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県内企業の海外展開における現状と課題 ~事例紹介

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県内企業の海外展開における現状と課題 ~事例紹介
平成25年度内閣府沖縄総合事務局調査
県内企業の海外展開における現状と課題
~事例紹介~
・・・・・・・・・・・・・・・ 32
平成26年3月
内閣府沖縄総合事務局
総務部調査企画課
目
1.はじめに
次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.海外展開企業事例(企業ヒアリングから)
・・・・・・ 2
(1)企業ヒアリング(五十音順)
・沖縄特産販売株式会社
・沖縄ハム総合食品株式会社
・株式会社オキネシア
・有限会社オフィスりょう次
・オリオンビール株式会社
・金秀バイオ株式会社
・株式会社シャイニーボールホールディングス
・株式会社白石
・有限会社水耕八重岳
・タイガー産業株式会社
・株式会社トリム
・株式会社パラダイスプラン
・八重山殖産株式会社
(2)海外展開における現状と課題(企業ヒアリングから) ・・・・・・ 29
3.支援機関等ヒアリング(課題及び注意点)
4.輸出における国内手続きについて
・・・・・・ 30
・・・・・・・・・・・・・・・ 32
1.はじめに
沖縄総合事務局は、平成24年度において有識者等からなる「沖縄フロンティア
戦略会議」を開催し、その結果を「論点整理」としてとりまとめました。
「論点整理」においては、沖縄の持つ強みである「地域資源」、「知の基盤」、
「地の利」の「沖縄力」を生かし、近年整備されつつある国際物流拠点を中心と
して、沖縄県産品や農林水産物の輸出を一層促進するなど、沖縄を「交易・交流
拠点」として位置付けた海外展開の必要性が挙げられています。
しかしながら、これまで海外展開をしていない事業者においては、各種手続きや
海外展開における具体的事例が一般的に浸透しておらず、”海外展開は難しく、
敷居が高いもの”というように受け止められているのではないかと思われます。
ついては沖縄において、既に海外展開の取組を行っている企業や支援機関等
にヒアリングを行い、事例や課題等をとりまとめました。
海外展開しようとする企業の動機付けの一助となれば幸いに存じます。
内閣府沖縄総合事務局
総務部 調査企画課
1
2.海外展開企業事例(企業ヒアリングから)
(1)企業ヒアリング(五十音順)
○ヒアリング期間
平成25年11月~平成26年3月
○ヒアリング事項
①海外展開対象国名
②海外展開用製品等
③海外展開状況
④海外展開しようとしたきっかけ、経緯、事業の実施を決めた理由
⑤現地の市場調査、マーケティングの方法
⑥現地の法律、規制等の対応状況
⑦国内の協力支援者、支援機関の活用状況
⑧現地における協力支援者、海外ネットワーク等の活用状況
⑨運送に関して(コスト、所用時間等)
⑩インターネット(通信販売)の活用状況
⑪海外展開事業にかかる出荷額、売上髙、経常利益(前年との比較可)
⑫海外展開するにあたって苦労したこと、又はメリット
⑬その他(行政に対する要望)
2
沖縄特産販売株式会社
企業名
沖縄特産販売株式会社
本社所在地
豊見城市字豊崎3番84
事業内容
食品製造・販売
ご対応者
與那嶺憲一海外事業部主任
①海外展開対象
国名
台湾、香港、シンガポール、中国、タイ、(スポット的輸出)アメリカ、ヨー
ロッパ
②海外展開用製
野菜チップス、シークヮーサー飲料、モズク加工食品、玉ねぎ加工食品
品等
③海外展開状況
④海外展開しよ
うとしたきっか
け、経緯、事業
の実施を決めた
理由
⑤現地の市場調
査、マーケティ
ングの方法
⑥現地の法律、
規制等の対応状
況
・野菜チップスは、台湾より野菜等の原料を輸入し加工後輸出
・シークヮーサー飲料は台湾に輸出しているが、シークヮーサーの認知度が低
く、出荷量はまだ少ない
・モズクは、沖縄の漁連より原料を買い付け、当社で加工後輸出。当社の製品の
中では最も海外で売れている
・玉ねぎ加工食品は、日本本土(淡路島等)から玉ねぎを買い付け加工販売して
いる
・アメリカ、ヨーロッパは、日系スーパーに年1回程度(10ケース、20ケー
ス)輸出している。売上が好調であれば今後輸出量を増やしていく予定
・当社の與那覇修会長が若い頃より海外を見聞しており、会社設立後に当社製品
を海外に輸出する等、海外事業を開始した
・海外事業をきっかけとして、沖縄に観光にくる外国人客を当社アンテナショッ
プに呼びたい意向もあった(インバウンドの増加)
・海外で開催される展示会等に出店し、バイヤーや客の反応をみている
・できるだけ海外に足繁く通って販路開拓に努めている。日系商社を通じるとそ
れなりに人件費も抑えることができ手っ取り早いのかも知れないが、自分の足で
稼ぐほうが、自らの経験となって今後の役に立つと考えている
・食品は、国ごとに成分表示の項目が異なることから対応が必要。例えば、香港
は、トランス脂肪酸、不飽和脂肪酸の表示が義務化されている
・中国の上海は、尖閣問題後、通関の手続きが厳しくなった。原材料はどの飛行
機を利用しどのルートで運んでいるのかなど細かく聞いてくることがある。例え
ば、醤油を使用した商品を輸出しようとする場合、醤油の原料である大豆の生産
地や、どのようなルートで仕入れたかどうかなどを確認してくる。また、東日本
大震災の影響で、放射能影響の証明書の提出が義務付けられている。そのため、
商品を中国に輸出するのに、通関で1カ月間留め置かれることもある。税関の担
当者により対応に温度差があり、また、同じ製品でも手続きの度に提出書類が異
なることもある。業者全体に対しての見せしめ的な意味合いもあるのではないか
と思われるが、手続きを煩雑にすることによって、誠実性とやる気のある企業な
のかどうかを見極めているようでもある
・香港、シンガポールは、比較的輸出手続は容易である
⑦国内の協力支
援者、支援機関
の活用状況
⑧現地における
協力支援者、海
外ネットワーク
等の活用状況
沖縄総合事務局農水部に原産地証明書を発行してもらった
・現地代理店や、卸業者から情報を得ている
・代理店に全面的に任せるのではなく、企業が直接開拓するのが海外展開を長期
的に行うには最適であると思われる。積極的に商談会に出店したり、直接小売店
(スーパー)を回ってセールスを行うことが重要。但し、スーパーによっては、
代理店を通すようにとの返答があり、対応してもらえない店もある
3
沖縄特産販売株式会社
⑨運送に関して
(コスト、所用
時間等)
・ANA国際ハブ事業による航空便使用で、台湾、香港へ輸出。沖縄県の補助が
あり、航空運賃は0円。別途燃料サーチャージ料金がかかる
・香港には一部船便を利用しているが、コンテナ使用で1回につき3万円程度で
輸送できる(1kgあたり80円~90円、300kg×90=30000円)
・日本郵便のEMS(国際スピード郵便)を利用し、タイに当社製品を郵送した
⑩インターネッ
ト(通信販売)
の活用状況
⑪海外展開事業
にかかる出荷
額、売上高、経
常利益(前年と
の比較可)
⑫海外展開する
にあたって苦労
したこと、又は
メリット
現時点では、海外からの問い合わせや引き合いはなし
売上高は前年比で増加している
・苦労したこと・・・香港、シンガポールは、日本からの進出企業が多く競争となっ
ており、その中でどのように売り先を確保していくかが課題
・相手国により習慣、言葉の壁があるため、相手国に合わせたパッケージにする
ことも重要である
・メリットとしては、当社の海外展開事業の取組がメディアや情報誌等に取り上
げられることによって、会社全体のプロモーションにもなっている
・輸出の際、相手国がどういう書類が必要なのかどうかを調べるのに苦労してい
る。相手国の輸出手続等の情報が容易に入手できるようになればありがたい
・アジアに海外展開する上で、沖縄の食品については、「黒糖、ちんすこう」の
イメージがなじみすぎている。今後更なる売上を目指すのであれば如何に売り方
を工夫しているのかどうかが重要になる
⑬その他(行政
に対する要望)
・各企業単体で海外展開は難しい。沖縄の青い海、青い空、美味しい食べ物を総
合的にプロデュースすることが大切。各企業が連携して海外展開を図るべきでは
ないか
・現在の、沖縄県の実施しているANA貨物ハブ事業航空運賃の補助について、今
後も引続き継続していただければありがたい
・一方、沖縄県の海外展開関係の事業はソフト面が弱いように思われる。特に若
手の人材育成が重要であり、例えば語学についても、外国語の話せる人材は基地
従業員に流れていってしまっている。企業側の中には、行政機関の補助金制度が
あることでのんびり構えている企業もある。今後は、例えば基地のネットワーク
を生かしたホームステイを行う等、ソフト面についての事業が必要ではないかと
思料する
4
沖縄ハム総合食品株式会社
企業名
沖縄ハム総合食品株式会社
本社所在地
読谷村字座喜味2822番地の3
事業内容
食肉加工品製造販売、.惣菜製造販売、レトルト食品製造販売、乾燥製品製造販
売、飲料製造販売、精肉商品
ご対応者
長濱德勝代表取締役社長
①海外展開対象国名
香港、台湾、シンガポール
②海外展開用製品等
食肉加工品(ハム、ソーセージ)、レトルト食品、冷凍食品、健康飲料、黒
糖、紅芋関連商品
③海外展開状況
・約8年前より海外展開を開始し、6年前より香港向けに食肉加工品等を輸
出。シンガポールには健康飲料及び紅芋関連商品をスポット的に輸出している
・2013年1月、沖縄県物産公社が新しく香港のサプライヤー(卸業者)「ホ
イチョンルン(海昌隆)」と取引開始。香港のスーパーマーケット「パークン
ショップ」に2商品を定番化することとなった。香港は比較的輸出のハードル
が低く、JAPANブランドに対する信頼が厚い
・台湾には健康飲料とレトルト食品を輸出している。現在県内企業と連携して
青切パパイヤ(GABA)やシークヮーサー(ノビレチン)を利用した健康飲料
を台湾に展開するための取組を行っている
④海外展開しようと
したきっかけ、経
緯、事業の実施を決
めた理由
⑤現地の市場調査、
マーケティングの方
法
⑥現地の法律、規制
等の対応状況
⑦国内の協力支援
者、支援機関の活用
状況
⑧現地における協力
支援者、海外ネット
ワーク等の活用状況
貿易自由化による非関税障壁の緩和により、外国産の食肉加工品(ハム、ソー
セージ)の日本への輸入が増加し競争となっていることから、外国へ新たな販
路を開拓する必要が出てきていたところ、沖縄県、沖縄県物産公社及び沖縄県
産業振興公社の支援もあり、海外展開を本格的に進めることとなった
見本市や現地デパートの催事等に出店し売上や客の反応をみる
・添加物の規制(表示義務)が国ごとに異なる。例えば、香港は日本国内で販
売される製品への添加物が禁止されていることから、当社工場内で当添加物を
除外して製造した
・相手国に対しては成分分析表の提出が義務付けられているが、対応はできて
いる
・相手国の規制に合わせて商品パッケージを変更することもある
・以前は、グアムと、ハワイ沖縄県人会やハワイ大学教授の協力の元、アメリ
カのハワイ州に食肉加工品を輸出しようと取り組んだこともあったが、アメリ
カFDA(食品医薬品局)の許可を受けた工場で加工した食肉が輸出の対象に
なるとのことで、当社工場が許可を受けるには非常にハードルが高かったこと
から断念した経緯がある
・精肉の輸出は、食肉加工品と比較しても利益が大きい。沖縄県内企業と連携
し牛肉を香港に輸出したことがあったが、海外用の加工場が沖縄県内になく、
鹿児島に3か所指定されている屠畜場に沖縄から牛肉を輸送し処理しなければ
ならずコストがかかったため現在は同事業は行っていない
・沖縄県物産公社には、販路開拓等サポートをしてもらい助かっている
・沖縄県及び沖縄県産業振興公社のバックアップがある。また、産業振興公社
の研修制度を利用し、英語の話せる人物を半年間当社で研修をしてもらい、正
式に採用を行った。また、海外のサプライヤーを通じ現地企業を紹介してもら
い当社社員を派遣し、今期は1名を2ヵ月間研修を実施した
・沖縄県産業振興公社の海外事務所のサポートを受けている
・日系企業や、現地沖縄出身者と情報交換を行っている
5
沖縄ハム総合食品株式会社
⑨運送に関して(コ
スト、所用時間等)
⑩インターネット
(通信販売)の活用
状況
香港への出荷には、ANAの貨物ハブ事業を活用している
当社の通信販売の売上額は、日本国内も含め全体で1カ月あたり200万円程で
あるが、海外分についてはこれからというところ。昨年は、外国から黒糖の注
文が多かった
⑪海外展開事業にか
かる出荷額、売上
髙、経常利益(前年
との比較可)
2013年は売上髙1500万円であり、2014年は4000万円を目標としてい
