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ユーカリストと奉仕職に関する合意文書の特定の問題点の明示

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ユーカリストと奉仕職に関する合意文書の特定の問題点の明示
聖公 会
一 マ ・カ トリ ック教 会
国際 委 員会
ユ ー カ リ ス トと
す る合 意 文 書」の
の問題 点の明示
トリック教会 日本委員会訳
聖公会 一
第1次
ロ ー マ ・カ トリ ッ ク教 会
国際委員会
(ARCIC−1) の
「ユ ー カ リス トと奉 仕 職 に関 す る合 意 文 書 」の
特 定 の問 題 点 の 明示
および
教 皇 庁 キ リス ト教 一 致 推 進 評 議 会 議 長
エ ドワ ー ド ・イ ド リス ・キ ャ シデ ィ枢 機 卿 の 書 簡
聖 公会 一 ロー マ ・カ トリ ック教会
日本 委 員 会
訳
目
次
1993年 ,
ベニ ス会議 に参 加 した第2次 国際委 員会 委員
お よび 起 草小 委 員会 委 員 (
第1次 国際 委 員会 員)の名 簿m
第2次 国際委 員会 共 同議長 の声 明1
第1次 国際委 員会 の 「
ユ ー カ リス トと奉仕職 に関す る合意文書」の
特 定 の 問題 点 の 明示5
ユ ー カ リス ト7
奉 仕職 と聖職叙 任11
第2次 国際 委 員会 共 同議長 へ の キ ャシデ ィ枢機 卿 の書簡16
1993年
ベ ニ ス 会 議 に 参 加
お よ び 起 草 小 委 員 会 委 員
し た 第2
(第1次
.
次 国 際 委 員 会 委 員
国 際 委 員 会 委 員 )
聖 公 会 側 委 員
TheRtRevdMarkSanter(
共 同議 長 )
英 国
バ ー ミ ン ガ ム主 教
TheRtRevdJohnBaycroftカ
ナ ダ
Dr.E.RozanneE.Elder米
国
オ タ ワ主 教
西 ミ シ ガ ン大 歴 史 学 教 授
TheRevdProf.JaciMaraschinブ
ラジル
エ キ ュ メ ニ カル
TheRevdDrJohnMuddiman英
サ ンパ ウ ロ
・イ ン ス テ ィ テ ユ ー ト神 学 教 授
国
オ ック ス フ オ ー ド
マ ン ス フ ィ ー ル ド ・カ レ ッ ジ フ ェ ロ ー 兼 チ ュ ー タ ー
TheRtRevdMichaelNazir−Ali英
国
教 会宣 教 協会
TheRevdDrNicholasSagovsky英
ロ ン ドン ,
(CMS)
国
総 主 事
ケ ン ブ リッジ
ク レ ァ カ レ ッジ デ ィ三 ン
TheRevdDrCharlesSherlockオ
ー ス トラ リ ア
メ ル ボル ン
リ ド リ ー カ レ ッ ジ シ ニ ア 講i師
書 記
TheRevdCanonStephenPIatten
カ ン タベ リー 大 主 教 エ キ ュ メ ニ ズ ム担 当 秘 書
ロ ー マ
・カ ト リ ッ ク 側 委 員
TheRtRevdCbrmacMurphy−O’Connor(
共 同 議長 )
英 国
ア ル ン デ ル ・ア ン ド ・ブ ラ イ ト ン 司 教
SisterSaraButler米
国
イ リノ イ
湖 の 聖 マ リア大 組 織 神 学 助 教 授
TheRevdPeterCrossオ
ー ス トラ リ ア
ク レ イ トン
カ ト リ ッ ク神 学 院 組 織 神 学 教 授
TheRevdDrAdelbertDenauxベ
ル ギ ー
ル ーベ ン
カ トリ ッ ク大 神 学 部 組 織 神 学 教 授
TheRtRevdPierreDuprey
バ チカン
チバ レの名 義 司 教
教 皇 庁 キ リス ト教 一 致 推 進 評議 会 書 記
イ タ リア
TheRevdBrianV.JohnstoneCSSR
ローマ
アル フ オンス ・ア カデ ミー 教 授
カナダ
TheRevdJeanM.R.TillardOP
オ タワ
ド ミニ コ会 神 学部 教 授
TheRevdLiamWalshOP
ス イス
フル ブ ール 大 教 義 神 学 教 授
書 記
バ チカン
TheRevdTimothyGalligan
教 皇庁 キ リス ト教 一致 推 進 評 議 会 ス タ ッフ
起草 小 委 員会
TheRtRevdPierreDupreyバ
チ カン
チバ レ の 名 義 司 教
教皇庁 キ リス ト教一致推進評議会 書記
TheRevdJeanM.R.TillardOPカ
ナ ダ
オ タ ワ
ド ミニ コ会 神学 部 教 授
TheRevdChristopherHill英
国
ロ ン ドン
聖 パ ウ ロ 主 教 座 聖 堂 定 住 キ ャ ノ ン ・プ リ セ ン タ ー
TheRevdCanonJulianW.Charley英
国
ウー ス ター
マ ル ヴ ァ ー ン修 道 院 管 理 司 祭
聖 公 会 一 ロ ー マ ・カ トリ ッ ク教 会
第2次
国際 委 員会
(ARCIIC一 皿) 共 同 議 長 の 声 明
わ れ わ れ は こ こ に 、 国際 委 員 会 の 「ユ ー カ リス トと奉 仕 職 に 関 す る
合 意 文 書 」’の 特 定 の 問 題 点 の 明 示 と、 これ へ の 回 答 と して 、 教 皇 庁 キ
リス ト教 一 致 推 進 評 議 会 議 長 キ ャ シデ ィ枢 機 卿 か ら受 け取 っ た 書 簡 を
公 表 す る。 これ ら は 国 際 委 員 会 の 成 果 とそ の受 容 とい う面 で 、極 め て
重 要 な意 義 を もつ もの で あ る こ と を示 して い る。 した が って 、 そ の 背
景 をい ま一 度 考 えて も ら う よ う に、2,3の
1981年9月
、 英 国 の ウ ィ ンザ ー で の 第1次
当委 員 会 の 第1期
言 葉 を添 え る。
国 際 委 員会 最終 会 合 で 、
の 作 業 は一 つ の 結 論 を 出 す と こ ろ まで 来 た 。 これ を
示 す の が 、1982年 に 発 表 され た 第1次
委 員 会 の 諸 合 意 文 書 と説 明 の す
べ て を含 む 『最終 報 告 』 で あ る。 この 委 員 会 の と っ た方 法 は最 初 か ら、
1966年 の カ ン タベ リー大 主 教 マ イ ケ ル ・ラ ム ゼ イ と ロ ー マ教 皇 パ ウ ロ
6世 の 共 同 声 明 に よ っ て 定 め られ た もの で あ っ た。 同 声 明 は 「真 剣 な
対 話 」 につ い て語 り、 それ が 「
福 音 書 と古 代 の 共 通 の諸 伝 統 に 基 づ き、
キ リス トの 祈 られ た真 理 に お け る一 致 へ と導 く こ と を希 望 」 して い る。
