...

「トヨタ流」現場の人 - 株式会社 Jコスト研究所

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

「トヨタ流」現場の人 - 株式会社 Jコスト研究所
づス
新連載
トヨタ流」
「
現場の人 くり
3つ の エッセン
ものつくり大学 田中正知
間違いだらけの トヨタ生産方式
トヨタ自動車がおか しい…… そんな記事 を日に
す る。「ここ数年 リコー ルが相次 ぎ、2 0 0 6 年には
た ものでは ない。経営 トップか ら従業員 の末端 ま
で組織 を確成 す る人 間 の 「ものの 見方、考 え 方J
で あ り、ヤi 学とで も言 うべ きもので ある。 トヨタ
幹 部社 員 に よる リ コー ル 隠 しまで 明 るみ に出 た 。
トヨ タのア イデ ンテ ィテ ィ、代 名詞 と言 つて もよ
生産 方式 の実践 は 「トヨ タ流人づ くりJ と ほ とん
い 品質。そ の 品質面 における挫J 「
り
。 もし、 この ま
ど同義 なので ある。
まの状 況 が続 けば、 トヨタ自動車 の将来 は、 きわ
めて危 うい もの になろ うJ
前述 した トヨタの品質問題 の露呈 は、創業以 来
私 は2 0 0 1 年 に退職す る まで 、 トヨタ 自動車 に
脈 々と続 い て きた L 台 となる思想、そ の 上に立つ
トヨ タ生産 方式 に微妙 な狂 いが生 じ始 めているこ
約 3 5 年 間勤務 して い た。生産 と物流 の現場 に密
とが原因ではないだろ うか。 トヨタ生産 方式 の根
着 し、指揮 指導 して きた私 は 、 トヨタが 最 も輝
いて い た時イ
t を知 る人 月の 人 と して、 こ うした
幹 に 置 くべ き人づ くりが、従来 の ように機能 して
い な いの で は なか ろ うか。 トヨタの O B と して、
現状 を見 l f l き
す るのはつ ら く、悲 しい。
私 はその点 を深 く危惧 して い る。そ こで 、 よき時
トヨタ生産方式 と言えば 、お金儲 けので きる生
産方式 、 トヨタの高収益 の源 と思 われが ちである
代 の現場 を知 っている人間 として、後世 に伝 えて
い くべ き 「トヨ タ流J 人 づ くりの エ ッセ ンス を3
が、 トヨタ4 i 産方式 は生産のや り方 だ けをを示 し
卜│ にわた り紹介す る。
トヨ タ生産方式は 日々進化 して い る
¨ ある時期までのトヨタ生産方式
実 は 、私 はあ る‖
1 期 まで トヨ タ生 産方 式 が 嫌 い
率 的 な生 産 が で きる か と い う こ とに 粁i 一l l N で
、
「
相 手 の気持 ちJ を 考 えるゆ と りが なか ったので
だ った 。 人T 予
而」一 氏 の 著 書 を読 む とわか る よ うに、
ある。
トヨ タ生 産 方式 は生 産 に従事 す る 人 間 の 「
心 の動
大声 を_ ロデた り、怒鳴 った り、相 千の 自尊心 を
傷 つ ける言葉 をl L いた り、 トヨタ生産 方式 を教 え
る人を神様 の よ うに祭 り上げた り… 、 こん な嫌が
きJ や 「
働 き ‖斐J と い うところ まで深 く追求 し
た ところか ら生 まれて い る。
にもかかわ らず、ある時期 まで の トヨタ生産方
式 は 、そ の 普及 を急 ぐあ ま り 「モ ノの動 か し方J
しか議論 して い なか った。 モ ノをどう動 かせ ば効
らせ じみたことをや っていた時代 は確 かにあ つた。
今 か ら約 4 0 年 前 の こ とで あ る。私 が トヨタに人
三 河板金J
社 して間 もな くの 頃であ り、トヨ タが 「
Vo 53 Nol工
場管理
00
「
トヨタ流」
現場の人づくり3つ のエッセンス
と陰日を言 われて い た頃 の ことで ある。
私 自身 も、い くたびか 「ご指導」 を受 け たこと
が あ った 。 当時 の ご指 導 は 、当時 の 私 には大 変
理不尽 J に 聞 こ えた。 なん とか正 面 か ら反 論 し
「
よ う として 、当時始 まったばか りの 「中小企業診
断士J の 通信講座で一 生懸 命勉強 した。 うま く反
論 はで きなか ったが、 この ときの勉強 のおか げで
今 日の私 があると思 つている。
理不尽 ともいえる指導 もある…?│
● トヨタ生産調査部OBとして思うこと
その 後 、 ど うい う巡 り合 わせ か約 1 3 年 前 、 ト
ヨ タ生産方式 の本家 である生産調査部 に着任 した
ときは 、紳士 の集団 となってお り、真摯 にあるべ
き姿 を論 じ合 った ものであった。 ところが巷間 に
は 、2 1 世 紀 の現代 にお い て もまだ、当時す なわ
ち4 0 年 前 の状態 をその まま再現 して 「トヨタ生
産方式J と 称 して コンサ ル タン トを して い る団体
が複数あ ると聞 く。
トヨタ自動車 O B と して、 トヨ タ生産 方式 を真
摯 に研究 して い る者 として、大変違和感 を覚 えて
い る。宗教 は元祖 が一番偉 くて、代 を追 うご とに
権威 が下が つてい く。そ の一方、学問 は元祖が発
起人 で 、代 を追 うご とに レベ ルが 向上 し、進化 し、
深化 してい く。 トヨ タ生 産方式 は経営哲学 で あ り、
日々進化 して い るのだ。
トヨ タ生産方式 は方法 論 で はない、
経営哲学そ の ものだ
゛ トヨタ生産方式についての最大の誤解
世間での最大の誤解は、 トヨタ生産方式を 「
生
い
産性を上げるための単なるツール」だと思 込ん
に、 ネー ミン グが誤解 を招 い て い る面 は否定 で き
ない。 ただ 、そ もそ もの ルー ッはい かに効率 良 く