る。数年以内に8000万円まで売上を伸ばしたいと考えている
⑫海外展開するにあ
たって苦労したこ
と、又はメリット
約2年前、香港において、定番化直前のドライ(レトルト)商品の出荷が停止
し売上が半分近く減ったことがある。現在は別のサプライヤー(ホイチョンル
ン(海昌隆))と取引しており売上は回復している
・沖縄県等公的機関の支援があり助かっているが、仮に100%の補助制度が
あったとしても、企業側の海外展開に対するスキルが育たず売上が伸びない。
企業側においても積極的に海外展開に取り組む自覚を持つ必要があると思料す
る
⑬その他(行政に対
する要望)
・牛肉を海外に輸出するためには相手国の認可する屠畜場が必要であるが、沖
縄県内に認可屠畜場がないことから本土の屠畜場で処理する必要があり、時間
とコストがかかっている。2年前、沖縄県に対し、海外用の屠畜場の整備を要
請したことがあるが、既存の施設では対応できず新規に建設する必要があり、
建設費も10~20億円必要となることから、予算上対応ができないとの回答が
あった
・マレーシアやインドネシアではハラール食品のニーズがあり研究を行ってい
るが、食品の配合も全く異なり、既存の工場では対応できず新規に設置するこ
とが必要となるため、まだ先のことと思料される
6
株式会社オキネシア
企業名
株式会社オキネシア
本社所在地
那覇市首里金城町4丁目71−12
事業内容
県産素材を生かした自社PB商品の企画開発及び製造、販売
ご対応者
金城幸隆代表取締役社長
①海外展開対象国名
台湾
②海外展開用製品等
水溶性珊瑚乳酸カルシウム『ラグーン』
③海外展開状況
平成23年より、台湾企業にサンゴ由来のカルシウム原料を販売してい
る。カルシウムは水に溶けにくい性質を持っており、県内では加工施設が
ないことから、本土の業者に原料を供給し、製造委託している。本土業者
が台湾向けに輸出している
④海外展開しようとした 会社設立前よりサンゴカルシウムを利用した事業展開を模索していたとこ
きっかけ、経緯、事業の ろ、以前より付き合いのあった台湾企業と事業開始した
実施を決めた理由
事業を開始した平成23年は、円高であったことから利益は比較的大き
かった一方で、東日本大震災の時期とも重なり、台湾側より、放射能検査
⑥現地の法律、規制等の の結果を記載した書類の提出が義務付けられていた。
対応状況
ジェトロの紹介により琉球大学において放射能検査の分析を行うこととな
り、問題なしとの書類を提出、検査をクリアすることができた
⑦国内の協力支援者、支 ジェトロ沖縄、琉球大学
援機関の活用状況
⑧現地における協力支援 ・台湾の取引先企業
者、海外ネットワーク等 ・沖縄県台北事務所
の活用状況
⑨運送に関して(コス
ト、所用時間等)
原料⇒本土の製造メーカー(加工)⇒東京晴海(船便)⇒台湾(基隆、高
尾)
これまで実績はないが、インターネットは今後必要な販売ツールとなると
⑩インターネット(通信 見込まれるため、今後の課題。ホームページの多言語化等、取組を行う必
販売)の活用状況
要がある
⑪海外展開事業にかかる
出荷額、売上髙、経常利 輸出量:平成23年・・・1トン、平成24年・・・1トン
益(前年との比較可)
・苦労したこと・・・外国語(コミュニケーション)にもどかしさを感じる
⑫海外展開するにあたっ 事が多々あった
て苦労したこと、又はメ ・メリット・・・海外市場の販路を持つことで売上増加と経営的なリスク分
リット
散が図れる
当社は企画販売を行っており、製造は他社に委託しているが、その分柔軟
⑬その他(行政に対する な企画開発が可能となっている。また、沖縄という地の利を生かした販売
要望)
(輸出)方法の工夫も必要であるが、まずは商品力を高め、数量の確保を
最優先にすべきと思料する
7
株式会社オキネシア
※海外展開準備中の製品
事業者名
株式会社オキネシア
①海外展開対象国名
フランス、欧州
②海外展開用製品等
カーブチー(沖縄在来柑橘)由来の香水、アロマ・エッセンシャルオイル
③海外展開状況、海外展
・当初から海外展開を考えていた訳ではなく、カーブチーを生産する本部
開しようとしたきっか
け、経緯、事業の実施を 町のミカン業者の高齢化や、生産量減少の問題があったことから、地域お
こしや若手育成の一環としてカーブチーを生かした付加価値のある製品を
決めた理由
考えたことが始まり
・平成17(2005)年にカーブチー由来の香水(UTAKI)を、フラ
ンスで製造、販売開始。沖縄県内では、プラザハウス、カーゴス(モノ
レール牧志駅ビル)に卸売している
・平成21~23(2009~2011)年、農商工連携事業の認定を受け、北
里大学と共同研究を行い、アロマエッセンシャルオイルを開発。動物実験
の結果、沈静効果、リラックス効果のあることが科学的に実証され、
ニューヨーク、ロサンゼルスで開催された学会において論文発表(エビデ
ンスの構築)
・アロマエッセンシャルオイルを、アロマ協会(アロマセラピストの認定
機関)に提供販売。沖縄出身の資格者が20名程おり、オイル普及の担い
手となっている。近年はゆず等の和のアロマが世界的にも注目されてお
り、また高齢化社会に伴いリハビリの一環で使用されるメディカルアロマ
が注目されているところから、カーブチーにも可能性があるとのこと
・沖縄TLOの紹介で、台湾の大学の学者で事業も行っている教授にオイ
ルを紹介。商談進行中
・11月に開催された大交易会プレ交易会の際来沖したフランスの百貨店
(ボンマルシェ)のバイヤーより、当社オイルの評価を受ける
・フランスでは毎年秋に「日本祭」が開催されるが、沖縄県産業振興公社
の職員がフランスに出張した際に、現地でオキネシアの名前が挙がってい
たとのことで、2014年の日本祭に出店しないかとの打診がある
・フランスの香水学校「Cinquieme Sens サンキエーム・サンス」にお
いてもカーブチーオイルを紹介
・今後は、カーブチー由来の新しい香水及びオードトワレを開発する予定
⑥現地の法律、規制等の フランスの、日本でいえば厚生労働省にあたる機関より、パッチテストの
対応状況
結果安全性に問題なしとの認定を受ける
⑦国内の協力支援者、支 農林水産省、経済産業省、ジェトロ沖縄、琉球大学(沖縄TLO)、沖縄
援機関の活用状況
県産業振興公社、日本アロマコーディネーター協会(JAA)及び会員
⑧現地における協力支援 フランス政府、フランス香水学校、フランス在住日本人調香師、フランス
者、海外ネットワーク等 沖縄県人会
の活用状況
⑬その他(行政に対する ・支援機関の実施する海外展開セミナーや支援事業により情報を得ている
要望)
ところであるが、企業側が海外展開において何をしたいのかはっきりさせ
ないと支援策が生かせないと思料する。自社でできるもの、支援機関のサ
ポートが必要なものを明確にする必要がある
・多くの支援により海外展開への道筋が開けているが、最終的には地域が
活性化することが重要と考える。香水(UTAKI)についても、発売当初
はメイドインフランスに付加価値があると考えていたが、香水の製造技術
や機械については沖縄でも十分対応可能であることが分かった。調香師が
沖縄にいない、原料の一部が日本国内で調達できないという課題もある
が、いずれは沖縄県内で香水が製造できるような仕組みを模索していきた
い
・現在、カーブチーの原料は本島北部から那覇市内へ移動・保管し、本社
内で抽出をしているが、いずれは生産地である本部町に、「みかんの里」
としてカーブチーを生かした観光客や地元客の集まる施設をつくりたい。
そうすれば若い担い手も増えることで雇用も増え、地域おこしにもなると
考える
8
有限会社オフィスりょう次
企業名
有限会社オフィスりょう次
本社所在地
那覇市金城5-4-6 通堂本店3F
事業内容
飲食店経営
ご対応者
島尻吉信専務取締役
①海外展開対象 カナダ
国名
②海外展開用製 カナダに沖縄スタイルの居酒屋をオープンし、琉球料理、ラーメン、和食等を提供し
品等
ている
・カナダに現地法人「RYOJI of CANADA Inc.」を設立。2013年1月、カナダ
トロントにラーメン店と居酒屋の両方を備えた飲食店「りょう次」をオープン
・築100年の3階建てアパートの1階に出店。カナダでは地震が少ないことから、
築100年クラスの建物は珍しくない
・店長と料理長と厨房スタッフは沖縄より従業員を派遣。サーバー(ホールスタッ
フ)はカナディアン(カナダ人)を採用
・バンクーバーには居酒屋が多かったものの、2013年オープン当時、トロントには
③海外展開状況 当店以外には居酒屋が数店舗しかなかったが、ここ1年で居酒屋やラーメン店が増加
してきている
・沖縄からカナダへの輸送コストがかかることから、食材は殆ど現地調達。日本食材
を取り扱ったスーパーマーケットを利用している。沖縄そばとラーメンの麺はカナダ
産小麦を使用し、現地会社に製麺を依頼。島豆腐やかまぼこは当社が現地で手作りし
ている。泡盛等日本のアルコール、沖縄の塩、そうめん、調味料等は日本商社(キッ
コーマン小会社・大阪港よりカナダバンクーバー、トロントに輸出)を通じ調達して
いる
・約10年程前より海外展開を構想していた
・カナダ「りょう次」の上地店長がカナダのワーキングホリデーにより留学した経験
④海外展開しよ があり、玉城料理長がアメリカの飲食店勤務の経験があったこと、島尻専務の親戚が
うとしたきっか オタワに住んでおりカナダの情報が得やすかったことが契機となり、中国上海、タ
け、経緯、事業 イ、アメリカロスアンゼルスも検討したが、最終的にカナダ出店を決めた。カナダに
の実施を決めた は居酒屋文化が浸透しておらず、沖縄スタイルの居酒屋とラーメンをカナダに広めた
理由
いと考えた
・カナダは法人税が安いことも進出の理由の一つである
⑤現地の市場調 カナダ「りょう次」の上地店長のカナダ在住の経験を元に、人脈を生かした情報収集
査、マーケティ
ングの方法
を行った
・【契約等】カナダ人弁護士を採用し手続きを行った。例えば、店舗の賃貸契約につ
いては建物オーナーの弁護士と当社弁護士が行った
・【衛生法】衛生許可については、日本に比べカナダの保健所の許可はすぐ下りな
かった
・【アルコールライセンス】酒を取り扱う場合、カナダではアルコールライセンスを
取る必要があるが、取得に最低半年はかかる。出店した場所は以前レストランとなっ
ており、前経営者よりライセンスを買い取ったことから取得に時間はかからなかった
⑥現地の法律、 ・【消防法】当初は2012年にオープンを予定していたが、カナダの消防法の規制が
規制等の対応状 日本より厳しいこと等で許可が遅れ、4カ月程オープンが遅れた。オープン迄に、沖
縄から派遣した従業員の給与や、居住のための家賃代等、予想外の経費がかかったこ
況
とから、プロモーションのための予算がなくなり充分に宣伝ができなかった
・【酒税】カナダは酒税が高い(但しワインは安価である)。日本商社を通じて泡盛
や日本酒を仕入れているが、泡盛は4合瓶で6000円程度となる。泡盛は40度が主
流だがアルコール度数が高くなると酒税も上がることから、当社と取引のある沖縄の
泡盛製造会社に20度で泡盛を製造するよう依頼している。また、カナディアンは日
本酒を好むが、一方でオリオンビールのリクエストもあり会社担当者に相談したが、
カナダへのオリオンビールの輸出量が少ないことから他社のビールで対応している
9
有限会社オフィスりょう次
⑦国内の協力支 公的支援機関にも相談に行ったが、出店後の相談だったことが理由なのか不明である
援者、支援機関
の活用状況
が支援が受けられなかった。今後改めて相談することを検討している
⑧現地における ・カナダには沖縄県人会があり、トロント支部カミヤマ氏を通じ、月1回程度情報交
協力支援者、海
外ネットワーク
等の活用状況
換を行っている。沖縄三世、四世が集まることもある
・バンクーバーの沖縄県出身者とも情報交換を行っている
⑨運送に関して 出店にあたり、店内に設置する沖縄の赤瓦、シーサー、琉球ガラス等の沖縄の工芸品
(コスト、所用
時間等)
等を那覇港から船便でカナダにコンテナで輸送した。到着までに約1カ月程要した
が、特にハードルはなく、問題なかった
⑩インターネッ フェイスブックを活用し、店舗について紹介や宣伝を行ったり利用客と情報交換等を
ト(通信販売)
の活用状況
行っている
・一月につき約1500万円の売上げを目標としているが、2013年1月のオープン
⑪海外展開事業 後、夏場の売上は好調であったが、冬場は大寒波(気温マイナス20~30℃)のため
にかかる出荷
額、売上髙、経
常利益(前年と
の比較可)
目標を下回った。今後、夏場に向けてメニューの見直しを検討している
・当初の想定よりランチタイムの客の入りが少ない。当店の立地がリトルイタリーの
ダウンタウン(繁華街)のビジネス街から離れた位置にあることから、仕事の休憩時
間(カナダは日本と同じ1時間程度)時に利用しにくいことが分かった。現在ビジネ
