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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅

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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
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工場内住居施設に就いて
大塚, 一朗
經濟論叢 (1938), 46(1): 61-77
1938-01-01
https://doi.org/10.14989/131046
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
大 正国警 ル瑚 二+ 百 窮 三層彌催物露可
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毎 月 噂回 一日陸行胃
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ナ チ ス主 義 と 経 済 的 自 己責 任 の原 則 -
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新 着 外 囲 輕 濟 雑 誌 主 要論 題
共 同 膿 の 人 間 學 的 考 察 ⋮⋮-⋮ ⋮
国 際 牧 支 策 と し て の 輸 入 統 制 ⋮-
投 資 乗 数 の 理 論 ⋮⋮ ⋮-・
⋮⋮ ・
⋮⋮
近 代 地 代 理 論 に つ いて ⋮ ⋮
国際 牧 支 均 衡 の理 論
重 農 派 租 税 論 の基 礎 問 題 ⋮ ⋮ ⋮ ・
シ ュモ ラ ー の 困 民 経 済 學 方 法 論 -
工 場 内 住 居 施 設 に 就 い て ⋮ -⋮ -・
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工場 内 住 居 施 設 に就 い て
大
塚
一
朗
A﹁日 、諸 国 の企 業 的 工 場 で は 其 の従 業 努 働 者 の爲 に 、 工場 主 の経 済 的 責 任 を 以 て 社 宅 、寄 宿 舎 等 々種 々 な る 住 居施 設 を 行 って
み る場 合 が 少 く な い。 以 下 に 於 いて は 、 }般 に 隠 居 の歌 態 が 工 場 勢 働 者 の 生 活 上如 何 な る 意 義 を 持 つ か に つ いて先 づ第 一に 考 察
し つ いで こ れ を 緑 に し て 工 場 内 住 居 施 設 の 目 的 に 關 す る検 討 を 行 は う と 思 ふ 。
住居 關 係 的 財 要 は衣 食 に封 ず る財要 と 共 に 人間 生 活 上 の諸 財 巽 中 に て必要 力度 が最 も 人 な る も のに 属し 、畢 竟
基本 的 生 活 手 段 の 一であ る。 然 る に暁 闇 に家 を 出 で ﹂夜 に 至 っ て蠕 る と い ふ仕方 の生活 を逸 る と ころ の工場 勢 働
者逮 は 従来 と か く に住 居 の不 良 状 態 を 除 り問 題 現 し な か っ た の だが これ も 一面 で は無 理 か ら ぬ事 柄 で あ る。 それ
と いふ のも 累 々彼等 には住 居 の状 態 が生 活 上 に占 め る眞 義 を毘 るに至 る程 、生活 上 の飴 裕 が 無 か った か ら で あ る
め
と い ふ ヘ ル ク ナ ー の 見 解 に は 首 肯 せ ら る べ き 瓢 が あ る。 し か し 、 何 と し て も ﹁般 に 人 間 生 活 從 っ て 又 工場 勢 働 者
第 四+ 六巻
六 一
笙
號
六 ﹁
遣 の生 活 に 於 け る 住 居 關 係 の意 義 は 甚 だ 重 大 鴫
、、 衛 生 保 健 關 係 に道 悪 的 關 係 に 種 び 親 済 醐 添 に 導 生 活 上 の 各 般 の
暦施設 に就 いて
,1935,P.529.
FamilyandS。cietア,aStudvofSoci.ologyofRecons〔ruction
説
方 面 に 現 は れ る こ れ が 影 響 力 の 強 さ に は 看 過 し 難 い も の が 存 し てみ る 。.
.
工場 星
Bigclow,H・F・,FamilyFinance,Ig:;f,P.2且7.・
Herkner,H:.,DieArbeiter庁age,Ig2:1.S.4.7・
Zimmerman,C.andFramp量:・n,M.E.,
1)
2)
3)
序
工掛向 住居施設 に就 いて
住居 の状 態 と保健 衛 生
第 四+ 六春
山ハ 一一
第
}號
⊥ハ 一一
.tooff.
二
1928,s・6・)
十 九 世 紀 前 年 の英 図 都 市 に 於 け る 下 級 勢 働 者 間 に 起 つた 各 種 悪 質 疾 病 の戦 慄 す べ き蔓 延 の事 實 を 彼 等 の住 居 状
態 が 不 良 性 な る に 麟 困 せ し め て み る エ ンゲ ル ス の 記 述 は 既 に 周 知 の こ と で あ る。 尤 も エ ンゲ ル ス は 其 の際 住 居 駄
熊 以 外 に 彼 等 の生 活 内 容 の各 方 面 が 同 時 に 又 そ こ で 結 び つ い て作 用 し て み る 關 係 を 無 覗 し て み る 課 で は な い。 實
際 吾 々が 耐 脅 的 健 康 歌 態 を 槻 察 し て そ こ に 人 口 論 的 、 自 然 的 、 砒 會 的 諮 契 機 の牽 聯 的 影 響 を看 視 す る な ら ば 、 無
論 そ れ は 偏 見 に堕 し た 見 方 に な る 。 だ か ら 、嘗 て ベ ツ ク が ロ ンド ン、 ベ ル リ ン、 パ リ 、 ウ イ ン等 諸 都 市 間 に て 一
戸 家 屋 當 り の舳 民 数 と 死 亡 率 と の 間 の 比 例 性 的 系 列 を 示 し た 調 査 の結 果 を 根 接 に し て直 ち に 死 亡 に 及 ぼ す 群 居 状
の
熊 の 影 響 を 特 性 づ け て る る の は 、 充 分 に 正 確 な 認 識 で あ る と い へな い の で あ る 。 し か し 、 そ れ で も 彼 の指 摘 に よ
っ て 住 居 の 状 態 が 死 亡 に 及 ぼ す 影 響 の認 識 に つ き 早 く 注 目 す べ き 示 唆 が 與 へら れ た と い ふ 顯 、 こ れ は 共 の 功 績 と
し て 認 め ら る べ き だ ら う 。 と も か く も 住 居 の歌 態 の不 良 性 が 健 康 に 悪 影 響 を 及 ぼ す と い ふ事 實 自 罷 は 今 日 殆 ん ど
の
総 べ て の署事 官 吏 が こ れ を指 摘 し て み る と こ であ る。
健 康 に悪 影響 を 及 ぼ す不 良 住居 の要 因 は 、 主 と し て光 線 殊 に日 光 の不 足 、漁 氣 過 多 、密 集 群 居 、便 所 設備 の缺
陥 、 蚊蝿 等害 贔 防 備 の缺陥 等 であ る 。 工場 勢 働 者達 の所 得 が 一般 に極 め て乏 し いも のであ る結 果 、其 の住 居 關 係
が 彼 等 の自 助的 廃 置 のみ に任 され てみ る場 合 、 そ の住 居 状 態 には殆 ん ど 必然 的 に上 述 の如 き諸 要 因 が附 著 し てき
て不 健 康 性 のも のに な り易 い の であ る。
つ.,,DieFabriksiedlungen,
Verh且hnisse,.x897,S.1g.(zitiertロachw6schler,]Fr.哩
.S,.p.352.
