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笛吹市総合計画 基礎調査(笛吹市の地域特性パート2)
資料1 笛吹市総合計画 基礎調査(笛吹市の地域特性パート2) 平成 19 年3月 目 次 1)位置的特性 1 2)自然・土地特性 3 3)歴史・文化特性 4 4)社会・経済特性 5 ① 人口・世帯の動き 5 ② 産業 7 ③ 生活圏の広がり・繋がり 9 ④ 観光 10 ⑤ 道路・交通体系 13 ⑥ 類似都市・周辺都市比較 14 5)時代の潮流や県計画からみた笛吹市の課題や役割 23 ① 時代の潮流に対しての笛吹市の対応課題 23 ② 県計画からみた笛吹市の役割 26 1)位置的特性 甲府盆地の東よりに位置する本市は、東京をほぼ 100km圏域に有し、関東と中京圏を 結ぶ内陸部の幹線軸上にあります。 山梨県の県庁所在地である甲府市に隣接し、北部には秩父山塊、南東部には御坂山地を 挟んで昇仙峡や富士山、河口湖など、著名な観光地が周囲を取り囲んでいます。 図 笛吹市の広域的な位置 -1- 図 笛吹市と周辺地域 -2- 2)自然・土地特性 甲府盆地の東よりに位置し、盆地の北部や東部、南部の山岳丘陵地帯から流出する水系 を集め、盆地中央部を西に向かって笛吹川が流れています。笛吹川に向かって南北に流れ る日川、金川、浅川、境川等の扇状地と盆地底部の沖積平地が広がっています。 本市の総面積は 201.92km2で、山梨県の面積の 4.5%に当たり、平坦な住宅地域を山裾 に広がる果樹地帯が取り巻き、北には山梨百名山のひとつである兜山、南には御坂山地の 山々が連なり盆地を形成しています。この御坂山地の芦川の源流域には ニホンスズラン が自生しており、日本でも有数の群生地となっています。また、新道峠は笛吹市より富士 山を眺める絶好の景観地としても知られています。 土地利用の状況は、宅地 14.5km2(7.2%)、農用地 41.3km2(20.4%)、森林等 118.1 km2(58.5%)となっています。 気候は温暖で、盆地特有の内陸性気候で、夏と冬の温度差は大きく、年平均気温 13.7 度、 年平均降水量は 1,050mm程度となっています。 新道峠からの富士山 芦川のすずらん 桃の花まつり -3- 3)歴史・文化特性 本市の歴史は古く、縄文時代の釈迦堂遺跡・一の沢遺跡からは珍しい遺物が数多く出土 し、重要文化財に指定されています。古墳時代には岡銚子塚古墳、経塚古墳、平林2号墳 等が築かれました。 また市内には甲斐国最古の寺である寺本廃寺、甲斐国分寺・甲斐国分尼寺、甲斐国唯一 の御厨等が存在し、国府、国衙、国分の地名が残されているなど、古代甲斐国の政治・文 化の中心地であったことが判ります。 戦国大名武田家の祈願寺であった「慈眼寺」・「大蔵経寺」等には武田家ゆかりの資料が 残されています。また山梨岡神社の太々神楽は「武田信玄出陣の神楽」とも呼ばれ、戦勝 祈願を祈り奉納したと言われています。 江戸時代には甲州街道が整備され石和は宿場町として栄えました。また市内には古代の 官道「若彦路」、歴史の道百選に指定されている「鎌倉路」、雁坂峠を越え秩父に通じる「秩 父路」等が通り、古来より数多くの人馬の往来がありました。 明治時代には、日本初のヨーロッパ形地下ワイン発酵槽が造られました。古いワイン造 りの様子を伝える貴重な遺構として登録有形文化財に指定されています。 大正・昭和時代には俳壇で巨匠飯田蛇笏・龍太が活躍し、深沢七郎が『笛吹川』を、小 川正子が『小島の春』を出筆しました。 また昭和 36 年に石和町で温泉が湧出し、その後の高度経済成長の流れの中で、石和・春 日居温泉は一大温泉郷として発展しています。 現在笛吹市では、水防祈願の「大神幸祭」が浅間神社を中心に行われ、観光行事として 「川中島合戦戦国絵巻」 、「笈形焼」 、 「大文字焼」等のイベントが行われています。 -4- 4)社会・経済特性 ① 人口・世帯の動き 本市の人口は、これまで順調に伸びてきており、平成 17 年(国勢調査)では 71,711 人 となっています。 世帯数も核家族化の影響もあり増え続けており、25,029 世帯となっています。1世帯当 たり人員は 2.87 人ですが、5年前と比較すると 0.15 人少なくなっています。 年齢構成では、高齢化の傾向が顕著で、高齢化率が 21.4%で、5年前より 1.8 ポイント 増えています。ただし、山梨県平均よりは 0.5 ポイントですが、低くなっています。 (全国: 20.1%、山梨県:21.9%) 図 人口・世帯 (人・世帯数) (一世帯当たり人員) 80,000 4 70,000 3.5 60,000 3 50,000 2.5 40,000 2 30,000 1.5 20,000 1 10,000 0.5 0 0 昭和60年 平成2年 人口 平成7年 世帯数 平成12年 平成17年 一世帯当たり 人員 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 H12∼H17増減率 (%) 人口(人) 58,466 62,322 66,839 71,025 71,711 1.0 世帯数(世帯) 16,078 18,160 21,035 23,520 25,029 6.4 一世帯当たり 人員(人/世帯) 3.64 3.43 3.18 3.02 2.87 -5.0 高齢化率(%) 15.4 16.9 18.2 19.6 21.4 9.2 (資料:国勢調査) -5- このまま人口が推移したらどうなるか、という試算の結果を下図に示しています。 これでみると、平成 22 年頃までは現状ないしは若干増加気味で推移すると思われますが、 その後少子・高齢化の影響が徐々に表れ、本計画の目標年となる 10 年後の平成 29 年には 693 人減少の 71,018 人になるものと思われます。 *この予測方法は「コーホート法」という一般的に人口推計に用いられる男女別・年齢 別の変化から将来を見通す手法です。 笛吹市/推計人口 75,000 71,711 71,025 70,000 71,838 71,889 71,933 71,826 71,718 71,614 71,507 71,401 71,209 71,018 66,839 65,000 62,322 60,000 58,466 55,000 50,000 (人) 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 国勢調査データ 昭和60年 平成2年 計画期間の推計人口 平成7年 平成12年 平成17年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 総 数 58,466 62,322 66,839 71,025 71,711 71,838 71,889 71,933 71,826 71,718 71,614 71,507 71,401 71,209 0∼14歳 11,925 11,191 10,924 11,366 10,966 10,669 10,624 10,604 10,389 10,202 10,043 9,909 9,804 9,682 9,582 15∼64歳 37,548 40,536 43,781 45,761 45,382 44,843 44,625 44,383 44,055 43,705 43,336 42,947 42,536 42,267 41,981 65歳以上 8,993 10,525 12,134 13,897 15,356 16,326 16,640 16,946 17,382 17,811 18,235 18,651 19,061 19,260 19,455 年齢不詳 0 70 0 1 7 27,978 29,771 32,035 34,191 34,476 男 計 71,018 − − − − − − − − − − 34,494 34,507 34,513 34,433 34,354 34,274 34,193 34,114 33,984 33,855 0∼14歳 6,028 5,625 5,574 5,799 5,702 5,574 5,561 5,561 5,441 5,337 5,247 5,173 5,115 5,041 4,980 15∼64歳 18,274 19,876 21,552 22,702 22,402 22,105 21,989 21,859 21,695 21,521 21,337 21,142 20,938 20,798 20,649 65歳以上 3,676 4,223 4,909 5,690 6,365 年齢不詳 0 47 0 0 7 女 計 6,815 6,957 7,093 7,297 7,496 7,690 7,878 8,061 8,145 8,226 − − − − − − − − − − 37,163 30,488 32,551 34,804 36,834 37,235 37,344 37,382 37,420 37,393 37,364 37,340 37,314 37,287 37,225 0∼14歳 5,897 5,566 5,350 5,567 5,264 5,095 5,063 5,043 4,948 4,865 4,796 4,736 4,689 4,641 4,602 15∼64歳 19,274 20,660 22,229 23,059 22,980 22,738 22,636 22,524 22,360 22,184 21,999 21,805 21,598 21,469 21,332 65歳以上 5,317 6,302 7,225 8,207 8,991 10,085 10,315 10,545 10,773 11,000 11,115 11,229 年齢不詳 0 23 0 1 0 9,511 9,683 9,853 − − − -6- − − − − − − − ② 産業 ②―1 産業別就業人口 本市の産業別就業人口の構成比(平成 17 年:国勢調査)は、第三次産業が半数を超え最 も多く占めていますが、第一次産業も2割近くを占め、全国平均 4.8%、県平均 8.6%と比 べ、かなり大きな割合を占めています。これは 桃・ぶどう 日本一の郷 宣言に代表さ れるように、農業の位置づけの大きさを物語っています。 図 産業別就業人口の構成比 19.6 57.5 22.9 (単位:%) 第一次産業 第二次産業 第三次産業 (資料:平成 17 年国勢調査) ②―2 産業の主要指標 農業の産出額は平成16年で約 205 億円ありますが、その内果実が 176 億円と全体の 86%を占めています。 製造業は、製造出荷額では 1,200 億円で、事業所数は 128 軒、従事者数 4,476 人となっ ています。主な業種は出荷額ベースで第1位が「プラスチック製品」次いで「食料品」 「一 般機械器具」となっています。 商業は、年間商品販売額では 1,005 億円で、事業所数は 806 軒、従事者数は 5,243 人と なっています。 -7- 表 主な産業指標 単位 農業 製造業 商業 農業産出額 (内果実産出額) 従業者数 事業所数 製造品出荷額 従業者数 事業所数 年間商品販売額 資料:農業 -8- 年 千万円 h16 千万円 h16 人 h16 軒 h16 百万円 h16 人 h16 軒 h16 百万円 h16 2,051 1,764 4,476 128 120,031 5,243 806 100,492 「生産農業所得統計」農林水産省 製造業 「工業統計表」経済産業省 商業 「商業統計表」経済産業省 ③ 生活圏の広がり・つながり 笛吹市の通勤・通学状況をみると(平成 12 年国勢調査)、甲府市とのつながりが最も強 く、通勤で 8,334 人、通学で 1,397 人が甲府市へ通い、一方甲府市からも 3,934 人が笛吹 市へ通勤してきています。