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広島市都市計画マスタープラン

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広島市都市計画マスタープラン
―概要版−
広島市都市計画マスタープラン(改定素案)
―概要版―
広島市都市計画マスタープラン(改定素案)
■ 第1章
1
策定の目的と考え方
■ 第2章
1
2
3
基本的な事項
位置付けと役割
広島市のなりたちと特色
都市の現状と動向
広島市の都市づくりの課題
■ 第3章
3 前提条件
都市の現状と課題
■中四国地方の中枢都市として
の役割の発揮
■本格的な地方分権社会にふさ
わしい都市経営
■都市間競争力の強化
1
2
4 方針策定にあたっての留意点
■地球温暖化・エネルギー対策の
推進
■災害に強い都市づくり
■観光・文化・国際交流の振興に
よる交流人口の拡大と定住人
口の確保
■平和都市の建設
都市づくりの目標と方針
都市づくりの目標
中 四国 地 方 の 発 展 を リ ー ド す
る、活力とにぎわいのある都市
誰もが快適に生き生きと住み続
けることができ、幸福が増進される
都市
地域資源を生かした多様で個
性的な魅力により、活発な交流が
生まれる都市
■子どもから高齢者まで、誰もが
快適に暮らせるまちづくり
■環境への負荷が少ないスマート
な都市づくり
■災害に強く事故や犯罪が起こり
にくい、安全・安心な都市づくり
■広島ならではの資源を活用した
都市づくり
■おもてなしの心があふれ、「また
来てみたい」「住んでみたい」と
思える都市づくり
■美しく品があり、人々に“広島”
を印象づけることができる都市
景観の創出
2 都市づくりの方針
■ヒト・モノ・カネの広域的な循環を
生み出す求心力のある都心の
形成
■企業活動を活性化し、地域経
済の持続的な発展を支える都
市づくり
■既存ストックを活用した効率的・
効果的な都市経営
■ 第4章
1
2
■ 第5章
都市構造の転換
集約型都市構造を基本とする都市構造
の構成
■ 第6章
1
めざすべき都市構造
1
2
3
4
5
6
分野別の方針
土地利用
都市施設の整備・活用
市街地整備
環境保全
都市防災
都市の魅力向上
マスタープランの実現に向けて
市民と行政との連携・協働の推進
2 総合的な施策展開の推進
1
■ 第1章
1
基本的な事項
策定の目的と考え方
住民に最も近い基礎自治体である市町村が、住民の意見を反映し、都市計画の視点に立った長期的な都
市づくりの目標やその実現に向けた方向性を明らかにするために策定するものです。
地方分権の進展、厳しい財政状況などから、行政と市民が目標を共有し、連携・協働して都市づくりに
取り組むことが求められており、それが促進されるよう留意して策定する必要があります。
2
位置付けと役割
(1)位置付け
○都市計画マスタープランは、都市計画法第 18
条の 2 の規定に基づき、広島市の都市計画に関
する基本的な方針として、「広島市基本構想」
や「広島圏都市計画区域の整備、開発及び保全
の方針」(広島県策定)などの上位計画に即し
て定めるものです。
(2)役割
ア 都市計画の決定・変更の指針
イ 都市づくりに関する施策展開の指針
ウ 市民※主体の都市づくり活動の指針
エ 都市計画マスタープランの周知による事業実
施の円滑化
※市民=住民、企業、NPO等
3
前提条件
(1)目標年次
平成 42 年(2030 年)
※社会経済情勢の変化などを踏まえて、必要に応じて
マスタープランの見直しを行います。
(2)対象地域
都市計画区域に重心をおきつつ、広島市全域を視野
に入れます。
(3)人口の見通し
平成 27 年頃をピークに減少局面に入ると想定しま
す(第 5 次広島市基本計画の予測値より)。しかし、
中長期的に活力とにぎわいを維持し、中四国地方の中
枢都市としての役割を発揮するため、現在の人口をで
きるだけ維持するよう努めます。
■ 第2章
1
都市の現状と課題
広島市のなりたちと特色
○緑豊かな山々に囲まれた太田川デルタの平地部を中心に、コ
ンパクトな市街地が形成されています。
○昭和 24 年 8 月 6 日に公布された広島平和記念都市建設法によ
