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別添1 ポルトガル共和国における自動ディマンドレスポンス実証事業計画書
別添1 ポルトガル共和国における自動ディマンドレスポンス実証事業 事業計画書 スマートコミュニティ部 1.実証事業の背景・目的・目標および内容 (1)実証事業の背景 本実証事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」 という。 )の「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」の一環として実施 する。 本実証事業は、我が国のエネルギー・環境分野における優れた技術力を強みに、低炭 素技術・システムを海外に積極的に展開・普及し、成長著しい世界の低炭素関連市場で のビジネスを獲得し、もって我が国及び世界のエネルギーセキュリティに貢献するとと もに、我が国の経済成長や雇用創出につなげ、また、海外の政府・企業とも連携し、最 先端の実証事業に取り組むことで、中核的な技術・システムに関する世界でのフロント ランナーとしての地位を確保すると共に、共同で世界市場の獲得を目指すことを目的と する。 (2)実証事業の目的 ポルトガルでは欧州の環境目標である Energy2020 の達成を目指している。それに向 け、ポルトガル政府は 2010 年 4 月に包括的なエネルギー政策として「国家エネルギー戦 略(National Energy Strategy : NES2020) 」を策定しており、その中で 2020 年に最終 消費エネルギーを対 07 年比で 25%削減するといった省エネ目標や、最終消費エネルギー に占める再生可能エネルギーの割合を 31%とすること等が定められ、その目標達成のた めにスマートコミュニティの構築が求められている。 それに向けたポルトガルの取り組みとして、約 3 万台のスマートメーターが設置され たイベリア圏で初のスマートシティ事業でもあるエヴォラ市の InovCity プロジェクトな ど、既に先進的な取り組みがなされているところ。 スマートコミュニティへの取り組みが進む一方で、2014 年第一四半期には消費電力の 約 70%を、主に風力発電と水力発電を中心とした再生可能エネルギーが占めるようにな り、安定した電力供給のための対策と、欧州市場への積極的な再生可能エネルギーの供 給に力を入れている。 そこで本実証では、ポルトガルにおいて風力発電等の再生可能エネルギーをより有効 に活用することができる、冷熱を主とする空調機器を活用した自動ディマンドレスポン ス実証事業を行う。 そして、日本とポルトガルの持つ技術・システムを組み合わせながら解決を図るスマ ートコミュニティ実証を、我が国とポルトガル両国共同で当地において実施することは、 1 当地における課題解決への貢献に加えて、欧州地域におけるフロントランナーとして、 類似の課題を有する欧州地域での市場獲得の機会拡大に繋がるなど、大変有意義である。 加えて、南米やアフリカ地域に存在するポルトガル語圏等へ共同でビジネス展開する ための足掛かりとする。 なお、昨年 5 月には、安倍首相のポルトガル訪問時の両国政府の共同声明のもと、両 国がスマートコミュニティに向けた協力関係を築いている。 (3)実証事業の目標 ①冷熱を主とする空調機器を活用した自動ディマンドレスポンス これまで各国各地域で既に取り組まれているディマンドレスポンスの発展型として、 風力発電等の再生可能エネルギーを最大限有効利用する冷熱を主とする空調機器を活 用した自動ディマンドレスポンスについて実証する。 ②ビジネス展開の検討 上記について、対象国及びその他の国での当該技術の普及状況を考慮した展開可能性 を検討する。 (4)想定する実証事業の内容 上記目標を達成するために、以下の項目について、実証事業を実施することを想定。 ①冷熱を主とする空調機器を活用した自動ディマンドレスポンス ポルトガルの集合建造物・一般家庭に対して電力消費分析と自動機器制御機能を持つ システムを導入すると共に、電力会社側へセンターシステムを構築することで冷熱を 主とする空調機器を活用した自動ディマンドレスポンスの技術実証を行う。 ②ビジネス展開の検討 今回の実証技術について、対象国及びその他の国での展開可能性を検討する。 2.実証事業の実施方式 (1)実証事業の実施方式 ①本実証事業は、実証事業の内容、推進体制、事業期間および実証後の普及展開モデル を詳細に策定し、その結果見込まれる経済効果および CO2 削減効果を精査する「実証 前調査」と、実証前調査に基づき当該国で技術実証を行う「実証」までの一連の事業 を1テーマと見なし、迅速かつ効率的に事業を実施する。 ②実証前調査終了時には、 「5.評価に関する事項」に基づき、事業化評価を実施し、実 証への移行を判断する。 2 (2)実証事業の実施体制 ①NEDO が本事業を開始するに当たっては、外部有識者から構成される委員会等を設置 し、事業内容・計画及び実施体制の妥当性についての審議に基づいた評価を行った上 で委託して実施する。 ②本実証事業では、「1. (4)想定する実証事業の内容」に示す全項目を一体的に推進す ることが目標達成に効果的である。このため、実証前調査及び実証にわたって、全項 目について一体となって取り組む適切な実施体制を構築する。 3.実証事業の実施期間 (1)実 証 前 調 査 :NEDO が指定する日から平成 28 年 1 月 29 日までとする。 (2)実 証 :実証前調査に引き続き速やかに実施することを想定。 平成 27 年度の事業化評価終了後から平成 30 年度までの約 3 年 間を予定する。 なお、本事業は、政府予算に基づき実施するため、予算案等の審 議状況や政府方針の変更等により、契約期間等を変更することが あり得る。 4.事業の規模 事業全体のうち、NEDO 負担分は以下の通り。 (1)実 証 前 調 査:50 百万円以下 (2)実 証 :30 億円以下 5.評価に関する事項 NEDO は、実証事業の位置付け・必要性、実証事業実現可能性、普及可能性の観点から、 実証前調査の調査報告書に基づいて事業化評価を実施する。なお、事業化評価の時期につ いては、当該実証事業に係る技術動向、政策動向や調査の進捗状況等に応じて、前倒しす る等、適宜見直すものとする。 6.その他重要事項 (1)実証事業の成果の取り扱い ①成果の普及 得られた実証事業の成果については、NEDO、実施者とも普及に努めるものとする。 ②標準化等との連携 得られた実証事業の成果については、標準化等との連携を図るため、ユースケース 3 等の提供、標準の提案等を積極的に行う。 (2)実証事業計画の変更 NEDO は、実証事業内容の妥当性を確保するため、社会・経済状況、国内外の技術 動向、政策動向、第三者の視点からの評価結果、実証事業費の確保状況、当該実証事 業の進捗状況等を総合的に勘案し、達成目標、実施期間、実証事業体制等、実証事業 計画の見直しを弾力的に行うものとする。 (3)根拠法 本実証事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法第 15 条第 1 項第 4 号及び 9 号に基づき実施する。 4