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講座概要 【PDF:36KB】
2000 年度第 3 期アジア理解講座 「エイシャン・ネットワーク∼アジア系移民の現在∼」 毎週木曜日(2001 年 1 月 18 日∼3 月 22 日) (コーディネーターからのメッセージ) 外の世界へ何世紀にもわたって人を送り続けてきたアジア。とりわけインドと中国からは、多くの 移民が海を渡り、故郷を遠く離れた土地で生きることになりました。 印僑、あるいは華僑と呼ばれ、短い時間のサイクルで故郷との間を往き来していた彼らも、次第に 仮の住まい(僑)を終の住処とし、結婚し、子供を育て始めるようになります。しかし、20 世紀に入 り、国境を絶対的前提にする近代国家が地球の隅々に続々と誕生したことによって、彼らは移動先の 土地で誕生した多民族国家の一員として否応なく生きることになります。それは、彼ら一人一人が、 仲間とは、故郷とは、国家とは、国民とは、そして自分とは何か、他者とは何か、という問いかけに、 自らが生きる場で答えを見出さざるを得ない道程への出発をも意味したのです。 アジアの多くの国々が外資の積極的導入によって発展を遂げようとしたのと対照的に、極めて内向 的な政策をとってきたインドと中国においても、80-90 年代に大転換が生じ、開放政策がとられるよう になりました。鳳仙花のように、移民という種子を外へ放ち続けてきたインドと中国は、この転換と 平行して、地に根付き、芽生え、ようやく陽の光を浴びて咲きはじめたそれらの花々を、母国へとつ なぎ寄せ、いっそう大きな花を咲かせようと懸命となり始めたのです。 しかし、地味も空気も水も異なる領域に飛び立ったそれらの種子は、必ずしも同じ色、形で咲きそ ろっているわけではありません。時には別の種子と交じり合い、あるいはまた、ありかさえわからぬ ように息をひそめている場合もあります。果たして、これらの花々は、今後どのようにつながること になるのでしょう。 今回の講座では、このエイシャン・ネットワークの現在を、各地で現地調査を重ねてきた専門家 10 名がお伝えします。そして、私達日本人がそこから何を学びうるのかを一緒に考えてみたいと思いま す。 (水島 司) 第 1 回(1 月 18 日)「グローバリゼーションとエイシャン・ネットワーク」水島 司 グローバリゼーションの波が押し寄せる中で、アジアで、アジアから、そしてアジアへ向けて、エイ シャン・ネットワークの新展開と呼べる新たな動きが起きています。第一回目は、まず、基礎知識と して、19 世紀以降のエイシャン・ネットワークの成立の過程とその様相を概説します。続いて、イン ドを対象に、過去から現在までのネットワークの性格の変化と方向性をお話しし、グローバリゼーシ ョンというものが、今後の世界にどのような問題を突きつけるようになるのかという展望を、国民国 家システムの将来と関連させてお話しします。 第 2 回(1 月 25 日)「デーシー・イン・パルデーシ∼アメリカのインド系社会∼」関口 真理 アメリカのインド人は定住者だけでも 100 万人を優に超えています。特に最先端の IT 産業を支えるエ ンジニアたちの活躍は、日本にも紹介されているところです。アメリカのインド人の歴史はちょうど 百年。故国の抱える困難から逃れ、自らの才能を生かして繁栄を謳歌する一方、インド人としての伝 統や生活習慣を保つことにも熱心なこの社会は、コミュニティーの拡大と多様化、世代の交代に揺れ ています。多民族、多文化社会の中の新しいマイノリティーであるインド系の現在を、いくつかの角 度から検討していきます。 第 3 回(2 月 1 日)「インド洋のインド移民とクレオール文化∼女神の出会う島にて∼」杉本 星子 インド洋には多くの美しい島々が点在しています。その一つ、マダガスカルの東に位置する火山島レ ユニオンのインド系住民とその文化についてお話しします。18世紀、フランスの植民地統治のもとに あったレユニオン島は砂糖産業で繁栄し、アフリカやアジアから多くの奴隷が輸入されました。