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心室細動下両心バイパス型人工心臓における 循環及び内分泌動態の検討

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心室細動下両心バイパス型人工心臓における 循環及び内分泌動態の検討
岡 山 医 誌(1996)
108,
241∼252
心室細動下 両心バ イパ ス型 人工 心臓 にお ける
循 環及 び内分 泌動 態の検 討
岡 山 大 学 医 学 部 第 二 外 科 学 教 室(指
中
山
導:清
裕
宣
(平 成8年3月18日
Key
words:左
右 非 同期variable
水 信 義 教 授)
受 稿)
rate mode,両
心 バ イ パ ス 型 人 工 心 臓,
甲 状 腺 ホ ル モ ン,心 房 性 ナ ト リ ウ ム 利 尿 ペ プ タ イ ド
緒
言
対
回 復 不 能 の 重 度 心 機 能 障 害 に 対 して 欧 米 で は
1.
心 臓 移 植 が 行 わ れ て い る. 1988年 以 降 は 年 間
2700∼3300例
生 存 率55.8%と
と な り1), 5年 生 存 率67.8%,
象
と
方
法
両心 バ イパ ス型 人工心 臓
血 液 ポ ン プ は 空 気 駆 動 式pusher-plate型
10年
プ(左
確 立 した治 療 手 段 とな って い る1).
心 用:
60ml,右
心 用:
ポン
40ml)で,流
入 口
及 び 流 出 口 に そ れ ぞ れ25mmと21mmのBjork-Shily
しか し ドナ ー 心 不 足 の た め に 心 移 植 候 補 患 者 は
弁(Shiley
長期 の 移 植 待 機 を強 い られ て お り,こ の 間 に1/5
∼1/3も の 患 者 が 移 植 を 受 け ぬ ま ま死 亡 して い
pusher-plateと
る2∼4).この た め 心 臓 移 植 待 機 中 に 循 環 不 全 に お
動 装 置は ホー ル センサ 対応 型 人工心 臓駆 動装 置
ち い った 患 者 に 対 して,ド
Hall
ナー心 が 見つ か る ま
Inc., Irvine,
effect
sensorが
(Model-113,安
で の 期 間 人工 心 臓 を 用 い て 循 環 を 維 持 す る,い
CA,
rate
京)を
modeで
血 液 ポ ンプ に 接 続 す る送
は 内 径12mmの
レ の 先 端 に は 吻 合 用 の 人 工 血 管(直
ポ リ塩 化 ビ ニ ル 製 で,送
と り つ け ら れ,脱
右
・脱 血 用 の カ ニ ュ レ
の種 々 の 置 換 型 及 び バ イ パ ス 型 人 工 心 臓 が 開 発
床上 重症 心不 全 患者 の循 環動 態 を改善
使 用 し,左
駆 動 し た.
に な っ た2,3).心 臓 の ポ ン プ 機 能 を 代 行 す る ため
され,臨
装 着 さ れ,
のmagnetと
組 み 込 ま れ て い る15).駆
久 工 機,東
非 同 期variable
わ ゆ る人 工 心 臓 の ブ リッ ジ使 用 が 行 わ れ る よ う
USA)が
ハ ウ ジ ン グ に1組
血 カニ ュ
径12mm)が
血 カ ニ ュ レ の 先 端 に は4個
の
し全 身状 態 を 著 明 に 改 善 す る こ とが 報 告 さ れ て
側 孔 が 開 け ら れ て い る.各
カニ ュレの 長 さは そ
い る2∼14).
れ ぞ れ 右 脱 血 用:
送 血 用:
しか しこ の よ うな 人 工 心 臓 使 用 時 の 循 環 生 理
に つ いて は 未 だ 不 明 の 点 が 多 い.ま
血 用:
た生体 の神
19cm,左
22cm,右
送 血 用:
16cmで
14cm,左
あ る.抗
脱
血栓 性
を高 め る た め ポ ン プ 及 び カ ニ ュ レ の 血 液 接 触 面
経 系 あ る い は 内 分 泌 系 の フ ィー ドバ ッ ク機 構 に
はsegmented
よ る制 御 を受 け な い 人 工 心 臓 の も と で 内分 泌 動
Somerville,
態 に どの よ う な 影 響 が 現 れ るの か に つ い て も十
い る.
分 に は 解 明 さ れ て い な い.
2.
本 研 究 は 両 心 バ イ パ ス 型 人工 心 臓 を 用 い て 慢
polyurethane
NJ,
方
USA)で
(Biomer,
法
動 物 は 成 ヒ ツ ジ13頭(45∼60kg)を
性 人工 循 環 モ デ ル を 作 成 し,人 工 循 環 が 内 分 泌
タ ミ ン10mg/kg筋
系 に 与 え る 影 響 に つ い て 検 討 し た も の で あ る.