また、日常の買い物等、隣接する甲府市とは生活圏としてのつ ながりがみられます。次いで、つながりが強いのは山梨市となっています。 参考に、東京都とのつながりをみてみると、東京都からの流入は少ないですが、東京都 には通勤で 273 人、通学で 149 人となっています。 図 通勤・通学状況(500 人以上の動きがあるところを表示したもの。単位:人) (単位:人) 笛吹市からの 笛吹市への 笛吹市 甲州市 山梨市 甲斐市 通勤 24,898 437 1,205 通学 1,301 4 607 通勤 24,898 555 通学 1,301 24 (資料:平成 12 年 甲府市 中央市 その他 合計 529 8,334 656 2,585 39,047 16 1,397 9 346 2,931 1,913 689 3,934 453 2,309 35,204 36 4 91 7 50 1,517 国勢調査の結果をもとに、合併後の自治体の単位に再編集したもの) -9- ④ 観光 ④―1 県及び峡東圏域の観光動向 山梨県全体の観光客数(延べ人数)でみると、おおむね横ばいの状態が続き、近年やや 回復の兆しが見えつつあり、平成 17 年では約 6,000 万人となっています。 観光消費額についてみると、総消費額では 3,700 億円の規模に達し、これは山梨県全県 の小売業年間商品販売額の1/3以上の額に匹敵するものです。 図 山梨県及び圏域別観光客数の動向(延べ人数) (人) 70,000,000 60,000,000 50,000,000 40,000,000 30,000,000 20,000,000 10,000,000 0 平成11年 平成12年 平成13年 山梨県 峡南圏域 平成14年 峡中圏域 峡北圏域 平成15年 平成16年 平成17年 峡東圏域 富士北麓・東部圏域 図 山梨県の観光消費額及び一人当たり平均消費額の推移 観光消費額 (千円) 一人当たり平均消費額 (円) 400,000,000 7,000 350,000,000 6,000 300,000,000 5,000 250,000,000 4,000 200,000,000 3,000 150,000,000 2,000 100,000,000 1,000 50,000,000 0 0 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 観光消費額(千円) - 10 - 一人当平均消費額(円) 山梨県観光客動態調査では調査結果が市町村別に公表されていないので、笛吹市が該当する「峡 東圏域」についてみると、平成 11 年から平成 14 年までは徐々に減少傾向がみられましたが、こ こ数年はやや回復の兆しもみられ、平成 17 年では約 1,080 万人となっています。 ④―2 笛吹市(石和温泉・果実郷周辺)の動向 笛吹市としての統計はありませんが、山梨県観光客動態調査における「石和温泉・果実 郷周辺」の調査結果について、観光客の入り込み動向について見てみると、平成 12 年から 平成14年までは減少傾向にありましたが、近年やや回復の兆しがみられ平成 17 年では約 492 万人(延べ人数)となっています。 日帰り・宿泊別にみると、全体の傾向と概ね同じような動向にありますが、宿泊率は減 少傾向がみられ、笛吹市周辺において滞留化が弱まりつつあることを示しています。 表 総数 日帰り 宿泊 (単位:人、%) 石和温泉・果実郷周辺の観光客の入り込み動向 実人数 延べ人数 延べ人数 日帰り率 延べ宿泊数 宿泊率 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 5,288,631 4,008,138 75.8 1,280,493 24.2 5,147,819 3,879,376 75.4 1,268,443 24.6 4,810,337 3,526,338 73.3 1,283,999 26.7 4,148,787 3,077,323 74.2 1,071,464 25.8 3,150,838 4,398,891 3,512,913 79.9 885,978 20.1 3,496,273 4,920,703 3,991,645 81.1 929,058 18.9 (資料:山梨県観光客動態調査) 図 石和温泉・果実郷周辺の観光客の入り込み動向(延べ人数) (人) 6,000,000 5,000,000 4,000,000 3,000,000 2,000,000 1,000,000 0 平成12年 平成13年 平成14年 観光客数 - 11 - 平成15年 日帰り客 平成16年 平成17年 宿泊客 また、笛吹市の宿泊施設をみてみると、ホテル・旅館の件数は 136 軒で、客室数は 3,410 室で、県内を代表する宿泊拠点の一つとなっています。 表 山梨県の主要な宿泊施設の所在地 地域名 山梨県 甲府市 富士吉田市 笛吹市 北杜市 山中湖村 富士河口湖町 ホテル営業・ ホテル営業・ 旅館営業・施 旅館営業・客 簡易宿泊施 客室数合 施設数 客室数 設数 室数 設 計 104 6,111 1,590 20,214 1,288 38 4 3 10 10 12 2,410 349 201 513 785 771 75 57 133 282 349 227 1,090 801 3,209 2,858 3,821 3,335 25 78 21 159 166 330 26,325 3,500 1,150 3,410 3,371 4,606 4,106 (資料:保健所調べ) 月別の入り込み状況は、8月が突出しており、4月に小ピークがあり、概ね2季型の入 り込みパターンとなっています。 