Silverman,H。A.,TheEconom正csofSocialProblei.nl,,192
3)
Beck,DieWohnungsFragemi【besonde【erDer髄ck…5iciltlgungderManheimer
2)
,7Aufl。,1921,S
Engels,F.,DieLagederA=behendenKlasgein]巳:ngland
1)
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三
住 居 の状態 と道 徳 性
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参 照 、.
住 居 の状 態 は 又住 民 の道徳 性 に特 殊 の規 定 を與 へる傾 向 を 持 っ てる る。 尤 も此 の場 合 でも 住居 の状 態 だ け が遊
離 し て作 用 す る課 で な いこ と は 明 か で あ る。 しか し、 人 が若 し 今 日 の大 都 市 に於 け る零 砿 所 得 音 階 暦 の集 團的 に
群 居 す る特 殊 地帯 に 一歩 視察 の足を 踏 み入 れ て見 るな ら ば、直 ち に そ こ に於 いて不良 な る住 居 状態 が それ 自艦 と
し て危 険 な る道 徳 的 悪 影 響 を持 つこ と に つき有 力 な實 誰 的資 料 を掴 む こと が 出来 るだ ら う 。 そ れ に つ い て欧 洲 都
市 に於 け る 勢 働 者 群 居 地 帯 を 視 察 し た 結 果 の ⋮記 述 例 を こ こ に 引 用 し て見 や う 。
﹃空 所 附 き 二た 間 の住 居 に 多 勢 の家 族 が 怯 ん で み て汚 れ た 部 厭 に身 動 き も 出 來 叛 い有 様 に な っ て みる 。 其 の様 子 を 詳 し く 述 べ る
必 要 は な いと 思 ふが 、 次 の こ と だ け を いっ て お き た い。 此 の家 族 に は 抑 も 清 潔 と 汚 穢 と の何 た る か V分 っ て るな い。 痕 は 素性 の
も簾
六 =}
,1934..P.36エ.W
Bossard,J.Ii・
・SocialChangeandSocialProblems
Oschler.F・0・,a・a.0.S.5.
と 生 活 、 大 正14年
の努 働
大 阪 市 砒 會 部 、 密 住 地 歴 居 住;者
知 れ な い五 人 目 の子 供 を 腹 に持 っ て る る 。⋮ ⋮ ⋮ 家 長 は 強 く 飲 酒 避 に溺 没 し て み る。 両 親 、 子 供 連 、 孫 達 が 穂 て 此 の狭 い部 屋 の
中 で 一所 に暮 し て み る 。 住 居 の内 部歌 態 は恐 ろ しき ば か り で あ る 。 汚 いと も 何 と も 、 総 て は お 話 の外 で あ る。 ﹄⋮ : ﹃皆 が皆 迄
そ の有 様 で は な か ら う と 抗 辯 す る人 が あ る か も 知 れ な い。 正 に 其 の 通 り で、 幸 な こ と に か 、る 状 態 の も の は比 較 的 敏 が 少 い。 し
か し住 居 の 習 慣 が 甚 し き 密 集 状 態 の爲 に か く ま で悪 化 し て み な か っ た な ら 此 の嫌 な 事 例 も 一層 減 少 し て み た こと であ ら う 。 た と
へど ん な に清 潔 の 習慣 を 持 っ て る る 主婦 で あ っ て も 、 多 勢 の家 族 の要 求 に鷹 じ き れ な く な れ ば 自 然 に其 の 熱 心 も 醒 め ざ る を得 な
も子 達
いだ ら う 。 同 時 に家 庭 の 中 に は 不 和 、 不快 が 立 て こ あ て 、 其 の結 果 面 白 か ら ぬ 家 庭 内 の扶 態 か ら 逃 避 し や う と の 願 望 も 惹 起 さ れ
やうと 二 も の であ ・。窺
(駐 ) 大 正年 間 末 期 大 阪 市 に て密 住 地 匠 居 住 者 の生 活 状 態 に關 す る調 査 が 行 は れ た が 、 そ れ に よ れ ば 、 調 査 旺 域 に 於 け る 一戸
第 四+ 六憲
﹁乃 至 二 を 有 す る も のが 約 半 分 で 、 一戸 内 居 住 人 員 は 約 七 人 であ る。 な ほ こ れ ら 地 腫 の
嘗 り 家 屋 の敷 地 は 大 凡各 + 坪 内 外 で空 地 は 二 坪 内 外 に な っ て み る 。 そ し て 一戸 内 に ﹁室 乃 至 二室 の構 造 に な って み るも のが 大
孚 を 占 め て お り 、 而 も ﹁戸 内 同 居 蘂
ワ 居 住 者 は 大 部 分 が 工 業 労 働 者 で あ る。
工 場 内 住 居 施 設 に就 いて
、
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工場 内 住居 施設 に就 いて
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めると い憲 弊 も生れ 棊
第 四 +六巷
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か く て 終 日 の 激 烈 な 勢 働 か ら 蹄 り 来 る 一家 の 主 人 は 平 和 と 快 適 と が 影 を 隠 し た 家 を 棄 て 玉外 に出 で 、居 酒 屋 に
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andWohnungswesen・
入り浸 って辛う じ て響
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(註 ) ﹃〃 下 践 の も の は 居 酒 屋 に 行 き 貴 き も の は ク ラブ に 行 く " ﹄
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謂 、曲
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﹄ る 家 庭一生 活 の中 で 順 調 に 生 長 す る こ と は 甚 だ 困 難 で あ る 。 就 中
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半、 笑
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以 上 の如 き 家 一
処 内 に於 け るイ 良 の環 境 が . 且ハの 子 弟 の 道 {
徳 性 に 及 ぼ す 影 鐡uに恐 る べ き も の の あ る と い ふ M}と は 特﹂
に注 目 を要 す る と ころ で あ る。
上 述 せ る と こ ろ は 家 庭 生 活 を な す 場 合 の 住 居 状 態 の缺 陥 が 、 零 砕 所 得 者 階 層 從 っ て又 工場 勢 働 者 達 の 道 徳 性 に
及 ぼ す べ き 悪 影 響 に關 保 し た 事 柄 で あ る が 、 更 に 此 の 他 に 、 家 庭 を 離 れ て 猫 身 生 活 を 送 る 勢 働 者 の住 居 欣 態 の 缺
陥 が 共 の道 徳 性 に 及 ぼ す弊 害 的 影 響 の こ と を も 併 せ て こ こ に 注 意 し な け れ ば な ら ぬ 。
(D﹂o四二 3﹂
q}
︼
o蕊 ρ 野 ①}
色 o読、=巴一
-一﹂
巴 お①三重 5) と 稻 せ ら れ る 特 別 の 猫 身 生 活 着 宿 舎 が 設 け ら れ て み る が 、
猫 身 の青 年 男 女 勢 働 者 に 劃 し て は 早 く か ら 諸 國 に 工 場 直 轄 の も の 乃 至 は 宗 教 慈 善 公 益 等 諸 團 照 の手 に よ っ て寄
宿舎
そ れ と 共 に 又 一方 で は 當 該 工 場 主 以 外 の 一般 私 人 が 螢 業 と し て螢 む 猫 身 者 宿 舎 即 ち 所 謂 螢 業 下 宿 な る も の が 古 く
か ら 存 し て み る 。 後 者 の も のは 前 者 の も の と 異 っ て宿 泊 者 に 射 し 一般 に厳 重 な 取 締 規 則 と い ふも のを 持 た す 、 そ
こ で は 彼 等 の恣 意 的 生 活 が 許 さ れ て み る の で 、 と か く 青 年 男 女 の猫 身 拶 働 者 は 寄 宿 舎 を 嫌 っ て管 業 下 宿 を 好 む 傾
の
向 が あ る と いは れ て み る 。
】f・…1・934・.P・36乏}・Mangold,G,B.,
・S・d・1、V・
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需
訟1,.:ヤ:囎
H.W.d.S.W.,Erganzungsban、}§
Elster,L,
・S・347・
・b・p・litikd・r・:}・g・nwa・t,・89・
・i・1一 ・・dG・w・
・S・
S。lim。U。,,G.,Z・
TheHousingQustion,(istEd.
