を行っ
個別循環
利用水量
(m3/年)
庁舎に節水シールを貼り、日頃から注意を促すなど、職
都では、一定規模以上のビルを建設する事業者に、関係
総使用水量
計画量
[m3/日](A)
設置場所
更
な
る
推
進
り組む必要があります。
3 水の有効利用の推進
件数
件
数
研 修・開 発 センタ ー 、本 郷 庁 舎 、
水 源 管 理 事 務 所 、墨 田 営 業 所 、
足立営業所、新宿営業所、中野営業
雨水
14 所、大田営業所蒲田分室、北部支
利用
所、三筋庁舎、和泉庁舎、多摩水道
立川庁舎、多摩水道山王下庁舎、多
摩水道元本郷庁舎
▲節水コマの仕組み ※シングルレバー式の蛇口には使用できません。
※1
都立田柄高校 他 多摩六都科学館 他 特許庁総合庁舎 他
準」を定め、庁舎等の新築及び改造に際し、雑用水※4 利
1 節水コマの開発及び普及
状況
(平成 24 年 3 月末)
91,422
90
86
84
(千㎥) H20年度基準値
H21年度
H22年度
H23年度
▲庁舎の水使用量
※1 個別循環方式とは、ビル等の建物内で一度使用した水を同一ビル
内で浄化し、雑用水として使用する方式です。
※2 地区循環方式とは、一定区画内にある複数のビル等で一度使用し
た水を一か所で浄化し、各ビルに雑用水として供給する方式です。
※3 広域循環方式とは、広域的な規模で、下水処理場の処理水を雑用水
として供給する方式です。
東京都水道局|環境報告書 2012
23
地
球
温
暖
化
防
止
の
地球温暖化防止の更なる推進
ヒートアイランド現象の緩和
1 屋上等緑化の推進 水道局では、これまでに、13,121㎡の屋上等の緑化を
平成 23 年度は、水源管理事務所における、サッシ取替
実施してきました。工事の際には、支障となる樹木をでき
えに際し、外周南北面に複層ガラスを採用しました。これ
る限り移植するなど緑の保全にも配慮しています。
により、断熱性能を高め、空調エネルギーの使用量の削減
▼屋上緑化の実施状況
を図っています。
名称
更
な
る
推
進
地
球
温
暖
化
防
止
の
2 環境配慮型事務所の推進
(平成 24 年 3 月末現在)
緑化面積
(㎡)
設置年度
境浄水場
348
平成 12 年度
南千住給水所
106
平成 13 年度
台東営業所
427
大田営業所
(蒲田分室)
310
南部支所
(桜丘庁舎)
235
江東給水所
293
足立営業所
288
和泉庁舎
243
目黒営業所
220
北営業所
120
研修・開発センター
189
多摩水道元本郷庁舎
100
砧浄水場ポンプ棟
330
平成 14 年度
平成 15 年度
▲水源管理事務所(複層ガラス)
平成 16 年度
3 保水性舗装の推進
保水性舗装は、道路内に水を蓄え、路面温度を下げる舗
品川営業所
230
装技術です。水道局では、平成 19 年度から、三園浄水場、
多摩水道山王下庁舎
452
本郷庁舎 2 号館
219
小右衛門給水所及び東海給水所において保水性舗装を試験
本郷給水所
608
多摩水道立川庁舎
341
砧浄水場膜ろ過施設棟
793
砧下浄水所膜ろ過施設棟
714
芝給水所
776
多摩水道秋留台庁舎
東村山浄水場薬品管理棟
多摩水道元本郷庁舎
東村山浄水管理事務所
(本館)
三園浄水場高度浄水処理棟
板橋営業所
145
1,035
平成 18 年度
を採用しました。
散水後の路面表面温度の推移(絶対比較)
53.0
平成 19 年度
平成 20 年度
(時間)
13:15 13:30 13:45 14:00 14:15 14:30 14:45 15:00 15:15 15:30 15:45 16:00 16:15
51.0
49.0
47.0
平成 21 年度
159
45.0
温度差:最大11.6℃
43.0
73
41.0
584
東海庁舎
389
南阿佐ヶ谷庁舎
169
合 計
平成 22 年度には、東海庁舎の構内舗装に保水性舗装
1,701
279
大谷口給水所
減効果を確認し、導入に当たっての課題を整理しました。
6
836
140
小右衛門給水所
的に整備し、時間によっては 10℃以上の路面表面温度の低
47
東海給水所
西原事務所
平成 17 年度
216
金町浄水場取水ポンプ所
東村山浄水場オゾン処理棟
13,121
平成 22 年度
—
39.0
37.0
35.0
(℃)
アスファルト
近似曲線(アスファルト)
▲小右衛門給水所試験結果
▲南阿佐ヶ谷庁舎(屋上緑化)
24
▲複層ガラスイメージ
環境報告書 2012|東京都水道局
▲東海庁舎構内舗装(保水性舗装)
保水性舗装
近似曲線(保水性)
Fly UP