図 季節別入り込み客の比率 (%) 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 - 12 - 8月 9月 10月 11月 12月 ⑤ 道路・交通体系 道路・交通条件には恵まれています。 広域的なアクセス道路としては、高速道路の中央自動車道が通り、市内には一宮御坂 IC があり、市の東西の入り口には勝沼IC・甲府南ICがあり、東京方面や長野・名古屋方 面からのアクセスに優れています。 市外とをつなぐアクセス道路としては、国道は 20 号が東西軸を形成し、国道 411 号が 奥多摩方面、国道 140 号が秩父方面とを結んでいます。また、南北軸としては国道 137 号 が河口湖方面と、国道 358 号が静岡方面とを結んでいます。 市内のアクセス道路としては、国道と併せ県道及び市道がその役割を担っています。 鉄道は JR 中央本線が走り、石和温泉駅と春日居町駅の2駅があります。新宿∼石和温 泉駅は特急で約1時間 30 分で結ばれています。 図 道路・交通網 R140 春日居町駅 R358 - 13 - ⑥ 類似都市・周辺都市比較 ⑥―1 全国の類似都市との比較 総務省の類似都市分類基準によると、全国の都市のグルーピングは下表のように分類さ れ、笛吹市は「類型Ⅱ―1」に該当します。 このグルーピングは、下にいくほど人口規模が大きく、左にいくほど第三次産業の割合 が高い商サービス機能を有しているとみることができます。 全国の都市レベルで人口規模をみると、笛吹市は 782 市の中 372 位で、概ね中位に位置 しているといえます。(参考:2006 年 10 月 1 日推計人口<資料;全国都市財政年報>) また、このグルーピングでみると、笛吹市は地方の小都市で第一次産業のウェイトが比 較的高い都市群に属するといえます。 表 人口・産業都市類型別数表 産業構造 2次、3次95%以上 3次 65%以上 類 型 3次 65%未満 2次、3次85%以上 ∼95%未満 3次 55%以上 3次 55%未満 2次、3次85%未満 3次 50%以上 3次 50%未満 計 5 4 3 2 1 0 0 3 8 33 19 28 18 109 35,000∼55,000 人以上 人未満 Ⅰ 5 31 49 49 24 20 178 55,000∼80,000 Ⅱ 33 31 38 34 16 5 157 80,000∼130,000 Ⅲ 33 41 35 25 5 3 142 130,000∼230,000 Ⅳ 36 20 28 8 2 1 95 230,000∼430,000 Ⅴ 27 15 15 1 − − 58 430,000人以上 Ⅵ 28 6 3 1 − − 38 165 152 201 137 75 47 777 人口 35,000人未満 計 (資料:全国都市財政年報 2005) (注)人口は、2006 年3月 31 日現在の住民基本台帳人口 産業構造は 2000 年国勢調査の数値を使用。なお、産業構造の比率は総務省の算出方法に準拠し、分母は 就業人口総数(分類不能の産業を含む)とし、分子の2次、3次の就業人口には分類不能の産業を含めず に算出している。 - 14 - 笛吹市と同じグループに入っている 16 都市は、以下のところです。 宇城市 山鹿市 朝倉市 萩市 五所川原市 佐渡市 常陸太田市 三次市 旭市 山武市 笛吹市 紀の川市 宮古島市 宇佐市 玉名市 出水市 - 15 - 類似都市比較からみた笛吹市の特徴は以下の点があげられます。 ○ 千葉県、和歌山県、福岡県で大都市に比較的近接している都市がみられるが、笛 吹市のように関東と中京圏の両大都市圏との近接性を有しているような都市はみら れない。 ○ 笛吹市を除く 15 都市全てが過去5カ年で人口が減少しており、笛吹市が唯一人口 増となっている。高齢化率も 20%台後半から 30%台の都市もみられる中、笛吹市 は 21.4%と比較的低い高齢化率となっている。 ○ 産業面では、このグループの都市群は比較的第一次産業のウェイトが高い都市群 であり、房総半島屈指の穀倉地帯を有する旭市の農業産出額は別格であるが、笛吹 市は果樹を中心に第2位の産出額となっている。 ○ 都市の活力の一つの指標として「新築住宅着工件数」をみてみると、笛吹市は他 市の2倍程度の件数となっている。 笛吹市 五所川原 市 h17 人 71,711 62,182 67,384 59,802 % 1.0 -1.6 -6.6 高齢化率 h17 % 21.4 25.0 第一次産業 h17 % 19.6 第二次産業 h17 % 第三次産業 h17 % 農業産出額 紀の川市 三次市 70,644 59,010 67,864 59,296 -3.3 -0.7 -2.6 -3.1 -3.8 34.9 26.6 22.1 19.2 20.5 29.9 16.5 24.2 15.5 19.7 15.7 21.0 15.7 22.9 22.2 21.4 28.5 25.0 29.0 25.2 24.9 57.5 60.7 54.3 55.8 54.9 54.8 53.6 57.7 h16 千万円 2,051 1,205 894 606 4,033 1,748 1,714 1068 製造品出荷額 h16 百万円 120,031 84,937 35,839 53,561 76,898 130,530 92,196 143,398 製造業従業者数 h16 人 4,476 2,507 3,108 2,893 3,702 4,005 3,635 4,983 出荷額/従業者 h16 万円/人 2,682 3,388 1,200 1,851 2,077 3,259 2,536 2,878 小売業販売額 h16 百万円 73,989 73,081 64,117 34,882 76,020 39,228 47,446 72,057 小売業従業者数 h16 人 