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Yoshida Press Release

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Yoshida Press Release
Embargoed Advance Information from Science
The Weekly Journal of the American Association for the Advancement of Science
http://www.aaas.org/
SciPak の情報はこちらから
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本部:
1200 New York Avenue, NW
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+1-202-326-6440
ファックス: +1-202-789-0455
報道解禁日時:
米国東部標準時 2015 年 1 月 1 日(木)午後 2 時
問合せ先:Natasha Pinol
+1-202-326-6440
[email protected]
Science 2015 年 1 月 2 日号ハイライト
癌に冒されやすい組織は運が悪いから?
エンテロウイルスに対する標的候補が明らかに
マウスでは脂肪細胞が感染との闘いを手助けする
コレラ毒素は遺伝子交換を助ける
Following is the embargoed advance information for the forthcoming issue of Science, the weekly journal
of AAAS, the science society.
Please mention the international journal Science and AAAS as the source of these items.
癌に冒されやすい組織は運が悪いから?
Is Bad Luck to Blame for Cancer-Prone Tissues?
ヒトの様々な組織における癌発生率の劇的な違いは、遺伝因子や環境因子によるよりも、分裂時
の健康な幹細胞で生じるランダムな変異によって、よりよく説明できることが研究により示され
た。この結果は、一部の組織(肺など)では他の組織(骨など)と比べて癌の発生率がはるかに
高いことの説明に有用な可能性があり、また異なる癌の種類に対して研究者がより効果的な予防
戦略をデザインするうえでも有用と考えられる。Cristian Tomasetti と Bert Vogelstein は、31 種類
のヒト組織における幹細胞分裂に関するデータを分析し、データをそれらの組織における癌の生
涯発生率と比較した。その結果、ある人のある組織で、生涯における正常な幹細胞分裂の数と、
その特定の組織における癌の発生率との間に、強い正の相関が認められた。この結果により、
様々な組織における癌発生率のこのような違いのうち、遺伝的素因や環境因子に起因する可能性
があるのは 3 分の 1 にすぎないことが示唆される。組織間の癌発生率の差は、その大部分が、単
に「運が悪い」ことによる、すなわち健康な幹細胞が分裂時に DNA を複製する時に生じるラン
ダムな変異によるというのが、著者らの意見である。
エンテロウイルスに対する標的候補が明らかに
Possible Target Against Enterovirus Revealed
Yue Liu らによりエンテロウイルス D68(EV-D68)の結晶構造が明らかにされ、抗ウイルス薬が
細胞へのウイルス感染をいかに阻止しうるかが示された。EV-D68 は最近、米国の小児の間で軽
度から重度の呼吸器疾患の大量発生を引き起こし、2014 年 8 月以降に 1,000 例を超える確定例が
報告されている。このウイルスに対するワクチンや効果的な治療法はない。通常の風邪のウイル
スやポリオウイルスなど、他のエンテロウイルスと同様に、EV-D68 の分子構造には、ウイルス
が細胞と結合するための「結合ポケット」という分子が含まれている。結合ポケットは、結合時
にその位置から押し出されるまで、ウイルスの安定性を維持させる。次いでウイルスは、「脱
穀」してそのゲノムを細胞内に注入する。Yue Liu らは、EV-D68 の場合、この結合ポケットが、
プレコナリルという薬物によって置換されうる脂肪酸である可能性が高いことを示した。プレコ
ナリルは抗ウイルス薬として臨床試験で検討されていたが、経口避妊薬と相互作用する可能性が
あるため、承認はされていない。Liu らは、プレコナリルが実験室において細胞への EV-D68 の
感染を阻止しうることを示し、プレコナリルがこのウイルスに対する薬物候補であることを明ら
かにした。
マウスでは脂肪細胞が感染との闘いを手助けする
Fat Cells Help Fight Infections in Mice
マウスを用いた新しい研究によれば、脂肪組織は、細菌感染に対して直接的な防御の役割を果た
す。この知見は、肥満でインスリン抵抗性の人がなぜ細菌感染を起こしやすいのかを研究するう
えで有用であると考えられる。Ling-juan Zhang らは、マウス皮膚の脂肪細胞が Staphylococcus
aureus(ヒトで MRSA を引き起こす病原体)の感染にどのように応答するか調べた。その結果、
これらの特定の細胞が、反撃のためにカテリシジンと呼ばれる抗菌ペプチドを産生することが明
らかになった。細菌接種後、マウスの皮膚直下の脂肪層の肥厚が認められた。新しい脂肪細胞を
形成できないマウスを作製したところ、このようなマウスは脂肪細胞を産生できるマウスよりも
MRSA 感染を起こしやすいことが明らかになった。また、成熟した脂肪細胞は若い脂肪細胞より
もカテリシジン産生量が少なく、そのために防御能が低かった。まとめると、これらの新しい知
見は、脂肪細胞が S. aureus 病原体を直接感知でき、感染を抑える自然免疫反応を引き起こせるこ
とを示唆している。これまで研究者は、上皮細胞、肥満細胞、白血球を含む多くの細胞が細菌感
染時の最初の反応者であることを認識していたが、この新しい研究は、この防御リストに脂肪細
胞を付け加えるものである。John Alcorn と Jay Kolls の Perspective では、この研究とその意義に
ついて詳細に説明している。
コレラ毒素は遺伝子交換を助ける
Cholera Toxin Aids Gene Swaps
Sandrine Borgeaud らの研究によれば、コレラが近隣の競合細胞に毒素を注入する時に使っている
システムは、その細菌が新しい DNA を取り込んで自らのゲノムに組み込むことを促進する遺伝
子によって同時制御されている。細菌は他の細胞から DNA を取り込んで自らのゲノムに組み入
れ、進化を助けている。このプロセスは遺伝子水平伝播と呼ばれ、 抗菌薬耐性と病原性を高め
ることができる。Sandrine Borgeaud らによれば、コレラがこれを行う方法は特に残忍なようであ
る。DNA 取り込みに関与する遺伝子に導かれたコレラは、長いチューブを作り、近隣の細胞に
穴を開け、毒素を送り込む。すると死んだ細胞が DNA を放出し、殺し屋はこの DNA を手に入
れて自らのために利用するのである。
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