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第49回 手をつなぐ育成会中国大会

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第49回 手をつなぐ育成会中国大会
第49回 手 を つ な ぐ 育 成 会 中 国 大 会 (山口大会)
第8回 わたしたちの中国大会 「すまいる大会」(山口大会)
第36回手をつなぐ育成会福祉・教育振興山口県大会(下関ブロック大会)
お
礼
山口県手をつなぐ育成会会長
大
嶋
宏
史
下関市での本大会に多くのご参加をいただき、無事に開催する
ことが出来ました。
本大会は、分科会に重点を置き、市町育成会の最重要課題を
テーマにしました。
特に、第 2 分科会の施設生活を考える第 4 分科会の最重度障害者
の生活を考える、そして、
「すまいる大会」での、第 1 分科会の親な
き後の暮らしについては、少し不安もありましたが、各分科会にお
いて活発な意見交換があり、実り多い分科会になりました。
大会 2 日目の中央情勢報告は、全日本育成会の副島理事長よりご報告をいただきました。
政権交代による先行きが見えにくい中での大会でしたが、育成会の方向は知的障害のある人の
団体として、知的障害のある人を持つ家族と本人の団体として、知的障害のある人たちが地域に
おいて、障害の重さにかかわらず、各、ライフステージに応じた適切な支援や環境のもとで、豊
かな暮らしが実現できる社会を目指す団体です。
最後に本大会に花を添えていただいたご来賓の皆様、下関市手をつなぐ育成会、下関地区福祉協
会、本大会を支えてくださった多くの関係者に、心よりお礼を申し上げます。ありがとうござい
ました。
本大会に、ご参加いただいた会員の皆様ありがとうございました。
各育成会の益々のご発展と会員皆様方の、ご健勝を心より祈念しお礼の挨拶といたします。
アトラクション
銭太鼓
はまゆう園
「なんでだろう音頭」
-1-
大
会
実
施
概
要
下関市手をつなぐ育成会連合会会長
~海峡と歴史のまち
平
田
昭
子
下関から~をキャッチフレーズとして、第 49 回手をつなぐ育成会中国大会
が海峡メッセ下関を主会場、下関市民会館を副会場として平成 21 年 10 月 3 日(土)~4 日(日)
中国 5 県と関係者・ボランティアを含め1000余名の参加者により開催しました。
年々、すまいる大会の参加者が多くなり、1~3分科会も本大会にも負けない熱心な話し合い
が行われ、シーモールパレスで開催された本人交流会も大盛会だったとの報告を受け、引き受け
として大変嬉しく思っています。
残念なことは、本人達の観光として当地しか体験できない「関門トンネル散策」を計画してい
ましたが、長期の工事により断念せざるをえませんでした。
しかし、水族館「海響館」、平家ゆかりの地「赤間神宮」、みもすそ川の武蔵像、砲台跡を見学、
少し歴史を感じていただけたのではないでしょうか。
今回も 4 分科会とし、中身の充実した討議が繰り広げられたとの感想と共に、2 日目に各分科
会の報告が実施され、参加できなかった他の分科会の様子がわかって良かったとの感想をいただ
きました。
また、海峡メッセ(第 2 分科会以外)ホールで昼食が出来たことが
よかったと感想をいただきましたが、反面、受付け場所が狭く迷路
のような会場で、案内には万全を期していましたが不備があり、
参加券等の送付の遅れ等反省することが多く、参加者の皆様に深く
お詫びすると共に、インフルエンザ大流行の中ご参加いただき深く
感謝申し上げます。
本 人 発 表 者 ( 開 会 式 )
本 人 発 表 者 ( 開 会 式 )
山 口 県 大 会 表 彰 者 代 表 者
中 国 大 会 表 彰 者 代 表 者
-2-
大会日程
【1日目】
10月3日(土)
本大会
すまいる大会
10:00~10:45
受付
受付
10:45~12:00
開会行事・表彰
海響館見学等
13:30~16:30
分科会
海響館見学・話合い
18:00~20:00
各県代表者会議
本人交流会
【2日目】
10月4日(日)
本大会
9:20~10:20
すまいる大会
分科会報告
すまいるライブ
分科会報告
(レクリエーション)
10:20~10:45
中央情勢報告
11:45~12:00
閉会行事
すまいる全体会
分 科 会
本大会分科会
分科会
第
テーマ
1
発達支援
分科会
を考える
第
2
施設生活
分科会
を考える
研 究 討 議 の 内 容
会
場
・医療・福祉の連携について
海峡メッセ
・学校と家庭との連携について
海峡ホール
・地域支援のあり方について
(9F)
・ 入所施設の利用とあり方について
下関市民会館
・施設利用の負担について
中ホール
・施設と地域との連携について
(2F)
担当県
主担当県
(広島県)
副担当県
(島根県)
主担当県
(島根県)
副担当県
(広島県)
・グループホーム等の生活について
・日中活動・就労について
3
地域生活
・福祉サービスの利用について
分科会
を考える
・ 障 害者自立支援法施行後の状況に
第
ついて
海峡メッセ
イベントホール
(4F)
主担当県
(鳥取県)
副担当県
(岡山県)
・育成会の組織強化について
第
4
分科会
最重度障害
・成年後見制度の利用について
海峡メッセ
者の生活を
・権利擁護事業の利用について
国際会議場
考える
・裁判員制度の利用について
(10F)
-3-
主担当県
(岡山県)
副担当県
(鳥取県)
中央情勢報告
「中央情勢の最新情報」
講
師
社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会理事長