4,628 4,691 4,323 2,724 4,737 2,748 3,335 4,289 販売額/従業者 h16 万円/人 1,599 1,558 1,483 1,281 1,605 1,428 1,423 1,680 新築住宅着工件数 h16 戸 608 341 224 291 341 259 386 234 住宅地平均価格 h16 百円/㎡ 164 164 165 134 159 363 138 一人当課税対象所得額 h16 千円/人 1,132 834 964 1,125 1,114 1,109 1,038 1,138 歳入 h16 百万円 33,862 27,440 50,805 26,408 25,739 24,127 26,282 46,819 人口一人当たり歳入額 h16 万円/人 47.2 44.1 75.4 44.2 36.4 40.9 38.7 79.0 財政力指数 h16 0.55 0.34 0.26 0.38 0.56 - - 0.35 総人口 人口指標 就業人口 農業 製造業 小売業 常陸太田 市 山武市 年 単位 5カ年の増減率 佐渡市 旭市 住宅 所得 財政 - (*小売業関係の指標は笛吹市に限り平成14年値である) (資料:地域経済総覧 - 16 - 2007 東洋経済) ○ 財政面の指標として「財政力指数」についてみると、0.5 を越えているのは旭市 (0.56)と笛吹市(0.55)の2市だけである。 以上のような点を概括すると、笛吹市は人口規模からみると、全国の市の中で中位程度 のポジションですが、立地条件からみると、関東と中京圏を両翼に控える優れた市場条件 を有している都市といえます。 また、少子高齢化の流れは全国的なものですが、笛吹市においては少なくとも現状では 人口増を維持しており、高齢化率もそれほど高くありません。特色ある農業や温泉資源に 代表される観光資源を有し、良好な市場条件の中で地域の資源性をうまく活かすことによ って、地域の活性化を図る可能性は十分に備えていると評価できます。 年 単位 萩市 山鹿市 玉名市 宇城市 出水市 宮古島市 h17 人 57,989 59,398 60,807 57,727 71,851 63,091 57,908 53,480 % -6.1 -3.7 -2.5 -3.0 -1.6 -1.4 -0.9 -1.4 高齢化率 h17 % 31.6 23.2 28.9 28.9 22.6 25.5 25.0 22.8 第一次産業 h17 % 16.1 18.0 14.3 30.7 19.6 18.5 12.4 23.7 第二次産業 h17 % 19.5 28.3 30.2 25.2 30.2 24.2 28.1 15.8 第三次産業 h17 % 64.0 53.5 55.2 54.8 50.1 56.9 59.4 59.8 農業産出額 h16 千万円 662 1,671 1,378 1,697 2,237 1,758 2,436 1,134 製造品出荷額 h16 百万円 21,896 278,984 156,754 60,255 82,447 101,704 108,728 17,644 製造業従業者数 h16 人 2,262 5,536 4,958 3,038 2,934 5,321 4,830 882 出荷額/従業者 h16 万円/人 968 5,040 3,162 1,983 2,810 1,830 2,251 2,000 小売業販売額 h16 百万円 53,353 60,463 54,743 48,183 55,832 58,659 51,364 38,505 小売業従業者数 h16 人 4,263 4,167 3,684 3,304 4,026 4,481 3,486 3,096 販売額/従業者 h16 万円/人 1,252 1,451 1,486 1,458 1,387 1,309 1,473 1,244 新築住宅着工件数 h16 戸 308 352 360 284 285 384 365 358 住宅地平均価格 h16 百円/㎡ 163 244 103 125 202 235 132 111 一人当課税対象所得額 h16 千円/人 1,009 995 926 834 956 879 852 684 歳入 h16 百万円 37,175 24,967 29,477 30,504 28,142 28,018 25,549 36,374 人口一人当たり歳入額 h16 万円/人 64.1 42.0 48.5 52.8 39.2 44.4 44.1 68.0 財政力指数 h16 - 0.39 0.29 0.49 0.38 0.41 - 総人口 人口指標 就業人口 農業 製造業 小売業 5カ年の増減率 朝倉市 宇佐市 住宅 所得 財政 0.31 (資料:地域経済総覧 - 17 - 2007 東洋経済) 都市特性チャート ○ 人口増加率及び高齢化率の面で、他都市と比べ特徴的な傾向がみられる。 笛吹市特性チャート(全国類似都市水準指数=50.0) 人口増減率 69.1 70 60 人口あたり歳入額 高齢化率 47.7 50 40.3 40 30 人口あたり課税対象所得額 人口あたり農業産出額 61.8 52.0 人口あたり小売業販売額 人口あたり製造品出荷額等 51.0 57.4 人口増減率 高齢化率 笛吹市 五所川原市 佐渡市 常陸太田市 旭市 山武市 紀の川市 三次市 萩市 朝倉市 宇佐市 山鹿市 玉名市 宇城市 出水市 宮古島市 1.0% -1.6% -6.6% -3.3% -0.7% -2.6% -3.1% -3.8% -6.1% -3.7% -2.5% -3.0% -1.6% -1.4% -0.9% -1.4% 21.4% 25.0% 34.9% 26.6% 22.1% 19.2% 20.5% 29.9% 31.6% 23.2% 28.9% 28.9% 22.6% 25.5% 25.0% 