Engels,F.,
3)
4)
5)
今 日 我国 の紡 績 工場 で は大 部 分 の従 業 勢 働 者 が 寄 宿 舎 に牧 容 され てる るが 、 初期 時 代 に は寄 宿 舎 以外 に下 宿 に
三
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ナ リ O 争 二 八飾職社 外 貯 ノ謹.
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百監
シ テ寓目融 ノ承 劔陶ヲ得 テ噛職工 ヲ 寄 宿 セ シ ム ル所
﹃指 定 下 宿 ト ハ工 場 ノ附 近 ニ ア ル下 宿 屋 ニ
ころ を引 用 し て見 やう。
態 に つ い て同 じ 調 査 記 録 が 述 べ て み る と
右 に 所 謂 下 宿 に 於 け る 勢 働 者 の生 活 状
止宿 し てみ る者 σ数 も 亦 少 く な か った 。明 治 三 十 四年 に關 西 十 六紡 績 工場 に つ い て行 はれ た農 商 務省 工務 課 の調
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ハ多 ク ハ先 二連 ペ タ ル塵 ノ職 工 募 集 人 ニ シテ
第 四十 六巻
六五
第 ﹁號
六五
、
後 篇)・177頁
和II年
査 に よ れ ば 、 其 の從 業 拶 働 者 の住 居 關 係 状 態 は 第 一表 に見 る 如 く で あ る 。
} 表)
工場 内 住居施 設 に就 いて
例 の 如 き 集 團 的 形 態 に て 居 住 す る の み で な く 、 更 に他 人 の 家 庭 に 同 居 的 に 生 活 し て 所 謂 素 人 下 宿 内 の 生 活 を な す
れ に 恐 る べ き 悪 影 響 を 與 へる 事 情 を 語 る と こ ろ の 一事 例 を 見 る で あ ら う 。 猫 身 生 活 を な す 工場 勢 働 者 は 又 右 の事
人 は こ こ に 、家 庭 生 活 か ら 離 れ て 掲 身 生 活 を 選 る 工場 勢 働 者 の住 居 關 係 の 缺 陥 が 彼 等 の道 徳 生 活 を 蝕 ば ん で こ
・ア 恥。
﹄
タ ル声ノ ニア ッテ ハ通風 探光 極 メ テ不完 全 ナ ル物 置 二階 二於 テ十数 人 ノ男 女 ヲ同室 晶起臥 セシメ風 紀 其他 二關 シ弊 害 ノ甚 シキ モ
モノ 、如 シ。 而 シテ此 ノ下宿 昌於 テ 八六樽 入聲 ノ室 二+数 人 ノ職 工群 居 セ ル モノ アリ 。殊 二在来 ノ普 通民家 ヲ以 テ下宿 屋 トナ シ
男 工 モ女 工 モ寄 宿 セ シム ルモノ ニシテ工場主 ノ監督 ハ實 際 毫 モ行 届 カズ指 定 下宿 ノ主 人 ハ工場 二封 シテ職 工監督 ノ責 任 ヲ負 ヘル
同時 二職 工 ノ身 元保 護人 タ ルモノ ト ス。 又指 定 下宿 二非 ルモ 一工場 ノ職 工 ノミ ヲ下宿 セ シ ムルモノ アリ。 此種 ノ下宿 屋 二於 テ ハ
二 七 、二 二 九
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商 務 省 商 工 局 、 綿 綿 紡 績 職 工 事 情;、 明 澄36年
商 務 省 商 工 局 、 前 掲 、178頁 、
7)農
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下
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計:宅
第 四十六巻
六六
第 }號
六六
は 個 人 の 家 計 生 活 に 於 い て 、 所 得 の溺 小 化 に 逆 比 的 關 係 を 以 て 住 居
月
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工場内 住居 施設 に就 いて
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場 合 も あ る 。 此 の場 合 に も 工 場 勢 働 者 の道 徳 性 の 破 壊 に導 か れ る危 険 が 大 き い 。 共 の 事 情 に つ い て は 夙 に 詳 細 な
盆。7二・
碁 秘。}
四
疫 C①に
①
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勢 働者 療 尉 に於 ける 住 居
黙 に 至 る ま で 注 意 深 き 著 眼 が な され て る る 。
四
シ ユワー べ の法 則
家 賃 の占 め る 割 合 が 盆 ζ重 き を な す 、 と 立 言 し て み る 。 其 の後 の實 諮 的 諸 研 究 は 右 の 立 言 が 國 を 異 に し 傅 統 的 事
情 を 異 にす る 場 合 に 於 い て 無 條 件 的 に は 安 暫 し な い こ と を 明 か に し た 。 し か し 、 此 の 法 則 が 低 額 所 得 音 階 暦 の 家
計 に 於 て家 賃 費 の 占 め る 意 義 が甚 だ 重 大 で あ る こ と を 指 摘 し て み る だ け に 閲 す る眞 理 性 は 少 く と も これ を 認 め な
け れ ば な ら ぬ。
そ れ で は 家 賃 費 は 現 今 工 業 労 働 者 階 暦 の 家 計 支 出 に 於 い て 凡 そ 如 何 な る位 置 を 占 め て み る も の で あ ら う か 。 一
己.
berstellungderLebenshaltungskosten,1933,S・2Lロ.自
聾懸 繋 田
、
欝ざ,謡ぎ
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孟 盃,囎 。
離
箆縢 黛灘 溢
九 二 九 年 に デ ト ・イ ト市 フ ォ ー ド 自 働 車 工 場 従 業 職 工 中 に て最 低 賃 銀 稼 得 者 居 に属 し 妻 及 び 十 六 歳 以 下 の児 女 二
人 乃 至 三人 を 持 つ者 (
年 所 得 一,五 〇 〇 乃 至 一、八 ○ ○ 弗 に し て軍 均 額 は 一、七 一二 弗 に な る)の家 計 支 出 百例 に 就
の
て調 査 が行 はれ た 。 此 の調査 勤 象 は 無論 デ ト ・イ ト市 居 住 の鼻 働者 家 族 乃 至 は フォ ード 工場 従業 職 工 の家計 支 出
の代 表 的 形 態 を 意 味 す るも ので は な い。 況 や 又右 の調査 結果 か ら米 國勢 働 者 ﹁般 の家 計 支 出 に就 て直接 に何等 か
の確 乎 た る断 言 的 結論 を引 出 す こ と は出來 な い ので あ る。た だ それ が世 界 の最 高賃銀 國 の 一た る米 国 の代 表 的大
工揚 に於 け る最 低 賃銀 暦 の家 計 支 出 で あ る こ と に 特 別 の意義 を 認 め て これ を 取 上げ 、そ れ と 有 力産 業 國 中 の最
Herkner,H.,a。a.Q,S.48.