副
島
宏
克
氏
参加者の状況
<県別>
県名
本大会
すまいる大会
計
鳥取県
30
10(支援者1)
41
島根県
76
38(支援者1)
115
岡山県
108
11(支援者2)
121
広島県
86
48(支援者3)
137
山口県
397
113(支援者11)
521
計
697
220(支援者18)
935
ボランティア・係員等
62
<分科会別>
分科会
本大会
すまいる大会
第1分科会
40
33(支援者4)
第2分科会
241
48(支援者5)
第3分科会
359
23(支援者5)
第4分科会
57
116(支援者4)
計
697
220(支援者18)
すまいる大会交流会
デイケア
99
2
-4-
分 科 会 の 概 要
第1分科会
「発達支援を考える」
平成21年10月3日(土)13:30~
会場
海峡メッセ
参加者数
司 会 者
助 言 者
海峡ホール
(9F)
40名
広島県手をつなぐ育成会
NPO法人
副会長
シンフォニーネット
明星大学人文学部
矢野 千春
人間社会学科教授
地域生活支援センターらいふ
提 案 者
金子 麻由美
呉市手をつなぐ育成会
所長
副会長
運営責任者
提案1
山崎 幸史
徳永 玲子
松江市手をつなぐ育成会連合会
記 録 者
吉川 かおり
松江支部会員
柿木 修
広島県手をつなぐ育成会事務局
西村
克行
知的障害者授産施設大藤園職員
平田
由紀子
広島県手をつなぐ育成会事務局
藤浦
忠司
山口県手をつなぐ育成会
川谷 孝夫
副会長
「発達支援・・・その先に見えてくるもの」
呉市手をつなぐ育成会
副会長
徳永
玲子
二人の娘の弟として誕生。小さいころは人見知りもなく、全く手のかからない乳児期、発語の
ないまま多動であった幼児期。字も書けず、しゃべることもできないと言われましたが、地域の
保育所、障害児学級を経て、呉市特別支援学校高等部入学、何もできず、何も知らなかった息子
が少しずつ経験を重ね、片道2時間、バスを2台乗り継いでの道のりを自主登校できるまでに成
長しました。卒業後はトライヤル雇用での老人介護施設で働き始めましたが、2ヵ月後「自分で
考えて仕事ができないからいらない」ということで解雇されましたが、次の日から就労移行支援
に行かせていただきました。そこで約1年間清掃の研修を受け、この3月、ご縁を頂き、スーパ
ーマックスバリューの水産部に障害者雇用枠で採用されることとなりました。1 ヶ月90時間、
時給700円、片道車で15分の距離ですが、朝6時に起き、7時に家を出て8時の出社に間に
合うように毎日元気に通っています。現在20歳、173cm、65kg、手帳はA、区分判定
4、障害基礎年金は申請中。単語を並べて本当にしつこいぐらい、うるさくおしゃべりをするよ
うになってきました。皆さん、どんな子育てをしてきましたか、これからお話することは私の
子育て持論であって他にもいろんな子育てがあります。
2.乳幼児期 まず出会う福祉と医療の「お母さん、子供と向き合いましょう」子供にとって多少
の違いはありますが、せめて18歳ぐらいまでしっかりと我が子と向き合い、その成長を共に
喜ぶことが大切です。せっかくの子育て、楽しんでやりましょう。子育てはやり直せる、そう
思ってその時期その時期を二度と訪れない時間を、共に過ごす時間の大切に気づいて行きましょう。
-5-
次に障害のある子を抱えてまず出合うのが病院です。この子にそ
して親御さんに合う病院を見つけましょう。主治医を持つことはと
ても大切です。主治医はわが子の生命や将来を相談できる専門家の
一人であり、大切な社会資源です。わが子の成長を親と共に見つめ
アドバイスしてもらい生涯付き合っていきましょう。次に福祉制度。
親の希望を伝えて情報提供や相談をしっかりとしていきましょう。
きっとこの子の未来に光が見えて来るはずです。
3.学齢期の課題と連携
学校は家庭の補助をしてくれるところ、先生は一番大切なパートナーです。先生と何度も何度
も話し合い、わが子の今の成長度合いを確認し、一歩一歩進んでいく手助けお願いして行きま
しょう。学校では家庭での親の教育・療育を昼間も継続してもらうところであることを忘れない
ようにしましょう。先生のわが子に対する分析は学校という場で現れるわが子のもう一つの顔、
真実であることを理解して先生の意見にしっかりと耳を傾けましょう。そしてその上で親の思い
を理解してもらえるまで繰り返し話をしていきましょう。しかし、残念ながら先生は福祉やその
他の制度のエキスパートではありません。先生から情報を受けたとしてもそれがわが子に合うの
かどうかは親自身が自分の目や耳で確認して確かめてください。もしわが子にあてはまらなくて
も情報を提供してくれた方に感謝の気持ちを忘れず接し続けることが大切だと思います。療育と
教育は家庭が主であり、家庭の子育て観を学校側に伝え反映させていくこと、学校担任との話し
合いでまた家庭に返していくこと、それが学年が上がるごと、学校が変わるごとに積み重なって
いくことが一貫した子育てになると信じてきました。うちでは上二人の姉の担任にも弟のことを
しっかり伝えてきました。また息子の担任には家の様子を見てもらうということで食を共にする
のも方法の一つかもしれません。
4.あなたの町とあなたの地域
あなたの地域を作るのはあなた自身です。もし地域に対して不満があるのなら、やり方、接し方を
見直してみてはいかがでしょうか。地域の社会資源(民生委員・近所の方・子ども会など)ありとあ
らゆる組織と関わりを持つこと。また機会あるごとに子供と一緒に地域活動に積極的に参加してきま
した。それは障害のある子を隠すのではなく、見て理解してもらうことの一歩だとの思いからでした。