22.8% 人口一人あたり(万円/人) 農業産出額 製造品出荷額等 小売業販売額 課税対象所得額 28.6 19.4 13.3 10.1 57.1 29.6 25.3 18.0 11.4 28.1 22.7 29.4 31.1 27.9 42.1 21.2 167.4 136.6 53.2 89.6 108.9 221.2 135.9 241.8 37.8 469.7 257.8 104.4 114.7 161.2 187.8 33.0 103.2 117.5 95.2 58.3 107.6 66.5 69.9 121.5 92.0 101.8 90.0 83.5 77.7 93.0 88.7 72.0 (資料:地域経済総覧 - 18 - 113.2 83.4 96.4 112.5 111.4 110.9 103.8 113.8 100.9 99.5 92.6 83.4 95.6 87.9 85.2 68.4 歳入額 47.2 44.1 75.4 44.2 36.4 40.9 38.7 79.0 64.1 42.0 48.5 52.8 39.2 44.4 44.1 68.0 2007 東洋経済) ポジショニング分析 ○ 類似都市のポジショニングから、高齢化率と人口増減率との緩やかな相関(高齢 化率=高、人口増減率=低)を読みとることができる。 ○ 全国的な人口減少化傾向の中、笛吹市の類似都市も同様の傾向にあるが、笛吹市 だけは人口増減率プラスとなっている。 人口関連指標による類似都市のポジショニング分析 40% 佐渡市 三次市 萩市 30% 山鹿市 宇佐市 常陸太田市 高 齢 20% 化 率 宇城市 五所川原市 朝倉市 玉名市 紀の川市 出水市 笛吹市 旭市 山武市 宮古島市 10% 0% -7% -6% -5% -4% -3% -2% -1% 0% 1% 2% 人口増減率 ※ポジションサークルの面積は人口の相対的規模を示す。 ○ 産業関連指標によるポジショニングからは際だった特性は見られない。 産業関連指標による類似都市のポジショニング分析 130 三次市 人 120 口 あ 110 た り 小 100 売 業 90 販 売 80 額 旭市 笛吹市 宇城市 佐渡市 山鹿市 萩市 朝倉市 宇佐市 出水市 玉名市 70 ( 宮古島市 60 紀の川市 山武市 常陸太田市 ) 万 円 五所川原市 50 0 50 100 150 200 250 300 350 400 人口あたり製造品出荷額等(万円) ※ポジションサークルの面積は人口あたり農業産出額の相対的規模を示す。 - 19 - 450 500 ⑥―2 県内における周辺都市との比較 県内の周辺都市との主要な指標を比較したものが、下の表に示すものです。 笛吹市の特徴としては、以下のような点があげられます。 ○人口の規模は甲斐市とほぼ同じで、人口が増えているところは、本市と甲斐市・中 央市だけである。 ○高齢化率は県平均や甲府市よりもやや低くなっている。 ○産業構造では、笛吹市は山梨市・甲州市とともに第一次産業の割合が概して高く、 農業産出額が両市の2倍程度の規模になっている。 ○住宅の新築件数の状況は、甲斐市とほぼ同じである。 ○住民一人当たり課税対象所得額では、周辺都市の中では比較的低い。 ○財政力指数も、決して高くはない。 表 周辺都市との主要指標比較 年 単位 総人口 人口指標 就業人口 農業 製造業 小売業 h17 人 5カ年の増減率 % 笛吹市 甲府市 71,711 194,244 1.0 山梨市 甲斐市 甲州市 中央市 大月市 38,686 74,062 35,922 31,650 30,879 -1.0 -2.8 3.3 -2.7 2.9 -6.8 15.0 22.2 高齢化率 h17 % 21.4 22.2 25.1 15.3 26.7 一次産業 h17 % 19.6 2.4 20.3 3.5 25.1 8.5 1.8 二次産業 h17 % 22.9 25.6 22.8 33.7 23 33.8 35.0 三次産業 h17 % 57.5 71.9 56.9 62.8 51.8 57.6 63.2 農業産出額 h16 千万円 2,051 398 1,102 206 1,125 457 29 製造品出荷額 h16 百万円 120,031 284,931 33,591 80,068 46,709 163,599 38,280 製造業従業者数 h16 人 4,476 10,220 1,648 3,399 1,887 4,906 2,162 出荷額/従業者 h16 万円/人 2,682 2,788 2,038 2,356 2,475 3,335 1,771 小売業販売額 h16 百万円 73,989 275,954 32,561 59,812 24,980 46,561 18,353 小売業従業者数 h16 人 4,628 14,687 2,131 3,122 1,651 2,186 1,681 販売額/従業者 h16 万円/人 1,599 1,879 1,528 1,916 1,513 2,130 1,092 新築住宅着工件数 h16 戸 2,223 229 629 164 299 75 住宅地平均価格 h16 百円/㎡ 458 325 425 549 一人当課税対象所得額 h16 千円/人 歳入 h16 百万円 人口一人当たり歳入額 h16 万円/人 財政力指数 h16 608 住宅 所得 財政 - 596 284 1,132 1,368 1,115 1,357 1,111 1,395 1,188 33,862 62,205 19,305 23,375 17,759 13,647 13,276 47.2 32.0 49.9 31.6 49.4 43.1 43.0 0.41 0.68 - - 0.81 0.55 0.80 (資料:地域経済総覧 (*小売業関係の指標は笛吹市に限り平成14年値である) - 20 - 2007 東洋経済) 都市特性チャート ○ 周辺都市との比較の中で、人口あたり農業産出額及び人口あたり歳入額が突出し ている状況がチャートとして描かれる。 