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発汗マネキンによるカーシートの快適性評価法を開発
本 社 大阪市北区堂島浜二丁目 2 番 8 号 〒530-8230 TEL(06)6348-4210 FAX(06)6348-3206 東京支社 東京都中央区日本橋小網町 17 番 9 号 〒103-8530 TEL(03)3660-4801 FAX(03)3660-4829 名古屋支社 名古屋市中区栄 3 丁目 2 番 3 号 〒460-0008 TEL(052)261-1311 FAX(052)261-1336 2008年11月27日 発汗マネキンによるカーシートの快適性評価法を開発 このたび当社は、発汗マネキンによるカーシートの快適性評価法を開発しました。夏季のカ ーシート着座時の自動車室内環境および人の状態を再現して評価を行い、 「むれ感」を発汗マネ キンの衣服内温湿度で評価できる評価法を確立しました。 なお、自動車使用実態調査に関しては、追手門学院大学経営学部・辻幸恵教授にご協力いた だきました。 1.本開発にいたる経緯 当社は1982年に、 「むれ感」というあいまいな感覚を 機器計測により評価する技術を駆使して「衣服内気候®」素 材(糸・生地)を開発しました。 その後も、さまざまな皮膚感覚を評価する「感覚計測技 術」を構築し、商品開発に活用・展開してきました。感覚 を機器により評価するため、発汗マネキンTOM®Ⅲ、発汗 マネキンSAM®など、独自の計測装置も開発し、利用して きました。 発汗マネキンSAM® 2.本評価法の概要 夏季における屋外駐車の自動車室内は、建築物と比較してガラスの占有面積が大きく、かつ、 狭く密閉された空間であるため、非常に高温になります。そのため、乗車直後にエアコンを稼 動させても、しばらくは汗をかいて、むれ感などの不快感が生じます。 乗車時の快適性を追及したカーシートを効率的・効果的に開発するためには、カーシート着 座時の自動車室内環境および人の状態を再現し、感覚を機器により数値化する計測・評価法が 必要となります。そこで、発汗マネキンを用い、夏季の自動車使用実態に則した、カーシート の快適性評価法の構築に取り組みました。なお、発汗マネキンとしては、発汗マネキンSAM® を用いました。 3.本評価法の特長 (1)自動車使用実態調査、夏季の自動車室内の温湿度とカーシート表面温度測定を行い、実 態にあった評価条件を確立しました。 (2)夏季の自動車外を想定した部屋と、夏季の自動車内を想定した部屋の2つの部屋の間を 発汗マネキンが移動できるようにしました。 4.本評価法の詳細 (1)評価法 夏季の自動車使用状況を把握するために、自動車使用実態調査を行いました。また、自動車 室内環境を把握するために、夏季の自動車室内の温湿度、カーシート表面温度測定を行いまし た。さらに、急激な環境変化時の評価をするため、2つの恒温恒湿室間を発汗マネキンが移動 できるようにしました。 自動車使用実態調査を基に設定した条件下で、人による試験および発汗マネキンによる試験 を3水準のシートについて実施しました。32℃70%RH*の部屋から50℃20%RHの 部屋に移動した後、18℃50%RHに温湿度を変更しました。これは、夏季、自動車外から 自動車内に移動し、冷房を使用する状況を想定しています。 *%RH:相対湿度 (2)結果 人の背部衣服内湿度評価結果、発汗マネキンの背部衣服内湿度評価結果、人のむれ感主観評 価結果を示します。着座直後に背部衣服内湿度が急上昇し、約10分後に下降し始めるパター ンは、3つの結果で同じ傾向を示しました。さらに、シートの評価結果も同じ傾向を示すこと を確認しました(シート1とシート3は有意差無し)。このように、人の試験結果を発汗マネキ ンで精度良く再現でき、むれ感を発汗マネキンの衣服内湿度で評価することができました。さ まざまな素材、さまざまな構造のカーシートでも評価できることを確認しています。 シート1 シート2 シート3 32℃70%RH 踏み台昇降 3 25 50℃20%RH⇒18℃50%RH 着座 35 25 20 時間(分) 0 30 50℃20%RH⇒18℃50%RH 着座 2 1 0 -1 -2 -3 15 10 背部むれ感主観評価得点 35 10 20 時間(分) 30 0 発汗マネキンSAMの背部衣服内湿度 人の背部衣服内湿度 シート1 シート2 シート3 32℃70%RH 踏み台昇降 45 50℃20%RH⇒18℃50%RH 着座 背部衣服内湿度(mmHg) 背部衣服内湿度(mmHg) 45 15 0 シート1 シート2 シート3 32℃70%RH 立位 10 20 時間(分) 30 人のむれ感評価 5.今後の展開 今後はカーシートに限定せず、広く「車室内空間の快適性評価」として展開していきます。 以 <本件に関するお問い合わせ先> 東洋紡績株式会社 広報室 松下・山田 TEL 06-6348-4210 上