ス街にアンテナショップを出店することを検討している
・カナダの法律や規制へ対応するため、予想外の経費がかかる等の苦労があった
※⑥参照
⑫海外展開する
にあたって苦労
したこと、又は
メリット
・メリットとしては、トロントは居酒屋が増えていることから、当店がカナダのメ
ディアに取り上げられる機会が増えてきている
・当店がカナダを訪れる沖縄からの留学生や旅行者の集う場となりつつある。今後は
ワーキングホリデー利用の留学者の受入れ先となり、店でアルバイトをしながら英語
やフランス語が学べるような拠点づくりを行っていきたい
・当社が飲食店を開業した際は、軌道に乗せるまでの期間を通常1年としているが、
カナダでは3年程度かかるとみており、最初の1年目は日本からスタッフを派遣して
いるが、2年目より現地スタッフを増やしていき、3年目は現地スタッフのみの経営
を予定している。今後は、カナダで5、6店舗を展開し、アメリカも視野に入れた進
出ができればと考えている
⑬その他(行政
に対する要望)
・「Cool Japan/クールジャパン」の沖縄版のような、行政主催による沖縄のコン
テンツを紹介するようなイベント「沖縄ウイーク」を開催できれば、カナダ国内のみ
ならず北米全体(アメリカ)に沖縄の情報を紹介することが可能となる。以前、トロ
ント国際映画祭において沖縄の空手映画が上映されたが、関連して沖縄観光コンベン
ションビューロー(OCVB)の依頼でカナダ「りょう次」でも出演した俳優をゲスト
として映画の上映会を行ったことがある。店内にプロジェクターを設置していること
から、場所を提供することも可能である
10
オリオンビール株式会社
企業名
オリオンビール株式会社
本社所在地
浦添市字城間1985番地の1
事業内容
ビール類製造販売、清涼飲料販売
ご対応者
大久保竜也外販部次長、森山康外販部外販課長
①海外展開対象
国名
台湾、香港、シンガポール、中国、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、
ニュージーランド、マレーシア、タイ、インドネシア、ロシア 等
②海外展開用製
オリオンビール
品等
③海外展開状況
④海外展開しよ
うとしたきっか
け、経緯、事業
の実施を決めた
理由
⑤現地の市場調
査、マーケティ
ングの方法
⑥現地の法律、
規制等の対応状
況
・2013年は、台湾、香港、シンガポール、中国、アメリカ合衆国(LA、NY、
サンフランシスコ、サクラメント、ハワイ)、カナダ(バンクーバー)、オース
トラリア(メルボルン、シドニー)、ニュージーランド(オークランド)、マ
レーシアに出荷。ロシアにもスポット的に輸出。2014年1月に初めてタイへの輸
出を開始
・香港では日系飲食店を中心に約70店舗、百貨店、スーパー等は約400店舗で販
売されている
・台湾では日本料理店向けの業務用が主要であり、樽生ビールの出荷が中心。ま
た缶類では日系百貨店やコンビニエンスストアにて期間限定で販売している。
・中国(深圳)にも出荷しているが、尖閣問題の影響を受け一時出荷が途絶え、
2013年8月より出荷再開。現在は主に日系百貨店で販売されている
・2014年は、タイへの出荷を開始。年内を目処にインドネシアやロシア(極東地
区)への輸出開始を目指す
・日本のビールメーカーは世界市場での戦略として海外の企業と提携又はM&A
を行い、現地生産へシフトしているが、メイドインジャパンの味や品質にこだわ
る消費者、料飲店や量販店より、日本産のビールの需要がある。当社は沖縄県内
での製造であり、安心・安全且つ日本国内と変わらない品質と味のビールが提供
できることを強みとしている
・1960年代より台湾にビールの輸出を開始したが、出荷量は少なかった。約20
年前より海外に日本料理(沖縄料理含む)の店が増え、ビールの需要が高まった
ことから1995年より出荷が増加。7~8年前より本格的な海外展開に取り組ん
でいる
・ASEAN諸国において、EPA(経済連携協定)が締結され、輸入関税撤廃の動
きが出てきていることも海外展開の追い風となっている
・当社独自で海外への市場開拓を行っており、市場調査のため社員を現地に派遣
し取引候補企業にヒアリングを行っている。現地のローカルディストリビュー
ター(卸売業者)を活用し、日本のビールメーカーとの競合を避け、独自の市場
を確保している
・ジェトロの支援を受け、現地のインフラや物流ルートの情報を収集している。
また、沖縄県物産公社と連携して市場開拓を行っている
・ジェトロ海外事務所や、ローカルディストリビューターより現地の商習慣等の
情報を得ている
・商品デザインについては当社オリジナルを使用しているが、商品の外箱につい
ては海外仕様にデザインしている
・国ごとに成分表示の表記が異なることから、相手国に合わせ成分を記載した
シールを商品に貼る事や必要表記を記載したPB缶を製作し、対応している
11
オリオンビール株式会社
⑦国内の協力支
援者、支援機関
の活用状況
⑧現地における
協力支援者、海
外ネットワーク
等の活用状況
⑨運送に関して
(コスト、所用
時間等)
⑩インターネッ
ト(通信販売)
の活用状況
⑪海外展開事業
にかかる出荷
額、売上髙、経
常利益(前年と
の比較可)
⑫海外展開する
にあたって苦労
したこと、又は
メリット
⑬その他(行政
に対する要望)
・香港においては2014年1月に沖縄県、沖縄県物産公社、沖縄県産業振興公社、
沖縄観光コンベンションビューローと連携し、沖縄の観光と当社商品のプロモー
ション活動を共同で展開した
・ASEAN諸国へのカーゴ構築事業(中小企業課題解決地域連携プロジェク
ト)として沖縄県産業振興公社の助成を受け、県物産公社やその他県内企業と連
携したプロモーション活動を実施した
・沖縄県産業振興公社海外事務所及び海外駐在員、ジェトロ海外事務所より、現
地の情報提供やバイヤーの紹介及び選定を行う際の支援を受けている
・アメリカ、豪州などでは県人会とのネットワークを構築。 米国は現地の日系
企業「MUUTAL TRADING CO.,INC./共同貿易」を中心に取引を行っている。
・香港、シンガポール、タイ、マレーシア、オーストラリアではローカルディス
トリビューターと連携
・台湾には、沖縄県人会会長でもある諸喜田社長の運営するパレット貿易(日系
商社)を通じ販売している
・輸送ルートは、名護工場→那覇港→海外
・輸送はほぼ100%船便を利用。イベント等で緊急に出荷する場合等にANA貨
物ハブ事業を利用し出荷することもある。(沖縄県物産公社にて)
・ハワイに輸送する際は、沖縄から船便で3週間かけて一旦アメリカロサンゼル
スに行き、ハワイに戻る航路であることから、4~5週間を要することがある
・ロシアに出荷した際,、輸送、荷揚げに3ヵ月近くを要した
現在当社では活用していないが、オーストラリアでは国土が広大であることから
通信販売でのニーズがあり、ディストリビューター側で通信販売を運営しオリオ
ンビールを販売しているとのこと
・2013年4月~2014年3月の海外向け出荷数量は、前年比130%増加で着地
する見込み。次年度(2014年4月~2015年3月)の販売数量は前年比170%
増を目標としている
・当社の売上髙の比率は、県内87%、県外13%でそのうち海外は2%程度
・外貨リスクを防止するため、円立てでの支払いを行っている
・メリットとしては、海外展開することでオリオンビールのブランドが世界中に
広がることとなる。また、海外販路を開拓し出荷量が増えることで、当社工場の
稼働率も上がることが期待される
・当社社長(嘉手苅義男代表取締役社長)が海外展開に積極的で、トップセール
スを行っており、海外事業に対しても理解がある
船舶での輸送が多いことから航路の安定が課題。また、円安の進行による原油の
高騰が運賃に転嫁されている。ANA貨物ハブ事業においてはコンテナ代の助成
があるが、船舶のコンテナに対しても充実した助成があれば、商品のプロモー
ションの経費を増やす余裕ができることから、海外展開が進めやすくなる。今後
は船舶貨物の支援についても力を入れていただけると助かります。
12
金秀バイオ株式会社
企業名
金秀バイオ株式会社
本社所在地
糸満市西崎町5丁目2−2
事業内容
健康食品の製造・販売
ご対応者
松野朝昭営業部執行役員部長、佐々木努営業部営業課長、萩田なるみ営業部営
業課社員
①海外展開対象国名
香港、台湾、シンガポール、インドネシア、韓国、中国、ロシア、マレーシ
ア、ベトナム、フィリピン(9カ国)
②海外展開用製品等
健康食品(アガリクス、フコイダン、ウコン関連が中心。特定保健用食品の
「ファイバーセブン」はロシアに出荷)、もろみ酢、青汁 等
③海外展開状況
展開方法としては、①沖縄県物産公社などの日本商社を通じ販売、②グループ
会社である金秀商事を通じての販売、③当社から海外への直接の販売がある
④海外展開しようと
したきっかけ、経
緯、事業の実施を決
めた理由
⑤現地の市場調査、
マーケティングの方
法
⑥現地の法律、規制
等の対応状況
⑦国内の協力支援
者、支援機関の活用
状況
⑧現地における協力
支援者、海外ネット
ワーク等の活用状況
⑨運送に関して(コ
スト、所用時間等)
元々沖縄県物産公社と取引があり、台湾にあった公社のアンテナショップ(わ
したショップ)や、台湾三越への物産展に出展する話がきたことをきっかけと
して、2002年より事業開始
沖縄県産業振興公社の補助を用いて海外への展示会(フード台北)等に出品
し、バイヤーや客の反応をみる
・健康食品については、国によって成分の表示項目が異なることから成分表の
提出が必須となっており、当社も現地の輸入代行業者に成分表を提出してい
る。例えば、台湾は長命草(サクナ)は薬扱いとなり、香港では甘味料のステ
ビアは添加物として認められていない
・中国では健康食品のカプセルは食品としては認められなくなったことから、
これまでより輸出のハードルが高くなった(これまでは、カプセルは中国でい
う「一般食品」に分類されていたことから輸出は容易であったが、現在では
「保健食品(日本でいう特定保健用食品)」に分類が変更され、手続が難しく
なった)
・商品のパッケージは相手国によって変更することもあるが、国内版のパッ
ケージに現地の表示等のシールを貼って対応することもある
・日本名ですばらしいネーミングの商品でも、現地ではイメージが悪い意味合
いになることもあるので、気を使うところである
・ジェトロの事業を利用し、貿易アドバイザーを活用
・国、沖縄県、中小企業基盤整備機構より、渡航費、広告費の補助を受けてい
る
・金秀グループの呉屋守將会長がWUB沖縄の役員でもあり、また、金秀グ
ループ呉屋秀信創業者の夫人の人脈により、ペルーやアルゼンチンとも交流が
ある(呉屋守將会長が在沖縄ペルー名誉領事となっている)
・沖縄県産業振興公社の研修制度を利用。中国語の話せる人物を1年間当社で
研修をしてもらい、正式に採用を行った(その他に多言語を使用できる社員が
数名在席)
・沖縄県産業振興公社の海外事務所や、ジェトロ海外事務所からは、海外渡航
の際現地でのサポートをしてもらった
・船便での輸送が多い
・一部ANA貨物ハブを利用し、サプリメントを空輸している。沖縄県の補助事
業により、コンテナ借り上げ費用の補助を受け助かっている
・商品は比較的軽量なので、運賃の費用が負担になることはない
13
金秀バイオ株式会社
⑩インターネット
(通信販売)の活用
状況
⑪海外展開事業にか
かる出荷額、売上
髙、経常利益(前年
との比較可)
・当社ホームページを、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語で作成。
個人や企業からのメールや電話での問い合わせが週に1回程度入ってくること
がある
・日本の商社に卸売している当社商品の問い合わせが入ることもあり、その場
合は商社に連絡をして対応してもらっている
・売上は前年比111%。短期的目標として当社売上全体の2割を海外売上とし
ており、まだまだ増大の余地はあると見込む
・当社はさとうきびのバガスを利用した健康食品の販売から始め、次第に販路
を拡大していったが、東日本大震災の影響や法律改正等で韓国、中国等の売上
が減少し厳しくなっている。今後は香港、台湾に重点を置く予定
・苦労したこと・・・国ごとの規制のハードルが高いことがあり、要求事項が多い
が対応はできている
・いかに信用に値するパートナーを探すかどうかが課題。以前、取引先の間で
商習慣により取引の住み分けがなされていることがあり、商談がまとまりかけ
た段階で白紙に戻ったことがある
⑫海外展開するにあ
たって苦労したこ
と、又はメリット
・メリット・・・日本国内において法律の規制がかかり表示できない効能効果で
も、海外では法律が異なることから効能効果がうたえる場合もある
・健康食品は国によって流行りすたりがある。アメリカが最初ブームになり、
2年後日本で流行、その2年後台湾でブームになることがある。海外に販路拡
