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ポジティブアプローチによるプロセスデザイン

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ポジティブアプローチによるプロセスデザイン
関東学院大学『経済系』第 249 集(2011 年 10 月)
論 説
ポジティブアプローチによるプロセスデザイン
1)
Process-design Based on “Positive Approach”
大 住 莊四郎
Soshiro Ohsumi
要旨 近年,組織変革や地域開発プロジェクトで,AI,OST,フューチャーサーチ,ワールドカフェ
などのポジティブ/ホールシステムアプローチを活用するケースが増えている。地域開発では,
「イ
マジンまつど」
「イマジンヨコハマ」などが好例であるが,その目的が高次になればなるほど,プロ
グラムのプロセスデザインが非常に重要になることがわかっている。本論では,
「ポジティブサイク
ルを創る」観点からのプロセスデザインの思想,一般的なパターン,目的に応じたパターンを提示
した。それらに基づき,既存の地域開発プロジェクトを見直すとともに,将来の組織変革や地域開
発プロジェクトでの具体化が今後の課題である。
キーワード ポジティブアプローチ,プロセスデザイン,AI,シナリオプラニング,アウトサイド
イン,インサイドアウト
1.
2.
3.
4.
5.
6.
はじめに
ポジティブサイクルの創造
プロセスデザインの基本的な考え方
具体的なプロセスデザイン
現実のプロセスデザイン
おわりに
田原市新総合計画策定プロセス』6) などの実践事例
1. はじめに
がある。ワールドカフェを活用した市民フォーラ
近年日本でも,組織開発や地域開発プロジェク
ムでの活用事例としては,大阪市水道局『ほんま
トで,AI2) ,OST3) ,フューチャーサーチ4) ,ワー
やフォーラム』などのケースがある。それぞれの
5)
ルドカフェ などのポジティブ/ホールシステムア
ケースをみると,AI,OST,ワールドカフェなどを
プローチが採用されるようになってきた。N 社,R
活用した単発のイベントの場合もあるが,複数の
社などのケースは有名であるし,地域開発のケー
手法を組み合わせながら,共有ビジョンの形成・経
スでは,
『イマジンヨコハマ』
『イマジンまつど』
『小
営課題の克服,中長期計画の策定などを目的にプ
ロセス全体をデザインすることが求められるケー
〔注〕
1)本研究は,平成 18 年度「経済学会特別研究費」の
研究成果の一部である。
2)AI については,例えば,Cooperrrider, Whitney &
Stavros (2005) を参照されたい。
3)OST については,Owen (1997) を参照されたい。
4)フューチャーサーチについては,Weisbord & Janoff
(1995) を参照されたい。
5)ワールドカフェについては,Brown & Isaacs (2005)
を参照されたい。
スも増えている。『イマジンヨコハマ』『イマジン
まつど』
『小田原市新総合計画策定プロセス』など
は後者の例になる。
しかしながら,ポジティブアプローチを活用し,
組織開発・地域開発のプログラムを実施するとし
ても,通常半年から 2 年程度かかるプログラム全
6)大住(2009, 2010, 2011)を参照されたい。
— 56 —
ポジティブアプローチによるプロセスデザイン
体を目的にあうかたちで,当初よりデザインした
ポジティブサイクルの創造
2.
