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ブラジル:活況を呈した 第11次ライセンスラウンドと 最近の動向

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ブラジル:活況を呈した 第11次ライセンスラウンドと 最近の動向
ブラジル:活況を呈した
第11次ライセンスラウンドと
最近の動向
2013年6月20日
調査部
舩木 弥和子
1
本日の内容
活況を呈した第11次ライセンスラウンド
今後のライセンスラウンド
Petrobras、生産増なるか?
転機を迎えるブラジル新興企業
2
活況を呈した第11次ライセンスラウンド
289鉱区中142鉱区落札
第11次ライセンスラウンド対象Basin
●2013年5月14日実施
●5年ぶりのライセンスラウンド
●陸上123鉱区、沖合166鉱区
の合計289鉱区を対象
●18か国71社が関心
●うち、64社がPQ取得
●142鉱区落札
●ボーナス総額28.23億レアル
(14億ドル、これまでの最高記
録は2007年の21億レアル)
(作成:JOGMEC)
3
活況を呈した第11次ライセンスラウンド
メジャーは北東部沖合深海鉱区を中心に入札
FZA‐M‐59
FZA‐M‐125,127,57,86,88
BAR‐M‐346
CE‐M‐661
CE‐M‐715
CE‐M‐603
POT‐M‐762
POT‐M‐764
ES‐M‐
669,671,743
(作成:JOGMEC)
Total/BP/PetrobrasはFoz do Amazonas Basin、FZA‐M‐57鉱区を
サインボーナス3億4595万レアル
と過去最高額で落札
4
活況を呈した第11次ライセンスラウンド
注目を集める赤道付近沿岸部
(出所:ANP Pre‐Salt Zones &Acreage)
(作成:JOGMEC)
5
活況を呈した第11次ライセンスラウンド
多くの企業が活発に入札
IOC
●BG:12鉱区に入札、Barreirinhas Basinの10鉱区を落札
●Statoil :Espirito Santo Basin沖合6鉱区落札、4鉱区でオペレーター
●BHP Billiton、Ecopetrol:Foz do Amazonas Basinの鉱区を落札
中国企業
●CNOOC:PQ取得も、ライセンスラウンドには参加しない意向を表明
●Repsol Sinopec:Foz do Amazonas Basin等に入札、落札できず
ブラジル企業
●Petrobras:陸上・沖合合わせ34鉱区落札、パートナーとしても入札
●OGX:合計13鉱区を落札
●HRT:ライセンスラウンド直前にCEOの交代、入札を行わなかった
6
活況を呈した第11次ライセンスラウンド
5年ぶりの入札、大規模油田発見で高い関心
●環境規制
●ローカルコンテンツ
●米国でのシェールオイルブームを受けた世界的な供給拡大
第11次ライセンスラウンドに対する石油会社の
関心が薄れるのではないかとの懸念の声も
ところが
●2008年以降ライセンスラウンドが行われていなかった
●アフリカ西岸や仏領ギアナでの大規模油田発見
多くの石油会社が高い関心を寄せる結果に
7
今後のライセンスラウンド
プレソルトを対象とする入札を10月に実施
●契約形態:PS契約
●Petrobrasが権益の30%
を持ちオペレーター
●対象鉱区:Santos Basin
のLibra油田(ANPによると
原始埋蔵量260~420億
bbl、可採埋蔵量80~120
億bbl、Gaffney, Clineによ
る可採埋蔵量150億bbl)
(作成:JOGMEC)
ANPは連邦政府に、プレソルトのライセンスラウンドは
隔年で行うように、また、現在のポストソルトエリアの
鉱区よりも広い鉱区を公開しないように要求
8
今後のライセンスラウンド
非在来型の鉱区を対象とする入札を11月に実施
●第12次ライセンスラウンドは
非在来型の鉱区を対象として
11月に実施
●非在来型の鉱区を対象とす
る入札はブラジル初
●生産される非在来型ガスは
優先的に発電用に供給される
計画
(作成:JOGMEC)
9
今後のライセンスラウンド
2014年2月に中小規模の企業対象の入札実施
●鉱山エネルギー省は、2014年2月に成熟堆積盆地やあ
まり活動が行われていない地域を対象に入札を行う計画
●中小規模の企業が対象
●ブラジルの独立系石油生産会社協会によると、ブラジ
ル企業20社がこの入札に興味
●外国企業の参加も可能となる模様
10
Petrobras、生産増なるか?
新5か年計画、探鉱・生産部門向け投資額増加
Petrobras5 カ年計画 BMP2013-2017 投資額内訳
Petrobras5 カ年計画投資額推移
(億ドル)
探鉱・生産部門への投資額の内訳
探鉱・生産部門への投資額のエリア別内訳
(出所:Petrobrasホームページ)
11
Petrobras、生産増なるか?