こ の 方 法 は 国 際 委 員 会 の 理 解 で は 、 「過 去 の 論 争 で で き あ が っ た対 立
し孤 立 した姿 勢 の 背 後 に あ る もの に さか の ぼ る よ うに努 力 」 し、 そ し
て 「過 去 の 論 争 で使 わ れ た 用 語 を故 意 に避 けた が 、 そ れ は そ れ らの 論
争 を引 き起 こ した 真 の 問 題 を回 避 しよ う とい う意 図 か らで は な く、 そ
の よ う な用 語 の もつ 感 情 的 な連 想 が しば しば真 理 を く らま して きた と
い う理 由 か ら」 で あ っ た (
教 会 に お け る権 威 工・25)
。 教 皇 ヨハ ネ ・パ
ウ ロ2世
は1980年 、 カ ス テ ル ガ ン ドル フ ォで 国 際 委 員 会 の 委 員 た ち を
謁 見 した と き 、 国 際 委 員 会 の 方 法 は 「
敵 意 と論 争 が 生 み 育 て た思 考 習
慣 と表 現 の 背 後 に あ る もの に さか の ぼ り、 そ の 上 に 、 もは や 争 い を誇
り と しな い 時 代 の 洞 察 か ら来 る、伝 統 的 で しか も表 現 力 に富 む言 葉 の
衣 を着 せ る こ と」 で あ った と述 べ た 。
こ の 方 法 に忠 実 に従 い 、 共 同 の 祈 りの う ち に 、長 い 、 忍 耐 強 い 、 愛
に 欠 け る こ との ない 対 話 が続 け られ 、これ を通 して 国 際 委 員 会 は、 「ユ
ー カ リス トの 教 理 につ い て
、実 質 的 な合 意 に達 し」 (
ユ ー カ リス トの 教
一1一
理12) 、 ま た 同 様 に 、叙 任 に よ る奉 仕 職 に つ い て 「教 理 上 の 相 違 が あ
っ て は な らな い と考 え られ る」 領 域 で の 同 意 が得 られ た (
奉 仕 職 と聖
職 叙 任17)
と主 張 した 。 国 際 委 員 会 に と っ て 実 質 的 合 意 と は 、 「神 学
上 な らび に実 践 上 の相 違 が 、 … … 信 仰 の 基 本 的 な こ とが らに 関 す る
真 の 共 通 理 解 と共 存 し得 る」 (
ユ ー カ リス トの 教 理 解 明9) こ と を意 味
して い る 。
国 際 委 員 会 は 、 権 威 につ い て の そ の 合 意 が 上 記 の もの と ま っ た く同
じ レベ ル に あ る と主 張 した こ と は決 して な か っ た 。 こ こで の 主 張 は 、
意 義 は深 い が 、 もっ と限 定 され た もの で あ り : 「「
教 会 に お け る権 威 、
こ と に首 位 権 の 基 礎 的 諸 原 則 に 関 す る』 合 意 が 大 幅 な もの」 (『
最終 報
告 』 の 前 書 き) に達 した とい う もの で あ っ た 。 教 皇 の首 位 権 と不 可 謬
性 にか か わ る特 殊 な諸 問 題 を慎 重 に検 討 した後 、 国 際 委 員 会 は 、 それ
以 前 の 諸 合 意 を考 慮 に 入 れ て 、 「わ れ わ れ の 教 会 間 の 新 しい 関 係 を樹
立 す る こ と を求 め る」 と思 え る 「接 近 」 (『最 終 報 告 』 の 結 び ) が あ っ
た と した 。 双 方 の教 会 は 当 委 員 会 に対 して 、 権 威 に 関 す る重 要 不 可 欠
の 諸 課 題 に引 き続 き取 り組 む よ うに求 め た。
最 初 か ら当 委 員 会 は 、 そ の 合 意 が 、 「そ れ ぞ れ の 教 会 が 時 間 を か け
て評 価 した上 で な けれ ば 」(
ユ ー カ リス トの 教 理 共 同議 長 に よ る序 文 )、
公 式 に 承 認 され 得 な い こ と を認 め て い た 。 した が っ て 、 国 際 委 員 会 の
諸 合 意 は 、 あ る過 程 が終 了 した こ と を意 味 す る もの で は な い 。 対 話 は
む し ろ、 問題 を進 ん で 提 起 す る だ けで は な く、提 起 を受 け入 れ る姿 勢
を 含 む の で あ る。 事 実 、 公 式 評 価 の た め に諸 合 意 を報 告 した こ と に よ
っ て 、和 解 を求 め る歩 み は さ らに決 定 的 な段 階 に足 を踏 み 入 れ る こ と
に な っ た 。 その 間 に両 教 会 の 適 切 な権 威 筋 が 、 そ れ ぞ れ の信 仰 と実 践
に照 ら して 、 当委 員 会 の 諸 合 意 が適 切 か ど うか を検 討 す る こ とが 求 め
られ たの で あ る 。
聖 公 会 側 で は 、1988年 の ラ ンベ ス会 議 が この 過 程 の決 定 的 な一 歩 を
踏 み 出 した 。会 議 に先 立 っ て 聖 公 会 の 中央 協 議 会 は 、 そ の諸 管 区 の す
べ て に対 して 、 ユ ー カ リス トと奉 仕 職 と聖 職 叙 任 につ い て の 同 意 が
「聖 公 会 の 信 仰 と実 質 的 に合 致 す る」 か ど う か を 尋 ね た 。 諸 管 区 に 尋
ね 、 こ う して 中央 協 議 会 は 、 ラ ンベ ス会 議 の 主 教 た ち が 「
判 断 を下 し、
同 意 を表 明 で き るよ うに」 (ACCNewcastle1981)
、公 式 手 続 き を開始 し
一2一
た の で あ っ た 。 諸 管 区 の 回 答 は ラ ンベ ス会 議 の 準 備 の た め に 公 式 に集
計 され 、 要 約 され 、 発 表 され た 。 諸 管 区 が こ う した合 意 に 「明 瞭 に賛
成 」 した こ と を知 っ た 上 で 、 ラ ンベ ス会 議 は 、 「ユ ー カ リス トの 教 理 、
奉 仕 職 と聖 職 叙 任 お よび そ れ らの 解 明 につ い て の 第1次
国 際 委 員会 の
合 意 声 明 を、 実 質 的 に聖 公 会 の 信 仰 と相 容 れ る もの と して 」 認 め る こ
と とな っ た (
決 議8お よび 説 明 の た め の 注 )。
カ トリ ッ ク教 会 は 、 広 く意 見 を求 め 真 剣 に検 討 した 後 、1991年
に
『
最 終 報 告 』 へ の 回 答 を作 成 した 。 回 答 は 国 際 委 員 会 の 作 業 を 、 「カ ト
リ ック教 会 と聖 公 会 の 間 の 関 係 だ け で は な く、 エ キ ュ メ ニ ズ ム運 動 全
体 に と っ て も 、 意 義 の あ る道 標 」 と して 極 め て 積 極 的 に受 け止 め 、
