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安全でおいしい水の実現に向けて
安全でおいしい水の実現に向けて ~オランダにおける残留塩素ゼロの取り組み~ 水道局栗山浄水場 主 査 清宮 佳幸 業務振興課 副主査 平山 賢二郎 総務企画課 技 師 井上 宏隆 給 水 課 技 師 川内 崇浩 総合企画部水政課 主 査 石井 源一 1.研修先 オランダ 水道事業体(Waternet、PWN、Oasen、Vitens)、KWR 水循環研究所 2.研修期間 平成 26 年 10 月 29 日(水)~11 月 6 日(木)(9 日間) PWN(10 月 30 日) 3.目的 日本では、水道法に基づき、水道水を消毒するために塩素を添加することが義務づけら れているが、オランダでは、微生物が増殖する際に必要な栄養素を徹底的に除去すること で塩素を添加せずに安全な水道水を供給している。 本研修では、現在、県水道局が取り組んでいる残留塩素低減化を推進するため、オラン ダにおける最新の浄水処理方法、管路の管理方法及び先進的なリスク管理に関する知見を 得ることを目的とした。また、県水道局とオランダにおける水道水に対する意識の共通点 や相違点について調査するため、現地で水道水に関するアンケート調査を行った。 Andijk 浄水場 Vitens(11 月 4 日) Engelse Werk 浄水場 Waternet(10 月 30 日) 本 社 Oasen(10 月 31 日) De Steeg 浄水場 研修行程 KWR 水循環研究所 (11 月 3 日 ) 4.調査結果 ①浄水処理方法 ・地下水や表流水を浄水処理し、再度、砂丘ろ過で処理した水を原水としている。 ・オゾン及び活性炭だけでなく、最新の浄水処理技術(膜、紫外線及び促進酸化)などを組み合わせ、 微生物が増殖する際に必要な栄養素を徹底的に除去している。 研修の様子(日本と千葉県 ②管路の管理方法 水道局の取り組みを説明) ・微生物が再増殖しにくい材質の配水管を使用している。 ・管内流速が一定以上となるように配管網を構成することで、汚れが滞留しにくい配管網を整備している。 ③リスク管理 ・水源における微生物数や各浄水処理工程における除去率を定量的に把握し、水道水の飲用による病原 微生物の感染リスクが、年間 1 万人に 1 人以下となるように管理している。 膜処理設備 (Engelse Werk 浄水場) ④アンケート調査 ・県水道局と同じアンケートをオランダで実施した結果、水道事業全般への満足度は、オランダと県水道局 共に約 90%であったが、水道水の「おいしさ」「安全性」については、オランダの方が高い傾向が見られた。 5.県水道局における今後の取り組みについて ・オランダの取り組みを参考とした浄水処理方法や管路の管理方法などにより残留塩素低減化を進める。 ・水道水の「おいしさ」や「安全性」を向上させるため、お客様と協働した安全でおいしい水づくりを継続する。 ・最新の知見を得るために、海外も含めた県内外の事業体との継続的に情報交換を行う。 アンケート 調査風景