『イマジンヨコハマ』の場合,
ケースは少ない7) 。
横浜市民の力で横浜の都市ブランドを創り上げる
2.1
ポジティブアプローチとギャップアプローチ
ことが当初の目的であったが,活動に参加してい
ポジティブアプローチを核としたプロセスデザ
る市民の立場からすると,都市ブランドそのものよ
インの基本は,
「ポジティブサイクルを創る」こと
りもそれをもとにした活動を進めていくことのほ
にある。このことを考える基礎は,ギャップアプ
うがだいじかもしれない。イマジンヨコハマ・プ
ローチとポジティブアプローチとの対比から説明
ロジェクトを契機とした具体的な活動プロジェク
できる。両者を対比すると,図 1 のようになる。
トへの展開を考える場を想定し,
『イマジンヨコハ
従来型のアプローチは,ギャップアプローチと
マからはじまる横浜の未来』というワークショッ
よばれる。問題が発生するとその問題の原因を分
プを開催し,その中で OST を活用し今後の活動の
析する。原因がわかれば解決策は見いだせるので
シーズを創り上げた。当初のプログラムに付随す
それをもとにアクションプランをたて実行する。
る重要なプロセスを追加したのである。また,あ
お客様からのニーズを課題とみれば,そのニーズ
るケースでは,個々の手法の活用方法や順序に問
と現実(のサービス内容や水準)とのギャップを
題があると推察された。プログラムの後半に活用
把握し,そのギャップを埋めることが目標となり,
すると有効と思われる手法をプログラムの初期で
それを達成するための方法を考えアクションプラ
実施したり,ホールシステムアプローチとしては,
ンをまとめ実行する。ギャップアプローチはこの
本来外部環境分析や認知を目的とする手法を,環
ような意思決定プロセスであり,至極当然のこと
境分析に関する情報を十分提示せずに主体性を発
と思われるであろう。
揮させアクションプランを創出するための内発的
ギャップアプローチは,外部環境(お客様のニー
なプロセスで活用したりしていた。いずれのタイ
ズも外部環境)の変化のスピードが遅い時代はよ
プもプロセスデザインが未成熟だったのではない
い。問題は比較的複雑なものは少なく,お客様か
かと考えられる。
らの要望も現実から大きくかい離することや多種
このように,ポジティブアプローチを活用した
多様な要求などは少なかったからである。しかし
組織開発・地域開発プログラムを実践するには,プ
ながら,お客様のニーズが多様化し,そのことに
ロセスをデザインする基本的な考え方と方法論が
伴い現実のサービス水準とのギャップが拡大する
必要になる。ポジティブ/ホールシステムアプロー
と,「最適解」を見いだすことは非常に難しくな
チの個々の特徴を踏まえたうえで,ポジティブサ
る。前例のない問題の解決にあたっても,その原
イクルを創ることを基本にしたデザインを行うこ
因も直ちには明らかにならないであろうし,たと
とである。本論では,第 2 章では,ポジティブアプ
え原因が究明できても「最適解」には到達できる
ローチの適用でもっとも重要とされる「ポジティ
とは限らない。現代組織を取り巻く環境を考える
ブサイクル」についての基本的な考え方を整理す
と,ギャップアプローチだけで問題や課題に対処
る。第 3 章では,
「ポジティブサイクル」を活かし
しようとすれば,問題や課題は山積し,疲弊する
たプロセスデザインについての基本的なパターン
だけである。
を考える。第 4 章では,目的に応じたプロセスデ
ポジティブアプローチは,外部環境の変化によ
ザインを具体的に提示する。第 5 章では,これま
り複雑化した問題や課題への対処法として優れて
での適用事例と対比しながら,プロセスデザイン
いる。問題や課題への対処を「最適解」を導くこと
のあり方を検討する。その上で,ポジティブアプ
から入るのではなく,問題や課題を解決した状態
ローチによるプロセスデザインの意義を考える。
をイメージしメンバーで共有することにより,と
7)
『イマジンヨコハマ』を含むプロセスデザインのケー
スについては,大住(2011)を参照されたい。
りあえずの処方箋による「適応解」からの解決を
志向する。問題や課題を認識し,解決の方向性を
— 57 —
経
済 系
第
249 集
ギャップ・アプローチ
(問題解決アプローチ)
あるべき基準が外側からくる
ポジティブ・アプローチ
ありたい状態が内側から
出てくる
(備考)Whitney, Diana & Amanda Trosten-Bloom (2003) から作成。
図 1 ギャップ・アプローチとポジティブ・アプローチ
導くにあたって組織やチーム・個人の良さ・強み・
2.2
ポジティブサイクルのパターン
潜在的価値を発見する。それらを「ポジティブコ
そもそも,ポジティブアプローチの発想の基礎
ア」と呼べば,
「ポジティブコア」を最大限発揮さ
はセルフマスタリーにある。「ありたいすがた」を
せることで,問題や課題を解決した状態を思い描
