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第4章 琉球民謡を軸 と した学習指導案の作成
第4章琉球民謡を教材とした学習指導案の作成 第1節 目的 第4章ではこれまでに述べてきた内容を踏まえ、学校教育現場にて行う伝統音楽指導の 具体的な指導方法や留意点について考察する。その上で、実際の教育現場で使用すること を想定した指導案の一例を提示する。 第2章では、沖縄県の学校教員にアンケート調査を行い、実際に教育現場で伝統音楽指 導をする際には、いくつかの課題があることを考察した。まず、時数の少なさや設備・備 品の不足、教員自身が琉球民謡について学んだ経験が少なく、三線を弾くことも容易では ないということである。ゲストティーチャーとして呼ぶことのできる人や、三線や民謡の 指導方法などについて尋ねられる存在がいないという問題点も挙げられる。また、生徒の 学習意欲を引き出すには、発表の場が必要であると考えられるが、時数や生徒の達成度の 関係から発表の場を設けることが困難であるという点である。教員が教育現場において伝 統音楽を指導していきたいといら思いがあっても、これらの理由により取り組むことが困 難であるケースは少なくないようだ。 また、第3章では名護高等学校生徒へのアンケート調査の結果から、伝統音楽指導に関 して配慮すべき事項を挙げた。まず、琉球民謡を聴きなれていない生徒や三線に触れたこ とのない生徒も多いことから、伝統音楽への興味や関心を持ちやすいように、導入では馴 染み深い民謡を選曲する方が望ましいだろう。また、歌詞が琉球方言で書かれていること もあり、方言離れしているといわれる今日の学生にとっては、歌詞の意味を理解すること が難しいという面がある。琉球方言が理解しがたいために、琉球民謡に興味や関心が持て ないという回答もあったため、歌詞の内容や琉球方言の取り扱いに配慮する必要があるだ ろう。さらに、工工四が読めない、演唱が難しいという回答も多くみられたため、指導の 125 方法を工夫し、生徒が授業を通して達成感や充実感を感じることができるようにする必要 があることを述べた。 沖縄伝統芸能の歴史の概観を指導者がある程度把握した上で、生徒の実態に合った指導 を行う必要があると考えるが、指導の現場では教材研究を深める時間をつくることは容易 ではない。そのため、現場の声が取り入れられたより多くの指導例を、指導者である教員 が共有でき、その指導例から生徒の実態に合った方法を選び、さらに手を加えて指導に応 用していけるような指導案ができていけば、伝統音楽指導はより一般的に普及し、多様な 有様となっていくことができるのではないかと考える。 上記までの考察を踏まえ、指導案を提案していきたい。指導案の対象は中学校1年生で ある。中学校を対象とした理由としては、平成20年3月に中学校学習指導要領が改訂・告 示され「民謡、長唄などの我が国の伝統的な歌唱のうち、地域や学校、生徒の実態を考慮 して、伝統的な声の特徴を感じ取れるもの」1という項目が歌唱教材選定の観点として新た に示されたことが挙げられる。また、指導計画の作成と内容の取扱いの器楽指導において 「和楽器の指導については、3学年間を通じて1種類以上の楽器の表現活動を通して、生徒 が我が国や郷土の伝統音楽の良さを味わうことができるよう工夫すること。」「我が国の伝 統的な歌唱や和楽器の指導については、言葉と音楽との関係、姿勢や身体の使い方につい ても配慮すること。」と示されたことが理由である。1年生としたのは、本指導案では琉球 民謡を教材として初めて取り組むことを想定した取り組みや指導内容としているためであ る。 題材名は《三線を使って、琉球民謡に触れよう》と設定した。沖縄県の伝統音楽である 琉球民謡は、歌・三線ともいわれるように、三線の弾き手が歌い手を兼ねており、歌う際 には三線が欠かせないものである。そのため、琉球民謡を学ぶということは、歌うだけで はなく三線を弾き、演唱することが目標となる。伝統音楽を保存・継承していくためにも、 1文部科学省『中学校学習指導要領』東京書籍 2008 126 生徒一人ひとりが、琉球民謡を歌うことだけに留まらず、三線を使って演唱することが有 意義なことであると考えた。 教材は〈安里屋ユンタ〉を選曲した。八重山諸島の竹富島の民謡で、県内県外で広く知 られる歌の一つである。ユンタから節歌へ移行している曲であり、歴史的背景も深いため、 導入の曲として取り組み易いと考えた。また、沖縄県民にとって馴染み深い曲であるので、 生徒の琉球民謡への興味や関心を引き出しやすいだろう。 時数は全6時間で設定した。実際の現場で6時間を確保することは難しいかもしれない が、琉球民謡を指導する上で重要な、基本的な内容は扱えるよう全6時間とした。 指導案は琉球民謡、三線を指導することに関して経験の浅い教員や、初めて琉球民謡や 三線を習う生徒を対象として作成したものである。琉球民謡の歴史や歌詞の背景、また三 線演奏の基本的な部分から多くを盛り込んだので、50分授業ではこなしきれない可能性も あるが、実際の授業ではここから取捨選択を行い、もう少しスリムな形で行うことになる と思われる。また、指導案の内容についての課題や発展的な指導方法については、第3節 の指導上の留意点と課題点に述べていくこととする。 127 第2節 学習指導案 中学校第1学年音楽科学習指導案 目時: O校時 場所:○O中学校○○ 対象:○年○組 ○○名 授業者: 教科書: 1、題材名 《三線を使って、琉球民謡に触れよう》 2.指導内容 本題材は歌唱の指導事項ア『歌詞の内容や曲想を感じ取り、表現を工夫して歌うこと」 及び器楽の指導事項イ「楽器の特徴をとらえ、基礎的な奏法を身に着けて演奏すること」 から設定する。 また、歌唱教材(イ)「民謡、長唄などの我が国の伝統的な歌唱のうち、地域や学校、 生徒の実態を考慮して、伝統的な声の特徴を感じとれるもの」から教材選択し、鑑賞イ 「音楽の特徴をその背景となる文化・歴史や他の芸術と関連付けて、鑑賞すること」に 配慮し、設定する。 3.題材の目標 (1)郷土芸能への理解と関心を高め、児童・生徒の蔓な心情を育む。(情意面) (2)安里屋ユンタの演唱を通して、歴史的背景を理解し、伝統音楽である琉球民謡を学ぶ。 (到達目標) (3)三線の基礎的な奏法を身に着け、琉球民謡の独特な発声法で演唱する。(技能・能力 面) 4.教材 〈安里屋ユンタ〉(星 迷鳥作詞/富良 長包作曲) 5.題材設定の理由 (1)教材衝 本教材では、沖縄県の伝統音楽である琉球民謡を取り扱うことで多様なアプローチが可能 になる。まず、琉球民謡は三線と演唱することが求められるので伝統楽器である三線に触れ ることができ、単に民謡を歌うよりも生徒の興味関心を引出しやすいと考えられる。 また、琉球民謡は沖縄県の歴史的背景と深い繋がりを持っため、学ぶ上でわたしたちの祖 先がどのように独自の歴史を形成したきたかなど、郷土の歴史を知ることが出来る。さらに、 歌詞が琉球方言であるので、歌詞の意味を学ぶことで琉球方言についても学ぶことができ、 琉球方言の保存に繋がることが期待できる。 (2)生徒衝 今までに三線を習ったことがなく初めて弾く生徒と、家庭や地域において三線を弾いた ことのある生徒が混ざっているクラスである。生徒数は約30人で、三線は約30本ある。 128 (3)指導観 琉球民謡と三線の演唱、その背景を学ぶことを通して郷土である沖縄の豊かな伝統音楽 や芸能、長く積み重ねられていきた歴史の素晴らしさに気付かせられるように進めていく。 また、琉球民謡の歌詞について深く学ぶなかで、琉球方言についての理解を深め、そこか ら沖縄の歴史や地域によって様々な方言の違いや民謡が数多くあることを知り、郷土愛を深 めていけるようにする。 郷土と自分自身との関わりを深く見つめることで、生徒自らが主体的に創造していくカを 培い、伝統音楽の伝承・発展を担っていることや、その誇りに気付けるようにする。 6.題材の評価規準と『学習活動における具体の評価規準」 〈観点1〉 く観点2〉 <観点3〉 〈観点4〉 音楽への関心・意欲・態度 音楽的な感受や表現の工夫 表現の技能 鑑賞の能力 O O O 歌唱 ◎ 器楽 ◎ ○ 創作 鑑賞 題 材 の 評 価 規 準 ○ ・琉球伝統芸能や三線の基 礎的な奏法、声部の役割に 関心をもち、演唱すること に意欲的に取り組んでい ・歌詞の内容や曲想、言葉 の特性と旋律や強弱とのか かわりを感じ取って、自分 なりのイメージをもって表 る。 現を工夫している。 ・三線の基礎的な 奏法の特徴を生 かし、三線を弾 き、演唱すること を身につけてい ・唄や三線を楽し んで鑑賞し、歌詞 の内容や三線の 音色の美しさを 感じとっている。 る。 ①琉球伝統芸能に関心を ①琉球民謡の育 もち、意欲的に学ぼうとし ①歌詞の内容や曲想を感じ 取って、イメージをもって ①歌詞の内容や 学 曲想を生かして、 景を踏まえて、唄 習 ている。 表現を工夫している。 表現する技能を や三線を楽しん 身につけている。 で鑑賞している。 に歌唱表現しようとして ②リズム・アクセント・抑 揚と旋律の動きとの関わり を感じ取って表現を工夫し ②三線の基礎的 な奏法を身につ 具 体 いる。 ている。 けている。 ②歌詞の内容や 三線の音色の美 しさを感じ取っ の ③三線の基礎的な奏法の ③三線独特の音色や響きを 感じながら表現を工夫して ③ユエ四を読み、 活 動 に ②琉球民謡独特の声部の お 役割に関心をもち、意欲的 け る 評 価 規 準 て鑑賞している。 特徴に関心をもち、主体的 に表現しようとしている。 いる。 三線を演唱して 表現する技能を 身についている。 129 τ指導と評価の計画(6時間扱い) ◆ねらい O学習活動 時 第1時 第2時 第3時 第4時 第5時 ◆安里屋ユンタについて知り、三線に触れよう。 ○安里屋ユンタの音源DVD・CD(プロの演奏)を鑑賞する。 ○教師の三線伴奏(プロの演奏)で新安里屋ユンタを歌う。 02グループに分かれて交互唱をする。 