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北見における公共交通の 現状と取組
きたみ公共交通セミナー 北見における公共交通の 現状と取組 北見工業大学社会環境工学科 高橋 清 2014年1月27日 1 人間の豊かさと移動 ひとは交流することで豊かになる 交通とは「時間を生産する産業である」 生み出された時間をどのように使うかが、 生活の豊かさ=幸せに結びつく 2 地方の移動は圧倒的に自家用車 車は 自由に行動したいという人間の本能 にアタック 面的な移動が可能 利用可能な土地が増加 都市・地域の発展に寄与してきた 3 一方、公共交通は 自由度は車にはるかに及ばない 公共交通の競争力は大量移動に限定 都心部、都市間のみ 道路整備水準が低い時代、昭和30-40年 代はバスの全盛期 4 映画「稲妻」 高峰秀子主演 昭和27年 5 一方、公共交通は 自由度は車にはるかに及ばない 公共交通の競争力は大量移動に限定 都心部、都市間のみ 道路整備水準が低い時代、昭和30-40年 代はバスの全盛期 所得水準上昇、道路整備の進展 モータリゼーション 6 モータリゼーション・スパイラル (マイカー保有の進展) 生活の マイカー依存 公共交通システム のレベルダウン マイカー依存型の 都市構造 7 自治体担当者のコメントは 公共交通は必要、うちの地域は車 が圧倒的に便利、取り組んでも状 況は変わらない 問題の解決には原因を直視することが重要 8 バス交通、今、何が問題か? バスが無くともやっていける これまでも? 現在も? これからも?? 9 何歳まで運転するか? 紋別市バス交通調査結果より 90歳以上 1.6% 80歳~89 歳 26.8% 60歳未満 60歳~69 0.5% 歳 13.1% 70歳~79 歳 57.9% 10 冬期間の視程障害 11 車の利用を考え直す状況 紋別市バス交通調査結果より 77.3% 高齢などで運転が難しくなったとき 31.3% ガソリンなどの維持費の負担が大きくなったとき 家の近くにバス停ができて便利になったとき 6.6% 16.7% 行きたい所にバスルートが設定されたとき その他 0.0% 2.5% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% (複数回答) 12 バス交通、今、何が問題か? バスが無くともやっていける ・これまでも? 現在も? これからも?? 行政に対する多大な期待感 ・責任の押し付け合いと工夫への抵抗から 「壁」を作っていないか? 13 これからのバス交通とは バス交通の仕組みを再点検 系統・ダイヤ・施設・情報・新技術の利用 サービス業としての意識 地域の移動ニーズを把握 14 紋別市におけるバス路線 再編後 再編前 紋別市役所 紋別バスターミナル 紋別市役所 紋別バスターミナル 図 バス路線再編前のバス路線図 図 循環バス「KURURI」のバス路線図 15 循環バス 「KURURI」 390人増加 2,500 2,000 1,500 図 循環バス「KURURI」運行車両 2,190 1,800 1,092 971 1,000 500 0 829 1,098 H22年度秋 H23年度夏 (実証運行) (本格運行) 北循環 南循環 図-利用者数の推移 図 南循環コース運行車両 16 バス利用者の各種バスサービスに対する満足度 運賃 60.6 15.5 12.7 11.3 0.0 0% 行きと帰りの 所要時間 20% 21.1 0% 40% 26.8 20% 40% 60% 15.5 80% 26.8 60% 100% 9.9 80% 100% 4.3 総合的に見た バスサービス 20.0 0% 38.6 20% 40% 25.7 60% 11.4 80% ■満足 ■やや満足 ■どちらともいえない ■やや不満 ■不満 100% 17 安心感に対する満足度 利用者 n=71 38.0 40.8 15.5 2.8 2.8 23.9 非利用者 n=188 31.4 38.8 2.1 3.7 0% 20% 満足 40% やや満足 60% どちらとも言えない 80% やや不満 100% 不満 18 バス交通に対するこれまでの 考えを転換しよう! オープンな交通システムから、より、的を 