奴隷 解放令の施行後、奴隷にかわる労働力として導入されたのがインド人契約労働者でした。今日、レユ ニオン島には、ヨーロッパ系、アフリカ系、インド系、中国系といったさまざまな起源をもつ人びと が暮らしています。島民の混血はすすみ、大多数はカトリック教徒でクレオール語を母語としていま す。インド系住民もその例外ではありません。しかし、彼らはその一方でヒンドゥー寺院の祭礼やイ ンドの伝統的な家庭祭祀を伝えています。聖母マリアとヒンドゥー女神が共存する独特のクレオール 文化と、それを育んできた多文化社会レユニオンの光と影について考えてみたいと思います。 第 4 回(2 月 8 日)「スリランカ∼紅茶の国とインド人移民∼」川島 耕司 スリランカの中央高地に広がるなだらかな高原と一面の茶畑、そして色鮮やかなサリーを着て茶を摘 むタミル人の女性たち。観光ガイドや絵はがきに必ず登場するこの風景をたいていの人は美しいと思 うし、なかにはそこにのどかな楽園のイメージを重ね合わせる人もあるかもしれません。しかしこの 風景は、さまざまな差別や排斥や貧困の歴史、そして現在を内包するものでもあるのです。この講義 では、19世紀前半から今日に至るまでのインド人移民の歴史を振り返りつつ、イギリス人による植民 地支配、民族対立、あるいは独立後の政治などが、インド・タミル人といわれる人々に与えた影響を 考えていきます。そして茶畑の奥のもう一つの現実と、そうした現実と対峙し、乗り越えようとして いる人々の姿をお伝えできればと考えています。 第 5 回(2 月 15 日)「グローバル化の下での在日インド人社会」澤 宗則 1980 年代以降のグローバル化のもと、先進工業国の世界都市では情報化産業の発展にともないテクノ クラートが活躍していますが、同時に単純労働は開発途上国からの外国人労働者が担うこととなりま した。そこでは、ホスト社会と後者のエスニック・マイノリティとの間には労働市場や住宅市場の分 断化があります。このような状況下、従来のエスニック集団のイメージは、外国人労働者として差別・ 抑圧された存在が中心でした。しかし、日本におけるエスニック集団は外国人労働者ばかりではなく、 在日インド人社会のように日本の近代化の中で形成されてきたものもあります。そこでは外国人労働 者といった視点だけでなく、彼らの持つアイデンティティ(自分をどのような集団構成員と考えてい るのか)やネットワーク(資源配分に関する権力構造)といった社会的・文化的な視点でとらえるこ とが重要です。本講義では、関東と阪神間の在日インド人社会をとりあげ,「外国人労働者」とは異な る日本におけるエスニシティ社会のあり方を示すとともに、グローバル化のもとでの、その社会変容 の実態を示したいと思います。 第 6 回(2 月 22 日)「東南アジアのネットワーク∼地域世界と国際的世界の形成媒体∼」弘末 雅士 人・もの・情報が国境を越えて往来する今日、一方でグローバリゼーションが語られ、他方でエスニ シティや地域間の抗争が頻発する状況が展開しています。20世紀終わりの東南アジアは、通貨危機に 端を発した経済状況にみられるような地球的規模の金融・経済活動と、同時に東ティモールの独立や アチェの独立運動にみられるような地域世界のアイデンティティを求める活動を、我々に提示しまし た。本講義は、国際的世界のネットワークと地域世界のネットワークとの関係を考えるために、双方 のネットワークにかかわる存在を考察したいと思います。東西海洋交通路の要衝に位置し、周辺アジ ア地域からの移住者の多かった東南アジアでは、多様な出身地の人々が居住する港市が形成されると ともに、そこを拠点に様々な地域世界が形成されました。本講義は、こうした都市を拠点に構築され たネットワークを歴史的に考えてみたいと思います。 第7回(3月1日)「日本におけるアジア系移住者の現在∼エスニック・ネットワークの形成過程∼」 田嶋 淳子 日本社会は1980年代以降、アジア系ニューカマーズを中心に外国人入国者数が増加しました。