大を行うことで、流行をキャッチし商品を投入することが可能となる(1国で
ブームが去り売上が減少したとしても、別の国に販路を拡大する等、リスク回
避の効果が見込まれる)
・ANA国際ハブ貨物の補助事業について、今後も引続き継続していただきたい
⑬その他(行政に対
する要望)
・食品関係の展示会に出品しているが、一般の食品と異なり健康食品は摂取目
的も異なる上に、価格帯も食品と比較して高額になることから、デパート、
スーパーに一般食品と一緒に陳列しても客に浸透しづらい面がある。(スー
パーに来る客は食品購入を主要目的として来ているので、価格の高い健康食品
は受け入れられにくい)
・海外では健康食品の見本市も開催されている。こうした見本市への出店補助
があれば、さらに販路は拡大できるものと期待
・北海道では優れた機能性健康食品に対して認証する制度がある。(「北海道
食品機能性表示制度-ヘルシーdo!」沖縄でもこうした認証制度があれば大きな
助力になると思われる
(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/sss/ks/hyouziseido.htm)
14
株式会社シャイニーボールホールディングス
企業名
株式会社シャイニーボールホールディングス
本社所在地
糸満市西崎町5-14-11
事業内容
産業廃棄物処分中間処理業、生ゴミ残渣環境リサイクル処理業、SBH真空醗酵
乾燥装置製造・販売、MJT汚濁水処理システム製造・販売、シャイニー波動蘇
水システム製造・販売
ご対応者
前田初雄技術顧問(シャイニーグループ会長)、末吉正幸代表取締役、徳嶺勝
信常務取締役(シャイニーベトナム社長)
①海外展開対象国名
ベトナム、韓国、香港、フィリピン
②海外展開用製品等
浄水装置システム(MJTシステム)、浄水器
③海外展開状況
・ベトナム(2007年シャイニーベトナム設立)、韓国、香港、フィリピンに
合弁会社を設立し、浄水装置システムを製造、販売
・2012年、ベトナムホーチミン市に工場を建設。当社で製造した浄水装置の
部品をベトナムに輸出し、工場で組み立てを行っている
・外務省の2013年度政府海外援助(ODA)事業を採択し、ベトナムで排水処
理設置調査を行っている(ODAを活用した中小企業等の海外展開支援に係る委
託費事業)
・現在、アフリカからも浄水装置の引き合いがあり、交渉中
④海外展開しようと
したきっかけ、経
緯、事業の実施を決
めた理由
⑤現地の市場調査、
マーケティングの方
法
⑥現地の法律、規制
等の対応状況
・前田会長は元々アメリカの石油会社(モービル)において石油プラントのエ
ンジニアの仕事をしていた。西アフリカ諸国、アラブ諸国で仕事をする中で、
飲料水の確保に苦慮している国が多いことが分かった。元々は油関係が専門
だったが、アフリカにおいて、三菱商事との発電所共同開発の際赤土汚濁水を
浄化する装置を開発したのがきっかけで、浄水装置を製造するようになった
・平成15年、シャイニーボールホールディングス設立(前身はシャイニーワー
ルド)
・前田会長が石油会社勤務時代の仲間のつてで東南アジアを回っている時に、
水事情が悪いことが分かった。また、徳嶺常務は以前沖縄の貿易会社に勤務し
ており、シャイニーボールの機械を取り扱っていた。ベトナムも水源地の汚染
による河川の汚濁がひどく、飲料水の水質が悪いことがわかり、ベトナムで事
業を開始することとなった
・当社の浄水システムはセラミックを使用し、汚染水を分子レベルで分解・イ
オン化し有害物質を吸着させて除去する方式を取っており、フィルターを使用
していないことから、フィルター交換の必要がなく、機械の故障も少ない。ま
た機械自身で定期的に水流による内部洗浄を行うしくみとなっていることか
ら、メンテナンスの回数が少なくて済む。更に、水圧を利用した運転への切り
替えにより電力無しの操作も可能で、発電装置を建設する必要がないことから
設置コストが安価に抑えられる(特許取得済)。これらのことから、河川の汚
染がひどく、コストを抑えたい相手国側のニーズにマッチした
・相手国の政府機関の実施するコンペティションに応募、或いは売り込みを行
う。ビデオで説明しながらプレゼンテーションを行った
・相手方に浄水機のデモンストレーション実演を行い機械の紹介をしたり、無
料で貸出して使用してもらい売込みを行っている
・浄水装置を輸出すると高い関税が課せられることから、コストを低く抑える
ため部品を輸出し、ベトナムの工場で組み立てしている
・ベトナムは法律が頻繁に代わる国であり、取引を進める上でシステムが複雑
で様々な人が介在していることから、対応のためベトナム人の顧問弁護士を置
いている。また、ベトナム政府の外資系企業への対応は特に厳しく、法律に対
応できないと罰金等のペナルティを科せられることもある。大手企業に比べ、
中小企業はコンサルタント等他者に任せっきりになってしまうと、相手国側の
規制に引っ掛かり損害を被ることとなるので、自社で主体的に法律や規制に対
応する意識を持つことが重要である
15
株式会社シャイニーボールホールディングス
⑦国内の協力支援
者、支援機関の活用
状況
⑧現地における協力
支援者、海外ネット
ワーク等の活用状況
⑨運送に関して(コ
スト、所用時間等)
⑩インターネット
(通信販売)の活用
状況
⑪海外展開事業にか
かる出荷額、売上
髙、経常利益(前年
との比較可)
⑫海外展開するにあ
たって苦労したこ
と、又はメリット
前田会長及び徳嶺常務の人脈を活用
前田会長及び徳嶺常務の人脈を活用
・本社工場→那覇港→ベトナム(船便利用)
・コンテナは混載されており、運賃が割高となっている
・沖縄経由の船便の運賃が高い。東京-ベトナム(ホーチミン)間より、東京
-沖縄間の運賃が高くなっている
現在自社ホームページをリニューアル中であることから、特に活用はしていな
い
・売上は年々増加しており、今年も、ベトナムのドンナイ省内の学校790校
に浄水器を設置することとなった。今後、ベトナムの他省からも発注が入るこ
とが期待され、更なる売上増加が見込まれる
・他国からの注文も増えているが、人員の関係で全ての注文に対応できていな
いのが現状である
・苦労したこと・・・事業が軌道に乗るまで、相手国に対し、当社は信用に足る企
業であると納得してもらうことに苦労した。相手国の政府機関は様々な国の企
業から売り込みが入ることから、品質面、価格面のハードルを高くしている。
信用を得るには、企業の規模を拡大する以前に技術力を高め、売込む製品の品
質を高めることが重要と考える。当社は、日本国(沖縄県)内から少しずつ実
績を伸ばしていった(ホテル、病院等に納入)ことによって、相手国政府機関
の信用を得ることができた
・メリット・・・当社の製品を使用することにより水が浄化され、これまで水で
困っていた相手国の生活の質が向上することから、当社が社会的に貢献してい
ることとなる。ひいては相手国のみならず日本国の発展にも寄与することがで
きる
・実際にベトナムでビジネスを行っている上での実感であるが、海外展開のた
めには、語学力、人材、資金力が必要であり、企業1社のみではコストがか
かっているのが現状である。大阪市や北九州市の事例のように、実際は企業が
動くにしても、名義上は行政側が前面に立って、中小企業から構成されるチー
ム(企業は入れ替えがあってもよい)で相手国に当たることができれば、海外
展開の時間がかなり短縮される(大阪市の事例はかなり成功していると思
う)。1社で動くのと行政側が前面に立つのとでは、海外展開にかかる時間に
1~2年の差の開きがある
⑬その他(行政に対
する要望)
・また、行政が企業に対し、この企業は信用に足る企業であるとする、お墨付
きの証明書(「レター」)を発行する認証制度があれば、海外展開もし易くな
ると思う。韓国は、海外展開を国家プロジェクトと位置付けていることから、
企業に「レター」を発行して積極的に海外展開支援をしている
・現在の沖縄県の海外展開関連の支援制度は、企業が海外活動することに対す
る費用の補助金に重点が置かれているように思われる。沖縄県も海外に積極的
に出向き、併せて沖縄の観光をアピールすれば、ベトナムの国民は旅行好きで
あり日本に親しみを持っていることから、沖縄への外国人観光客の増加が見込
まれることにもなる
16
株式会社白石
企業名
株式会社白石
本社所在地
那覇市西1丁目19番1号
事業内容
油脂燃料の販売、オートガス・プロパンガスの製造
および販売、不動産開発、ガス設備の設計・施工
および配管工事一式
ご対応者
喜屋武盛淳営業推進部長
①海外展開対象 中国
国名
②海外展開用製 沖縄県産品を中心とした日本製品
品等
・沖縄県産品を中心とした日本製品を取り扱った、銀聯オンライン公式ショッピン
グモール「銀聯在線商城」の日本館の中にある「沖縄如意百貨商店」を運営。
2012年11月にオープンし現在出品企業は30社となっている
・「沖縄如意百貨商店」のほか、「沖縄海洋高級名品店」(カヌチャリゾートのプ
③海外展開状況 ロモーション)、「Ryuspa Japan」(㈱ポイントピュールの商品を販売)を運営
している
http://www.shiraishi-oki.jp/img/120105ginren.pdf
※⑩参照
④海外展開しよ
うとしたきっか
け、経緯、事業
の実施を決めた
理由
・以前から取引のあった、㈱富士通マーケティング・エージェントと中国銀聯グ
ループの業務提携に伴い中国向けのビジネスを検討していたところ、2011年3月
に正式に中国銀聯公式ショッピングモールへ日本館がオープンする事となり、当社
が沖縄代理店として契約(2011年11月)
・銀聯モールは現在、①中国館、②日本館(沖縄含)、③台湾館、④米国館のサイ
トがある。日本館運営は、㈱China Commerce(チャイナ・コマース/㈱富士通
マーケティング・エージェント等出資会社)が行っている
・銀聯は中国政府主導で設立された銀行カード連合組織であり、銀聯カード所有者
は6億人以上となっている。中国への販路拡大に取り組んでいる沖縄県産品取扱企
業に対し、①安心できる決済システム、②安心できる物流、③安心できるサポート
システム(コールセンター)を構築する事により、沖縄県内企業が、安心・安全に
中国への販路開拓・マーケティングの提供が可能と判断し参入を決定した
⑤現地の市場調 ・China Commerceによる現地市場調査、マーケティングのコンサルを受けている
査、マーケティ ・銀聯グループや提携銀行主催の中国での展示会に出店し客の反応をみる
ングの方法
・法律や規制については、㈱富士通マーケティング・エージェント、㈱China
Commerce及び銀聯グループの上海銀聯電子支付服務有限公司(China Pey/ネッ
ト決済専門会社)により対応している。中国語表記の訂正の連絡や、もろみ酢や化
粧品等については、中国の法律に合わせた成分表示が求められたりすることがある
が、対応できている
⑥現地の法律、 ・個人輸入扱いであることから、通関におけるハードルは低い
規制等の対応状 ・中国国内ではインターネットで「沖縄」を検索することが容易でなく、沖縄の情
況
報が得られにくい
・中国においては化粧品などの販売許可の取得が非常に難しく、対象商品を中国で
検査する必要があることなどから、輸入商品に対する承認は数少ないと言われてい
る。通信販売の個人輸入については販売権の取得は必要ないことから、ポイント
ピュールの銀聯モール出店につながっている
・㈱富士通マーケティング・エージェント、㈱ChinaCormmerce、㈱創創(China
⑦国内の協力支 Peyと提携)のアドバイス支援を受けている
援者、支援機関 ・沖縄県の一括交付金事業や、沖縄県産業振興公社の海外派遣時の旅費の補助を受
けたりセミナーに参加することもあるが、海外展開事業の要件に該当せず支援を受
の活用状況
けられないこともあった
17
株式会社白石
・日本郵便のEMS(国際スピード郵便)を利用。日本館の商品については物流セ
ンターを設けており、陸路→空路で運んでいるが、沖縄は島しょ県で離れているた
め、沖縄のみ独自で日本郵便と連携している。沖縄から北京、上海までの所要日数
は1週間程度と比較的短い
・China Cormmerceが上海にコールセンターを設置しており、問い合わせやトラ
⑨運送に関して ブルに対応している。商品が手元に届かない場合、EMSで追跡サービスがあり配
(コスト、所用 送状況を把握することが可能だが、中国国内での詳細な配送状況はChina
Cormmerceが追跡調査を行うこともある
時間等)
・出店企業が梱包し発送(郵便局が無料集荷)しているが、オープン当初は購入者
より泡盛の瓶が破損していたとの連絡が入ったこともあった。梱包方法を外国用に
工夫するよう対策を取ったため、現在は破損の連絡はない
・注文した商品数が異なっていたり、運送の過程で商品の「中抜き」が行われたこ