発達段階にある、その時々のありのままを地域の方に理解していただく、今はここまでしかできない
が、これからこんな風になって欲しいということを理解してもらい、協力してもらいながら努力する
ことも大切です。悪いことした時には、その都度、本気で怒り、してはいけないことはいけないとし
っかり教えてきました。そんな中、気づいたことがありました。甘くなりがちな障害児の子育ても
出来れば幼い頃からやって良いこといけないことをしっかり教えて、わかり難いことを言うのではな
く、いけないことはいけないと教え、当たり前のしつけをする。本人の思いを十分に尊重することは
大切なことだが、尊重することと思い通りにさせることは根本的に異なります。また、出来ないこと
とさせないことは違います。そこを履き違えないように子育てをしたいものです。その子なりに挨拶
が出来、ルールが守れることは将来重要になってきます。その子なりの挨拶の仕方を身に付け、普通
に生活できる習慣づけをしていきたいものです。そして、親の願いというものは息子はいつまでも子
供で家族と一緒にいることが幸せだと思ってきました。家族と一緒に行動することが幸せだと思って
-6-
いたが、本当は家にいたかったり、同級生と出かけたかったりする。
親の思う幸せと子の思う幸せとではズレがあることに気づきます。
最後夢を語りましょう。10年後、20年後のわが子の夢をそして
親の夢を。そのために今週、今学期、今日の努力をしましょう。
そしてその夢に向かって子供の周りに一人でも多くの応援団を
作ってあげましょう。これからも子育てがんばっていきたいと思い
ます。
提案2
「学校・地域との連携」
松江市手をつなぐ育成会連合会
松江支部会員
柿木
修
資料にあります通り、息子は小学校4年生。自閉症。
詳しく知らない部分も多く、客観的にというか離れたところから傍観者的に母親と子供のやり取
りを見ている。かなりスパルタ的な部分もあるのかなと思っております。資料の方には子供のごく
ごく簡単なこれまでの成長をのせていますので参考までに読んでいただいて、学校や地域とどのよ
うに連携をとって行くかという話をする前に親が親としてどうするべきかということを中心に私
の考えですが、客観的持論をお話させていただきます。まず、いかに普通に接することが出来るか。
変な行動に慣れてしまい、普通が分からなくなる。そうすると次にはまたさせてしまったという
失敗した感になる。しかし失敗と感じることも隠すのではなく経験もさせないといけない。失敗し
たことを許せるのかいかに克服していけるか、そしてその失敗を学習する機会、練習の場が広げら
れるのかが親としてがんばる所ではないか。親はある程度、我慢しなくてはいけない。学校や地域
には同じように我慢の押し付けはできない。どうすれば良いか周りの人の理解を得られるか。顔が
分かれば我慢してもらえる。理解を得るには言葉での説明では分からない。実際に目にして見ても
らい解説する事が早道。そのためには外へ連れて行く。理解して欲しいと思う地域の活動に参加
すること、積極的に飛び込んでいくこと。試練もあるが普通クラスに通い、失敗をしながら工夫し
て前に進んでいる。ストレスも多いと思うが少しずつ認められ、友達に支えられながら共に成長し
ている。学校も親の考え方を理解している。ぶつかってきたこともあったが理解し合えるように
なった。子供の失敗は成長の糧、失敗を恐れず挑戦させる。可能性を信じて、今出来ないことも
明日できるかもしれない。出来ないままではない。出来ないことを見極め、出来るように練習して
いる。親は可能性の芽を摘まないように希望を捨てず、がんばっていきたい。
(山口県・男性)
知的障害者の入所施設で23歳の自閉症。入所して2年ぐらいはみんなと一緒に行動できていたが、
職員のだめ出しや押し付けにパニックを起こすようになり、最近は食事・入浴すべて別に遅れており、
それ以外の時間は玄関に座るようになっている。甘えさせている、生活習慣ができていないと職員
に言 うが、だ めと 言う とパ ニックを起こすので対 応が難しいと言われる 。今 後、どういう
対応したら良いのか。
(徳永)
自分の子に置き換えてみても22年間育ってきたリズムを合わせ変えられるか、大きくなると体
も心も切り替えが遅いのでは。言葉が通じないことと似ていて、始めは分からないから従順であり、
-7-
その後、理解することができるようになると拒否できるようになる。それが我がままとうつる。
心の通じる相手が出来れば、聞いてみようかなというようになるのでは。
(吉川)
なぜ玄関にいるのか。
(山口県・男性)
他とは混ざれない一人になれるから。初めに一人でいることを許された場所だから。
(吉川)
大事なのは本人の気持ちに寄り添うかであって、していいことといけないことを教えるという
レベルではない。玄関にいるということは帰りたいということ。環境があっていない。
(山崎)
情報がたくさんある中で生活しているので見通しができ安定している。情報を認識しにくい障害
を持っていると、情報が少ないとパニックに繋がる。本人とのコミュニケーションの取り方を確立
できていない。訴えたい行動(チャレンジング行動)、情報をいかに伝えるべきかを考える必要が
ある。
(山口・男性)
施設があっていないと思い、専門の自閉症の所へ行ったほうが良いと言っている。
(吉川)
問題を起こしている人という見方ではなく、訴えたいことがある人という接し方で変わる。
気持ちの不安を理解して分かってやることで安定していく。
(徳永)
家族の支援はどうなっているのか。連携は取れているのか。
(山口県・女性)
子育ての中、家族の支援、学校の連携のあり方。デイサービスとの連携の仕方・工夫は?