で い る経営者 や担 当者 が 多過 ぎる ことである。 ト
生産 して競 争力 をつ けるか とい うところにあ った。
それ を一 生懸 命研究 し。研鑽 を積 んで い くうちに、
ヨタ生産方式 は 、断 じて生産性改善 のための ツー
会社 の あ り方そ の もの を追 求す るための道場 の よ
ルではない。企業 としての あ り方や理念 をどう考
うにな っていった。
え、 ど う構築 して い くか を示 した経営哲学 である。
なぜ か と言 えば、生産工程 の効率化 だ け進 めれ
では企業 は何 のために存在 し、 どこを目指すのか。
ば売_Lげが上が り、利益率が高 くなる とい うもの
「社 員 が 幸 せ に な り、 お客 さ ま も幸 せ にす る J
―― 。 きわめて 簡単 に表現す る と、 トヨタはそん
な姿 を目指 して い る。そ ん な姿 をつ くり上げてい
ではないか らである。開発 か ら販売、物流 に至 る
くには どうす るか。その指針 となるのが トヨタ生
た 、会社 を支 えて い るのは、そ こに所属 してい る
産方式 なので ある。
社員である。社員がそ の気 になって働 かなければ
まで の すべ ての機能 をレベ ルア ップ し、連動 させ
ない と全 体的 なパ フォーマ ンスは向上 しない。 ま
会社 はよ くな っていか ない。社員がそ の気 になっ
=生 産効率の追求が
会社のあり方そのものの追求になる
て働 くとい う ことは、働 くことに生 き甲斐や喜 び
を感 じなが らlSlく
とい うこ とである。そ うい う社
生産方式 と名付けたものを哲学 だJ と 言 われ
「
て違和感 を感 じる向きもあるかもしれない。確 か
員が増 えて い けば、お のず と会社 もよ くな り、社
員 もハ ッピー になる。
工場管理
丁
なぜ 、 トヨタ生産方式 が会社 の あ り方そ の もの
あるがわかつてもらえよう。
を示す指針 の ようになつて い ったか 、漠然 とでは
トヨ タ生産方式 を 自社 に導入するため の条件
゛ コンサルタント招聘前の準備
トヨタ′
L産 方式 の導 入 は 、安易 にで きる と考 え
てはな らな い 。優秀 な コ ンサ ル タ ン トを招 聘 し、
う。社員 を トヨタ生産方 式 の講習会 に出すだけで
は何 の進展 もない。神社 か らお札 をい ただ いて き
て、職場 に飾 ってお くの と同 じである。
数年間にわたって指導 を受 ければ機能す る とい う
ものでは ない。機能 させ るための 条件 とい うもの
がある。 まずそれ を考 えてみ る。
導 入 を考 えて い る企 業 は 、 まず 自社 の 目指 す
◆ コンサルタン トが指導する
3 つ の 日標 レベル
さて、 コンサ ル タン トに何 を教 えて もらうかが、
「
企業 の あ り方J「お客 さまや社会貢献 に対す る姿
モ ノづ くりに賭け る ロマ ンJ「社員 の 生 き「
勢」 「
P
今後 の行方 を占う重要 な ことになる。 コンサ ル タ
ン トに教 えて もらうのはあ くまで 「トヨタ生産方
斐 や幸 せ を実現 し、具体的 に ど う支援 す るのかJ
な ど、企業 と しての基 本 的 な ス タンス を整 J「し、
式 の哲学」 す なわち 「モ ノの見方 考 え方」 に止
め る こ とで あ る。 そ の 理 由 は 、純技術 的 に見 て、
組織決定 し、「社是」 や 「長月l方針」 と して成 文
いかに優秀な コンサ ル タ ン トで も、手 の 内にある
化 してお く必 要があ る。
手法 は 「
過去 に」「
異業種 で」 「まった く異 なる企
業風 土の中でJ う まくい った ものだか らだ。その
次 に、そ の 自社内 の 「
合意事項Jと
「トヨタ生
産方式 のキ「
学Jが 矛盾 して い ない かをチ ェ ックす
る。その 11に立 って 、会社方針 として 「トヨタ41
産方式 の導 入Jを 決定す ることになる。
会社方針 と して決定 したの であれば、推進担 当
役員 を決 めることになる。誰が担 当す るかで 会社
の本気度が わかるので 、従業員 は固唾 を呑 んで 見
守 つている。私が トヨタにい た頃 は 、副社長 が担
当す ることが 導 入 のit提条件 だった。
推進担 当副社長が決定す る と、 トヨタ生産方 式
推進 の ための組織 づ くりに入る。担 当副社長 の面
手法 がその まま他社 で使 えるはずが ない と考 えた
方が よい。
教 える コンサ ルタン トの立 場か ら説明 してみる。
私 が トヨタの生産調査部 にい た と きの例 をとって
説明す る。当時、他企業 か ら トヨタ生産 方式 の導
入を依頼 される と、到達 目標 と して次 の 3つ の レ
ベ ルか らどれ を選ぶのか選択 してい ただ いていた。
〈レベ ル 1〉 卜∃夕生 産方式の仕組みを構築する
この場合 は、 コンサル タン ト側 か らベ テ ラ ンを
出 し、相 手側 の作業 をす る人中心 に手伝 つて もら
全社推
子 に賭 けて、全社か ら適任 者 を選抜 して 「
い 、道具立 てを行 い 、作業方法 を教 え、 うま く動
進本部」 を組織 し、推進担 当副社長直属 の組lJtを
くのを確 かめて引 き上げる。 この レベ ルだ と、製
つ くる。各工場 にも工 場長 を推進責任者 に した 同
品が 変 わ り、課長が代 わると消滅す る。
〈レベ ル 2〉 卜∃夕生産方式の仕組 み と、仕組み
様 の組織 をつ くる。 これ を各製造課 まで展 開 させ
る。安全推進組織 をイメー ジすればわか りやす い
と思 う。
これだけのお膳 立てを整 えた うえで、優秀 な コ
ンサ ル タ ン トを招 IISす
ることになる。 トヨ タ生産
を維持するスタ ッフを残す