ー イ ンダ クシ ョンに て麻酔 導 入
241
用 い,ケ
注 と ハ ロ セ ン3.0%に
行 っ た 後 人 工 呼 吸 器 に よ りGOF麻
ン0.8∼1.5%,笑
Ethicon,
コー テ ィ ン グ さ れ て
気50%)を
,気
よる スロ
管 内挿 管 を
酔(ハ
維 持 し た .左
ロセ
第5
242 中
山
肋 骨 床 に て 開 胸 し,圧 測 定 及 び 採 血 用 の16Gの
カ テ ー テ ル を左 内 胸 動 静 脈 よ り挿 入 し,直
ちに
人 工 循 環 開 始 前 の デ ー タ と して コ ン トロ ー ル の
採 血 を行 っ た.ヘ パ リ ン1mg/kgを
投 与 後,胸 部
裕
宣
は ポ リ グ ラ フ(360シ
で行 っ た.輪
京)
血 及 び 糖 質 の 輪 液 は 行 わ ず,ま
術 後1,
3,
5,
7, 10, 14日
ポ ン プ 拍 動 数,大
血 カ ニ ュ レの 先 端 の 人 工 血 管 部 を端 側 吻 合 した.
乳 酸,ヘ
次 い で左 心 耳 に 血 管 鉗 子 を か け て ダ ク ロ ン フ ァ
抗 利 尿 ホ ル モ ン,コ
れを
栄 測 器,東
た
抗 凝 固 療 法 は 術 後 行 わ な か っ た.
下 行 大 動 脈 を血 管 鉗 子 に て サ イ ドク ラ ン プ し送
ブ リ ッ ク製 の 円 筒 形 心 房 カ フ を縫 着 し,こ
ス テ ム,三
目の安 静 空 腹 時 に
動 脈 圧,中
モ グ ロ ビ ン,血
ド レ ナ リ ン,ノ
心 静 脈 圧 を 測 定 し,
清 遊 離 ヘ モ グ ロ ビ ン,
ル チ ゾ ル,イ
ン ス リ ン,ア
ル ア ド レ ナ リ ン,血
清 レニ ン活
通 して 脱 血 カニ ュ レ を左 心 房 に 挿 入 し固 定 した.
性,心
送 脱 血 カニ ュ レ を 開 胸 創 よ り胸 壁 外 へ 導 い て 左
ー ドサ イ ロ ニ ン ,サ イ ロ キ シ ン の 採 血 を 行 っ た.
心 用 血 液 ポ ン プ と接 続 し た.同 様 に 主 肺 動 脈 に
各 測 定 値 は 平 均 値 ± 標 準 偏 差 で 表 し,
送 血 カ ニ ュ レ を 端 側 吻 合 し,右
s-t検 定 に よ りp<0.05の
心 耳 に 縫 着 した
房 性 ナ ト リ ウ ム 利 尿 ペ プ タ イ ド,ト
リヨ
Student'
場 合 を 有 意 と し た.な
心 房 カ フ を 通 して 脱 血 カニ ュ レ を右 心 房 に 挿 入
お ト リ ヨ ー ドサ イ ロ ニ ン,サ
イ ロ キ シ ン,コ
ル
固 定 し,胸 壁 外 で 右 心 用 血 液 ポ ン プ と接 続 し た.
チ ゾ ル に 認 め られ た 測 定 感 度 以 下 の デ ー タ に つ
各 カ ニ ュ レの 胸 壁 貫 通 部 に は 組 織 適 合 性 を高 め
い て は 有 田 ら の 手 法17)に 従 い 測 定 感 度 の1/2の
感 染 を予 防 す る た め に ダ ク ロ ンベ ロア を巻 い た.
と し て 処 理 し た.
値
こ う し て装 着 を完 了 した 両 心 バ イパ ス 型 人 工 心
結
臓 を 左 右 非 同期variable
rate modeで
ヒ ツ ジ は2∼48日(平
始 し,電 気 細 動 器 に て 自 己 心 臓 を心 室 細 動 と し
た.し
た が っ て 以 後 は体 循 環 ・肺 循 環 と も完 全
に 両 心 バ イパ ス 型 人 工 心 臓 の み に て 維 持 さ れ た
(Fig. 1).血 圧 は 右 房 の 高 さ を0と
果
駆動 開
し右 心 ポ ン
プ の 流 量 を もっ て 総 流 量 と し16),血行 動 態 の 記 録
2),死
均11.2日)生
亡 原 因 は 呼 吸 不 全5,感
存 し(Fig.
染4,駆
動装 置
の 故 障3,動
脈 圧 ラ イ ン 切 断 に よ る 出 血1で
っ た(Table
1).
ポ ン プ 流 量 は 術 後1日
kg,術
後3日
目91.1±9.1ml/min/
目93.7±6.9ml/min/kg,術
目94.7±7.6ml/min/kg,術
ml/min/kg,術
術 後14日
後5日
後7日
後10日
あ
目98.1±7.3
目98.8±7.6ml/min/kg,
目99.5±5.9ml/min/kgと
じ て 約90∼100ml/min/kgと
実 験 期 間 を通
有 意 の 変 動 な くほ ぼ
一 定 の 血 流 量 が 保 た れ た(Table
2
,
Fig. 3).
