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家庭総合 テレビ 学習メモ 第 31 回 [住生活] 今回 学ぶこと 監修講師:永 田 智 子 誰もが快適に暮らすために ~住環境と社会~ 私たちの生活は、知らないうちに自然や社会に影響を与えています。自 然や社会への影響を考えないでいると、自然環境を壊したり、他人を不愉 快にさせたりします。どうすれば誰もが快適に暮らすことができるのか、 考えてみましょう。 知っている? 今回のキーワード (知っているキーワードは✓チェックマークをつけよう) □ 持続可能な社会 □ 生活騒音 □ しゃ音 ▼ ポイント 1 自然環境への影響 〜省エネや環境に配慮した暮らし方とは?〜 私たちの住んでいる地球は、私たちだけのものではありませ ん。ほかの生物も次の世代も快適に生きていけるように、持続 可能な社会を目指していくことが必要です。 電気やガスなど人間が簡単につくり出すことのできないエネ ルギーの消費をできるだけ抑え、家庭ゴミや生活排水や二酸化 炭素(CO2)など、環境破壊の原因となるものをできるだけ出 さないような生活を心がけることが大切です。 ? 家庭ゴミ、生活排水、CO2 がたくさん出ると自然環 境がどうなるかを想像してみよう! ポイント 2 社会環境への影響 ~迷惑な隣人になっていませんか? [騒音、しゃ音]~ 音を出さずに日常生活を送ることはできません。しかし、不 必要に大きな音は、その音を聞かされた人を精神的に不安にさ せたり、健康に悪影響を及ぼすことがあります。自分では気に ならない音も、他人には不快である場合もあります。生活騒音 の問題は、近隣間のコミュニケーション不足が原因だとも言わ れています。知らない人や嫌いな人の出す音は、うるさいと感 じるのです。 ? ほかの人を不快にさせる音を出していないか、自分の − 81 − 高校講座・学習メモ 家庭総合 誰もが快適に暮らすために 生活をふりかえってみましょう! ポイント 3 自分にできること ~“誰もが快適な”住まい方のルールを実践してみよう~ 持続可能な社会を築くために、余分なエネルギーの消費を控 え、環境に悪影響を与えるものをできるだけ出さないようにす るための方法を考え、実践していくことが大切です。 そして、生活騒音を減らすためには、音が伝わらないように する(しゃ音)の工夫が必要です。例えば、カーテン、じゅう たん、タンスや本棚などを効果的に配置することもその一つで す。集合住宅では、洗濯機や掃除機などを使用する時間帯に配 慮するなど、住まい方のルールを守ることも必要です。また、 近隣の人々と良好な関係を築き、互いの生活を理解することも トラブル防止には大切です。 ? 持続可能な社会や生活騒音トラブル防止のために、自 分ができることを考え実践してみよう! ゲスト紹介 鈴木松美 さん ▼ 日本音響研究所所長。音響・音声の研究家。理学博士、法学博士、心理学博士。元警察 庁科学警察研究所技官。主として音声・音響分野の研究に携わり、数多くの事件や事故の 真相解明を手掛けてきた。犯罪の音声分析で、世界に名だたる音声学の第一人者。著書は 『音の犯罪捜査官―声紋鑑定の事件簿』 『誰も知らない声の不思議・音の謎』など多数。 橋本典久 さん 八戸工業大学大学院教授。騒音ジャーナリスト。専門は音環境工学、特に建築音響、騒音・振動、 環境心理「騒音トラブルの問題 近隣騒音、騒音事件に関する研究」の第一人者。騒音事件を対象 として、建築学、音響学、心理学、社会学などの多面的な観点から事件の分析と防止に取り組んで いる。現在は、「近隣トラブル解決センター」の設立活動に携わっている。著書は、『近所がうるさ い! 騒音トラブルの恐怖』『2階で子どもを走らせるなっ! 近隣トラブルは「感情公害」』など多数。 今回のまとめ ★「自然環境への影響」 私たちは、生活するために、毎日「出して」います。ゴミ、生活排水、CO2…ほかにも、 思い当たることはありませんか? ★「社会環境への影響」 生活騒音が原因のトラブルが急増中! 「生活騒音」とは、日常生活で出る迷惑な音の ことです。生活の音は、法律では完全に規制できないのがやっかいなところ。近隣間のコ ミュニケーション不足が主な原因と言われています。 ★「自分たちにできること」 ゴミや排水を出し過ぎない。電気・ガスの使い過ぎなどに注意しましょう。また、生活 騒音を小さくする工夫をして、近隣に盟約をかけないようにしましょう。生活騒音トラブ ルの予防は、人間関係を築くことが大切です。誰もが快適に暮らすために、まず、できる ことから始めてみましょう! − 82 − 高校講座・学習メモ 家庭総合 誰もが快適に暮らすために もっと知りたい? 参考キーワード ★「持続可能な社会」 有限な地球環境の中で、環境負荷を最小にとどめ、資源 循環を図りながら、地球生態系を維持できる持続可能な社 会であること。 ★「騒音環境基準値」 騒音には基準値が決められている。住宅地では昼間55dB (デシベル)以下、夜間は45dB以下にすることが環境庁に よって定められている。 ▼ 子どものころピアノを習っていました。あるとき、 「ピアノの音 がうるさいということが理由で殺人事件が起こった」というニュー スを聞き、怖くなって家での練習を中止しました。しばらくたった ころ、ご近所の方から「ピアノの音が聞こえなくて寂しい」と言っ 監修 講師 永田 #4 ていただき、練習を再開することができました。家族がご近所と友 File 好な関係を築いていてくれたからこそ、このように言ってもらえた のでしょう。ご近所づきあいは面倒なこともありますが、やっぱり 大切なものですね。 − 83 − 高校講座・学習メモ