この ときは相手先 に担 当す るス タッフを選 んで
もらい 、 トヨタの現場 に連れて きて、現地 。現物
方式 を導 入 しようとす る と、 しっか りとした覚悟
でその仕組 み を勉強 させ た うえで彼 らに 自社 の仕
組み をつ くらせ 、動か してなる。 うま くいかなか
と事前準備 が い ることがおわか りい ただけた と思
った ら彼 らに考 え させ、彼 らの手 で 直 させ る。彼
74
Vo153 No l工
場管理
8「
卜∃夕流」
現場の人づくり3つ のエッセンス
トヨタ生産方式のキー ワー ド
5S
ム リ・
ムダ・
ムラ
活 人化
省人化
少人化
見 える化
」I T
自動化
赤紙
ムダ取 り
セル生 産
1 個流 し化
みずすまし
横 持 ち・
縦持 ち
自主研 活 動
少 ロット生産
多頻度運搬
夕l 段取 り化
整流化
自律分散化
流 れ化
差 し立 て板
かんはん方式
チョロ引 き
つるべ落 とし
AB方 式
│,「
1身力1問題角
イ決 し、自分たちだけでで きる こ と
はl y L け
り1 原 か ら ド
F 出発 したて 多 くの メー カ ー は 、
を :認してりlき111す
る。
ー カーの 図泊i を1 1 って 来用 ‖i の4 1
i毎
外 の 自」
lJIIメ
, F をした。 いす ゞ= ヒ ルマ ン、 日産 = オ ー ステ ィ
■
“ 人先の 企業で トヨタ4i産方式 を展開 した効 果
と、 スタッフた ちの 貢献 を トップが 認 め 、支援す
ブしば 、 く
にlly:人
、│[1り
さオして 。ヽく。 それが な 。ヽと、
ン、 ‖y l = ル ノー な どで あ る。 トヨ タ、 ホ ンダ、
の 仕判│みはllえてい く。それに携 わつていた スタ
スズキは自社設計 だ った。そ の取 りお[ み方のサ
生い
:
1
′
の
い
の
によるその後 差は、今 来川 L 産 を して る
各社 の状況 を見ればI jりらかである(
ソフはオL内での居場 ,'「
がな くな り、独立 して経常
コンサ ル タン トと して活躍す る道 を選び、‖外 に
☆
′
トヨタ L l f 方式 は4 1 き物 である. 導 入す る対象
出て行 って しまう。
〈レベ ル 3〉 卜∃夕生産方式 を企業文化 と して定
であ る職場 もまた1 1 き物 であ る. I : っ て みれば 、
導人 を ズ│った役員の退職 とともに トヨ タ生,1方式
着させる
このケー スは 、前に べ た よ うに① 会社 方針 と
'Δ「Iら先頭 に立 って
して決 め る、② トップが
す
lll進
臓 器移l l のような もの だ。相性 を/ L 定め 、対象職
が L 体性 を持 って しっか り1 ' 前に受け入れ■│
場1 ‖
備 を して、慎重 に導 人 しない と、1 1 絶反, しをり き
llLこ
し人事 に至る。 岐先端1 欠
t 界では 、「1 分
療の ‖
る、0し っか りとしたlll進
判[織を構築する。 これ
の胤‖
胞 で必 要 な臓器 をつ くり、それを移れにすれば
らを した うえで、推7111111副
社 長以下、役11、管
川!職の Lだ った人に実際 にや っている現場 を見て
もらい 、 さらにイ
リ
にな
1修会を開 い て推進 の 当lli者
リ
1 1 後の経過 は よ く、成功 ' 率 l J くなる とい うイ
究
「
`が
が,llめら ている。
'し の
やは り自社
リ
社l t が 「自 ら自│ ト
‖の トヨ タ生 産
って もらうので ある。
をつ くり、導入する ことJ が 成功 の
方式 のイL t t l み
具体的な仕判[みの構築 は レベ ル 2と 同 じである
が 、導 入以降 も後 フォロー を行 い、推進担 当面J社
3 Lで
・ある。
長 11社の改善事例 のキL内発表会 や導入 した企 業同
│:の相 ll研修会な どの 開催 を促 して い く。 ちなみ
に、 トヨ タグルー プ 各社お よび主 要仕 入れ先は こ
の レベ ル 3で ある。
これ らの例でわかるように、導入を希望す る態
度 で教 え方 も違 って くる し、その後 の姿 が違 って
くるのだ。
た なか まさとも
l榊
トヨ タ 白jll lll
本114ilF‖
全部部 長 物流
を歴
11し、現
管理 部 部 長
在 11命に よ り「
1人
:芸学 科へ 転 籍 トヨ タJi″ 方
学 製造技 能 〔
式 を教 える ため トヨ タか ら出 た教授 の 第 l
号 となる。 東京 大学 MMRC特 任研究 11。
″i 在地 〒3610038
埼 E県 行II1 1,前
谷 ,】〕番地
′
I'EL
048-564-3841
( : : l l a mtanaka01ot
il
acJp
筆
者
似 た ようなprがぁる。戦 後、 日本 の 自動車業界
本連載の関連書籍、好評発売中 (日刊 工業新聞社刊)!
工場管理 2007Ю l
75
づス
連 載
トヨタ流」
「
現場の人 くり
3つ の エッセン
ものつくり大学 田中正知
強固な組織づ くり
アウトツーシングは改善か
◆ 後ろ向きの外注化では損だらけ
日本の産業界が 人 手不足 で悩 んでいた時期 があ
っ た. 今 か ら2 0 年 ほ と¬i で あ る。 そ の 頃 か ら 、
「アウ トツー シ ングJ と い う名 の ビジ ネスが盛ん
にな り始めた。 コンピュー ター システムの 開発
サl から物流、総務、生ll・
;■
な ど各‖ 1 の外注化 ま
・多1 皮
で 、そ の範 l lは
にわたる。 人l `l ‖
を派遣す る 会
社が急 成長 したの もこの時代 であ った
く
、業力'アウ トツー シングにlliる
理 1(まさまさま
く
た 文字; 重り人 手イり
上のため もあ′t ば、 アウ トツ
にい た い とは決 して思 わ な い .