平 均 大 動 脈 圧 は コ ン ト ロ ー ル 値85.3±10.9mm
Hgで
Fig. 1 The
schema
tem
using
of biventricular
two
pusher-plate
bypass
し た.
目 は79.4±11.2mmHg,術
sys
心房か ら
胸 部 下 行 大 動 脈 ヘ バ イ パ ス し た.左
rate
後1日
pumps.
血 液 は 右 心 房 か ら主 肺 動 脈 へ,左
ン プ は 非 同 期variable
あ り,術
modeで
右 のポ
駆動
Fig.
2 The
No.
the
44th
4
sheep
in
post-operative
this
experiment
day.
on
心 室細 動下 両 心バ イパ ス型 人工心 臓 にお け る循 環 及 び内分 泌動 態 の検 討 Table
Table
2 Hemodynamic
1 Experimental
and
hormonal
animals.
data
in
this
experiment.
Mean AoP: Mean aortic pressure, C. V. P.: Central venous pressure, Lactate: Venous lactate,
Hb: Hemoglobin,
Free-Hb: Serum free-hemoglobin, ADH: Antidiuretic hormone ,
Renin: Plasma renin activity, A. N. P.: Atrial natriureticpeptide .
*:
Significant compared with Control (p<0 .05).
**:
Significant compared
with Control (p<0.01).
243
244 Fig.
中
3 Hemodynamic
*:
changes
Significant
trol
**:
山
.
裕
宣
Fig.
compared
with
Con
compared
with
Con
4 Changes
(p<0.05).
*:
Significant
trol
in
trol
(p<0.01).
**:
目82.9±11.1mmHg,術
11.7mmHg,術
後7日
後5日
Hgと
後14日
後10
目84 .0±0.8mm
人 工 循 環 開 始 後 も 有 意 の 変 動 な く良 好 に 維
持 さ れ た(Table
2,
Fig.
中 心 静 脈 庄(CVP)は
1.1mmHgで
Hg,術
後3日
目13.1±2
12.8±3.7mmHg,術
後10日
mmHgと
後5日
2,
Fig.
後14日
目 よ り術 後14日
後1日
日 目7.3±3.2mg/dl,術
術 後7日
目
目10.0±1.4
後5日
目8.3±2.6mg/dl,術
Con
compared
with
Con
(p<0.01).
目5.9±0.7mg/dlと
後3日
認 め ら れ た(Table
2,
術後 低下す
目 と5日
目に 有 意 差 が
Fig. 4) .
な
った
.8mg/
.7mg,/dl,術
後3
後7日
目6.6±1
目9.9±1.2g/dl,術
後5日
後14日
後3日
目
目8 .2±1.3g/dl,術
目8.1±0.6g/dl,術
2,
後10日
目7 .9±0.9
目7.3±0.9g/dlと
有意 差 は認
Fig.
4).
血 清 遊 離 ヘ モ グ ロ ビ ン は コ ン ト ロ ー ル 値2 .5±
1.6mg/dlで
あ っ た が,術
dl,術
目7.3±5.0mg/dl,術
後3日
5.5mg/dl,術
目9 .0±2.3mg/dl,
後10日
後1日
め な い も の の 次 第 に 低 下 す る傾 向 を 示 した(Table
3).
目10.8±3
後14日
g/dl,術
目 ま で コ ン トロ
静 脈 血 乳 酸 値 は コ ン ト ロ ー ル 値15.1±4
dlに 対 し,術
with
Significant
9.1±1.2g/dl,術
目10 .7±1.0mmHg,術
ー ル 値 に 比 し 有 意 に 上 昇 し10∼13mmHgと
(Table
compared
(p<0.05).
る 傾 向 に あ り,術
に 対 し,術
目13 .2±3.5mm
.4mmHg,術
目10.5±2.8mmHg,術
hemoglo
ヘ モ グ ロ ビ ン は コ ン トロ ー ル 値9 .0±1.2g/dl
後1日
後7日
術 後1日
mg ,/dl,術
3).
コ ン ト ロ ー ル 値 は4.9±
あ っ た が,術
and
目82.5±
目81.7±8.9mmHg,術
日 目82.0±8.9mmHg,術
lactate
Significant
trol
後3日
venous
bins.
後7日
目3.7±0.8mg/dl,術
.4
後1日
目9.6±4
後5日
.4mg/
目6 .6±
目4.7±4.0mg/dl,術
後14日
後10日
目6.2±2.2mg/dlと
人 工 心 臓 使 用 前 に 比 し て 術 後1日
目 と3日
目は
心 室細 動下 両 心バ イパ ス型 人工 心 臓 にお け る循 環 及 び内分 泌動 態 の検 討 有 意 に 上 昇 し た が,術
dlと
後5日
比 較 的 低 値 に 保 た れ た(Table
97pg/mlに
後3日
対 し て,術
後7日
後1日
後5日
後14日
2,
術 後1日
Fig.