認知し,それをグループで共有し,アクションを導
き,メンバーの間で共有する。そうすれば,その
くアプローチは,NLP(Nero Linguistic Program-
状態を実現したいという心の状態が形成されるの
ing)やポジティブなコーチングにおける方法論と
で,アクションが導かれる。
してある程度確立されている8) 。図 2 では,これ
二つのアプローチはいわば,外部環境と内部要
をタイムラインで描いてみた。
因という二つの側面から見れば,「コインの表と
ポジティブサイクルを創造するための工夫とし
裏」であるが,どちらにウェイトを置くかによっ
1 過去∼現在への現状認識を踏まえ,ポジティ
て,
て結果は 180 度変わりうる。なぜなら,ギャップ
2
ブコアやコモングラウンドを形成・共有する,
アプローチは,ダメな現実のほうに自分が置かれ, 「ありたいすがた」のリアリティを高める,という
ゴールを見上げ「やらなければならない」という
2 点が指摘できる。その際,過去∼現在のタイムラ
こころの状態になりやすい。しかも問題や課題を
インを前提にしながら,その延長線上にある未来
そのまま受け入れてしまうので強烈な「やらされ
ではなく,問題や経営課題を克服した革新的な未
感」となる。ポジティブアプローチは,実現した
来を描く。つまり,過去から現在へのタイムライ
い状態に自分を置くことを意図している。つまり,
ンとは別のありたいすがたを実現できるタイムラ
「ありたいすがた」から現実を見下ろすこころの状
態となり,
「ありたいすがた」が心の中から内発的
インを逆に未来から現在へ引き戻す(バックキャ
スティング)ことで創っていく。
に生まれる。ポジティブサイクルを創るには,本
ギャップアプローチの場合,
「あるべき姿」には
当にそうありたいと思える「ありたいすがたに自
リアリティ(現実感)がなくてよい。現状にリア
分を置く」ことが起点になるのである。
8)NLP についての概論書は,巻末をご参照いただき
たい。
— 58 —
ポジティブアプローチによるプロセスデザイン
(備考)筆者作成。
図 2 「ありたいすがた」のタイムライン
リティがあり,ゴールには必ずしもリアリティを
3 その状態への「プラ
たイメージを描き(視覚)
,
形成する努力は必要ない。むしろ,ゴールに行動
4 その状態を身体感覚で感じ
ス感情」を移入し,
規範となるような尺度と数値目標を置くことでそ
る,ことができるようにする。コーチングなどで
れらを実現するための行動計画を策定する。現実
2 ∼
4 を喚起するようなアファメーションを
は,
のタイムラインにリアリティ高いので,このまま
活用することになる。本当に実現したい未来であ
の状態では目標は達成できない。このため,Pink
れば,その状態を創りたいと願うであろう。その
(2009) でいう「モチベーション 1.0」では生存の必
状態をリアルに感じるためには,
「プラスの過去の
要から生じる「強制力」
,
「モチベーション 2.0」で
情動記憶9) を思い出し,その感情を「ありたいすが
は「報償」や「罰」
(アメとムチ)による「インセ
た」のストーリーとイメージの中にいる自分自身
ンティブ」を活用する。
の感情として移入する。こうすることで,現実か
ポジティブアプローチでは,「ありたいすがた」
ら生まれた「このままの未来」よりもリアリティ
は内発的で主体的に創る。「ありたいすがた」と
の高い「ありたいすがた」をもてるようにするこ
「このままの未来」とを比較すると,通常では「こ
とであろう。そのような「ありたいすがた」を導
のままの未来」のほうが圧倒的に高いであろう。な
くことができれば「ありたいすがた」を現時点に
ぜなら,それは現実のリアリティそのものであり,
引き戻した「ありたい自分」を創造する10) 。その
五感で感じ取ることが容易だからである。過去か
プロセスで,
「ありたいすがた」に至る具体的な行
ら現在の延長線上ではない「ありたい未来」にリ
アリティを強める工夫をプロセスに組み込んでい
く。「現実」から飛躍した「ありたいすがた」にリ
アリティを確保するためには,「ありたいすがた」
をありありと感じられるように描くことである。
1 言葉で宣言し(聴覚)
2 ありありとし
,
これは,
9)
「楽しい」
「嬉しい」
「誇らしい」
「すがすがしい」
「気
持ちいい」などプラスの強烈な情動記憶を思い出す
ことであろう。AI では,ハイポイントの状態であ
る。
10)このことは,リアリティの持てる現在の自分という
意味での現実性をチェックしている。
— 59 —
経
済 系
動に関する目標が得られるようになる。
第
249 集
来へ活かせる要素を抽出し,未来へのストーリー
個人ベースのセルフマスタリーで活用されるア
を描いていく。
プローチを組織開発に適用するためには,綿密な
工夫が求められる。AI やフューチャーサーチなど
プロセスデザインの基本的な考え方
3.
