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Windows におけるファイル管理の仕組

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Windows におけるファイル管理の仕組
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Windows におけるファイル管理の仕組
【コンピューター】という名称のウィンドウが開きます。【コンピューター】ウィンドウの中には,当該コンピュータ内に存在
Windows におけるファイル管理の仕組
するファイル・データの保存先の一覧が表示されます。例えば下図の場合,当該コンピュータには,ハードディスクドライブとい
う種類の保存場所として【OS(C:)】があり,リムーバブル記憶域があるデバイスという種類の保存場所として【DVD RW ドライ
ブ(D:)】,
【SDX150(E:)】,
【XD(F:)】が存在することを示しています。
01.ファイルと保存場所
*ハードディスクドライブとは,多くの場合コンピュータ内部に固定的 に設置された磁気記憶型のファイル・データの保存装置であり, 2011 年
多くのコンピュータでは,文書・図画等の記録,即ちデータは「ファイル」という単位で管理されます。ファイルを保存すると
現在最も普及しているものです。普通はここにシステムを含めた全データが保存されます。リムーバブル記憶域とは,CD/DVD や各種メモリ
きに定める当該ファイルの名称を「ファイル名」といい,昨今のコンピュータではかなり自由に利用者・作成者がこれを決定する
カード( SD カードや xD ピクチャカード,コンパクトフラッシュ等)等の外部記憶装置です。
ことができます。しかし,ファイルが作成・保存される際,実際にはこの「ファイル名」の他に「ファイルの保存場所」が一定の
規則に従って定められ,「ファイルの保存場所」+「ファイル名」という形で管理されています。保存場所が異なれば,名称の同
じファイルの存在が許されますが,ファイルの保存場所を含めたファイル名(これを「ファイルの実態パス」または「フルパス」
等と表現することがある)は,1 つのコンピュータシステム内では重複は許されません(複数台のコンピュータがネットワークを
構成している場合も,同一の場所には同一名称のファイルは 1 つしか存在できません)。ファイルの保存場所を普段意識する必要
はあまりありませんが,効率的で合理的なファイル管理はコンピュータの利便性を飛躍的に向上させることにも繋がりますので,
工夫することは有意義であるといます。本稿では,Windows におけるファイル管理の仕組みについて説明します。
【1】ファイルの保存場所 ―
ドライブ・フォルダ・ファイル
Windows システムでは,ファイルは「ドライブ」・
「フォルダ」・
「ファイル」という階層で管理されます。また,ネットワーク
上のファイルの場合,「ネットワークアドレスまたはコンピュータ名」
・「ドライブまたは共有フォルダのルート」・「ファイル」と
いう階層形態をとります(フォルダや共有フォルダのルート以下には更にフォルダが存在する場合もあります)。イメージとして
は,「ドライブ」という名の本棚に,様々な情報を整理・格納する「フォルダ」が並んでおり,その「フォルダ」の中に,具体的
な個々の情報である「ファイル」が収納されているといったようなイメージです。
では,Windows におけるファイル管理について具体的にみることにしましょう。
【スタート】ボタンをクリックして【スタートメニュー】を表示し,右側の一覧にある【コンピューター】をクリックします。
特殊な設定をされていない限り,Windows では,Windows のシステム自体を含めたすべてのデータが【C:】という場所に保存
されます。
【C:】は「シードライブ」と読み,【C:】や【D:】のようにドライブを表す文字表記を【ドライブレター】といいます。
ドライブは,一台のコンピュータのファイル・データの保存場所の出発点(これを「根」という意味で「root:ルート」という)
であり,多くの Windows システムでは【C:】がシステム・ドライブを担当します。
*システム・ドライブとは, Windows 等コンピュータの制御を担当する OS を格納する ドライブを指します。かつては,システム・ドライブと
データ・ドライブは区別されていましたし,現在でもシステム・ドライブとデータ・ドライブを分けて運用することもしばしばですが, それで
もシステムとデータをともに C:に格納するのが現状の主流であるように見えます。
クリック
それでは,【OS(C:)】を W クリックしてみましょう。ドライブを W クリックすると,当該ドライブに格納されているフォルダ
とファイルの一覧を確認することができます。なお,環境によっては【OS(C:)】という表記ではなく【ローカル ディスク(C:)】と
表記されている場合もありますが同義です。
クリック
2
Windows におけるファイル管理の仕組
ドライブを W クリックして最初に開く場所のことを「当該ドライブのルート」と呼びます。コンピュータを操作して作成した