(柿木)
意識的にがんばってしてきたことはない。どこに相談すればいいかどこに話せば良いか分からな
いかは別としてストレートに親の気持ちを学校や施設に相談、ぶつけている。
(徳永)
連携としては担当、担任が変わるたびに記憶の限り同じことを繰り返ししゃべっている。
「こころをつなぐサポートファイル
広島
ゆい」の紹介
* どうしても記憶は薄れてくる。小さいときからの親亡き後まで書き残すことが出来る。命に
かかわる記録から福祉など書くことが出来るので親亡き後まで、大人になったときほど次の
人に支援を託しやすくなる。記録を残そうという運動。
(司会)
学校でも個別の支援計画があるが、まだまだ活用しきれておらず課題もある。このサポート
ファイルは注目されている。
(山崎)
島根でもサポートファイルの取り組みをしている。年齢が上がってくると過去の成育歴を話すこ
とは難しい。こういうファイルがあると助かる。関係機関が集まるだけでは駄目で本人が入らない
-8-
といけない。一人ひとり違うので将来を見据えてより多くの支援、理解者を増やすのは本人には
出来ないので親の役目だと思う。
(広島・副島)
特別支援学校入学すると研修施設から学校へ通い始める。その間に自分で自宅へ帰る練習を通し
て乗り物の乗り継ぎが2年半かかったができるなど自立の力がついた。そして卒業後に学校の文化
祭に参加するため一人で行くこととなった時、袋に用意していたお金が10円足りないことがあっ
たが、手帳の中の電話番号に連絡をして解決することができた。失敗を重ねながら力をつけさせる
ことができる。本人には力がある、親は見守り、我慢し寄り添っていくことが必要である。先ほど
の入所施設の方の話ですが、私が自分の施設で言っているのは周りが本人のトラブルを理解してい
ないことを受容し、本人と職員の間で信頼関係が出来ることが必要である。本人への受容が人間関
係を築き、信頼関係に繋がり、それから注意ができるようになる。支援員の心構え・忍耐・我慢が
必要であり、親と同じ手法を職員も行う。性急に結果を求めてはいけない。
(吉川)
「発達する」というところで、本人の発達というものは多くの人が考えているが親も発達しなく
てはいけない。子供を育てることで親は親として育てられる。親として自覚を深め、子供の能力を
きちんと見極める。チャレンジする中で自分の限界を知り、どう受け止め、支えていくかというこ
とが親の発達ということ。障害を持った親が一番踏みにくいステップが「自立」ということ。自分
なりの生活、自分の好みにあった生活はできないと思いがちで親の好み=自分の好みであると考え
がちで自立するという発達を認められない。知的障害のある人も大人になるんだということで親が
支援を変えていくことが必要。
本人の発達の中で一番のポイントは自尊感情を育てるということ。人が人として生きていく中で
自分には価値があると考えられるかどうか、それが出来ると自分の考えを伝えることができる。
トライ&エラーをとがめられない環境が必要。失敗させないようにしてしまいがちになる、失敗し
ても支えられる環境があるということ、ハードルを小さくスモールステップで越えやすくしていく
配慮が大事になる。生活体験の幅を持たせるためにも親主導でたくさんの経験、体験をさせ、活動
の引き出しを増やし合うものを取り入れ、合わないものを捨てるという発達支援が必要。普通の暮
らしをするためにはどういうステップでどういう体験が必要か、自分からはできないので周りが
チャンスを増やすことで発達する。何歳になっても発達できる、育つことができる。どんな重度の
人でも発達できる。問題行動を受け止め、理解することで支援につながっていく。
(山崎)
発達障害(アスペルガー)の子供の相談を受けることが多い。自閉症、高機能障害の人は 1 分の
遅刻でも許せず、非常に失敗を恐れ、失敗したことが許せない。自閉症の子供との同居生活で観察
をし、その中で加減がわからないなど特性を見つけることができた。そして徐々に声をかけること
をしていき、
視覚支援につなげたり、
強化をしたりということを3ヶ月続け少しずつ変化、
成長してきた。
それから自己肯定・自尊感情を育てることが大切。要求することが特に苦手、下手で経験が少ない。
達成感を持たせることで要求できるようになる。生活のバランスを持たせる。土日、5時以降の
過ごし方の充実が必要となっている。
(萩・男性)
アスペルガー症候群について詳しく対応の仕方や特徴を知りたい。
-9-
(山崎)
今は乳幼児期にチェックされる。言葉の遅れがなかったりするので見逃されやすい。知的の遅れ
がなくIQ
100以上の人もいるぐらいに知能は高く療育の必要性を感じにくい面がある。
コミュニケーションが苦手で、社会性・創造力の問題で学齢期に出てくることが多い。
通常学級に入り、対人面でのトラブルが起きやすく発見される。そのため精神疾患の診断(社会不
安症・うつ病・脅迫神経症)を受けることが多い。精神科の先生では難しいことも多いので、二つ
の診断がでることがある。そのときには医者同士で話をしてもらう。
一人一人違うのでサポートファイルが将来補そう具になる。ソーシャルスキルなどを小学生の頃
から始めること、本人にとって一番わかりやすいコミュニケーションの方法を作ってあげることが
必要。
(萩・女性)
乳幼児期の子供たちを持つ親へのアドバイスは?
まとめ
(徳永)
今のお母さんたちにはこけなさい、泣きなさい、立ち上がりなさいと言っている。こけると痛み
がわかる。痛みがわかると障害がわかる。押し付けられることよりも経験することが大切。「障害
は不便だけど不幸じゃない。」「お母さん一人じゃないよ、いっぱい子育てしている人がいるんよ」
と声をかけてあげたい。
(柿木)
障害の種類、程度にもよるのかもしれないが、将来に向かって成長し続ける。目の前のことを考
えがちであるが、将来でて行くまでにできれば良いという感じで希望を捨てずにどこまでも成長す
る子供を信じる。同じ悩みを持つ親と話をして安心し情報交換をする。子供のおかげで成長する親
になりたい。
(吉川)
人が不安に思うのは先行きの見通しが見えない時であり、見通しを持つということは不安を減ら
すことの手段になる。特に障害の告知を受けたばかりの人には障害のある人の豊な未来は見えない
と思いがちである。だから経験した後の人の話を聞かせたり、写真を見せたり、すると不安も減る。
見通しを見せるなど親の会、先輩の姿をみて、自分の今をかみ締めるそして、対処技術や心構えを
身につけると不安も減ることの手段。もう一つは他者から受け入れられる、そして自分で自分を受
け入れ、障害のある子を持っていきいきできる私を見つける。世の中には不安をあおるものが多い
が、~よりも~の方が良いではなく、これだけできれば生きていけるということを身につける。