は,ポジティブサイクルを変革プロセスに組み込
ポジティブアプローチによる組織・地域開発は,ポ
んでおり,セルフマスタリーにおけるプロセスデザ
インを基礎にしていることは明らかであろう11) 。
ジティブサイクルをデザインしている AI やフュー
一般的なパターンはつぎのとおりである。
チャーサーチを実施するだけでは機能しない。AI
1 過去∼現在の振り返り
もサミット方式12) ではなく,分散型でデザインす
フューチャーサーチでは,日本・地域(組織)
・
ることで時間をかけて進めることもできる。しか
個人のタイムライン共有を行い,未来に影響を
しかりに,AI/フューチャーサーチが当初の予定
与える重要なトレンドや要因について,マイン
通りうまく実施されたとしても,時間のかかる組
ドマップで共有していく。AI では,ペアインタ
織・地域変革は OST などの別の特徴を有するホー
ビューを通じて過去から現在の自身をとりまく
ルシステムアプローチを組み合わせることも有効
環境について振り返る。
であるし,実際に行動計画の詳細を決定し,実行
2 潜在的価値・コモングラウンドの確認共有
段階では,ホールシステムというよりは,グルー
フューチャーサーチでは,ステイクホルダーご
プレベルの活動が重要となる。また,目的によっ
と及びステイクホルダー間でのダイアログを重
ては従来型のプロジェクトチームによる手法も有
ねてコモングラウンドの発見や気づきを促す。
効になる。組織・地域開発のプロセスデザインは,
AI では,肯定的なトピックに関係する過去から
ポジティブ/ホールシステムアプローチを核にしな
現在の体験を通じてその背景にあるポジティブ
がらその目的に最適な複数の手法を段階的に組み
コアを発見,グループで共有していく。
合わせることが求められる。
3 ありたいすがたの共有
フューチャーサーチ,AI ともに,ありたいすが
3.1
ポジティブ/ホールシステムアプローチの実
践デザイン
たにリアリティを高めるためのプロセスを工夫
している。ありたいすがたをストーリーとして
AI/フューチャーサーチなどのポジティブ/ホー
グループで描く。そのためのワークとして,ス
ルシステムアプローチの実践には,それぞれ準備
キット(即興劇)
・絵・新聞記事・ニュース番組
のプロセスからはじまり,大規模ミーティングの
などをグループで進める。
開催,そしてその成果でもある行動計画と実行へ
4 新たな取り組み
とつなげていく。
一般的なラージスケールミーティングは,図 3
新たな一歩を踏み出すための行動計画を検討し
推進していく。
のようにデザインされる。
AI でいうポジティブコアやフューチャーサーチで
1 コアチームの編成:AI,フューチャーサーチ,OST
いうコモングラウンドは,
「このままの未来」では
のみならずワールドカフェにおいても,ラージ
なく「ありたいすがた」を描き実現するための基礎
スケールミーティングを予定している場合,コ
でありエンジンである。その際,肯定的な質問や
アチームを編成して運営の企画・準備を進める
ダイアログを重ね,過去のストーリーの中から未
ことが必須となる。ホールシステム(企業や組
織全体)のマイクロコズモ(小宇宙)とし多様
11)その際,リアリティを高める工夫として,ストーリー
を重視する。プラスの情動記憶の強い過去のストー
リーから未来のストーリーへと転じ,そして現在へ
と引き戻す。ストーリーの重要性は別途論じたい。
性を重視したチーム(年齢・階層・男女比など
12)AI サミットについては,Ludema, Whitney, Mohr
& Griffin (2003) を参照されたい。
— 60 —
ポジティブアプローチによるプロセスデザイン
(備考)筆者作成。
図 3 ラージスケールミーティングのデザイン
(備考)筆者作成。
図 4 自律的な組織づくり
にも配慮)づくりを進める。
まり,ホールシステムアプローチの内生化である。
2 関係性(つながり)と情報づくり:必要に応じて
ホールシステムアプローチの中には,プロセス
「プレミーティング(小規模なワールドカフェな
が比較的単純で実践が容易と思われる手法がある。
ど)
」を行うことによって,組織内の関係性の強
例えば,ワールドカフェや OST である。この二つ
化と情報づくりに努める。
の手法を自ら企画・運営できる人材育成ができる
3 ラージスケールミーティング:ホールシステム
なら,その人材を核にした自律的な組織づくりへ
アプローチの実施日である。AI などでは分散型
とつなげることができる。ワールドカフェや OST
で進める場合もあるが,その場合でも関係者が
であれば,コアチームが大規模ワークショップの