〇三線の準備をする(ケース、袋から取り出す、置き方)。 ○各部名称、取り扱い方、姿勢、弾き方の確認をする。 ○勘所の確認をする。 ○安里屋ユンタの背景と歌詞(方言)の意味を確認する。 ○元唄安里屋ユンタ・安里屋節を鑑賞する(教師・プロの演奏 またはDVD)。 〇三線の片づけ方を確認する。 ◆琉球文化を知り、三線の基礎的な奏法を身につけよう。 ○各部名称、取り扱い方、姿勢、弾き方の確認をする。 ○調弦をする(ピアノと教師の三線の音に合わせて生徒が各自 具体の評価規準 観点4川②(観察) 観点1一①(観察) 観点2一①②(歌唱) 観点1一①③(観察) 観点1一① 観点4川①(観察) 観点1一① 観点1一① で行う)。 観点1一③(演奏) ○勘所の確認をする。 ○解放弦の音を全員で合わせる。 観点3一②(演奏) ○琉球文化(オモロ・三線・工工四・琉歌)について知る。 ◆三線の特徴を生かして演唱しよう。 ○勘所の確認をする。 ○解放弦の練習をする。 ○解放弦の小テストをする。 ○対比表の読み方を知る。 ○安里屋ユンタの工工四を確認する。 ◆歌詞の内容や曲奏を感じ取って演唱し、表現を工夫しよう。 ○工工四を見ながら、教師の三線伴奏(プロの演奏)で安里屋 観点1一① 観点3一②(演奏) 観点1一③(演唱) 観点1一①(観察) 観点1一③(演唱) ユンタを歌う(出来る人は演唱する)。 02パートに分かれて安里屋ユンタを掛け合いで演唱する。 観点2一②(演唱) ◆グループで演唱を楽しんで極めよう。 ○グループを決める。 ○グループで新安里屋ユンタの演唱を練習する。 ○グループで安里屋ユンタの演唱の小テストをする。 ○プロジェクターの歌詞・ユエ四をみて、全員で新安里屋ユン タを演唱する。 ◆発表会をしよう。 ○全員でプロジェクターの歌詞・工工四をみて安里屋ユンタを 観点1一① 観点1一②③ 観点2一② 観点3一①②③ 観点3一②(演奏) 演唱する。 第6時 ○発表グループで練習する(各グループ順番に教師が確認す 観点1一②③(演唱) る)。 ○クラス発表会をする。 ○感想ワークシートを記入する。 全ての観点(演唱) (ワークシート) 130 本時の同標(第1時) 唆里屋ユンタの背景を知り、歌詞の内容や三線の音色の美しさを感じとって唄や三線に 触れよう。」 準備物 ・安里屋ユンタの鑑賞用DVD(CD) ・資料①:歌詞カード・五線譜資料(新安里屋ユンタ) ・資料②:三線各部位の名称プリント ・資料③1三線勘所確認と工工四と五線譜の関係プリント ・資料④r安里屋ユンタについて知ろう」プリント ・資料⑤、⑥資料歌詞カード・五線譜資料(元歌安里屋ユンタ・安里屋節) 展開 時間 導入 5分 学習活動 指導上の留意点 具体の評価規準 ○本時の内容を確認する。 ○安里屋ユンタの音源DVD・ 観点4一②(観察) CD(プロの演奏)を鑑賞する。 ◇資料①歌詞カード・.五線譜を 配る(新安里屋ユンタ)。 ○教師の三線伴奏(プロの演奏) 観点1一①(観察) で新安里屋ユンタを歌う。 02グループに分かれて交互唱 ◇歌詞を歌う人と灘子を歌う人 をする。 に分けて歌う。2番は歌と勝子 観点2一①②(歌唱) を交換する、隣同士で分けるな どパターンを変えるとよい。 展開 ○三線の取り扱い方を確認す ◇三線の取り扱い方を注意す 35分 る。 る。 〇三線の準備をする(ケース、 袋から取り出す、置き方)。 ◇資料②三線各部位の名称プリ ソトと資料③1三線勘所確認と 工工四と五線譜の関係プリント を配布する。 ○各部名称、取り扱い方、姿勢、 観点1一①③(観察) 弾き方の確認をする。 131 ○勘所の確認をする。 ◇初めはシールをはっておくと 観点1一① よい。 ◇いったん三線を置くように指 示する。 ◇歌詞カード・五線譜(元歌安 里屋ユンタ・安里屋節)と「安 里屋ユンタについて知ろう」プ リントを配る。 観点1一① ○安里屋ユンタの背景と歌詞 (方言)の意味を確認する。 ○元唄安里屋ユンタ・安里屋節 ◇曲調や歌詞の違いを紹介す を鑑賞する(教師・プロの演奏 る。曲を紹介することが目的な またはDVD・CD)。 ので、生徒に解りやすいよう、 観点4一①(観察) メロディーを中心に説明すると よい。 ○発声について知る。 ◇発声について説明する。 観点2一① ○教師の三線伴奏(プロの演奏) まとめ 観点1一② で新安里屋ユンタを歌う。 10分 ◇次回の予告をする。 ◇最終時には数名一組でクラス 発表会を行うことを伝える。 ※鑑賞用CD・DVDについて 安里屋ユンタの鑑賞をする際には、できればゲストティーチャーを招いてプロの生演奏 を聴けることが望ましいが、それができない場合はCDやDVDの音源を活用する。 周するCD ○新安里屋ユンタ:『SP盤復元による 沖縄音楽の精髄4』コロムビアミュージ ック COCJ・35015 『ザ・ベスト 沖縄のうた・三線』コロムビアミュージック 2008 COCN・20016 0元歌安里屋ユンタ:『生命燃えるうた沖縄20016宮古諸島編(2)八重山 諸島編』コロムビアミュージック1996COCJ−35021 0安里屋節:『沖縄八重山のうた(下巻)∼東置酉美寛』コロムビアミュージック 2006 COCJ’33766’68 132 資料① 歌詞カード:新安里屋ユンタ1 (A3用紙左ぺ一ジ) (新)安里屋ユンタ 作詞/星迷鳥、作曲/宮良長包 1.サー 君は野中の いばらの花か サーユイユイ(※) 暮れて帰れば やれほんに 引き留める マタハーリヌ ティンダラガヌジャマヨー(※※) 2.サー 嬉し恥ずかし 浮名をたてて ※ 主は白百合 やれほんに ままならぬ ※※ 3,サー 固草取りなら 十六夜月よ(※) 二人で気兼ねも やれほんに 水入らず ※※ 4.サー 染めてあげましょう 紺地の小袖 ※ 掛けておくれよ 情けのたすき ※※ 【訳】 1.貴方は野に咲いているとげのある花のような人だね(嚥子 ※) 私が夜になって帰ろうとすると闇の申でうっかりとげに着物を引っ掛けて行けなくな るように、わたしを引き止めるんだもの (勝子 ※※) 2.嬉しいやら恥ずかしいやら噂になっても(※) あなたは白百合のように純白で一緒にはなれません(※※) 3.田んぼの草を取るならきれいな月夜に限ります(※) 二人だけで講に遠慮することもなく邪魔も入りません(※※) 4.恋しいあなたのためにわたしの想いを深々と沁みこませた紺地の小袖を染めてさしあ げましょう (※) だからあなたもわたしが仕事をする時には、あなたの愛情をこめた橡をわたしに掛け てくださいね(※※) ※「ティンダラガヌジャマヨ」 チィンダラはかわいらしいの意。カヌジャマは愛(カナ)しい子の意。愛する人への 賛美の呼びかけである。 1外間守善・宮良安彦『南島歌謡大成 IV. 八重山篇』剣11書店1979 133 資料① 五線譜:新安里屋ユンタ1(A3用紙右ぺ一ジ) あさどうや 安里屋ユンタ 普久噺1{窮似謝 J目88 サ rはやし一 き みはのなかのいはらつ は な_か サ ユf ユイ る マ タ れてかえればヤレホニひきとめ ハーり ヌーチン グ カ ス シャ マ ヨ 1仲宗根幸市(他著)『沖縄の歌100選』ラジオ沖縄1994p.9 134 資料② 三線=各部位の名称1 くむでい〉 他てい) 〈う一ちる〉 〈うま〉 〈みじあてい〉 1知名定男『めんそ∼れ!知名定男の三線入門』同本放送出 協会2009p.9 135 登料③ 三線績所確認フリント1 (A3用紙左ぺ一ジ) く^.くん』一 よ カた ●ユエ四の読み方 ユエ四のことを「タンクンシー」と言います。三線の楽 譜で中国の「工尺竈」(こうしゃくふ)にヒントを得て 作られました。普段日にする「主鎖竈」とむい忽に壱ん ユ 上 でいきます。それぞれポジションと、演李を覚えていき 酉 ます。ポジションを買えると、色々な曲がカけるように なります。能淡釜から鏡吉して、二■こ会繕、羊霜、示指 田 二 .1二 一t 五 五 尺 尺 五 と押さえる練習をします。 舎 工 .丘 ホ歯はr簑り手合」土止由 乙 尺 五 三一1ヒ 工1 尺 1尺一 −t 土ヒ 1毛 .二11、 i五 土11合1 尺 一i乙1 ひ’う 凹ん壱’う」 ■ ^』一 ●ポジション表(本調子の場合) 胴放統 一一一一 Dド.吻..ド.一一一一一一一一一 椥1 人兼し拍_一レーシージ_一一一一一一一……一一一一一一一一r乙 6.6cm ( の指〕 ’I ‘歌11からの帥識〕 中 伯一一・一…iラll一・・一一一一・…一一一一一一一、老中六 12cm {二の指〕 ’’一.’■」 ’』、 揃 .一一. 17om シ研一.…一‘一一‘一一一一一・…‘一一‘■一一 (四の擶〕 小 指 _. ㎞ !・.’.一・‘一一一’一一.’…・一一一一‘一一一 〔1岬の指〕 ひ’う ’, ^^し■う ●ポジション表を見ながら練習しましょう ①②③④⑤⑥⑦⑧ 老 七 人 口 、 ノ、 四 工 中 中 ノ、 老 1山内昌也『楽しい沖縄三線教室』千野出版事業部2003p.7 136 尺 資料③ ]二工四と五線講の関係1(A3用紙右ぺ一ジ) くんくんい ようがくふ かん舳 舳去ようし ●ユエ四と洋楽譜の関係(本調子) 雫の蓑の寺う11三線の賓㍗ヨンはイれぞれドレ三でも会わせることが蝕まれ ドレミで弾く事により洋楽譜も三線で演奏できると思います。 「 第1絃 絃名 第1絃 絃名 楽譜絃1 △目 指圧名1 開放 第2絃i 第2絃 第1絃 第1絃1第2絃1第2絃≡ 第2絃 第2絃 第1絃 老 乙 中 上 四 中指1 開放1人差指 人差指■ 一] 中指 洋楽譜 1・ i 垂_竺_一竺一 コ譜 全壱 ) 去、、÷約息 1譜11字音 第3絃1第3絃 第3絃1第3絃… 五 六 七 八 開放≡人差指… 指圧名 ≡小 指 中指…小指一心胆」 金者 1洋 全音 楽 半音 1菖 i譜 ≡ LL__一 1昔階名ザ トー 一・一 ソ シTT…ミ 1胴からの雛跳1約17cm プア ソ 0cm 6,6cm …約12cm=15cm 20cm 1山内昌也『楽しい沖縄三線教室』千野出版事業部2003p,8 137一 資料④ 「安里匿ユンタについて短ろう」 ユシタ:「ユンタ」は、結歌の転訊といわれています。