り、本市を世界平和の象徴として建設することが国家的事業
として確立され、戦後の復興に大きな役割を果たしました。
○自動車関連をはじめとして高い技術を持つ“ものづくり産業”
が集積しているほか、中国地方あるいは中国・四国地方を管
轄する国の出先機関や企業の支社が集中しています。
○入込観光客数は平成 17 年から 7 年連続で1千万人を超え、平
成 19 年には外国人観光客数が 30 万人を突破しました。
2
2
都市の現状と動向
(1)人口減少・超高齢社会の到来
我が国の総人口はすでに減少に転じ、平成 60 年
には 1 億人を割ると推計されています。
高齢化率も現在 23%を超えており、平成 72 年
には 5 人に 2 人が 65 歳以上になる見込みです。
こうした動きにより、都市活力の低下、災害弱
者の増加、居住環境の悪化などが懸念されます。
(2)厳しい経済状況と財政の悪化
経済のグローバル化に伴う景気低迷や人口減少・超
高齢化等を背景として、税収減と社会保障費増が進ん
でおり、国と地方の債務残高は増加しています。
全国的に社会資本の老朽化も進んでおり、今後、一
定の社会資本サービスを確保するためには、施設の計
画的・効率的な維持管理を進める必要があります。
(3)災害リスクの高まり
南海トラフ巨大地震では、国土の極めて広い範
囲で強い揺れと大きな津波が想定されています。
また、気候変動に伴うゲリラ豪雨も全国的に多
発しており、山、川、海に囲まれた本市では、洪
水・高潮による被害やがけ崩れ・土石流による災
害に備える必要があります。
(4)地球環境問題の深刻化
温室効果ガスの増加に伴い、世界の平均気温は
2005 年までの 100 年間に 0.74℃上昇し、平均海面水
位は 20 世紀に 17 ㎝上昇したとされています。
我が国の二酸化炭素排出量の約半分が都市活動に
起因すると考えられるため、都市部では、低炭素まち
づくりに向けた積極的な取組が求められています。
(5)市民ニーズ・価値観の変化
社会経済情勢の変化を背景として、市民ニー
ズ・価値観も変化しています。また、女性の社会
進出や外国籍の市民の増加などにより、ライフス
タイルの多様化も進んでいます。
これらに対応し、あらゆる世代や立場の市民が
快適かつ安全・安心に暮らせる都市づくりが必要
となっています。
(6)地方分権の進展
住民に身近な行政は、住民との協働の下で基礎自治
体が決定する”地方分権社会“への転換が進んでおり、
各都市には、自立した自治体の確立や、市民との連
携・協働の推進などが求められています。
また、地方分権に伴う都市間競争の激化に対応する
ため、活力と魅力をより向上させる必要もあります。
3
①
②
③
④
4
広島市の都市づくりの課題
中四国地方の中枢都市としての役割の発揮
本格的な地方分権社会にふさわしい都市経営
都市間競争力の強化
地球温暖化・エネルギー対策の推進
⑤ 災害に強い都市づくり
⑥ 観光・文化・国際交流の振興による交流人口の
拡大と定住人口の確保
⑦ 平和都市の建設
方針策定にあたっての留意点
① 広島市の特性を生かした都市づくり
豊かな自然環境、ものづくり産業の集積、コンパクトにまとまった中心市街地などの特性を生かし、
強みを伸ばして、他にはない個性ある都市づくりを進めます。
② 戦略的な視点を持った取組
「既存ストックの活用と適正な維持管理」、「選択と集中」、「人口減少・超高齢社会に適切に対応
し、地域の魅力と活力を生み出す都市経営」といった戦略的な視点を持って取り組みます。
3
■ 第3章
1
都市づくりの目標と方針
都市づくりの目標
「世界に誇れる『まち』広島」
この目標に向けた具体的な方向性として、三つの都市の姿をめざします。
① 中四国地方の発展をリードする、活力
とにぎわいのある都市
都市づくりの目標
「世界に誇れる『まち』広島」
② 誰もが快適に生き生きと住み続ける
ことができ、幸福が増進される都市
③ 地域資源を生かした多様で個性的な魅
力により、活発な交流が生まれる都市
① 中四国地方の発展をリード
する、活力とにぎわいのあ
る都市
② 誰もが快適に生き生きと住
み続けることができ、幸福
が増進される都市
③ 地域資源を生かした多様で