笛吹市特性チャート(県内周辺都市水準指数=50.0) 人口増減率 55.6 70 60 人口あたり歳入額 62.3 高齢化率 50.7 50 40 30 人口あたり課税対象所得額 37.6 人口あたり農業産出額 63.6 人口あたり小売業販売額 人口あたり製造品出荷額等 47.4 50.5 - 21 - また、市が整備主体となっている公共施設の整備状況を比較したものが、下の表であり、 以下のようなことがいえます(但し、これは「市」の施設のみを対象としたものに限って いる)。 ○ 周辺都市と比較して、整備状況が概して低いのは、 「道路(市道)の改良率」、 「都市 計画区域内公園の一人当たり面積」 、 「屎尿処理率」 「公共下水道普及率」といったもの である。 ○ 一方、周辺都市と比較して、かなり整備状況が進んでいると思われるものは、 「図書 館」 「集会所」であり、文化・学習面やコミュニティ関連施設の整備が比較的良好と判 断される。 表 周辺都市との公共施設整備状況比較 年 単位 笛吹市 甲府市 山梨市 甲斐市 甲州市 中央市 大月市 改良率 h15 % 42.6 68.6 35.0 78.0 39.7 53.6 65.8 5カ年の増減率 h15 % 87.6 93.7 90.3 94.2 92.0 89.6 72.9 15 44 8 17 16 16 3 108,337 895,763 192,111 335,521 221,291 100,568 350,689 1.5 4.6 5.0 4.5 6.2 3.2 11.4 道路 (市道) 箇所数 市立都市公 園等 面積 (都市計画 区域内) h16 箇所 h16 ㎡ 人口一人当たり面積 h16 ㎡/人 屎尿処理人口 h16 人 4,162 6,590 14,005 1,756 10,589 3,044 20,740 h16 % 5.8 3.4 36.2 2.4 29.5 9.6 67.2 h16 人 73,094 193,795 39,542 73,969 37,476 32,047 31,609 h16 % 101.9 99.8 102.2 99.9 104.3 101.3 102.4 h16 % 48.2 96.2 41.0 66.8 97.0 75.2 32.4 全人口に対する屎尿処 廃棄物処理 理対応率 状況 ごみ処理人口 全人口に対するごみ処理 対応率 公共下水道普及率 保育所 h16 箇所 15 5 11 8 7 6 4 児童館 h16 箇所 4 4 3 9 3 10 1 養護老人ホーム h16 箇所 0 0 1 0 0 0 0 特別養護老人ホーム h16 箇所 0 0 0 0 0 0 0 公会堂・市民会館 h16 箇所 2 14 2 2 1 1 1 図書館 h16 箇所 6 1 1 3 3 2 1 箇所数 h16 箇所 220 53 108 86 20 56 222 人口千人当たり箇所数 h16 3.07 0.27 2.79 1.16 0.56 1.77 7.19 児童福祉施 設 老人福祉施 設 集会施設 箇所/千人 (資料:平成 16 年度 市町村別公共施設状況調(簡易調査:平成 17 年度版) 山梨県) - 22 - 5)時代の潮流や県計画からみた笛吹市の課題や役割 ① 時代の潮流に対しての笛吹市の対応課題 ①―1 地方分権の推進 地方分権は、住民に身近な行政の権限や財源をできる限り地方自治体に移し、地域の創 意工夫による行政運営を推進できるようにするための取り組みです。 そのためには、 「自己決定・自己責任」の原則のもと、地域の実情やニーズに応じた個性 的で特色あるまちづくりや、安定した行政サービスが提供できる体制づくり、権限の移譲 に対応可能な人材の育成・確保が必要です。また、NPO・地域コミュニティなどとの連 携による住民と行政との協働の推進など、体制の整備を行う必要があります。 笛吹市は、7つの町村が合併し新たに誕生した市です。まずは、旧自治体域の特色を踏 まえつつ、笛吹市としての一体感の醸成が求められます。市民が共有できるまちづくりの ビジョンを明確にしていくとともに、その達成に向けて市民・事業者・行政がそれぞれの役 割を分担し、協働体制による新たなまちづくりへの力を結集し、自立性のある都市づくり を行う体制を構築することが求められます。 ①―2 少子高齢化の進行 我が国では、出生率の低下や平均寿命の伸長に伴って、少子高齢化が進行しており、本 格的な人口減少社会に突入しつつあります。少子化の指標である合計特殊出生率の低下と 老年人口の割合の増加傾向が進む中で、地域全体で子どもを安心して生み育てることがで きる環境づくりや、高齢者が元気で暮らせるやさしいまちづくりのため、子育て支援、地 域医療体制の整備、高齢者の健康・生きがい対策や介護保険など、保健・医療・福祉部門 における重点施策の展開が強く求められています。 笛吹市においても、現状では人口は増えていますが少子高齢化の現象は確実にあらわれ ており、このままでいくと近い将来には人口減に転じることが見通されます。このまちに 住み、このまちで暮らしたいという人々を育てていくために、幼少期から高齢期にわたる それぞれのライフステージに即した適切な対策を講じていくことが求められます。また、 人が財産であるという考え方のもと、生涯現役で社会に貢献し自己実現を図っていくこと ができる社会の仕組みづくりを整備することが必要となります。 ①―3 安全で安心な社会の構築 自然災害や犯罪に対する安全性の確保は、現代社会の中で最重要課題のひとつとなって おり、近年の大規模災害の発生や子どもに対する犯罪が増加する中、これまで以上に防災・ 防犯面での総合的な対応策や体制づくりが求められています。