一堂に会したミーティングを行うことが多い。
企画・運営プロセスを通じた OJT とファシリテー
4 アクションと実行:ホールシステムアプローチ
タ養成をあわせることができる13) 。その結果,組
では,テーマの掘り下げにとどまらず具体的な
織内でのワールドカフェのコミュニティづくりや
方針やアクションまで話し合う OST であって
OST の内生的な企画・運営・実施が可能になる。
も,行動計画の詳細はラージスケールミーティ
ングでは決まらないことが普通である。これら
3.3
プロセスデザインの基礎
プロセスデザインの基礎は,ポジティブサイクル
は,行動計画を推進するチームによって話し合
を創ることにある。そのためのポジティブ/ホール
われ,実行に移される。
システムアプローチやグループレベルの手法を局
3.2 自律的な組織づくり
ホールシステムアプローチを組織や地域で展開
するには,コアチームの編成にあわせて,コアチー
ムのメンバーを中心とした人材育成とそれを核に
した組織開発をあわせることもできる(図 4)
。つ
13)筆者が受託研究として実施した大阪市水道局「ほん
まやフォーラム」はその典型的なケースである。コ
アチームメンバーを中心に,ワールドカフェのファ
シリテータの養成を「ほんまやフォーラム」の企画・
運営にあわせて進めた。
— 61 —
経
済 系
第
249 集
(備考)筆者作成。
図 5
一般的なプロセスデザイン
面にあわせて配置することがだいじである。個々
イクルの後半部分に特長がある。
のホールシステムアプローチにはそれぞれ特長が
あり,アプローチそのものにプロセスがデザイン
されているものとそうでないものがあり,またプ
ロセスがデザインされているものでも,ポジティ
ブサイクルのどのフェーズにフォーカスしている
(優位性をもつ)のかなどによって,組織・地域開
発プログラムの中でどのように配置するかがおお
まかに決定される。
1 プロセスがデザインされていないもの:ワール
このような一般的な特徴を踏まえると,図 5 の
ようなプロセスがデザインできる。
ホールシステムアプローチのプログラムを実施
するには,コアチーム(企画・運営チーム)の編
成が必要になる。コアチームを中心に,プログラ
ムデザインの具体化を進めていくが,おおまかに
は,図 5 のようになる。
1 ワールドカフェ→ OST
ワールドカフェの自由なデザインにより,新
ドカフェがその好例である。ただし,ワールド
たな企画やアイディアのつながりや AI やフュー
カフェは,問いとラウンドの構成によりプロセ
チャーサーチのプロセスを問いの構成で工夫す
スをデザインすることもできる。また,一般的
ることができる。具体的な行動指針などは OST
にはワールドカフェは,発散的な話し合いには向
いているが収束的な話し合いには不向きである。
プロセスがデザインされていないことで,関係
を活用する。
2 AI/フューチャーサーチ→ OST
ポジティブサイクルを創る手法としては,AI
性やつながりの強化や新しいアイディアのつな
またはフューチャーサーチを実施し,そのまま
がりや創造といった活用方法も有効であろう。
デザインや行動計画まで AI またはフューチャー
2 プロセスがデザインされているもの:AI 及び
サーチを続けることもできるが,後半は OST に
フューチャーサーチは,ポジティブコアやコモ
つなげることも有効である。
ングラウンドの共有によるポジティブサイクル
の前半部分に特長がある。OST は具体的なテー
マに基づく話し合いを基礎にしており,行動指
針や行動計画を導くという意味でポジティブサ
いずれのパターンでも,行動計画の実行では,行
動のユニットであるグループレベルの手法を活用
する。その一例としては,アクションラーニング
— 62 —
ポジティブアプローチによるプロセスデザイン
(備考)筆者作成
図 6
ワールドカフェから OST へ
があり,ポジティブ・サイクルの中での活用とし
ての工夫が必須である14) 。
マイクロコズモ15) を形成する。コアチームのメン
バーには,セミナーと大規模ワールドカフェ・OST
の企画・運営を通じて,ワールドカフェ・OST の
4. 具体的なプロセスデザイン
ファシリテーションと企画・運営のノウハウを習
得することを期待している。それらのメンバーを
それでは,目的に応じたプロセスデザインを考
核に各部門でのワールドカフェ・OST を実施する
えてみよう。ポジティブアプローチを活用した組
ことにより,組織/地域全体へとポジティブサイク
1 組織内におけるポ
織・地域開発を想定すると,
ルを広げていく。
2 組織のありたいすが
ジティブサイクルの創造,
