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ペーブサートをつくろう,かたかなをみつけよう
国語科学習指導案 授業者 府中市立府中小学校 指導教諭 1 2 日時,場所 学級,学年 和田衣里 平 成 25年 10月 16日 ( 水 ) 第 5 校 時 , 小 学 校 サ ポ ー ト 教 室 0 1 知的障害特別支援学級 第1学年2名,第3学年2名,第4学年1名,計5名 3 単 4 元 名 「ほっとけーき」 第1学年 A児,B児 「ペープサートをつくろう」第3学年 C児 「かたかなをみつけよう」 第3学年 D児 「ローマ字」 第4学年 E児 単元について ○ 児童観 本学級の児童は,4月より入学した第1学年男児A児,女児B児,在籍2年目の第3 学年男児C児,在籍3年目の第3学年女児D児,今年度入級した第4学年男児E児の計 5名である。 言語面や情緒面の特性や経験による違いが大きく,自分の思いと違う ことがあると反 発したり,相手のことを考えない言動や行動でトラブルになったりすることがある。自 分の思いを相手に伝えられず,人とうまく関わりをもてない児童もいる。 こうした児童に「話すこと,聞くこと」「書くこと」及び「読むこと」の基礎的・基 本的な力を身に付けさせ,伝え合う力を養うとともに,それらを日常生活に生かすこと が課題である。 国語科における児童の実態は次の通りである。 第1学年男児で,軽度の知的障害がある。視線をとどめて話を聞くことが難し い。記憶力が弱いため,友達や先生の名前が覚えられず,「ねえねえ」と人を A児 呼ぶことが多い。1学期には,平仮名に興味を示し,五十音はほとんど読める ようになったが,覚えて書いたり聞いて書いたりすることは難しい。周りの 状 況を捉えにくく,思ったことをすぐに口に出したり,何でも1番にやりたがっ たりする。自分の気持ちを言葉で表すことが難しい。 第1学年女児で,ダウン症がある。興味がもてないと活動に取り組むことがで きず,集中も続きにくい。また,席に座っておくことも難しい。平仮名はまだ B児 ほとんど読めず,書くことも難しいが,平仮名への興味はあり, 正しい筆順で なぞることはできる。絵本に興味があり,「読んで」と人に頼むことが でき, よく読んでもらっている。言葉が聞き取りにくく,聞き返すことがよくある。 第3学年男児で,中度の知的障害がある。平仮名は覚え,長音は読んだり書い たりできる。促音や拗音,拗長音などはまだ読めず,書くことも難しい。鉛筆 C児 の持ち方がぎこちなく,文字も形よく書くことが難しい。話し好きだが,順序 立てて話をしたり,相手の話を最後まで聞いたりすることが難しい。こだわり が あ り ,自 分 の や り た い こ と に そ ぐ わ な い と ,学 習 を や め て し ま う こ と が あ る 。 第3学年女児で,軽度の知的障害がある。平仮名の長音,促音や拗音,拗長音 など読んだり書いたりすることができる。第1学年で習う漢字の半分程度は読 D児 んだり書いたりすることができるが,覚えはゆっくりである。昨年度,片仮名 を学習したが,全ては覚えておらず,拗長音や促音の混ざった言葉を正しく読 んだり書いたりすることが難しい。また,片仮名を適切に使うことは難しい。 第4学年男児で,軽度の知的障害がある。漢字はよく覚えているが,書く字は 雑でマスからはみ出ることが多い。漢字や文を読むことはできるが, 小さな声 E児 で音読したり発表したりする。自分の思いを話したり書いたりして表現するこ と が 難 し い 。昨 年 度 ,ロ ー マ 字 を 学 習 し て い る が ,ほ と ん ど 覚 え て い な か っ た 。 しかし,ローマ字表を手掛かりに,書かれていることを読むことができる。 ○ 単元観 本単元の「ほっとけーき」では,ホットケーキの絵を見ながら話したり,読んでもら ったりすることを楽しんだりすることができる。また,分かりやすい構成で,ホットケ ー キ が で き る ま で の 大 ま か な 手 順 を 理 解 し ,興 味・関 心 を 深 め る こ と が で き る 。さ ら に , ホットケーキ作りなどに参加して楽しみ,その経験を,絵を見て思い出し.言葉で伝え るなど,生活の中の様々な活動に関連付けて伝える力を養うことが期待できる。 「ペープサートをつくろう」は,ペープサートを作るために必要な用具と材料,制作 方法などを示した説明文である。説明文を順序に従って正しく読み取れば,その通りに 制作できるように構成されている。ペープサートを制作する楽しさや劇をする楽しさを 味わえ,ペープサートの制作を通して,正しく読み取る力を養うことが期待できる。 「かたかなをみつけよう」では,アニメーションなどのキャラクターの名前などで, 生活の中で片仮名を目にすることが多く,片仮名を見付けやすい。何文字かの片仮名の 読み書きを習得すると同時に,楽しんで片仮名探しをしながら,身近にたくさんの片仮 名で書く言葉があることに気付き,活動を通してどんなものに片仮名を使うのかが意識 できるようになることが期待できる。 「ローマ字」では,ローマ字表記で簡単な語や語句を読んだり書いたりできるように なることを目指している。生活の身近な場面でローマ字を多く目にしているが,ローマ 字表記が行われる意義やローマ字表記の合理性について知ることは,言葉や文字に対す る関心を高める上で重要である。ローマ字に慣れ,表を見ることで子音と母音の結合と い う 構 成 の 仕 方 を 理 解 す る こ と が で き る 。ま た ,現 代 社 会 に お い て ,パ ソ コ ン 入 力 な ど , ローマ字の重要性は高まってきていると考えられる。 ○ 指導観 指導に当たっては,身近なもので,児童にとって興味・関心がもて,生活に結び付く 必然性のある課題を設定したり,相手意識をもたせて意欲付けを行ったりしていく。何 をすれば課題解決できそうか一人一人見通しをもたせ,個の課題に合った手だてを行っ ていく。そのために,既習学習を活かし,絵や写真,具体物を準備し,教材・教具を工 夫していきたい。 児童とのやり取りを通して,気持ちを身振り,音声及び言葉で表現したり伝え たりする意欲を高めていきたい。また,調理活動に参加して楽しみ,その経験 を 言 葉 で 伝 え る な ど ,生 活 の 中 の 様 々 な 活 動 に 関 連 付 け て 伝 え る 力 を 養 い た い 。 A児 調理に興味をもったり,調理に使用する道具の名称や使い方を知らせたりする ために,具体物や絵・写真に名前カードを付けておく。調理方法の絵に合わせ て,穴あきワークシートを用意しておく。調理方法を動きなどで表現させ,言 葉と結び付けていきたい。平仮名が分からないときに自分で調べることができ るように平仮名表を準備しておく。 B児 児童とのやり取りを通して,気持ちを身振り,音声及び言葉で表現したり伝え たりする意欲を高めていきたい。また,調理活動に参加して楽しみ,その経験 を 言 葉 で 伝 え る な ど ,生 活 の 中 の 様 々 な 活 動 に 関 連 付 け て 伝 え る 力 を 養 い た い 。 調理に使用する道具の名前を分かりやすくするために,写真を用意し,貼れる よ う に し て お く 。調 理 方 法 を 動 き な ど で 表 現 さ せ ,言 葉 と 結 び 付 け て い き た い 。 聞き取りやすくするために,言葉はゆっくりはっきり伝えるようにする。簡単 な言葉の平仮名カードを準備しておく。 説明文を読みながら制作させるが,文の理解が十分でない場合には,挿絵を参 考にしながら制作するように促す。また,順番が分かるように写真に番号を入 C児 れたものを用意しておく。