「この 委 員 会 が 作 業 を 始 め る ま で は想 像 もで き な か っ た ほ ど の 接 近 、
そ れ ど こ ろ か 合 意 」 に達 し た こ と を認 め た 。 そ れ と同 時 に 、 「実 質 的
な合 意 」 が主 張 され るユ ー カ リス トと奉 仕 職 と聖 職 叙 任 につ い て の 作
業 に 関 して 、 「カ トリ ック の観 点 か らは さ らに 明示 され る必 要 が あ る」
具体 的 な諸点 を挙 げ たの で あ る。
こ の 要 望 に対 す る 国 際 委 員 会 の 回答 は 、 『ユ ー カ リス トと奉 仕 職 に
関 す る合 意 文 書 の 特 定 の 問 題 点 の 明 示 』 に 含 ま れ て い る 。 こ う した
『明 示 』 は 、 も ち ろ ん 以 前 の 同 意 を前 提 に 読 ま な け れ ば な らな い し 、
さ もな い と取 り扱 わ れ た 問 題 との 釣 り合 い が取 れ て い な い と思 え る で
あ ろ う。 『明 示 』 は 、 そ れ を求 め た (ロ ー マ ・カ トリ ック の ) 権 威 筋
の 検 討 に ゆ だ ね られ た 。 本 文 を こ こ に再 掲 し、 これ に キ ャ シデ ィ枢 機
卿 か らわ れ わ れ 国 際 委 員 会 共 同 議 長 に対 して書 簡 で伝 え られ た評 価 を
添 え た 。 国 際 委 員 会 の 明 示 は 、 枢 機 卿 が 述 べ て い る よ う に、 「ま さ に
問 題 に新 しい光 を投 じ、 第1次
国 際 委 員 会 が ユ ー カ リス トと奉 仕 職 に
つ い て 到 達 した合 意 が 、 こ う して 大 い に 強 化 され 、現 時 点 で は これ 以
上 の研 究 を必 要 と しな い と思 わ れ る」 と判 断 され て い る こ とが 明 ら か
に な るで あ ろ う。 これ らの 明 示 と枢 機 卿 の 書 簡 は 、 ユ ー カ リス トに つ
い て の 国 際 委 員 会 の 合 意 の 受 容 と奉 仕 職 の理 解 の 面 で 、極 め て 重 要 な
要 素 とな って い る。 しか しよ く知 られ て い る よ うに 、 ロ ー マ ・カ ト リ
ック教 会 と聖 公 会 の 間 に は 、 女 性 の 司 祭 職 へ の 叙 任 につ い て 見 過 ごす
こ との で き な い不 一 致 が 残 って い る。
わ れ わ れ の 希 望 は 、 この 受 容 へ の 前 進 の 一 歩 が 両 教 会 を助 け て 、 国
一 一3一
際 委 員 会 が 表 明 し、 い ま 明 示 した 事 柄 が 、 わ れ わ れ そ れ ぞ れ の 信 仰
と 実 践 につ い て の 合 意 を ま さ に表 現 して い る と認 め る に至 る こ とで
あ る 。 ま だ 討 議 しな け れ ば な らな い こ と が た く さん 残 っ て は い る が 、
ユ ー カ リ ス トの 教 理 、 奉 仕 職 お よ び 叙 任 と い う重 大 な 問 題 に つ い て
到 達 した 合 意 は 、 よ り完 全 な 交 わ り を 目指 して わ れ わ れ が成 長 して
い く重 要 な 段 階 を形 作 っ て い る 。 わ れ わ れ は 、 今 や 一 層 決 定 的 な も
の と な っ た この 合 意 が 、 わ れ わ れ 二 教 会 が 求 め て や ま な い完 全 な 目
に 見 え る一 致 へ の 道 に横 た わ る他 の 諸 困 難iを克 服 す る励 ま し と な る
こ と を希 望 し祈 っ て い る 。
十 マ ー ク サ ンター
十 コル マ ック マ ー フ ィ ー 一 オ コ ンナ ー
(第2次
一4−
一
国 際 委 員 会 共 同議 長 )
第1次
国 際 委 員会
(ARCIC−1) の
ユ ー カ リス トと奉 仕 職 に 関 す る合 意 文 書 の
特 定 の 問 題 点 の 明示
この文 書 の 中で 、 われ わ れ は、国際 委 員会
『
最 終 報 告 』 (1982) に
対 す る1991年 の 聖 座 の 回 答 で 出 され た 、 ユ ー
一カ リス トと叙 任 に よ る奉
仕 職 に か か わ る い くつ か の 疑 念
(CTSDO609)
に答 え よ う と思 う。 あ
の 回答 の 中で 言 わ れ て い る こ と 一 「これ が さ らに研 究 を深 め る刺 激 と
して役 立 つ 」 もの とな り得 る こ とが 、 わ れ わ れ に勇 気 を与 え る の で あ
る。
委 員 会 が 出 発 点 と した の は 、 ロ ー マ ・カ トリ ッ ク教 会 の 二 つ の 公 式
声 明 で あ っ た 。 そ の 一 つ は 第2バ
チ カ ン公 会 議 開 会 の と きの 教 皇 ヨハ ・
ネ23世 の 訓 話 で あ る 。教 皇 は こ う語 って い る : 「信 仰 の 遺 産 と な っ て
い る古 来 の 教 えの 実 質 と 、 それ を表 示 す る方 法 と は 同 じで は な い 」1。
い ま一 つ は 『エ キ ュ メ ニ ズ ム教 令 』 の17節 で あ って 、 東 方 と西 方 に つ
い て 語 る 中 に次 の 言 葉 が あ る : 「… … 啓 示 され た秘 義 の あ る面 が 、
と き に は一 方 よ り も他 方 に よ って よ り適 切 に理 解 され 、 よ り明 らか に
説 明 され る … … した が っ て この よ うな と きに は、 そ れ らの 種 々の 神
学 的 表 現 形 式 は 、 しば しば互 い に対 立 す る よ り もむ し ろ補 足 し合 う と
言 うべ きで あ る」。 この 考 え は 『カ トリ ック教 会 の カテ キ ズ ム 』 (1992)
で も是 認 され た 。 教 会 は 「
文 化 、 社 会 、 人 間 が さま ざま に異 な る と こ
ろで も根 を下 ろす が 、 そ の と き、 世 界 の そ れ ぞれ の 場 所 で 、 外 的 に は
異 な っ た 表 現 と表 情 を身 に着 け る。 そ れ ぞ れ の 地 域 の 教 会 に 固有 の 外
的 規 制 、 典 礼 の儀 式 、 神 学 と霊 性 の 遺 産 の豊 か な 多 様 性 は 、 そ れ ぞ れ
の 間 で 調 和 を保 ち 、 よ り は っ き り と、一 致 を崩 さな い教 会 の 公 同性 を
示 して い る」。 ユ ー カ リス トと奉 仕 職 の検 討 を進 め る うち に 、 わ れ わ
注1.
