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平成27年度ふくおか出会い・子育て応援協議会 会議録

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平成27年度ふくおか出会い・子育て応援協議会 会議録
平成27年度ふくおか出会い・子育て応援協議会 会議録
1. 日
時
平成27年7月17日(金)13:30~15:45
2. 場
所
福岡県庁行政棟11階 福岡よかもんひろば 多目的ホール
3. 出席者
12名(ほか代理出席1名)
(50音順)
井上利一委員、上島登美子委員、川上利香委員、合田桂子委員、添島浩委員、
野寄千恵委員、半田眞弓委員、松岡嘉彦委員、宮﨑昭夫委員(副会長)、
森田さゆり委員、山田育代委員、横山正幸委員(会長)
(※中村仁彦委員代理:髙比良拓児氏)
4. 会長・副会長の選出
ふくおか出会い・子育て応援協議会設置要綱第3条第3項に基づき、選出。
会 長 : 福岡教育大学 名誉教授 横山正幸委員
副会長 : 福岡県立大学 名誉教授 宮﨑昭夫委員
5. 議事
(1) 福岡県次世代育成支援行動計画(後期計画) 平成26年度実施状況について
(計画期間:平成22年度~26年度)
① 事務局説明
② 質疑・意見交換
I. 父母が親として育つための支援について
(委員)
最近、「イクメン」など父親の育児参加が当たり前というイメージが浸透しているが、
子どもとの関わり方がわからない、子どもよりも自分にかまってほしいという父親もお
り、理想と現実のギャップに悩んでいる母親が多い。
父親が育児参加しないと、2人目、3人目の子どもを躊躇するばかりか、場合によっ
ては離婚に至るケースもある。身近で、子育てを上手にしている家庭から知恵をもら
うなど、親が親として育つための周囲の支援が必要。
(事務局)
男性の家事・育児時間が長いと第2子以降が生まれる割合が高くなる傾向があると
のデータもある(21世紀成年者縦断調査)。
県では、平成26年度から男性が育児のノウハウを学ぶ「イクメン講座(パパスクー
ル)」や、子育て男性のロールモデル等を紹介する「“新九州男児”応援フォーラム」
を開催。
-1-
平成27年度からは、市町村や企業・団体と連携した「イクメン講座」、「イクボス講座
(部下の育児参画に理解ある経営者・上司の養成講座)」の開催や「パパの子育て
応援ハンドブック」の作成・配布等を実施することとしており、これらの事業を通じて
男性の育児参加の機運づくり、参加促進を図っていく。
II. 子育てと仕事が両立できる環境の整備について
(委員)
父母がゆとりを持って子育てを行うには、企業からの応援も大切。「子育て応援宣言
企業」の登録数が増えているようだが、実際にはどのような形で子育てを応援してい
るか。父親の帰宅時間が、深夜0時、1時など非常に遅いという話も聞くが。
(事務局)
子育て応援宣言企業とは、企業自らが、従業員の仕事と子育ての両立を支援する
具体的な取組を宣言するもので、登録企業数は5,141社(平成27年7月17日時
点)。
平成26年度までは、「育児休業が取得しやすい規則づくり」や「育児休業中に職場
とのコミュニケーションがとれる仕組みづくり」などの取組を呼びかけていた。平成2
7年度からは、「男性の育児参加の促進」を追加し、早めの帰宅ができる職場環境
づくり等の取組を呼びかけている。
(委員)
子育てと仕事が両立できる職場環境づくりに対する企業の意識の高まりを感じる。
多くの父親は、何らかの形で子育てに関わりたいと思っている。時間はかかるが、
様々な機会を捉えて、「今からの男は(家事・育児を)やらなきゃだめ」とPRし、意識
改革や環境づくりを行うことが大切。身近に(積極的に育児参加をする男性の)実
例が出てくれば、後に続く者も増え、波及効果は大きい。
(委員)
大手ゼネコンに勤務していた頃、会社で初めて育児休業を取得し、2人の子どもを
生み育てた。前例がないため、自分が失敗すると、後に続く者がいなくなるというプ
レッシャーもあった。出張が多い職場だったので、両親や病児保育などの支援がな
ければ、子育てと仕事を両立することはできなかった。
