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2013年ライセンスラウンド 実施をめざすブラジル
2013年ライセンスラウンド 実施をめざすブラジル 2012年12月13日 石油調査部 舩木 弥和子 1 本日の内容 1.ロイヤルティ法案、国会通過 2.Rousseff大統領、同法案に部分的な拒否権 を行使するも署名 3.ライセンスラウンド、2013年実施の可能性 高まる 4.ブラジルの最近の生産状況 2 ロイヤルティ法案、国会通過 3 作成:JOGMEC 産油州に対するロイヤルティ配分減少 ブラジルの契約形態とロイヤルティ 鉱区 既存鉱区 プレソルト以外の新規鉱区 プレソルトの新規鉱区 契約形態 コンセッション 契約 PS契約 ロイヤルティ 10% 15% ブラジル国内でのロイヤルティ配分比率(%) 連邦政府 産油州政府 産油地方自治体 非産油州政府 非産油地方自治体等 作成:JOGMEC 現行法 このたび議会を通過した法案 2013年 2020年 30 20 20 26.25 20 20 26.25 15 4 17.5 45 56 4 産油州が反発 国会で承認された法案は、既存鉱区で生産される石油、 ガスに課されるロイヤルティも含め国内での配分割合を 変更した。 産油州政府の主張 同法案が成立すれば、ロイヤルティ収入が大幅に減少。 Rousseff大統領が拒否権を行使することを期待。拒否権 が行使されなければ、裁判所に異議を申し立てる可能 性も。 ブラジルのロイヤルティ収入(鉱山エネルギー省) 2011年:256億レアル (125.8 億ドル) 、2020年:600億レアル(294億ドル) Rio de Janeiro州のロイヤルティ収入 2013年に34億レアル、2020年までには770億レアル減少 Espirito Santo州の2020年までのロイヤルティ収入 237億レアルから132億レアルに減少 26日には、産油州政府や地方自治体の指示もあって20万人が参 加しRio de Janeiroで大統領に拒否権行使を求める大規模なデモ 5 Rousseff大統領に委ねられた決断 Rousseff大統領がロイヤルティ法案に署名をするか、拒否権 を行使するか決断する期限:11月30日 争点:既存鉱区で生産される石油、ガスに課されるロイヤル ティの国内での配分比率を変更するか否か 政府の意向:2013年にライセンスラウンドを実施 Rousseff大統領の選択肢 ①既存鉱区で生産される石油、ガスに課されるロイヤルティ の配分に関する条項に部分的な拒否権行使⇒産油州は 2011年並みのロイヤルティを受領でき、提訴の可能性低減 ②国会を通過した法案を承認⇒産油州が提訴する可能性 はあるが、裁判で争う箇所を既存鉱区で生産される石油、ガ スに課されるロイヤルティに限定する 6 大統領、部分的拒否権を行使するも署名 Rousseff大統領は11月30日、既存のコンセッション契約に基 づいて生産される石油、ガスに課されるロイヤルティの国内 での配分に関する条項について部分的な拒否権を行使、法 案の他の部分については署名。 同条項は国会に差し戻される。大統領の拒否権を覆すため には上、下両院で過半数による再可決が必要。Rousseff大 統領は上院で支持を取り付けている模様。 主要産油州は法的措置は取らない。他の産油自治体が提 訴する可能性は否定できないが、影響力はないとの見方。 同条項を除いた部分が法律として成立することになる見通し。 7 ライセンスラウンド、2013年実施の可能性高まる Lobao鉱山エネルギー相は9月17日、ライセンスラウンド の実施時期について発表 第11次ライセンスラウンド:2013年5月 プレソルトを対象とする最初のライセンスラウンド: 2013年11月 ブラジル政府は1999年以降、年に1回の割合でライセン スラウンドを実施してきたが、2008年の第10次ライセン スラウンド以降、4年間ライセンスラウンドは実施されて いない 8 第11次ライセンスラウンド 2011年上半期のANP発表では ブラジル北東部Para‐Maranhao、 Potiguar、Barreirinhas、Ceara、 Foz do Amazonas Basin等の沖 合87 鉱区、陸上87 鉱区が対象 2012年10月末、環境面への配 慮から対象鉱区のうち赤道付 近の鉱区を除外する可能性が あり、対象鉱区数は170鉱区程 度となる見通しとANP幹部が発 言 第11次ライセンスラウンド対象Basin 作成:JOGMEC 契約形態はコンセッション契約 9 注目を集める北東部沖合 出所:ANP Pre‐Salt Zones &Acreage 作成:JOGMEC 10 プレソルトを対象とするライセンスラウンド 対象は2010年5月 にSantos Basinで発 見されたLibra油田 (可採埋蔵量50億 bbl)を含む鉱区 契約形態はPS契約 作成:JOGMEC 11 減少するブラジルの石油生産量 生産量減 退の理由 プレソルトの生産量が期待されていたよりも増加しない Campos Basin成熟油田の生産量落ち込みが著しい 主要油田のメインテナンスが集中 ANPホームページよりJOGMEC作成 12 粛々と続くプレソルト開発 プレソルトについてはLula5坑、 Jubarte、Caratinga e Barracuda、 Marlim Leste、Marlim e Voador、 Barracuda各1坑の合計10坑で生 産 各種資料よりJOGMEC作成 9月、PetrobrasがCampos 盆地の Baleia Azul油田の生産を開始。 生産量は9月が15,500b/dで、11 月には42,000b/d。2012年末まで にFPSO が生産井7坑、2013年初 には10坑と連結され、2013年3月 にはBaleia Azul、Jubarte、 Pirambu油田より合計で10万b/d を生産する見通し Baleia Azul 油田の生産開始で9 月のプレソルト生産量は18.26万 b/d、ガスを含めると22万boe/dに 13 Campos Basinの生産量回復を目指すが ブラジルの生産増は2014年以降 Petrobrasは7月よりCampos basin の生産量を引き上げるためProef (operating efficiency program )を 開始 投資額:56億ドル 1980年代から生産を続けている 成熟油田の資材、機材を交換 7月から31のプラットフォーム(生産量 45万b/d)を対象に実施 PetrobrasホームページよりJOGMEC作成 2013年はRoncador 油田P‐54プラット フォーム、Marlim Sul油田P‐40プラット フォーム等15のプラットフォーム(生産 量90万b/d)を対象に実施 14 おわりに IEAの World Energy Outlook 2012 ブラジルは今後20年間で 中東以外では最も石油生 産量の増加が期待される 国、石油生産量は2011年 の220万b/dから2035年に は570万b/dに増加する 各種資料よりJOGMEC作成 15