必要な用具,道具及び材料など名前を付けておき, 見て書けるようにしておく。説明文を読み取れるように,言葉を入れる穴あき ワークシートも用意しておく。 児童が毎日見たり触れたりしている片仮名の言葉見 付けなどを行わせること で,どんな語を片仮名で書くのかということにも意識を向けさせたい。また, D児 片仮名の書き方は,平仮名のルールがそのまま転用できることを知らせ,促音 や拗音,拗長音などのある身近な単語の片仮名カードを作って,片仮名の表と ともに活用させる。 どんなローマ字がどこで見付かるか収集活動を行わせたり,実物や写真を提示 したりしてローマ字への関心をもたせる。身近な単語のローマ字に慣れるよう E児 に,ローマ字カードを作成し,ローマ字表とともに活用させる。ローマ字入力 に慣れるように,パソコンのキーボードに,シールを貼っておく。 また,特別 なローマ字入力の仕方の表も準備しておく。大きな声を意識して発表できるよ うに「声のものさし」を提示する。 5 単元の目標 ・ A児 絵本などで,知っているものを指差したり,声に出したりすることができ る。 ・ 簡単な筋のある本を見たり,読んでいる人の方を向いて聞いたりすること ができる。 ・ B児 絵本などで,知っているものを指差したり,声に出したりすることができ る。 ・ 簡単な筋のある本を見たり,読んでいる人の方を向いて聞いたりすること ができる。 C児 D児 E児 ・ 説明文の順序に従って,正しく読み取ることができる。 ・ 説明文を読んで,その通りに作ることができる。 ・ 片仮名の語を正しく読んだり書いたりすることができる。 ・ 片仮名で書く語を使った文を読んだり書いたりすることができる。 ・ 日 常 使 わ れ て い る 簡 単 な 単 語 に つ い て ,ロ ー マ 字 で 表 記 さ れ た も の を 読 み , また,ローマ字で書くことができる。 特別支援学校学習指導要領 国語 内容 1段階 (1)教師の話を聞いたり,絵本などを読んでもらったりする。 A児 (2)教師などの話し掛けに応じ,表情,身振り,音声や簡単な言葉で表現す る。 (3)教師と一緒に絵本などを楽しむ。 1段階 (1)教師の話を聞いたり,絵本などを読んでもらったりする。 B児 (2)教師などの話し掛けに応じ,表情,身振り,音声や簡単な言葉で表現す る。 (3)教師と一緒に絵本などを楽しむ。 C児 3段階 (3)簡単な語句や短い文などを正しく読む。 3段階 D児 (3)簡単な語句や短い文などを正しく読む。 (4)簡単な語句や短い文を平仮名などで書く。 3段階 E児 (3)簡単な語句や短い文などを正しく読む。 (4)簡単な語句や短い文を平仮名などで書く。 6 指導計画 A児(全8時間) 次 指導内容 ホットケーキ作 りに興味をもつ。 時間 1 ホットケーキの 作り方が分かる。 一 評価規準 ・ 行動観察 ている。 ・ 5 ホットケーキを作ることに興味をもっ 評価方法 絵を見て,ホットケーキ作りに必要な 発言 物の名前を言っている。 ・ ホットケーキ作りの手順に従って,作 り方を簡単な言葉で言っている。 ホットケーキの レシピを作る。 ・ 1 スイートポテト 二 のレシピを作る。 ・ 1 (本時) 絵を見て,ホットケーキ作りに必要な 発言 物の名前や作り方を言ったり書いたりし ワークシ ている。 ート 写真を見て,スイートポテト作りに必 発言 要な調理道具の名前や調理方法を言った ワークシ り書いたりしている。 ート B児(全8時間) 次 指導内容 ホットケーキ作 りに興味をもつ。 時間 1 ホットケーキの 作り方が分かる。 一 評価規準 ・ 行動観察 ている。 ・ 5 ホットケーキを作ることに興味をもっ 評価方法 絵を見て,ホットケーキ作りに必要な 発言 物の名前を言っている。 ・ ホットケーキ作りの手順に従って,作 り方を簡単な言葉で言っている。 