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公開講座 - 札幌学院大学

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公開講座 - 札幌学院大学
2010( 平成22)年度
人文学部
人間と歴史、 公開講座
人間論特殊講義
地域、
文化
8月23日月〜28日土
総 合 テ ー マ
2010年
※受講ご希望の方は、
当日直接教室にお入りください。
北海道の視点から
人間の主体的な営みを考える
!
無料
料
込不要
申
前
受講
事
《 道民カレッジ連携講座 》
「 歴女( れきじょ )」という言葉が流行しています。「 歴史好きの女性 」という意
味だそうです。各地の史跡を訪ね、歴史書を買い求める女性が増えており、テレビ
の歴史案内番組にも女性の登場が目立っています。現代社会で主体性を確立した
女性が、好んで史跡や史実に関心を示す裏には、現在の様々な課題が横たわってい
ると思います。それは、環境問題、民族紛争、世界的な不況、政治の混迷等の中で、
23 金成太郎から知里幸恵
富 樫 利 一
8/
現実の諸矛盾に対して歴史を実体験しながら振り返り、人間と社会のあり方を考え
てみるという意識の反映ではないでしょうか。「 歴女 」を例にして、現代と歴史につ
いて述べましたが、本講座では、私たちが日々、生活している北海道を基点として、地
域、民族や文化の視点で歴史の中の人間を考えてみます。
ンデ
25 フランス革命とヴァ
森山軍治郎
8/
●アイヌ文化アドバイザー、作家
旧土人保護法成立(1899 年、明治32年 )までのアイヌの歴史は無視されてきま
した。しかし、残されたわずかの資料を探るとアイヌ民族の自立を目指して懸命に生
きた一人の男がいることに気が付きます。金成太郎です。金成太郎は現在の登別
市の幌別コタンに1867( 慶応 3)年に生まれ、1897( 明治30)年に死去しました。
短い生涯でしたが、その間、札幌師範学校( 現北海道教育大学札幌校 )速成科を卒
業し教員となり、アイヌ民族学校設立運動やジョン・バチェラーとともにアイヌ語
ローマ字化の普及運動等、アイヌ民族自立のために様々な活動を行いました。アイ
ヌ民族の近代史を語るときに金成太郎の存在は欠かせないものです。今まであまり
取り上げてこられなかった金成太郎の生涯と『 アイヌ神謡集 』の著者として有名で、
同じく登別市の幌別コタン出身で夭逝した知里幸恵〈1903( 明治36)年∼1922
( 大正11)年 〉について語りたいと思います。
●専修大学北海道短期大学教授
フランス革命といえば、自由・平等・友愛の理想を掲げ「 人権宣言」と発布した革命とし
て有名です。しかし、これらはあくまでも理想であり、革命の現実とは根本的な矛盾があり
ました。革命政府に対して異議申し立てをする人たちには、自由・平等・友愛の名において
徹底的な弾圧が行われました。フランス西部のヴァンデ地方の民衆は最初は革命に賛成
だったが、革命の成りゆきに異議を唱えて弾圧され、革命軍への抵抗戦争を余儀なくされま
した。その結果、数十万人もの老若男女が戦死し、戦後にも処刑と虐殺が待っていました。
「 開拓 」を考える
26 近代の北海道と
─ アイヌの人々と囚人労働 ─
8/
桑 原 真 人
先住民族の権利に関する国連宣言」と
24「アイヌ民族
8/
∼
13:10
14:40
阿 部 ユ ポ
●社団法人北海道アイヌ協会副理事長
日本は単一民族国家ではなく多民族国家です。特に現在、北海道、東北
北部、樺太、千島に居住しているアイヌ民族は先住民族であり、そのことは国
際法上も認められています。明治維新による日本の近代国家形成時に一方
的に日本に併合され、差別されてきたアイヌ民族の歴史、文化、現状等を「 先
住民族の権利に関する国際連合宣言 」とともに語ります。
27 文化財の保護から地域振興を考える