個性的な魅力により、活発
な交流が生まれる都市
本市は、市域のみならず、広
島県全体の活力を生み、さらに
は、中四国地方の発展をリード
する存在とならなければなり
ません。
そのための土台として、地域
経済の持続的な発展により実
現する「活力とにぎわい」のあ
る都市づくりを進めます。
人口減少・超高齢化や市民ニ
ーズ の多様化に対応した質の
高い 都市空間の形成及び自然
災害 や犯罪への十分な備えを
有する安心・安全な都市づくり
を進め、誰もが快適に暮らせ、
生き ることの素晴らしさを実
感できる都市をめざします。
また、こうした姿が将来にわ
たって持続するよう、都市経営
の効 率化と環境負荷の低減に
努めます。
広島の歴史を伝える魅力的
な資源や水と緑に恵まれた自
然環境などを生かして、様々な
目的を有する幅広い来訪者に
アピールできる個性的で魅力
あるまちづくりを進めること
により、国内外の多くの人々が
訪れ、多様で活発な交流が生み
出される都市をめざします。
目標を実現するための9つの方針
2
都市づくりの方針
方針1
ヒト・モノ・カネの広域的な循環を生み出す求心力のある都心の形成
方針2
企業活動を活性化し、地域経済の持続的な発展を支える都市づくり
方針3
既存ストックを活用した効率的・効果的な都市経営
方針4
子どもから高齢者まで、誰もが快適に暮らせるまちづくり
方針5
方針6
環境への負荷が少ないスマートな都市づくり
災害に強く事故や犯罪が起こりにくい、安全・安心な都市づくり
方針7
広島ならではの資源を活用した都市づくり
方針8
おもてなしの心があふれ、「また来てみたい」
「住んでみたい」と思える都市づくり
方針9
美しく品があり、人々に“広島”を印象づけることができる都市景観の形成
4
■ 第4章
1
めざすべき都市構造
都市構造の転換
都市づくりの目標を実現するため、市街地の無秩序な拡散を
抑制し、公共交通により容易にアクセスできる地区に生活サー
ビス機能を集積させる“集約型都市構造”を基本とする都市構
造への転換をめざします。
一定の都市機能が
集積している地区
を拠点(○)とし、
その周辺に居住等
を集約する(オレン
ジ色の濃淡は集積
の度合いを示す)。
市街地の範囲は、現在の市街化区域内を基本とし、市街化区
域の拡大は、都市の活性化に資する場合など必要最小限にとど
めます。そして、既存の市街地や都市施設の活用と質の向上を
進めます。
これにより、人やモノの移動距離の削減と自家用車から公共
交通への転換が進み、エネルギー使用量の削減が図られます。
また、コンパクトで歩いて暮らせるまちができれば、高齢者
や障害者等にとって生活しやすい環境が整うほか、道路をはじ
めとする都市インフラの維持・更新の効率化・重点化や、福祉
サービスの効率的提供などが促進されることにより、市の財政
負担の軽減にもつながります。
2
拠点間は公共交通
等で接続する。
都市構造の転換イメージ
集約型都市構造を基本とする都市構造の構成
(ア)都心
広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区を都心の東西の核と位置付け、それぞれが活力とにぎわいのエンジン
を持ち、相互に刺激し高め合うよう、都市機能の集積・強化を推進します。
(イ)拠点地区
●広域的な都市機能を担う拠点地区(4地区)
宇品・出島地区:
井口・商工センター地区:
西風新都:
緑井地区:
●地域的な都市機能を担う拠点地区(8地区)
西広島駅周辺、横川、古市、大町、高陽、
可部、船越、五日市:生活サービス機能の
充実
(ウ)交通体系
●都心及び拠点地区の都市機能の連携を強化するため、公共交通機能の充実や道路網の整備を進めます。
■将来都市構造図
(エ)都市軸
●都市構造を明確にするため、ヒ
ト・モノの主要な流れを示す
「都市軸」を設定します。
●都市軸においては、既存の集積
の維持を基本とします。
(オ)水と緑
●豊かな水と緑のネットワーク
を保全するとともに、その活用
を促進し、個性ある美しい都市
景観などの形成をめざします。
5
■ 第5章
1
分野別の方針
土地利用の方針
□ 現在の都市空間を生かしながら、中四国地方の中枢都市として将来にわたって持続的に発展し、圏域