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誌 上 ・於け ・家賃費 の意奮
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○年 に於 いて行 はれ
は大 部 分 のも のが 工毒
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- ベ の 法 則 に 主 張 され る き
第 四+ 六巷
六七
笙
う と逆 に な っ てみ
號
六七
と ﹂並 に建 築経 済關 係 上 の特 殊 性 が同時 に作 用 し てみ る こ
な る生 活 需 要 方 向 の構 造 的差 異 が 両 者 の闇 に存 し てみ る こ
るこ と を思 は ね ばな ら ぬ。 そ こ に は僻統 に制約 され た顯 著
情 を異 にし てみ る環 境 内 の二 つの場 合 に關 保 し たも の であ
る。 し か し 、 これ に つ い ては吾 々は 先 づ 此 の対 照 が 互 に國
恰も シ 言
し て見れ ば 、家 賃 費、
の家 計 総 膿 に占 め る意義 の比 較關 係 は
右 の表 に よ っ て日米 双方 の場 合 の家計 支 出 の内課 を 封 照
百分 率 關保 存 掛 照 した も ので あ る・
、
第 二表 は右 に迷 津
、た 二 つの調査 例 に於 け る家 計 支 出 内繹
笠
象 ・於 ・ ・各 萎
り
の家 計 支出 ・含 む でる る. 対 象 内 所 蓑
・の調 霧
られ 。我国 傷 者階層 の家計 支出例 は昭和九⊥
低賃銀國 た る我國蕎
思 ふ のであ る。
ここにとり岸
舞
現 はれ た 、 のであ る. 比 婆
分交 舞
の
二
物
服
賃
熱
雑
計
フ才 ー ド 工 場
年 平 均 所 得 は 一、 〇 三 九 ・九 二 圓 で あ る 。
、
,
食
へぎ
戸舞
家
光
他
家具 什 器及 設 備費
其
合
平 均 家 族 員撒
平 均 年 所 得
工場 内 住 居施設 に就 いて
蘇暴
以下参照 、
閣統 計 局 ・ 家 計 調 査 報 告 、 昭 和 ・・年 、 ご
頭
3)内
飲
被
鰐
工一
腸内住居施⋮
設 に就 いて
第四十六春
六八
第 一號
六八
と に注 意 を 沸 は な け れ ばな ら ぬ。 我 国 の傳 統 は欧 米 の それ に比 較 し て生 活様 式 上 一般 に住 居 關 係 の意義 を遙 に輕
覗 し て來 海 のであ る。 し か し 、 こ こ で右 の 日米 勢 働 者 生活 費 対 照表 を掲 げ た眞 意は シ ユワ ーベ法 則 の愛當 性 を實
誰 的 に吟 味 せん こ と に あ った ので は な い。 それ は た だ 、国 情 を異 にす る 二 つ の場合 の いつ れ に於 いて も 、勢 働 者
生 活 の 家 計 経 済 的 構 造 上 に 住居 費 要 素 の意 義 が ↑
甚 だ 重 き を 占 め る も の であ る こと を明 か にし や う と し 海 のであ
る。即 ち フ ォ ード 工場 關 係 の事 例 に於 いて は家 賃 費 が 家計 費 総 艘 中 二割 二分 除 に當 た り 、 又我國 の如 く 一般 に住
居 施設 を軽 視す る環 境 に於 て も勢 働 者 の家計 費 総 器 中 一割 三分 溺 は家賃 費 に占 めら れ 曜
﹂み る こと が分 か る。 膚 の
つ
一八 六 八年 に 一八 .七 七 % 、 一八 七 四年 に 二〇 .
考 察 に關 嚇 し て、前 世 紀 末葉 に行 はれ た猫 逸都 市 内 勢 働 者家 賃 費 に關 す る 一調 査例 を見 れ ば年 所得 が 六〇 〇 馬克
乃 至 一二〇 〇 馬 克 な る階 級 に就 き家 賃 費 に充當 さ れ る所 得 分 は
九 〇 % 、 = ハ八 二年 に 二 三 ・五 一% 、 一八 九 二年 に 二 四 ・七 一% に な っ て お り 、 其 の意 義 は 年 代 の進 む に 從 って 釜
々重 大 化 し て來 て る る こ と を 示 し て み る 。 これ は 又 先 に対 照 的 に と り 擧 げ た 二 つ の例 と は 國 も 時 代 も 異 っ て み る
工場 内 住居 施設 の起源
も の で あ る が 、 住 居 關 係 の家 計 経 済 的 意 義 が 工 業 勢 働 者 の生 活 内 容 上 に 占 め る 重要 性 を 示 唆 す る に併 せ て 役 立 つ
と 思 ふ の で あ る。
五
今 日内 外 の諸 工業 国 で は 工場 主 の手 に よ って特 に共 の従業 鼻 働 者 に射 す る各 種形 態 の工場 内住 居 施 設 が廣 く 行
盆市 て る る。 工業 生 産獲 最 の過 程 の上 でか 、る施 設 が 現 億轟 て来 た の拡抑 も 何時 頃 か ら のこ と であ ら う か 。資 本
Herkner,H.,a・a・0・S・47・
4)
主義 的 工場 工業 の稜 達 の滑革 が 最 も 古 い英 國 に於 け る事 情 が 此 の際 先 づ 第 一に 問 題 にな る。 エンゲ ル スによれ
ば、英 國 で は 地方 の大 工揚 が それ に密 接 し た 地域 に 於 い て 工揚 建設 と 同時 に從 業 勢 働 者 の爲 の住 居 家屋 を建 設 す
るこ と が十 九 世紀 の頭 初 から 通 常 の事 例 にな って みた と い ふ こと で あ 砺。 資 本 主 義 的 大 工業 國 とし ては其 の工業
生産 の畿 達 過 程 に特 殊 の滑革 を 持 つ北 米 合 衆 国 に於 いて 、 工場 内 住 居 施 設 の起 源 は と い へば、 同 國 勢働 統 計 局 の
見 解 で はそ れ が合 衆 國 の工業 起 源 と共 に古 いと い 商。 蓋 し 、合衆 国 で は植 民的 工業 家 が先騙 者 と な って水 和 の便
業 國 と ﹄ 、共 霧
居嚢
窪
居嚢
が 夫 あ 國 に て起 っ て来 た 起 源 は決
が
場垂
な る事例 が 現 はれ
し てる る。 從 って 工場 内 鍵
く 、炭 塵
達.
