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プリンテッド エレクトロニクスによるフォトディテクタ
プリンテッド エレクトロニクスによるフォトディテクタ/イメージセンサ ~家庭用電化製品や他産業に改革を起こす技術~ テクノアルファ株式会社 1 はじめに フランス ISORG 社は、2010 年、フランス原子力庁 (CEA)グルノーブル・ナノ材料研究所からスピン・オ フし、有機フォトダイオード及びイメージセンサをプ ラスチックやガラスに組込み” スマートサーフェス(高 機能表面化)”を実現・開発しているプリンテッド エ レクトロニクス及び有機エレクトロニクス業界におけ るパイオニア的企業である。 有機材料は一般的に UV、湿気、酸素の影響を敏感に 受けると言われているが、ISORG 社はプリンテッド エ レクトロニクスや太陽電池用の材料研究・開発に携わ っている欧州の代表的な化学メーカとの協力のもと、 これら外的影響に強い材料開発に成功した。有機エレ クトロニクスとプリンテッド エレクトロニクスの結 合から生まれた ISORG 社製有機センサは、ポリマー系 半導体の一種で新しい有機系化学材料及び大面積印刷 により製造された画期的なセンサと言える。従来のシ リコン系フォトダイオードセンサに比べプリンテッド エレクトロニクスの特長を生かし、薄さ、大面積、フ レキシブル性、優れた感知能力「近距離からの物体・ 動さの探知機能」を備えている。 ここで、今回は家庭用電化製品や他産業において、必 ず役立つ ISORG 有機センサを紹介する。 2 ISORG 有機センサの特長及び仕様 ISORG 有機センサで使用される有機半導体は液状タ イプのもので、プラスチック及びガラスの表面上に大 面積印刷技術により、 厚さ数 10 分の1マイクロメータ の非常に薄い層として印刷生成される。この生成され た有機半導体が高度なセンサ機能を維持し、各光量を 感知し電気信号として出力される。 Electrons acceptor O RN O O NR nO Electrons donor 図 2 有機半導体部の構造 また、ISORG 有機センサは、個々のユーザニーズに 応じたサイズ・回路設計・形状対応(プラスチック・ガ ラス上への生成など)及び可視光(400nm-700nm) 、近赤 外光(700nm-1100nm、将来的に 1400nm)での光環境 下での使用に応じることが可能で、今までにない光セ ンサ・モーションセンサとして様々なアプリケーショ ンでの使用が可能である。 (1)特長 大面積 3D イメージキャプチャ 30×36cm のセンシングエリアに対し、150μm のピ クセルサイズのセンサをアレイ上に配置し、イメージ 認識が可能。 さらに、将来的にはセンシングエリア及び最少ピク セルサイズともに改良予定である。 図 1 ISORG 有機センサ (プラスチックフィルム上にセンサ/電極生成) 優れた量子効率 量子効率は可視光領域において、約 25%以上を達成 していることがグラフ(図 3)上からわかる。 また、別グラフ(図 4)において、波長 850nm 時の I-V 曲線より、広いダイナミックレンジを証明しているこ とも確認できる。 6.1 高機能フィルム基材・銅箔の最新動向 フレキシブル/薄型センサ化 プリンテッド エレクトロニクスの特長を活かし、 従来の発想からでは有り得ないセンサ組込みやデザイ ン化が可能となる。 40% 35% 30% QE(NA) 25% 20% 低価格/環境にやさしい 通常の半導体製造方法とは違うために、通常の大気 圧及び温湿度環境下での製造が可能なため、製造コス ト及び CO2 低減に繋がる。 15% 10% 5% 0% 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 Wavelength(nm) 図 3 各波長における量子効率 (2) 仕様 有機センサをアレイ配置した際の仕様を紹介する。 センシングエリア:32×38cm(将来的に 50×50cm) ピクセルサイズ :150μm(将来的に>50μm) 検知距離 :0-15cm(通常の室内環境化で、 センサ表面部より) 検知光波長領域 :400-1100nm(将来的に 1400nm) (3)用途 用途は無限に考えられが、現在最も導入の可能性が 高いのは下記のような用途であり、例を含めて紹介を する。 図 4 850nm における I-V 曲線 広範囲且つ調整可能な光波長 現在、ISORG 有機センサの検知波長領域としては、 400~1100nm までであるが、将来的には 1400nm までの 検出達成を目指している。また、グラフ(図 5)に示し た通り検知波長をアプリケーションごとに調整選択す ることも可能である。なお、近赤外領域においては、 一般的なシリコンフォトディテクターより高感度と言 える。 図 5 各有機半導体における吸光スペクトル 79 広告メディア向け 例えば、展示会やデパートなどにおいて、製品や情 報を通行人などに注意喚起する際にはインターアク ティブポスターが最適と言える。同ポスターは、人が ポスター前を通る際に人を検知し音楽や映像を表示 させ、ポスターに注意喚起をさせるソリューションで ある。 その他:感知ディスプレイ、スマートパッケージング、 アイキャッチなど 図 6 ポスター例 1 図 7 ポスター例 2 ホームエレクトロニクス向け 照明や音量を非接触で調整できるスイッチ(図 8 参照)、人がいる?いない?を検知し照明照度を自動 調整するためのセンサ、明暗環境におけるテレビの明 るさ調整を行うための検知センサ(図 9 参照)、ジェ スチャーによる家電製品のオン/オフスイッチなどと して有効であると言える。 カーエレクトロニクス向け 車内に同センサを組込むことで、モーションキャプ チャとしてのセンサとして有効と言える。 また、カーナビや各エヤコンなどの操作向上としても 非接触で操作することが可能になり得る。 ロジスティック向け 2013 年度では、製品・商品の新在庫管理システムを 欧州メーカに納入予定である。今後、物流の一元管理 としても有効なソリューションと言える。 図 8 非接触調整スイッチ例 図 11 簡易在庫管理ソリューション例 その他 現在、食品、化粧品、セキュリティ、医療分野にお いても様々なアプリケーションとして採用検討がされ ている。 図 9 周囲照度を捉え自動輝度調整を行うテレビ例 (構想・検討段階) タブレット端末・携帯電話・スマートテレビ向け まだ、将来的な構想ではあるが、液晶ガラス基板上 に同センサをインテグレートすることにより、非接触 で画面上での各種操作が可能になる。 図 10 非接触での操作イメージ例 (構想・検討段階) 3.まとめ ISORG 有機センサは各ユーザの多種多様な性能・デ ザイン等の要望に柔軟に対応できる次世代の光センシ ングセンサである。1 フォトディテクタとしての提案 からセンサをアレイ配置し各電極及びプログラミング 制御まで組合せたソリューションまでの提案が可能で ある。 欧州ではすでにホームエレクトロニクス業界をは じめ自動車、食品分野などのユーザと具体的ビジネス をスタートしている。ぜひとも、次世代の光センシン グセンサを採用・組込むことで一つ先のソリューショ ン・差別化を図って頂きたい。 6.1 高機能フィルム基材・銅箔の最新動向 お問合せ/連絡先 会社名 テクノアルファ株式会社 住所 〒141-0031 東京都品川区西五反田 2-27-4 明治安田生命五反田ビル TEL 03-3492-7430 FAX 03-3492-2580 E-mail:[email protected] URL;http://www.technoalpha.co.jp/ 連絡窓口:マーケティング 81