不 要 に な っ た 社 員 を他 の もっ と働 き 1 1 たが あ り、
で きる よ うな部 署 に移す とい
会社 の 利 t i にもr i l 状
うの な ら、話 は 別 で あ る. しか し、そ ん な 前向 き
な発 想 の ア ウ トツ ー シ ン グは μ
ない
りい た こ と力`
ア ウ トツー シ ン グにす る と、 そ
まti汗 と,ル
t Ctti
'ヽ
′
ヽ
,
失われ
る
と,
か
う問
'ヽ
題 もあ る. メ ー カ ー の場 合 、そ れ は致 命的 で あ る
近 年 、 い った ん ア ウ トツー シ ン グに 出 した 業務 を
l l して きた ノウハ ウが 社
ー シングに した方が コス トがかか らない とい う川‖
j び内 製 化す る とい うi l i 例
も■ にす る. これ には
ド
さまざ まな背 角t があ る の だ ろ うが 、 メー カ ーで あ
山を挙げる向 き も多い。 また、 . イ[ で専門知「
性を
る以 L 、 す べ て の ノウハ ウゃ技 術 はで きる だけ │
オ
十った人材 を育成 するのに 手間がかかる とい う場
分 た ちの ■の たI くところ に r i いて お ぃ た 方が よい :
・
'
改
の
る
はク
と
して 、 ¨ 一 体 感 こ そ が 未 来 へ の 推 進 カ
合 もあ . 1 1 に ト注 化 も
善
環
r i l l kに
的業務 を外 に出す企業 もある。
もう少 し、イ
JIナ
加 え よ う. , 人間I の 「本体 │ 、つ
しか し、 アウ トツー シングにす る と本ツ1 にコス
ま り人‖
l ノくの もの は 、
対を 入‖
1 た ら しめ て い る 山
トは, t 減で きるのか. 私 は懐疑的 である。
l l x J存
の在 で あ る と私 は思 ってい る . で は
「
l t i l の人件 費 と外 注 l l を秤 にか け た ら 「
外注 マ
t
のプ
) 外注 化す る │ と い う企 業 が あ
リが 安 い o だ か ′
の 本体 は何 か
る
その場 合、そ れ までそ のイトJ 「
を して い た社
'1
は どうするのか 1 1 を 切 って しまうの なら確 かに
人件イ
t は ドが るか もしれな いが 、そ れで組織 の │ :
で きるのか. トヨ タ′
に, た
気 は維1 キ
方式 では 、 まず
絶対にそ んなことは しない。私が ■
11「
者で も、利
益 の ためならいつ で も社 員の 「
1 を切る ような組l l
68
業
`、
い
か、ある
株主 か、株 券か、社1 こ
、プ レーJ
のチ ー ノ
は社員 か……Ⅲ私 は、「人‖l 集1 月
こそが企 業の 本体 であ り、企 業をJ l きた もの に し
て い る力
t 人の 力で ある と考えて い る. こ の 1 1 り
│の
チ ー ムブ レー に よつて4 1 まれ る パ ワー や作て智 を、
どう維l l して い くのか. 企 業の 末来はそ こにかか
っているのだが 、いったん外 に出 して しまった │ , 、
4 1 はィヽ
もう│ り
能 である。 アウ トツー シングをr i 定
Vo 53 No2工
場管理
コ
8「
す る理 由 の 1 つ が そ こ に もあ る。
トヨタ流」
現場の人づくり3つ のエッセンス
新入社員時代から人的ネ ッ トワー クづくりが始まる…。
アウ トソー シングは 「
改善」 ではない。改善 だ
と思 う人 は、仕事 を安易に考 えてい る人である。
ついでに指摘 してお くと、生産現場に派遣社員を
入れるのはやめた方が よい。その理由の 1つ に、
下請法とい う法律で現場の職長が派遣社員を直接
指導す ることは許されていないことがある。何か
言いたいことがあれば、派遣会社の上司 を通 じて
言 つて もらうしかない。 これでは、現場の一体感
は生まれない。何かあ ったときに、臨機応変に対
応することも難 しい。
さらには、派遣社員を入れると現場 に 「
派遣社
正社員」 とい う身分格差が生まれる。 こ
員」 と 「
の弊害 も大 きい。本来、対等 な立場で対等 にもの
を言 い、助 け合 つていか なければな らない職場が、
ものす ごい勢 い で壊 れて い く。そ の よ うな光景 を
私 は何度 も見て きた。
濃密な人間関係 を構築する
◆ 縦横無尽な人のつながり
トヨタには無数の会、あるいはサークルが縦横
何 か相談 したいときや面白いアイデアが浮かんだ
とき、す ぐに行動に移れる。
に存在す る。同期会、県人会、職長会、○△勉強
会、文化活動やスポーツなどの各種サークルなど
◆ 中小企業の気風を忘れない
だ。入社す ると、さまざまな会から熱心な勧誘を
受ける。その多 くは、上下関係や所属部署に関係
制上の上下関係や職域の壁がなくなり、組織 の風
通 しも良 くなる。図体は大 きくなつて も、そのあ
なく誕生 した会で、社内を縦横無尽に結んでいる。
1人 で10以上の会やサークルに所属 している人も
り様 はいつ までも中小企業でい られる。 トヨタに
とってとて も大事な仕組み、慣習である。
念のために付けカロえてお くが、 これらのサー ク
珍 しくない。
永年 にわたってこのようなサー クルづ くりを意
図的に進めてきた結果、普段 は仕事上の接点力ヽま
とんどない従業員 と役員 も、趣味 のサークルを通
このような人的ネ ットワークが発達すれば、職
ルや会が 「
派閥」 に発展す る心配はない。派閥は、
ルの
サーク
数が少ないから生まれる。派閥は利害
関係 に基づ く会派だが、 トヨタの社員が個人的に
じると顔見知 りで、そ こへ行けばよく話 もする。 加入 しているこの無数のサー クルには利害関係が
たとえば、そのような関係が醸成 されていれば、 まった くない。派閥にな りよう力`
ないのである。
ネ ッ トワ… クが大事な理由
l
◆ 仲間に相談するから発想は広がる
夕の 社 員 はそ うで は な い か ら、 人的 な ネ ッ トワ ー
トヨタの社員の多 くは、「自分 は頭が悪 い」 と
ふ しがある。頭が良い と人にあまり相談せ
える
考
ずに、何事 も自分だけで解決 しようとする。 トヨ