こ の 引 用 は 教 皇 ヨハ ネ23世 の イ タ リ ア 語 テ キ ス トに よ る 。 翻 訳 さ れ た 公 式
の ラ テ ン 語 テ キ ス トで は こ う な っ て い る 。 「と い う の は 、 信 仰 の 遺 産 、 あ る い
は わ れ わ れ の 尊 い 教 理 に含 まれ て い る諸 真 理 と 、 それ らが表 現 され る方 法 と は
同 じ で は な い 。 し か し 、 同 じ 意 義 、 ま た 同 じ意 味 で 表 現 され て い る の で あ る 。」
一一5一
れ は 表 現 と実 践 の 多 様 性 の 奥 に 深 い 調 和 が 潜 ん で い る の を 見 い だ し
た 。 この 調 和 は 、 真 理 の あ る要 素 が一 つ の 伝 統 の 中 で他 よ り も強 調 さ
れ る と き に崩 れ る もの で は な い 。 ほ か の 伝 統 の 中 で も、 だ か ら と い っ
て 、 そ の 要 素 が否 定 され るの で は な い 。 後 で 明 らか にす る よ うに 、 ま
さに これ が ユ ー カ リス トの崇 敬 の 場 合 で あ る。
ユ ー カ リス ト
『
最 終 報 告 』 に対 す る聖 座 の 回 答 は 、 ユ ー カ リス トの 教 理 につ い て
の 声 明 の主 旨 は承 認 しな が ら、次 の 諸 点 の 説 明 を求 め て い る :
a) ユ ー カ リス トの 記 念 と、 これ が 秘 跡 的 に 臨 在 させ る一 度 き りの カ
ル ヴ ァ リの 犠 牲 との 本 質 的 なつ なが り。
b) 「ユ ー カ リス トの犠 牲 に は あが な い とな る と い う本 性 が あ り 、 死 者
に も有 効 で あ る こ と」。 その 回答 は 「カ トリ ック に とっ て は 、教 会 全
体 とい う場 合 、死 者 も含 まれ て い な け れ ば な らな い」 こ と を強 調 す
る。 聖 公 会 が これ と見 解 を と も にす る と い う保 証 が欲 しい よ う に思
わ れ る。
c) 「
パ ン とぶ ど う酒 の形 色 の も と に 、 これ らの地 上 的 な リア リテ ィが 、
キ リス トの か らだ と血 、霊 魂 と神 性 の リア リテ ィ に変 化 す る と き」、
キ リス トが サ ク ラ メ ン ト的 に 、 ま た 実 質 的 に確 か に臨 在 して い る と
い う こ と。
d) 保 存 され て い るサ ク ラ メ ン トの うちの キ リス トの 崇 拝 。
聖 座 の 回 答 は 、 当 委 員 会 の 人 々 が 「明 らか に歴 史 の 中 で の犠 牲 の 繰
り返 しで は な い と した上 で 、 ユ ー カ リス トは サ ク ラ メ ン トの 意 味 で の
犠 牲 で あ る こ と」 を と も に認 め る こ とが で き た の で 、 カ トリ ッ ク教 会
は 喜 ん で い る と述 べ て い る。 当 委 員 会 の 考 えで は 、 キ リス トの歴 史 の
中 で た だ一 度 だ け の犠 牲 に効 果 的 に 近 づ く こ とが で き る よ う に 、 これ
を臨 在 させ る と い う こ と は 、必 ず し もそ の 繰 り返 し を伴 う とい う こ と
で は な い 。 この こ と に照 ら して 当委 員 会 は 、 ユ ー カ リス トは真 に犠 牲
で あ る、 しか しサ ク ラメ ン トの 様 態 に お い て で あ る と信 じ る こ と は 、
−6一
わ れ わ れ 両 教 会 の ユ ー カ リス トの 信 仰 の 一 部 で あ る と断 言 す る。 「ユ
ー カ リス トの 教 理 」 の 「
解 明 」5で 表 明 した よ う に
、 「た だ 一 度 行 わ れ
永 久 に有 効 な 救 い の で き ご とが 聖 霊 の 働 きに よ っ て 現 在 効 果 を もた ら
す と い う、 サ ク ラ メ ン トの 現 実 に対 す る伝 統 的 理 解 が 、 ア ナ ム ネ シ ス
とい う言 葉 で よ く表 現 され て い る と本 委 員 会 は考 えて い る。 本 委 員 会
は ア ナ ム ネ シ ス とい う語 を この よ うな意 味 で 用 い て い る 。 この 意 味 は 、
この 用 語 の セ ム 族 的 背 景 を 十 分 に 生 か して い る と思 わ れ る。 さ らに 、
この 言 葉 に よ っ て 、 わ れ わ れ は サ ク ラ メ ン トが 現 実 的 な もの で あ る と
い う強 い確 信 を表 し、 サ ク ラ メ ン トを単 な る象 徴 とみ な す 考 え方 を斥
け る こ とが で きる の で あ る」。
わ れ わ れ が カル ヴ ァ リで の キ リス トの 死 を犠 牲 と して 語 る と き、 キ
リス トの 自 己 奉 献 の 本 質 を説 明 す る助 け とな る用 語 、 あの 自 己 奉 献 の
意 義 の す べ て を言 い 尽 く して は い な い一 つ の 用 語 を用 い て い るの で あ
る。 しか しな が ら こ の 用 語 は 、 キ リス トの 死 の 持 つ 独 自の あ が な い と
して の 性 格 と固 く結 ば れ 、 キ リス ト教 の 伝 統 に と って の規 範 を表 す も
の と な っ た。 この あ が な い の 犠 牲 と い う考 え方 は 、聖 公 会 の 諸 教 会 の
古 典 的 な ユ ー カ リス トの 典 礼 で は は っ き り と強 調 され て お り (た と え
ば 、英 国 聖 公 会 祈 祷 書 ,1662)
、 そ こで はSursumCordaの
直 前 の言 葉 {
こ、
つ ね に1ヨ ハ ネ2:1,2「た と え罪 を犯 して も、 御 父 の も と に弁 護 者 、 正
しい方 、 イエ ス ・キ リス トが お られ ます 。 この方 こそ 、私 た ち の 罪 を
償 うい け に え (
新 共 同訳 に よ る。 英 文 はthepropitiationforoursins一
私
た ち の 罪 の あ が な い ) で す 」 が 含 まれ て い る。 そ して 聖 別 の 言 葉 が 始
まる :
「私 た ちの 天 の 父 、 全 能 の 神 よ 、 あ な た は 、 ご 自分 の 優 しい 憐 れ み か
ら、 私 た ち を あ が な うた め に 、十 字 架 の 上 で 亡 くな られ たひ と り子 イ
エ ス ・キ リス トを与 え られ ま した 。 キ リス トは そ こで
(た だ 一 度 お 捧
げ に な っ た ご 自身 で あ るた だ 一 つ の ご 自分 の供 え物 に よ っ て ) 全 世 界
の 罪 の た め に 、 欠 け る と こ ろの な い 完 全 で 十 分 な犠 牲 、供 え物 、 ま た
償 い とな さい ま した ;そ して 、 ご 自分 が再 び 来 られ る まで 続 く、 ご 自
分 の貴 重 な死 の 記 念 を は っ き り とお 定 め に な り、 ご 自分 の聖 な る福 音
の 中 で 、私 た ちが 続 けて 行 くよ うお 命 じに な りま した ・ …
一一7−
一
。」
同 じ よ う に、 ユ ー カ リス トの あ が な い の 面 は 『
最 終 報 告 』 で も明 確
で あ っ て 、 ユ ー カ リス トを通 し 「十 字 架 上 の キ リス トの 償 い の 働 き は
告 知 され 、効 果 を もた らす もの」 と な り、教 会 は 「
教 会全体 の ため に、
彼 の 受 難 の 恩 典 を懇 願 」 し続 け るの で あ る。 これ は 、 ま さに聖 公 会 典