その流 れは主に首都圏を中心として、それぞれのエスニックな関係にもとづくネットワークを背景としなが ら、生活拠点を作り上げています。中国系移住者数は高学歴層から非合法滞在者まで30万人強に達し ています。この20年来移住のプロセスの中で、中国系移住者の滞在は長期化傾向を示し、エスニック・ ビジネス経営者、あるいは日本人配偶者、日系企業社員として日本社会に定着しつつあります。彼ら の在留形態は永住者および帰化(日本国籍の取得)へと広がりを見せています。中国系を中心とする アジアからの移住者の存在は、日本社会において国境を越えた社会空間の広がりをもたらしています。 すなわち、家族・親族のつながり、出身地域への再投資、さらにメディアとしてのインターネットな どを通じて、母国と受け入れとしての日本社会の双方をエスニック・ネットワークでつなぎながら、 それぞれの社会に影響を与え始めているのです。本講義においては、これら中国系移住者を中心とす るアジア系ニューカマーズの生活世界の広がりを論じていきたいと思います。 第 8 回(3 月 8 日)「東南アジアの華僑ネットワーク∼シンガポールを中心に∼」田村 慶子 1965 年に独立した若い国家でありながら、類稀な経済成長を続ける小さな都市国家シンガポールは、 人口 389 万人(1999 年)の約 77%を中国系(華僑・華人)が占めています。しかしながら、この国は 80 年代はじめまで公的には中国とのつながりや東南アジアの華僑・華人ネットワークを積極的に利用 することはなく、むしろ国内から「中国的なもの」を排除することで、社会の安定や経済発展、国民 統合を図ってきました。それは、周辺のマレー系国家(インドネシア、マレーシア)がシンガポール に抱く「第三の中国」という疑惑を払拭すること、国内の反政府勢力が中国との紐帯を重んじる勢力 であったために国内から「中国色」をなくして彼らを排除する必要があったことなどのためです。し かし、反政府勢力の一掃と中国の改革・開放政策の展開を背景に、80 年代からは積極的に中国とのつ ながりや華僑・華人ネットワークを利用することで、よりいっそうの経済発展を図る戦略を打ち出し ています。中国語(北京語)や中国伝統芸能の復権、世界客家大会のシンガポールでの開催などは、 まさにその政策転換を物語っていると言えます。本講座では、シンガポールの発展戦略における中国 とのつながりや華僑・華人ネットワークの利用を考えてみたいと思います。 第9回(3月15日)「アメリカ華人と新華僑∼チャイナタウンを中心に∼」山下 清海 中国の改革・開放政策の推進、1997年の香港の中国返還、中国大陸と台湾の微妙な政治的関係などに ともない、近年、中国(台湾・香港を含む)からアメリカへの移住が著しくなってきました。また、 ベトナムをはじめ東南アジア在住華人のアメリカへの移住者も増加しました。こうしたいわゆる「新 華僑」の流入に伴い、アメリカの伝統的な華人社会は、大きな変容をせまられています。本講義では、 サンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨークなどのチャイナタウンに焦点を当てながら、最近に おけるアメリカ華人社会の変容と現状について、スライドを用いながら講じる予定です。 〔参考文献〕山下清海『チャイナタウン−世界に広がる華人ネットワーク−』丸善ブックス(2000年) 第 10 回(3 月 22 日)「中国僑郷と華人のグローバル・ネットワーク∼華人ネットワークは中国を変え るか∼」 田中 恭子 1978年以降、中国は対外開放政策をとり、その結果、海外華人と中国の活発な交流が再生しただけで なく、華人のグローバル・ネットワークが活性化し、中国がこれに結びつきました。華人ネットワー クへの中国の参入は、華人の出身地「僑郷」の経済・社会を一変させています。1980年代には、香港・ マカオ資本が主として広東省、次いで福建省の僑郷へ流入して、急激な工業化・都市化をもたらし、 90年代には台湾・東南アジア華人資本がこれに加わって、僑郷の経済・社会変動はさらに加速しまし た。