クを張 り巡 らせ てお い て 、 困 つた こ とが あ る とす
工場管理 2007/02
ぐ誰 か に相 談 す る。 そ こで発 想 が 広 が る。 しか し、
人的 ネ ッ トワ ー クの メ リ ッ トは そ れ だ けで は な い。
69
ネッ トワー クを常 に活 り
‖して い れば、 自然 な形
で情報 の 共有 も進んで い く。会社が どんなことを
そ うす ることで 、自分 たちが どんなことをや ら
なければ い けないの か、やるべ きなのか につい て
には何 があるのか. 来 年 は どんな新製品が出 るの
も、お のず と思 い を馳せ るようになる。 つ まり「
│
主的に仕事 を 「
創l 造J し 、来 るべ き事態 に備i える
か。現在 の課長が
ことがで きる。そ の ようなサ イクルが 卜│ り出せば、
゛ 自主的に仕事を‖
創造‖
その課 に とって も会社全体 に とって もプラ スにな
い
る。 ネ ッ トワー クをフルト
1 転 させ て いれば、j よ
物理的 には違 う建物 にい た り、職場 の ある フロ
アが 違 っていて も、1 つ の 大部屋 にい るように他
情 報 も入 って くる。 それが改善 に つ なが った り、
危機意識 の共有 に結 びつい た りす るわけだ。
とえて い るの か。ある 方針 が出た として、そ の, 1
し、今度新 たに○○係 長が
'
1
動
外進 して くる、な どで ある。
部 署の状況が手 にとる ようにわかるのだ。
ム ダ」
究極 の 「
= 全 力を使わない弊害
設備 は錯 びつ き、仕 J i をす る 人 の腕 も落 ちる。 モ
職場 にとって最 もよ くない究極 の 「ム ダ」 は何
チ ベ ー シ ョンだ って ドが る。 た とえば 5 人 で は 人
か。そ れは 、能 ノ
」が余 っているの に能力以 下の仕
数が 多過 ぎるが 、 4 人 で は仕 事 が 多過 ぎる とい う
事 を させ る こ とであ る。 100mを 10秒 台 で 走 れ
る選手 が、 まわ りの 選手が遅 いか らとい って /i速
lHl場
があつた とす る。 1 , j r 会社
l の では 、 ここに 5
力 を出 さず に走 ってい る と、 いつの 間 にか 10秒
台 では走れな くな って しまう。能 力 を維 持 す るに
は、常 に日一杯 の 力でた り続 けて い る必 要 がある。
人投 入 し、平等 に仕 事i t を分けて しまう。
トヨ タ生産 方式 では 、 4 人 に 日 ‐
杯 ( ス トレッ
チ ロ標 と して数% 多 め に) イ
L 事を配分す る。 5 人
、
るか らこそ 、′
H一 杯 でた りlV Lけ
し
技体が維持 で
H は 残 った仕事 と、 ‖一杯 の 4 人 が遅れた と きの
リリー フ仕事 を行 う。そ の うち、 4 人 でその仕 │ │
きる。 さらに言 えば、 もっと述 く走 るには ど うす
を今 うで きるようになる。 これ を トヨタ生産方式
ればよいか とい うⅢI L心、つ まり 「
改善Jす る気
では 「
寄 せ る 停 めるJ と い う名前 で呼 んで い る。
トヨタ生産方式 は常 にり
り
戦である。仕事 を 「
流
し
持 ちも起 こる。そ のためのア イデア も浮かぶ 。走
り続 けて い なければ、良 くて現状維持 、悪 ければ
すJ こ とは禁4 J だ。 この 「
寄 せ る 停 めるJ は 人
体力 まで低下 して選 手41命す ら失 って しまう。
だけでな く、設l l l や
空 き地、 工場 まで も対象 に し
゛ 全力で 「
寄せる ・停める」
て真 っ正面か ら取 り組 んで い る。 これによって部
:工
場 も同 じで あ る。常 に フル稼働 して い な い と
下 はいつ も鍛 えられ、育 ってい く。
9回 裏 、ツ ー ア ウ ト、ツ… スリ… で立 つ
パッターボックス
◆ 追い込んでこそ力を発揮
組織 は、緊張 を強 い られて い ない とタガが級 む。
込 むのは逆効果 だが 、そ の 少 し手前 まで ならどん
、
どん追 い込 み 、切羽詰 まった′
し
境 にさせた方が よ
人 も同 じで、常 に∫
l l l がかかって い た方 が良い仕
い。上司が追 い込 んで くれなけれ ば、 自分 自身 で
事 が で きる。新 しい 発想 も湧 きやす い 。粘莉 的 、
内体的な余裕が まった くな くな る ところまで追 い
そ う0ヽう,大
態 をつ くりlllす
。
70
実際 の ところ、 トヨ タには余分 な人間はい ない。
Vo153 No 2工
場管理
8「
どの職場 もキリギリの人数で仕事をこなしている。
野球で 言えば、常 に 「9回 裏、1点 ビハ イン ドで
ツーアウ ト、 ツース リー、ラ ンナーなし」。なん
トヨタ浙出現場の人づくり3つ のエッセンス
C 級 : 入社 2 ∼ 4 年 目
ひとかどの技能員となるための教育 ・ヨ
‖
練
、
な、そんなバ ッター と同 じような′
し
理状態で仕事
と向き合っている。
入社 6 ∼ 1 0 年 目
リー ダ ー と しての 技術 ・技能習得
゛ 成功の快感を知る大事さ
ヽ
その よ うな′
亡
理状態であれば、朝、自宅 の 玄1 7 1
を 1 歩 出た h l 間か ら気合が違 う。顔 つ きも違 って
入社15∼25年 目
課 の トップ レベ ルの 能力
くる。今 日は どんなふ うに して仕事 を進 め 、 どん
な成果 を導 き出そ うか …… 。そ う考 える こ とで 、
毎 日を4 1 き生 きと楽 しく充実 して過 ごす ことがで
きる。
た ときの快感 は何 とも言えない。 ノ`ッター冥利] に
ツ ー ア ウ トラ ンナ ー な しか ら逆 転 で きた とき、
つ ま り職場 の l l ll‖
をギ リギ リの ところで 解決 で き
尽 きる。そんな瞬間 をどれだけ味 わえるかで 、人
J l の価値 や重な も変わ って くる。
…番優秀な人 を抜 く
゛ 優秀な人を育てる仕組み
生産減 の ときや 新 しい プ ロ ジェク トが生 まれた
いの一番」で抜擢される人材になれ !