結は共同作業のことで、村人た ちが共同で農作業や家建てなどの作業を行うときに、斉唱する作業労働を主体 とする叙事的歌謡です。沖縄の炎天下のなかで、こうした物語歌をうたいあげ ていくのが何よりの慰め1二なったそうです。 歌は初め『本声」といって普通の調子でうたい、次に作業がはずんでくると 調子を上げて「中声」というリズミカルな拍の歌声になり、さらに動きが高潮 してくると、「ウラーン声』という、調子を思い切り上げた歌声へと変化していき ます。 元 融 ● 害 昌 ロ ユ ン タ 元歌の安里屋ユンタは、ハ重山諸島の竹富島の民謡で、律音階の変種です。 竹富島の島役人が安里屋(農家の屋号)の娘クヤマに求婚したのですが断ら れてしまい、その腹いせに同じ島のイシケマという娘と結婚し体裁を保つ、 という物語をうたった長細の叙事詩です。 安里屋節は、安里屋ユンタを元歌とし、二撮(二上がリ)の三味線歌で、 害 星 目 竈 律音階の変種です。虚子詞が『チンダラガヌジャマヨ」でなく「ウヤキュバ ナウレ」に変わります。「ウヤキ」は富貴、「ユ』は米の豊穣という意味で、 富貴豊作を讃える心情を盛り込んでいます。 新 ● 害 昌 ロ ユ ン タ 現在流布しているのは、昭和九年(一九三四)コロムビアレコードの要竈 で、星迷鳥(本名見)が作詞、宮良長包が編曲したもので、七七七五調の歌 詞と本土的な旋律が受けて、昭和十年代のヒット歌謡曲になりました。 離子詞の「チンダラガヌジャマヨ」のチンダラはかわいらしいの意で、カ ヌジャマは愛(カナ)しい子の意。愛する人への賛美の呼びかけのうたです。 第二次世界大戦のときはこれが「死んだら神さまよ」とうたい替えられて、 人々の実感をさそったと言われています。 資料⑤ 歌詞カード・五線譜:元歌安里屋ユンタ1 安里屋ユンタ 〔竹己蟹〕竹富町竹富 1978. 8. 2. あさどうやゆんた ’j・山出部子〔24〕 aSaduya−y㎜ta 竹官保育園児 一・84 1.サ あ さ どう や ぬ く や 一 ま に 一 サ ユイ ユイ 2.サ みさししゅや ぱ な一ん ば一 サ ユイユイ み さし しタ ぬ一 ゆ一た一ら ヨ マ タ ハ ヌ あ たるす や一 9や一おいす むン ダ ラ カ シャ マ ヨ マ ク バ ヌ 峻険の皆高】 1.サ あ さ どう ちン ダラ カ シヤマ 【歌詞】 【訳】 1.あさどや一ぬ くやまにヨー 安里屋のクヤマく女名〉は あんちゅらさ まりばしヨー とても美人の生まれであった ウヤキョーヌ ユバナウレ (灘子 ※) 2.いみしゃから あふありまりばし 幼少の頃から可愛い生まれであった くゆさから しるさすでいばし ※ 幼い時から美人の生まれであった 3.みざしいしゅ一ぬ くよたらヨー 目差立〈役人〉が(妻に)乞うた あたりよや一ぬ ぬずみよ一たヨー ※ 当る親く役人〉が(妻に)望んだ 4.みざしいしゅ一や ばなんぱ 自差立は、私は嫌です あたりょや一や くれゆむヨー ※ 当る親は、私は嫌いです 5.なゆでから んばですヨー どうして嫌なのか いきゃでから ゆむですヨー ※ 何ゆえに嫌いなのか 6.あとうぬくとう うむいどうヨー 後のことを思ってのことです すらぬたみ かんがいや一とうヨー ※ 後のちのことを考えてのことです 7.しまぬぶどう むつあばどうヨー ふんぬさとう かむぱどうヨー ※ 島の(男を)夫に持った方が 村の(男を)さかしだ方が 1日本放送協会『日本民謡大観(沖縄・奄美)』日本放送出版協会1991p,379 139 資料⑥ 五線譜:安里屋節1(A3用紙右ぺ一ジ) 〔竹富島〕竹富町竹富 安里屋節 19口8. 8. 6. 胴本降一 あざと一やぷし 8s8d6y8−b聰shi ^n 一ど 一や 雛蕎再三線 )) 二く み・ ) ぬ一一一 ■ヨ ーウヤ‘ 倹際の音高1 I.あ さ 【実際の鳴弦1 1日本放送協会『日本民謡大観(沖縄・奄美)』日本放送出版協会1991p.491 140 資料⑥ 歌詞カード:安里屋箇1(A3用紙左ぺ一ジ) 安里屋節 【歌詞】 【訳】 1.あさどや一ぬ くやまにヨー 安里屋のクヤマく女名〉は あんちゆらさ まりばしヨー とても美人の生まれであった ウヤキョーヌ ユバナウレ (勝子 ※) 2.いみしゃから あふありまりぱし 幼少の頃から可愛い生まれであった くゆさから しるさすでいばし ※ 幼い時から美人の生まれであった 3.みざしいしゆ一ぬ くよたらヨー 目差立〈役人〉が(妻に)乞うた あたりょや一ぬ ぬずみよ一たヨー ※ 当る親く役人〉が(妻に)望んだ 4.みざしいしゅ一や ばなんぱ 目差主は、私は嫌です あたりょや一や くれゆむヨー ※ 当る親は、私は嫌いです 5.なゆでから んばですヨー どうして嫌なのか いきゃでから ゆむですヨー ※ 何ゆえに嫌いなのか 6.あとうぬくとう うむいどうヨー 後のことを思ってのことです’ すらぬたみかんがいや一とうヨー※後のちのことを考えてのことです 7.しまぬぶどう むつあばどうヨー 島の(男を)夫に持った方が ふんぬさとう かむばどうヨー ※ 村の(男を)さかしだ方が 1外間守善・宮良安彦『南島歌謡大成W.八重山篇』角川書店1979 141 本時の目標(第2時) 「琉球伝統芸能や三線の基礎的な奏法、声部の役割に関心をもち、演唱することに意欲的 に取り組む。」 準備物 ・資料⑦「琉球文化について知ろう∼三線はどこからきたの?」プリント ・前時のプリント(予備) 展開 時間 指導上の留意点 学習活動 具体の評価規準 ○本時の内容を確認する。 導入 ○前時の確認 5分 ●新安里屋ユンタの歌詞(方 ◇方言を確認。 言)の意味を確認する。 観点1一① (ワークシート) 観点1一②(観察) ○教師の三線伴奏(プロの演 奏)で新安里屋ユンタを歌う。 ○三線の準備をする(ケース、 ◇三線の取り扱い方を注意す 袋から取り出す、置き方)。 る。 ○各部名称、取り扱い方、姿勢、 ◇前時のプリントをみて確認す 弾き方の確認をする。 る。 観点1市③(演奏) 展開 ○勘所の確認をする。 観点3一②(演奏) 35分 ○調弦をする。 ◇ピアノと教師の三線の音に合 わせて生徒が各自で行う。 ○全員で解放弦の音を合わせ ◇解放弦の音は琉球音階の基本 る。 の音であるので、調弦に慣れる ことで琉球音階に慣れ親しむこ とを意識させる。 ◇調弦の微調整は教師が行う。 ◇三線を置くように指示する。 142 観点1一① ◇r琉球文化について知ろう∼ 三線はどこからきたの?」プリ ソトを配布する。 ○琉球文化(オモロ・三線・工 ◇人々は暮らしの中でさまざま 工四・琉歌)について知る。 な気持ちを歌にして表現してい 観点1一① た。長い歴史で伝承されてきた ものが民謡であり、沖縄には豊 富に残っているということを伝 える。 ◇琉球文化についてはワークシ 一トやプロジェクターを交互に 活用して、飽きさせずに確認し ていくとよい。 ○全員で解放弦の音を合わせ ◇姿勢、弾き方勘所を確認させ る。 る。 ◇ポジションを覚え易くするた めに工工四を口ずさみながら弾 くようにさせる。 ○三線を片づける。 まとめ 10分 ◇三線の片づけ方を確認する (ウマを必ずたおすように言 う)。 ◇次回の予告をする。 143 観点1一③(演奏) 資料⑦ 琉球文化について知ろう∼三線はどこから?(A3用紙左ぺ一ジ) 文倣二ついて鋤ろラ 約§鰹瞳ぎこからき挺⑳曾紬 オ害口についτ 小さな島国で資源にとぼしかった琉球は、中国への進貫 貿易をきっかけに東アジア・東南アジア諸国など、海外の 文化を積極的に取り入れて琉球独白の文化を形成しまし た。 沖縄に文字が伝わったのは13世記頃で、日本本土からや ってきた禅僧によるものでした。文字の伝来によって、オ モロなどの古歌謡も編集されるようになりました。 オモロは、昔の琉球の人々の祈りや感情を表現した叙害 的歌謡です。自然豊かな風景や太陽の美しさ、神々への儀 礼、酒宴や航海、戦争、恋愛を歌ったもの、地域の有力者 や国王を讃えたものまで多岐にわたっています。 歌われた地域も奄美から宮古・八重山諸島までの広範囲 におよんでいます。これを集大成したものが『おもろさう し』(全22巻1554首)です。 当時オモロの解明は大変困難だといわれていましたが、 祖先が残して<れた歌を理解したいと献身的に研究を行っ たのが、那覇市出身の伊波普徴(いはふゆう)という人で す。 144 資料⑦ 琉球文化について知ろう∼三線はどこから?(A3用紙右ぺ一ジ) 璽…1・世紀から1・世醐頭にカ・けて、中国から三線(サンシン)が 伝えられ、琉球芸能に大きな影響を与えました。中国から伝えられた三 線は、当初は宮廷楽器として定着し、王府を中心に三線歌曲の創作活動 が活発になったと考えられています。 琉球王朝時代の三線の演唱は±族男子の嗜み、教養として伝えられ、 三線音楽は男子中心の音楽へと発展しました。 塵函・一・用ニヒルマニシキヘビの蛇皮を張っている沖縄の三線は、本土の 猫の皮を張る三味線と区別するために「ジャヒセン』「ジャビセン」と いう呼び方を広くされていたが、沖縄ではこのような呼称はきらわれ 『サンシン』という呼称が一般的です。 ■□・=線の悼には、現在7つの型があります。その多くが制作者 の名をとって命名されており、南風原型1知念大工型・久陽春縦 型1久葉の音型・真壁型・平仲知念型■与那城型の7つです。 匡:酉…1・醐になると醐北朝寄カ仲国の楽譜にならって一線の繍 「工工四』をつくりました。それを知念績高が現在の「ユエ四」の もとになる形を考案し、その弟子の安冨祖正冗と野村安竈によって 古典音楽の安冨祖耽・野村流がひらかれました。 塵雪…沖縄の人・はかなり古い時代から、日常生活で経験した出来事を、 即興時にしてうたっており、これに三線の伴奏でうたう技法が加わり、 8・8・8・6音の表現技法(琉歌)が確立して、哀愁をおびた独特の音楽が つくりだされたのです。 145 本時の目標(第3時) 「三線の基礎的な奏法の特徴を生かして三線を弾き、演唱することを身につける。」 