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スライド 1 - 東京農工大学
生嶋 研究室 指導・教育方針 研究分野: 物性物理学(実験) 半導体や磁性体など固体における電子物性の基礎知識を背景にして、微小デ バイスにおける量子現象から身の回りの古典現象まで様々なアイデアを盛り込 んで計測しています。 (1) 半導体における量子現象を調べる 低次元半導体における量子輸送現象を研究しています。電子の波動性、電子 スピン、原子核スピン、および光子に関わる量子計測および制御に関心があり ます。特に、量子ホール効果や量子ドットが対象です。 (2) 身の回りの現象を物理工学知識を使って測る テラヘルツ技術や電波・音響工学などを使って非侵襲計測技術の開発を行って います。企業等との共同研究を通して、医療や産業分野に貢献する新しい技術 を創出することを目指しています。 ・生きている細胞の温度を測れないか? ・X線を使わずにもっと簡便な骨粗鬆症診断ができないか? ・コンクリート内の鉄筋腐食を検知できないか? ・心電位を空間マッピングできないか? など。 量子現象を測ろう ・半導体内の電子をナノ空間に閉じ込めてエネルギーを量子化し、 電子の運動自由度を低次元化します。半導体では金属と異なり、 電子ド・ブロイ波の波長が長く、量子効果が顕著に現れます。 ・GaAs/AlGaAs2次元電子系が主な研究舞台です。量子力学に 関する研究アイデアをデバイスの形に具現化します。 ・量子ドット --- 0次元電子系。人工原子とも呼ばれます。研 究室で作製する量子ドットは単電子トランジスタ、もしくはテラヘル ツ単一光子検出器として機能します。 ・量子ホール効果 --- 2次元電子系の面に垂直方向に強磁 場をかけると、磁場により運動エネルギーが量子化されます(ラン ダウ量子化)。この状況下で、ホール抵抗が量子化され、縦抵抗 がゼロとなります。試料の端では“エッジ状態”と言われるコヒーレ ントな電子波が伝搬していると考えられています。 ・グラフェン --- 炭素原子数層からなる薄膜。極めて良質な 2次元電子系が形成されます。原子1層のとき、グラフェン内の電 子は質量のない相対論的フェルミオンと考えられています。グラ フェンでも量子ドットが作製でき、量子ホール効果も観測されます。 電子回路、金属工作、真空・低温技術、 光学、電波・音響工学など、様々な技 術を自ら学び、如何にして測るか?を 考案し、デバイス・装置作りから測定・ 解析に至るまでを“実験”します。広く 科学と技術に関心のある方、実験の 過程を楽しめる方がマッチしていると 思います。 また、国際会議や学術論文の発表、 海外派遣を含む共同研究者との交流 を通して研究成果をグローバルに発 信する力を磨きます。 よーしやってやろう、という方お待ちし ています。 連絡先:ikushima 4号館514号室。 cc.tuat.ac.jp, 身の回りの現象を測ろう 【テラヘルツ顕微計測】 ・テラヘルツ(THz = 1012 Hz)周波数帯は、“電波”と“光”の狭間 にある電磁波領域です。サブミリ波~遠赤外光~中赤外光の 帯域です。 ・THz帯域は、半導体量子化エネルギー、超伝導ギャップ、生体 高分子の振動・回転モードなど様々な現象に伴う振動数に対応 する重要なエネルギー領域です。 ・人類がまだ十分開拓していない 電磁波領域なので開発チャンスが 転がっています。 検出器や顕微鏡を開発して 少数細胞のサーモグラフィ (代謝の可視化)を狙います。 半導体基板上に培養した HeLa細胞 【超音波による電気・磁気イメージング】 ・医療診断やインフラ検査のように侵襲することなく断層画像化し たいとき、超音波計測は極めて有効な手法です。 ・ところが、従来の超音波検査は傷や異物は検出できても電気・ 磁気物性は評価できません。 ・我々は、超音波により誘起される電磁応答を検出する手法を開 発しました。現在、医療・産業分野に応用するため、各企業の研 究者・技術者と日々改良を重ねています。 骨の圧電効果イメージング 鋼材の磁気イメージング 量子ドットTHz光子検出器 とTHz共振回路 共同研究および交流先: 仏モンペリエ大学、台湾精華大学、東京大学, 東北大学, など。 共同研究および交流先: 東北大医, 医療・鉄鋼・インフラ・自動車・水産系企業,など。 半導体超微細加工技術を使って微小デバイスを作製します。 物体内部の電気・磁気物性を可視化します。 世界トップクラスの研究者と交流し、切磋琢磨します。 企業と共同開発して研究成果を社会に還元します。