...

経済犯罪実態調査 2014 業界概要:エネルギー・資源業界

by user

on
Category: Documents
5

views

Report

Comments

Transcript

経済犯罪実態調査 2014 業界概要:エネルギー・資源業界
エネルギー・資源業界に関するさらなる詳細:
経済犯罪実態調査 2014
www.pwc.com/jp/ja/japan-industry-eu/index.jhtml
業界概要:エネルギー・資源業界
購買に関する不正や贈収賄・汚職を挙げた企業の比率も高
くなっており、憂慮すべき結果となっている。特定の出来事に
絡んだ単発的な経済犯罪も損失を生み出すが、組織的な経済
犯罪は、それをはるかに超える大きな悪影響を及ぼす恐れが
エネルギー・
資源業界で
多い経済犯罪
あるからだ。こうした犯罪が摘発されると、多額の罰金が科せ
資産の横領
られ、評判に傷がつくだけでなく、その他にも長期にわたる悪
影響がもたらされる可能性がある。従業員の誠実性が失われ、
促す要因にもなりかねない。
単発的犯罪
あるが、エネルギー・資源業界は最も大きな影響を受けている
増加する経済犯罪
2014年調査では、エネルギー・資源業界の企業の31%が
経済犯罪の被害にあったと回答し、2011年の29%を若干上
業界の一つである。今回報告された購買に関する不正は、入
また、エネルギー・資源業界の贈収賄や汚職の報告比率は、
全業種平均をはるかに上回っている。さらに、相当数の企業
な財務損失額が100万米ドルを超えるものが増えているので
(37%)が来年も同様の事件が発生すると予想しており、贈収
ある。この中には、企業の評判、取引先との関係、従業員の
賄・汚職は継続的な問題となっている。従業員による不正の比
士気に対する悪影響による間接的損失は含まれていない。
率の高さがこの問題をさらに深刻なものにしており、経済犯罪
の被害にあったエネルギー・資源業界の企業の69%が、重大
な事件は内部者によって引き起こされたと回答している。
罪となっている。経済犯罪の被害にあったと回答した企業の
うち4分の3超が資産の横領を挙げており、全業種平均を上
回っている。
しかし、
良いニュースもある。全業種に比較して、
エネルギー・
資源業界は内部通報によって発覚した重大な経済犯罪が多く
なっており、企業文化改善に向けた努力が根付きつつあることを
示している。
経済犯罪実態調査 2014
購買に関する不正
体を通して発生している。
ニュースもある。不正が発生した企業を見てみると、直接的
エネルギー・資源業界では、資産の横領が最も多い経済犯
組織的犯罪
43%
札募集から業者の選定や契約、支払いまで、業務プロセス全
回った。全業種平均に比べると、経済犯罪の被害にあった
企業の数がやや少なかったのは良いニュースであるが、悪い
$$
$
内部統制の弱みにつけ込んだ行動が増えるような職場環境を
購買に関する不正は2014年調査で新たに設けられた項目で
76%
対象:過 去24カ月間 に 経 済 犯 罪
の被害にあったと回答した
エ ネ ル ギ ー・資 源 業 界 の
企業(119社)
$
$
エネルギー・資源業界では、資産の横領が最も多
い経済犯罪であるが、購買に関する不正や贈収賄・
汚職も多く報告されている。業界企業の役員はこ
うした組織的犯罪を真剣に受け止める必要がある。
エネルギー業界では重大な犯罪の69%が内部者
によって引き起こされており、内部統制の改善が
急務である。さらに、この業界の多くの企業は汚
職リスクの高い市場で事業展開していることから、
関連リスクに対処すべくしかるべき措置を講じる
必要がある。
経済犯罪実態調査の詳細:
www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/archive/economic-crime-survey2014.jhtml
42%
贈収賄・汚職
高成長市場は高リスク市場でもある場合が多い
各企業は事業戦略をどのように変更しているのか
さらなる議論
贈収賄や汚職の発生率が高いのは、業界の企業が事業を
唯一の正しい答えというものは存在しない。全業種につい
行っている国・地域と関係があるかもしれない。実際、贈収
て言えることであるが、追加的なデューデリジェンスの実施が
賄や汚職が世界的な事業展開に伴う最も大きなリスクである
最も一般的な対応である。契約条件の追加やさらなる従業員
と考えている役員の割合は、全業種では53%だったのに対し、
研修という回答も多かった。そして、3分の1を超える企業が
エネルギー・資源業界では70%だった。また、これらの企業
最良の解決策として事業機会からの撤退を選んだ。
・内部統制の仕組みはどの程度強固だろうか。
エネルギー・資源業界の企業の
・汚職リスクの高い市場における経済犯罪を阻止する
の大半(56%)がすでに汚職リスクの高い市場で事業を行っ
ている。
こうした市場の多くは重要な成長市場である。エネルギー・
資源業界の企業の43%は、今年、高リスク市場で事業機会を
追求したと回答している。しかし、課題は極めて大きく、こ
70
%
・業者の選定や契約などの購買プロセスをしっかりと
管理しているだろうか。
ために、事業計画をどのように変更しているだろうか。
は、贈収賄や汚職が世界的な
事業展開に伴う最も大きなリスクだと考えている
れらの企業の44%は、汚職リスクに対処するために計画変更
を余儀なくされたと答えている。
エネルギー・資源業界の企業は、
汚職リスクにより適切に対応するために、
事業のやり方を変更しつつある
追加的な
デューデリジェンスの
実施
佐々木 健仁
平尾 明子
47%
ホンマ シン
上野 俊介
パートナー
Tel: 080-3473-8478 / Email: [email protected]
ディレクター
Tel: 080-9441-7458 / Email: [email protected]
マネージャー
Tel: 080-3414-2756 / Email: [email protected]
マネージャー
Tel: 080-1014-6320 / Email: [email protected]
40%
www.pwc.com/jp
36%
事業機会からの撤退
会計システムの
強制的導入
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
フォレンジックサービス
71%
契約条件の追加
対象会社の従業員に
対するさらなる研修
お問い合わせ先
21%
対象:高い汚職リスクに対応すべく戦略を変更したと回答したエネルギー・資源業界の企業(72社)
PwCは、世界157カ国に及ぶグローバルネットワークに195,000人以上のスタッフを有し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスの提供を通じて、企業・団体や
個人の価値創造を支援しています。詳細は www.pwc.com/jp をご覧ください。
PwC Japanは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社(あらた監査法人、京都監査法人、プライスウォーターハウスクーパース
株式会社、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース、PwC弁護士法人を含む)の総称です。各法人は独立して事業を行い、相互に連携をとりながら、監査およびアシュ
アランス、アドバイザリー、税務、法務のサービスをクライアントに提供しています。
本報告書は、PwC メンバーファームが2014年9月に発行した『2014 Global Economic Crime Survey Sector snapshot: Automotive』を翻訳したものです。翻訳には
正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。
電子版はこちらからダウンロードできます。
www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/report.jhtml
オリジナル(英語版)はこちらからダウンロードできます。
www.pwc.com/gx/en/economic-crime-survey/industry/automotive.jhtml
日本語版発刊月:2015年4月 管理番号:M201410-7
©2015 PwC. All rights reserved.
PwC refers to the PwC Network and/or one or more of its member firms, each of which is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details.
This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors.
経済犯罪実態調査 2014
Fly UP