準備物 ・資料⑧=工工四噺安里屋ユンタ) .・ 送ソ⑨1対比楽譜(新安里屋ユンタ) ・前時までのプリント(予備) 展開 時間 指導上の留意点 学習活動 具体の評価規準 ○本時の内容を確認する。 導入 ○工工四を見ながら、教師の三 ◇歌詞カードではなく、工工四 線伴奏(プロの演奏)で安里屋 をみて歌えるようにする。 ユンタを歌う。 10分 ○前時の確認 ○琉球文化(オモロ・三線・工 ◇発間して生徒に発言させるよ 工四・琉歌)について確認する。 うにする。 観点1一①③ ○三線の準備をする。 ○調弦をする。 ◇ピアノと教師の三線の音に合 観点3一②(演奏) わせて生徒が各自で行う。 ○勘所の確認をする。 ◇慣れてきたらシールを意識せ ずに音を聞くように注意する。 ○解放弦の練習をする。 観点3一②(演奏) ◇簡易な曲を練習曲として取り 入れてもよい(例:みるくむな りの前奏のみ)。 展開 ○解放弦の小テストをする。 ◇解放弦の小テストを行い、確 観点1一③(演唱) 実に習得していけるようにす 35分 る。 ◇資料⑧ユエ四(新安里屋ユン タ)資料⑨対比楽譜(新安里屋ユ ンタ)を配布する。 ○対比表の読み方を知る。 ◇対比楽譜の読み方を説明する (五線譜に慣れている生徒にと って理解しやすいように、導入 では五線譜と対比出来るように する)。 146 観点1一①(観察) ○安里屋ユンタの工工四の確 ◇歌詞と工工四を同時に読ませ 観点1一③ 認をする。 るようにする(ゆっくりでも歌 観点3一② 詞と三線を同時に並行して進行 する)。 ○各自確認する。 ◇理解が難しい生徒に指導をす る。 ○全員で工工四を見ながら勘 所と歌詞を合わせて、演唱す ◇三線が伴奏楽器であることを .意識させる。 る。 まとめ 5分・ 〇三線を片づける。 ◇次回の予告をする。 147 晒 曽 11ド1∵ザヂl l㍗1、㍗才箏安1量 『 糠 rラ 川 離 鱒 中 肘 』 十 濁 1ヨミ 上 一糠 畠婁 8 8 o} 昌 由 ■ oo 。里 ミ《 @ラー榊中 屋や藤 中中中・=1中ホ・1王 工工上買・上ユニ・エ七 ハ中 上工 μ 合 合 七 合チ・合合ヒ・ユエ …五 ヰ・上合 合 “ 工 工合エン.合ユキ.工合 ユエ ンニ 薄 嚇 鴫 舳島耳葦り 丘 } @……・1合合 タ嚢 合 合七合州中い1王 乙 五合乙か乙上ハ・止七 ・五ワ・工乙五 百 エ七四四ルー四五 ヵ・エバ申四エ >ト 四 中 ○七中・・申○合 ナ・中中○ 商 上 四 五 上シ・上呼マ・醐工 享・エ カ・上上 四 ) 老 四 ○ 合工老台タし中 ノ吐老台 本、 呈四四上川1土上 ユリイ岬四呈 調1 合上合合合 イ・五一国○合 資料⑨ 対比楽譜:新安里屋ユンタ1 安星屋ゆんた 作胴:呈宣/〈貫山奥轄 歌 [3r r3’■ 1’3『 3−r r−3 一一 …I■一■■凸」一山一 ■ L−L一‘ ■11’0I凹■■■■1一一“一1 圃ピ3r 至掠 女弦 r−3−r 1一一3−r r3−r 卜3r 中弦 甥弥 r−3−r r31 . U l ■}I き サー r■“ 1 r3r.3. r3『 rjrr3■ み はのな らのは一 のいば か 窒Rr [3−r [3r ユイ く r3−l r3 rκ「r3 れ てかえ R一「 r−3・r r’一1 Nr r3r ” 1 と める e3r r6r マ ダハ} 1 ■ e3r r3「 r3r 「o■ れ ぱヤレ , ” 秩│3r トトr [3−r 潤f u r3r r3r 「“一I ダ 一I ラカ ヌ シヤ マヨ’ @ r3’I @F3r [3r ト3r r−3r 3 ホ ニひき 1 1知名定男『めんそ∼れ!知名定男の三線入門』日本放送出版協会2009p.85 149 1 秩│3一一1 庁3r P’3「 rト1 r3r r3■ r3r . “1「 リ ヌツン 一か u r3r r3一「 ユイ な 窒R1 ○ サー j’r 本時の目標(第4時) 「歌詞の内容や曲奏を感じ取って、イメージをもって三線を演唱し表現を工夫する。」 準備物 ・前時までのプリント(予備) 展開 時間 指導上の留意点 学習内容 具体の評価規準 ○本時の内容を確認する。 導入 ○三線の準備をする。 10分 ○調弦をする。 ◇ピアノと教師の三線の音に合 観点3一②(演奏) わせて生徒が各自で行う。 ○前時の確認 ●安里屋ユンタの工工四を見 ◇指と芦(歌詞)が合うように ながら勘所と歌詞を確認する。 生徒のぺ一スを考慮しながらゆ っくり確認していく。 展開 35分 ○工工四を見ながら、教師の三 ◇弾くことだけでなく歌詞も同 線伴奏(プロの演奏)で安里屋 時に歌、演唱することを意識さ ユンタを歌う(出来るなら自分 せる。 も演唱する)。 ◇三線を弾くことにいっぱいい 観点1一③(演唱) っぱいにならないように、歌を 楽しめるように意識させる。 02パートに分かれ、安里屋ユ ◇隣同士で難子と歌の2パート ンタを掛け合いで演唱する。 に分けて、掛け合いさせる(本 来の歌い方を学ぶために)。 まとめ 1O分 〇三線を片づける。 ◇次回予告をする。 150 観点2一②(演唱) 本時の同標(第5時) 「歌詞の内容や曲奏、言葉の特性と旋律や強弱とのかかわりを感じ取って、自分なりのイ メージをもって表現を工夫する。」 準備物 ・プロジェクター(歌詞・工工四) ・前時までのプリント(予備) 展開 指導上の留意点 学習内容 時間 具体の評価規準 ○本晴の内容を確認す乱 導入 〇三線を準備する。 10分 ○調弦をする。 ◇ピアノと教師の三線の音に合 観点3帖②(演奏) わせて生徒が各自で行う。 ○前時の確認 ●新安里屋ユンタの工工四の ◇工工四を見ながら勘所と歌詞 確認をする。 を確認する。 観点3一① ◇訳も確認する。 ○次回の発表グループを決め ◇4,5人一組のグループをつく る。 る。 ○グループで新安里屋ユンタ ◇グループの仲間同士で合わせ 観点1一②③ の演唱を練習する。 たり、教え合ったりするよう注 観点2一② 展開 意する。 観点3一①②③ 35分 ◇気になる生徒へ個別指導をす る。一 ○グループで新安里屋ユンタ ◇演唱の小テストを行い達成度 の演唱の小テストを受ける。 を確認する(別の部屋で行い、 他の生徒は個人練習をする)。 ○全員で新安里屋ユンタを演 唱する。 ○プロジェクターで歌詞・工工 ◇前を見て演唱することで姿勢 四を映して、全員前を見て演唱 や発声を良くすることを意識さ する。 せる。 151 観点1一① まとめ 5分 ○三線を片づける。 ◇次回予告をする(次回はクラ ス発表会であることを伝える)。 152 本時の同標(第6時) 「歌詞の内容や曲奏、言葉の特性と旋律や強弱とのかかわりを感じ取って演唱することに 意欲的に取り組む。」 「歌詞の内容や三線の音色の美しさを感じとって、唄や三線を楽しんで鑑賞する。」 「他のグループの演唱を聴いて、よかった点や改善点を考える。」 準備物 ・資料⑩:鑑賞ワークシート ・プロジェクター(歌詞・工工四) ・前時までのプリント(予備) 展開 指導上の留意点 学習活動 時間 具体の評価規準 ○本時の内容を確認する。 導入 ○三線を準備する。 5分 ○調弦をする。 ◇ピアノと教師の三線の音に合 観点3一②(演奏) わせて生徒が各自で行う。 ○全員でプ1コジェクターをみ ◇テンポ・勘所・旋律の音程・ て演唱する。 発声・姿勢など注意する。 ○発表グループで練習する。 ◇各グループ順番に教師が確認 観点1一②③(演唱) 観点1一①(観察) する(合わせ方や発声、姿勢、 弾き方について最終確認をす る)。 展開 40分 ○各グループごとにクラス発 ◇資料⑩鑑賞ワークシートを配 全ての観点(演唱・観 表会をする。 存する。 察・ワークシート) ◇初めに鑑賞の観点や発表マナ 一について説明する。 ◇進行をする。準備の合間にワ 一クシートを記入させる。 ○感想ワークシートを記入す ◇鑑賞ワークシートにまとめを る。 記入させる。 ○三線を片づける。 まとめ 5分 ◇全6時間を通してのまとめを いう。 153 資料①産業ワークシート(A3用紙左ぺ一ジ) 褒塁屋ユンタ発表会 窮監賞ワ日クシ日ト 平成 年 月 日 :いへんよい→A よい→8 もう少し改善できるな→C 各項目であてはまるものに◎をつけて ☆よかった点1改善点を書こう♪ グルーブ) 1.( ● ●●●●●● ●●● ■ ● ●● ●●● ● ● ●●●● ● ●●● ■● ● ・☆よかった点・改善点 : ■ ■ ● ● ● ■ ■ ■ ● ● ● ● ● ● ● ● ■ ● ● ● ● ● ● ● 評価 チェック項目 ● ■ 姿勢はよいか(顔は前を向いている・弾き方・座り方) 歌声は大きく、歌詞の内容を表現しようとしているか 三線を弾けているか 演唱できているか グルーブ全員で合わせられているか 安里屋ユンタを楽しく演唱しているか A B C A B C A B C A B C A B C A B C ■ ● ● ● ● ● ● ● ■ ● ■ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ●■ ■ ● ●● ● ■■■ ● ■ ●●●●●●● ● ●●● ■ ● ● ● 2.( グルーブ) .●●●●●●●■●●●●.●・●●.・.・… .・●●、 評価 チェック項目 姿勢はよいか(顔は前を向いている・弾き方・座り方) 歌声は大きく、歌詞の内容を表現しようとしているか 三線を弾けているか 演唱できているか グループ全員で合わせられているか 安里屋ユンタを楽しく演唱しているか A B C A B C A B C A B C A B C A B C :☆よかった点・改善点 : ・ ● ・ ・ ・ ■ ・ ・ ・ ・ ・ ● ・ ● ・ ● ・ ● ・ ● ・ . ・ . : ・ . ● ・ . : ・ ・ ・ . ● ・ . : ・ ■ ・ . ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ .●・・●■・・■■●●■●●●●●●●●●●■●●●●●● 154 資料⑩ 鑑賞ワークシート(A3用紙右ぺ一ジ) ●■■■■●●●●■●■■■●●●■●●●●●‘●●●、 3.( グルーブ) :☆よかった点・改善点 : 評価 チェック項目 姿勢はよいか(顔は前を向いている・弾き方・座り方) 歌声は大きく、歌詞の内容を表現しようとしているか 三線を弾けているか 演唱できているか グループ全員で合わせられているか 安里屋ユンタを楽しく演唱しているか A B C A B C A B C A B C A B C A B C ・ ● ・ ● ・ ● ・ ● ・ ● . ● ● ● ・ ● ・ ● ・ ● ・ ● ・ ● ・ ● ・ ● ・ ● . ・ ・ ■ ・ ■ ・ ■ ・ ■ . ● ・ ■ . ■ ● ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ● ● ■ ■ ● ● ■ ● ● ● ● ● ■ ■ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■ グルーブ) 4.( ・ ■ ・☆よかった点・改善点 . 評価 チエヅク項目 姿勢はよいか(顔は前を向いている・弾き方・座り方) 歌声は大きく、歌詞の内容を表現しようとしているか 三線を弾けているか 演唱できているか グループ全員で合わせられているか 安里屋ユンタを楽しく演唱しているか A B C A B C A B C A B C A B C A B C ・ ● ・ ■ ○ ■ ・ ■ ・ ■ ・ ■ ● ・ ■ : ・ ■ ・ ● ● ・ ■ ・ ■ ・ ● ・ ■ ・ ■ ・ ■ ・ ■ ・ ■ ・ ■ ・ ● ・ ■ ・ ■ ・ ■ ・ ■ ● ● ●■ ● ● ● ● ■ ● ● ● ● ■ ● ● ● ● ■ ■ ■ ● ●■ ■● ● ● ● ● T、( . グルーブ) : ● ■ ● ● ■ ■ ● ■ ● ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ● ■ ● ■ ● ● ■ ● ● ■ ● ● ● .☆よかった点・改善点 ・ ● ● ● ● ● ● ● ● ■ ●●● チェック項目 評価 姿勢はよいか(顔は前を向いている・弾き方・座り方) 歌声は大きく、歌詞の内容を表現しようとしているか 三線を弾けているか 演唱できているか グループ全員で合わせられているか A B C A B C A B C A B C A B C 安里屋ユンタを楽しく演唱しているか A B C : ■ ● ● ● ■ ■ ● : ● ● ● ■ ● ● ● : ● ● ● ● ● ● ■ ■ ● ● ● ■ ● ■ ● ● ● ● ● ■ ● ● ● ■ ■ ● ■ ・■■■■■■■●■■■●●■●■●■■.・■・・・… ♪三線を演唱してみてどうだったかな?感想を書こう♪ 155 第3節 指導上の留意点 これまでに学校教育現場においての伝統音楽指導の意義やあり方、課題点について考察 してきた。第2節では、そのことを踏まえた上で実際の教育現場で使用することを想定し た学習指導案の一例を提示した。この指導案を用いて指導するにあたり、より効果的に取 り組めるように、指導内容の意図や具体的な方法をいくつか留意点として挙げ、・さらに課 題点も共に述べていきたい。 まず、琉球民謡を三線を用いて演唱する際には、歌うことに重きを置くべきだというこ とである。というのは、今回の指導案では三線を取り入れて琉球民謡を演唱する活動とな っているが、三線に触れたことのない生徒が、琉球民謡を演唱しようとすると、まず「歌 う」ことよりも三線を「弾く」ことに習得時間を要するため、三線を弾くことに意識が向 いてしまいがちになる。そのため、琉球民謡を歌うことよりも、三線を弾いたという印象 になってしまうことや、本来の目的である琉球民謡を歌うということを十分に楽しめなく なる恐れがあるからだ。 三線の指導で時間が大幅に取られるので器楽の領域に偏りがちであるが、琉球民謡を学 ぶ上では、歌うことも重視して指導し、演唱ができるということを達成目標として取り組 むことが重要である。「沖縄の歌・三線の特色は、三線の弾き手が歌い手を兼ねるという〈絃 声一体〉の関係にあり、技巧的には絃と声とは同時進行ではなく、そこに微妙な味わいを 追求するところにあります。」1というように琉球民謡の演唱の魅力は一人で弾き歌いをする ところにあるので、この魅力を十分に生徒が味わえるよう工夫する必要がある。 次に段階を踏んだ指導について述べる。琉球民謡を取り扱う際には、琉球民謡の初歩的 な曲から発展的な曲まで段階を踏んで学習を進めて行けるようにしたい。具体的には、本 調子の曲を何曲かマスター出来たら、調子の違う曲を取り扱うことが望ましい。そうする 1大城學「三線音楽分率演目解説」財団法人国立劇場おきなわ運営財団2005p.16 156 ことで調子が違う曲があるということや、調弦の変え方を学ぶことにも繋がる。 今回の指導案の教材には、初歩的なものとして〈安里屋ユンタ〉を用いた。〈安里屋ユン タ〉は本調子の曲で、県外・県内で馴染みのある曲である。初めて三線を弾く生徒にとっ ては導入として適しているといえる。また背景としても元歌の〈安里屋ユンタ〉からく安 里屋節〉へ、〈安里屋歯〉を〈新安里屋ユンタ〉への移行があるため内容を掘り下げ易いだ ろう。また、歌詞の物語も興味深いものがあり、歌詞を学ぶなかで琉球方言に触れ、琉球 民謡の魅力に気付けるようにすることが重要である。 今回は取り扱っていないが、発展的な曲として〈ていんさぐぬ花〉を扱うとよいだろう。 歌詞に8・8・8・6の表現技法が使われているので琉歌の勉強にもなる。また、〈安里屋ユ ンタ〉は本調子の曲であるが、〈ていんさぐぬ花〉は二揚ヴ調子の的なので、調子の違う曲 を扱うことで調弦の仕方や、調子の違う曲についても学ぶことができる。 楽譜については、今回は歌詞カード・五線譜・工工四・対比楽譜の4つの種類を取り扱 った。本来ならば、工工四から歌詞や三線のポジションなどを読み取り、演唱することが 望ましいが、初めて三線を弾く生徒には]二工四を読み取ることは容易ではなく理解するこ とに時間を要すると思われるため、理解の手助けとして見慣れている五線譜を用意した。 また、工工四との対比がしやすいように五線譜と工工四の対比楽譜も用意した。 留意点としては、五線譜や対比楽譜を、工工四を読むための理解の手助けとして扱うと いうことだ。基本的には工工四をみて演唱するようにし、参考資料のような形で五線譜と 対比楽譜は使用するようにしたい。 また、コニエ出は多数出版されており、種類も多いが、生徒が解りやすいものであればよ いだろう。同じ曲であっても出版杜や楽譜によっては難易度が異なっているので、工工四 の難易度は生徒が選ぶことができるようにするとよい。工工四を2パターン用意し、難易 度Aと難易度Bを両面刷りにしたプリント(巻末に添付)を配布し、生徒個々人が自由に 難易度を選択できるようにすれば、それぞれのぺ一スで学習を進めることが可能となり、 より達成感や充実感を味わうことができるだろう。その際はどちらを選択しても成績には 157 反映しないことにするなど生徒の実態に合わせてルールを変えて取り組むことも考えられ る。 次に調弦について述べる。第2章の第3節「沖縄県教員へのアンケート調査」では、琉 球伝統芸能を取り扱う際に教材研究で困ったこととして、「三線のチンダミ(調弦)に関し て、各自で取り組ませることが難しい」「チンダミが難しく、生徒ができない」という回答 があった。全ての三線を教師が調弦をすると、時間がかかるうえに生徒の授業に対する緊 張感を薄れさせてしまう恐れもある。また、調弦は琉球音階の基本の音であるため、生徒 が自分で調弦をすることによって琉球音階に慣れることに繋がるだろう。初めて調弦をす る生徒にとって、音を聞き分けることは容易でないので、チューナーを使って音が合って いるかを各自で確認できるようにするという方法も効果的である。しかし、その場合はチ ューナーに頼り過ぎないように注意しなければならない。ピアノの音を鳴らし、その音に 合わせて調弦できるようになることが目標として挙げられるので、音に慣れるまでの間の 最終確認としてチューナーを使うようにしたい。調弦を自分で出来るということは、琉球 民謡の演唱を保存・伝承するということに大きく関係しているため、生徒自身で出来るよ うに指導することが大切である。 次に、演唱を指導する際の手順について述べる。第2章の第3節「沖縄県教員へのアン ケート調査」と第3章「沖縄県立名護高等学校生徒へのアンケート調査」の回答では、三 線を弾きながら歌うことができないという生徒が大半を占めていることがわかった。この 現状を改善するために、今回の指導案では曲を三線で弾く練習をする際に、初めから歌詞 と工工四を同時に読むようにし、歌詞と三線を同時に並行して学習するようにした。なぜ なら、先に三線を練習してある程度弾けるようになってから歌をつけて演唱しようとする と、工工四と歌詞を一致させることが難しくなり、慣れるまでに更に時間が必要となって しまうからである。そのため、曲を練習し始めたらゆっくりでいいので、時間をかけて最 初から三線と歌を同時に練習することが重要である。また、工工四を歌詞と同時に読むこ とで三線が伴奏楽器であることの意識づけにも繋がり、演唱を習得する近道になるだろう。 158 しかし、実際に生徒が演唱することが困難であった場合には、クラスを三線を演奏するグ ループと歌唱するグループにわけて取り組み、生徒の伴奏で生徒が歌うことができたとい った形で目標を達成するということも考えられる。 159 第4節今後の課題と展開 本節では、本章で作成した学習指導案や第3節で述べた指導上の留意点を経て、今後の 課題と展望について述べていきたい。 三線の奏法には、「行音」「掛音」「二つ弾き」などがあるが、今回の指導案でとりあげた 安里屋ユンタではこれらの弾き方は使用しない。