◆「
この ように考 える と、上 の 人か ら順 に抜 けば、
とき、誰 に■1当させ るか を決 めるのは上 司 である。
一 見、簡単な ことの ように思 えるが 、意外 にそ う
事業 した人にも残 った人に も、会社 に もプラスに
なる。三方 一両損 な らぬ 、■: 方 一山j 得だ。 一番 リ
ではない。
ーズ ナブ ル な抜擢法 なので ある。
トヨ タ生 ll方式 で は 、担 当 して い た 人 の うち、
優秀 な人か ら llに抜 いて行 く。
「
新 しい プ ロ ジ ェ ク トは まだ誰 も経験 して い な
隣 の職場 は誰が優秀か わかっているので 、誰が
出 て くるかはお よそ見当が つ く。初顔合せ の とき
な ど、「お う、や っぱ りお前が 来 たか。 そ う思 っ
い。優秀 な人に模範 になって もらうしかないん だ。
て い たよ」 とい う会話が よ く交 わ される。
だか らキ ミを1//111し
たJ
職場 の長 か らこう言 われた ら、誰 だって嬉 しい
いの 一番J で 抜l l J さ
どうせ な ら、常 に 「
れる く
らいの 人材 になってみ よう。そ う考 えて自らのモ
に違 い な い。「ヨシ、頑張 って この プ ロ ジェク ト
チベー シ ョンを高 め る社員 も少な くない。抜擢 の
を成功 させ よ うJと 、意気 に も感 じるだろ う。
がで きな いか ら新 しヽヽプ ロ ジ
逆 に 、「 番イヒ:卜
仕方 は 、企業運営 に とってか な り重要なので ある。
ェ ク トに,│す」 と:†
われた ら、が っか りする はず
だ。fllく意欲 も失い かねない。人選 した上 司 との
関係 に もカ ドが立つ 。それ まで同 じプ ロ ジェク ト
でlrlぃて きた仲 ‖とも気 まず くなるか もしれない。
筆
者
た なか まさとも
11大学 製造l支
能 I芸 学科教授
〒361-0038 埼 Ettt行 市it谷388番 地
所 在地
TEl.
048-564-3841
O l ia〕
i l 1【
l t al【
aka@i()taci〕
番優秀な人を抜 けば、その下の人は先 頭 に立
ってい た人が い な くな り、責任が重 くなる。 しか
しその分、やる気 も刺激 される。 ワ ンステ ップ上
の仕事 に挑戦 で きる と張 り切 るだろう。
工場管理 2007/02
本 連 載 の 関連 書 籍
好 評 発 売中 !
(日刊工業新聞社刊)
゛
つ
レス
弁
錮)
連 載 (最
トヨタ流」
「
現場の人 くり
3つ の エッセン
ものつくり大学 田中正知
人づ くりの勘 どころ
部下 を信 じ、少 し高めの 日標 を与 える
¨ 自ら考えるプロセスが部下を育てる
) うには 、│ あな た
7 L 員に存分に仕 J I をして も ′
は 会│ 卜
にとつて 人」「
な人. な くてはならない人 l l J
とい うことを、 す るこ とに メ ンセ ジ として発
'あ
することが 大切である
先だけではイ
して もら
│キ
と1 1 で示す . トヨタ生, 「
えない . 行 l l J 態
方式 の り
〔
‐
(二
´
ν
)よ
lリド
ゴ
う iL うる
ヽこは 、た とえ│∫
まず、 劇, 卜を信 じる . そ して 、市
ヒカ よ りも少 し
だけ高 い と思われる‖標 を 与え る そ の際、答え
は決 して教 えない
放す
分 た ちで 孝 えろ J と 突 き
そ うすれば、湘; 卜は答 えを求 めて 努力す る
そ のi 曇
絆か部 卜を育てるのである
, て くれば 、そ こで 初めて ' 1 分
が持 っ
答えを持 ´
=後 ろ盾があるからこそ部下も挑戦できる
最 初 に答 え を教 えな い の には 、 2 つ の 理 由 が あ
る. 1 分 自身 で 考 え させ る こ とに 意義 が あ るため
で あ る . も う 1 つ は 、答 え な , ヒ ン トな , を りえ
る と 、 部 ドの 考 えが そ れ にヴ っリモら,して しま う
そ れで は 、 部 卜の イ
ロ141や01造14:がお1か せ なヽ■ も
の こ との 解 は 、場 合 に よ つて は 1 つ で は な く、 い
ー チの イ: 方が あ る こ とを 知 って も
ろい ろ な ア プ l コ
ら うの も大切 だか らで あ る
また 、「成功 しろ │ で は な く │ り
こu 女を恐 れ る なJ
と 1 1 って 背 中 を押 して や る こ と も F 要 で あ る
敗 を恐 ′t てい て は何 もで きな い か
',た
(
り
部 卜が タ
ト
てい た答え と突 き合わせ る. 部 卜の 方が よ り的 :
て い るム
を中 の フ ォ ロー も しっか りやる
`
え
卜
1 級を合わせて 「お まえを見て い るぞJ と い う メ
な答 え を 考 え出す 場 イ
、もあ る , そ の ときは 内心
“、
ッセ ー ジを発イ
, i し、 と きには答 えを 考える きっか
め 、部 ドを素r l に
分 が 考 え不り
せだった ことを1 は
褒め る といい だろ う
け を 与える。 有形無形 の J I J ま
しが 、部 卜を安心 さ
えを
せ 、‖[ 間にl l L i t る
す勇気 を 与えるので ある
最初から′ヽッターボ ックスに立たせる
◆ 未熟さを知り努力できるかが分かれ目
私 は よ く、 トヨ タ4 1 , F 方式 をりl l l . に
例 え る。 部
ー
バ
ッ
タ
で あ れ ば 、安 全対 策 を した L で ます
卜が
打 席 に ウi たせ 、 ビ ッチ ャー の 崚 さを身体 で 感 じさ
( 狗の メ
せ る。 最 初 に ノ
1 を折 るの だ` , 初め に I 分の
未熟 さが わか れ ば 、後 が 教 えや す くな る , こ う し
ヽ
66
Vo 53 No4工
場管理
「
トヨタ流」
現場の人づくり3つ のエッセンス
てお い て トレーニ ングに入る。
人づくりにおける問題改善
しば ら くして腕 が上が った と思 うとき、 またバ
ッターボ ックスに立 たせ る。常 に 「
腐 らず 駈 ら
ずJ 「 分 の実力 と向 か い 合 わせ 、 自分 で 自分 を管
理する、すなわち自律化 させ るためである。 1 1 共
の使 い 方や危険 を避 けるため の 基本的な知I 識を レ
クチ ャー して実戦 に出す。 ただ し工 具 の使 い方な
失敗を恐れるな」
「
成功 しろ」から 「
誰 がや つても ミスの ないモノづ くりが
人づ くりにつ なが る
トヨタでは 「
安定」を 「
停滞」と考える
どは、 い くらo f f J T で教 えて も身 につ くもので
はない. そ の I l 度の修行 では
打 てるわけ もな
' 1 然 球 も打 てない
く、エ ラー もする。そ して 「そんな
失敗は貴重な経験」と考える
「
のか。 どこを/ L てるんだJ と どや され、叱 られる。