礼 の 中の ユ ー カ リス トの 行 い の 核 心 部 分 に お い て 、古 典 に お い て も現
代 の 典 礼 に お い て も肯 定 され て い る こ と で あ る (た と えば 、英 国 聖 公
会 祈 祷 書 ,1662) :
「お お 、主 、 天 の 父 よ 、 主 の 深 い 憐 れ み に よ っ て 、 し もべ らの この 感
謝 賛 美 の い け に え を お受 け下 さ る よ う伏 して お願 い い た し ます 。 ど う
か み 子 イ エ ス ・キ リス トの い さお と死 に よ り、 ま た そ の 御 血 を信 じる
こ と を通 して 、 わ た した ち お よび あ な た の 全 公 会 の す べ て に罪 の赦 し
を与 え、 そ して 、 み 子 の苦 しみ に よ り も ろ も ろ の め ぐみ を与 えて くだ
さい 。
」2。
「あな た の 全 公 会 の す べ て 」 は、 その 前 に あ る ニ ケ ア信 条 の 対 応 す
る 箇 条 、 「私 は唯 一 の 、 聖 、 公 、 ま た 使 徒 の 教 会 を信 じ ・ …
死者
の 復 活 と来 た る べ き世 の い の ち を信 じま す 」 に照 ら して理 解 しな け れ
ば な らな い 。 この 理 由 で 、世 を去 っ た信 者 の 記 念 は 、過 去 と現 在 の 聖
公 会 の ユ ー カ リ ス トの 中 で 、取 り成 しの 一 部 で あ り続 け た の で あ る (英
国 教 会 のAltemativeServiceBook,1980,328頁
以 下 、834頁
以 下 、936
頁 以 下 に あ る 、 葬 送 式 と世 を 去 っ た 信 者 の 記 念 で の ユ ー カ リス トの た
注2. ユ ー カ リ ス ト と結 び つ い た あ が な い と い う 言 葉 の 使 用 例 は 、17世 紀 の ジ ェ
・
レ ミー ・テ ー ラ ー の 著 作 に 認 め ら れ る
。 「こ の 犠 牲 の 執 行 は 、 そ れ が 最 初 に 意
図 され た あ らゆ る 目的 に 等 し く適 っ た 固 有 の 犠 牲 と させ る手 段 で あ る と い う
こ とが そ れ に続 い て 生 ず る 。 そ れ は聖 職 に よ っ て 行 わ れ る の で 、 有 効 な もの
と さ れ る あ が な い の 手 段 で あ る 。 す な わ ち そ れ は ユ ー カ リ ス ト的 で あ り 、 し
た が っ て 畏 敬 と賛 美 の 行 為 で あ り、 か つ ま た 今 行 わ れ る有 効 な もの と さ れ る
犠 牲 の 恩 恵 の す べ て を求 め 、 か つ わ れ わ れ と全 教 会 の た め に 受 け る こ と に な
る の で あ る 。 す な わ ち 、 こ の 礼 拝 は キ リ ス トの 犠 牲 の 記 念 で あ り聖 職 に よ っ
て 執 行 さ れ る の で 、 神 を 讃 え 、赦 しや 祝 福 ま た 必 要 な す べ て が 与 え られ る こ
と を 祈 願 す る よ う定 め られ て い る の で あ る 。」 (DiscourseXIX
一8一
,4)
め の 典 礼 面 の取 り扱 い も参 照 )。
聖 座 の 回 答 は 、 キ リス トの 臨 在 につ い て の わ れ わ れ の 合 意 を喜 ん で
認 め て い る : 「ユ ー カ リス トの 祈 りを 唱 え る前 に は 、 『こ れ は何 か 』
とい う質 問 に対 し、 信 仰 者 は 『これ はパ ンで あ る』 と答 え る 。 ユ ー カ
リス トの 祈 りが唱 え られ た あ とで は 、 同 じ質 問 に対 し信 仰 者 は 『これ
は真 実 に キ リス トの 体 、 生 命 の パ ンで あ る と答 え るの で あ る」。 (
ユー
カ リス トの 教 理 解 明6)。 回 答 は ま た 「ユ ー カ リス トが 『(ご 自分 の )
教 会 に対 す る主 ご 自身 の 真 実 の賜 物 』(
ユ ー カ リス トの教 理8) で あ り、
ま たパ ン とぶ ど う酒 が キ リス トの か らだ と血 に 『な る』 (
ユ ー カ リス
トの 教 理 解 明6) と い う断 言 は 、確 か に カ トリ ック信 仰 の 線 に則 して
解 釈 で き る」 こ と を認 め て い る。 回 答 が 求 め て い るの は た だ 、臨 在 の
仕 方 につ い て何 の あ い ま い さ も残 らな い よ うに 、 何 らか の 明示 をす る
と い う こ とで あ っ た 。 回 答 は 、パ ン とぶ ど う酒 と い う地 上 的 な現 実 が
「キ リス トの か ら だ と血 、 霊 魂 と神 性 とい う現 実 」 に変 わ る こ と を 問
題 と して い る。 委 員 会 は準 備 の段 階 で 、 カ トリ ッ ク教 会 の カ テ キ ズ ム
(1992) (No.1376)で も繰 り返 して い る トリエ ン ト公 会 議 の 定 義
(DS
1642,1652) を慎 重 に検 討 した 。 トリエ ン トの 公 会 議 は 、 キ リス トの 霊
魂 と神 性 が 、 そ の か らだ と血 と と もにユ ー カ リス トの 中 に臨 在 して い
る と述 べ て は い る が 、 地 上 の パ ン とぶ ど う酒 の 現 実 が キ リス トの 霊 魂
と神 性 に変 換 す る こ と につ い て は語 って は い な い
(DS1651) 。 霊 魂 の
臨 在 は 自然 に伴 う こ とで あ り、神 性 は位 格 的結 合 の 力 に よ る。 回 答 は 、
キ リス トの 「実 体 的 な」 臨 在 につ い て 語 り、 これ を素 材 (
パ ン とぶ ど
う酒 ) の 中 で の 実 体 的 な 変 化 の 結 果 と して い る 。委 員 会 は 、実 体 変 化
につ い ての脚 注 に よ って 、 「
神 が ユ ー カ リス トの 中 で働 き、 素 材 の 内
的現 実 に変 化 を起 こ し」 ・… ・・ま た 、 神 秘 的 な 、根 本 的 な変 化 が起 こ
る と い う信 仰 を 、何 ら無 視 して い な い こ と を 明 らか に した の で あ る。
パ ウ ロ6世
は 『ミス テ リウ ム フ ィデ イ』 (AAS57,1965) の 中 で 、実 体
変 化 が 表 そ う と して い る こ と を保 ち 、反 映 して い る か ぎ り、 新 しい 言
葉 が 用 い られ た と して も この 変 化 を表 現 す る 目新 しい道 が認 め られ る
こ と を否 定 しな か っ た 。 これ が わ れ われ の 取 り上 げ方 法 で あ っ た 。『
最
終 報 告 』 は い ろ い ろ な箇 所 で 、パ ン とぶ ど う酒 の 中 に生 きて い る キ リ
ス トが 真 に 、ま た現 実 に臨 在 して い る と信 じて い る こ と を示 唆 して い
一9一
る 。 実 体 変 化 と い う言 葉 は脚 注 の 中 に しか 現 れ な い が 、 『最 終 報 告 』
は 、 トリエ ン ト公 会 議 が 、 そ の 討 議 か ら明 らか で あ る通 り、 明 らか に
この 用 語 を用 い て 意 図 して い た こ と を、表 現 しよ う と望 ん だ 。
祝 福 され た サ ク ラ メ ン ト (
聖 体 ) の 保 存 は 、 病 人 、 臨終 の 人 、 不 在
の 人 の拝領
(
陪 餐 ) の た め に 、 わ れ わ れ の 両 教 会 で 行 わ れ て い る。 回
答 が 表 明 して い る こ とで 、 聖 公 会 と ロ ー マ ・カ トリ ック教 会 の 間 に は