ともあったが、EMSで2万円まで保障する制度がある
・2012年1月「沖縄海洋高級名品店」オープン⇒カヌチャリゾートのプロモー
ションを主な目的として運営、カヌチャオリジナルアメニティ等を販売、物品登録
数は40品目
・2012年3月「沖縄如意百貨商店」オープン⇒沖縄県産品を中心に、県内から出
品企業を募集し商品を掲載・販売を行う。物品登録数は230品目となっており、今
後500品目を目標としている
・2013年3月「RyuspaJapan」オープン⇒㈱ポイントピュールの「Ryuspa」コ
⑩インターネッ スメブランド商品を登録販売。物品登録数17品目
ト(通信販売)
の活用状況
・出品にかかる費用は、1商品あたり1万円。掲載についての中国語への翻訳やレイ
アウトデザイン、構成等は原則当社が行っている
・銀聯カード会員がインターネットで注文を行い、事前に料金を支払った後(デ
ビットカード方式)、日本館でとりまとめを行い出店企業が商品の発送をEMSで行
う
・現在「中国銀聯モールを活用した中国販路開拓」支援キャンペーンの一環で、①
登録料②利用料③翻訳料 などの特別料金を設定し参加企業の募集を行っている
・販売状況;2年目の販売個数が月間40個~80個。1年目に比べると売上も3倍
⑪海外展開事業 増になったが、通信販売で中国向けの販路開拓をするには、解決する課題が多々あ
にかかる出荷
額、売上髙、経
常利益(前年と
の比較可)
る
・銀聯モールが開設して約3年と日が浅く、中国国内の通信販売では後発組であり
知名度も含めこれからというところ
・今年の春節においては贈答品としての購入が多かった。また、キャンペーン商品
として出品すると良く売れる傾向がある
・中国国内における沖縄の知名度が低い。また、中国国内のインターネットで「沖
縄」を検索しても容易には出てこないことから、銀聯モールの沖縄店まで中々アク
セスできない
⑫海外展開する ・空輸での輸送となっていることから、送料が高額となっており、価格設定に苦慮
にあたって苦労 している半面、関税、税金等の輸出のコストがかからないメリットもある
したこと、又は ・尖閣問題や中国情勢の影響で、数年前は沖縄県内企業の中国通信販売における不
メリット
安感が払拭できず出品企業の参加が鈍かったが、最近は持ち直してきている。昨年
中国の見本市等のイベントに参加したが、中国側の反応は上々であり、尖閣問題の
影響は感じられなかった
・行政側の、海外向け通信販売による販路開拓の取組が弱いように思われる。中国
客が沖縄の情報を手軽に入手できるよう、中国国内でサーバーを構築しドメインを
取得、沖縄関係のウェブサイトを構築するための支援が必要である
・店舗での販売とは異なり通信販売は実際に商品を手に取る機会がないことから、
外国客への商品のPR方法が課題。2013年より中国からの観光客が前年比で増加
⑬その他(行政 してきていることから、那覇空港国際線やクルーズ船旅客ターミナルにおいて、外
に対する要望) 国客対象の販売会を開催したり、通信販売を紹介したパンフレットやチラシを設置
できないだろうか。或いは飛行機の機内誌に広告を掲載することで、沖縄県産品の
知名度も上がっていくものと思料する
・出店企業より商品の商標登録についての問い合わせがあり対応しているが、海外
での商標登録に関する助成金制度があれば、海外展開に取組む企業も増えていくと
思われる
18
有限会社水耕八重岳
企業名
有限会社水耕八重岳
本社所在地
名護市中山894番地の9
事業内容
ゴーヤー茶および関連製品の開発・製造
ご対応者
大畑雅也営業部課長
①海外展開対象国名
台湾、香港(見本市等へのスポット的輸出)
②海外展開用製品等
業務用ゴーヤー茶、販売用ゴーヤー茶
③海外展開状況
・約5年前より海外事業開始。台湾の企業(耐斯企業(ナイスグループ))
に業務用ゴーヤー茶を輸出、現地で加工し、台湾内においてゴーヤー配合飲
料「分解茶」を販売。パッケージデザインも現地で対応。(価格競争により
コストを低く抑える必要がある。現地で加工するほうがコストが安くあがる
ため)
・台湾の達正食品に対し、沖縄県物産公社を通じゴーヤー茶を販売
・香港においては、沖縄見本市が開催された時にゴーヤー茶をスポット的に
輸出
④海外展開しようとし
たきっかけ、経緯、事
業の実施を決めた理由
⑤現地の市場調査、
マーケティングの方法
⑥現地の法律、規制等
の対応状況
⑦国内の協力支援者、
支援機関の活用状況
当社のホームページを見た台湾の耐斯企業(ナイスグループ)が、当社の
ゴーヤー茶の品質が良いと評価し取引を打診してきた
台湾で開催される沖縄フェア(見本市)に出店しゴーヤー茶を販売。同時に
台湾内で市場調査を行い、展開可能であると判断した
耐斯企業(ナイスグループ)は、台湾においては日本でいうところの特定保
健用食品を取り扱う企業であるので、台湾国内での信頼性は高い。現地にお
いては、成分分析表や農薬に関する書類の提出を求められたため、日本国内
の分析機関に依頼。何度か書類の訂正があったものの、特に大きな問題はな
かった
制度等の相談のため、沖縄県物産公社、沖縄県産業振興公社、日本貿易振興
機構(JETRO)を活用
⑧現地における協力支
援者、海外ネットワー
ク等の活用状況
⑨運送に関して(コス
ト、所用時間等)
⑩インターネット(通
信販売)の活用状況
⑪海外展開事業にかか
る出荷額、売上髙、経
常利益(前年との比較
可)
台湾企業(ナイスグループ)と連携しながら事業を行っている
・ANA国際物流ハブ(航空便)を利用してからは、より早く現地に製品を
輸送することが可能になった。一度にまとまった量(コンテナ1~2個分、
500kg)を輸送していることから、コンテナ調整が入ることもあるものの
殆ど問題はない
・当社から那覇空港には自社のトラックで輸送している。(大手運送会社へ
の委託は費用がかかるため)
インターネットは制約があり活用していないが、当社の運営するゴーヤー
パークを訪れる香港の観光客が増えており、土産品として購入されるゴー
ヤー茶の販売量が増えている。香港観光客に対するインターネット通信販売
ができないかどうか、検討を行っているところである
5年前の発売当初は商品がかなり売れ、最初の1~2年は売上が良かった
が、現在は一服感があり次第に売上及び台湾への出荷量が減ってきている。
新たな商品を開発しなければいけないと考えている
19
有限会社水耕八重岳
⑫海外展開するにあ
たって苦労したこと、
又はメリット
⑬その他(行政に対す
る要望)
・苦労したことは言葉(英語、台湾の繁体語)。最初は言葉の問題により相
手方との交渉の際価格を引き下げられる等、当社のペースで商談が進められ
なかった。達正食品との価格交渉やパッケージ料の設定についても最初は苦
労した。
・また、相手方、人と人とのつながりをどう構築していくのかが重要。いか
に相手方の要望を聞き、コストを安くした上で、自社の利益も出すような、
ウィンウィンの関係をどう築いていくのかが重要となる
・メリットとしては、様々な国をまわっていくことによって、海外のサプラ
イヤーと出会う機会が増え、取引方法を知る等、いろいろを学ぶことができ
た。また、ゴーヤーは日本のみならずアジア各地で栽培されているため、ア
ジア各地のゴーヤーの栽培状況を直接見ることができた。(アジア各国に比
べ、沖縄のゴーヤーは農薬を使用していない分だけ品質が良いことが分かっ
た)
沖縄県産業振興公社等から現地の渡航及び宿泊費用の助成が半分ほどあり助
かっているが、半分は会社の負担であり、海外展開を行うには、商品のPR
の前にまず沖縄についてのPRから始めなければならず、時間と費用がか
かっているのが現状である。
沖縄では近年、外国クルーズ船の来航による外国客が増えてきており、ター
ミナルビル等で、クルーズ客を対象とした商品のテスト販売を行うことはで
きないだろうか。テスト販売を行うことで、客の好みや販売傾向を分析する
ことが可能となり、マーケティングを行う上での参考にもなり、海外渡航の
ための費用も軽減され、時間も短縮できる。テスト販売ができないかどう
か、行政において検討していただきたい
20
タイガー産業株式会社
企業名
タイガー産業株式会社
本社所在地
うるま市字州崎12番地11
事業内容
建築・土木資材等製造卸売
ご対応者
島袋太悟代表取締役社長
①海外展開対象国名
中国(工場)、香港(貿易会社)
②海外展開用製品等
当社の中国工場が、日本に資材を輸出する外に、販路拡大のため独自で中国市
場を開拓。中国企業よりごみ収集用コンテナ、ナットの注文依頼を受け製造。
当社グループ内の売上に貢献している
③海外展開状況
中国に現地法人を設立。自社工場を建設し建築資材等を製造。香港においては
貿易会社を設立
④海外展開しようと
したきっかけ、経
緯、事業の実施を決
めた理由
⑤現地の市場調査、
マーケティングの方
法
⑥現地の法律、規制
等の対応状況
⑧現地における協力
支援者、海外ネット
ワーク等の活用状況
⑨運送に関して(コ
スト、所用時間等)
・当社は約3万点の建築資材等を取り扱っているが、前社長(島袋盛義会長)
が、コストカットを図るため外国からの資材の導入を決め、当初台湾、中国、
韓国のメーカーを回り資材を輸入。しかし資材の品質が悪いことから、現地中
国において資材の検品を行う工場を建設することとなった
・当時中国の南寧市には開発地区が設けられており立地企業を募集していたこ
とから、当社が入居することとなった。南寧市はサトウキビ産業が盛んであ
り、気候も温暖で沖縄に似ている土地であったことも工場立地の決め手となっ
た
・中国工場は当初部品の検品を行っていたが、品質が向上しないことから検品
をやめ、中国において自社製造することとなった
・中国工場の運営は、当初日本から現地に指示を出していたが、製造計画等の
マネジメントが上手くいかず現場が混乱した。今年より、生え抜きの中国人管
理者を現地会社の副社長(副総経理)に抜擢したところ、工場の生産性が上
がってきている
前社長である島袋会長が各国をまわりトップセールスを行った
・当初、南寧市の開発地区に敷地5,000㎡の工場を建設した(南寧泰格金属製
品有限公司・南寧タイガー)が、その後開発地区周辺に住宅が増えたことか
ら、工場の稼働に支障をきたすこととなり、南寧市より代替地の提供を受け
(敷地約11,000㎡)新工場が建設された(広西盛虎金属製品有限公司)
・当社の日本国内での製造部品は日本の建築基準法に合わせ製造されたもので
あることから、中国の基準に合わずそのまま出すことができない。現地の規格
に合わせて製造することが必要となる
・中国の通関が、尖閣問題の影響で日本企業に対するチェックを厳しくするこ
とがある(常時ではなく、担当者次第とのこと)
当社島袋専務が南寧市出身で、父親の人脈を活用したことから南寧市との調整
が上手くいった。また、沖縄華僑華人総会等の招きで中国の要人が沖縄に招待
されることがあり、島袋専務が通訳及び案内を行っている
・本土から沖縄へは船便で資材を運んでいるが、沖縄から本土への船便は資材
を積載せず空の状態であるにもかかわらず、運賃が高い
・現在中城湾港に船の定期便が入っておらず、資材を那覇港に陸送しているこ
とからコストがかかっている。(現在沖縄県事業により、中城湾港から本土ま
での貨物船1便を実験的に運航)船をチャーターすることは1社のみではコス
ト的にかなり難しい。また、中城湾港には資材を保管する仮の倉庫の整備もな
されていない。中城湾港の整備が完了し定期便の運航が可能となれば、那覇港
までの陸送分のコストがなくなり、負担軽減されることとなる
21
タイガー産業株式会社
⑪海外展開事業にか
かる出荷額、売上
髙、経常利益(前年
との比較可)
⑫海外展開するにあ
たって苦労したこ
と、又はメリット
・中国工場は当初黒字とされていたが、経理の計上ミスで実際は工場稼働時か
ら今年まで赤字。今年に入り、中国人管理者を副社長にした頃から黒字転換へ
の兆しが見えてきている。工場の売上は一時期より下がっているが、生産性が
上がったことから利益は上がってきている(現時点ではプラスマイナスゼロ)
・資材の輸入に関しては、円安傾向が続いていることから利益は下落傾向
・当社は、沖縄県以外に大阪、東京、仙台にも営業所があり、関連会社のタイ
ガー工業㈱もあることから、1営業所が赤字となっても他で利益が上がる等、
相互補完されており、全体的には増収増益となっている
工事は工期が重要であり、全体の工事費のうち3~4割は人件費であることか
ら、1日でも資材が調達できず工事がストップした場合でも人件費を支払わな
ければならないことから、資材の調達は重要事項である。当社は、海外に工場
を建設し全国に営業所を持つことで資材を充実させており、例えば朝に注文を
受ければ同日の昼前には資材を届ける迅速対応が可能であることから、建築業
者の信頼を得ている。結果的に工事業者の雇用の確保に貢献している