本人は日1 ‖しい。泣 きなが ら、歯 を食 い しば っ
て練1 イをr 4 りj [ す。そ うや って打 てた ときの喜 び
はひと しおだ。そ の ときは、 まわ りも日一杯獅 I
しさよ りも 「
してやる。1 l i 倫
J L Iる
ナJ こ と
、「│ 1 肯
を選択 して、努力 を しない若者 もい る。何 とか ヴ
体イ
lし やす い。場数 は 卜司が提供 し、 1人 や鍛錬
は 「1分で努力 する。 これが トヨタ流 なの である。
私 は、生産現 場 はつ くづ く 「
体育会系Jで ある
後輩 の 枠FLみ が きちん とあ って 、
チ ーム を大 事 にする。教 える と きはスパ ルタ調 で 、
と思 う。 先輩
っ張 り 1 1 げようとす るが 、そ れで も逃げる こと し
か 考えない 若者はそ こで もう終 わ りで ある。
い と きや成果が上が った ときはみんなで分 か
l17し
本物 の ビ ッチ ャー の 生 きた球 を打 て る よ うにす
ち合 う。私 は学 生 時代 、体育会系 の クラブに 入 っ
て い た経験 はない。それが トヨ タで生 産lll場
を担
● チームワークの良さは体育会系気質にあり
るには、数 多 くの実 戦 を経験 させ るの が 一 番 で あ
る。 そ うす る こ とで 、 見 えて くる もの が い ろ い ろ
Jlするようになってか ら、体育会系 の 考 え 方や人
との接 し方が身につい た。 チ ー ムワー クの 大切 さ
を見 つ け る コ ツや 改 善 に向
ある. , 改善す べ きl l l 所
も、 チ ームで戦 うときの コ ツもわか った。今では、
けた ア イデ アの 出 し方 な ど も、現場 で鍛 え た方 が
す っか り体育 会系 で通 ってい る。
3年 た つた らサポ る
◆ ベテランは偉 いのか ! ?
ベテラン課長J や 「
ベテラ
会社によつては、「
ン係長J と ‖
子ばれる人たちがいる。いい意味にと
4 年 ‖には課長 としての仕事 を部下 の 中で 番優
秀 な人‖l に譲 る。 つ ま り、権限委譲す る。そ して、
「1 分は課長 の 上の役職 を勉強す る。課長の 1 1 が
部
れば 、1 果長 と して優秀 で あ る こ とを暗 に示 して い
長 だった ら、部長 のつ もりで仕 事 をす る。
る。 しか し実 際 の ところは 、長 い 問課長 職 止 ま り
◆ 上の仕事をするためにポストを明け渡す
で 1 の役職 に就 け な い こ とを椰 楡 して い る場 合 が
多いの で は なか ろ うか。 本 人 に実 力 が な くて L に
部 長 の つ も りで仕 事 を した ら本物 の ‖ が 怒 る、
長は い
i 命令系統 に乱 れが 4 1 じる の`で
あ る い は指l ‐
な
昇れ な いの か 、 ポ ス トの 空 きが な い の か。 い ず れ
、
か 、 と′
しヽ
配 す る向 き もあ るか も しれ な い。 そ の′
亡
に して も、万 年係 長 や万 年 課 長 は よろ し くな い 。
配 は 無 用 で あ る 。 本 物 の 部 長 は 、 「1 1 の仕 1 l J を
トヨタでは、たとえば課長職を3 年 以 L 務めた
した いの で 部 ドが育 って くる の を待 って い る。実
つ
ら、「
おまえ、課長 を永久にやる もりか ? J と 、 際 に育 って くれ ば嬉 しい 。 喜 んで 、次 の 部長 にI 「
まわ りから : われる。 3 年 務めたら、少なくとも
薦 す る だ ろ う。 正 式 な 命 令 は 部 長 か ら出 す の で 、
工場管理 2007/03
指I 「
命令系統 の乱 れ も′1 しない。
で は なぜ 、 3 年 た っ た ら部 卜│ こ
限 を譲 るか 。
1″
つ き、追いり
ll・
ば L●lに追│ヽ
したoヽ
と思ってヽヽ
るよ
い
ヨタ
の
めている
は求
うな トケ
よ向 強 人材 を ト
。
│′
い か らである.
')な
」最 大の仕 1 1 になる
場 合 によっては、そ れが l i lの
限 を「
表られる こ とで千r ) 、, ぃ っ も L i J の
部 ドは1 作
「ド克上J 、人いに結構 なのである。
「■l も, 1 じ仕 J 「
にJ L まらず、常 に新 しい仕事、
l J は 、部 ドを育 てなければな
‖
サ
, 1 色を窺 い 、│ ■」の 半り
i を待 ってばか りい るよう
「
1 分を成長させて くれる仕1 ' を求める. そ のため
j け波す。「3 年 たった
にもi l め, [ め
にポス トを ツ
な部 ドは 、 どんな 会社 も必、
要 としない. ス キあ ら
らサボるJ と はそうい う意味である。
サポつた人は人前でしつか り叱る
¨ 助けて助けられて組織は結束する
部 卜に は い ろ い ろ な 人が い る。 能 力 もい ろ い ろ
S 極 が あ る と聞 い
イi はい くら′
卜さ く して もN 卜
'
`
と
, てい る 人 と勝 っ て な い 人
て納 牟l した。 能 力 の勝 ´
あ る. 多彩 な能 力 を身 につ け た 部 ドを持 つ こ とは 、
につ い て も同 じだ と1 ギ
: った。 会│ [ 4 1 活で 、 この こ
1l Jとして 十せ な こ とで あ る .‖ [の lft潮と して 、
とは信 念 に変 わ つた。
1[規人│卜した社 11を 入 Jlに し、 中途 人社 の 社 ,1を
◆ 甘えを許さない姿勢を示すことも重要
中 す るltⅢlがあ る よ うだが 、私 の14験 か ら 言 う
`視 は逆 で あ る。 中途 入社 の 人た ちは 、 さま ざ ま
と
話
組織 として 村るのは、指示 した ことを きちんと
や る部下 とサボる部 ドが い ることである . :可 志
な業 和lσ)、 さま さ まな 種 を糸f野貪して い る。 人
'餃
力'大きな課 題 に ri`「した と
倍 苦労 を して い る.,I果
き、彼 らの 多彩 な能 力 に幾 度 とな くl j けられ た。
に 「
泣 い て1り
1"を斬 るJと い う 下りがあ る.諸 葛
い う111市
ヽヽ
が全11を'キ
て戦 を して ヽヽ
た とき、
イLI llと
能ノ
J につ い て 言え ば 、勝 つて い る 人 と勝 って な
い 人が い る
こ れ は │ 1 然の摂 J l で、勝 つて い な い
て い た.Hj言
をも1llliし
菱とい う部 Fが 命令 に従 わな
お
j
イ
かった。1 桁
』 し明 は軍紀 を, I るため、「
ク
綺イ
t の‖
t前
で H 丼界を1 サ
i 殺した話 だが、私が 課長 にl t 任したl i X
い な い 人は、勝 って い る 人 に敬 意 を 表す の で 和 が
にも同 じような ウ
i l a / J立た
に された ことが ある .
