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養殖真珠の代替核となるセラミックス中空ボールの研究開発

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養殖真珠の代替核となるセラミックス中空ボールの研究開発
別紙2
プロジェクト名
養殖真珠の代替核となるセラミックス中空ボールの研究開発
研究背景
研究背景
研究目的
わが国の真珠は、ミシシッピー川などに生息しているイシ貝科の淡水貝で
及び目標
あるドブ貝の殻を球状に加工した核をアコヤ貝に挿入したのち、一定期間養
殖して生産されている。近年ドブ貝殻の主たる輸入先のアメリカ合衆国で
は、生物資源保護を理由に採取の制限が加えられ、また野生生物の国際取引
を規制するワシントン条約の対象種となり、今後は必要量の確保が困難とな
ることが懸念されると共に、価格が上昇している。このような情勢下で、ド
ブ貝殻に替わる材料の開発が求められ、多くの研究報告や特許が出願されて
いるが、未だに実用化には至っていない。
研究目的及び目標
本研究では、強度や化学的安定性、生体親和性などに優れた特質を有して
いる白磁素地等の陶磁器材料を用い、さらに中空化することにより、歩留ま
りよく養殖真珠が得られる核を開発する。セラミックス核は着色することが
でき、非球状に加工することも容易である。瀬戸地域を中心に、伝統産業と
して蓄積されている陶磁器製造技術を活用し、適当な顔料を選定して着色核
を、また種々の成形技法を駆使して非球状核の製造技術を開発する。陶磁器
材料から核を作成することにより、着色や成形の自由度が格段に拡大する。
着色核真珠や非球状核真珠は、新たな真珠購買層の開拓に繋がることが期待
でき、陶磁器産業ばかりでなく、真珠養殖業界の発展にも貢献する。
具体的にはドブ貝殻製核と同等、もしくはそれを凌ぐ特性を有するセラミ
ックス球状中空核の製造技術の確立を目的とする。さらに着色核や非球状核
の製造技術へも発展させる。また硬いセラミックス核に、真珠層を損なうこ
となく、穴をあける技術も確立する。
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成果概要
本研究開発により、次のような成果を得ることができた。
各種顔料を添加した白磁素地を転動造粒法で成形し、焼成することにより
種々の球状核(白、青、ピンク、赤、緑、黄、黒、グレー、茶、金コート、
白金コート、蛍光色、マーブル模様など)を、さらに型押し成形により非球
状核(ハート型、涙滴型、正八面体、正十二面体)を製造した。これらをア
コヤ貝に挿入し、約半年間養殖して得られた真珠の品質を評価し、宝飾品と
して商品化が可能な優良品を選別した。優良品の割合は核の色に依存して大
きく変動し、最低は白色で 14%、最高は濃い茶色で 55%であった。一般的
に白、ピンク、黄など明るい色は成績が悪く、黒、濃いグレーや茶色など暗
い色が優れていた。非球状核は色と形によりばらつきはあるが、比較的良好
であった。因みに同時期に、従来のドブ貝殻核(白色)を用いた養殖真珠の
優良品の割合は 10%程度であったと聞いている。
宝飾品の主たる購入者である女性の嗜好(好まれる色調、形状等)を調査
した結果、年齢層により大きな差異が見られ、高年齢者は本真珠とは白また
は黒色で、球状であるとの固定観念があり、着色したものや非球状のものは
模造品であると考えている人が多かった。一方若年層は許容度が高く、ピン
クや黄色で、ハート型や涙滴型を好む傾向が見られた。球状着色核真珠と非
球状核真珠の写真を示す。
今後は得られた真珠を速やかに宝飾品に加工し、非球状着色真珠に関心
が高い外国人にアピールするため海外の展示会に出展して、真価を問いた
いと考えている。
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連絡窓口
学校法人中部大学
研究支援センター(担当;木本・水野)
連絡先 tel 0568-51-4852
fax 0568-51-4859
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