・当社は営業力、企画力は良いが、中国工場の混乱をみるにつけ、経営のマネ
ジメントや社員の意見の集約が図られなかったことが課題であると考えたこと
から、現在軌道修正を図っている。(島袋社長は)空手道場の道場主でもある
ことから、日頃の鍛錬により、会社運営は人材によるところが大きいと考え
る。マネジメントは勿論のこと、海外展開においては長期的にみると人材育成
が必要。当社会長も中国語は殆ど話せないが、持ち前のバイタリティで現地と
交渉を行った。沖縄の先人達のように、海外に出ていくグローバルな視点を
持った人材(「琉球人材」)を育成する必要がある
⑬その他(行政に対
する要望)
・中城湾港新港地区工業団地においては、入居企業は増えているものの、業種
にばらつきがあることから事業者間の連携が取れておらず個々の活動となって
いるため、工業団地からの出荷が増えない一因となっている。また、港湾の整
備に関しては国や県、工業団地内の保安については警察、更には工業団地自体
がうるま市と沖縄市の2市にまたがっていることから、統一的な運営がなされ
ていない。(沖縄県のサポートセンターがあるものの、国際物流拠点産業集積
地域内の企業がサポートの対象)団地を統一的に運営できるような支援機関が
あれば、長期的には出荷量も増えていくものと思われる
22
株式会社トリム
企業名
株式会社トリム
本社所在地
那覇市宇栄原1丁目26番地23号
事業内容
食品流通販売、環境改善商品、教育事業、リサイクル事業、飲食事業部
ご対応者
坪井巖代表取締役社長
①海外展開対象国名
台湾、中国、ベトナム、タイ、バヌアツ、ニュージーランド
②海外展開用製品等
多孔質軽量発泡資材(軽石)「スーパーソル」及び製造プラント
③海外展開状況
・廃ガラスを再生した多孔質軽量発泡資材(人工軽石)「スーパーソル」を製造
するシステムで、外務省の政府海外援助(ODA)案件化調査事業を採択。ま
た、島しょ型環境システム海外展開推進事業では、平成24年度はバヌアツ共和
国で雨水貯留システムの導入調査、平成25年度はタイのピー・ピー・ドーン島
(ピピ島)において調査を行い生活排水浄化処理システムの導入を目指してい
る
・海外の企業よりスーパーソルについての引き合いがあり、実証実験用に輸出
することがある
・台湾は10年以上前より交流を深めてきているが、交渉が上手く進まなかった
ところ、交渉相手を代えたことから弾みがついて話が進みつつある
④海外展開しようと
したきっかけ、経
緯、事業の実施を決
めた理由
等
・環境問題への関心が世界的に高まっている中、海外よりスーパーソルについ
ての問い合わせや引き合いが増えている。ODA事業を採択し調査を行っていく
うち、排水や水の水質に問題のある国が多いことが分かった
・当社は北海道から沖縄まで13拠点に地域から排出される廃ガラスを利用した
スーパーソル製造のための廃ガラス再資源化プラントを設置している。廃ガラ
スの処理に苦慮している国からは、プラントを設置することで水環境が向上す
ると共に廃ガラスの処理も可能となることから引き合いがあり、特に発展途上
国についてはニーズがあると判断した
・沖縄からスーパーソルのみを相手国に輸出するには、製品の特性上多大なコ
ストがかかることから、今後は海外に廃ガラス再資源化プラントを設置し、
スーパーソルの現地生産を目指している
マーケティングの方
法
・ODA事業による調査
・沖縄県の主催する県産品拡大事業の一環で、東南アジア(ベトナム、タイ、
インドネシア)やアメリカにおいて展示会が実施された。当社も出店し、来場
者の反応や感触を知ることができた
⑥現地の法律、規制
ジェトロの事業により専門家を派遣してもらい、アドバイスを受けている
⑤現地の市場調査、
等の対応状況
⑦国内の協力支援
者、支援機関の活用
状況
沖縄県、沖縄県産業振興公社、ジェトロ、JICA、沖縄総合事務局より支援
を受けている
⑧現地における協力
支援者、海外ネット
ワーク等の活用状況
⑨運送に関して(コ
スト、所用時間等)
現地の日本人在住者より情報を得たり、ネットワークを活用している
・スーパーソルは人工軽石のため1個当たりの重量は軽いものの、大量に使用
する必要があることから全体の容積が大きくなり、沖縄から海外に出すとなる
と輸送コストがかかり事業にならない。例えば、ニュージーランドからサンプ
ル出荷の引き合いがあった際に20ftコンテナに積み込みした商品代金が30
万円に対し、運送コストが36万円かかった
23
株式会社トリム
(通信販売)の活用
状況
・当社ホームページを英語、中国語、ベトナム語、で作成している。
・また、スーパーソルを紹介したプロモーションビデオを作成し、Youtube/
ユーチューブに投稿している。(英語、中国語、ベトナム語、タイ語、インド
ネシア語)ユーチューブを見た外国の企業から問い合わせが入ることもある
⑫海外展開するにあ
・最初は相手国の担当者と交渉していたが、先方に細かなニュアンスが伝わら
ず交渉が上手くいかなかったことがあることから、日本人を介した交渉をして
いる
⑩インターネット
たって苦労したこ
と、又はメリット
・メリットとしては、ODA事業を採択したことを契機として海外へのビジネス
チャンスが広がると共に、当社の技術で相手国の問題が解決し、相手国から感
謝されることにもつながると考える
・沖縄で、輸出のためのL/C決済(信用状)を直接取り扱っている地方銀行が
ない(沖縄へ輸入するためのL/C決済の取扱はある)
・那覇港の使用料が日本全国の港湾と比較しても最も高い。また、輸出手続き
について、那覇港で適正に書類提出を行ったにもかかわらず、手続きが遅れる
場合があると聞いている
⑬その他(行政に対
する要望)
・沖縄から輸出を拡大させていくためには、上記2点について行政側が検討を
行っていく必要があるものと思料する。現状では、当社は全国に製造プラント
を設置していることから、沖縄からではなく日本本土から輸出を行ったほうが
コスト上も時間的にも有利である
・沖縄は島しょ県であるが、アジアへの地の利が良いことから、日本本土への
展開も海外展開も、海を渡るという意味では同じであると考えている。琉球王
国時代に交易を行っていた先人のDNAを現代にも活用する位の気構えを持て
ば、海外展開への道も開けていくものと思われる
24
株式会社パラダイスプラン
企業名
株式会社パラダイスプラン
本社所在地
宮古島市上野字野原1190-188
事業内容
製塩事業、生活関連事業、観光事業
ご対応者
西里長治代表取締役社長
①海外展開対象国名
台湾、香港等
②海外展開用製品等
製塩(「雪塩」)
③海外展開状況
・台湾に業務用塩「雪塩」を輸出しているが、今年台湾との合弁会社が台湾
三越に塩の専門店「塩屋」をオープン
・代理店を介しオーストラリア、ドイツ等に輸出
塩の専門店「塩屋」は、沖縄県内の4店舗に加え東京に2店舗展開している
したきっかけ、経緯、 が、本土進出と同時に海外展開も既に視野に入れていた。海外においては、
事業の実施を決めた理 塩は日本国内より「品質のいい塩は体に良い」という考えはまだ浸透してい
ない国が多く、健康に良いイメージで売っていくことが重要である
由
④海外展開しようと
西里社長が各国を回りトップセールスを展開。見本市などのイベントは、バ
イヤーとの商談の機会を逃すと次の機会を設けることは難しいことから、ス
⑤現地の市場調査、 ピード感が必要。出店する際は予め輸出やインフラ等を調べておき、イベン
マーケティングの方法 ト時には契約の準備まで行い、直ちに商談に入ることが可能な状態にしてい
る
⑥現地の法律、規制
等の対応状況
・台湾に合弁会社があることから、合弁会社より現地情報や法律の対応等を
依頼
・香港においては、貿易発展局(HKTDC)の日本国内の機関が大阪、東京
にあり、現地の情報提供や手続き等のサポートをしてもらった。また、えん
グループの又吉代表とも情報交換を行っている
⑦国内の協力支援
者、支援機関の活用状 沖縄県産業振興公社より支援を受けている
況
⑧現地における協力 沖縄県産業振興公社の台湾及び香港事務所には現地情報提供やサポートをし
支援者、海外ネット
てもらった
ワーク等の活用状況
⑨運送に関して(コ
スト、所用時間等)
宮古島より航空便で那覇市の当社倉庫まで塩製品を空輸。日本本土や海外に
は船便で運んでいる。倉庫内のストックを増やさないようにするため計画的
に空輸を行っているが、迅速な運送は可能なもののコストはかかっているこ
とから、将来的には船便での輸送を検討している
当社のメールにアジアのみならず欧米からも問い合わせがある。また、取引
したいとの商談が持ちかけられることもあるが、インターネットを介した取
(通信販売)の活用状 引はこれから。今後は、外国語に対応した自社ホームページを作成する計画
況
である
⑩インターネット
⑪海外展開事業にか
かる出荷額、売上髙、 台湾、香港、オーストラリア共に売上高は前年比で伸びている。当社全体の
経常利益(前年との比 売上高からすると貢献度はまだ低い
較可)
25
株式会社パラダイスプラン
・商談がまとまりかけた時点で取引先の名前を出したところ、当社とは取引
しないと白紙になったことがある。いかに信頼に足る商社、代理店等のパー
⑫海外展開するにあ トナーを探すことが重要となる
たって苦労したこと、 ・海外展開するにあたり語学力は必要。また、海外にも通用するような人材
又はメリット
が必要である。当社も外国人を雇用しており、「塩屋」を訪れる外国人観光
客へ対応している
⑬その他(行政に対
する要望)
・帝国データバンクの海外企業データのように、海外の企業のデータや与信
情報が手軽に入手できればと思料する
・海外企業との交渉の際、当社が信用に足る企業であるとするお墨付きのよ
うな制度があれば、交渉もより行い易くなると思われる
26
八重山殖産株式会社
企業名
八重山殖産株式会社
本社所在地
石垣市白保287-14
事業内容
クロレラ及び藻類の生産・加工・販売
ご対応者
石垣輝彦営業部営業一課課長
ヨーロッパ(イギリス、オランダ、ドイツ、ベルギー、チェコ、オーストリア、
①海外展開対象 スイス、ブルガリア、スウェーデン、フィンランド、スロベニア)、北米(カナ
国名
ダ、アメリカ、メキシコ)、大洋州(オーストラリア、ニュージーランド)、ア
ジア(中国、韓国、マレーシア、シンガポール)
②海外展開用製 クロレラ(淡水産葉緑藻類)粒及び粉末
品等
・約20年前より、ヨーロッパや北米向けにクロレラ粉末及びバルク(粒)を開
始し、現在20カ国に輸出している。海外では、「ヤエヤマクロレラ」の名称が
定着している
・2011年中国企業と専売権契約を行い、当社がパッケージデザインも含め製
造したPB商品を中国国内に約800店舗を展開する薬局「同人堂」(約1800年
③海外展開状況 前に創業)で取り扱うこととなった。ドラッグストアや百貨店でも展開する予定
である
・2013年12月、沖縄県内で初めて当社製品がハラール認証を受けた。今後、
ムスリム圏への新規開拓も期待される
・クロレラはヨーロッパで需要が高いが、今後はアジアについても力を入れてい
く予定
④海外展開しよ ・約20年前、商社を通じて、アメリカアナハイム市で開催されている
うとしたきっか
け、経緯、事業
の実施を決めた
理由
「Natural products Expo West(ナチュラル・プロダクト・エキスポ・ウエス
ト)」にサンプルを持ち込んだ。翌年から商社の担当者を付け当社単独で出展
し、顧客獲得を展開した
⑤現地の市場調 ・アメリカ、ヨーロッパ(スイス)の展示会に出展し、ブースに訪れる顧客と情
査、マーケティ
ングの方法
報交換した
・ラべリング等のパッケージデザインについては、日本で行うとコストがかかる
こと、現地の法律に合わせた成分表示を行う必要があることから、相手国の規格
に合わせて現地企業が行っている
・クロレラのバルクの大きさは相手国側の注文に合わせて当社工場で製造してい
る。例えば、クロレラの定番規格は200mgであるが、アメリカでは250mgと
なっている
・商品の内容や消費期限等について記載したシッピングマーク(Shipping Mark
(荷印))は当社が作成し輸出用段ボールに貼付している
・ハラールの認証には3年かかった。当社はクロレラ及び藻類を事業対象として
いるが、仮にクロレラ以外の食品材料も取り扱っていた場合は、更に審査が厳し
⑥現地の法律、 くなったと思われる
規制等の対応状 ・コーシャ(Kosher)の認証も取得しているが、東京に認定機関があり、抜き
打ちでの検査が行われることがある
況
・アメリカにおいては、9.11テロ後施行されたバイオテロ法により、アメリカ
で流通する食品を製造する施設について登録が義務付けられることとなり、
2003年12月、アメリカFDAの登録が完了。2011年1月、食品安全強化法の
成立により、偶数年度に登録更新が義務化。また登録施設に対してHACCP手法
を取り入れた措置、さらに、FDAの査察を受けることが義務付けられた。2014