交流は経済に留まらず、僑郷と海外華人コミュニティの間に地縁・血縁組織の国際会議、相互訪 問、呼び寄せ移民などの人的交流も活発な展開を見せています。こうした展開は、僑郷に経済的利益 をもたらすとともに、僑郷社会・経済の国際化、グローバル化を促進していますが、この趨勢は今後 も続くのでしょうか。僑郷の変動パターンは、中国全体に拡大していくのでしょうか。 水島 司(みずしま つかさ)東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授 東京大学文学部東洋史学、同大学院人文科学研究科修士課程修了。文学博士(東京大学)。専攻分野は 東洋史。1971 年以来、数 10 回にわたりアジア地域、イギリスで海外学術研究に従事。18 世紀から今 日にいたる南アジア・東南アジアの歴史研究を主体にしながら、マレーシアをはじめシンガポールや インドの都市・農村・プランテーションなどで長期間暮らし、村落の歴史的変化、都市でのグループ 形成、インド人移民などについて実地調査を行なう。著書に『18-20 世紀南インド在地社会の研究』 、 共編著に『世界の歴史 ムガル帝国から英領インドへ』、 『マレーシア』 、『アジア祝祭カレンダー1990』 がある。 関口 真理(せきぐち まり)亜細亜大学非常勤講師 立教大学卒業。専門は南アジア近現代史。月刊ニュースレター「インド通信」の編集も手がけ、一般、 マスコミ等への南アジア情報の仲介も行う。共著に「インドがやがや通信」、「ワールド・カルチャー ガ イ ド : イ ン ド 」( 以 上 ト ラ ベ ル ジ ャ ー ナ ル )、「 移 民 か ら 市 民 へ 」( 東 京 大 学 出 版 会 )。 http://village.infoweb.ne.jp/ mariamma/(マリアンマのホームページ)ではインド、南アジア関係 催し情報を発信している。 杉本 星子(すぎもと せいこ)京都文教大学人間学部助教授 総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門分野は社会人類学。南インド、 レユニオン、マダガスカル、モーリシャス、フランスなどでフィールドワークをおこなう。現在の研 究テーマはインド洋島嶼地域のインド系移民研究、現代インドのシルク・インダストリーとファッシ ョンなど。著書論文に『住まいにいきる』(共著、学芸出版社、1998年) 、『共同研究 男性論』(共著、 人文書院、1999年) 、「インド合同家族論再考:南インドの村落研究からの展望」 (『民族学研究』第59 巻4号、1995年)などがある。 川島 耕司(かわしま こうじ)国士舘大学政経学部助教授 早稲田大学政治経済学部を卒業後一般企業に勤務。退社後名古屋大学大学院に進学し、南アジア史を 専攻した。ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院に3年半ほど留学しPh.D.を取得。学位論文は南イ ンド・ケーララの宗教と政治に関するもの。ケーララからスリランカに渡った移民にも関心を持ち、 最近ではスリランカ史をも扱っている。著書論文に、Missionaries and a Hindu State: Travancore, 1858-1936 (Delhi: OUP, 1998), 「スリランカにおける民族問題の一側面:1930年代の反マラヤーリ 人運動」(『社会経済史学』第61巻1号、1995年)などがある。 澤 宗則(さわ むねのり)神戸大学発達科学部助教授 広島大学文学部地理学専攻、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。神戸大学発達科学部助 教授。専攻は人文地理学。1992 年よりインド農村の地域社会の変動を現地調査している。また、1998 年以降は、在日インド人社会の変動を調査している。その他、日本の近郊農村、過疎化農村や高齢化 さらに、阪神大震災と社会階層との関連につての研究がある。