後10日
目
術
後 そ の 低 値 を持
μg/dl,術
後5日
目1.4±1.3μg/dl,術
0.8±0.4μg/dl,術
後14日
後10日
目0.9±0.6μg/dlと
に 低 下 し,以
後3日
後14日
目
2,
後1日
後5日
in
the
hormone,
pg/ml,術
後14日
trol
**:
2,
hormonal
cortisol
後10日
目113±86pg/mlと
trol
(p<0.01).
目154±154
術 後1日
目
2,
Fig. 6).
ノ ル ア ド レ ナ リ ン は コ ン ト ロ ー ル 値225±145
対 し,術
後1日
目624±415pg/ml,術
compared
後
目486±527pg/
insu
with
Con
6 Changes
with
Con
in
; adrenaline,
renin
compared
後5日
levels;
and
(p<0.05).
Significant
目
た(Table
目 よ り有 意
Fig.
Significant
後3日
術 後3日
lin.
*:
5).
目125±104pg/ml,術
目105±85pg/ml,術
pg/mlに
Changes
Fig.
に 高 い 傾 向 を 示 した が 有 意 の 変 動 は 示 さ な か っ
後 そ の 低 値 を 持 続 し た(Table
antidiuretic
の後 は ほぼ一
目173±109pg/ml,術
3日 目341±293pg/ml,術
5 目11.0±1.4μU/dl
目0.8±0.3μg/dl,術
Fig. 5).
Fig.
目
ア ドレ ナ リ ン は コ ン トロ ー ル 値91±74pg/mlに
後7日
後7日
後10日
目 に 有 意 に 上 昇 し,そ
115±131pg/ml,術
目1.3±0.8
目
目10.1±1.4μU/
目12.0±2.5μU/dl,術
定 の 値 を 示 し た(Table
対 し,術
5).
目6.6±3.2μg/dl,術
後7日
と 術 後1日
後3日
後5日
13.8±2.3μU/dl,術
目2.7±2.9
コ ル チ ゾ ル は コ ン ト ロ ー ル 値8.7±2.7μg/dl,
術 後1日
目12.2±4.5μU/dl,術
12.4±4.2μU/dl,術
dl,術
目1.9±1.1pg/mlと
目 よ り 有 意 に 著 減 し,以
続 し た(Table
Fig. 4).
目14±13pg/ml,術
目2.2±0.9pg/ml,術
2.2±0.3pg/ml,術
後1日
2,
コ ン トロ ー ル 値222±
目2.2±1.2pg/ml,術
pg/ml,術
イ ン ス リ ン は コ ン ト ロ ー ル 値7.0±2.5μU/dl,
目 以 降 は4∼7mg/
抗 利 尿 ホ ル モ ン(ADH)は
245
*:
the
hormonal
noradrenaline
levels
and
plasma
activity.
Significant
trol
(p<0.05).
compared
with
Con
246 中
ml,術
後7日
目957±639pg/ml,術
662±502pg/ml,術
後1日
2,
後14日
目 と7日
山
目
と術 後5日
コ ン トロ ー ル 値 の 約3倍,術
hに
対 し,術
3日
目0.7±0.5ng/ml/h,術
後1日
ng/ml/h,術
後7日
後
後5日
の値 を示 した(Table
目0.5±0.4ng/ml/h,術
術 後1日
後14日
が コ ン トロー ル値133±33ng/dl,術
6ng/dl,術
目1.5±1.2
後
目0.7±0.5
目 に 有 意 な 低 下 を示 し その
後 もや や 低 値 を 示 す 傾 向 に あ っ た(Table
2, Fig.
後3日
目で
2, Fig.
48±28ng/dl,術
後7日
後3日
後1日
目38±19pg/ml,術
91±43pg/ml,術
後7日
目129±24pg/ml,術
目28±9
目
目131±32pg/ml,術
後14日
目56±15ng/dl,術
後
目157±17pg/ml
目
後10
後14日 目47±14ng/dl,サ
イ ロ キ シ ン(T4)が
コ ン トロー ル値6.7±1.4μg/
dl,術
後1日
目0.7±0.4μg/dl,術
後5日
後3日
目3.7±1.6μg/dl,術
後1日
後10日 目3.3±1.5
そ れ ぞれ 術
目 に コ ン トロ ー ル 値 の 約10%に
に 低 下 した 後 徐 々 に 上 昇 し た が,術
降 はT3が
コ ン トロー ル の 約40%,
プ ラ トー を示 し,ほ
目
目3.0±1.8μg/dl,術
μg/dl,術 後14日 目3.4±0.2μg/dlと
後5日
目12±
後5日
日 目51±13ng/dl,術
後7日
心 房 性 ナ ト リ ウ ム 利 尿 ペ プ タ イ ド(ANP)は
コ ン ト ロ ー ル 値31±10pg/ml,術
後1日
目25±14ng/dl,術
1.4±1.3μg/dl,術
6).
10日
後5日
目 で 約4倍,
甲 状 腺 ホ ル モ ン は ト リ ヨー ドサ イ ロ ニ ン(T3)
目0.3±0.2ng/ml/h,術
目0.8±0.8ng/ml/h,術
pg/ml,術
後7日
7).
