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反復購買 経験と評価からの再構成
反復購買 • 購買ま 購買までの誘導から、購買後の再購買促進へ 誘導から 購買後 購買促進 • なぜ購買後の分析をするのか? な 購買後の分析をするの マーケティングサイエンスの新展開@東北大学 購買後評価を含めた 消費者態度遷移の分析 – 長期的にわたる良好な関係 • • • • 2010年2月13日 勝又壮太郎 (東京大学大学院経済学研究科) One to One Marketing (Peppers and Rogers, 1993) One to One Marketing (Peppers and Rogers, 1993) CRM (e.g. Reinartz, Krafft and Hoyer, 2004) ( g y , ; , ) LTV (e.g. Dwyer, 1997; Abe, 2009) Customer Equity (Blattberg, Thomas and Getz, 2000) – 顧客間の相互作用 顧客間 相互作用 • クチコミ、eクチコミ (濱岡・里村, 2009) • インフルエンサー (山本・片平, 2008) 2 反復購買を表現する態度遷移モデル • AIDA (e.g. Kotler, 2000) – Attention → Interest → Desire → Action • AISAS, AIDEES (山本・片平, 2008) 経験と評価からの再構成 評価\経験 買ったことがある が 知っている 知らない 買いたい Retryy Desire Unknown 分からない Pending Attention Unknown 買いたくない Saturation Attention Unknown – S(Share)という状態を提案 • どうやって構成するのか? – 評価と経験 評価 経験 – 製品の評価={買いたくない, 分からない, 買いたい} – 利用経験={知らない, 知っている, 買ったことがある} 3 • Unknown: 製品を知らない • Attention: 製品を知っているが、欲しいとは思っ ていない な • Desire: 製品を知っているし、欲しいと思っている 4 経験と評価からの再構成 評価\経験 買ったことがある が 知っている 知らない 買いたい Retryy Desire Unknown 分からない Pending Attention Unknown 買いたくない Saturation Attention Unknown 再購買意向のない顧客 • 再購買意向がない顧客を追跡する意味はあ るのか? – 離反マネジメント (Churn Management) – マイナスのクチコミ – 一度は離れても、戻ってくるかも知れない • Retry: 購買経験があり、反復購買意向がある • Pending: 購買経験があるが、反復購買意向は弱い • Saturation: 購買経験があるが、反復購買意向は明確 にない 5 6 態度遷移モデル 実データの解析 • データ デ タ Retry Unknown Attention Desire – 宣伝会議,野村総合研究所が共 催した,マーケティング分析コン 催した,マ ケティング分析コン テスト2008によって提供されたも の Pending • 人数: 500人 人数: 500人 • ブランド数: 23 • 製品カテゴリ 製品カテゴリー Saturation • 顧客は時点tにいずれか一つの状態にある – 多項プロビットモデルを採用 • ただし、時点tにどの状態にあっても、t+1期には全ての状態に遷移できる – 忘却によってUnknownへ遷移することもあり得る。 7 – 「お茶」,「ガム」,「発泡酒」,「野 菜飲料」の4種類 – 各ブランドはどれか一つの製品 カテゴリーに属している 対象ブランドとカテゴリ 対象ブランドとカテゴリー id 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 ブランド お~いお茶 ヘルシア 緑茶 伊右衛門 黒烏龍茶 十六茶 生茶 爽健美茶 ウォーターリングキスミント ウォ タ リングキスミント キシリッシュ キシリトールガム クロレッツ プラスX あじわい ドラフトワン 極旨 金麦 生搾りみがき麦 淡麗グリーンラベル 淡麗グリ ンラベル 1日分の野菜 カゴメトマトジュース 充実野菜 野菜一日これ一本(一杯) 野菜生活 カテゴリー お茶 お茶 お茶 お茶 お茶 お茶 お茶 ガム ガム ガム ガム ガム 発泡酒 発泡酒 発泡酒 発泡酒 発泡酒 発泡酒 野菜飲料 野菜飲料 野菜飲料 野菜飲料 野菜飲料 8 説明変数 モデルの詳細 • モデル • 前期の状態: s 前期の状態 0ij – これを入れるため、切片項を含めない • 説明変数: xij – 消費者の環境的影響: • ベース状態 • 性別, 年齢(対数), 既婚ダミー, 子供ダミー, 貯蓄額(10 段階) – 「Unknown」状態をベースとおく • 階層化 – 外的刺激 – ブランドごとのパラメータは全てカテゴリーごとの上部階層をもち、全 てのカテゴリーはさらに上部の階層をもつ • 新聞購読量, 雑誌購読量, Web閲覧量, TV視聴量 • 推定方法 – 消費者の個人特性 – McCulloch, Polson and Rossi (2000)の方法を採用 – 5000回のBurn‐in後の15000回をサンプルとして収集した 5000回の u 後の 5000回をサンプルとして収集した • 製品カテゴリーごとの利用頻度(7段階) 9 10 個人差(知識・関与など) パラメータ推定結果 xij 消費者の 環境的影響 響 外的刺激 (広告など) s0ij 前期の状態 消費者の 個人特性 • 前期の状態と次期の状態 前期 状態 