しかし、このような奏法は琉球民謡を演 唱する上で不可欠な奏法となるため、発展的な指導として2年生や3年生の学習に取り入 れることが理想的である。実際に取り入れることが困難な場合は、鑑賞活動を通して紹介 できるとよいだろう。 生徒がより長い時間琉球民謡に触れることができるようにするために、休み時間や準備 時間などに、様々なアレンジの民謡をCDやDVDを通して鑑賞できるようにする。そうす ることで、・琉球民謡を演唱する姿をよりイメージしやすくなるだろう。また、生徒がやっ てみたい、好きであるという曲があればその曲を授業で取り扱うことで、学習意欲の増進 にも繋がると考える。 さらに沖縄ではエイサーが非常に盛んであるため、エイサー音楽を取り扱うことも生徒の 興味・関心を引き出す手助けとなるだろう。小島美子は「沖縄の音楽は本土の音楽と同し くほとんどの場合に、体の動きと結びついている。(中略)音楽科の授業として、体の動き と関係なく音楽だけをやるのではなく、体育や舞踊と総合的に考える必要がある。j1と述べ ている。この身体の動きに結び付いているものとしては、琉球舞踊や組踊、エイサーなど が挙げられるだろう。先ほども述べたが、琉球伝統芸能であるエイサーは沖縄県の学校で は、学校行事の運動会や学園祭において盛んに取り組まれており、その指導は主に体育科 で行われている。しかし、エイサーを踊るためのエイサー音楽はCDなどの音源を使って いる学校がほとんどで、三線の生演奏ではない。そこで、音楽科においてエイサー音楽を 取り扱うことにより、体育科で行うエイサー音楽を生演奏で行うことができ、音楽科で琉 1小島美子『日本の音楽を考える』音楽之友社1976p.263 160 球民謡を学習する際の意欲の向上に繋がる。また、体育科でエイサーを本格的に取り組む ことが可能になり、生徒の発表の場も増え、学校全体の取り組みへと広げることができる だろう。 今回の指導案は全6時間扱いで作成しているが、年間指導計画において伝統音楽指導に時 数をあてることが困難な場合は、毎時の学習の導入として20分程度三線の演唱を取り入れ ることも考えられる。一か月に1曲、もしくは二か月に1曲といったぺ一スであっても、 毎時間演唱することにより琉球民謡に触れることができ、演唱する感覚を忘れずに着実に 身につけていくことができるだろう。 次に他教科との関連について述べる。音楽科の授業で琉球民謡を取り扱うにあたり、他教 科との関連が重要となってくる。まず美術科では「表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、 美術の創造活動の喜びを味わい、美術を愛好する心情を育てるとともに、感性を豊かにし、 美術の基礎的な能力を伸ばし、美術の文化についての理解を深め、豊かな情操を養う」2と なっており、音楽科の豊かな情操の育成と関係していると考えられる。具体的な活動案と しては、琉球民謡を鑑賞し、つかんだイメ∵ジを言葉だけでなく絵を描いて表現し、グル ープ発表やクラス発表をする。言葉だけでなく絵にすることで曲に対するイメージがより 具体的になり、曲に対する理解度や生徒同士の伝えあう活動がより深まるであろう。 また、特別活動の時間との関連も考えられる。特別活動では「文化や芸術に親しむ」こと がねらいに挙げられているため、音楽科との関連が重要であると考えられる。特別活動に おいての具体的な活動案としては、学級活動でカンカラ三線をつくり、それを使って音楽 科の授業で琉球民謡を学ぶことが挙げられる。さらに音楽科で琉球民謡を学んだ後に、学 習発表会などで発表の場を設けるなど、学校行事とも関連付けられるとよいだろう。しか し、カンカラ三線を取り扱うには注意が必要である。まず、本物の三線を弾けるようにな ってからカンカラ三線に触れる方がよいということである。というのは、カンカラ三線は 樟が本来の三線に比べ短いため、絃を押さえる指の感覚が狭くなってしまうからだ。この 2文部科学省『中学校学習指導要領』東京書籍 2008 161 感覚に慣れてしまうと、本物の三線を弾く際に絃を押さえる指の感覚がつかみにくくなる 恐れがある。本来の三線も安価な物であれば1∼2万で手に入るので、出来るだけ本来の三 線で取り組めることが望ましい。 さらに、国語科においては「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う 力を高めるとともに、思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし、国語に対する認識を深 め国語を尊重する態度を育てる」3とされており、伝え合う力や想像力の育成という観点は 音楽科と関連が深いといえるだろう。具体的な活動案としては、音楽科で扱う琉球民謡の 歌詞を国語科で深く学習することが挙げられる。琉球民謡の歌詞は琉球方言で書かれたも のが多いので、国語科において琉歌の学習をする際に取りあげることが可能である。また、 沖縄県の伝統芸能である組踊は国語科で取り扱われるため、組踊の学習に合わせて、音楽 科においても組踊で使われる琉球民謡を取り上げ、琉球方言を学習することができればよ り伝統音楽に対する理解が深まるだろう。琉球民謡を歌う上で歌詞である琉球方言の意味 を知ることはもちろん、琉球方言のイントネーションや言葉のリズムなどは大変重要であ るので時間をかけて学び、琉球民謡に慣れるようにしたい。教員が琉球方蓄を話せない、 又は詳しくない場合は地域の伝承者を招き、その地域に受け継がれてきた琉球方言を生徒 が学ぶごとができるとよいだろう。 また、教育現場の教師にとって、教材研究を深める時間をつくることや他教科との連携を 図ることは容易ではないことは今までにも述べてきて明らかである。そのため、教員自身 が琉球民謡を演唱することが困難な場合は、クラスのなかで三線を弾くことができる生徒 に三線を弾いてもらい教師が歌うという方法で指導する二とも考えられる。そうすること で三線が得意な生徒の活躍の場をつくることにも繋がる。しかし、琉球民謡の学習を進め るなかで生徒の手本となるように、最終的には教員自身が琉球民謡を演唱できるようにな ることが望ましい。佐野靖は「和楽器実技や作曲が得意ではない教師でも、教材研究を深 めることによってねらいを焦点化し、生徒側に立った学び方を提示することができるので 3文部科学省『中学校学習指導要額』東京書籍 2008 162 ある。」4と述べているように、教師自身が初心者として経験することが伝統音楽指導で大切 である。まず教員自身が琉球民謡に興味を持ち、教材研究に取り組むことで深い学びとな り、今後の伝統音楽指導へ繋がっていくのではないだろうか。もちろん、伝統音楽の技能 の向上は一朝一夕で達成されることはない。だからこそ地域に伝わる伝統音楽や伝統芸能 の学習には地域の人々の協力が必要となる。指導者自ら地元の伝承者から学び、あるいは 伝承者をゲストティーチャーとして招くなど、地域社会と学校との連携により、初めてよ り深い学習を展開していくことができる。第2章第4節で述べた南城市立大里中学校の事 例のように地域の伝承者が指導にあたり、各支部での取り組みを学校で発表するという方 法であれば地域の人々との連携が取りやすく、各地域の伝統芸能の伝承に繋がるだろう。 琉球民謡の学習の導入においては生徒や教員が取り組み易いように簡易なものであったと しても、最終的には今日まで伝承されてきた本物の琉球民謡を知り、到達することが重要 であると考える。音楽科は沖縄独自の優れた音楽文化を保存・継承していく義務や使命を 背負っているのではないだろうか。 今後、豊かな伝統音楽指導が学校教育現場において活発に行われ、地域の教育カの活性化 や生涯学習の進展、琉球伝統音楽保存に繋っていくことが望まれる。 4堀内久美雄『最新 中等科音楽教育法』音楽之友社2009p.113 163 おわりに 本研究は、沖縄県の音楽科教育において沖縄伝統芸能を指導する意義やその方法につい て考察し、沖縄県の音楽科教育での指導を周的とした、琉球民謡を用いた学習指導案を提 案するものである。 第1章第1節では、沖縄の歴史や地理、人々の信仰、伝統芸能の種類や使用されている 楽器についての概要をまとめ、『沖縄伝統英樹とはどのようなものであるかを確認した。 そして、第2節では、第4章で提案する学習指導案の教材として扱う、琉球民謡と三線に ついての概要をまとめた。 第2章第1節では、音楽科の中学校学習指導要領において、これまでに日本の伝統音率 指導がどのように扱われてきたのかをまとめた。その結果、平成20年度告示のものでは、 日本の伝統音楽と郷土の伝統音楽が共に、それまでよりも重視されていることがわかった。 第2節では、全国の学校教育において行われた沖縄伝統音楽指導についての実践例を挙 げ、取り組みの特徴をまとめた。沖縄県外の学校教育現場において、沖縄県の伝統芸能で ある琉球民謡や三線、エイサーなどに魅力を感じ、熱心に取り組んでいる学校があること が明らかになった。沖縄県内においても、郷土の伝統芸能を保存・伝承するために、学校、 地域、教育委員会、教育事務所が一丸となって取り組んでいる事例があることがわかった。 第3節では、沖縄県の音楽科において琉球伝統芸能指導は実際にどのように行われてい るのかを知るために、アンケート調査を行った。その結果、回答を寄せたすべての学校が、 琉球民謡を取り扱っていると答えるなど、関心の高さがうかがえた。しかし、全学年を通 して体系的に取り扱っている学校は少なく、時数や設備・備品の不足により指導の現場で は、三線を用いた琉球民謡の指導を行うことは簡単なことではないということが明らかと なった。学校教育において地域の伝統芸能にどう取り組んでいくか、今後どのような指導 体制を確立していくかということが課題として挙げられた。 第4節では、沖縄県南城市立大里中学校の「ふるさと伝統芸能まつり」の事例を挙げ、 164 取り組みの内容についてまとめた。