新5か年計画、生産目標にも変化なし
Petrobras BMP2013-2017 ブラジル国内生産目標
Petrobras BMP2013-2017 生産目標エリア別内訳
(出所:Petrobrasホームページ)
12
Petrobras、生産増なるか?
課題解決を目指すPetrobras
生産伸び悩み
(ANPホームページよりJOGMEC作成)
Campos Basin
プレソルト
コスト削減や効率改善のプログラムが奏功
2013年下半期にはメインテナンス作業が終了
2013年4月の生産量は石油が295,200 b/d、ガスを
含めて 357,600 boe/d(前年同月16.34万b/d)
生産量増加の見通し、2014年末にブラジルは自給達成?
13
Petrobras、生産増なるか?
課題解決を目指すPetrobras
資金不足
ブラジル国内外の資産99億ドルの売却を計画
●米国メキシコ湾リース6件の権益20%を1億ドルで売却
●Statoilにタンザニア沖合鉱区権益の12%を売却する予定
●ナイジェリア資産売却を計画
●アルゼンチン子会社の株式の51%売却について協議中
●ペルーBlock57、58の権益売却を検討
2013年5月、社債発行により110億ドル調達
人材不足
Petrobrasは、第11次ライセンスラウンドではノン
オペレーターとしても権益取得。第12次ライセン
スラウンドについても外資と協議中
14
転機を迎えるブラジル新興企業
OGX、開発中鉱区からファームアウト
●5月7日、OGXは8億5,000万ドルで
PetronasにCampos盆地BM‐C‐39、40 鉱区の権益40%を売却すると発表。
Tubarao Martelo 油田は2013年末生
産開始予定
●2007年7月設立。ブラジルとコロン
ビアの34鉱区に権益保有。Tubarão
Azul油田を発見する等油田、ガス田
発見に成功。2012年1月末に
Tubarão Azul油田で生産開始するも
生産量伸び悩み。CEOの交代、戦略
を変更、探鉱から生産へシフト。金
融市場関係者の信頼を失い資金繰
りに苦慮
OGX保有鉱区
(作成:JOGMEC)
15
転機を迎えるブラジル新興企業
HRT、Polvo油田の権益取得
●5月6日、Campos Basin、Polvo油田の権益の60%を保有す
るBP Energy Americaを 1.35億ドルで取得したと発表
○4月にANPより深海でもオペレーターを務めることのでき
るオペレーターAの資格を取得、初のブラジル沖合進出
○Polvo油田はAPI20.3度の原油1.3万b/dを生産中
●2009年設立。ブラジル及びナミビアの36鉱区に権益保有
●5月10日、HRTの創設者であるMarcio Rocha Mello氏が
CEOを辞任。後任は2009年までPetrobrasに勤務後、HRTに
転じたMilton Franke氏
16
転機を迎えるブラジル新興企業
Barra Energia、CNPCと買収について協議
●CNPCがBarra Energiaを約20億ドルで買収することにつ
いて両社が協議を行っていたが、これを中止
●2010年設立。2011年7月にSantos Basinプレソルトの
BM‐S‐8鉱区の権益の10%を、8月にBS‐4鉱区の権益の
20%を、Shellから取得
中国国営石油会社各社は2010~2012年初にかけてブラ
ジルで積極的に資産、企業買収。その後、中国各社は北
米非在来型資産取得に集中
【Sinochem 】
2010 年5 月、Statoil よりPeregrino油田の権益の40%を30.7億ドルで取得
2012年1月、Perenco からEspírito Santo 盆地の5 鉱区(BM‐ES‐37、BMES‐38、
BM‐ES‐39、BM‐ES‐40、BM‐ES‐41)の権益の10% を取得
【Sinopec】
2010年10月、Repsolのブラジル子会社の株式40%を70億ドルで取得
2012年3月、Galp Enaregiaのブラジル子会社Petrogal BrazilとGalp Brazil Serviceの株式30%を52億ドルで買収
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まとめ
●第11次ライセンスラウンドには、北東部沖合深海鉱区を中
心に、メジャー等多くの企業が関心を示し、289鉱区中142鉱
区が落札され、ボーナス総額は過去最高を記録した
●ブラジルでは今後も10月にプレソルト、11月に非在来型、
2014年2月に成熟堆積盆地等を対象とする入札が実施され
る計画だ
●Petrobrasは資金不足、人材不足の問題を抱えながらも、
新5ヵ年計画では探鉱・生産部門向け投資額を増加させ、
2013年下半期には生産量停滞、減少の状況からの脱却を
目指している
●2007~2010年に設立され急激に成長を遂げてきたブラジ
ル新興企業がそれぞれに転機を迎えており、今後の動向が
注目される
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