このプロセスデザインはつぎのような特徴をも
3 戦略的プランの改訂,
4
たの創造・共有・実践,
つ。第一に,ホールシステムアプローチのなかで,
組織/地域価値に基づくビジョン創造などさまざま
比較的企画・運営が容易なワールドカフェ及び OST
である。これらの目的に応じたプロセスデザイン
に特化することで,組織内でムリのない効率的なポ
を描くこととする。
ジティブサイクルの形成・共有を行うことができ
る。第二に,二つの手法に特化していることで,比
4.1 ポジティブサイクルの形成・共有
較的短期間でプログラムをデザインすることが可
組織・地域開発プログラムとして,ポジティブ
能であり,費用も比較的安価で済む。第三に,ワー
サイクルを形成・共有するとともに,ワールドカ
ルドカフェによりポジティブサイクルの起点を創
フェ・OST のファシリテーションができる人材育
ることになるが,AI ほどの深みやイノベィティヴ
成を図ることで,大規模な組織や地域でも外部の
な発見などは期待できない。このため,プログラ
支援を受けなくても自律的にポジティブサイクル
ムの目的は,組織内価値(企業理念など)の共有
が広がることが期待される。
や浸透,新たなアイディアや価値創造(顧客・ス
ワールドカフェから OST の実践は図 6 のよう
テイクホルダーとの協働)などが適切であろう。
にデザインできる。コアチーム(=企画・運営チー
ム)を編成し,各部門,階層からメンバーを募り,
14)アクションラーニング自体は,ギャップアプロー
チ,ポジティブアプローチいずれでも活用できる。
ただ,プロセスをスクリプトなどで細かく規定して
いるマーコードモデルなどは,ギャップアプローチ
で設計されている。このため,ポジティブサイクル
の中で活用するには配慮が必要になる。マーコード
モデルについては,Marquardt (2004) を参照され
たい。
4.2
AI によるポジティブサイクルの創造
ポジティブサイクルの起点及び重要なプロセス
で AI を活用する。AI を活用する前に,チェンジ
15)小宇宙。組織の中の縮図であるように編成すること
が求められる。年齢,職階,性別といった外的な属
性はもちろん組織内評価なども考慮して,
「できる
ひと」だけではなく「できないひと」なども入って
もらうことがだいじである。
— 63 —
経
済 系
第
249 集
(備考)筆者作成。
図 7
AI によるポジティブサイクルの創造(その 1)
図 8
AI によるポジティブサイクルの創造(その 2)
(備考)筆者作成。
アジェンダを明確化することや組織内の関係性や
る。ポジティブサイクル後半は AI で進めること
つながりを強化する意味でワールドカフェを実施
もできるが,OST へとつないでもよい。
する。チェンジアジェンダがより重大で組織全体
AI を活用する意義は,図 9 のように整理でき
で取り組む必要がある場合などで有効と言える。
る。AI は,ポジティブな質問により,個人・チー
AI によるポジティブサイクルの創造は図 7 およ
ム・組織のポジティブコアを見出し共有していく。
び図 8 のようにデザインできる。まず,コアチー
そのパワーは,ワールドカフェよりもはるかに強
ムをマイクロコズモで編成する。この点は,ワー
い。強力なポジティブサイクルが形成されること
ルドカフェから OST へのプロセスデザインと同
1 主体性・自律性・創造性が発揮さ
で,参加者の
様である。AI を実施する前のワールドカフェは,
2 関係性が飛躍的に向上し,
3 ビジョンや想
れ,
チェンジアジェンダがあらかじめ明確である場合
いの形成・共有を通じて,第一に,組織や地域が直
や組織内でよい関係性が築かれている場合などは
面する重大な課題解決を革新的な方法で実現,第
ワールドカフェをあえて行う必要はないであろう。
二に,参加・協働型の政策・事業立案,実施,第
ワールドカフェを実施する場合,話し合われた内
三に,ビジョン・プランの創造,具体化を図るこ
容を集約し,チェンジアジェンダへとつなげる。
とができる。
なお,AI を実施する場合,4D サイクル(Discov-
企業・組織,地域のビジョンや戦略策定に,AI
ery/Dream/Design/Destiny)すべてをサミット(集
を活用することもできる。これが有効なのは,既
合形式)で実施してもよいし,AI インタビューを
存の戦略計画などでゴールや数値目標を設定して
16)
で実施しその結果を集約し,それを
おり,その改訂を考えるケースであろう。SOAR
共有したかたちでサミットへとつなぐこともでき
による戦略策定アプローチ17) などは,AI のプロセ