レニ ン 活 性 値 は コ ン トロ ー ル 値1.3±0.9ng/ml/
ng/ml/hと
目 よ り有 意 に 上 昇 し,術
術 後14日 目で約5倍
目 に 有 意 な 高 値 を 示 し た(Table
Fig. 6).
10日
宣
術
後10日
目553±322pg/mlと
裕
まで有意
後5日
目以
T4が 約50%で
ぼ 一 定 と な っ た(Table
2,
Fig. 7).
考
案
人 工 心 臓 の 心 移 植 へ の ブ リ ッ ジ使 用 に つ い て
欧 米 で の 統 計 に よ る と, 1989年 の 一 年 間 で は2990
例 の 心 移 植 が行 わ れ た1)が,そ の うち76例 に ブ リ
ッ ジ使 用(最 長153日 間)が 行 わ れ,こ
の 内訳は
左 心 バ イ パ ス 型 補 助 人 工 心 臓(LVAD)が23例,
両 心 バ イ パ ス 型 補 助 人 工 心 臓(BVAD)33例,
完 全 置 換 型 人工 心 臓(TAH)
20例 で あ っ た18).
そ の 成 績 は 平 均 使 用 日数,心
移 植 数,退
退 院%の
順 に そ れ ぞ れ, LVAD:
10例, 43%,
TAH:
BVAD:
16日, 12例,
11日,
2例,
院 数,
28日,
12例,
18例, 12例, 36%,
10%と
バ イパ ス型補
助 人工 心 臓 使 用 例 で 良 好 な 成 績 を示 した18).また
心 移 植 後30日 目 で の 死 亡 率 も報 告 され てい るが,
ブ リ ッジ な しでの 心 移 植 症 例 で10∼12%,
ブ リ ッ ジ 後 の 心 移 植 例 で は9%,
ジ で18%,
Fig.
7 Changes
in
natriuretic
the
hormonal
peptide,
levels;
triiodothyronine
atrial
and
thyroxine.
*:
trol
**:
with
Con
compared
with
Con
(p<0.05).
Significant
trol
compared
(p<0.01).
リ ッ ジ で は23%で
リッ
あ り,こ
の 点 で もバ イパ ス 型 補 助 人 工 心 臓 使 用 例 で 良 好
な成 績 を 示 し た19).ま た1990年1月
and
Significant
TAHブ
LVAD
BVADブ
Drug
Administration
に 米 国Food
(FDA)が
代表的
TAHのJervik-7の
臨 床 治 験 許 可 を取 り消 した
ため そ の 後TAHブ
リ ッ ジ使 用 例 は 激 減 し, 1993
年 の1年
間 で はLVAD20例,
BVAD
10例 に 対
心室 細動 下 両心 バ イパ ス型 人工 心臓 に おけ る循 環及 び内分 泌動 態 の検 討 しTAHは0例
と な っ た20).こ の た め こ れ 以 降
値 に 保 た れ た こ とか ら,血
247
液 ポ ンプ に よ る 溶 血
バ イパ ス 型 補 助 人 工 心 臓 と完 全 置 換 型 人 工 心 臓
以 外 の 機 序 が 推 察 さ れ た.こ
の 臨床 成 績 の 比 較 検 討 は 行 わ れ て い な い.
心 切 除 あ る い は 心 室 細 動 に よ り 自 己 心 拍 動 を失
バ イ パ ス 型 人 工 心 臓 は 自然 心 を 切 除 しな い た
れ につ い ては 自己
っ た 人工 循 環 動 物 に お け る 貧 血 が 滝 戸 ら よ り報
め最 小 限 の 侵 襲 で 運 用 を 開 始 す る こ とが で き,
告 さ れ て い る21)が,自 己心 拍 動 が 保 た れ て い る場
また 心 移 植 時 に胸 腔 内 の 癒 着 も少 な い.症
例に
場 合 に は この 貧 血 が 完 全 に 回 復 し た22)ことか ら,
よっ て は 自 己 心 の 回 復 も期 待 で き る 場 合 もあ る.
こ の 原 因 と して 自 己心 拍 動 欠如 状 態 で の 甲 状 腺
以 上 よ り心 移 植 へ の ブ リ ッ ジ と し て あ る い は 回
ホ ル モ ン の 低 下 を 指 摘 し,甲 状 腺 刺 激 ホ ル モ ン
復 可 能 な重 症 心 機 能 障 害 に 対 す る一 時 的 な循 環
放 出 ホ ル モ ン(TRH)を
補 助 装 置 と し て 適 し た シ ス テ ム で あ る と考 え ら
善 を 示 した21).我 々 の 結 果 で も後 述 す る如 く甲状
れ る.
腺 ホ ル モ ン の 低 下 が 認 め ら れ,貧
今 回使 用 したpusher-plate型
Hall effect sensorに
を検 出 し,ポ
血 液 ポンプ では
血 と 甲状 腺 ホ
ル モ ン との 関 連 が 推 察 さ れ た.