の沿 革 は無 論 前 記 諸 國 の それ よ ∼ 大いに新 し
のは漸 く明 治 二+ 年 (天 八七年)前 後 のこ と 篤
工場 内 住 居 嚢
第 四 +六巷
六九
笙
號
山
八九
以 下 、
、:Oo6頁
.大
,CX瓦V・1905.S.2ZL
阪 市 役 所 編 纂 、 明 治 大 正 大 阪 市 史 、:第2巻
、 昭 和lo年
あ る 地 方 に 工業 地帯 を開 拓 した も の であ っ て、其 の際 工場 の建 設 と 同時 に住居 施 設 が始 め られ た課 であ る。 7 ラ
共 の緒 に つ 婁
聖
ンスでも 新 工場 地帯 の開 拓 と時 代 を同 く し て十 九 世紀 の三 十年 前 後 か ら 工場 内 住 居 施 設 の顯 著
葉
一
、み る. 我国 は資 本 轟
寮
業 國 に存 し てみ る 種 ゐ
阪 地 方 で甑 に 明治 三 +年 前 後 に各 種 の毒
護 達 し た のも 其 の起 源 は前 記諸 セ の場 合 より 後 れ てゐ ・。 それ でも 、就 中 早 い頃 か ら大 規 模 の民 有 工場 と し 蚕
κ就 いて
め3,x920.P.7.S
,Bullel;inNo.二
U・S・Bu爬auofLaborS亡atistics
chriftendesVereinsfiirSocialpolidk
達 を 見 た紡 績業 に於 い ては 、共 の中 心地方 を成 し てゐ 突
が 相 當 に普 及 し て み る の を 見 る 。
以 上 を 以 て見れ ば、 現在 に各 杢
くか
自 ら特 に其
し て昨今 の こと で な いこ と が課 る の であ る。 し か し 又 それ か と い っ て 工業 生産 關 係 上 で経 螢 の主髄 が
の從 業 勢 働 者 の爲 に何 等 か の形態 の住 居 施 設 を 持 つ こ とを 重要 税 す るやう にな った のは 、決 し て際 限 な き古
嚢
ら の こ と で はな い。大 鎧 に い へばそれ は諸 国 を 通 じ て十 九世 紀 以 後 の こと で あ る 。帥 ち 其 の起源 は 工業 生産 が 大
工場内 蒼
Engels,F.,1bld.,p.60.
1)
2)
3)
4)
工場 内 住居 施設 に就 いて
第 四 +六巻
七〇
第 一號
七〇
規 模 の 工 場 制 度 にそ れ の代 表 的 経 醤 形 態 を 見 出 し て か ら の こ と で あ り 、 叉 そ れ と 殆 ん ど 同 じ 時 代 を 劃 し て み る。
の
次 に引 用 す る ジ ンツ ハイ マ ー の語 は 右 の 立 言 を 一暦 確 實 な ら し む べ き 傍 讃 と し て 役 立 つ と 思 き
甜。﹃勢 働 者 住 居 の問
経 讐關 係 上 の攣化 と勢働 者 住居 の問 題
題 は 十 九 世 紀 を そ れ よ り 以 前 の他 の世 紀 と匠 馴 せ し む る特 徴 窯 の 一つ で あ る 。﹄
六
軽 骨 關 係 の方 面 より 見 れ ば 、 一敷 的 に い つず
、工業 生 産歌 態 は 十 九世 紀 初頭 以来 従来 のも のと比 較 し て著 しく 攣
化 し て來 てる る 。其 の攣 化 の第 一窯 は経 螢 形 態 に於 いて現 はれ 、 工場 制 度 (局pぼ罪崎の
8ヨ) が支 配 的形 態 に な って
來 た と い ふこ と で あ る。 第 二黙 は経 螢 立 地 に於 いて現 はれ 、 工場 は傳 統 的 な 工業 生 産 地 で あ った蕎 都 會 地 以外 、
更 に続 々田舎 地方 に も新 設 され る やう にな っ て來 た 。 右 の二 つの現 象 の中 で後 者 は竣 生論 的 には或 る程度 ま で前
者 に附 随 す る派 生的 結 果 であ った 。 しか し 又見 方を 攣 へれ ば後 者 の事情 に援 け ら れ て前者 の事 情 が完 成 され た と
い ふ こと も出 来 る。國 々の間 で其 の工業 の近代 的褒 展 に時 間 的 先 後關 係 はあ る けれ ども 、 十 九世 紀 にな って以 後
に 工業 生 産 の歌 態 が 前 に見 た如 き 経螢 關 係 上 の攣化 を 示 し た と い ふこ と に つい て大 艦 皆事 情 を 一にし て み る。
工業 生 産 が 工場 制度 的 経螢 形 態 を と る やう になれ ば、勢 働關 係 を繞 る憂 化 と し て 、第 一に大 量 の従 業 弊 働 者 を
一定 の生 産 場 所 に向 っ て集 中 的 に準 備 せ ね ば な ら ぬ必 要 が 起 っ て来 る。 先 づ從 來 の奮都 會 地方 に大 規摸 の工場 が
相 次 ぎ設 立 され る に及 ん で、都 會 への大 量 的勢 働 需要 が急 激 に起 って來 た 。 かく て十九世 紀 以来 各 工業 国 に前 後
し て 共 通 的 に現 はれ た新 現象 は 、 田舎 地 方 其 の他 から (
合 衆 国 に於 い ては外 國 から )都 會 地 に向 っ て動 く と ころ
・・q
・ng・f・ ・9・,・g。
・w・h・
Si。 。heim。,,L.,Di・A・1・eit・
5)
各箇欝
の大規 繋
套
る貰
葎
め る必要 が 告
と し て、 穿
勤薬
,毒
護
・蓼
美
傷
者
景 の従業 勢 働
題 と し て毒
・黍
島
こ とは い ふま で
にあ る
が轟
ぜ し曇
で
はれ
の高 き
に は ・螢利 的
に轟
っ
の關
。= § ..
呈
に向 って暫
ける 藝
捧
の關 係 ・交 通費
年 代 の経.過
雪
新規幾
. 暮
・新 時代 を 特 色 づ
の問 灌
繁
を 奪 った と い ふ茎
の爲 の舞
て寧 ろ 房 牧 華
な けれ ばな ら ぬ・ 笙
形 態 の建
を緯
制 生葉
馨
を指 摘 ・
磐
を廻 書
響
の跡 の敷 地
住 の場 所 嘉
其窟
じ從 つ菱
毒
って來 た が ・撰
と であ る・
時 間 の関 係 ・肇
會地内 撞
e
にな っ て來 た か ら であ ・。 か や乏
立 地 の地 方 進 出 化 の現 象
に も起 ら な け れ ばな ら な か った 蓋
し て嘉
に居 住 す る 必要 が あ ると い き
働 者 は共 の霧
築 物奪
地 に あ った零 餅
煮 の爲 の住 居 家 屋 の譲
は次 の 三 つ の講
力乏 し寿・
階 歴 た ・葛
かや乏
の大 規 雀
存 し 、剰 へ從來 か ら裂
勢
所 、劇 場 等 ・盤
・於 いて彼葉
居 難 の問 禦
、地方 の小都 邑 、田舎 響
立 地盆
擶
れ て、 都會 地 で は 毒
・ で あ ・。・ に を
た捧
の流 れ が 現 は れ た ・ い き
芒
支籠
す ・助 縁 的 蕎
じ て來 た 。 此 の現象 の根 本 的 原 因 が 、 前 述 の加 里
。向 っ て番
住 居 難 の現 象 茎
も な いが 、 。れ 嬉
束
警
屋 の建 萎
面
、企業 霧
袋
篇
場 、倉庫 、屡
に 偏す ・ 傾向 が顯 芝
、農
種類 の建 築 妻
。場
謹
務 先 工場 に な る べく近 接 した 纏
で あ ・と い ふ こ と であ ・。 第 三に は 、 工翠
あ 。 .第 二 。は 、 場
定 住 性 が舞
係 等 から 、大 覇
會 地 の郊 外 畿
+ 九世 紀 以来 麓
て籠
於 け ・馨
の現象 又 は馨
磨
讐
・⋮ ) が響
し て工董
尋 .