長 田 佳 宏
8/
●平取町立二風谷アイヌ文化博物館学芸員
近年、地域の観光や活性化を推進していく上で、文化財保護から視点が一層注目される
ようになりました。現在、平取町では既存の文化財と合わせた中で、文化継承のための祭
事・催しや今日的な産業で育まれた景観を文化財として把握し、保全していく「 文化的景
観保護推進事業 」を行い活用策を検討しています。重要文化的景観の申出制度は平成17
年度から始まった国の文化財保護施策の一環で、平取町でも調査・研究を継続的に行って
きました。その後、平成19 年7月26日に「 アイヌの伝統と近代開拓による沙流川流域の
文化的景観 」として北海道初の重要文化的景観に選定されました。文化的景観は地域住
民の生活や生業によって育まれた景観です。中には一見何の変哲もないような山林や河
川も多く、人の関わり方や歴史的背景をしっかりと伝えていくことで、その価値や役割を認
識してもらえるようになります。一般観光客の知る楽しみや探求するための情報を整備・
提供することで地域らしさを演出でき、地元の産業への波及効果、学習素材への応用も期
待できます。講義では平取町における文化的景観構成要素や保全に向けた取り組み事例
などを紹介し、文化財保護の今日を考えるための資料提供ができればと考えています。
( ウェペケレ)
24 アイヌ文化の歴史
石井ポンペ
8/
●アイヌ文化アドバイザー
∼
14:50
16:20
私は子供の頃、父母に故郷の穂別の山や川に連れて行ってもらいながら、
アイヌのものの考え方や木や草や花の名前やアイヌ語地名等について教わ
りました。これらアイヌの多様な生活文化や歴史を自分の生涯を紹介しな
がら皆さんに伝えたいと思います。後半は自作の五弦楽器( トンコリ)の
演奏や、それを伴奏にした歌など、アイヌ民族の音楽を紹介します。皆さん、
アイヌ音楽を一緒に演奏し、
歌いましょう。
1教室
学院大学 D館10
幌
札
/
場
会
0〜16:20
講 義 時 間 /13:1
〜14:50]
[ 休憩/14:40
院大学人 文学
船 津 功( 札幌学
/
ー
タ
ー
ネ
ィ
デ
コー
学 人 文学部
催 / 札 幌学 院 大
主
委員会
援 / 江別市教育
後
部 教授 )
●札幌大学経済学部教授
近代の北海道が、本州からの多くの和人( 日本人 )移民の手で「 開拓 」さ
れた地域であることは周知の史実です。しかし、これらの和人移民の入植は、
先住のアイヌ民族の生活を一変させただけでなく、囚人労働・タコ労働といっ
た強制労働の歴史を北海道の歴史に刻み付ける原因ともなりました。この
ような近代の北海道の歴史を、私たちはどのように考えるべきでしょうか。
28 北海道議会開設運動
─ 明治20年代における道民の自治権獲得運動 ─
8/
船 津 功
●札幌学院大学人文学部教授
1889( 明治 22)年明治憲法が発布され、翌1890 年から帝国議会( 今の
国会 )が開催されましたが、北海道は開拓地であるとの理由で国会議員の
選挙権が認められませんでした。このため、当時の北海道民は自治と選挙
権とを求めて全道的な運動を進め、国会請願を繰り返しました。この運動
の中から。後の国会議員、道会議員や市長などが輩出し、北海道の近代社
会の形成に大きな影響を与えました。これらの動きを紹介しながら、近代的
な人間とは何かを考察します。
2010
( 平成22)年度
札幌学院大学人文学部 公開講座( 人間論特殊講義 )
総 合 テ ー マ
人間と歴史、地域、文化
─ 北海道の視点から人間の主体的な営みを考える ─
◦講師紹介◦
8月23日
8月26日木 近代の北海道と「 開拓 」を考える ─ アイヌの人々と囚人労働 ─
金成太郎から知里幸恵
富 樫 利 一
桑 原 真 人
アイヌ文化アドバイザー、
作家
1932年、栗山町生まれ。1990 年、登別市役所を退職。「 知里真志
札幌大学経済学部教授
1943 年、愛媛県西条市に生まれる。1968 年、北海道大学大学院