このため、地域のコミュニ ティと市民そして行政が連携・協同して防犯・防災の維持に努め、誰もが安心して暮らせ る安全なまちづくりへの取り組みが求められます。 笛吹市においては、市のホームページ上でも防災情報の提供を行い、常に最新の情報提 供に努めていますが、防犯については地域における市民の目が重要であり、地域での見守 - 23 - り体制の強化に努めていく必要があります。 ①―4 地域間競争時代への対応 企業誘致や観光振興をはじめ、様々な分野で地域間の格差が大きくなっています。今後 とも活力ある地域として発展していくためには、他の地域にはない独自の魅力づくりを、 より一層強力に進めていく必要があります。 このため、これまでに守り、育んできた地域の資源を融合することにより、うるおいと 安らぎがあり、活力と躍動感にあふれ、歴史と文化の薫る個性的な地域づくりを進め、魅 力あふれる都市づくりを目指すことが必要です。 笛吹市は、古代以来の歴史を持つとともに、甲斐の国の中心地としての役割を担った文 化を持ち、さらに温泉や果樹を中心とした観光地としての蓄積を有しています。関東と中 京圏の中間に位置する立地特性も踏まえ、笛吹市が有する歴史・文化、そして観光・交流 の実績に磨きをかけ、個性あるまちづくりが求められます。 ①―5 高度情報化の進展 インターネットやケーブルテレビをはじめとするネットワークの拡大や携帯電話の急 速な普及など情報通信技術の飛躍的な進歩は、今日、社会のあらゆる分野に大きな変革を もたらしています。こうした流れは、今後ますます加速することが予想され、「情報」は、 私たちの日常生活にとっても必要不可欠なライフラインとなりつつあります。 このため、こうした高度情報化の進展に対応した高度情報通信基盤の整備・充実ととも に、情報通信手段を活用した行政サービスの提供に取り組む必要があります。また一方、 情報バリアともいうべき、高度情報化には馴染みにくい人々がいることにも配慮する必要 があります。 笛吹市はCATVが設置され、市民の重要な情報源となっていますが、今後、運用のあ り方を検討し、効果的な情報伝達媒体としてより高度化する情報時代への対応を図るとと もに、子どもから高齢者まで、誰でもが情報を入手しやすい環境づくりに努める必要があ ります。 ①―6 国際化の進展 国際化の動きは、経済面のみならず、観光・文化・スポーツ・学術等様々な分野で大き く進展しています。また、地球環境という観点からも、資源やエネルギー問題等、単一の 国の問題ではなく、地球規模で捉える必要がでてきています。21 世紀は国際交流の時代と もいわれ、国際化の進展は地球の平和活動にも大きく寄与することが期待されています。 笛吹市においては、バートメルゲントハイム(ドイツ)、ニュイ・サン・ジョリュジュ(フ ランス)、肥城(中国)といった都市と国際的な友好都市関係を結び、交流を深めています が、今後は、さらに外国人にもやさしい地域づくり、あるいは、外国人を地域の人材とし て活用していくような取り組みも、これからの国際化の時代には求められてきます。 ①―7 厳しい財政状況への対応 現在、国・地方ともに極めて厳しい財政状況に直面している中で、国においては三位一 - 24 - 体の改革が進められるなど、地方自治体は今後も更に厳しい財政運営が避けられない状況 にあります。 こうした状況の中で、従来の行政サービスの水準を維持・向上していくとともに、今後 ますます高度化・多様化する住民ニーズに的確に対応していくためには、行政組織・制度 の整理統合、スケールメリットを活かした業務の効率化などにより、行財政基盤をより強 固で安定したものにする必要があります。 笛吹市は7つの自治体の合併により一定の行財政の基盤を強化しましたが、財政力指数 は 0.6 程度でまだ十分な基礎固めはできていません。既に行財政改革の計画を策定してお り、今後この計画に沿った、着実な行財政の立て直しが求められます。 - 25 - ② 県計画からみた笛吹市の役割 山梨県の長期総合計画「創・甲斐プラン21」は平成 25 年度を目標に、以下のような計 画像を示しています。 目指すべき県土像 誇れる郷土 ∼ 活力ある山梨 美しい自然環境の中で、産業が力強く躍動し、喜びに満ち溢れた 暮らしが営まれ、活発な交流が展開する社会 山梨の3つの宝 美力 ・ 民力 ・ 創力 県土像実現のための政策分野 ○時代を生き抜く力強い産業の振興 ○環境日本一やまなしの確立 ○明日を拓く人づくり・文化づくりの展開 ○安心・安全に暮らせる社会の形成 ○快適な生活と活発な交流を支える基盤の充実 また、将来指標としては、次のような目標設定がなされています。 総人口 平成 12 年 888,000 人 ⇒ 平成 25 年 874,000 人 (対平成 12 年:-0.1%) 高齢化率 平成 12 年 19.5% ⇒ 平成 25 年 25.3% 観光客数(実数) 平成 14 年 約 4,000 万人 平成 25 年 約 6,000 万人 (対平成 14 年:150%増) 果樹の生産量 平成 14 年 約 146,000t 平成 25 年 約 151,000t (対平成 14 年:0.3%増) - 26 - ∼ 笛吹市は、県都甲府市を除くと、甲斐市、南アルプス市とともに人口7万人都市の一つ として県内の主要都市の一角に位置付けられ、県土発展の重要な役割を担っています。 その役割の中でも「農業(果樹)」と「観光」の分野については、大きなものがあります。 「観光」については、県計画では平成 25 年度までに 1.5 倍の観光客数の伸びを図ることを 計画しています。それに対しては、単に笛吹市だけの問題ではなく、広域的な取り組みも 含めて山梨県の観光振興の縦軸・横軸を繋ぐキーポジションとしての役割が期待されます。 県土の縦軸・横軸を繋ぐキーポジシ ョンに位置する笛吹市 (資料:山梨県ホームページより抜粋) - 27 -