価値ある存在であるということを認識させる。それには家の中が安心で安全の場であり、リラック
スできること、夫婦のコミュニケーションが取れ、親からしっかり愛されている感を伝えられるか
特に乳幼児期には大切。しかし、どうすれば伝わるのか工夫は必要。どういう風にしたら生活体験
を豊にできるか。
(山崎)
一人で抱えるのはむずかしい、困ったとき相談できる機関、施設を持つ。サポートファイル
(補そう具)がつくれるシステムが地域に出来ればよい。
- 10 -
自己肯定感がこころのためになる。
(萩・女性)
障害という言葉は違う言い方は出来ないのか?外国では?良い言葉に聞こえない。
(吉川)
英語圏では、社会に出るのに障害がある人ということで「チャレンジド(挑戦する人)」と表現
している。いま関係機関で探している状態である。
第2分科会
「施設生活を考える」
平成21年10月3日(土)
会場
下関市民会館
参加者数
司 会 者
助 言 者
提 案 者
中ホール
13:30~
(2F)
241名
知的障害者更正施設希望の里施設長
橋本 清
萩市障害者支援施設さんみ苑苑長
錦谷 浩文
知的障害者授産施設ふたば園園長
玉村 珠美
知的障害者更生施設いくせい施設長
松村 静海
斐川町手をつなぐ育成会会長
大場 利信
下関市手をつなぐ育成会会員
高津 博子
知的障害者更生施設いくせい総括主任生活支援員 倉
記 録 者
運営責任者
提案
1、
信一
松江市手をつなぐ育成会連合会松江支部副会長
武田 信子
光市手をつなぐ育成会会長
木村 武士
島根県手をつなぐ育成会理事
岡田 耕治
光市手をつなぐ育成会会員
城
島根県斐川町
彦二郎
大場 利信
入所施設のあり方には理想と現実がある。「自立支援法」のもと施設の縮小廃止の方向に、
親の高齢化・親亡き後を考えると不安でいっぱいだ。地域の受け皿としての現状を思うと、環
境改善が進行中の「施設の良さが再認識されるべき」だ。入所施設の「応能負担」を廃止し、
施設と地域がそれぞれの役割を分担し、連繋し、それぞれのメリットを生かしながら施設を
存続さすべきだ。
提案
2、
山口県下関市
高津
博子
重度障害を持つ子供の親として施設の必要性を痛感している。変わり続ける「制度」 にとまど
うばかり。施設を利用することにより発達している。親が家庭と仕事を両立するためにも施設
は必要だ。家族の高齢化が入所施設の必要性を高めており、施設利用・医療費の負担増は理不
尽だ。施設は地域との連繋交流に努力している。
提案
3、
広島県広島市
倉
信一
厚生施設「 いくせい」の活動を「事例」に。市内横川駅近くに位置し、「かけこみ施設」を目
指す。
- 11 -
事例1、Aさん・・母急死。施設職員は病院への送迎のみにもかかわらず、短期入
所し月8回の透析実施を可能にする。医療と福祉の連繋へ向け、会員や民生委員との
苦心の事例だ。
事例2、Bさん・・両親の死。普通学級を卒業し33年間就労自立しているが、盗
癖があり「いくせい」にショートステイする。その後アパート生活に移行し、食事を
「いくせい」で取る。施設の支援と地域の相談相手の存在がある。地域の清掃に参加。
リサイクル品を施設で処理。施設運営委員に民生委員をいれる。
事例3、Cさん・・地下ホームレス生活者。生活保護手続きの手伝いをし、ショー
トステイを勧める。周2回の声かけを続けている。
「人権」と「生活」を守ることを重視している。
質疑
1、 下関
胡谷
「自立支援法」施行後「施設を話し合う機会」が消えた。「地域」には実態が見えにくく、
「施設」が全てではないが絶対に必要な「核」である。「育成会」は施設の必要性を
主張すべきだ。広島市の「いくせい」の事例はすばらしく信じられない。施設の職員に
とってはデスクワークが多忙化に拍車をかけている。
2、 島根
岡崎
政権交代が「施設」に良となるか。育成会の構成員は施設の保護者がほとんどだ。
育成会幹部は施設の必要性を軽視している。
3、 広島県
石井
施設の必要性が発言しにくくなっている。育成会の頑張りどころだ。自立支援法の理念
が全部悪いわけではない。「地域」が育たないのは金の流れに問題があるのではないか。
4、島根県
山根
育成会は施設必要論に反対しているではないか。
5、鳥取県
疋田
アンケートを実施した結果、自身の高齢化を一番の悩みとした人が76ポイントあった。
障害者自身も親亡き後は施設を希望している。主体的意志である。
助言者
1、玉田 ふたば園園長(島根県)
80才を過ぎた施設利用者がいた。知的障害者の施設は車イスに適さない。高齢者ケア
ホームがいいと思う。
後見人制度の利用をもっと考えると良いのでは。支援者は多いほどいい。法人後見人も
考えどころだ。親のニーズと障害者本人のニーズと施設の立場が違うのは当然だ。話し合
おう。施設は地域の核、セーフティーネットの核となって知的障害者の生活を守る
べきだ。
2、 松村
「いくせい」(広島県)
- 12 -
施設運営では、保護者会で確認しながら安心と安全を重視している。施設では虐待が
あってはならない。指導ではなく支援し、待つ姿勢で取り組んでいる。応諾義務が社会
福祉法人施設の使命だと思っている。地域福祉の拠点になるべく、また資格獲得の支援
の場となるよう努める。
質疑
6、 山口県
今田
血縁のない弟が障害者である。息子が病弱であり今後介護が重くのしかかる。「施設は
いつまで見てくれるのか」不安でいっぱいだ。
7、 鳥取県
疋田
家族本人とも高齢化がかならずくる。高齢者ケアホームの必要性を叫ぼう。
8、
島根県
山根
経済的諸負担がきつい。自立支援法は利用者にきつい。
9、 山口県
大下
施設と保護者の協力体制の事例を知りたい。
10、 山口県
胡谷
今までの「育成会」の施設への姿勢に問題あり。施設の職員の待遇改善に方法は無いのか。
助言者
3、 松村 (広島県)
高齢化問題については「ケースバイケース」的対応が必要となる。
4、 玉田 (島根県)
ケアホームは高齢化対応にする方法がありそうだ。
法人後見人制度には社会福祉協議会がかなりの役割を果たせそうだ。
第3分科会
「地域生活を考える」
平成21年10月3日(土)13:30~14:30
会場
海峡メッセ
参加者数
司 会 者
助 言 者
提 案 者
記 録 者
運営責任者
イベントホール
(4F)
359名
倉吉市手をつなぐ育成会
会長
明場
辰紀
山口市手をつなぐ育成会
山口支部会長
岡山
久代
秋本
和彦
社会福祉法人
祥和会理事長
美作大学教授
小坂田
鳥取市手をつなぐ育成会副会長
大谷
喜博
岡山県手をつなぐ育成会・津山地域連絡協議会会長
荒井
幸治
鳥取市手をつなぐ育成会副会長
日下部
山口市手をつなぐ育成会阿知須支部会長
田中
里美
鳥取県手をつなぐ育成会副会長
山内
修
知的障害者授産施設鳴滝園職員
宗久
高明
- 13 -
稔
孝雄
運営責任者
1.