保を語る会 」所属。
「 エノン」
「 ラメトク起つ」
「 銀のしずく」
「 風に祈
文学 研究科 修士課程 修了。道 立北海道開拓記念 館学芸員を経て、
る」
「 伏流 」
「 血価の証言 」
( 彩流社 )等の著書あり。各地で講演活
1989年より札幌大学教養部助教授、同教授。1995 年より札幌大学
動を展開。日本語・アイヌ文学研究に挑戦中。
経済学部教授、札幌大学附属総合研究所長。北海道近代史、特に北
海道移民史や北海道の開拓政策などを研究テーマとする。
主 著 に『 近 代 北 海 道 史 研 究 序 説 』
( 北 海 道 大 学 図 書 刊 行 会、
8月24日
1982年 )、
『 戦前 期 北 海 道の史 的 研 究 』
(北海道大学図書刊行
会、1993 年 )、共 著に『 北 海 道の歴 史 』
( 山 川出 版社、2000 年 )、
『 北海道の歴史 』下( 北海道新聞社、2006 年 )、
『 北海道の歴史がわ
かる本 』
( 亜璃西社、2008 年 )などがある。
「 先住民族の権利に関する国連宣言 」とアイヌ民族
阿 部 ユ ポ
社団法人北海道アイヌ協会・副理事長
1946 年北海道生まれ。1993 年カナダインディアンとの交流で、先
住民族問題に関心をもち、1996 年から国連人権委員会先住民族作業
部会( スイス・ジュネーブ )、先住民族権利宣言作業部会に参加し、権
利宣言採択に参加した。2002年からは国連本部のPFII
( 先住民族
8月27日
問題常設委員会 USAニューヨーク)に参加する。日本国内のアイヌ
長 田 佳 宏
民族の復権、差別撤廃運動に取り組んでいる。
8月24日
谷アイヌ文化博物館学芸員として館運営・文化財保護業務に携わり、
アイヌ文化アドバイザー
2008 年からは文化的景観保護推進事業の主担当となる。
主著に平 取 町 文化 財 調 査 報 告 書(1995 ∼ 2002年度刊 行 分)、
「 北方域における内耳土器編年について」
『 北方島文化研究 』第 6 号
( 2008)等がある。
1945 年1月勇払郡 穂別村で生まれ。1960 年日高地方 北見石北
峠で造材作業員、1962年職を求めて札幌へ。1973 年北海道ウタリ
協会( 現アイヌ協会 )西区幹事、原住・アイヌ民族の権利を取り戻す
チャランケの会代表。1989 年世界先住民族二風谷フォーラム参加。
8月25日
8月28日
フランス革命とヴァンデ
森山軍治郎
平取町立二風谷アイヌ文化博物館学芸員
1971年、北海道苫小牧市に生まれる。札幌学院大学人文学部人
間科学科卒業。1995 年平取町役場入職( 教育委員会出向 )。以来、
主に平取町内の埋蔵文化財保護業務に取り組む。2005 年より二風
アイヌ文化の歴史( ウェペケレ)
石井ポンペ
文化財の保護から地域振興を考える
船
専修大学北海道短期大学教授
北海道議会開設運動 ─ 明治 20 年代における道民の自治権獲得運動 ─
津 功
札幌学院大学人文学部教授
1941年美唄市に生まれる。北海道大学大学院博士課程中退。専
1944 年、群馬県前橋市に生まれる。北海道大学大学院博士課程
修大学北海道短期大学教授。札幌学院大学非常勤講師。日本民衆
修了。札幌学院大学人文学部教授。明治維新史と北海道近代史を
史とフランス革命史を専攻。
専攻。
主著に『 民衆蜂起と祭り‐秩父事件と伝統文化 』
『 ヴァンデ戦争−
主著に『 北海道議会開設運動の研究 』
『 歴史学と民衆史運動 』共
フランス革命を問い直す』等がある。
著に『 北海道の歴史 』等がある。
●お問い合わせ先
札幌学院大学 教務課( 人文学部 )
〒069-8555 江別市文京台11番地
☎011-386-8111( 担当:田巻まで 内線3223)
URL◎http://www.sgu.ac.jp 
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