全体の発展をリードする都市づくりを進めます。
□ 都市計画に関するマスタープランなどで特に位置付けている開発を除き、市街地の拡大を抑制するこ
とを基本とし、都心における都市機能の集積及び拠点地区の機能強化を進めます。
□ 市街地の状況や都市施設の整備状況などを踏まえて用途地域を適正に配置するとともに、地区計画等
を活用し、地域特性に応じた土地利用を進めます。
□ 高齢者や子育て世代などの暮らしやすさを向上するため、身近なエリアで日常的な生活サービスの大
半を享受できるような都市構造をめざします。
□ 自然環境や営農環境を保全し、自然環境と都市機能が調和した土地利用を進めます。
(1)市街地
○都心・拠点地区などでの居住を推進します。
○郊外住宅団地での高齢化の進行など、地域特性に応じて、居住環境の維持・改善を図ります。
○都心・拠点地区等への商業・業務機能の集積を進めます。また、鉄軌道駅周辺で、地域特性に応じて、
商業、教育、福祉等の生活サービス機能の集積を図り、生活拠点の形成を進めます。
(2)郊外地
○市街化調整区域内では、マスタープランなどに位置付けられた開発を除き、新たな開発は抑制し、市
街化区域の拡大はしないことを基本とします。ただし、「広島市市街化調整区域における地区計画の
運用基準」に基づいて地区計画を策定した地区については、計画に沿った市街地の形成を誘導します。
○都市計画区域外では、良好な居住環境や自然環境の保全のため計画的な土地利用が必要な場合、都市
計画区域への編入や準都市計画区域の指定などにより適正な土地利用を誘導します。
(3)中山間地
○水源のかん養、防災等多くの機能を持っている農地、森林の保全を進めるほか、市民が農林業にふれ
る場の形成等により、地域の活性化や農地・森林の荒廃防止と活用を図ります。
6
2
都市施設の整備・活用の方針
□ 中四国地方の中枢都市としての役割を発揮し、持続的に活力とにぎわいが生み出されるよう、都市機
能の強化や産業の振興に資する都市施設の整備を進めます。
□ 土地利用、交通などの現状及び将来の見通しを考慮するとともに、環境負荷の低減や高齢者、障害者、
子育て世代等のニーズなどに配慮し、適切な規模で、必要な位置に、効果的に、整備します。
□ 既存ストックの計画的、効率的な維持管理及び柔軟な活用により、都市機能の維持・充実と都市経営
の安定化を図ります。
(1)交通
ア 公共交通機関
○JR線や広電宮島線など広域的な公共交通サービスを充実
するほか、日常生活を支える社会基盤として、JR在来線の
輸送改善、路面電車やバス、アストラムラインの機能充実、
交通機関相互の連携強化などを進め、すべての人が快適に利
用できる交通環境を確保します。
イ 道路
○広島高速道路等による自動車専用道路のネットワーク化や
都市内道路網の整備を進めます。
○子どもから高齢者まですべての人を想定し、安全で快適な歩
行者空間を確保します。
○通勤、通学、買物、観光など様々な場面で自転車がより一層
活用されるよう、
「自転車都市づくり推進計画」に基づき、
自転車施策を総合的に進めます。
(2)公園・緑地など
○環境保全、生物多様性の確保、健康づくりや多様な人々の交
流の促進、レクリエーションの場の提供、都市防災、良好な
景観の形成及び地球温暖化対策等の視点を踏まえ、計画的に
整備します。
○山、川、海といった恵まれた自然や歴史的資源などを効果的
に活用し、人々が憩い、やすらぐ場を整備します。
アストラムライン白島新駅
(イメージパース)
広島高速 2 号線
(3)下水道
○市民生活を快適で安全にするため、汚水処理施設の整備、浸
水対策及び地震対策を進めるほか、適切な維持管理に取り組
みます。
○河川や広島湾の水質向上を図り、「水の都ひろしま」にふさ
わしい美しい水環境を創出するほか、下水道資源の有効利用
に取り組むことにより、循環型社会の形成や低炭素まちづく
りに貢献します。
(4)港湾
○中四国地方の国際物流拠点、国際交流拠点、海洋性レクリエ
ーション拠点としての機能を強化します。
○大規模地震時に物流機能を維持するとともに、避難場所等と
して供するための整備を進めます。
○既存の港湾施設を活用し、持続可能なにぎわいづくりを進め
ます。
(5)その他