この取り組みでは、多種多様な伝統芸能を学ぶ機会や 様々な人とのコミュニケーション宇図る場があり、伝統芸能への興味関心を引き出すこと ができていた。また、生徒と地域をつなぐ開かれた学校づくりがなされていることがわか った。しかし、この取り組みでは主に地域住民が伝統芸能指導を行っており、どのような 地区の学校でも同様の取り組みができるとは言い難い。 第3章では、沖縄県立名護高校の生徒を対象に琉球伝統芸能との関わりに関するアンケ ート調査を行った。アンケートの結果から、学校教育において琉球民謡を習ったことで、 琉球民謡への関心が高まることがわかった。しかし、授業で琉球民謡に取り組めたとして も歌詞の意味を理解することができない生徒や、三線を弾きながら歌うことができない生 徒が多数おり、授業の在り方や指導方法の課題が明らかになった。 第4章では、こ1れまでの考察を踏まえ、学習指導案を作成した。琉球民謡を三線を用い て演唱する際には、歌うということに重きを置くように留意した。琉球民謡は自ら三線を 弾きながら演唱するところに一番の魅力があり、この魅力を生徒が味わえるよう指導内容 を工夫した。 本研究によって、沖縄県の学校教育における伝統芸能指導の現状や、地域社会と学校と の連携が、。郷土の伝統芸能を伝承していく上で重要であることがわかった。また、琉球民 謡を取り扱うにはまず時数の確保が重要となり、さらには、教材・教具の有無も課題であ ることがわかった。 今後は、琉球民謡の発展的な指導法を模索し、郷土の伝統音楽指導の在り方について研 究を進めていきたい。そして、将来は教育現場でこの指導案を実践し、子どもたちに沖縄 独自の豊かな伝統音楽の魅力を伝えていきたい。 165 謝辞 本研究を進めるにあたり、たくさんの方のご支援とご協力をいただきました。 貴重な時間を割いてアンケート調査や聴き取り調査に協力して下さった、名護高校の高 江洲奈先生をはじめ諸先生方、生徒の皆様、沖縄県の音楽科教員の先生方や、フィールド ワークでお世話になりました大里中学校の諸先生方、生徒の皆様、地域の方々には大変感 謝しております。また、研究を進めるにあたり貴重なご助言をいただき、資料や情報を提 供してくださった琉球大学の大城學先生に心より感謝申し上げます。 指導教員の野本立人先生には、終始懇切丁寧なご支援とご指導をいただきました。初め て論文を書く私に、時に応じて厳しくご指導いただいたこと、またやさしく励ましてくだ さったことを通して、私自身の至らなさを実感することができたことは今後の努力の糧に なるものであります。 また、一段高い位置から常に見守ってくださり、適切にお導きくださった主任指導教員 の保坂博光先生、そして、様々なご助言、ご助力をいただきました芸術系コース音楽分野 の先生方にこの場をお借りして厚くお礼申しあげます。 そして、多くのご指摘をくださいました野本研究室の皆様、2年間と共に歩んだ院生の皆 様、常に私を支えてくれた家族に感謝いたします。この研究を通して体験し得たことや、 大学院で学んだことを今後に生かし、日々精進していく所存です。 協力していただいた皆様へ心から感謝の気持ちと御礼を申し上げたく、謝辞にかえさせ ていただきます。 2011年12年20目 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 教科・領域教育学専攻 芸術系コース 音楽分野 M102011 小那覇真弓 166 参考・引用文献及び資料 〈文献〉 ・新城俊昭『改訂版 琉球・沖縄の歴史と文化』編集工房東洋企画2010 ・岩上行忍『沖縄民謡の音楽的構造』音楽之友社1962 ・内田るり子『奄美民謡とその周辺』雄山閣出版社1983 ・内田るり子『沖縄の歌謡と音楽』第一書房1989 ・漆燭文彦『はじめての三線』晩餐杜2000 ・王耀華『中国と琉球の三弦音楽』第一書房1998 ・大城學『沖縄民用の系譜』ひるぎ社1996 ・大城學『沖縄芸能史概論』砂子屋書房2000 ・沖縄県教育委貴会『郷土の踊りの単元構成と展開』沖縄県教育委員会1978 ・沖縄県教育序文化課『児童生徒の組踊観賞会 執心鐘入』沖縄県教育委員会2000 ・沖縄県高等学校障害児学校教職員組合『沖縄の文学』沖縄時事出版1976 ・沖縄県高等学校障害児学校教職員組合『沖縄の文学く近代・現代編>』沖縄時事出版1991 ・おもろ研究会『おもろさうし精華抄』ひるぎ社1987 ・勝連繁雄『歌三線の世界一古典の魂一』ゆい出版1999 ・金子量重『音楽と芸能』学生杜1982 ・金城厚『沖縄音楽の構造』第一書房2004 ・宜保榮治郎『三線のばなし』ひるぎ社1999 ・郷土の文学編集委員会『わかりやすい 郷土の文学 中学校用』沖縄時事出版 ・組踊指導書検討委員会『組踊r執心鐘入」』沖縄県教育委員会2000 ・小泉文夫『フィールドワーク 人はなぜ歌をうたうか』冬樹杜1984 ・小泉文夫『子どもの遊びとうた一わらべうたは生きている』草思杜1986 ・小島美子『日本の音楽を考える』音楽之友社1976 ・小島美子『歌をなくした日本人』音楽之友社1981 ・小島律子『日本伝統音楽の授業をデザインする』廣済堂出版2008 ・後藤亘『沖縄音楽ディスクガイド』TO蛆OFM出版2003 ・島袋全襲『沖縄童謡集』平凡杜1972 ・知名定男『めんそ∼れ!知名定男の三線入門』日本放送出版協会2009 167 ・中等科音楽教育研究会『最新 中等科音楽教育法』音楽之友社2009 ・照星寛善『沖縄の古典芸能』第一書房1989 ・仲井真元槽『沖縄民話集』社会思想杜1974 ・神宗根幸市(他著)『沖縄の歌100選』ラジオ沖縄1994 ・仲宗根幸市『南海の歌と民俗 沖縄民謡へのいざない』ひるぎ社1985 ・神宗根幸市『恋するしまうた 恨みのしまうた』ボーダー新書2009 ・日本放送協会『日本民謡大観(沖縄・奄美)』日本放送出版協会1991 ・東」l1清一『日本の音階を探る』音楽之友社1990 ・藤田正『沖縄は歌の島』昌文杜2000 ・編集委員会『諸民族の音一小泉文夫先生追悼論文集』音楽之友社1986 ・外間守善・宮良安彦『南島歌謡大成 1V.八重山篇』剣11書店1979 ・堀内久美雄『最新 中等科音楽教育法』音楽之友社2009 ・三隅治雄 『日本民謡全集 ⑤九州・沖縄編』雄山閣出版株式会社 1975 ・山内昌也『楽しい沖縄三線教室』千野出版事業部2003 ・山下浩『これからはじめる!1沖縄三線入門∼これだけは知っておきたいすべてが見て・ 弾けるDVD付∼』ドレミ楽譜出版社2011 <論文> ・伊志嶺朝次「琉球音楽研究について一ある立場よりの問題提起一」琉球大学教育学部紀 要15集PP,165・169 ・伊野義博、松浦良治、森下修次際灘子の教材化試案 内野先太鼓の事例から」新潟大 学教育人間科学部付属教育実施総合センター 教育実践総合研究 創刊号,pp.31・46 2002 ・大城學「三線の歴史と文化」沖縄県立図書館紀要pp.49−612006 ・久万円晋「沖縄音楽研究の現在一民族音楽・ポピュラー音楽を中心に一」音楽情報科学 pp.30i8 1999 ・津田正之噺聞づくり活動にみる『沖縄音楽』についての学びの諸相一子ども主体の郷 土音楽学習への一視点一j琉球大学教育学部教育実践総合センター紀要9pp.43・67 2002 ・名早川葉子「高等学校音楽科における授業づくりに関する研究:郷土芸能の教材化を中 168 心として」兵庫教育大学大学院学位論文 2000 ・山本詩織「沖縄・波照間島の音(音楽)と文化」兵庫教育大学大学院学位論文 1990 ・渡辺亜希子、舞澤典子、中山裕一郎暗楽科における異校種間連携に関する研究一小・ 中・高校教員へのアンケート調査の実施とその報告を中心に一」信州大学教育学部研究 論集,1pp.55・672009 <資料> ・大城學「沖縄の伝統文化を学ぶ」岐阜女子大学 文化情報研究V o1.12No,3pp.1・12 2010 ・大城學「三線音楽公演 演目解説」財団法人国立劇場おきなわ運営財団pp,16−242005 (2005年に国立劇場沖縄で第四回二線音楽公演「琉球弧のひびき」が行われた際に、演 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アンケート調査ご協力のお願い この資間紙は、沖縄県の小学校・中学校・高等学校の音楽科教育においての琉球伝倣芸能学習に ついて調査し、音楽科教育においての伝統芸能の在り方を研究していくことを目的とするものです。 質問紙は完全に匿名性が保たれるよう、痛記名方式です。この調査によって得られた全ての柵報 は統計的に処理され、研究のためのみに使用させていただきますので個人の情報が公表されること はありません。 ご協力のほど、よろしくお順い申し上げます。 2011年7月13日 兵庫教育大学 学校教育研究科 芸術系コース音楽分野 野本立人研究室 ’1、那馬 ;真;弓 ☆以下の必要事項を記入してからアンケートに答えてください。 アンケートに回答した年月日:2011年 月 目 ※あてはまるものに○をつけて下さい。 性別: 1 男性 女性 〕 教師歴: 年 ※差し支えなければご記入お願いします。 学校名:____________雌壁上直豊堂撞 教科名: お名前: \ 連絡先: 以下に示される質問についてあてはまるものにOをつけて下さい(複1数回答可)。 一※琉球伝統芸能には琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇などを含みます。 (1)音実科の授業で琉球伝誠芸能を取リ扱ったことがありますか。 1.ある 2.ない ※(1)であると答えた方は次の(2)以降の質問にお答え下さい。 ないと答えた方はP5(24)∼(27)の質問にお答え下さい。 音楽科の授業で琉球伝維芸能を取リ扱ったことがある方は 次の(2)∼(18)の貢間にお答え下さい。 (2)対象学年は何年生ですか。 1.小学校→ (1年生・2年生・3年生・4年生・5年生・6年生 ) 2.中学校→ (1年生・2年生・3年生 ) 3.高等学校→(1年生・2年生・3年生 ) (3)各字年を通して体系的に取リ扱っていますか。 1.