講義内容に関しては、『日本の南アジア 系移民の歴史とその動向』文部省科学研究費・特定領域研究(A)「南アジア世界の構造変動とネット ワーク」Discussion PaperNo.2.(南埜 猛、工藤正子と共著)1992 年がある。その他、『農村開発の論 理−グローバリゼーションとロカリティー(上・下)』(Hoggart, K., Buller, H.著),古今書院(岡 橋秀典と共監訳)1998 年、開発途上国の経済成長と農村環境、社会環境論研究会編『社会環境と人間 発達』大学教育出版、pp.154-166,1998 年などがある。 弘末 雅士(ひろすえ まさし)立教大学文学部教授 オーストラリア国立大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。その後東洋文庫研究員、天理大学講師・助教 授・教授を経て、現在、立教大学教授。東南アジア史専攻。『東南アジア史−島嶼部』(共著、山川出 版社、1999年)、「東南アジアの港市国家と後背地」(『地域の世界史9 市場の地域史』山川出版社、 1999年所収)、「東南アジアにおけるイスラームの展開」(『岩波講座世界歴史6 南アジア・東南アジ ア世界の形成と展開』岩波書店、1999年所収)などの著書・論文がある。 田嶋 淳子(たじま じゅんこ)淑徳大学社会学部教授 東京外国語大学中国語学科卒業。立教大学大学院社会学研究科博士課程終了。淑徳大学社会学部専任 講師、助教授を経て、教授。1998年8月より1年間、新渡戸フェローとして、中国社会科学院社会学研 究所(北京)、香港中文大学社会学部(香港)および台湾中央研究院東南アジア区域研究計画に滞在。 主要編著書に『上海−甦る世界都市』時事通信社(2000年)、『世界都市・東京のアジア系移住者』学 文社(1998年)、 『新版・池袋のアジア系外国人』明石書店(1995年共編著)、 『新宿のアジア系外国人』 めこん(1993年共編著)、論文に「日中間の人口移動と社会的ネットワークの形成」佐藤誠、S.フィー ルディング編『移動と定住:日欧比較の国際労働移動』同文館出版(1998年)等がある。 田村 慶子(たむら けいこ)北九州大学法学部教授 九州大学大学院法学研究科博士課程修了。九州大学法学部助手、下関市立大学経済学部助教授を経て、 1996 年 4 月から現職。専門は国際関係、東南アジア地域研究。主要著書に『「頭脳国家」シンガポール ー超管理の彼方に』講談社、『シンガポールの国家建設−ナショナリズム、エスニシティ、ジェンダー』 明石書店、『アジアの社会変動とジェンダー』 (共編著)明石書店などがある。 山下 清海(やました きよみ)東洋大学国際地域学部教授 東京教育大学理学部地理学専攻卒業。1978∼80年、南洋大学(シンガポール)留学。1982年筑波大学 大学院地球科学研究科博士課程地理学・水文学専攻修了。理学博士。人文地理学、華人社会論、アジ ア地域研究専攻。秋田大学教育学部講師、助教授、教授を経て、1997年から東洋大学国際地域学部教 授。著書に『東南アジアのチャイナタウン』古今書院(1987年)、『シンガポールの華人社会』大明堂 (1988年) 、『チャイナタウン−世界に広がる華人ネットワーク−』丸善ブックス(2000年)等がある。 田中 恭子(たなか きょうこ)南山大学総合政策学部教授 国際基督教大学教養学部、同大学院修士課程修了。1972年オーストラリア国立大学大学院博士課程修 了、Ph.D.(国際関係学)。1973-82年シンガポール国立大学文学部助教授、1982-91年中部大学国際関係 学部教授、1991-98年静岡県立大学大学院国際関係学研究科教授、1998-2000年南山大学法学部教授を 経て、現在、南山大学総合政策学部教授。専門分野は華僑華人研究、シンガポール研究、中国・東南 アジア地域研究(政治・国際関係)。主要著書に『シンガポールの奇跡』中公新書(1984年)、『土地と 権力』名古屋大学出版会(1996年)等がある。