鴬.
.
.
.
: ; 。口・。三①・.
ヒ .
①。謁.
・
.
弾、
一
①量
に就 いて
第 四 + 六巻
主
第 }號
七
}
が
.行 は れ ・・ 至 る こ と に つ い ては 、例 へば饗 性 生産 留 針 す ・特 別 取璽 の聖 }
或 は 又都 市計
制 的契 禦 根 本 にな って作 用す ・場 合 も あ る に は あ ・が 、大 姦 の場 合 に於 い て景 料 生産
の規 定 の如 轟
維 欝 立 地 の覆
穰
工場 内住 居嚢
工場内住居施設に就 いて
第 四十六巷
七二
第 一號
七二
地所 在 關 係 、 土地 債 格闘 係 、 租 税負 捲關 係 、勢 働 團膿 の影 響 、弊 働 者 健 康 關係 等 の諸 事 情 に關 嚇 し て経 螢 経済 的
立 場 か ら行 ふ考 慮 乃 至 は事 前計 測 (
訳ρ鼻三巴δ三 が 、決 定 的 動 因 とな っ て作 用 す る ので あ る。 か 出 る事情 に支 配
され て }旦新 規 地 域 に大 工揚 が 建 設 され るな ら ば、従 来 工業 劣 働 者 居 住 密 度 も極 め て低 く 又 從 って彼 等 の階層 に
封 ず る適 當 な住 居 家 屋 も 甚 だ 乏 しき 地 熱 に向 っ て、 人爲 を 以 て 、急 激 に大 量 の勢 働 者 を集 中 せし め なけれ ばな ら
ぬ と いふ 必要 が起 こ る。 蕉 都會 地 内 部 に於 いて と同 じ 性質 の住 居 難 問 題 が こ こ に も亦 現 はれ て来 る鐸 で あ る。
かや う にし て十 九 世紀 に入り て以後 な ほ今 日迄 も 纏 緩 し て経 螢 關 係 上 、新 な攣 化 が生 す る と共 に 、 工業 経螢 の
王 龍 即 ち 工場 主 は自 己 の 工業 生 産 的 事 業 を 實 施 す る に當 っ て、 先 づ 何 よ り も 先 に前提 的 に解 決 し な けれ ばな ら ぬ
と ころ の 一つ の特別 に重 要 な問 題 に直 面 し なけ れ ば なら な か った 。 それ は 本 来 の 生産 に野 し て 工場 的 作業 場 を 建
と歩 行 で 通 勤 し 、
設 す る と同 時 に 、共 の作 業 場 に近 接 し て從 業 勢 働 者 を居 住 せ し め る爲 に自 ら特 別 に何 等 か の仕居 設 備 を 持 つと い
ふ こ と で あ る 。 従 業 勢 働 者 が ﹃暑 熱 や 、 雪 や 、雨 を 冒 し て何 哩 も の遠 い距 離 を 朝 毎 に ト ボ ー
の
脊 に は 又同 様 にし て其 の家 造 蓬 々歩 き 蠕 ら ね ばな ら ぬ﹄ やう な 住居 猷 態 に彼 等 を 放 置 し て おく のでは 軍 に勢働 者
の身 艦 を無 用 に波 野 せし め て勢 働 能率 を 低 下 せ し め る のみ でな く 、抑 も 必要 な分 量 の勢 働 を 調達 す る こ とも出 楽
2)Engels,F.,Ibid.,P.60.
な け れ ば、 又規 律 的 な就 業 朕 態 を維 持 す る こと も不 可 能 に な る。 現 今 の如 く に交 通機關 の畿 達 した 事 情 の下 でも
遠 距 離 通 勤 制 に は右 の場 合 と同 じ 種類 の訣 黙 が件 ふ。 右 に所 謂 紅螢 運 轄 の前 提 た る、 必要 勢 働 量 の調達 と い ふこ
と には 、具 艦 的 に見 て四 つ の方 面 の契 機 が そ こ に包含 され てる る。最 も 重要 な る第 一の方 面 は 一般 に必要 激 の勢
働 者 を 雇 入れ る と い ふこと で あ る。第 二 の方 面 では職 工長 、特 殊 技 術 者 、 不 定時 用務 者 等 の如 き特 別 な 性質 の從
Management,1928,P・56L
Ibid.,P.19ff.,Wilkins,G・S・,Lal・or
U.S.BureauofLaborStatistics,1)
業蕩
導
の就萎
覆
菱
響
備 は如禦
・て來 ・華
質 舞 働喜
多警
る必要
獲 得す
薄 れ ばなら
態を安 定 荒 め
の葛
者
つた・それ は正経 螢開 始
る・ 工場主 は自 ら の責 任を 以
あ
にし玉 臂 套
・ ・完成 ・ても・それだけ では葛
低下し以 て共 の就業
開票 璽
妻 達 ・て、それ を忠
上 の作護
の異動筆
。なけれ ばなら ぬ.第 三 の方 面 ・於 ・ては・ ・べ重
があ る。第四 の方面 ・してはな るべ養
居砦
工場制醤
ぬ. これ 、 の諸要件 が充だ・れな い場 合 、だ・ へ塁
制 的経 管 の運 傳 を開 始 す る こ と は出來 な い。
合.
地内に或 は新 規 工業 楚
働淫
を 持寒 けれ ばならな差
嚢
の牧 華 を議
す
も あ って・工場 圭が共
を行 って難
外 の他 窪 饗 崇 重 從萎 の爲 に便利
な・ 霧 と
・のを期待す ・・ いふの
も又 ; の方 法である・
にす ・場合 、螢利的蒼
鐘 關 係的藩
・委 ね・ると いを と の出来難 い場合 が
多 か った・
もあり 、
更 隻 各種 の蕩
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號
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麓
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七三
蕾
離 ・ てる な か った・ 又蕎
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.臨・0・S・33・
そこで、或.は蘇
せしめられ ・時に、必然的 に所謬
の爲 ・す る嚢
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部 の薪
事 の場 所 ・ は 璽
七 =一
形態 は存 し て・たが二
第 四+ 六巻
りP・20・
が箒
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って箆 3 當時 マヌ・ア ・チ ユァの讐
・就 ・て
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﹄同 居 ﹄ ,
み て、程
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は・
座關係 に於 いて殆ん・雫 知 られな かつ崔 質 のも のであ ・・職 人的 工業 経螢 にあ っては・徒弟
の住居 鋳 す 華
設を設置 す る塁
ゑ ら であ・
・.尤も 工場蚕
荷 等 か の形態 に ﹂其 の従業麓
件諾
於 いて螢 利 の目的些 、佳露
鋳 す 桑 本的 必潔
近接 せ 。地蕾
響
の簑
働養 ゲ潔
の擁
階 曼 、あ る工舞
。かし素 魚簾
の從糞
器 差
。のは困饗 、あ る。な ほ共 の他 豪 賃舞
畢
薔時代 の工釜
奮
も 職 人 、親 方 の蒙
護
工場内 住居襲
nzheimer,Lりa.a.0.S.12.