キ リス トの サ ク ラメ ン ト的 臨 在 の 礼 拝 に 関 す る真 の 合 意 が 見 られ な い
の で は な い か とい う危 惧 は 、 慎 重 に 分析 す る必 要 が あ る。 東 方 と西 方
の 教 会 の 場 合 に も見 られ る よ うに 、慣 習 の相 違 は必 ず し も教 理 の相 違
を意 味 しな い 。 問 題 は サ ク ラ メ ン トの 保 存 に あ る の で は な く、 これ と
結 ば れ た 信 心 、12世 紀 以 降 西 方 教 会 で ユ ー カ リス トの 典 礼 の枠 外 で 発
達 した信 心 に あ る。 今 日 まで こ う した信 心 は東 方 教 会 で は行 わ れ て は
い な い 。 ま さに 同様 に 、 教 会 の 最 初 の 千 年 間 に も行 わ れ て い な か っ た
の で あ る。 しか しな が ら、 キ リス トの 臨 在 に 関 す る信 仰 は東 方 も西 方
も 同 じで あ っ た し、 今 も同 じま まで あ る 。 明 らか な こ とだ が 、信 仰 と
慣 習 と の 区 別 が 特 に こ こ に 当 て は ま る 。 わ れ わ れ は 、 あ る聖 公 会 の
人 々 が 、 サ ク ラ メ ン トの 真 の 目的 を あ い まい に しな い か と心 配 し、 こ
う した信 心 の慣 習 に 問題 を感 じて い る と い う事 実 を 認 め る。 しか し、
「わ れ わ れ が ユ ー カ リス トの 中 で 礼 拝 す る キ リス トは 、 父 な る神 に栄
光 を帰 した も うキ リス トな の で あ る」 (
ユ ー カ リス トの教 理 解 明8) と
い う力 強 い 断 言 は 、 あ の 文 書 の 著 者 た ちの 頭 に は 、 キ リス トの臨 在 を
否 定 す る気 持 ち な ど あ る はず は な い こ と、 しか もキ リス トの サ ク ラ メ
ン ト的 臨 在 の 礼 拝 と結 び っ い た信 心 の 慣 習 に 賛 成 を た め ら う人 々 に す
ら な い こ と を 、 明 らか に示 して い る。 サ ク ラ メ ン トの保 存 の た め の 配
慮 は 、司 牧 の状 況 に した が って 聖 公 会 の 内 部 で も見 られ る。 た と えば 、
英 国 聖 公 会 で は 、 教 区 主 教 の 権 限 で規 制 され て い る。
1662年 の 『
英 国聖 公 会 祈 祷 書 』 は 、 聖 別 され た パ ン とぶ ど う酒 は恭
し く扱 わ な けれ ば な ら な い とす る、 聖 公 会 の 歴 史 が示 す 教 え を権 威 を
も って 表 現 して い る。陪 餐 (
拝 領 )の 後 、儀 式 規 定 は 、司 式 者 が 「
主の
食 卓 に戻 り、恭 し く、 聖 別 され たパ ン とぶ ど う酒 の残 りを そ の 上 に置
一10−
一
き 、 汚 れ の な い 麻 布 で 覆 う」 と指 示 して い る 。 注 記 は さ ら に 「司 祭
は …
祝 福 の 直 後 、恭 し く、 これ を食 べ 、 ま た飲 み 干 す」 と述 べ て
い る。 こ う した 畏 敬 の 念 は 聖 公 会 の態 度 と して 定 着 して お り 、 聖 な る
陪餐 (
聖 体 拝 領 )制 定 の 感 謝 の 日 (
聖 木 曜 日)の 特 祷 も次 の よ うに祈 っ
’て い る :
「永 遠 に い ます 全 能 の 父 よ 、 この 尊 い 聖 奥 の う ち に 、 み 子 イ エ ス ・キ
リス トの 受 難 の 記 念 を残 され た こ と を 、感 謝 します 。 ど うか キ リス ト
の体 と血 の 聖 な る奥 義 を畏 れ敬 い 、 あが な い の実 を 自 らの うち に悟 り 、
生 活 の 中 に現 す こ と が で き ます よ う に。 父 と聖 霊 と と もに一 体 で あ っ
て世 々 に生 き て 支 配 して お られ るみ 子 イ エ ス ・キ リス トに よ っ て お願
い い た します 。」3
奉仕職 と聖職叙任
聖 座 の 回 答 は 、 奉 仕 職 と聖 職 叙 任 に 関 して 「
意 義 深 い 合 意 」 が得 ら
れ た こ と を認 め て い る 。 こ れ に励 ま され て 、 わ れ わ れ は そ こで 求 め ら
れ た解 明 を しよ う と思 う。
叙 任 に よ る奉 仕 職 に つ い て 、 回 答 は 、 国 際 委 員 会 に対 して 、 次 の 断
言 を よ り明 確 に説 明 す る よ う求 め て い る。
a) 有 効 に叙 任 され た 司 祭 だ け が 、 「キ リス トの 名 代 と して 」 振 る舞 い 、
ユ ー カ リス トの 中 で 、 「キ リス トの あ が な い の犠 牲 をサ ク ラ メ ン ト的
に」 さ さげ る奉 仕 者 と な り得 る。
b) 新 しい 契 約 の 祭 司 職 を付 与 す る聖 職 位 の サ ク ラ メ ン トの 制 定 は 、
キ リス トに 由 来 す る 。 そ れ ぞ れ の 聖 職 位 は 「単 に教 会 が制 定 した も
の」 で はない。
c) 「司 祭 叙 任 の 刻 印 [character]
は 、キ リス トの祭 司 職 に か た ど られ て い
注3.AlternativeSerViceBook,1980,929頁
訳 文 は 日本 の 現 行 祈 祷 書
参照 。
(1990年 ) 聖 木 曜 日 特 祷
一11一
(214頁 ) よ り
る こ とを意 味 す る。」
d) 司 教
(主 教 ) 職 の継 承 と使 徒 の教 え が 中 断 す る こ と な く続 い て い
る こ と は 、 お互 い に原 因 結 果 の 関 係 に あ る よ うな使 徒 継 承 。
国 際 委 員 会 の合 意 に と って 、 決 定 的 に重 要 なの は 、叙 任 に よ る奉 仕
職 が 教 会 の 本 質 的 要 素 で あ り、 司 教
(
主 教 ) に よ っ て叙 任 され た 司 祭
だ け が ユ ー カ リス トを司 式 す る とい う こ とで あ る (
奉 仕 職 と聖 職 叙 任
解 明2) 。 『最終 報 告 』 は一 度 な らず 、 ユ ー カ リス トの 執 行 が 、 (
上記の
よ うに ) た だ一 度 だ け行 わ れ た 十 字 架 上 の キ リス トの 御 父 へ の 自己 奉
献 の 、 サ ク ラメ ン ト的 な記 念 で あ る と述 べ て い る 。 ユ ー カ リス ト的 記
念 の 執 行 に お い て 、 キ リス トの 自己 奉 献 が 現 前 され る。 キ リス トの 名
に お い て 祭 儀 を司 式 す るの は 、 叙 任 に よ る奉 仕 者 で あ り、 これ を囲 ん
で 集 う共 同 体 は この 自己 奉 献 の 交 わ りに 入 る。 制 定 の 次 第 を語 る こ と
に よ り、 また賜 物 と、 これ を通 して信 者 が 変 化 され るた め に聖 霊 を遣
わ され る よ う、 御 父 に 祈 る こ と に よ り、 ま た聖 な る もの と され た これ
らの 賜 物 を集 ま っ た人 々 に配 る こ と に よ って 、 司 式 す る・
奉仕 者 は 、 キ
リス トご 自 身 が最 後 の 晩 餐 で な さっ た こ と と、 特 別 の サ ク ラ メ ン トに
よ る関係 に立 ち 、十 字 架 上 の 主 の あが な い の犠 牲 を指 し示 す の で あ る。
集 ま っ た 人 々 と と も に 、 しか し特 に 自分 に与 え られ た教 会 で の 役 割 を
遂 行 す る こ と に よ っ て 、司 式 す る者 は キ リス トの サ ク ラ メ ン トと して