16)AI インタビューをリレー形式で進行する場合,イ
ンタビューを受けた人がつぎのインタビューを行う
かたちでどんどん広げていくことが理想である。
17)SOAR は,Strengths/Opportunities/Aspirations/
Results の略で,SWOT と対比される。強みを活か
すためのフレームワークである。SOAR による戦略
リレー形式
— 64 —
ポジティブアプローチによるプロセスデザイン
(備考)筆者作成。
図 9
AI で実現できるもの
スデザインに沿って工夫ができるので,その適用
可能性は検証すべきである。
シナリオプラニングとは,中長期的視点に立っ
て,事業環境を見通し,複数のシナリオを想定し
て,自社のビジネス戦略を検討する手法として開
4.3 外部環境分析/ホールシステムアプローチの
融合
発された。ロイヤルダッチシェルがこの手法を活
用することで石油危機を乗り切ったことで知られ
ポジティブ/ホールシステムアプローチの弱点
るようになった。戦略策定と組織学習の二つの要
は,内発的なプロセスデザインを重視するために,
素があると言われており,近年では,多様なステ
「インサイドアウト」に傾く傾向があることであ
る。個人・グループ・組織の視点で外部環境を捉
イクホルダーを交えて実施されることがしだいに
増えている。
える場合,組織内部のメンタルモデルでの外部環
ここでいう「シナリオ」とは,ありうる将来の環
境の認知になる可能性がある。社会構成主義に立
境についてのストーリーであり,未来のビジネス
脚すれば,すべての認知は関係性の中にある。組
環境がどのようになるかについて物語のかたちで
織・地域開発に必要な情報に基づく関係性を築く
体系的に示したものである。シナリオプラニング
ことが不可欠であろう。
とは,将来可能性のあるいくつかの異なった未来
これは,
「アウトサイドイン」にあたるアプロー
への道筋を示し,それぞれの道筋において,とる
チのデザインであり,そのための手法として「シ
べき適切な対応を見出すための方法論であり,成
ナリオプラニング」がある。
功のためのフレームワークというよりも不確実な
外部環境の認知が,通常は戦略策定の前提となる
時代に対応できる「能力」を企業組織が身につけ
ので,既存の戦略計画の更新を超える根本的な変革
ることにより,成功を勝ち取る方法を提供するも
を意図する場合は,外部環境の認知のプロセスを別
のとされる。
途確保することが必要である。そのための手法と
18)
。
しては,
「シナリオプラニング」 がある(図 10)
シナリオプラニングのメリットとしては,つぎ
のようなことがあげられる。
第一に,意思決定の質の向上である。起こりう
策定は,Stavros & Hinrichs (2009) を参照された
い。なお,SOAR による戦略策定については,別途
論じたい。
18)シナリオプラニングについては,巻末の参考文献を
る複数のシナリオが想定される中で,どのシナリ
— 65 —
参照されたい。とくに,西村(2003,2010)はわか
りやすい。
経
済 系
第
249 集
(備考)筆者作成。
図 10
外部環境の認知の必要性
オにも耐えうる,より確実なプロジェクトを選択
えた「人間がいかに未来について思いをめぐらせ
することによって,意思決定の質が向上する。
るか,そして,それがどのような効果をもたらす
第二に,未来についての検討である。関係者に
か」についての理論である。「人々は常に,ある現
一定のフレームワークに沿った情報収集とそれら
象や行動が将来どのような結果をもたらすかにつ
をもとにしたストーリーを描くことでより深い未
いて思いをめぐらしており,それが記憶となって
来の検討ができるようになる。
残ることで,
『心の準備』ができていき,新しい事
第三に,組織の認識力の高まりである。シナリ
態にも対処しやすくなる」という。この理論は,組
オ・プラニングを通して,より深い洞察力を身に
織やグループの未来を創造するプロセス・デザイ
つけ,現実に起こったことをパターン認知し,そ
ンにも応用できることが知られている。
れをベースに起こったことの意味を理解すること
ができるようになる。
シナリオプラニングによる外部環境の認知は,
基本的に「アウトサイドイン」であり,ポジティ
第四に,マネジメント力の強化である。どのよ
ブアプローチは自然に実施すれば「インサイドア
うな意思決定を行うかという暗黙のルールを設定
ウト」となりやすい。このため,戦略ビジョン計
できる。
画策定などのように「アウトサイドイン」と「イ
第五に,リーダーシップ発揮のツールである。全
ンサイドアウト」の両者を意思決定プロセスにバ