ホットケーキの レシピを作る。 ・ 1 スイートポテト 二 のレシピを作る。 (本時) ・ 1 絵を見て,ホットケーキ作りに必要な 発言 物の名前や作り方を言ったり絵と合わせ ワークシ たりしている。 ート 写真を見て,スイートポテト作りに必 発言 要な調理道具の名前や調理方法を言った ワークシ り,写真を合わせたりしている。 ート C児(全6時間) 次 指導内容 ペープサート作 りに興味をもつ。 時間 1 作り方に従って, ペープサートを 一 作る。 評価規準 ・ 行動観察 とに興味をもっている。 ・ 2 ペープサートを作り,人形劇をするこ 評価方法 ペープサートを作るための準備をして 行動観察 いる。 ・ 作り方に従って,ペープサートを作っ ている。 ペープサートを 使 っ て ,人 形 劇 を ・ 2 ペープサートを使って,人形劇をして 行動観察 いる。 する。 スイートポテト 二 のレシピを作る。 ・ 1 順序に従って,番号を付けて,調理方 法を言ったり書いたりしている。 (本時) 発言 ワークシ ート D児(全8時間) 次 指導内容 時間 「あさのしたく」 を読み,片仮名を 評価規準 ・ 教科書に出てきた片仮名で書く語を正 しく読んだり書いたりしている。 1 見付ける。 一 トから,片仮名を 行動観察 ワークシ ート 教科書の写真やチ ラシ・パンフレッ 評価方法 ・ 4 教科書の写真や身近なところから,片 仮名で書く言葉を見付けている。 行動観察 ワークシ ・ 片 仮 名 表 を 基 に ,片 仮 名 で 書 い て い る 。 ー ト ・ 身近なところから,片仮名で書く言葉 見付ける。 片仮名カードを作 る。 二 2 レシピを作る。 (本 時) カード を見付け,片仮名で書いている。 ・ 1 材料や道具の中から,片仮名で表す言 発言 葉を正しく使い,読んだり書いたりして ワークシ いる。 ート E 児 ( 全 10 時 間 ) 次 指導内容 時間 身の回りのいろい ろなところで使わ れているローマ字 一 評価規準 ・ 発言 があることに気付き,母音を理解して, 1 ロ ー マ 字 で 表 記 さ れ た 直 音( 清 音・濁 音 ) を見付ける。 を読んでいる。 ローマ字の書き方 を練習する。 ローマ字には,母音と子音を表す文字 評価方法 ・ 4 ローマ字表を基に,五十音,濁音や半 濁音,拗音,長音,促音,撥音をローマ ワークシ ート 字で書いている。 ローマ字カードを 作る。 二 2 ローマ字入力をす る 。( 本 時 3 / 3 ) ・ カード マ字カードを作っている。 ・ 3 身近な単語をローマ字で書いて,ロー ローマ字表やローマ字カードを使って パソコンで正しくローマ字入力をしてい る。 ワークシ ート 7 本時の目標 ○ 全体の目標 ・ ○ スイートポテト作りを思い出し,レシピを作ることができる。 個々の目標 A 写真を見て,スイートポテト作りに必要な調理道具の名前や調理方法を言ったり 児 書いたりすることができる。 B 写 真 を 見 て ,ス イ ー ト ポ テ ト 作 り に 必 要 な 調 理 道 具 の 名 前 や 調 理 方 法 を 言 っ た り , 児 調理方法と写真を合わせたりすることができる。 C 写真を見て,順序に従って,調理方法を言ったり書いたりすることができる。 児 D 材料や道具の中から,片仮名で表す言葉を正しく使い,読んだり書いたりするこ 児 とができる。 E ローマ字表やローマ字カードを見て,ローマ字を正しく入力することができる。 児 8 準備物 スイートポテト作りや材料・調理道具の写真,平仮名・片仮名・ローマ字表, 平仮名・片仮名・ローマ字カード,ワークシート,パソコン,プリンター 9 学習の展開 10 教室の配置図 (別 紙 参 照 ) 黒板 A児 B児 パソコン プリンター C児 D児 E児