,〕:tiSi
Cf.U・S・BureauofLaborStatistics
,。,
・V・reinsfu・So・ialp・1iUk
S・h・ift・nd・
3)
4)
5)
工場内一
佳居施設 に就 いて
第四十六巻
七四
第 一號
七四
れ の意義 が 未 だ さ ほど に重大 化 し てみ な い際 には 、從來 の住 居 を離 れ て廣 い範 團 の遠 方 か ら 作業 場 を 中 心 に集 っ
て來 る勢 働 者 を俟 つ と い ふ必 要 は少 か った 。 夫 々の地 方 的範 園 内 に本 來 居 住 し てみ る 入 口中 に 必要 鍔 働 量 を求 め
るこ と が困 難 でな か った の であ る。 文勢 働 手段 と し て大 規模 の機 械 化設 備 が使 用 され てるな い経 管 形 態 にあ っ て
は 、就業 の規 律 性 と いふ こ とも 工場 制維 螢 形 態 の場 合 に於け る程 緊 切 の問 題 に はなら な い。 畢竟 、輕 螢 主罷 が自
ら の手 によ って其 の従業 勢 働 者 の居 住 の場 所 に っき 何 等 か の特 別 施 設 を持 つこ と が経 螢 運 轄 の前 提 的 條 件 にな る
工場 内 住居施 設 に於 け る目 的
と い ふ こと は 、 エ揚 制経 僻 形 態 時代 の特 殊 的事 情 梵 と い へる。
七
工場 主 が肚 宅 、寄 宿 舎 、北ハの他 各 種 の 工場 内住 居 施 設 を 持 つに至 る目 的 は何 で あら う か 。蓋 し 、今 日 工場 内 住
居 施 設 は孰 れ の國 も これ を 法制 的 強 制 によ っ て設 置 せ し め て み ると こ ろは な く 、 それ は專 ら 工場 杢 の自 由 に任 さ
れ て み る問 題 で あ る。 であ るか ら 、其 の設 備 内容 に謝 し て若 干 の取締 強制 はあ る にし ても 、現實 上 の工場内 住居
施 設 が 持 て る具 髄 的 構造 形 歌 は 、 それ に封 ず る設 置 宅 膿 の目 的 とす ると こ ろ に よ っ て主 要 な 黙 を規 定 され てる る
も ので あ る。
一般 に客 観 的 に 見 て住 居 の状 態 が 工場 勢 働 者 の健 康 、 道徳 及 び家 計 経 済 を 強 く 制約 す る力 を 持 ってる る こと
は既 に先 に述 べた と ころ を 以 て明 か で あ る。 従業 勢 働 者 の住居 欺 態 が彼 等 の生 活 の多方 面 に影響 を與 へ、從 って
又其 の従 業 勢 働 者 が企業 の目 的 に適 す る勢 働 者 とな り 且 つ善 き国 民 、善 き 杜魯 人 と な る や否 や が住居 の欣 態 に依
存 す ると ころ大 な る の關 係 は 、 又漸 次 に箇 この工場 に於 いて維骨 主臓 者 の 明 瞭 な 認識 を 得 て 來 つ ﹂あ ると い へ
へ ば 我 国 に 於 け る工 場 附 厨 寄 宿 舎 規 則(昭 和 二 年 内 務 省 令26,改 正 昭 利 四 年)、
1)例
る。 殊 に健 康 と住 居 の状 態 と の闇 の密接 な 關 係 は 殆 んど 総 て の進 歩 的経 螢 主 脳 者 が今 日或 る程度 に これ を認 め て
と いふ
され る場 合 に は か
み て、從 葉 替 働 者 の健康 維 持 は ただ 作 業 場 の保 健 設 備を 完 塾 し た のみ では 到 底 充分 に其 の目 的 を達 し難 い
の
こと を廣 く 人 が 理 解 し て來 た。 それ で近 年 で は 一般 に いっ て現實 に或 る工場 内 住 居 施 設 が設 置
ん与
的意 禦
ユ
と奮
:..・ 一
来 る。尤 も ・ の ・ と は厳 格 に
'一
・ ー
-﹂ 書 ス 毛
F
話
ナ ρ. ぐ ズ
叢
る
か ら 従業努
区﹁﹁一八
蒔直惑曝 首 b
﹂器 議
の諸 諸
工場 内住 居 施 設 の設 置 に於 い て作 用 し て み る妻
の如 く に健 康 、道 徳 、雑 輩
ー
人 道 主罷 内 志 向 憲
の傾 向 が 谷 ・顯 著 で あ る ・とは 確 であ る。 無論 此 の
こに は た ら い て来 て み る ・ とを 認 め き
る工場 圭 の蕩
ー
か ら 又薯
が、とにか'
豊 年 にな つ 箕
が 何 等 か の程度 ξ
の現 象 だ と は見 讐
圭 の蕎
か る施 設 を 自 ら 持 つ こと によ って健 康 、道 徳 、経 済 の各 方 面 か ら 一贋 其 の従業 轡働 者 の生活 を 助 成 促 進 せん と す
る場
は特 に、
霊
場 合 に更 に 唇 深 いと ころ で特 に経 管経 済 的 志 向 が、 荒
馨
すれ ば、そ ・に護
売
る種 ・の事禦
右 の設問 に其 の儘肯定的
く な る 。 確 に 工場 内 住 居 施 設 の 中 に
熊 蝦 、生活す き とを得 せしめ てみ るも のも少
く 蛙 ないご
佳
殊 に繁
笙 號
に於け る含
圭
の
の寄宿簾 設 に於 いては・術
圭
,Wh
・)fP・1iticalandS・cialScience
nnalsofTheAmericanAcadem.穿
基 調 。 な っ て塗 扇に はな bい てる る ので あ ・。 と ・ ろ で 、崇
働者 の生 活 を促 錺
係を架
程 度 に 認 め る こ と が 出 來 る と し て 、 抑 ミか ㌧ る意 圖 自 禮 が 現 實 に 此 の 種 工場 内 施 設 に 於 け る 本 質 的 目 的 を 成 し て
の實際 的繭
み る と い へる で あ ら う か 。
今厳く 工場内住居嚢
な 饗同を 與 へ る こ と を 躊 躇 さ せ る も の が あ り 、 そ れ に 疑 問 を 門
懐 く のを 臼
禁じ 難
撲
は 、 そ こ に 居 住 す る従 業 勢 働 者 を し て 、 彼 等 が 軍 な る 私 的 住 家 に 放 置 さ れ て る る 場 合 よ り も 、 保 健 衛 生 的 見 地 か
ら 一度 目
理的蒼
第 四+六巻
工場 樫 居 につい委 當す う 、疏 、あ・。 義 國 でも大規模 毒 就愚 墾 薬 毒
工場内住居施設 ・就 いて
,S・19:2,
.d.S.IX.Abt.17。Teil,z9:27
3)
,P..2)]♪.G
oleNo.154,Maア,19工6
,(TheA
Gilson,M.B.,TheRelationofHomeConditiontoIndustrialEfficiency
2)
工場 内 住居 施設 に就 いて
、
第 四 +六答
七六
笙
號
七穴
生 的 観 黒 か ら種 ζの注意 がな され て おり 其 の止 宿者 は ﹁般 に単 な る螢 業 的 下宿 に在 るより も衛 生的 に或 る程度 一
暦 恵 まれ た環 境 に おかれ てる ると い ハ
、る の であ る。 し か し 、 か 当 る状 態 も内 外 に於.