位置
抗 利 尿 ホル モ ン とコルチ ゾル の変化 につ いて
ンプ 駆 動 の 制 御 及 び 拍 出 量 の 計 算
は 開 胸 直 後 に 採 取 さ れ た コ ン ト ロー ル 値 が もっ
を行 う. Variable
よ りpusher-plateの
投 与 して この貧血 の改
rate modeはfill-emptyの
と も高 値 を 示 し,手 術 後 は 低 下 し以 後 再 上 昇 は
駆 動 方 式 で あ り,前 負 荷 の 増 減 に 応 じて ポ ン プ
認 め ら れ な か っ た.生
拍 動 数 が 自動 的 に 増 減 し ポ ン プ 流 量 を 変 化 させ
そ の 刺 激 は視 床 下 部 か ら 下 垂 体 後 葉 に 伝 わ り抗
る.こ の た め ポ ン プ 駆 動 に 際 し,生 体 側 パ ラ メ
ー タの モ ニ タ リン グ を必 要 と し な い 利 点 を 有 す
利 尿 ホ ル モ ンの 分 泌 が 促 進 さ れ,さ
る.ま たpusher-plateを
が 亢 進 す る23'24).実 際Websterら
は常 に 動 い て お り,ポ
接 着 し た ダ イ ア フ ラム
ン プ 内残 存 血 液 量 も少 な
体 に侵 襲 が加 え られ る と
副 腎 系 が 刺 激 さ れ てACTH,コ
着 手 術 の 前,中,後
らに 下 垂 体
ルチ ゾルの分 泌
もTAH装
で 採 血 した と こ ろ 我 々 と同
くポ ンプ 内 血 栓 形 成 の 可 能 性 も抑 え ら れ る.左
様 の 変 化 を し た こ と を報 告 して い る25).イン ス リ
右 非 同 期variable
上記 の モー ド
ン に つ い て も 同 様 に 手 術 な どの 侵 襲 に よ り イ ン
の ポ ンプ を独 立 して 使 用 した も
ス リ ン 分 泌 が 抑 制 さ れ る26)こ とが 知 ら れ て お り
で駆 動 す る2個
rate modeは
の で あ る.
循 環 動 態 に つ い て はCVPの
軽 度の上 昇 が認
め られ た 他 に は 平 均 大 動 脈 圧,ポ
に 良 好 に 維 持 さ れ た. CVPの
ンプ 流量 と も
変 化 に つ い て,一
(Surgical diabetes),手 術 侵 襲 に よ り コ ン トロ
ー ル 値 が 低 下 して い た もの と考 え ら れ た
.抗 利
尿 ホ ル モ ン が 術 後1日
日 目,イ
目,コ ル チ ゾ ル が 術 後3
ン ス リ ンが 術 後1日
目に安定 した こ と
時的 に 駆 動 条 件 の 変 更 を試 み たが や は りCVPの
か ら手 術 侵 襲 の 影 響 は 術 後3日
低 下 は 認 め られ な か っ た.ま
した こ とが 示 唆 され た.
閉胸 操 作 に よ るCVPの
た. CVP上
た術 中 モニ タでは
変 化 は認 め られ なか っ
昇 の 原 因 に つ い て は 脱 血 カ ニ ュ レの
流 入抵 抗,心 房 のatrial kickの
消 失,カ
ニュレ
カ テ コ ラ ミン は 手 術 侵 襲,動
ニ ン-ア
目に は ほ ぼ 消 失
脈 圧 の 低 下,レ
ン ギオテ ン シン系 の賦 活等 で上昇 す る
こ と が 知 られ て お り,人 工 心 臓 装 着 後 約2週
間
装 着 に 伴 う変 形 に よ る心 房 の リザ ー バ と して の
の ア ドレナ リン の 上 昇,約1ヵ
機能 的容積 の減 少等 が複合 的 に関 与 して い るも
レナ リンの 上 昇 が 報 告 され て い る27).本 研 究 の 結
の と考 え ら れ た.
果 で は,ア
静 脈 血 乳 酸 値 は 細 胞 レベ ル で の 循 環 不 全 に よ
月間の ノルア ド
ドレ ナ リ ン は 個 体 差 が 大 き く術 後 特
に 一 定 の 傾 向 を 示 さ な か っ た.ノ
ル ア ドレ ナ リ
る細 胞 の 酸 素 濃 度 低 下 に よ り起 こ る 嫌 気 代 謝 で
ン の 変 化 に つ い て 術 後1日
上 昇 す る た め 末 梢 循 環 の 良 き指 標 と言 わ れ て い
な どの ス トレ ス が 原 因 と考 え ら れ た が,術
るが,こ
日 目の 上 昇 に つ い て は 不 明 で あ っ た .レ ニ ンは
れ が 低 値 を示 し た こ と よ り末 梢 循 環 も
良 好 に 維 持 され た こ とが 示 さ れ た.
血 清 ヘ モ グ ロ ビ ン値 は次 第 に 低 下 す る傾 向 に
あ っ た が,血
清遊 離ヘ モ グロ ビン値は 比較 的低
目の 上 昇 は 術 後 疼 痛
後7
糸 球 体 細 動 脈 圧 の 低 下 に よ り増 加 す る が,こ
れ
が 上 昇 し な か っ た こ と よ り人 工 循 環 下 で も 腎血
流 が 良 好 に 保 た れ た こ とが 示 唆 され た .