子育て応援宣言企業には大企業が多い。大企業であれば、ある程度、育児休業の
取得に伴う代替職員の確保も可能だが、中小企業では、職員の子育てを応援した
くても実情として難しい。一方、小規模な会社で働き続けたいという女性は多く、ジ
レンマが生じている。(両立支援等助成金など)補助金による支援だけでは十分で
ない。シルバー人材センターなどを活用した代替職員の派遣等による支援があると
-2-
よい。
結婚や子育てなど人生設計(ライフデザイン)について、就職活動前に考えることが
大切。女性が総合職として入社した場合、20代にキャリアを積み上げ、30代で結
婚・子育てを考え始めたら、転勤を命ぜられて悩む場合も多いと聞く。福井県等で
は、名古屋などの大都市圏で大学生向けに人生設計について考えるセミナーを開
催しているようだ。
(事務局)
子育て応援宣言企業による「合同会社説明会」などで制度を知る機会になると思っ
ており、今年は優良企業100選を作成し、関東方面の学生にも配布する。
これらの取組により、就職活動中の学生に対し、子育てと仕事の両立について考え
る機会や、両立支援に積極的に取り組む企業への就業機会を提供していきたい。
III. 保育の現場から考える子ども・子育て支援の課題について
(委員)
子どもを生み育てやすい社会、子どもが生きやすい社会づくりに向け、保育従事者
と行政とがタッグを組んで取り組めることが沢山ある。例えば、「乳児家庭全戸訪問
事業」は、行政が家庭訪問をしても、全く知らない人から訪問を受けることに対する
不信感、拒否感から支援を断るお宅もあるが、子どもや保護者といつも接している
保育従事者であれば寄り添えることがある。
「幼稚園・保育所等と小学校との連携」については、幼児教育・保育から小学校教
育へ円滑につながっている地域もあるが、市町村合併等で上手くいかなくなった地
域もある。子どもの移行期をきめ細かに支援するために、どこまで入り込めるかが課
題。
近年、アレルギーを持つ子どもがとても増えている。アナフィラキシーがあらわれた
際に(医師の治療を受けるまでの間の措置として)エピペンを使用する必要がある
が、過疎・離島地域ではアレルギー対応の病院がなかったり、又は距離が離れてい
たりして、どう対応すべきか喫緊の課題。行政による支援が必要。
子どもの貧困問題について、保健室の利用率がとても高い状況を把握しているか。
保護者からのネグレクト、給食だけで生き延びている子どもや、給食だけ食べに来
る子どももいる。子どもにシラミがわけば、(親に代わって)養護教諭が駆除すること
もある。ADHD(注意欠陥・多動性障害)や自閉症スペクトラムなど、発達障害を抱
えているにも関わらず、発見されぬままの子どももいる。より細やかな対応が必要。
いじめの問題は、「いじめがあるのが普通、当たり前」という前提で、どのように解決
していくか、各学校でオープンに討議し合うことが必要。
-3-
(事務局)
いじめに関しては、月1回程度アンケート調査を行うよう、小・中学校に依頼している。
その結果は教職員間で情報共有し、組織的に対応にあたるようにしている。
近年、いじめの認知件数は増加傾向にある。以前は、被害児童(生徒)や被害児童
(生徒)の保護者からの訴えにより、いじめを発見する率が高かったが、現在は、ア
ンケート調査の回数を増やしたことで、アンケート調査からいじめを発見する率が高
まっている。
(委員)
アンケート調査の実施回数の増加に伴い、教職員の負担が増えているのでは。
(事務局)
アンケート調査を踏まえ、一つ一つの事案について、事実確認から、加害児童(生
徒)と被害児童(生徒)との関係に折り合いがつくところまで指導を行うため、現場の
負担感等はあるかもしれない。
IV. 保育所障害児受入促進事業について
(委員)
「保育所障害児受入促進事業」について、平成26年度の改修実施施設数が0か所
となった理由は。
(事務局)
「保育所障害児受入促進事業」は、新たに保育所で障害児の受入を行う際に、スロ
ープなど施設の改修が必要な場合に、改修費用を補助している。市町村からの申
請に応じ、補助を行っているが、平成26年度は申請がなかったもの。
V. 待機児童解消に向けた保育士確保対策について
(委員)