提案:地域での生活について
提案者 鳥取市手をつなぐ育成会副会長 大谷喜博
我が子は現在22歳で知的と身体の重複障害。鳥取県立療育
園から鳥取市立若草学園、養護学校と続き卒業後は通所更生施
設へ。その中で保護者会活動→連合 PTA 活動→育成会活動へと
繋がる。養護学校時代はなかなか育成会活動へ向かなかった
が、鳥取県教育委員会への陳情を機に鳥取県手をつなぐ育成会
と協力し、スクールバスやエレベーターなど多くの改善が行われた。そして高等部より育成会活
動へ重点を変え現在に至る。昨年は県委託の「知的障害者啓発パンフレット」を作成し、
「あっと
思われるものを」
「気持ちを伝える手渡し運動」をモットーに多くの方へ配布。これは地域に出て
行く手段の一つとなった。鳥取市手をつなぐ育成会活動としては「誰もが参加できる育成会」を
理念に本人部会設立に向け準備中。昨年は、育成会会員に限らず地域の方など160名参加の
コンサートを開いた。地域で生活していくために自分から前に出て行くことの大切さを日々感じ
ている。地域理解を広げるためにも前に出て行きましょう。
1.提案:育成会の組織強化について
提案者
岡山県手をつなぐ育成会・津山地域連絡協議会会長
荒井幸治
私は障害者の兄。妹は津山みのり学園に所属し、㈱にのみや食品(重度多数雇用事業所)勤務。
育成会活動としては「津山市手をなぐ育成会」が昭和35年発足。
「岡山県手をつなぐ育成会」に
おいては組織強化のため、親の会+学校+相談員の連絡協議会運動が始まり、津山地域にも
「岡山県手をつなぐ育成会・津山地域連絡協議会」が設立された。これは地域部会、施設部会、
学校部会、知的障害者相談員部会、地域活動・就労支援事業所部会からなり、本人を取り巻く保
護者、サービス提供者、学校、病院、警察など連携が広がっている。また特別支援学級訪問や交
流会を通して、親の不安やニーズを一人で閉じこもらないで、皆で解決しようという取り組みも。
「…皆さんは点ではありますが点と点を結べば線になり、線を何重にも結べば面になり、面と面
を結べば立体に…その点と点を結ぶことが『手をつなぐ』という言葉ではないでしょうか。
『一歩
前へ、更に前』を合言葉に頑張っています。」
2.質疑応答
1)
山口県山陽小野田市
地域別に現実に起こっている具体的な問題点を教えて欲しい。
・荒井さん
特別支援学校へ訪問し色々な話し合いをしているが40人中10人程度しか療育
手帳を取得しておらず将来へ不安を感じている等の問題が。また岡山県においても統廃合の
問題がある。臆せず一人ひとりが前に出て「どうすればよくなっていくのか」を皆で考える
姿勢が大切ではないか。
2)
岡山県
鳥取県行政に対する働きかけはどのように?知事や市長が代わった時の対応の仕方は?
・大谷さん
活動を始めた十数年前は行政も「どうして養護学校へ行かないのか」「育成会を通
してくれ」と冷たい反応だった。教育長や育成会が協力し”文書”でやり取りすると少しず
- 14 -
つ変化が。学校に提案してもダメだった手話も教育委員会に提案したら少しずつ道が開けた。
「自分の子をどうしたいか」を考え皆で協力し、自分達の方から行政を動かしていく気持ち
を持つことが大切ではないか。
3)
島根県隠岐
グループホームなど地域と関わるためにどんな活動を?どうやって一般就労を支援したらよ
いのか?
・荒井さん
グループホーム、ケアホームを作るに当って親の会で資金を補てんした。療育手帳
があれば就労生活支援センター、ハローワーク経由で就労ができる。
・大谷さん 鳥取では「かめの会」がパン屋、市役所に喫茶、清掃業務などを行っている。少し
ずつ行政に関わってもらえるよう活動している。親が動いて子供の働ける場所を見つけて
くる、また育成会が頑張って行政を巻き込むことを考えてはどうか。
4)
山口県山陽小野田市
政権が変わり、自立支援法から総合福祉法へ変わろうとしているが、判断できない知的障害
者がグループホームやケアホームで安心して暮らすために「親亡き後」をどう考えているか?
法整備の必要性は?
・荒井さん
就労していてやっと利用料が払える状況で、就労していない人は親の持ち出しが
必要となる人も。就労していない障害者がなぜ国の制度の中で生きて行けないのか?就労し
ている障害者より、生活保護受給者のほうが収入の多い現実もある。親がもっと国に対して
も本人の代わりに言っていく必要がある。
・助言者
小坂田先生
妻45歳で失明。障害を持つということの意味を身近に感じ、深く考え
始めた。どんなに重い障害を持っても「地域で生き生きと暮らす」上での3つの壁がある。
① 意識の壁(差別偏見をどう破るか)
② 情報の壁(制度サービスを理解できているか。
「情報を知らない」と言うことを知らない)
③ 制度サービスの壁(不足、縦割り、申請制度の問題)
これらの壁を破るために大谷さんは啓発パンフレットを作られた。一気に破ることはできな
いけれど少しずつ壁を崩していかねばならない。情報の壁については尋ねて来れば教えてや
る精神から地域に出て行って周知してくれる専門職の育成が大切。制度の壁については荒井
さんがネットワーク作りを紹介してくれた。岡山では、次に示す順で地域包括的支援の
仕組み(ケアシステム)を作ろうとしている。
① 地域生活支援センターにおいてニーズの早期発見
② 地域包括支援会議(専門職)や小地域ケア会議(自治会単位)による早期解決
③ 青年後見人制度などの難しい問題は弁護士により解決(弁護士集団を各地域に付ける)
④ 社会資源の開発
評価機能
⑤ 不安やニーズを一人で閉じこもらず
⑥ 専門職の育成、進化
「今までの取組みではないこと」を始めること→ケアシステムの実現が「地域生活を考える」
ではなく「地域で生き生きと暮らす」ことに繋がる。
・助言者
秋本先生
ダウン症の息子が居り、育成会の組織があってこそ施設もでき、入所させ
たが、親の考えと職員の考えの違いに気付き施設理事となる。どんなに法律が代わっても
- 15 -
障害者が地域で安心して暮らすためには、国や行政がやってくれるだろうではなく親が一生
懸命にならなければ実現できない。グループホームや施設も沢山あるが、利用者が満足し
自分の意思で生きていけるのが本来の姿だと思う。施設も保護者や地域と一体となって
頑張っている。職員には「威張るな、怒るな、怠るな」と常々言っており、
「行政は~してく
れない」ではなく「我々にできることは何か」を考え行動している。
・司会者 「地域で暮らす」とはグループホームやケアホームで暮らすというだけでなく、入所
施設であっても地域との関わりを大切に生き生きと暮らしている様子を話して頂き、入所施
設の大切な役割を紹介して頂いた。
5)
岡山県総社市
現在、箱物を否定する風潮にあるが施設と共存が可能だと思っている。今日の提案者は、親
が何故一歩を踏み出さないのかと言ってくれた。
「親だから言えない」という面もあるが育成
会のような団体が盾となって青年後見人制度を確立してくれないか?