248 中
山
心 房 性 ナ ト リ ウ ム 利 尿 ペ プ タ イ ド(ANP)は
裕
宣
ま た 心 耳 の 部 分 切 除 に 伴 いANPの
主 に 心 房 筋 内 で合 成 ・
貯 留 さ れ 血 中 に 分 泌 さ れ,
分 泌 反 応が
低 下 す る こ とが 報 告 され て い る36)が,今 回 の 実 験
腎 に 作 用 し強 力 な 利 尿 作 用 や ナ ト リ ウ ム 排 泄 作
では心房 筋 の切 除 は行 って い ない ものの 両心房
用 に よ り水 ・電 解 質 代 謝 や 体 液 量 の 調 節 を 司 る
に カ ニ ュ レ 挿 入 用 の カ フ を縫 着 す る た め に 血 管
ほ か,血
鉗 子 を か け る な ど の 操 作 が 加 わ っ て お り一 時 的
管 平 滑 筋 弛 緩 に よ り血 管 拡 張 作 用 や 血
圧 降 下 作 用 等 を 示 す.こ
の 作 用 の 目 的 は心 肺 系
の 負 担 を軽 減 し体 内 の 水 分 電 解 質 平 衡 を是 正 す
る こ とに あ る と考 え ら れ て お り, ANPの
にANP分
泌 能 に 異 常 が 生 じ てCVP上
昇 に対
す る 反 応 が 遅 れ た 可 能 性 が 考 え られ た.
分泌刺
甲 状 腺 ホ ル モ ン はT3,
激 は 心 房 筋 の 伸 展28)及び 心 房 脱 分 極 の 頻 度29)で
ン トロ ー ル値 の 約10%に
ま で低 下 し た 後 徐 々 に
あ るが,心
上 昇 し た も の の 術 後5日
目以 降 も コ ン トロ ー ル
不 全 や 高 血 圧 でANPの
る患 者 で は 各 種 臓 器 のANPレ
regulationさ
上 昇 してい
セ プ タ がdown
値 の 約40%及
れ て い る こ と も報 告 され て い る30).
我 々 の 結 果 か ちはCVPの
上 昇 に 引 き続 いてANP
の 上 昇 が 見 ら れ, ANPの
上 昇 はCVPの
び50%の
T4と
も術 後1日
目に コ
値 に と ど ま っ た.前 述 し
た如 く人 工 循 環 動 物 に お い て 自 己心 拍 動 欠 如 状
態 で の 甲状 腺 ホ ル モ ンの 低 下 が 報 告 され て い る21)
上昇
が,人
工 循 環 動 物 で も 自 己 心 拍 動 が 保 た れ た場
に よ る心 房 筋 の 伸 展 が そ の 原 因 と考 え られ た が,
合 に は 甲状 腺 ホ ル モ ンが 回 復 す る こ と37),頸部 交
数 日の タ イ ム ラ グ が 生 じ た 原 因 に つ い て は 不 明
感 神 経 節 の 電 気 刺 激 に よ り甲 状 腺 ホ ル モ ン分 泌
で あ っ た.人 工 循 環 動 物 に お け るANPの
が 促 進 さ れ る こ と38)等を受 け て, Imachiら
に つ い て はTaenakaら
動態
の 報 告31)が あ る が,左
心 バ イパ ス 型 人 工 心 臓(LVAD)を
ギ で はCVP・ANPと
装 着 したヤ
も に低 値 で, LVADを
装 着 し心 室 細 動 と し た ヤ ギ で はCVPが
ANPも
上 昇 し た がANPの
上昇 し
着 ヤ ギ で はCVPが
着 ヤ ギ に お い てANPの
か っ た もの の, CVPの
お り39),拍動 自然 心 か ち交 感 神 経 系 を介 して 甲状
腺 機 能 を 賦 活 す る機 構 が 推 定 さ れ る が,我
綻 が そ の 一 因 と推 察 さ れ た.
は
結
低 下 は認め な
上 昇 に 対 す るANPの
分 泌 反 応 の 低 下 及 び 組 織 に お け るANPに
々の
結 果 で も 自 己心 拍 動 の 欠 如 に よ る賦 活 機 構 の 破
上 昇 は 見 られ ず,心 房 の 機
能 の 障 害 が 示 唆 され た31).ま たMabuchiら
TAH装
腺 機 能 低 下 に 対 し,左 房 電 極 か ら矩 形 波 電 気 刺
激 を 加 え て 甲状 腺 機 能 が 回復 す る こ と を示 し て
上 昇 し た.し か し,心 室 を切 除 した 完 全
置 換 型 人工 心 臓(TAH)装
は人
工 循 環 動 物 の 自 己 心 拍 動 欠 如 状 態 で 生 じた 甲状
論
成 ヒ ツ ジ13頭 に 左 右 非 同 期variable
対す
modeの
rate
両 心 バ イパ ス 型 人 工 心 臓 を装 着 し,自
る感 受 性 の 低 下 を 示 した32).し か し,臨 床 使 用 例
然 心 を 心 室 細 動 に して そ の 循 環 動 態 及 び 内分 泌
で はTAHの
動 態 を検 討 し た.