社的視点で,自社の戦略を検討することができる。
ランスよくデザインすることが理想的である場合,
以上のような一般的なメリットに併せて,なに
図 11 のようにシナリオプラニングによる外部環
よりも,
「機会利益の最大化」
「機会費用の最小化」
境の認知とポジティブアプローチを融合したプロ
であろう。複数のシナリオの中で,自社の事業戦
セスデザインも提案できるであろう。
略に大きな影響を与えうるシナリオを検討するこ
その際,図 12 のように,プロジェクトチーム
とで,そのシナリオが現実化した場合の戦略を迅
とホールシステムアプローチを融合,連携させて
速に実施することができる。
進めていく。シナリオプラニングは,プロジェク
シナリオプラニングによる外部環境の認知の特
トチームで進める。シナリオプラニングは,外部
徴は,
「未来の記憶(memories of the future)
」を創
環境についてのある程度集約的な情報収集と整理
ることに貢献できることであろう。「未来の記憶」
が必要となるため,ホールシステムにはなじまな
とは,スイスの神経生物学者 Ingvar(1985)が唱
い。あわせて,シナリオプラニングで実施するの
— 66 —
ポジティブアプローチによるプロセスデザイン
(備考)筆者作成。
図 11
価値創造プロセス
(備考)筆者作成。
図 12
シナリオプラニングとポジティブアプローチの融合
(備考)大住(2010)図 4 による。
図 13 イマジンヨコハマ・プロジェクトの当初のデザイン(抜粋)
は,蓋然性の高い外部環境の認知にとどまる。そ
しもなっていない。イマジンヨコハマでは,当初
れをうけた内発的なプロセスは,ホールシステム
のプロセスデザインからは,行動計画は明確には
アプローチによる。外部環境のシナリオの中であ
デザインされてはいなかった(図 13)
。これは,イ
りたいすがたを主体的に創造し,リアリティを高
マジンヨコハマ・プロジェクト自体,ブランドス
め,実現へのタイムラインを描く。
テートメント・スローガン・マークへの集約が第
一の目的であったこと,実際のアクションは「出
5. 現実のプロセスデザイン
張ワークショップ」などを通じたボランティアの
皆さんにお任せしていたのではないかと推察され
イマジンヨコハマや小田原市新総合計画のプロ
ること,などによる。
セスデザインを検証すると,当初のデザインは,ポ
ところが,イマジンヨコハマ・プロジェクトが
ジティブサイクルを明確に意識したものとは必ず
進行するにつれて,ボランティアの皆さんの関心
— 67 —
経
済 系
第
249 集
(備考)大住(2010)図 6 による。
図 14
イマジンヨコハマ・プロジェクトの再設計(抜粋)
(備考)大住(2011)図 7-1 による。
図 15
小田原市新総合計画のプロセスデザイン
はブランドステートメント・スローガン・マーク
イヤーが必ずしも高まらなかったことなどが指摘
そのものではなく,それらを起点にした実際の活
できよう。
動にあることが明らかになり,ポジティブサイク
行政組織・地方自治体そして地域へのポジティ
ルを再編したプロセスデザインへと発展させてい
ブアプローチの適用にあたっては,ポジティブサ
る(図 14)。
イクルを創造するという観点から,その目的にあっ
小田原市新総合計画のプロセスデザインは,ホー
ルシステムアプローチというよりは,プラーヌン
たレベルの手法をプロセスでデザインすることの
重要性があらためて認識される必要がある。
クスツェーレなどの討議型民主主義を取り入れな
がら設計しているので,必ずしも同じ尺度でみる
6.
おわりに
ことはできない。ただし,シナリオプラニングの
活用方法を含めてポジティブサイクルの起点が不
本論では,ポジティブアプローチによるプロセ
十分であったことが推察される。つまり,外部環
スデザインを「ポジティブサイクルを創る」といっ
境の認知が必ずしも小田原市政,あるいは市民・
た観点から演繹的に描いてみた。ポジティブ/ホー
ステイクホルダーの観点(アウトサイドイン)か
ルシステムアプローチやチームアプローチの活用
らではなく,職員自らの視点(インサイドアウト)
方法にあわせて,複数の手法をプロセスにデザイ
に偏ってしまったこと,インサイドアウト的なシ
ンすることが重要であることを確認した。今後は,
ナリオプラニングを起点としたために,OST のレ
目的にあわせた「プロセスデザイン」の実証結果
— 68 —
ポジティブアプローチによるプロセスデザイン
が求められることになる。
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