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営業を強化するための特効薬はあるのか?

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営業を強化するための特効薬はあるのか?
企業経営に学ぶ
営業を強化するための特効薬はあるのか?
今後の行政における施策・事業の企画・推進には、営業的観点が必要と考える。本号は、企業の営業強化の特効薬に学ぶ。
三菱総合研究所 営業統括本部
主任 政田 敏宏
自
治
体
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ャ
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ネ
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+
20
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成
19
年
12
月
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■企業における営業力強化の必要性の増大
①営業担当者に年間訪問スケジュールを
モノが売れない時代、商品の差異化が図りに
決めさせる
くい時代になり、企業は営業組織の強化や企画
担当者は、訪問しやすい企業だけを多頻度で
提案力強化に力を入れ始めている。人事異動な
訪問したり、引合いが入ってきた順に訪問しが
どの営業組織の変更、数字を厳しく追求する目
ちである。しかし、スケジュールを決めること
標管理の強化、業績連動給によるインセンティ
で定期的に訪問を行うため、利益貢献度の高い
ブの向上などを行い、営業力の強化を図ってい
顧客へ訪問することができるようになる。担当
る企業が多いが、本当に営業は強化されている
者に対しては、手ぶら訪問を避けるため、有益
のだろうか?
な情報収集やコミュニケーションに必要な勉強
限られた資源(人材・お金)の中で、組織変
を行う動機づけにもつながる。
更や目標管理の強化だけでは、営業の強化や成
②できなかったことを重点的に報告させる
果の持続は困難である。営業組織の運営を見直し、
担当者に、提案やヒアリングなど、できなか
組織(チーム)という乗りものに見合った人財
ったことを上司に報告させることで、
「なぜで
を乗せ、個人の力・モラルを高めながら目的・
きなかったのか?」という結果と原因を一緒に
目標に向かって運転していかないと、企業とし
振り返らせ、気づきを与えることができる。
ての営業は強くならないと私は考える。
数字の結果だけで評価するのではなく、担当
組織と個人の二つの観点から、どうすれば営
者の結果に至るプロセスも重視することで、考
業が強化されるかについて考えてみたい。
える力が身につき、行動も変わってくる。
また、
「できない」という思考を除外し、
「で
■組織の観点からみた営業強化策
(1)見える化
きる、やってみる」ことを大切にさせると、自
然と組織は活性化する。このような意識を植え
営業活動について、できるだけ数値化・見え
付けるためには、上司は根気とリスクをとる覚
る化を行うことが大切である。成功例や失敗例、
悟が必要で、部下は積極的な姿勢と上司の考え
商談状況、コンタクト状況などを見えるようにし、
方に対する理解が必要である。
訪問頻度などを数値化することで、上司は部下
に適切な営業アクションや指示が出せるように
なり、マネジメントに活かすことができる。
(2)営業行動(プロセス)を管理する
■個人の観点からみた営業強化策
(1)お客様は誰か?(お客様の再定義)
営業担当者は、バリューチェーンの観点で、
売上数字だけでなく、営業行動を管理するこ
お客様について再定義することが必要と考える。
とはどうだろうか?
注文先やエンドユーザーだけをお客様と捉えが
図表 企業における営業強化の特効薬
組織の観点からみた営業強化策
(1)見える化
(2)営業行動(プロセス)を管理する
個人の観点からみた営業強化策
(1)お客様は誰か?
(お客様の再定義)
(2)水面下に潜む思いに気づく(本質・ニーズ・問題点の発見)
企業における営業強化の特効薬
●地道に組織力・個人能力を積み上げる努力
●営業マンの育成の継続
資料:三菱総合研究所
ちであるが、お客様 = 営業活動を支えるパート
企業経営に学ぶこと(本誌編集部)
ナーと考えると、自社のサービスを提供するの
に必要なサプライヤーや自社の製造部門(後工程)
もお客様と考えることができる。サービスの提
行政に「営業」という言葉・行為はない。あえ
て言うなら、政策の企画、及び日常の窓口業務や
事業実施にこれに当たる要素があると考える。
供に関わる全員に、いかに気持ちよく仕事をし
本誌11月号「キーパーソンに聞く」でお話を
てもらうか・ ・ ・を考え直すと、自然と営業部門
伺った奥州市水沢青少年育成市民会議の大村
と製造部門の摩擦も解消するであろう。
(2)水面下に潜む思いに気づく
千恵氏は、まさに当地域の子どもの社会教育の
キーパーソンである。課題を抱える子どもに目
を向け、一人ひとりに向き合い、その言葉に耳を
(本質・ニーズ・問題点の発見)
傾ける。当地域の「子どもの居場所」も、一人の
営業担当者は、顧客要望の本質を見分け、シ
中学生の言葉に始まる。大村氏をはじめ周囲の
ナリオ・ビジョンを描くことが重要だと考える。
大人は、子ども達を信じ、その思いを実現するた
めに応援するだけである。また、大村氏は他の
自社への期待や水面下に潜むニーズ・問題点を、
子どもの出来事を、JUMPと呼ばれる中高生の
担当者がいかに捉えるかがポイントである。そ
ジュニアリーダーズクラブのメンバーに相談する。
れができれば、企画提案の質も向上し、結果と
子どものことは、子どもに相談するのがいいと
して成約率も上がるはずである。
のこと。大村氏にとって、JUMPのメンバーは、
活動を支える重要なパートナーなのである。
“子ども=お客様”、
“子どもと向き合うこと=
■企業における営業強化の特効薬
営業活動”という表現は、まったく大村氏の意に
以上のように、ヒット商品に過度な依存をせず、
反するものである。しかし、
このように図式化す
企業業績の向上・維持を高めるためには、商品力・
技術革新を高める努力と同様に、企業の営業を
ることにより、今の行政が行う施策・事業に欠け
ているものがみえてくると考える。
「行政は、利
用者(当事者)の視点の重要性を再認識すべき」
強化することも重要である。そのためには、地
――三菱総合研究所 田渕雪子主席研究員は、そ
道に組織力・個人能力を積み上げる努力、営業
う指摘する(http://www.mri.co.jp/COLUMN/T
マンの育成を継続することが一番の特効薬であ
り、組織・個人両面からのマネジメント強化が
重要であると考える。
ODAY/TABUCHI/2007/0322TY.html)。
行政が、企業の営業強化の特効薬に学ぶ点は多
いのではないか。
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