次期 状態 – 23ブランド中、有意になったブランド数 ラン 中、有意 な た ラン 数 ~ Aj ~ Bj (+) 前期Attention 前期Desire 前期Retry 前期Pending 前期Saturation Δc 製品カテゴリー ごとの特性 u~ij 状態の潜在変数 s1ij 個人iのブランドjに対する 次期の状態 7 0 0 0 0 0 Desire 0 22 0 0 0 0 Retry 0 0 21 0 0 0 Pending 0 0 0 1 0 0 Saturation 0 0 0 0 0 0 (-) 前期Attention 前期Desire 前期Retry 前期Pending 前期Saturation Θ 遷移の一般的性質 11 前期Unknown Attention 前期Unknown Attention 0 7 14 0 0 Desire 8 0 0 0 0 11 8 Retry 12 1 0 0 0 8 Pending 1 0 0 0 0 0 Saturation 0 0 0 0 0 0 12 パラメータ推定結果 説明変数から • 雑誌を読むことでAttentionが高くなる 雑誌を読むことでAtt ti が高くなる • 説明変数 説 変数 – 23ブランド中17ブランドが有意 – 23ブランド中、有意になったブランド数 ラン 中、有意 な た ラン 数 • カテゴリ カテゴリーごとの利用頻度 ごとの利用頻度 – 利用頻度が高いと答えた個人は,DesireやRetryといった 好意的な状態に遷移する傾向が高いが,ブランドによっ ては 逆の傾向が有意で現われているものもある ては,逆の傾向が有意で現われているものもある。 (+) 性別 年齢 既婚 子供 貯蓄額 新聞 雑誌 Web テレビ 利用頻度 Attention 1 0 1 0 0 0 17 3 4 4 Desire 1 1 0 0 2 0 0 2 3 10 Retry 4 0 0 0 3 0 1 0 3 15 Pending 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 Saturation 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 • テレビ,雑誌は閲覧頻度が高いほど好意的な感情を 持つという傾向が見られるが Webについては 逆の 持つという傾向が見られるが,Webについては,逆の 傾向が現われる場合もある – テレビや雑誌では,Webと比較するとブランドに対して批 判的な情報が発信される とが少ない とが要因か 判的な情報が発信されることが少ないことが要因か (-) 性別 年齢 既婚 子供 貯蓄額 新聞 雑誌 Web テレビ 利用頻度 Attention 0 4 3 1 5 3 0 2 0 3 Desire 0 0 0 9 2 0 0 0 0 3 Retry 1 0 0 0 4 0 0 2 0 1 Pending 0 0 0 0 3 0 0 4 0 0 Saturation 0 0 0 0 0 0 0 0 0 11 • 新聞の購読頻度は状態遷移への影響がほとんどない 13 遷移確率行列の計算 14 遷移確率行列の計算 • 前期の状態を調整して遷移確率行列を計算する。 前期の状態を調整して遷移確率行列を計算する • 多項プロビットモデルの確率計算 多 プ ビ デ 確率計算 – 式 計算できる。 に組み込まれているs0ijを変えることで • 個人iのブランドjに対する遷移確率行列ITij (モンテカル ロシミュレーション回数H回)) • モンテカルロ法による確率計算(簡単) • ブランドごと遷移確率行列 • カテゴリーごと遷移確率行列 15 16 ブランドごとの遷移確率行列 ガム:ブランドAとブランドB 定常分布 ガム:ブランドAとブランドB 80.00% % 70.00% ブランドA 60.00% ブランドB 50.00% 40.00% 30.00% 20.00% 10.00% 0 00% 0.00% Unknown Attention Desire Retryy Pendingg Saturation 17 ガム:ブランドAとブランドB 18 カテゴリーごと遷移確率行列BT • 遷移確率行列を見ると 遷移確率行列を見ると、ブランドBは、憶えてもらえな ブランドBは 憶えてもらえな い – Unknownに遷移する確率が高い – ただし、Retry→Retry率や、Saturation→Retry率はブランド Aよりも高い • 定常分布を見ると 定常分布を見ると、Retry, Pending, Saturation状態に d 状態に ある確率はあまり変わらない。 – 最大の差はUnknownとAttention – ブランドBはブランドAと比較すると知名度が低い • ブランドBは、とにかく覚えてもらうことが重要。反復利 ラン は、 く覚え もらう 重要。反復利 用傾向は、ブランドAと比較して大きく劣っているわけ ではない。 19 20 定常分布 結論 • 顧客 顧客の態度は「経験」と「評価」の二つの次元か 態度は「経験 と「評価 次元か ら把握しなければならない • ブランドに対する態度だけでなく、遷移構造を知 ることが重要 70 00% 70.00% 60.00% お茶 ガム 発泡酒 50.00% 野菜飲料 40 00% 40.00% – 遷移構造(遷移確率行列)が分かれば、より詳細な 分析が可能になる 30.00% • Saturationの顧客も、購買意欲は回復する 客も 購 意欲 復する 20.00% – 再購買意向が一時的に低下している顧客とも関係性 を継続 を継続していくことが重要 く とが重要 – 本研究の対象が低額の消費財だったためか? 10 00% 10.00% 0.00% Unknown Attention Desire Retryy Pendingg Saturation 21 22