データ・ファイルはどこに保存してもよいのが原則ですが,通常,システム・ドライブのルートに大量のファイルを作成すること
③
操作②で開いた場所を見ると,その中に【マイ ドキュメント】フォルダの存在が確認できます。【マイ ドキュメント】を
W クリックしてみましょう。すると,【マイ ドキュメント】が開きます。
は推奨されません。XP 以前の OS では,システム・ドライブのルートに一度に大量のファイルを書き込むと Windows 自体に不具
合が生じる場合があることが知られています。Vista 以降のバージョンの Windows ではこの問題はほぼ解決されていますが,安
全策として「システム・ルートの直下にはファイル・データを作成しない」ことを習慣化しておくのがよいと考えます。また,
【C:】
のルートに格納されている【Windows】フォルダや【Program Files】フォルダにむやみに変更を加えると,Windows が起動しな
くなるなどシステム全体に使用来す場合がありますので,その意味でも通常は【C:】を直接操作することは避けるべきと言えます。
(なお,システム・ドライブ以外のドライブのルートにはこのような制限は特にありません。
)
W クリック
〈注意〉本書では説明の都合上,以下で【C:】を直接操作しますが,必ず本書の手順を遵守してください。本書において指示のあ
るフォルダおよびファイルには絶対に変更を加えないでください。ここでいう変更とはファイルの作成・削除のみならず,
ファイルの移動,名称の変更も含まれます。
では,コンピュータを使用して作成したデータ・ファイルはどこに保存するのが適当なのでしょうか。Windows システムで推
奨されるのは,各ユーザに割り当てられた【ドキュメント(マイ ドキュメント)
】フォルダを使用することです。通常意識するこ
とはありませんが,
【ドキュメント】フォルダもコンピュータ内に格納されていますので,
【C:】からたどることができます。以下
ではその手順を説明します。
①【C:】内から【ユーザー】という名称のフォルダを探し,W クリックして開きます。
以上の操作で,コンピュータの保存場所の始まりである【C:】から【マイ ドキュメント】フォルダまでたどり着いたことにな
ります。ここで,ウィンドウ上部に注目してください。「OS(C:)►ユーザー►AYA►マイ ドキュメント►」と表示されている部分があ
ります。この部分を【アドレスバー】といいますが,ここに表示された「OS(C:)►ユーザー►AYA►マイ ドキュメント►」という表示
が【C:】から【マイ ドキュメント】に至るまでの道筋を示しています。このコンピュータ内の場所を示す道筋を「パス」といい,
特定のファイルにたどり着くまでの道筋を「ファイルパス」といいます。Windows のユーザは通常マウス操作でドライブやフォ
W クリック
ルダを開きますが,コンピュータ内部ではユーザの操作に従ってこのファイルパスをたどっているのです。
【C:】から【マイ ドキ
ュメント】までのファイルパスを図で表すと次のようなイメージになります。
②
操作①で開いた中から,【自分のユーザ名】が記されたフォルダを探し,W クリックして開きます。本稿の例では,【AYA】
というフォルダを W クリックして開きます。
W クリック
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Windows におけるファイル管理の仕組
フォルダやファイルの場所を示すこのような階層構造のことを【ディレクトリ構造】といいます。Windows に備っているディ
02.拡張子
レクトリ構造を閲覧・操作する機能を【Explorer:エクスプローラー】といい,Windows 環境においては【Explorer】を使用し
てファイル・データの管理をすることになります。なお,Vista 以降の Windows では,各階層の境界が【►】印で表示されますが,
「文書.txt」や「写真.jpg」といったように,ファイル名の後ろにピリオド(.)と 3~4 文字のアルファベットの文字列が続いて
正規の表現では【¥】を用い,
【マイ ドキュメント】の位置を正規の表現で記述すると,
【C:¥ユーザー¥自分のユーザー名¥マイ ド
いることがありますが,このピリオドと文字列を【拡張子】といいます。環境によっては,拡張子は表示されていないこともあり
キュメント】となります。
ますが,その場合でも「非表示」に設定されているだけで拡張子は存在しています。
先の操作手順ではマウスを用いて場所を順次クリックする方法でディレクトリ構造を【C:】から【マイ ドキュメント】までた
どりましたが,
【アドレスバー】に【マイ ドキュメント】のパス(C:¥ユーザー¥自分のユーザー名¥マイ ドキュメント)を入力
しても【マイ ドキュメント】を開くことができます。
〈Point〉ディレクトリ構造の表記例
□操作中のコンピュータ内の記憶装置(ローカル ディスク)内を参照する場合
ドライブレター:\ディレクトリ名 1\ディレクトリ名 2\ディレクトリ名…\ファイル名
拡張子は,そのファイルが「どのような種類のファイルであるか」を識別する符号です。換言すれば,拡張子を見ると,そのフ