絞った交通システムへ 既製品の交通システムから、オーダーメ イドの交通システムへ 不特定多数から、特定多数、特定少数へ 例えばDRT 行動変容は意識から MM(モビリティマネジメント)のすすめ 19 DRT(Demand Responsive Transport) ディマンド乗合交通システム 乗車密度 大 LRT,ガイドウェイバス 路線バス・コミュニティバス DRT、パラトランジット 小 DRTとは、発生し た需要に臨機応 変に対応できる 交通システム タクシー、STS ドア・ツー・ドアサービス 路線サービス 20 モビリティ・マネジメント(MM) ひとり一人のモビリティ(移動)や個々の組織・ 地域のモビリティ(移動状況)が、社会にも個人に も望ましい方向に自発的に変化することを促す、 コミュニケーションを中心とした多様な交通施策 を活用した持続的な一連の取り組み (東工大 藤井 2007) 21 モビリティ・マネジメントの基本的考え方 交通問題を社会問題として捉える 「かしこい車の使い方」を考える 意識を変える 物理現象、経済現象の交通から社会問題とし ての交通へ 自動車利用を全面的に否定も肯定もせず、か しこく使う 持続的に展開する 持続的なマネジメントである 22 北見市の取組 路線バス運行実績 北見市公共交通利用実態調査 利用者数は10年間で8%減少(40年前の1/3) 補助金は8%増加 OD、住民アンケート調査、バス利用・ニーズ調査 課題 市内路線が長距離路線、交通空白地域の存在 潜在的需要も存在 23 北見市地域公共交通計画 H24年3月策定(-28年度) 基本理念 「公共交通を活用したより豊かな社会」の実現 アクションプラン グランドデザイン 路線の変更・新設 新たな交通システムの導入 →ディマンドバス導入 バスの利用促進策(モビリティ・マ →MM調査の実施24 ネジメント MM)の推進 北見自治区のグランドデザイン 25 北見バス「若松線」の路線図 27 ディマンドバスの路線図 図2 : ディマンドバスの路線図 28 導入前後における利用実態の変化 約1400人の増加 ディマンドバスの導入による利用者の増加を確認 図3 : 旧路線バスとディマンドバス実証運行期間での利用実態変化 平成25年10月から本格運行が開始した 29 バスサービスの満足度調査 調査項目一覧 ・バス停までの距離 ・運行ダイヤ ・始発時間 ・終発時間 ・運行ルート ・運賃 ・フリー乗降 ・乗車時間 ・バスの遅れ ・総合評価 「満足」から「不満」までの5段階評価 30 満足度調査結果 「不満・やや不満」の割合が高い順に上位2項目を抽出 路線バス利用者 路線バス非利用者 アンケート調査概要 調査対象 ■ 15歳以上の北見市川東地区住民,若松地区住民 配布票数 ■ 川東:750票,若松:142票 計:892票 調査期間 ■ 導入前調査:平成24年11月27日~平成24年12月14日 ■ 導入後調査:平成25年11月29日~平成25年12月16日 回収票数 ■ 導入前調査:259票 回収率:29% ■ 導入後調査:285票 回収率:32% 調査項目 ■ 個人属性,路線バス利用頻度, バスサービス(全10項目)に対する満足度(5段階評価) 32 導入前後における満足度の比較 バス利用者 バス非利用者 33 特定路線MM(夕陽ヶ丘線) 路線名 : 夕陽ヶ丘線 運行キロ:21.4km 便数:13.9 始発:7:00 終発:18:20 平均乗車密度 : 6.6 34 35 36 37 38 地域との連携、地域からの提案 - 成功の鍵は、地域からの提案から!! 地域からの提案を実現したプロセスが重要 バス交通は、側地的なもの 解答は現場にある 本当に必要と考えてる人の参画と工夫 「あきらめ」が充満しないシステムへ 39 公共交通をつくり、守り、育てる コンセプトの明確化に、総力戦で 思い込みからの脱却が行動を変える 継続できるシステムは連携が基本 責任のなすりあいから、当事者意識の醸成へ BUS(バス)とは OMNIBUS(すべてのひとのための) 40 41 需要の掘り起こし、魅力ある商品開発 需要が先か、供給が先か? 需要のインテグレイト 空間、時間、多目的 技術革新の利用 地元イベントとの連携 バスを利用した新しいライフスタイルの提案 42