年2月にアメリカFDA査察が行われ、滞りなく終了した
・東日本大震災の影響で、放射能関連の成績書を提出する必要があり、特にヨー
ロッパの一部の国では現在も義務付けられている。石垣島は被災地から数千キロ
も離れているが、外国からみると同じ日本であるとの認識であり、対応は同じで
ある
27
八重山殖産株式会社
⑦国内の協力支 ・沖縄県産業振興公社からの支援を受けている
援者、支援機関 ・ハラールの認証には拓殖大学イスラーム研究所のアドバイスを受けた
の活用状況
⑧現地における
協力支援者、海 中国、チェコ、シンガポールの企業とは、日本商社を介しビジネスパートナーと
外ネットワーク なっている
等の活用状況
⑨運送に関して ・船便で、石垣港→那覇港→横浜や関西へ輸送している。輸出のための保険手続
(コスト、所用
時間等)
きやインボイスの作成は日本商社が行っている
・今後沖縄から輸出するのであれば、ANA貨物ハブを活用したいと考えている
⑩インターネッ ホームページを英語版で作成しており、海外からメールでの問い合わせが入るこ
ト(通信販売)
の活用状況
とがある。その場合は、日本商社に対応を依頼している
⑪海外展開事業 ・当社の売上比率は、海外:国内=6:4である
にかかる出荷
額、売上髙、経
常利益(前年と
の比較可)
・2008年のリーマンショックの影響による円高傾向により売上げが減少した。
2012年から売上は持ち直しており、円安傾向である現在は、リーマンショック
前の水準に回復しつつあるが、海外からの引き合いは以前に比べまだ鈍いように
思われる
・リーマンショックの影響や、東日本大震災時の原発事故後の日本に対する海外
のイメージ低下による売上げ減少に苦労した
・韓国においては、原発汚染水問題の影響で、2013年に3日間開催された機能
性原料の展示会の日本のブースには殆ど来訪者がなく、3日間を待たず撤収する
日本企業もあった。中国に関しては、尖閣問題後対応が厳しくなり香港や経由で
中国に製品を出していたこともあった。但しアジア、中国の民意においては、日
⑫海外展開する 本製品は品質が良いというイメージを依然として持っているようである
にあたって苦労
したこと、又は ・メリットとしては、国内の売上げが落ち込んだ際も、海外に原料を輸出するこ
とで、量でカバーし製造原価等のコストを抑えることが出来、売上げの落ち込み
メリット
を抑えられるということがある
(クロレラ食品の日本国内の最初のブームは1970年代にあったが、国内の同業
者によるフェオホルバイド(クロロフィル分解物)関連の健康被害により、業界
全体の売上げが落ち込んだ。1990年代に健康食品ブームが起こり持ち直したも
のの、リーマンショックの影響で売上は減少した。沖縄県内にも当社を含め5社
のクロレラ関連業者があったが、現在では当社1社のみである)
・日本の全てのジャンルの製品等を取り扱った展示会に出展する場合、展示ブー
スの場所が悪く健康食品である当社製品が目立たないことがある。サプリメント
やオーガニック等の健康食品に特化したフロアに出展した場合は目につきやすい
⑬その他(行政
に対する要望)
・支援機関主催の展示会において、担当者により取組みへの温度差があり、流れ
作業のような対応になったり、出展自体が目的化してしまい、イベントへの参加
のような状態で終わってしまっている場合がある
・このような状況においては、相手国の企業と名刺を交換したとしても次につな
げられないこともある。出展における企業負担も30~40万円程度かかることか
ら、確実に商談につなげるための効果的な展示場所や展示方法等を検討する必要
がある
28
(2)海外展開における現状と課題(企業ヒアリングから)
①海外展開状況
・香港やシンガポールでは世界中から商品が集まってきており、日本の産地間競争となっている。
沖縄の知名度が浸透していないことから、商品の紹介前に、まず沖縄の紹介を行う必要があり、時間
とコストがかかっている
・製造業は、企業単独よりも日本商社或いは沖縄県内商社を通じ輸出を行うことが多く、沖縄県内
よりも、沖縄から日本本土へ船舶で輸送し、本土から輸出する事例が多い。但し、アジアへの輸出
については、ANA沖縄貨物ハブ事業が開始されたことで、沖縄から航空便を利用し輸出する企業が
増えてきている
・製造業ではコストを抑える観点から、原料や材料を輸出し、海外で製品化する事例がある
・(企業の海外展開のきっかけや人脈作りとして想定された)海外の沖縄県人会とは、現地情報交換及び
文化的交流が主であり、ビジネス上の交流は少ない。創業者が海外を回り見識を深めたり、海外企業
での勤務経験があることや、社員の海外留学等での人脈を生かす場合が多い
②課題
・ANA沖縄貨物ハブ事業にかかる補助金交付事業が実施されているものの、船便関連にかかる補助
はなく、輸送料金等の経費は全面的に企業負担となっている
・沖縄発の船便の運賃が高い。また、那覇港の使用料が日本全国的にみても高い
・中城湾港には船の定期便が入っておらず仮倉庫も設置されていないことから、中城湾港新港地区工業
団地に立地する企業は製品を那覇港に陸送しなければならない状況にあり、コストがかかっている
・牛肉の輸出の際、外国向けの選定工場が沖縄になく既存の食肉処理場で対応ができないことから、
日本本土の屠畜場で処理せざるを得ず、効率が悪い上、輸送コストもかかっている
・輸出に関するL/C決済について、海外金融機関と連携している沖縄県内の地方銀行がない
③今後の対応
・ANA沖縄貨物ハブ事業関連の補助事業の継続を望む声が多い
・沖縄及び商品の海外での知名度を上げるためには、観光とタイアップし、沖縄へ来る外国人観光客
(クルーズ船)に対し、商品の試食会やプロモーションの場を設ける等の取組が有効と思われる上、
沖縄に観光に訪れる外国客の増加が見込まれる等のシナジー効果が期待される
・海外において沖縄の情報が少なく知名度が低いことから、海外のインターネット等で沖縄の情報が容易
に得られるような仕組みを構築したり、沖縄のコンテンツを紹介するようなイベント開催が必要である
・行政側から企業に対し、この企業は信用に足る企業であるとするお墨付きの証明書の発行があれば、
相手国側も信用し、事業活動がし易くなる
・海外企業のデータや与信情報が手軽に入手できる仕組みがあれば展開がし易い
・日本や世界の産地間競争が起こっている中では、日本の他の自治体の事例のように、企業単独で
海外展開に取り組むのではなく、自治体と企業が連携して取組むほうが効果が大きい
・海外展開には人材の確保が不可欠。万国津梁の掛け橋となった沖縄の先人達のDNAを、現代にも
生かしていくべきである
・海外での展示会や見本市について、例えば健康食品関係については、健康関連の展示会への出店等、
専門分野に特化した展示会へ力を入れるのも商品の知名度を上げるためには有効である。また、
展示会での出店自体が目的化してしまい、イベントへの参加のような状態で終わる場合があること
から、確実に商談につなげるための効果的な展示場所や展示方法等を考えていく必要がある
29
3.支援機関等ヒアリング(課題及び注意点)
○下記支援機関に対し、海外展開するにあたっての課題や注意点についてヒアリングを行った。
・沖縄県商工労働部国際物流推進課
・業務内容:国際物流拠点の形成及び推進に関する総合的企画及び調整に関すること /
物流政策の推進に関すること/県産品の販路拡大に関すること/
貿易の振興、促進及び情報収集に関すること
等
・平成25年度主要事業(沖縄県産業振興公社と連携):沖縄県航空貨物スペース確保事業/
沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業(派遣・招聘事業/広告・イベント等支援)
・公益財団法人沖縄県産業振興公社
・事業内容:中小企業等の経営革新や経営基盤の強化に関する事業/
創業及び新事業の創出やベンチャー企業の育成に関する事業/
県内企業等の海外展開に関する事業/県内企業等の人材育成に関する事業
等
・平成25年度主要事業:県産工業製品海外販路開拓事業/
沖縄国際航空物流ハブ活用支援事業/万国津梁産業人材育成事業
・株式会社沖縄県物産公社
・設立目的:沖縄物産の安定的な供給体制の確立と県外市場開拓
・主要事業:「わしたショップ」展開/新商品の企画・開発及び既存商品の改良
国内外の展示会・商談会への出展/スーパー、量販店等への卸売
等
・日本貿易振興機構(ジェトロ)沖縄貿易情報センター
・主要活動:中小企業を中心とする日本企業の海外展開の支援/対日投資の促進/
アジア等諸外国との経済連携の強化に向けた通商政策への貢献
・平成25年度主要活動:海外経済及び貿易情報の提供/貿易・海外進出相談/
輸出サポート(見本市・展示会への出展サポート、海外バイヤー招聘)/海外進出(投資) 等
・独立行政法人中小企業基盤整備機構沖縄事務所
・設立目的:中小企業者その他の事業者の事業活動に必要な助言、研修、資金の貸付け、
出資、助成及び債務の保証、地域における施設の整備、共済制度の運営等の事業を行い、
もって中小企業者その他の事業者の事業活動の活性化のための基盤を整備することを
目的とする
・平成25年度主要事業:国際化支援(「中小企業海外展開ワンストップ相談窓口」)
国際展示会出展サポート/F/S(フィージビリティ・スタディ・事業化可能性調査)/
海外展開セミナー
30
海外展開に関する課題及び注意点等(支援機関等ヒアリングから)
・温暖な気候であるアジアでは、沖縄の農産物と競合し易い(マンゴー、パイナップル)。また海外から見
て、「沖縄の食品といえば○○」というイメージが定着していない。沖縄の食品や農林水産物を展開する
にあたっては、戦略的に国や地域ごとに絞り込む必要があると思われる
・食料品や農産物の輸出について、原料が不足することがあり、安定的な供給が難しい
海
外
展
開
全
般
香港やシンガポール市場等は、世界中のメーカー商品で氾濫している。その様な市場への売込みには
時間や工夫が必要である。特に香港市場は日本産商品(地域特産品)の一位の輸出先であることから産
地間競争が激しく、売場の確保や販路の確保について販売促進費(広告宣伝費・プロモーション・棚代)
を量販店側から求めるケースが増えているのが現状である。海外展開する上で、物流コスト低減や商談
件数を増やすためにも、メーカー個別ではなくチームとして商流を行うと共に、信頼性の高いジャパンブラ
ンドとして売込む必要があると考える
(沖縄はブランドとして認知度はまだまだ浸透しておらず、段階を踏んでブランド訴求する事が必要であ
る)
・中国を始めアジア諸国においては、商標などに関して予め(輸出と同時に)登録しておくことが重要。
ニーズがあると認められる商品等を先に商標登録するケースが多く、ビジネス化する事業者も多い
・海外で県産品を販売する店舗において、沖縄のことや商品知識を理解した上で販売する店員は少な
い。直に海外の顧客に販売する販売員に対しての商品の優位性や特徴など、セールストークを伝授する
ことや、沖縄を知るための勉強会の開催や、沖縄へ招待し実際に現地を見てもらう等の取組みが重要
・高級感のあるパッケージや縁起が良いと思われるネーミングも重要。また、日本では問題ないネーミン
グでも、海外では印象の悪い言葉(響き)になる場合がある
企
業
の
課
題
・
注
意
点
・現地の商習慣や商流について、メーカー側の勉強が必要。東南アジアや香港市場等は、県産品のター
ゲット市場として限られたニッチ市場(富裕層)であることから、商流については注意が必要である。継続
的な取引を行うためにも、「ワンアイテム・ワンサプライヤー」が望ましい。(サプライヤーの積極的な販売
展開を期待)
当機関の事例ではないが、複数のサプライヤーと取引をして混乱(マーケットでのバッティングやダンピン
グ)を招いたケースがあると聞いている
要因として、同じ商品を現地卸2社以上経由で販売することで価格競争が始まりメーカー側が価格引下
げに対応できなくなる。現地卸の本気度がなくなるということがある
・海外展開する企業において、語学力を有する社員が存在するか否かで取引拡大に大きな影響がある
ため、語学力堪能な社員の雇用や人材育成が必要
・現地にネットワークを持つ、信頼有るビジネスパートナー探しが重要
・国内での販売実績をこのまま海外へ持ち込む感覚の企業がおり、コスト高から上手くいかないケースが
ある。また、自社で製造した商品の海外展開を支援機関等に全面的に任せるような(商品を提供するの
みで良しとする)意識でいくと上手くいかない。また、生活習慣や文化の違いなどで想定しない使用・活用
方法もあることから、現地での事前のマーケティング・リサーチは重要。意識の高い企業は、商品を用意
するのみならず、どう売っていくか、どう企業とタイアップしていくか、売り方の提案まで行っている
・公的機関の高率補助をあてにして、海外展開を軽く考えている企業がいる。海外ビジネスへの意識を