6)
山口県山陽小野田市
中国大会の名において 65,000 円という障害者基礎年金を生活保護(120,000 円)並みに引き
上げて欲しいという決議をし、全国大会に上げてはどうか?
7)
岡山県
経済的にも頑張って全国大会に行くつもりだが、今の意見に賛成。自分にできることとして
「地域でいつもニコニコしている」「地域でハンディのある子の話をする」そうした親が増え
ることで地域に暖かな風を通してくれると思う。育成会をもっと盛り上げましょう。
8)
山口県山陽小野田市
青年後見人制度を利用すると、本人の選挙権がなくなることがネックとなっている。青年後
見人制度を改革して欲しい。
・荒井さん
全国手をつなぐ育成会からの青年後見人制度アンケートを知っている方?…少数
本来、末端の会員まで情報が伝わってないのがこの会の問題。年金のことも全国で要望して
きたが政権交代で今は飛んでしまった。
・司会者
9)
今の意見は役員会へ上げ、検討したいと思う。
山口県光市
小坂田先生のファンになった。先生の考える地域生活の定義は?
・助言者
小坂田先生
心しぼむ暮らしを心弾む暮らしにするための2つの「けん」があると思う。
1つは障害は生きる力であり、生き生きと暮らす権利である生活権の保障の「権」。
もう1つは誰も来ない、どこも行かないではなく、豊かな人間関係の作れる生活圏の保障の
「圏」。
10) 岡山県倉敷市
知的障害の子が話しかけることで不審者のように誤解され、あちらこちらに相談し努力もしたが、
育成会としても知的障害者が地域の方に理解して頂ける様、大きな運動をして欲しい。
・大谷さん
このパンフレットを作ったきっかけも同じような思いだった。どこかの施設に置い
ておくだけではこのパンフも意味はない。手渡しして説明することで少しずつ理解が広がっ
ていくと思う。「この子と共に一緒にいたい」という思いでここまで来たが、自分のできる
範囲で自分のできることを親も行動して欲しい。
・司会者
この意見が少しでも解決できるよう育成会でも努力したいと思う。
- 16 -
11) 岡山県倉敷市
大きな団体が圧力をかけるのではなく理詰めで行くほうが良いと思う。子供が望むことを
親は知っているのだろうか?本人が本当に働きたいのか?遊んでいるほうが良いと思ってい
るのでは?
・司会者
沢山のご意見を頂いた。障害者がただ空間の中で生きるのではなく、地域で楽しく
豊かに暮らすため皆で力を合わせていきたいと思う。
・運営責任者
お疲れさまです。ご参加の皆さんには各地域に戻って育成会会員の方々に、是非
今回の話をしていただきたいと思う。
第4分科会「重度障害者の生活を考える」
平成21年10月3日(土)13:30~
会場
海峡メッセ
参加者数
司 会 者
助 言 者
提 案 者
記 録 者
運営責任者
国際会議場(10F)
57名
玉野市手をつなぐ育成会会長
山岡 宏行
宇部市手をつなぐ育成会会長
有田 信二郎
岡山県手をつなぐ育成会会長
徳田 公裕
松野聖母学園施設長
山田 太郎
旭川児童院家族会会長
佐藤 恵美子
鳥取市手をつなぐ育成会
本多 享子
岡山県手をつなぐ育成会事務局
畑田 ちはる
山口県手をつなぐ育成会監事
岡藤 智加子
倉敷市手をつなぐ育成会会長
歌川 健造
山口県社会福祉士会会長
伊藤 孝司
提案者発表後のQ&A
Q1(山口県
河崎さん)
重度障害区分への疑問を持っている。
全盲、肢体不自由3級、知的、難聴で区分3をどう思われるか。
A1
後ほど助言者より(時間の関係で回答がなされなかった。)
Q2(岡山県
平松さん)
① ゆずり葉の会の話合いに感銘を受けた。立ち上げに何年かかったか。
② 専門家とは、どんな方達か。
③ 設立状況をもう少し具体的に詳しく。
A2①平成18年、自立支援法の発足により、契約が必要になり、後見人の申請を急いだ。
②弁護士、行政書士、司法書士、公認会計士、社会福祉士、園の職員等を理事として
参加してもらう。
③最重度の子供たちの状態を理解してもらうために、裁判所に掛け合って現地調査を依頼、
- 17 -
各機関へ 1 年間で70回以上足を運び、全面的協力を勝ち得ることができた。
Q3(広島県
オキシタ)
一昨年区分5の子供の単独後見人になる、次の後見人を指名する遺言状が必要と思っていた。
①「複数後見人」のことを初めて知ったが、よく教えて欲しい。
②障害者が犯罪を犯した時の裁判はどうなるのか。
A3①家裁へ出向き、複数後見に変更したいと聞くのが良い。
②本人の自白が、どこまで正確かの判断が難しい。
知的障害者の特性が警察に良く分かっていない。
各関係機関に、日頃から理解を深める為に、働きかけを。
Q4(山口県
末永さん)
警察等への理解を深める為に、親の会として、どういう姿勢をとるか、はっきりさせるこ
とが大切であると思う。
(事例①)家事で母親が焼死した時、取調べを受けている本人を見て、新聞、テレビ、ラジオは、
状況確認をせずに報道。その後、本人は無罪となった。障害者の権利を守る為に、育成
会は何か出来ないか。
(事例②)(山口県
川崎さん)
多重債務者になった障害者。
司法書士から内容証明を、医師から診断書を取って、交渉し解決した。
A4(助言者
徳田さん)
障害者の権利擁護は大切。特にマスコミ対策。全日本育成会を通じて、訴えていくべき。
情報の共有化が大切、多重債務については特に。各県の消費者センターを活用して
欲しい。その他専門家との連携を活発に。弁護士を呼んでの勉強会など有効。
Q5(岡山県
村上さん)
区分6の子供がいる。育成会が最重度に目を向けてくれたと、大変嬉しく思っている。
金融機関から、成年後見のことを言われているのだが、費用はどのくらいかかるのだろ
うか。
A5(鳥取県
本多さん)
裁判所で書類をもらう。診断書(2,000円)をもらう。
切手3,000円、印紙800円+4,000円
戸籍謄本、住民票他・・・・2,000円
法務局・印紙4,000円
後見人の財産状況の諸書類が必要。
3日後に専任通知が来た。
(助言者
山田さん)
佐藤さんの提言に対して
日本の福祉を引っ張っている旭川荘はすごいな!