当町では、これまで待機児童ゼロであったが、現在20名程度の待機児童が発生。
待機児童解消には、保育士確保が喫緊の課題。自治体の正規職員としての保育
士の雇用は、財政状況から鑑みて難しい。公立・私立の保育所間の保育士処遇の
格差も課題。
(事務局)
保育士不足は非常に深刻な状況。県では、結婚・出産等で現在は離職している保
育士資格取得者の再就職支援として、研修や現場実習を実施。また、保育協会の
-4-
協力のもと平成25年度に「福岡県保育士就職支援センター」を開設し、就労相談
や、就職先の斡旋など、保育士確保に努めている。
保育士不足の解決には、処遇改善が必要。公立・私立の保育所間の格差等の是
正のため、保育士の処遇改善に取り組む私立保育所に対し、平成25年度から国・
県・市町村による補助を実施。子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、国が定め
る運営費(公定価格)の改善が図られているが、さらなる処遇改善のため、国に対し
財源確保を働きかけていく。
VI. 子どもを取り巻くメディアとの付き合い方、部活動について
(委員)
携帯電話やスマートフォンのアプリを使った子守やしつけが日常化している。メディ
アとの上手な付き合い方について、保護者や子どもへの早期教育に力を入れても
らいたい。
子どもの人間形成の面から部活動の重要性を感じている保護者は多いが、顧問の
先生により、取り組み方に違いがある。部活動のよさを見直し、よりよい部活動運営
ができる仕組みづくりを期待したい。
VII. 総括
(委員)
近年、福岡県立大学では、保育系コースの人気が落ちている。かつては、保育系コ
ースに進学すると自治体の正規職員としての雇用が多くあったが、現在は保育所
の民営化が進み、正規職員になれる可能性はものすごく低い。これを学生は敏感
に感じとり、より正規雇用につながるコースへ進学している。他の短大でも保育系コ
ースの学生の獲得に苦慮しているようだ。保育系コースに進学すれば、しっかりした
就職につながるといった仕組みを考えていかなければ、保育士養成段階で数が減
り、ますます保育士不足になる悪循環に陥る。少子化を止めるためには、保育従事
者として、質の高い方に長期間働いてもらえる仕組みとなるよう、粘り強く国へ働き
かけていただくとともに、県としても考えてもらいたい。
身近でも、育児参加を行う若い父親が増えている。かつては「子育ては女性がする
もの」という偏見を持つ男性が多かったが、近年は、むしろ喜んで子育てに関わる
男性が沢山いる。この機を逃さず、男性の育児参加について、より一層の機運醸成
を行うことで、一段と子育てがしやすい社会になるのでは。
-5-
(2) ふくおか子ども・子育て応援総合プラン(福岡県子ども・子育て支援事業支援計画及び
福岡県次世代育成支援行動計画)の策定について
(計画期間:平成27年度~31年度)
① 事務局説明
② 質疑・意見交換
I. 法律婚を前提としない出産・子育てについて(事実婚、婚外子)
(委員)
少子化対策を行うにあたり、「結婚」を前提とした出産・子育てに限らず、婚外子も
含めた視点があってもよいのでは。文化的、社会的なモラルが絡む難しい問題だ
が、先進国のなかでも合計特殊出生率が高いフランスでは、女性の平均初婚年齢
は30代だが、第1子の平均出産年齢は20代であり、婚外子の割合が高い。日本で
は、「シングルマザー(ファザー)」と聞くとマイナスのイメージがあるが、法律婚を前
提としない出産・子育てを受容する社会づくりの視点を持つことで、出生率も増え、
かつ、シングルマザー(ファザー)にとっても子育てをしやすい生活環境改善に繋が
る。
(事務局)
現在、そのような視点での施策・事業はないものの、ひとり親家庭に対する子育て
支援については、しっかり取り組んでいくべきという視点でいる。
「結婚」といっても法律婚や事実婚など様々な形態がある。県で取り組んでいる「出
会い・結婚応援事業」も、必ずしも(法律婚という)特定の形態に限っているわけで
はなく、事実婚も含め、子どもが生まれるためには、まずはパートナーが必要。独身
男女に対する調査において「出会いの場がない」「付き合ったことがない」という回
答をいただいたため、希望する独身者に対し、パートナーとの出会いの場を提供す
