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2012
天然ガス ーシェール革命と多様化ー 九州大学 科学技術と社会(エネルギー) 7月22日(第4講) 天然ガス • 化石燃料の中では比較的生産国が分散。最もク リーン • パイプラインによる輸送とLNGによる輸送がある • 日本における天然ガスの利用は限定的 • 発電部門の大きな依存、その影響 • 新しいタイプのガス、シェール(構造、生産予測な ど)、⇒革命 • 日本国内の資源の可能性 ①世界の一次エネルギー見通し 出所:IEA(2012) ②世界の天然ガス • 欧州などはパイプラインで輸入 欧米のパイプライン網 アメリカのパイプライン(EIA,2009) 世界のLNG供給(2012年) Norway (3.5) Algeria (11.2) Qatar (77.5) UA E (5.6) Russia (10.9) U.S (0.6) Malaysia (23.4) Brune Egypt i (4.9) Oman (6.7) (8.2) Nigeria (20.0) Equatori Indonesi Australi al a a Guine (18.4) (20.6) a (3.6) Review of World Energy 2013 (出所)BP Statistical 単位:百万トン/年 Qatar Malaysia Australia Nigeria Indonesia Trinidad & Tobago Algeria Russian Federation Oman Brunei United Arab Emirates Yemen Egypt Peru Equatorial Guinea Norway Other Europe* U.S. Brazil Total export オマーン 5% UAE 7% ブルネイ 8% ロシア Mton-LNG/yr share [%} 77.5 32.2% 23.4 9.7% 20.6 8.6% 20.0 8.3% 18.4 7.6% 14.1 5.8% 11.2 4.7% 10.9 4.5% 8.2 3.4% 6.7 2.8% 5.6 2.3% 5.2 2.2% 4.9 2.0% 4.0 1.6% 3.6 1.5% 3.5 1.4% 2.3 1.0% 0.6 0.2% 0.3 0.1% 241.1 100% Trinidad (14.1) マレーシ その他 ア 19% 7% (2011年) 日本のLNG 輸入量 7,853万ト ン 9% Peru (4.0)インドネシ ア 12% カタール 15% 豪州 18% LNGの輸入国は total Volume(M-ton) Share(%) Bcm 87.3 36.2 118.8 36.5 15.2 49.7 15.7 6.5 21.4 15 6.2 20.5 14.7 6.1 20 12.4 5.2 16.9 10 4.2 13.7 7.6 3.1 10.3 241.1 100 327.9 輸送、荷揚げ 貯蔵:-160℃以下 • 東京ガス扇島LNG基地 ③天然ガスの国内需要 • 電力用天然ガスは需要拡大 • 他方、天然ガス利用の歴史は新しい、今後需要が 拡大見込み 資料:エネルギー白書(2011) 資料:ガス協会 エネルギー使用形態:石油から天然ガス、電気へ ガス協会資料 ④最近の問題:LNGへの依存 • 日本は原発停止に伴い天然ガスの大量購入 • ガス価格が世界的に分断された構造に • 米国はシェールガス革命で価格が低下 燃料調達費増大の影響 【貿易収支及び経常収支の推移(半期ベース)】 30 貿易収支 25 (兆円) 経常収支 20 2013年上半期の 経常黒字額(3.2兆円) 15 10 2013年上半期は 貿易赤字▲4.8兆円 経常黒字額 (4.8兆円) 5 0 -5 -10 2012年の赤字は ▲6.9兆円 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 上半期 13 12 10 0 '2000/01 '2000/09 '2001/05 '2002/01 '2002/09 '2003/05 '2004/01 '2004/09 '2005/05 '2006/01 '2006/09 '2007/05 '2008/01 '2008/09 '2009/05 '2010/01 '2010/09 '2011/05 '2012/01 '2012/09 '2013/05 各燃料の熱量あたりの価格推移 円/千kcal 原油 LNG 一般炭 8 6 4 2 (出所)エネルギー経済研究所 LNG価格の安定化対策: 供給国・企業の多様化、交渉力の強化 ウラジオストクLNGプロジェクト (ロシア) ・2018年頃に生産開始を予定。 