三菱シルバープレーティングシステム

【誌上講座 ( 技術 )】
環境にもデザインにも優しい Eco メッキシステム
SILVER PLATING SYSTEM
三菱シルバープレーティングシステム
1. はじめに
金属メッキ技術は一般家庭用品から工業製品と多
■銀鏡メッキの構成
岐に利用されています。最近、高反射性の特徴を持
つクロムメッキ技術は環境負荷物質の使用規制が厳
しくなり、その環境対応と代替可能な素材の提案が
求められています。
そのひとつの方法として、銀鏡反応を応用した塗
装方式によるメッキ技術が提案され、簡便で設備投資の低さや反射性能の高さ等から注目されていますが、
銀鏡メッキ特有の白化（シケ）、黄変および基材との接着不良等の問題のため、工業製品への応用までには
いたっていないのが現状です。
三菱製紙株式会社は、写真感光材料分野で長年培った銀塩写真技術を応用することで、銀鏡メッキが抱
える品質、環境上の諸課題を解決できる金属膜安定化技術『三菱シルバープレーティングシステム』を開
発しました。
2.『三菱シルバープレーティングシステム』の特徴
『三菱シルバープレーティングシステム』の特徴としては下記の通りです。
①銀鏡メッキ層の不安定な部分を安定化させます。従来技術が抱える問題点である黄変・白化・層間剥離・
シケ等を大幅に改善することができます。
②六価クロム等環境負荷の高い物質を使用していないエコロジーシステムです。
③銀鏡反応を応用した塗装方式によるメッキ技術と組み合わせると、簡単な設備で金属メッキ加工が
可能です。スパッタリング、蒸着、電気メッキのような従来技術による銀メッキの安定化にも応用
の可能性があります。
④メッキ調の素材高級感が増すだけでなく、保護層を着色することで、思いのままのカラーリングを
可能にします。いろいろな分野における新しい商品開発に利用することができます。
3. 開発経緯
従来からある銀鏡メッキ特有の品質問題 (「白化 ( シケ )」、
「黄変」及び「基材との密着不良」) 解決に辿っ
たプロセスをご紹介することで、弊社『三菱シルバープレーティングシステム』が、新しい技術を導入し
た安心してお使い頂ける商品であることをご確認頂きたいと
思います。
電子顕微鏡写真
従来の銀塩反応を応用した塗装メッキ技術で形成された銀
メッキ層を、電子顕微鏡により表面分析および断面分析を行
いました。その結果、酸化還元反応が完全に終結していない
ことを示す金属銀の粒子径のバラツキ (0.1 〜 0.5 μ m) 及び、
銀錯体等の残留物を確認されました。
これらを解析すると、完全に金属銀となり得ていない不安
従来技術の電子顕微鏡写真 (20 万倍拡大 )
黒く写っている部分は完全に金属銀となった部分、
うっすらと雲のように写っている部分は金属銀に
なっていない微粒子銀や銀錯体等である。
定な状態の銀が空気中に含まれる NOx、SO ｘのようなと反応性の高い物質と反応し変化することにより、
「白化 ( シケ )」、
「黄変」、
「基材との密着不良」等の銀鏡塗装 ( または塗装方式による金属メッキメッキ技術 )
で形成された銀メッキ特有の不具合現状が発生させていたことが判明しました。
これらの現象を解決するため、弊社が有する金属銀の改質技術、ハロゲン化銀の安定化技術を導入した結
果、銀鏡反応を応用した塗装方式によるメッキ技術で形成された銀メッキ層の性能が、飛躍的に向上したこ
とが確認できました。
4. 銀鏡メッキと三菱シルバープレーティングシステムを組み合わせたときの性能
従来銀鏡メッキ技術と弊社『三菱シルバープレーティングシステム』による塩水噴霧試験と現状の銀鏡メッ
キの性能表は別表の通りです。
■銀鏡メッキの性能
■銀鏡メッキの塩水噴霧耐久試験
従来技術
三菱シルバープレーティングシステム
従来技術と『三菱プレーティングシステム』による、塩水噴霧試験 (240
時間 ) の結果です。( ※条件により結果が違う場合があります )
5. 設備の見学
弊社、京都工場にデモ設備を設置しましたので、ご興味のある方は見学が可能です。
(2007.1.23 ( 社 ) 西日本プラスチック製品工業協会において、新技術セミナーとして講演 )
お問い合わせ先
〒 100-0005　東京都千代田区丸の内 3-2-3 富士ビル
三菱製紙株式会社　デジタルイメージング事業部　印刷感材営業部　営業グループ　吉田
電話番号 : 03-3213-3743　FAX 番号 : 03-3214-5936　メールアドレス : [email protected]