ブ リ ッ ジ使 用 でANP分
は認 め られず, CVPに
対す る 反 応 も良 好 であ り33),
重 症 心 不 全 の た めCVPと
血 中ANPがTAH装
ANPが
泌に 異常
と もに 上 昇 して い た
着 に よ りCVPが
低下 し
低 下 し た34)こ とが 報 告 さ れ て い る.ま た
Mabuchiら
はTAH装
を投 与 し, TAH装
反 応 がTAH装
着 動 物 に 外 因 性 のANP
着 前 には正 常 であ った その
着 後 には抑 制 され てい た こ とを
報 告 し て い る35).こ れ はTAH装
神 経 系 そ の 他 に 変 化 が 生 じて,臓
セ プ タ がdown-regulationさ
て 臓 器 のANPレ
対 す るpositive
上 昇 が 認 め ら れ た もの の
長48日 間
内 分 泌 動 態 で は 抗 利 尿 ホ ル モ ン,コ ル チ ゾ ル,
イ ン ス リン は 術 後3日
目 に は 安 定 した.ア
ナ リン は 有 意 の 変 動 を 示 さ ず,ノ
ドレ
ル ア ドレナ リ
ン は や や 上 昇 す る傾 向 を示 し,レ ニ ン はや や 低
下 す る傾 向 を示 し た.心
器 のANPレ
プ タ イ ドは 術 後5日
昇 の一 因 と し
均11.2日,最
生 存 した.
着 に よ り交 感
れ た 可 能 性 を示 唆
し て お り,我 々 の 場 合 もANP上
循 環 動 態 はCVPの
ほ ぼ 良 好 に 維 持 さ れ,平
房性 ナ トリウム利尿ペ
目 以 降 有 意 に 上 昇 し,ト
リ
ヨー ドサ イ ロ ニ ン及 び サ イ ロ キ シ ン は 有 意 に低
下 し た.
セ プ タ のdown-regulationに
feedback反
応 が 考 え られ た.
稿 を終 え るに 鑑 み,終 始御 懇 篤 な る御 指 導 御 校 閲
心室 細動 下 両心 バ イパ ス型 人工 心 臓 にお け る循 環 及 び内分 泌動 態 の検 討 249
たえ ず御 協 力頂 いた教 室 の諸 兄 に 感 謝 致 しま す.
を賜 りました恩 師 清水 信 義 教 授 に深 甚 なる謝 意 を 捧
げ ます とと もに,本 研 究 に 直接 御 指 導 を頂 き ま した
な お,本 論 文 の要 旨は 第38回
米 国 人工 臓器 学 会
総 会 に お い て発 表 した.
寺本 滋名 誉 教授,村 上泰 治博 士,入 江博 之博 士,石
野幸 三博 士 に心 か ら感 謝 致 し ます.ま た研 究期 間 中
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山
裕
宣
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ド(ANP)の
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村
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謙,尾
照,森
井 成 人,山
畑 憲 司,伴
臨 床 応 用 と そ の 問 題 点.最
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Altered humoral
田 敬 行,伊
敏 彦,泰
藤
裕,向
江 弘 文,井
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山 政 志,荒
村 裕 夫:心
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神豪
房 性 ナ ト リ ウ ム 利 尿 ポ リペ プ チ
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田 公 則,白
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252 中
Hemodynamic
the
山
and
裕
hormonal
biventricular
changes
bypass
ventricular
system
fibrillated
Hironobu
University
Okayama
(Director:
under
with
hearts
NAKAYAMA
Second Department
Okayama
宣
of Surgery,
Medical School,
700, Japan
Prof.
N. Shimizu)
Hemodynamic and hormonal changes were studied in 13 sheep whose entire circulation was
maintained
by a biventricular
Ventricular
fibrillation
bypass system with a pair of pusher-plate
was induced and pneumatically
type blood pumps.
driven pumps placed outside the body
kept the animals alive for 2-48 days (average: 11 days). Pump output and aortic pressure stayed
within physiological ranges, but central venous pressure was elevated from 5 to 10-13 mmHg
after surgery. Serum levels of antidiuretic
hormone, cortisol and insulin were stabilized soon
after surgery. Adrenaline level and renin activity did not change significantly.
reasons, the noradrenaline
For unknown
level showed a temporary increase after a week. Atrial natriuretic
peptide (ANP) increased significantly 5 days after surgery. There were significant drops in
triiodothyronine (T3) and thyroxine (T4) levels after surgery with gradual recovery afterward
to 40%
and
biventricular
by the
natural
50%
bypass
heart,
of the control
system
although
maintained
ANP,
levels, respectively. These
hemodynamic
T3 and
T4 values
conditions
were
results suggested
similar
changed.
to those
that the
maintained
Fly UP