保護者が法人で、立ち上げることは先進的
認定費用5万円~は最重度の人には不要
「親なき後は親あるうちに」
在宅保護者
→
親が周辺に気を使う。
地域の役を引き受けるアピールをする、子供を地域へ
- 18 -
しかし、親が認知症になって両者とも入所施設へ
入所保護者
→
自分が亡くなった後の、本人の楽しみは?
どうすれば良いかの不安。
施設に預けていても、訪れて、本人の代弁をして施設に要望するが、親
が亡くなった後はどうするか、本人財産をどう管理していくか、親が後
見人をしていても、本人の利益が損なわれることがある。
財務状況(通帳を預かっている人)を家庭に知らせると、色々な名目で、
本人のお金を使おうとする。
家庭管理の家族が、入所費まで使い込んでしまう。
身上看護は家族が、財産管理は第三者が。信頼できる管理者は、育成会
で考えてみたらどうか。
成年後見のプラス・マイナス
選挙権がなくなる、公務員になれない。
法人の施設は、経営の理事に、障害者当事者を入れることが望ましい。
しかし、理事にはなれない。
成年後見を使うと
権利を擁護しているようで、していない。
(提案者
本多さん)の話の中で
徳田、山田小学校教諭
9年間の義務教育はS22年より
学校に行けなかった子供、小学校に中重度の子供達は行けなかった。
障害児学級は、S35年より始まった。
養護学校は、S52年より
高等部
平成元年
学ぶ権利
平成18年
重度訪問学級
手をつなぐ育成会の力が強かった。
→
行政は何もしなければ動かない。
自立支援法で、運営が困ってきた。
老人介護施設は、手厚い支援があった。政治は大切
在宅の場合は(鳥取県
本多さん)
複数後見を選んだ。しかし、両親が高齢化することがこれからの課題
(下関市員光園
福田さん)
30名
18年にNPO法人を立ち上げた。
お年寄りの後見人を受けている。理事であるが認められた。
Q
A
集団の後見を付けるには如何すれば良いか。
(倉敷市
歌川さん)←
ひまわり園家族会長(300人)
後見人は法人格を取った理事長が受ける。
法人後見人制度をNPOで年内立ち上げ。
その名前を使って、運営していく。
300人の利用者をカバーするには、現、事務員では、足りないかもしれない。
島根県
みのり園の例を参考に
成年後見の落とし穴
A
(島根県沖ノ島
タカナシさん)
- 19 -
支援付き意志決定
後見
Q
(周南市
保佐
保護
河崎さん)
制度が重度になるほど不備。
年金制度も疑問
福祉医療も、単県ではなく育成会全体で要求していこう。
Q
(呉市
中岡さん)
「ゆずり葉の会」
家族会で身辺介護について
←
家族がいなくなったとき、どんなケアが必要か、
費用は?
A
利用会員
175名
運営会員
211名
法人後見
189名
施設病棟
リーダー、副リーダーが随時みていく。
同じ病棟の、同じ面会に行く、他の親もサポート。
費用
入会金
2,000円:利用会員、運営会員(家族)
運営費
2,000円
成年後見について
平成15年~
第一土曜の午後(何でも相談会)←
満杯状態
弁護士、司法書士~
問
題
点
10月号16ページ「手をつなぐ」
1
プライバシーの問題
2
本当に本人を、理解してもらって、後見ができるのか。
身の上後見は、専門の人に任せてしまう。(月1回で大丈夫か)
本人の特性
3
親子共に後見をしてもらうことはできない。
利益相反
4
後見・・・選挙権がない
補助、保佐
後見費用の助成(市町村)
老人のみ障害者は除外されていることがある。
行政に対して、制度活用ができるように、よく見ておく。
相互扶助の考え方で、活用しよう。←
若い親が付いてくるよう。
後見人になれる人が、少なくなっている。
市民後見人募集・・・・受ける人はいないだろう。
死亡時
葬儀費用のみ、「ゆずり葉」の会で準備できる。
社会福祉会
パートナー
受認
120人
70人、150人
- 20 -
(助言者
最重度
徳田さん)
施設中心(特に岡山県)
しかし、満床状態
入れない人はどうする。
短期入所は適応が難しくなる。
親なき後を考えたら、適応させるための入所が必要になる。
地域へ
地域に育てられる力があるのか?
支援体制は、親でないとできない。
ネットワーク作りは、親の会がしなくてはならない。
日中活動の支援
老人、障害者、子供の施設を作る。
地域を支える活動に、協力していく。
横の連携を取っていく。セーフティーネット
重度、軽度
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中央情勢報告
「中央情勢の最新情報」
講
師
社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会理事長
副
島
宏
克
氏
続いて、全日本手をつなぐ育成会理事長の副島宏克氏
より、中央情勢報告として次の報告がなされました。
政権交代に伴う最近の動向として、障害者自立支援法の
国会審議について、平成 21 年度補正予算について、
障害者虐待防止法について等、私たち参加者が一番知り
たい最新情報の説明がなされました。
宣 言 決 議 ( 一 般 )
宣 言 決 議 ( 本 人 )
閉 会 式 ( 主 催 者 )
次期開催地あいさつ
閉会式(本人副会長あいさつ)
- 22 -
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