高く持つことが成功への鍵である
現
地
企
業
等
と
の
交
渉
・
商
談
・企業側が海外企業との商談に消極的な場合があり、沖縄でのイベントや海外での見本市に出店し海外
バイヤーとの商談のきっかけをつかんだにもかかわらず、その後のビジネスにつなげられなかったケー
スが多い。途中であきらめず交渉を継続していくことが必要である
・交渉時の課題として、展開を行う国(地域)の関税や物流コスト等を予め把握しておくことが重要。ス
ピードを求める海外バイヤーに即答できるよう、貿易実務を身につけ、予め予定価格等用意することも重
要。(支援機関は、企業間の直接の商談交渉の場に入っていない)
・バイヤーは時間が限られていることから、連絡が取れない等対応が遅いと直ちに次の企業に移り、ビジ
ネスチャンスを逃してしまうこともある。スピード感を持って的確に対応することが重要である
・海外市場では、値段が高くても購入するケースがある。商品についてのこだわりや製造過程でのストー
リーをバイヤーにも解りやすく説明することは有効的である
31
4、輸出における国内手続きについて
32
輸出における国内手続きについて
沖縄において生産された野菜や果物、食肉を国外に輸出しようとす
る場合は、輸出相手国や貨物の種類(野菜、果物、食肉など)によっ
て、下記の検査等を経る必要があります。
各種申請に際しては、事前に担当機関にご相談され、輸出要件や
申請書類、必要な添付資料等を確認されてください。
○輸出食肉認定制度:厚生労働省
輸出先国においては、食肉となる畜産動物等について、その衛
生品質を担保するため、厚生労働省等が認定したと場・食肉処理
場で処理する必要があります。
また、輸出の際には所定のと畜場等で適正に処理されたことを
証明する「衛生証明書」等の添付が必要の場合があります。
輸出先国別さらに畜肉種別毎に認定と場等が異なる等、輸出先
国において手続きに差異がありますので、詳しくは下記URLをご参
照ください。
URL:http://www.mhlw.go.jp/topics/haccp/other/yusyutu_syokuniku/
また、本件に係るご相談は、沖縄県保険医療部生活衛生課及び
最寄りの福祉保健所、那覇市にあっては那覇市保健所までご相談
下さい。
所)
沖縄県保健医療部生活衛
生課(旧環境生活部)
TEL
住所
FAX
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
098-866-2055
北部福祉保健所
〒905-0017 沖縄県名護市大中2-13-1
0980-52-2714
0980-53-2505
中部福祉保健所
〒904-2155 沖縄県沖縄市美原1-6-28
沖縄県中部合同庁舎中部福祉保健所棟
098-938-9886
098-938-9779
南部福祉保健所
〒901-1104 沖縄県島尻郡南風原町宮平212
098-889-6351
098-888-1348
宮古福祉保健所
〒906-0007 沖縄県宮古島市平良
字東仲宗根476番地
0980-72-2420
0980-72-8446
八重山福祉保健所
〒907-0002 沖縄県石垣市真栄里438
0980-82-3240
0980-83-0474
〒900-8585 沖縄県那覇市与儀1-3-21
098-853-7963
098-853-7965
那覇市保健所生活衛生課
33
○輸出証明:沖縄総合事務局
東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて諸外国・地域が
実施している輸入規制強化に伴い、日本から食品等を輸出する際
に証明書等の添付を必要とする場合があります。
輸出先国が導入している規制措置は、輸出先国各国の事情を踏
まえて異なるものとなっていますので、輸出に当たっては、これら
規制措置の内容を事前に十分確認することが重要です。
なお、酒類にあたっては沖縄国税事務所、水産物にあたっては
沖縄県農林水産部水産課が申請窓口となっています。
http://www.ogb.go.jp/nousui/yusyutsu/expo_oki.html
沖縄総合事務局農林水産部食品・環境課
〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち2丁目1番1号
那覇第2地方合同庁舎2号館
○動物検疫:農林水産省動物検疫所沖縄支所
食肉等の畜産物を輸出する場合には、「家畜伝染病予防法」に
基づき動物検疫を受ける必要があります。また、家畜伝染病予防
法で指定していない畜産物であっても、輸出相手国が家畜の伝染
性疾病をひろげるおそれのない旨の証明を要求しているものは検
○通関:沖縄地区税関
査の対象となります。
食肉(を含む貨物)を輸出しようとするときには、関税法に基づき
輸出相手国の要求に応じて検査を実施することになり、要求事項
税関へ輸出の申告を行い、必要な検査を経てその許可を受けなけ
によっては、事前の調査や事実確認に時間を要する場合がありま
ればなりません。
すので、輸出者は受入の可否及び受入条件を確認の上、できるだ
けお早めに動物検疫所に相談してください。
URL:http://www.customs.go.jp/tsukan/index.htm
URL:http://www.maff.go.jp/aqs/tetuzuki/product/47.html
農林水産省動物検疫所
沖縄支所
住所 〒900 ‐0001 那覇市港町2 ‐11 ‐1 那覇港湾合同庁舎
TEL:098-861-4370
FAX:098-862-0093
沖縄支所那覇空港出張所
住所 〒901‐0142 那覇市字鏡水280那覇空港国際線ターミナルビル
TEL:098-857-4468
FAX:098-859-1646
34
○植物検疫:農林水産省那覇植物防疫事務所
野菜や果物等を輸出する場合には、多くの輸出相手国は輸出
時に植物防疫所の検査及び証明書の発給を求めています。また、
輸出相手国が栽培地における検査を要求している植物については、
あらかじめその栽培地で植物防疫官の検査に合格しなければなり
ません。
輸出にあたっては下記URLをご確認されると共に、那覇植物防疫
事務所に相談して下さい。
URL:http://www.maff.go.jp/pps/j/introduction/export/index.html
農林水産省那覇植物防疫事務所
住所 〒900 ‐0001 那覇市港町2 ‐11 ‐1 那覇港湾合同庁舎
○通関:沖縄地区税関
農林水産物や食料品等を含むすべての貨物を輸出しようとする
ときには、税関へ輸出申告を行い、貨物につき必要な検査を経て
輸出の許可を受けなければなりません。これを一般に「輸出通関」
といいます。
輸出申告の手続きは、輸出しようとする貨物の品名並びに数量
及び価格その他必要な事項を記載した所定の様式の輸出申告書
に、仕入書、その他必要な書類を添付して税関に提出することによ
り行います。
URL:http://www.customs.go.jp/tsukan/index.htm
沖縄地区税関本関分庁舎
〒900-0001 沖縄県那覇市港町2-11-1 那覇港湾合同庁舎3F
TEL:098-863-0099(税関相談官)
輸出に関する諸制度は、輸出相手国の規制や要請により各種対
応が異なり、また、国内外の情勢の変化や家畜伝染病等の流行に
より、随時その対応は変わってきますので、輸出にあたっては、上
記に示した行政情報の他にも、在日大使館や輸出相手国の事業
者を通じて、常に最新の情報を得るようにしてください。
35
事例:香港への豚肉輸出の流れ
選定施設
●香港へ豚肉を輸出する場合は、豚のと畜について各自治体が選定した
施設で処理する必要があります。
また、選定施設でと畜したことを証明する「と畜証明書」や選定施設を
所管する保健所の「食肉検査公式証明書」が発行されます。
【沖縄県内で豚肉の香港向けに選定されている施設】
・「株式会社沖縄県食肉センター」(南城市)
・「名護市食肉センター」(名護市)
等
動物検疫
通 関
香港へ
通 関
輸送
●輸出される豚肉は動物検疫を受ける必要があります。
動物検疫所沖縄支所または那覇空港出張所に輸出検疫申請書と併せ
て、香港向けに輸出される豚肉の認定施設を管轄する沖縄県(食肉衛
生検査所または保健所)から発行された「食肉検査公式証明書
(OFFICIAL MEAT-INSPECTION CERTIFICATE)」及びインボイス、パッ
キングリスト、船荷証券(B/L)・航空運送状(AWB)等を提出し、指定さ
れた港や空港内の検査場所において無作為抽出による現物検査を受け
ます。書類審査及び現物検査の結果、香港側の受入条件を充足し、家
畜の伝染性疾病の病原体を広げるおそれがないと認められるときは、「輸
出検疫証明書」が公布されます。
●輸出される貨物は、通関手続を行う必要があります。税関ではその申告
が正しく行われているかどうかを審査し、貨物について必要な検査を行って
います。貨物によっては家畜伝染病予防法などの関税法以外の手続きが
必要となるものがあります。税関ではこれらの手続きが正しく行われているか
どうかを最終的に確認しています。
輸出の許可は、これら税関の審査・検査が終了したあとに行われ、税関の
許可後、申告された貨物は航空機や船舶に積み込まれ、外国へ向けて輸
出されます。
●香港において検疫
及び放射能検査、
通関を経ます。
香港内で
流通
※事例は香港に豚肉を輸出するものです。規制内容は輸出相手国や日本国内の情勢により変化しますので、常に新しい
情報を諸機関に確認されるとともに、輸出相手側事業者等から最新の情報を得るようにして下さい。また、その他の食品等
を輸出を検討される場合は、諸機関等にご確認下さい。
※沖縄県産の食肉を香港へ輸出する場合は、「東京電力福島第一原子力発電所事故に係る諸外国への輸出に関する
証明書発行について」に関する証明は不要となっています(なお、別途香港側において放射能検査を受けることになりま
す。)。
※認定施設は、国毎に畜肉の種類(主に牛肉、豚肉、鳥肉)毎に異なりますので、ご注意下さい。事例は香港向けの豚肉
の認定施設のものです。
36
事例:中国への黒糖菓子輸出の流れ
輸出証明
通 関
中国へ
輸送
●「中国向けに輸出される食品等に関する証明書の発行
事務要領」に基づき、黒糖菓子に使用されている黒糖等
の原産地及び加工地の「産地証明書」を必要とします。
生産・加工施設の名称と所在地、原料の名称と産地、
生産・加工年月日等について審査がなされ、「産地証明」
が発行されます。
●輸出される貨物は、通関手続を行う必要があります。税
関ではその申告が正しく行われているかどうかを審査し、
貨物について必要な検査を行っています。貨物によって
は関税法以外の手続が必要となるものがあります。税関
ではこれらの手続きが正しく行われているかどうかを最終
的に確認しています。
輸出の許可は、これら税関の審査・検査が終了したあと
に行われ、税関の許可後、申告された貨物は航空機や
船舶に積み込まれ、外国へ向けて輸出されます。
●中国において
通関を経ます。
中国内で
流通
※事例は中国に黒糖菓子を輸出するものです。規制内容は輸出相手国や日本
国内の情勢により変化しますので、常に新しい情報を諸機関に確認されるととも
に、輸出相手側事業者等から最新の情報を得るようにして下さい。
また、その他の食品等を輸出を検討される場合は、諸機関等にご確認下さい。
37
○調査協力企業・支援機関等
○企業名(五十音順)
・沖縄特産販売株式会社
・沖縄ハム総合食品株式会社
・株式会社オキネシア
・有限会社オフィスりょう次
・オリオンビール株式会社
・金秀バイオ株式会社
・株式会社シャイニーボールホールディングス
・株式会社白石
・有限会社水耕八重岳
・タイガー産業株式会社
・株式会社トリム
・株式会社パラダイスプラン
・八重山殖産株式会社
○支援機関等名(順不同)
・沖縄地区税関
・農林水産省動物検疫所沖縄支所
・農林水産省那覇植物防疫事務所
・沖縄県商工労働部国際物流商業課(旧国際物流推進課)
・沖縄県生活医療部生活衛生課(旧環境生活部)
・那覇市保健所生活衛生課
・公益財団法人沖縄県産業振興公社
・株式会社沖縄県物産公社
・日本貿易振興機構(ジェトロ)沖縄貿易情報センター
・独立行政法人中小企業基盤整備機構沖縄事務所
38
写真提供:沖縄観光コンベンションビューロー
平成26年3月
県内企業の海外展開における現状と課題
~事例紹介~
編集 沖縄総合事務局総務部 調査企画課 調査班
〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち2丁目1番1号
電話 (098)866-0047(直通)
FAX (098)860-1025
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