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報告書

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報告書
ものを大切にする心
香川県立丸亀高等学校
普通科 2 年
原田
安美
私は、ある本を読んで、自然豊かなオーストラリアでも、環境破壊が起こっていると知
りました。オーストラリアでは壮大な自然が見られると思い、憧れを抱いていた私は、当
然ショックを受けました。そこで、オーストラリアの中でも特に自然豊かで、珍しい生態
系を持つタスマニアへ行って、環境破壊の現状を見てこようと思っていました。
しかし、実際にタスマニアへ行ってみると、想像していたのと少し違った現状が見られ
ました。タスマニアデビルの個体数の減少はやはり進んでいるようで残念でしたが、それ
以外の生態系の大きな乱れや、森林伐採、海の汚れは起こっておらず、それどころか、野
生の動物も多く見られて、とても自然がきれいだ、とただ圧倒されたのです。オーストラ
リアの他の地域では、環境破壊が起こっているところもあるのに、タスマニアでは、どの
ようにきれいな自然を残し続けているのだろうと考える中で、気づいたことがあります。
それは、タスマニアの人々は、みんな、自然やものを大切にしているということです。
まず、生態系については、私たちは派遣期間中に動物園を訪れたのですが、そこでは、
育てるのが難しい動物の子供を育てたり、けがをしている動物の保護をしたりと動物の保
護活動を行っていました。そして、その保護活動の延長として、それらの動物の生態系を
見せていました。逆に、日本の動物園のように、客に見せるためだけに、飼っている動物
はいませんでした。このように、動物をむやみに展示して客に見せるのではなく、あくま
で保護をしながら見せる、その、生態系を守ることを最優先にする心構えが素晴らしいと
思いました。
次に、ものについては、タスマニアでは、家さえをも、リユースしていました。これは
どういうことかというと、例えば、夫婦二人で暮らし始めたとすると、まずは、小さい家
を借りる、そして子供ができたら大きな家に移り住む、そして子供が親元を離れたら、ま
た小さい家に移り住む、というように、家を建てることはほとんどなく、元からある家を
選んで、そして、その家を修理したり、改装したりしながら、移り住んでいくのだそうで
す。このような、家をも、修理しながら、何百年も大切にしていく心構えが素晴らしいと
思いました。他にも、タスマニアでできた友達の一人は、お母さんからもらった服や中古
店で買った服をよく着ていたり、ホームステイ先のホストマザーは、洗い物の際に、タン
クに水をはって食器を洗うことで、水を使う量を最低限にしたりと、あらゆるところで、
ものを大切にする心構えを学ぶことができました。
このように、タスマニアでは、生態系や限りある資源を大切にしていて、だからこそ、
美しい自然をそのままに残すことができているのだろうと気づくことができました。そし
て、私も日本での生活を見直す良い機会となりました。
▲タスマン国立公園
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