○洪水・高潮対策のための河川改修を進めます。
○ゼロエミッションシティの実現をめざし、ごみの減量化とリ
サイクルの推進により排出量を抑制するほか、ごみ焼却場な
どを計画的に整備します。
7
広島市民球場の天然芝への散水
(地下に貯留した雨水の再利用)
宇品デポルトピア
(港湾倉庫を改造したにぎわい施設)
3
市街地整備の方針
□ 都心や拠点地区などにおいて、既存ストックを生かした市街地の戦略的な再整備により都市機能を強
化し、活力とにぎわいを生み出す、競争力の高い都市基盤を形成します。
□ 人口減少・超高齢化や市街地の経年劣化などに対応し、誰もが快適に暮らせる居住環境の維持・増進
を図るため、地域ごとの課題や特性に応じて、きめ細かな市街地整備を進めます。
(1)市街化の状況に応じた市街地整備
○都市機能の更新や居住環境の改善などの観点から、既成市街地の計画的な更新を進めます。
○高齢化が進み、空き家が増加している郊外住宅団地において、居住環境の維持・改善を図ります。
○都市基盤の整備が不十分なままで農地の宅地化が進みつつある市街化進行地域において、必要に応じ
て市街地開発事業や地区計画制度などを活用し、計画的な都市基盤の整備を進めます。
○新規開発地において、計画的で、環境との調和や防災の見地に立った土地利用を誘導します。
○無秩序な宅地開発などによる土地利用の混乱等がみられる農業集落について、農業振興施策と調整を
図りながら、必要に応じて、都市計画制度の活用による土地利用の規制・誘導などを検討します。
(2)地区ごとの施策展開
ア 都心
○都心の求心力を高めるため、都市基盤の再整備や都市機
能の集積により、紙屋町・八丁堀地区と広島駅周辺地区
を核とする「楕円形の都心づくり」を進めます。
○紙屋町・八丁堀地区では、回遊性やにぎわいを高め、広
島駅周辺地区では、広域交通拠点としての機能を強化す
るほか、市街地開発事業等により活力を高めます。
イ 拠点地区
○地区特性等に応じて、都市機能の充実・強化を図ります。
○西風新都は新たな全体計画の下、計画的かつ着実に整備
します。
ウ その他の地区
○誰もが快適に暮らせる良好な市街地環境の形成を図る
楕円形都心づくりのイメージ
とともに、既存ストックや低・未利用地の活用による再
整備を進めます。
4
環境保全の方針
□ 瀬戸内海に面する豊かな自然環境を保全するとともに、土地利用、都市開発、都市施設の整備などに
おいて、自然環境に配慮した取組を進めます。
□ 環境負荷の少ない都市をめざし、市民等との協働により、低炭素型の都市づくりに向けた取組を総合
的に進めます。
(1)自然環境の保全
○豊かな自然環境や生き物の生育環境の保全に努めます。
(2)環境負荷の低減
ア 低炭素型の都市づくりの推進
○二酸化炭素排出量の削減のため、「低炭素まちづくり
計画」を策定し、都市構造の転換、エネルギー利用の
効率化、公共交通の利用促進などを総合的に進めます。
イ 大気環境や水環境などの保全対策の推進
○健康で安全な生活環境を守るため、大気環境・水環境
の保全対策や騒音・振動の防止対策などを進めます。
8
広島市民球場の屋根に設置した
太陽光発電設備
5
都市防災の方針
□ 東日本大震災などの大規模災害等の教訓を踏まえ、津波災害対策など防災対策の強化を図ります。
□ 自然災害の未然防止と減災の2つの視点から、ハード・ソフト両面の施策により、起こりうる様々な
自然災害に備えます。
□ 市民の「自助・共助」を支援し、地域の防災力の向上を図ります。
(1)防災拠点・交通・ライフライン施設の機能確保
○避難場所・避難路・緊急輸送道路の整備やライフライン施設の機
能確保などにより、防災体制づくりを進めます。
(2)土砂災害対策等の推進
○土砂災害防止事業を推進するとともに、土石流やがけ崩れなどの
土砂災害の未然防止と被害の軽減に向けた対策を進めます。
土砂災害防止事業
(3)震災・津波対策の推進
○市民主体の「防災まちづくり」活動を支援するほか、建築物や道
路施設等の耐震化や市街地の不燃化などに取り組みます。
○地震被害想定の見直し結果を踏まえ、震災・津波災害対策の充実・
強化を図ります。
(4)水害対策の推進
○堤防等の整備や、津波などによる浸水からの避難対策を進めます。