るなど、出会い・結婚を応援することで、出生数の増加に繋げたい。
(委員)
ある人口8千人の市の年間出生数が15名とのことだった。確実に人口減少、少子
化が進んでいるのを感じる。
資料に「団塊ジュニアが40歳代となり、20歳代~30歳代の女性が減少している」と
あったが、女性がいないということは、子どもが生まれてこないということ。多くの自治
体が切実な問題を抱えている。
(委員)
「女性の活躍」と言われ、仕事も育児も介護もと、女性の負担は大きい。自分も仕事
に脂が乗る30代で、今、生むだけ生めたらいいなと思うが、社会的にはまだ難しい。
社会の理解が進み、そういう(法律婚を前提としない出産・子育ての)選択肢もでき
-6-
れば、子どもを生む女性は多少なりとも増えると感じる。
今回のプランでは、「次代の親の育成」が特に大切だと感じる。なかでも、子どもた
ちへの性教育を学校・家庭でしっかりと取り組むべき。性に関して、日本では隠して
しまいがちだが、インターネット等のメディアからの誤った情報を受け、歪んだ性知
識を育み、健全な男女関係を築けていない現状にある。
II. 職場・家庭における男女共同参画の推進について
(委員)
若い世代は、男性にも、男女平等の考えが浸透している一方で、50歳代~60歳代
より上の世代の男性はそうではない。上の世代が男女平等を認めることで、職場・
家庭における男女共同参画がスムーズに進むのでは。
III. 女性の「子どもを生まない」権利について
(委員)
行政による少子化対策が数多く実施されているが、女性には「子どもを生まない」権
利があることも考慮のうえで、進めてもらいたい。
IV. 子ども・若者の貧困問題、待機児童問題への対策について
(委員)
若い世代が結婚・出産に踏み切れない要因の一つに若年層における貧困の増加
がある。親世代からの貧困の連鎖を断ち切り、再生産されないような施策に期待し
たい。
育児休業から復帰しようとした社員が、保育所に空きがなく、育児休業を延長したり、
両親に負担をかけて職場に復帰しているという状況がある。「子どもは宝」だという
根本的考えのもと、待機児童解消に向け手厚い支援をお願いしたい。
V. 気になる子の親への支援、産後うつへの理解促進、子どもへの性教育について
(委員)
乳幼児健診が6か月、1歳半、3歳と実施されるが、その間のわが子の発達に不安
を抱く親も多い。同居の両親に心配をかけまいと一人で悩んだり、療育を受けること
を恥ずかしく感じたりするなど、まだ社会的な理解が十分でないのが現状。近くの
方には相談できなくても、県の相談窓口には相談できるという方も多いので、手厚
い支援をお願いしたい。
産後うつは、母親自身にも、社会的にも、まだ十分知られてない。理解が進むことで、
母親の負担の軽減など周囲の協力体制を整えることもできるので、周知・理解促進
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を行う必要がある。
子どもへの性教育について。知人の先生から、「性」は、りっしんべんに生きると書
いて、「命の教育」だと教わった。まずは、自分の命を大切にするということを、色ん
な所で考えていけるといいと思う。
(事務局)
発達障害の方に対しては、県では田川市と広川町の発達障害者支援センターを中
核として相談等の対応をしている。福岡市、北九州市の両政令市も1か所ずつ設置
している。
夏休み前など相談が集中する時期には2か月待ち等の状況。待ち時間解消のため、
平成27年度から市町村を中心とした地域の相談対応力を高めるための取組を実
施。各センターにマネージャーを1名ずつ配置し、地域の支援体制の構築を行うほ
か、幼稚園・保育所の教諭・保育士や、地域の相談支援事業所等の職員に対する
研修を実施。
まずは地域の窓口で相談を受け、そこで対応困難な場合に、各センターの窓口で
相談対応を行う仕組みを構築したい。
(委員)
「地域の相談対応力」という話があったが、地元から遠く、顔が見えない方が相談し
やすいという話も聞いているので、配慮をお願いしたい。
(3) 閉会
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