の 自 己奉 献 に奉 仕 す る。
回 答 が 詳 述 し完 全 な もの とす る こ と を求 め て い る の は 、 ま さ に今 、
わ れ われ が確 認 して 明示 した 、 キ リス トご 自 身 が聖 職 叙 任 の サ ク ラ メ
ン トを制 定 した とい う 『
最 終 報 告 』 の そ の 部 分 につ い て で あ る 。聖 職
叙 任 に よ る奉 仕 者 た ち に 関 して 『
最 終 報 告 』 は こ う述 べ て い る ; 「彼
らの 召 命 が キ リス トか らの もの で あ る だ けで は な く、 この よ うな奉 仕
職 を遂 行 す る資 格 も」 (
奉 仕 職 と聖 職 叙 任14) 、 教 会 の 中 で 、 教 会 を通
じて 受 け た 「聖 霊 の 賜 物 で あ る」 (
同 前 )。 この よ うに して か れ らは 、
使 徒 た ち が キ リス トか ら直 接 委 託 され た こ と を遂 行 す る。復 活 の の ち 、
聖 霊 は使 徒 た ち の グル ー プ に 、 か れ らが 委 託 され た こ と を遂 行 す る た
め に 必 要 な もの を与 え た 。 かれ らは順 次 主 に導 か れ て 、協 力 者 と後 継
一12一
者 を選 ん だ 。 この 人 々 は按 手 を通 して 、教 会 の 奉 仕 職 の た め の 同 じ賜
物 を賦 与 され るの で あ る。
こ う して サ ク ラ メ ン トと して の奉 仕 職 は 、神 が進 ん で 意 図 した何 も
の か で あ り、 イエ ス ・キ リス トの意 志 と制 定 に由 来 す る。 この こ と は 、
必 ず し もキ リス トが地 上 の 生 涯 の あ る時 期 に直 接 、 間 接 に何 か を され
た とい う こ と を意 味 しな い 。 キ リス トが語 り、行 わ れ た と して 記 録 さ
れ て い る こ と と 、 そ の 内 に秘 め られ た 意 図 、 復 活 され た 後 、 主 の言 葉
の う ち に 、 あ る い は初 期 の 共 同体 を導 い た 聖 霊 を通 して 見 え る形 を と
る まで は 内 に秘 め られ て い た 意 図 との 間 に 、区 別 を設 け る必 要 が あ る。
「
私 は 、 あ な た が た とい た と きに 、 これ らの こ と を話 した 。 しか し、
弁 護 者 、 す な わ ち 、 父 が私 の 名 に よ っ て お遣 わ しに な る聖 霊 が 、 あ な
た が た にす べ て の こ と を教 え、 私 が 話 した こ と を こ と ご と く思 い 出 ざ
せ て くだ さ る」 (ヨハ ネ14:25,26)
。
『最終 報 告 』に は 、聖 公 会 の 公 式 文 書 (
例 えば英 国 教 会 の教 会 法 ,c.1.2)
の うち に 見 い だ され るサ ク ラ メ ン トに よ る 「刻 印 」 [character]とい う
概 念 を排 除 す る意 図 は な い 。 委 員 会 は 、 時 と して誤 って 解 釈 され た 用
語 を 用 い る こ と な しに 、 そ の 理 念 を保 持 す る ほ うが 、 よ り建 設 的 で あ
る と信 じた の で あ る。 『最 終 報 告 』 は 、霊 の 印 と 、 奉 仕 者 た ち の賜 物
と神 か らの 召 命 が 取 り消 し得 な い もの で あ る こ と と を強 調 して い る 。
これ が 、 ア ウ グ ス チ ヌス が 語 り、 トリエ ン トの 公 会 議 が 取 り上 げ (DS
1767,1774)、 『カ トリ ック教 会 の カ テ キ ズ ム 』 (1992) (1582)が 教 え る
「
刻 印 」 の意 味 で あ る。 こ う して 『最 終 報 告 』 は言 う :
「このサ ク ラ メン トの行為 において 、神 の賜 物 は奉 仕職 にあ る者 に授
与 され るが 、 そ こには彼 らの働 きと聖化 の ための神 の め ぐみ の約束 が
伴 って い る。 キ リス トの奉 仕職 は彼 ら自身 の奉 仕職 の た めの原 型 と し
て提 示 され 、 また聖霊 は 自 ら選び聖 別 した人び とに刻印 を しるすの で
あ る。 キ リス トが教 会 をご 自身 と不 可 分 に結 び合 わせ 、 また神 がす べ
て の 信 仰 者 を生 涯 にわ た る弟子 と して 召 して お られ るの と全 く同 様
に、奉仕 職 に あ る者 に対す る神 の賜物 と召命 は取 り消 す ことの で きな
一13一
い もの で あ る。 この理 由 で 、 わ れ わ れ 両 教 会 い ず れ に お い て も 、聖 職
叙 任 は反 復 して行 う こ とが で きな い の で あ る」(
奉 仕 職 と聖 職 叙 任15) 。
聖 公 会 と ロー マ ・カ トリ ッ ク は 、使 徒 伝 承 に お け る諸 教 会 の 交 わ り
が 、 今 日存 在 す るす べ て の 教 会 だ け で は な く、 最 初 の使 徒 的 共 同 体 に
さか の ぼ るす べ て の 過 去 の 教 会 も含 む とい う こ と に 同 意 す る。 この 交
わ りは使 徒 の 信 仰 と使 命 か ら生 まれ た もの で あ るが 、 これ よ り も は る
か に 多 くの もの を含 ん で い る。 教 会 の サ ク ラ メ ン トと して の 性 格 は 、
サ ク ラ メ ン トに よ る連 続 性 、 と くに ユ ー カ リス トの う ち に表 わ され 、
司教
(
主 教 ) との 交 わ りの う ち に具 体 化 す る連 続 性 を求 め て い る :
「時 空 の 拡 が りの な か で 、使 命 と信 仰 と聖 性 に お い て一 つ の 交 わ り
に あ る こ と は監 督
(
司教 ・
主 教 ) に よ って この よ う に象 徴 され 、 保 持
され て い る」 (
奉 仕 職 と聖 職 叙 任16) 。
司教
(
主 教 ) の 奉 仕 職 の 第 一 の機 能 は 、信 仰 と教 え と使 命 に お いて 、
使 徒 の教 会 との 地 方 教 会 の 連 続 性 を守 る こ とで あ る 。 こ う して 、 各 々
の 司教 (
主 教 )聖 職 叙 任 は 、現 代 の 司 教 (
主 教 )た ち を使 徒 の 奉 仕 職 に繋
い で い く継 承 の 線 の 一 部 な の で あ る。わ れ われ は 、ま さに これ が 『教 会
憲 章 』 が表 現 し よ うと望 ん だ と ころ で あ る と信 じる :
「伝承 の証言 によれ ば 、初 めの時 か ら教会 の 中で実 行 され て きた これ
ら種 々の 役務 (
奉仕 職 )の 中で第一 位 を占め るの は、起 源 か らの継 承
によ って続 いて い る使徒 の種 か らの ぶ ど うつ る を持 つ司教 (
主教 )職 に
立 て られ た人 々 の任 務 で あ る。 この よ うに聖 イ レネ ウスが証言 して い
る とお り、使徒 たちか ら司教 (
主 教)に任命 され た人 々 、お よび われわ
れ の 時代 に至 る までの かれ らの後継 者 を通 して 、使 徒 的伝 承 が全世 界
に表 され 、守 られて い る」 (
『教会憲章 』20)4。
委 員会 は、 その関心 は叙任 に よる奉 仕職 の起 源 と本 質 で あって 、誰
が叙 任 され得 るか 、 され得 ないか とい う問題 で はな か った と言 明 した
(
奉 仕 職 と聖 職叙 任 解 明5)。 しか し、回答 は 、女 性 の叙 任 が 、 『
最終
報 告 』 が到達 した と考 えて い る奉仕職 と聖 職叙 任 につ いて の実質 的合
注4.
