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野生動物観測システムの 確立に向けて

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野生動物観測システムの 確立に向けて
野生動物観測システムの
確立に向けて
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独立行政法人森林総合
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野生動物問題と観測
数が増えたニホンジカによる農林業被害や自然植生の破壊が大きな問題になって
います。また、アライグマやヌートリアなどの外来種の侵入と分布拡大が、在来種
や在来の自然に大きな影響を与えています。
このような事態を招いた原因の一つは、問題が顕在化するまで状況を把握できず、
対応が後手に回ったことです。その背景には、野生動物の生息状況を平時から客観
的・定量的に把握する技術や体制がなかったことがあります。
そのため、私たちは、自動撮影による野生動物の観測技術、データ処理技術、観
測結果の共有・公開技術を開発し、この技術をもとに観測体制の整備を進めていま
す
。 2010年には「北海道野生生物観測ネットワーク」を発足し、 2012年には観測
結果を全面公開しました。現在は、長野県小諸市の参加も得て、道外へのネットワー
ク拡大も進めています。シカ、アライグマなどの分布や生息数変化のモニタリング
に活用されています。
このパンフレットでは、これらの取り組みを紹介いたします。詳細は、下記ウェ
ブサイトをご覧ください
北海道野生生物観測ネットワーク
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観測装置YoyShotと林道への設置
観測装置として、高い検知効率
を誇る自動撮影装置 YoyShotを開
発しました。フィルムカメラを利用
しているため、デジタルカメラへ
の切り替えが課題です。
観測装置を林道脇の木に設置
し、林道を通る中大型哨乳類を
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撮影します。 1回の観測は 2,
週間、撮影地点は原則 6ケ所以
上、互いに 500m以上離します。
観測データの処理、地図化、結果の共有と公開
データ処理
地固化
カ理
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個別結果図
観測データは表計算ソフト「エ
クセル」のマクロを利用して処
理します。マクロによりデータ入
力以外はほぼ完全に自動化さ
れ、撮影データの分類・集計、
撮影頻度の計算、図や鳥獣撮影
リストの作成などが行われます。
さらに、 Google社 が 提 供 す る
KML技術を利用し、観測結果を
オンラインの 3次元地図 Google
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h上に表示、公開します。
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観測ネットワークの枠組
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師道支所
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技術開発
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観測結果は観測地点の写
真地図を背景に表示されま
す。観測の実施年月、これ
と同じ配置で、観測装置の
稼働時間、設置地点数、
各動物の撮影頻度が示され
ています。
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森林総合研究所と森林管理
局
、 4大学、地方自治体が共同
し、合計 1
6地点で、観測を行っ
ています。観測データは参加機
関が個別に管理・活用するほ
か、北海道支所が集中管理し、
広域的な活用を図ります。
観測写真ギャラリー
利活用の事例
1
.野生動物の管理
1
) 分布拡大とともに被害が増加している特定外来種アライグマについて、把握の
困難な山中での分布情報を地方自治体に提供しています。
2
) 観測ネットワークに参加している北海道森林管理局、知床森林生態系保全セン
ターが、観測情報を用いて知床半島のシカの個体数抑制に取り組み始めました。
2
.希少種の保全
1
) 希少鳥類ヤマシギは夜行性なので生息状況は十分把握できていませんでした。
しかし、観測ネットワークでは比較的よく記録されているので、この情報を環
境省の専門委員会に提供しました。
独立行政法人森林総合研究所
観測写真ギャラリー(種名)
干3
05-8687 茨城県つくば市松の里 1
アカギツネ
タヌキ
トラツグミ
ヤマシギ
ヒグマ
フクロウ
アライグマ
コテングコウモリ
エゾモモンガ
編集・発行野生動物研究領域
発行日 2014年 1月 27日
お問い合わせ先編集刊行係
電話 029・829
・8
135
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(文責:平川浩文)
*本誌掲載内容の無断転載を禁じます。
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