全学年を通して取り扱っている 2.2学年を通して取り扱っている→( 年生と 年生) 3.1学年で取り扱っている→( 年生) (4)教材には何を選択しましたか。 1.琉球民謡(三線を含む) .2、エイサー 3.琉球舞踊 4.組踊 5.沖縄歌劇 6.その他 (5)取リ扱った曲目は何ですか。 (6)取リ扱った教材や曲目を選択した意図や目的を教えて下さい。 (7)どの領業において取リ扱いましたか。 1.歌唱 2.器楽 3.創作 4鑑賞 ★裏面に続きま九〔=〉 (8)教材を取り扱った時徴を教えて下さい(大凡でも構いません)。 1.時数→( 時間) (9)授業で学んだ後に発表の場を設けていますか。 1.発表の場を設けている ら(発表の詳細: 2.発表の場は設けていない (10)教材・教具(_線等)ば学校の備品としてありますか。 1、ある→(楽器名: 2.ない (11)授業でブロの演奏を竈業させたことがありますか(ビデオ竈業も含む)。 1.ある 2.ない (12)ゲストティ チヤ を招き、児竈一生徒を指導してもらったことがあリますか。 1.ある 2.ない (13)児竈■生徒は琉球伝誠芸能の授業に対して充塞感を感じていると思いますか。 1.思う 2.やや思う 3.あまり思わない 4.思わない (14)琉球伝維芸能を授業に取リ入れてみてどう思いましたか。 1.手ごたえがあった→具体的に教えて下さい。 ⊂ 2.手ごたえがなかった (15)琉球伝維芸能を取リ扱う制二、教材研究等で困ったことばあリますか。 1.ある→具体的な理由を教えて下さい。 ⊂ 2.ない (16)玩球伝統芸能を取リ入れてみて、今後の課目点や困難な点などはありますか。 1.ある→具体的に教えて下さい。 ⊂ 2.ない (17)今後授業において取リ扱いたい、または取リ扱う予定の曲目があれば教えて下さい。 〔 (18)琉球伝就芸能の指韓にあたって大切二したいことはどのようなことですか。 〔 琉球反語を取り扱ったことがある方は次の(19)∼(23)にお答え下さい。 (19)琉球民雷を指韓する艘は三線の学習も共に行いましたか・ 1、三線も取り扱った 2.うたのみを取り扱った (20)授業の中でユエ四(二練の業晴)の読譜について取り上げたことがありますか。 1.取り上げたことがある 2.取り上げたことがない 』理由: (21)児童・生徒は一線を建きながら琉球民国を歌えるようになりましたか。 1.弾きながら歌える児童・生徒が大半 2、弾けるが、歌えない児童・生徒が大半 3.弾けないが、歌える児童・生徒が大半 ↓どちらもできない児童・生徒が大半 (22)琉球民緕の種自や屋史について取リ上げたことがありますか。 斗.取り上げたことがある 2.取り上げたことがない 』理由: (23)曲の育量や歌詞(方言)の意味について取リ上げたことがありますか。 1.取り上げたことがある 2.取り上げたことがない 』理由: ※琉球民謡を取り扱ったことのある方への質問は以上です。 4 ☆裏面に続きます。[二=〉 (1)の買間で琉球伝続芸籠を取リ扱ったことが姐と答えた方は 次の(24)∼(27)にお答え下さい。 (24)音楽科の授業において琉球伝続芸能の字書は必真だと思いますか。 1.思う 2.思わない (25)琉球伝統芸能を取リ扱った二とがない理由を教えて下さい。 1.教材がないため 2.教具がないため 3.指導方法が明確でないため 4.選曲が難しいため (26)琉球伝統芸能に謁して今書授実において取リ扱いたい教材や教具がありますか。 1.ある→具体的に教えて下さい。 ⊂ 2.ない (27)琉球伝統芸能を取リ入れる課の課題や困難な点などはありますか。 1.ある→具体的に教えて下さい。 〔 2.ない 質問は以上です。最後に記入漏れがないかもう一度お確かめいただければ幸いです。 ご協力いただき心からお礼申し上げます。 5 生徒用 琉球伝統芸能に関する アンケート調査ご協力のお願1い この質問紙は、沖縄県民の琉球伝統芸能との関わりを調査し、音楽科教育においての伝統芸能の 在リ方を研究していくことを日的とするものです。 貫聞紙は完全に匿名性が保たれるよう、無記名方式です。この田査によって得られた全ての仙報 は統計的に処理され、研究のためのみに使用させていただきますので個人の情報が公表されること ばありません。 ご協力のほど、よろしくお屑い申し上げます。 2011年7月13目 兵庫教育大学 学校教育研究科 芸術系コース音楽分野 野本立人研究室 小那馬 貫弓 ☆以下の必要事項を記入してからアンケートに答えてください アンケートに回答した年月目:2011年 年齢: 学年: 性別:(あてはまるものにOをつけて下さい。) 〔 男性 女性 〕 月 目 これから琉球伝統芸能について貢間します。 以下に示される質問1二ついてあてはまるものにlOをつけて下さい(複数回答可)。 ※琉球伝統芸能には琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇 などを含みます。 (1)家族で琉球民罰を(三線を用いて)副き歌い出来る人はいますか。 1.いる→(祖父・祖母・父・母・兄弟・その他 (家庭でよく聴く民謡名= 2.いない (2)家庭や地域、学校で琉球伝統芸能の実演を録責した二とがありますか。 1.ある ら(いつ:O∼5歳・小学校低学年・小学校高学年・中学校・高校) (何を:琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇・その他 (覚えている曲名: ) (どこで:家庭・地域・学校・その他 2.ない (3)あなたは家産や地域活動(子ども会など)で玩球伝統芸能を習ったり、体酸したリしたことが ありますか。 1.ある 』(いっ:0∼5歳・小学校低学年・小学校高学年・中学校・高校) (何を:琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇・その他 ) (覚えている曲名: ) 2.ない (4)学校で玩球伝統芸能を習った二とがありますか(ビデオ字書や知慮面の学普は除く実演を指す)。 1.音楽の授業で習ったことがある 』(いっ:0∼5歳・小学校低学年・ノ』・学校高学年・中学校・高校) (何を:琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇・その他 ) (覚えている曲名: ) 2.音楽以外の授業で習ったことがある ら(いつ:O∼5歳・小学校低学年・小学校高学年・中学校・高校) (授業名: ) (何を:琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇・その他 (覚えている曲名: ) 3.ない ☆今までに琉球民謡を習ったことがない人〔(5)∼(11)の質問に該当しない人〕は P4の(12)以降の質問にお答え下さい。 (4)の貫間で琉球民語に◎をし、今までに学校で琉球民語(_線を含む)を 一度でも習ったことがある人は次の(5)∼(9)にお答え下さい。 (5)琉球民田を育って歓蘭の意味を理組する二とができましたか。 1.理解できた 2.よく解らなかった (6)三線を弾きながら琉球民田を歌えるようになりましたか。 1.弾きながら歌える 「11黛〕 3.三線は習ったことがない (7)ユエ四(一線の業竈)を読めるようになリましたか。 1.読める 2.読めない 3.工工四は習ったことがない (8)好きな琉球民国はあリますか。 1.ある→(曲名= 2.ない→(理由: (9)琉球民留を習って良かったと思いますか。 1、思う→(理由: 2.思わない→(理由: 今までに琉球伝前芸能(民鵬を含む)を家庭や地域、学校で 一度でも習ったことがある人は次の(10)(11)にお答え下さい。 (10)琉球伝続芸能を習った二とで、今までよりも琉球伝維芸旧=興味・麗心は演きましたか。 1.興味が湧いた 2.湧かなかった (11)琉球伝続芸能を習った二とで、今までよりも沖崎の歴史や方言に興味・関心は通きましたか。 1.興味が湧いた 2.湧かなかった ☆裏面に続きます。⇒ 今までに琉球民鵬(三線を含む)を家庭や地域、学校で一度も習ったことがない人は 次の(12)(13)にお答え下さい。 (12)民謡は好きですか。 1.好き→(理由: 2.好きではない→(理由: (13)今侵、琉球民罰を習ってみたいと思いますか。 1. 思う一→(理由: 2.思わない→(理由: 全ての人が次の(14)∼(17)1二お答え下さい。 (14)音楽の授業で雪う音楽は好きですか。 1.好き→(歌唱・合唱・器楽・鑑賞・創作) 2.好きではない→(理由: (15)業暮は何かできるものがあリますか。 1.ある→(理由: 2.ない→(理由: (16)カラオケは好きですか。 1.好き 2.好きではない (17)好きなアーティストはいますか。 1.いる→( 2.いない 質問は以上です。最後に記入漏れがないかもう一度お確かめいただければ幸いです。 ご協力いただき心からお礼申し上げます。 4 H H 眉 ・刊 工 田・町田・田谷 田合 ヒ晒 倉 晒四匝フ 上 工 ’・’ 工 ’中 観五 合 食合 「 町 ユ上 ア 合 フエ ノエ 尺、 合 長中 今 上よ、 主よ、 函, 中上 † 画 上 中 A 町 乙 工田 口〕洲二し工田 申’ 田 ワ岩 中中中田 ?@’ 上A 上上上A コ田■ 念 中ワ惧合 ■ こ ζ こ . こ 田 回 峰 シエ 中阿 よ †中 ェ ユ 工 ナ合 ツ名 ユ 一中 押 中 カ 壬 上 、口〕 哨岡 上 老 工 K 乙 合 中 納田 上去 1 、 詞 一 合 1担 上 I こ り 事 .甲 ワ酒 ワ 合レ 、 ワ 合 一谷 ト → 、二 上意、 上ツ 3 上汁、 中 幸合 ・ 中 沖田 ト .きr ^ 工田 エ田}中 、 中 レ よド市■1 画 谷 二、 専伸 沖岬肥 畔一1 ’藺 、河 ユ 田 __ 工 田 ミエ ム 中 田 工 合 壬 田 ’ 、 名 往 倉 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