ラ テ ン語 原 文
一 一14−
一
意 を蝕 んで い るとす る。われ われ は奉仕 職 その ものの 問題 よ りもは る
か に大 きい課 題 に直面 して い るの で ある。 それ は、伝承 との か かわ り
で 、教会 論 と権威 に重 大 な問題 を提 起 して い る。 それ は第2次 国際 委
員会 が検 討 を委託 され た課 題 の一 部 で もあ るの で ある。
[1993年9月
一15一
]
教皇 庁 キ リス ト教一 致推 進評議会
バ チ カ ン市 国1995年3月11日
ProtN.1278/94/e
第2次
国 際 委 員会 共 同 議 長
バ ー ミン ガ ムの 主 教
マ ー ク サ ン タ ー主 教 様
ア ラ ンデ ル ・ア ン ド ・とブ ラ イ トンの 司 教
コ ロマ ック マ ー フ ィー ・オ コ ンナ ー 司 教 様
昨 年9月4日 、 あ な た が た は 、 そ の こ ろ ベ ニ ス で 開 か れ た第2次
国際
委 員 会 の 会 議 で 検 討 され 、 承 認 され た 、 『ユ ー カ リス トと奉 仕 職 に関
す る特 定 の 問題 点 の 明示 』 を含 む文 書 を私 に送 っ て くだ さい ま した 。
この 文 書 は 聖 座 の 関 係 省 庁 の 検 討 に付 され 、 これ を終 え ま した 。 い
ま私 は 、 この 明 示 が 、 第1次
国 際 委 員 会 の 『最 終 報 告 』 に あ る 、再 検
討 を求 め られ て い た ユ ー カ リス トと奉 仕 職 に 関 す る諸 問題 に 、 ま さに
新 しい光 を投 じた と、 は っ き り申 し上 げ る こ と がで き ます 。
そ れ ゆ え 、教 皇 庁 キ リス ト教 一 致 推 進 評 議 会 は 、 第2次
の 委 員 の 方 々 お よ び 第1次
国際 委 員 会
国際 委 員 会 の 委 員 の 中で こ の 明 示 を準 備 し
て く だ さ っ た方 々 に深 く感 謝 して お ります 。 第1次
国 際 委 員 会 がユ ー
カ リス トと奉 仕 職 につ い て 到 達 した合 意 は 、 こ う して大 い に強 化 され 、
現 時 点 で は これ 以 上 の 研 究 は必 要 と しな い と思 わ れ ます 。
これ に 関 連 して 、 た だ 一 つ の 点 につ い て ご注 意 を促 す べ きか と存 じ
ます 。 そ れ は尊 い サ ク ラ メ ン トの 保 存 に関 す る 問 題 で 、 特 に 『明 示 』
の6頁 に あ る正 教 会 (
お よ び東 方 典 礼 の カ トリ ッ ク教 会 )の 慣 行 と聖 公
会 の それ と を比 較 して い る と こ ろで す 。 正 教 会 と東 方 典 礼 の カ トリ ッ
ク は 、 尊 い サ ク ラ メ ン トの 保 存 につ い て 、極 め て は っ き り と した 同 一
形 式 の慣 行 を持 っ て い ます 。 保 存 され て い る サ ク ラ メ ン トに 関 連 す る
一 一16−
一
信 心 につ い て は相 違 が あ る の で す が 、保 存 され て い る サ ク ラ メ ン トの
礼 拝 は 、 正 教 会 とギ リシ ャ の カ トリ ッ クの い ず れ に と って も、 当然 の
こ と と され て い ます 。 あ の 『明 示 』 は 、 こ の こ とが聖 公 会 で は 、
・例 外
な しに 同 じ形 を と っ て い る と言 う こ とが で き る とい う こ と を 、 は っ き
り させ て い る よ う に は思 え ませ ん 。 実 際 『明示 』 は 、 「サ ク ラ メ ン ト
の 保 存 の た め の 措 置 は 、聖 公 会 の 内 部 で 、 司 牧 上 の状 況 に応 じる形 で
見 い だ され る」、 ま た 、 「た と えば 、英 国 聖 公 会 で は 、 教 区主 教 の 権 限
で 規 制 され て い る」 と述 べ て い ま す 。 『最 終 報 告 』 に対 す る聖 座 の 回
答 が 関 心 を示 した の は 、 保 存 され て い る サ ク ラ メ ン トで の キ リス トの
臨 在 と結 び つ く信 心 の 問 題 につ い て で は な く、保 存 そ の もの お よび 保
存 され た サ ク ラ メ ン トに対 す る姿 勢 につ い て の さ ま ざ ま な聖 公 会 の慣
行 が何 を意 味 す る か につ い て で した 。
第1次
国 際 委 員 会 は 、 取 り扱 っ た テ ー マ につ い て 、現 在 まで に特 記
す べ き合 意 に到 達 し ま した 。 この 合 意 の 意 義 と重 要 性 は 、 ひ と え に 第
2次 国 際 委 員 会 の 作 業 が 進 む こ と に よ っ て 、 完 全 に 明 らか に な るで し
ょ う。 この こ と は 、 特 に教 会 に お け る権 威 を取 り扱 っ て い る第1次
国
際 委 員 会 の 『最 終 報 告 』 の 第 三 部 に 関連 した 未 解 決 の 問 題 の 検 討 につ
い て 言 え るの で は な い で し ょ うか 。 で す か ら第2次
国 際 委 員 会 は、 で
き る だ け早 く この 問 題 に取 り組 む べ きで は な い か と思 い ます 。
高 い 評 価 と 、 わ た し個 人 の 心 を こめ た あ い さつ の し る しと して 、
主 に あ って 心 か らあ な た が た の もの で あ る
(一
署名
一)
エ ドワ ー ド ・イ ド リ ス ・キ ャ シ デ ィ 枢 機 卿
議長
一17一
聖 公 会 一 ロ ー マ ・カ トリ ック教 会
日本 委 員 会
「ユ ー カ リス トと奉 仕 職 に 関 す る合 意 文 書 」 の
特 定 の問題 点 の明示
1997年11月1日
発行
翻 訳 ・編 集
聖 公 会 一 ローマ ・カ トリ ック教会
日本 委 員会
発 行者
日本 聖 公 会
エ キ ュメ ニ ズ ム 委 員会
〒162−0805
日本 カ トリ ッ ク
エ キ ュ メ ニ ズ ム 委 員 会
〒135−8585
東 京 都 新 宿 区 矢 来 町65−3
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