ァイルが「どのソフトウェアプログラムによって作成されたファイルであるか」がわかるようになっています。例えば,Word で
作成された文書ファイルには【.doc】または【.docx】という拡張子が,Excel で作成された表計算ファイルには【.xls】または【.xlsx】
例)C:¥ユーザー¥自分のユーザー名¥マイ ドキュメント¥文書.docx
という拡張子がつきます。ファイルの種類がわからなければ,ファイルを開く操作を行っても,コンピュータはそのファイルをど
意味)C:内の,ユーザーフォルダ内の,自分のユーザー名フォルダ内の,マイ ドキュメントフォルダ内の,文書.docx ファイ
のソフトウェアプログラムによって開くべきかわからないことになってしまいますが,拡張子があれば,コンピュータはファイル
ルを指定
とそれを作成・編集するソフトウェアプログラムを紐付けることが可能になるのです。このように,拡張子はコンピュータがファ
イルとソフトウェアプログラムを紐付けるためのものであり,基本的にコンピュータの側の都合で用意されたものであるといえま
□ネットワーク上のコンピュータ内の共有ディレクトリを参照する場合
\\コンピュータ名またはネットワークアドレス\共有ディレクトリ名¥ディレクトリ名 1\ディレクトリ名 2¥ディレクトリ名…
¥文書.docx
す。つまり拡張子の存在は,ファイル名でファイルを識別できる人間には必須というわけではなく,そのため表示・非表示を設定
できるようになっているのですが,このことによって問題が生ずる場合があります。
現在の Windows ではファイル名にピリオドの使用を許すので,例えば【文書.doc.doc】というようなことファイル名を設定する
ことも可能なのです。この場合,2 つの「.doc」のうち,前の方はファイル名の一部,後の方は拡張子ということになります。コ
例)¥¥Server¥Common¥Documents¥Tasks¥文書.docx
ンピュータにとってはこれで特段不都合はないのですが,ファイル名に業務上の一定の制約や規則がある場合,あるいはシステム
意味)Server という名のコンピュータの,Common という名の共有フォルダ内の,Documents フォルダ内の,Tasks フォル
によってファイルをプログラム的に識別するような場合に障害となることがあります。この問題は拡張子が非表示に設定視されて
ダ内の,文書.docx ファイルを指定
いるにもかかわらず,ファイル名変更の際に,ユーザーが「拡張子が必要だ」と思って手動で入力してしまうことで発生します。
拡張子を表示する設定の場合はファイル名を変更するときに拡張子を手動で入力しなければなりませんが,拡張子を非表示にして
ファイルのフルパス(保存場所を含めたファイルの正式名称)や保存場所については,通常のコンピュータの使用用途において
いる場合には拡張子を無視しなければなりません。即ち,拡張子の表示設定の如何によってファイル名の変更方式が異なるのです。
は特段注意する必要はありませんが,ファイルを作成時期別に,あるいは世代別に分類・管理して保存する必要のある場合,及び
ですから,業務でコンピュータを使用する場合には,そのコンピュータにおいて拡張子の表示設定がどうなっているかを事前に確
予め保存場所の指定があるような場合には,意識的にファイルを整理しておくことで事後の整理管理を容易にし,効率的な情報共
認しておくことが重要になります。
有を可能にするというメリットがあります。また,1 つのコンピュータ内および 1 つのネットワーク内には同じフルパスのファイ
ルは 1 つしか存在できませんから,ファイルの現在の場所を意識しながら操作することは,重要ファイルの迂闊な削除・既存を防
止することにも繋がります。
〈Point〉拡張子の表示・非表示の見分け方
□1.拡張子を表示する設定の場合 … ファイル名を変更する際には拡張子の手動入力が必要
コンピュータに対する操作は一般に,①どこの,②何を,③どうするか,という手順で行います。そのため,「ファイルの存在
場所を意識する」ということは,
「どこのなにを操作するか」を意識することですから,このことによって,データの作成・編集・
保存という一連の作業において「自分が行おうとしている操作の対象」が明確になります。「操作対象の明確化」は何より誤操作
の防止と,意図しないファイルの喪失・毀損の回避に役立ちます。
不慣れな間は戸惑うことの多いファイル操作ですが,正確・迅速で効率的なデータ管理のために重要な意味を持つ操作概念でも
ありますから,ファイルを新規作成・保存する際には,
「自分は今からどこにファイルを保存するのか」を意識することを推奨し
ます。はじめのうちは,
「とにかく自分の作成したファイルはすべて【マイ ドキュメント】に保存する」ということを心がけるだ
けでも,ファイル紛失によるトラブルを相当程度避けることができるはずです。
□2.拡張子を非表示に設定している場合 … ファイル名を変更する際には拡張子を無視する(拡張子は入力しない)
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