年間1,500万トン を生産予定。 極東におけるLNGプロジェクト ・2019年頃に生産開始、500万ト ン/年を生産予定 ロブマ海上ガス田プロジェクト(モ ザンビーク) ・2018年以降に生産開始を予定。 年間生産量約1,000万トンのうち、 相当量を日本 向けに輸出予定。 (米国) ・フリーポートLNGプロジェクト ・コーブポイントLNGプロジェクト ・キャメロンLNGプロジェクト ・日本計1,500万トンの引取に目 途。 イクシスLNGプロジェクト(豪州) ・INPEX(国際石油開発帝石)が 操業。 ・2016年末以降に生産開始を予 定。年間約 600万トンを日本向 けに輸出予定。 15 価格低減化対策 • 供給源の多様化(シェール、他の生産国 • 価格フォーミュラの見直し(仕向け地条項、引 き取り条項、オイルリンク) • 共同購入 • 総括原価方式の見直し(トップランナー方式) ⑤シェール革命とは • • • • • • 技術革新が産んだ新しい資源 水平掘削法、水圧重破砕法 1940年代水圧破砕法の開発 2008年代からの、採掘技術の開発 世界の石油・ガス市場の大きな変化 世界経済への影響 新しいタイプのガスの生産方法 オイルシェールなど エネルギー白書、2011 採掘技術の発達 水平掘削技術 • 2003年、デボン社水平掘削技術を確立 多段階水圧破砕技術 • 1940年代にはじめて使用 • 1998年、ミッチェルエナジー社効果的破砕技 術の開発 • 2007-2008、従来型ガス生産落ち込み、 シェールの生産増加 今後の見通し、新しいガスのインパクト ・ ・ ・ ・ ・ 世界最大の輸入国だった米国が輸出国に 2009年米国シェールガスは従来型天然ガスの16%に シェールガス埋蔵量は天然ガス埋蔵量の2倍~6倍 CBMは天然ガス埋蔵量の1.4倍(260/190兆m3 化石燃料当分安泰? EIA,エネルギー白書より 01 20 年1 01 月 20 年7 02 月 20 年 02 1 月 20 年7 03 月 20 年 03 1 月 20 年 04 7 月 20 年 04 1 月 20 年7 05 月 20 年 05 1 月 20 年 06 7 月 20 年 06 1 月 20 年7 07 月 20 年 07 1 月 20 年 08 7 月 20 年 08 1 月 20 年 09 7 月 20 年 09 1 月 20 年7 10 月 20 年1 10 月 20 年7 11 月 20 年1 11 月 20 年7 12 月 20 年1 12 月 20 年7 13 月 20 年1 13 月 年 7月 20 世界の3大市場間の格差の拡大 26 24 両軸とも米ドル表示価格、左軸は100万Btu、右軸は原油バレル当たり 米国パイプライン・LNG輸入平均 日本向けLNG平均 英国パイプライン・LNG輸入平均 JCC 20 18 14 10 6 4 0 140 22 120 16 100 16.61$/MMBtu 80 12 10.84$/MMBtu 60 8 40 20 3.98$/MMBtu 2 0 (出所)財務省貿易統計、Energy Intelligence、米国EIAホームページ等 21 シェールガスによる産業構造の変化 • アメリカの産業競争力の上昇 ⑥国内の天然ガス資源 • 実は、天然ガスは、国内生産が4%くらいあり ます • メタンハイドレード 海域におけるメタンハイドレートの賦存形態 海面 水深 500m以上 表層型 メタンハイドレート →海底の表面に一部が露出 し、塊の状況で存在。 砂層型 メタンハイドレート →海底面下数百メートルの地 層中に砂と混じり合って存在。 BSR ※BSR(Bottom Simulating Reflector) BSRは地震探査で観測 され、メタンハイドレートの 存在を示す指標。 水深 1,000m 程度 海底面 タービダイト 砂泥互層 BSR メタンハイドレート濃集帯 低飽和ガス層 24 砂層型メタンハイドレートの海洋産出試験 1.海洋産出試験 2.ガス生産実験(3/12~3/18の約6日間) 3.試験海域:渥美半島と志摩半島の沖合 使用船舶:「ちきゅう」 燃焼処理(フレア) 25 メタンハイドレード分布 • 将来的なメタンハイドレード • 南海トラフ1.1兆m3、 • 日本の消費量の13年分 • 天然ガスの更なるクリーンな利用 • バイオガス • 水素-燃料電池 • 水素社会への貢献 何か変だね。 ガス協会作成資料、2000年 これはどうでしょ 経済産業省資料、2013年