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Embargoed Advance Information from Science
Embargoed Advance Information from Science Translational Medicine A Journal of the American Association for the Advancement of Science http://www.aaas.org/ 本部: 1200 New York Avenue, NW Washington, DC 20005 問合せ先:Jennifer Anderson +1-202-326-6466 [email protected] 報道解禁日時: 米国東部標準時 2014 年 12 月 3 日(水)午後 2 時 SCIENCE TRANSLATIONAL MEDICINE 2014 年 12 月 3 日号ハイライト エピジェネティクスでヘルペスウイルスをやっつける Science Translational Medicine は米国科学振興協会(AAAS)発行の国際的ジャーナル(週刊 )です。以下に記載する次号掲載予定論文に関する報道は、解禁日時まで禁止します。 論文を引用される際には出典が Science Translational Medicine および AAAS であることを明 記してください。 エピジェネティクスでヘルペスウイルスをやっつける Shutting Down Herpesvirus With Epigenetics エピジェネティクス薬は、遺伝子発現を変化させことで作用する新しいクラスの薬剤で あるが、これにより動物のヘルペスウイルス感染を防ぐことができる。この結果から、 ヘルペスウイルスにおける遺伝子発現を抑えるためにエピジェネティクス薬をヒトで用 いることは、ウイルスを制御する新たな方法となる可能性がある。様々な種類のヘルペ スウイルスによって、口や目の周り(眼ヘルペス)や生殖器(性器ヘルペス)にヘルペ スと呼ばれる硬い核が形成されることがある。細胞内の DNA とまったく同様に、ヘル ペスウイルスの DNA はクロマチンという構造の中に折りたたまれている。ヘルペスウ イルスは、LSD1 というタンパク質を使ってクロマチン構造を「開き」、遺伝子が発現 できるようにする。Thomas Kristie らは、LSD1 の作用を抑えることで、クロマチンが開 かれることを阻止し、ウイルスの遺伝子発現が止まることを示した。マウス、ウサギ、 モルモットを使った一連の実験で、著者らはトラニルシプロミン(tranylcypromine)と いう LSD-1 阻害剤を毎日動物に投与した。元々抗うつ薬として用いられていたトラニル シプロミンは、現在は他の疾患の治療に用いられており、LSD1 阻害剤として初めて特 定された薬物の一つであった。投与を受けた動物では、組織内のウイルス量が減少し、 ウイルスの眼感染による眼の症状が低減した。また、投与を受けた動物では、排出され るウイルス量が対照動物より少なかった(ウイルス排出量は、目に見えるウイルス病変 の有無にかかわらず、ウイルスの伝播力の程度をはかる良い指標である)。