l
l
k
場
l l r Kの
名
長 の うち数名が指示 した ことをや
生 まれ 、組織 が結 束す る。
って こ なか った 。 サ ポ っ た の で あ る. この と き
r 供 の 頃、棒磁 イi のN 極 とS 極 があるの を見て、
リして 卜分 に切 った,
N 小 けに した い と思 い 、 苫'チ
':だ
の
N小
け とS市,:だけ ル,ィiがで きた と期イ
│に 1旬を
``だ
1
ま
べ
せて
た
ら
2
本
に分かれた磁石
を
J
」
、2本 と
引
j J の磁 石だ った. 後 に、磁
S 極 の あるl 午
もN 1 1 : と
を1 , i る
を■: った 力i 任I I t 長
「
泣 いて1 与
:々
J の 意1 木
の私 は 勇気を振 り絞 り、l o ォも年 1 1 の
職l y / jをl こ
人が い るか ら勝 っ た 人が 頑張 るので あ る。 勝 って
大声で‖
ヒった。‖
ヒリ終わって 「これで1 某
長になれ
たJ と 感 じた。それ以来、 ( 故意に) サホった部
ドは人n i で‖
ヒることに している。
うまくできたら褒める
¨ 褒められて嬉しくないわけがない
うま
でも
くで きた ら褒める。 これは どこのl l i 界
の メ〔
人 を台 てる場 合の 要 帝であ り、 汁: 」
理である
lJ物
と一緒 にするわけではないが、動物 を
人 間 を」
68
しつけたりI J教
t 本も 「うまく
月したりするときの九
できたら褒めるJ こ と。褒められた りご褒■をも
らった りづれば、単ネL に しい。次 はもっ とうま
'喜
くやろうとい う気にもなる.
Vo153 No 4工
場管理
8「
● 部下の成長をきちんと見極める
トヨタ流」現場の人づくり3つ のエッセンス
――一ヽ
、
人 を責 めず にや り方 を責 め る …
褒 め る ため には 人前1 7 t が
あ る。 本 人 の / i まで の
を達 成 した ときにの み 褒
実績 を乗 り越 え、力i l i d 録
めることである1 人 J 「
なことは、部下のスキルカ'
ベ て 1 がったかどうかを、 しっか り見極
11:日
とl ヒ
めるだけの注意力と‖t 力を 1 l J が
持 っているかど
い
こと
めるとい
は、 1 1 1 のカ
うかと う
,,褒
うイ
∫/ し
って もいい。
≒
t が言
式さ る1 瞬
‖
‖と, 「
'じ
人を責めずにやり方を責める
力重視か方法重視か
これは、 トヨタ′1 , r t tをr
J にi く最 も大l l i な
もの
"能
将村tの公式戦 では 、 戦が終 rし た 後で 「
感想
い
つ
うもの を行 う.指 し千が 千ず 交 11に
戦Jと
の 1 つ である.
旨し合 って勝 負 を1呼
うtするの た
す
ドイツの ラ イバ ルメーカー A 社 では、彼 の 1 可
に
ー
名高 いマ イス タ 制度 が r t 能してぉ リマ イス ター
こで 後 「が指 し方を問;iえた │な どとは絶対 に :│
わない.銀 は どう動 い たか、llはとうだ ったか と
が 部 ドを1 l l l して い た
い う ):い方 をす る.つ ま り、村t liヤ
1人の打 ち方を
lJきとして勝
評価 するの ではな く、駒 の」
紘を
‐ `1の
lサ
jら
リ↓し、勝 ち負け のll〔
月を り かに対 る.
その 中味 は仕事 の や り方
ではな く、部 ドの 能ノ
人 単位 に結 果で
リや技 能 を1 司
「
1 珈i する ことだった, , たとえば何 かの作業が うま
くで きず、川り
‖に迷惑 をかけた とす る。そ の とき、
「
○O I I 、キ ミが; よい。 キ ミは何 で そ んなこ と
がで きないの だ ? J
この とき、「こ
人をJ(めず にや リノ
∫をメiめるとヽヽうのは 、夕」え
る とこの よ うな ことで ある。
と‖l し L げ る。 ところが トヨタ生産方式 では、
「キ ミ個 人が悪 い わけ じゃない 。教 えた仕 . l i の
や り方 ( 標 l l : 作
業) が悪 か った の だ 。 だか ら、 や
り方 を直そ うJ
とい う教 え方をす る.
この 2 つ の教 え方の違 いは l l l ら
か である。A 社
の場 合、出: し 1 げられた作業者 は 自信 を失 う。 マ
イス ター との 人‖1 月係 もt i ねる。 一方、 トヨタで
は、や り方 を‖l サ
上えただけだか ら個人は傷 つ かな
い。や り方 をr I せば済 む。
=や り方をとことん突き詰める
筆
者
た なか まさとも
ものつ くり大学 製造」
支1 し : 芸学 イ
1 教授
〒3 6 1 - 0 0 3 8 ' 奇に, 1 イ
谷, B 番 地
i llj前
所
T E`Li 地 0 4 8 - 5 6 4 - 3 8 4 1
C H llそ
i l1 1 1 t a l l a k a C i o t a c l l )
も し納 得 で きなけ れ ば 、や り方 につ い て意 見 を
じ
‖わせ れ ば よい 。 意 見 を l l わ
す とい う こ とは 、 自
分でや り方をとえ : 夫することであ り、そ こに作
業者が成長す る素地 も4 1 まれる。 この差 は大 きい。
工場管理 2007/03
本連 載 の 関 連 書籍
好評発売中 !
(曰刊工業新聞社刊)
││
Fly UP