浸水時緊急避難施設の表示板
6
都市の魅力向上の方針
□ 「おもてなし」を基本姿勢として魅力向上に取り組み、観光客や企
業などから選ばれる都市ブランドの構築をめざします。
□ 広島ならではの地域資源を生かし、自然環境と調和した居心地のよ
い都市環境や魅力的な観光地などを形成します。
□ 広島の歴史・文化を伝える魅力的な資源や豊かな水と緑に囲まれた
自然を生かした個性的で魅力ある都市景観の形成に取り組みます。
□ 公共施設等のバリアフリー化や防犯まちづくりなどにより、誰もが
安全・安心に過ごせる快適な都市環境を形成します。
(1)地域資源を生かした交流・レクリエーション空間の整備
○平和の願いを将来にわたって継承する都市環境を形成します。
慰霊碑から望む原爆ドーム
○水辺や緑、その他の地域資源を生かして、人々が憩い交流する、
魅力とにぎわいのある都市環境を形成します。
○花と緑あふれる美しいまちの実現に向けて取り組みます。
(2)広島らしい風情があり、おもてなしの心あふれる都市景観の形成
○広島の都市資源や自然環境を生かして、個性と魅力のある都市景
観を形成します。
○景観計画や景観地区、景観協議制度、地区計画制度などにより、地
域の特性を生かした個性ある美しい都市景観を形成します。
(3)誰もが安全・安心に過ごせる快適な都市環境の形成
○公共施設等のバリアフリー化や防犯まちづくりを進め、誰もが安
全・快適に過ごせ、やすらぎを感じられる都市環境を形成します。
9
京橋川と河岸緑地
■ 第6章
1
マスタープランの実現に向けて
市民と行政との連携・協働の推進
□ 多様なニーズに対応したきめ細かいまちづくりを展開していくためには、行政のみがその役割を担う
のではなく、地域の特性や課題を踏まえて市民(住民、企業,NPO等)が主体的に取り組み、それ
を行政が支援するという仕組みが必要です。
□ そのため、自助・共助・公助の考えに基づいて各主体の役割分担と責任を明確にし、都市づくりに関
わる多様な立場の人々の連携・協働を進めます。
(1)各主体の役割
住 民
・まちづくりの主体としての自覚を持つ
・広島市の都市づくりの目標を認識する
・地域社会に関心を持ち、自らの知識や
技術を生かして、まちづくりを実践する
・都市計画提案制度を積極的に活用する
市民と行政との連携・協働
によるまちづくり
企 業
・まちづくりの主体としての自覚を持つ
・広島市の都市づくりの目標を認識する
・地域社会の一員として、住民などとの連
携を深める
・企業活動を通じてまちづくりに寄与する
行 政
・市民ニーズを踏まえて、計画的なまちづく
りを進める
・地域のまちづくり主体と連携・協働できる
よう、積極的に環境づくりを進める
・職員の意識向上を図る
(2)連携・協働を推進するための取組
ア
都市づくり情報の発信
○都市計画の仕組み、広島市の特性やまちづくりの課題など、
都市づくりに関する各種情報をわかりやすく発信します。
イ
市民との対話
○市民との対話を活発に行い、積極的に市民ニーズや地域の課
題の把握に努めます。
ウ
市民のまちづくり活動の支援
○市の職員やコンサルタント等専門家の派遣、まちづくり活動
経費の助成などを行います。
エ
連携・協働の進め方の見直し
石内地区でのまちづくり勉強会
○社会経済情勢の変化や市民ニーズなどに柔軟に対応するた
め、必要に応じて連携・協働の進め方の見直しを行います。
2
総合的な施策展開の推進
(1)関係計画との調整・連携の強化
○交通、公園・緑地、景観など都市計画分野の具体的な取組にあたっては、マスタープランを活用し、
相互連携や一体性の確保を図ります。
○また、経済振興、福祉、子育て、文化・芸術など他分野とも積極的に調整・連携を行います。
(2)広域的な都市づくり
○本市を中心とし近隣市町を含む圏域(広島圏都市計画区域)が、中四国地方を牽引する中枢機能を
果たすエリアとして発展するよう、県や近隣市町と連携し、広域的な観点で取り組みます。
○また、市域を超えた行政課題への対応や隣接市町との連続性の確保などのため、必要に応じて、個
別の事業展開における隣接市町との調整を行います。
10
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