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45.透析患者のCa・P積<55未満の割合

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45.透析患者のCa・P積<55未満の割合
45.透析患者のCa・P積<55未満の割合
用語の説明
日本透析医学会のガイドラインでは、血清リン(P)の管理目標値は透析前で3.5~6.0mg/dl、
血清カルシウム(Ca)の管理目標値は8.4~10.0mg/dlとなっています。
Ca・P積とは、カルシウムリン積と読み、カルシウムの値とリンの値を掛け算したものです。
カルシウムやリンが高いと死亡の危険度が高くなるというだけでなく、Ca・P積が高い場合、
動脈硬化のリスクも高くなります。透析患者さんの動脈硬化は血管の中膜が石灰化を起こし、
弾力性の無い動脈となることが問題となります。
血管の石灰化は透析を導入してからどんどん進んでいくと言われています。
石灰化を防ぐ一番の予防法は、カルシウムとリンの管理を十分行うことです。
カルシウムとリンを掛け合わせたCa・P積を55以下にすることが大切です。
透析患者 Ca・P積<55未満の割合
当院の定義・計算方法
・維持血液透析
分母: 維持血液透析患者数(入院患者を除く)
分子: Ca・P積<55 未満の患者数 (対象分母中)
・維持腹膜透析
分母: 維持腹膜透析患者数(入院患者を除く)
分子: Ca・P積<55 未満の患者数 (対象分母中)
4月~翌年3月で集計
当院の数値
・維持血液透析
年度
維持血液透析 Ca・P積<55 Ca・P積<55
患者数
未満の患者数 未満の比率
2008年度
93
64
68.8%
2009年度
90
72
80.0%
2010年度
97
66
68.0%
2011年度
89
73
82.0%
2012年度
86
73
84.9%
2013年度
82
68
82.9%
2014年度
87
74
85.1%
・維持腹膜透析
年度
維持腹膜透析 Ca・P積<55 Ca・P積<55
患者数
未満の患者数 未満の比率
2008年度
6
4
66.7%
2009年度
9
6
66.7%
2010年度
11
7
63.6%
2011年度
9
8
88.9%
2012年度
7
6
85.7%
2013年度
6
4
66.7%
2014年度
2
2
100.0%
コメント
維持血液透析・腹膜患者の合併症に腎性骨症があるが、「日本透析医学会CKD-MBD治療ガイドライン」
では、現在の腎性骨症のコントロール目標はCa・P積でなく、血清P値6mg/dL以下です。
当科でも維持透析患者に関しては血清P値が6mg/dLを超えないよう努力していますが、血清P値は
薬物療法と透析だけではコントロール困難であり、本人の食事療法遵守度にも依存するのが現状です。
そのため、当科では腎センターにおいて管理栄養士が定期的に栄養指導を行っています
(このような取り組みを行っている透析施設は全国でも極めてまれであり、注目されています)。
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