い て當 初 か ら さう あ った ので
は な い。 又 今 日 でも 我国 の従業 勢 働 者 社 宅 施 設 の大 方 のも のを見 る な ら ば其 の屋 内構 造並 に 又 空 地面 積等 の職 か
以 下 参 照 、
、23頁
内 閣 統 計 局 、 昭 利 五 年 労 働 統 計 實 地 調 査 報 告 、第 一 巻 昭 和g年
ら刹 断 し て果 し てそ こ に衛 生 的関 係 から の積 極 的 考 慮 が費 され てみ るか を疑 は しめ る有 様 で あ る。即 ち 工場 内住
居 施 設 が 従業 弊 働者 の健 康 保 護 を 以 て本 質 的 口 的 とし てみ る とは 認 め難 い黙 あゆ と せね ば な ら 搬。 又 工場 内 住居
施 設 の多く のも のは従 業 勢 働 者 を そ こ に無 料 乃 至普 通 の市 場 儂 格 より も 遙 に低廉 な る賃 料 金 に て牧 容 し てみ る。
こ の こと は 工場 主 が從 業 拶 働 者 の生 計費 構 造 中 に て住 居 費 の占 め る意 義大 な る 黙 に著 眠 し 、 此 の方 面 か ら彼 等 の
生 活 費負 搭 を 軽 減 し て共 の生 活 上 の幅 利 厚 生 に資 益 せん と す る意 岡 を 以 て本 質 的 目 的 と し て 工腸 内住 居 施 設 を持
って る る のだ と認 め さ せ る根糠 にな るも のであ ら う か。 一般 に住 居 費 の低 下 從 って生 活費 の低 下即 ち勢 力 生 産 費
つ
の低 下 が起 れ ば 必然 的 に賃 銀 の低 下 を 招く と い ふこ と が廣 く 経 済 學 者 の認 め ると ころ にな って み る。 し か し 工場
主 達 は そ の住 居 費 の低 下 が 箇 ヒの場 合 で あ っ ても鋭 敏 に意 識 的 に右 の法 則 の内容 の實 際 的 適 用 を忘 れ てみな いや
う に見 え る。實 際 ど の産 業 部 門 に限 る特 殊 の現象 と いふ課 でな く 、 ﹁般 に賃 銀 の切 下 で住 居 施 設費 の同 牧 が 行 は
の
れ て み る。 た と へば寄 宿舎 施 設 に つ い て見 て 、 そ れ が最 も普 及 し磯 達 し てみ る我国 の紡 織 工業 で恰 も賃 銀 水準
の
が 最 低位 にあ る と い ふ事 實 、 これ は他 に も それ に射 す る種 く の根 檬 が な い諜 では な いが し か し こ のこ と を 取 って
見 て 、 工場 主 達 が其 の従 業 勢 働 者 達 への住居 費 輕減 を 賃 銀 の切 下 で回 復 し てみ る ﹁例 であ る と い へな いこ と はな
い ので あ る。従 業 勢働 者 の生活 経 潜 力 の積 極 的 強 化 と い ふ こと自 膿 が 工場 内 住居 施 設 の本 質 的 目的 か ど う か 、そ
Cf.Engels,F.Ibid。,p.51.
W6schler,F.0.,a.a.0.S.58.
4)
5)
6)
れ に つ い て疑を 持 つ理 由 が そ こ にあ る と いは ね ばな ら 組。 最 後 に 工場 内住 居 施 設 と従 業 勢 働 者 道徳 性 保 護 の問 題
に つ い て考 へて見 やう 。 今 日内 外 諸因 に於 い て工場 内住 居 施 設 が 從 業 勢 働 者 の道 徳 性 保 護 に つき これ を 私 的 住居
に放 任 し てみ る に勝 る敗 果 を おさ め つ 、あ る事實 は 、 一般 の認識 す る と ころ にな ってみ る。 し か し 、 こ こ.に考 ふ
べき事 が あ る。 それ は孰 れ の國 で も 一般 に各 種 工場 内 住居 施 設 の普 及獲 達 し てみ る状態 が 、産 業 部 門 別 的 に見 て
する傾向 の毒
素
特 に或 る種 の部 門 舞
集 してみる
以 下 、
砒 會 局勢
肚
勢 働 部 、 工 場 鑛 山 の 幅 利 施 設 第 二 、 昭 和9年 、96頁
、 昭 和 九 年 工 場 監 督 官 年 報 、37頁 以 下 、
大 な る偏 差 を 示 し てみ ると い ふ こと で あ 斎。 工場 内 住 居施 設 が或 る程度 に従 業 勢 働 者 の道 徳 性 の保護 を 考慮 し て
聾
み る事 實 を 認 め ると し て 、 し かも そ れ が 此 の場 合 に本 質 的 目 的 で あ る と認 め る に躊 躇す る のは、 た と へば枇 宅 等
の並.及状 態 の偏 差 を ば 、此 の道 徳 性 の問 題 を 最 も 讐
﹁働 可 能 の
3
.
}か 、 又 は 恰 も 共 の種 部 門 の機 業 轡 働 者 のみ に つ い て特 に 弧 ( モ の道 徳 性 を 保 護 す る 必 要 が 存 し て み る 、 な ど 乃.
根 慷 によ って は 、充 分 に説 明 す る こ とが 出來 な いと思 ふか ら であ る。
私 は 、 工 場 内 住 居 施 設 の 本 質 的 日 葡 は 必 要 な る 量 の勢 力 を 廣 い 範 囲 か ら 調 達 準 備 す る こ と 、 長 時 間 勢
前 提 を 造 る こ と 、就 業 の 規 律 性 を 維 持 す る こ と 、 等 に 存 し て み る と 思 ふ の で あ る。 軍 に 雨 露 を 凌 ぐ に 足 る と い ふ
べ き が 程 の 工 場 内 住 居 施 設 が 今 日 も な ほ 甚 だ 少 く な い と い ふ 現 象 は 右 の貼 か ら 説 明 し 得 ら れ る の で な か ら う か 。
笙 號
りに
畢 竟 、 工 場 内 住 居 施 設 が 健 康 、 道 徳 、 経 済 の 方 面 か ら 從 業 勢 働 者 の厚 生 幅 利 に 射 し て或 る 程 度 積 極 的 に 贅 益 す る
七七
七七
と こ ろ が あ る と し て も 、 総 ては 前 述 の 本 質 的 目 的 に 附 随 し て お り 、共 の本 質 的 な る 目 的 の達 成 を 助 成 す る 限
第 四 +六巷
於 い て の み そ れ ら が 考 慮 さ れ てる る に す ぎ な い 。 これ が }般 の賛 歌 に 於 け る 眞 相 で あ る と 思 ふ 。
工場 内住 居施 設 に就 いて
7)W6scl11er,F.0.,a.a.0.S.55.
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