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天 龍 村

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天 龍 村
とき
私たちはつくります 豊かな暮らしとしあわせな未来を
私たちはつくります 笑顔あふれる思いやりの郷 天龍
天 龍 村
目 次
はじめに
1
Ⅰ.天龍村がめざす”むらづくり”
2
○ むらづくりへの基本理念
2
○ 基本方針(3つの柱)
2
○ 重点事項(6項目)
3
○ これからのむらづくりについて
4
○ 重点事項にかかる具体的な施策・行動等
6
Ⅱ.行政改革について
11
1.地区担当職員制度の活性化
11
2.職員削減計画
13
3.役場組織・機構の見直し
14
(1)平成16年7月1日付け組織・機構改革
14
(2)平成17年度以降の組織・機構改革(案)
15
4.各種行政委員会等の見直し
16
5.職員の意識改革等について
17
Ⅲ.税財政改革について
18
1.人件費の削減
18
(1)平成15年度までの主な人件費等削減への取り組み状況
18
(2)平成16年度以降の人件費削減
20
2.歳入の確保(増収案)
22
○ 村税等の見直し
22
○ 使用料・手数料等の見直し
23
○ その他増収案の検討
24
3.モデルケースからみた負担増加額の試算
25
4.天龍村の税財政試算(シミュレーション)
27
5.歳出の削減
28
はじめに
国・地方の危機的な財政状況や少子高齢化社会、住民ニーズの多様化への対応
が求められる一方で、地方分権時代の受け皿となり、住民に最も身近な総合的な
行政主体として、質的にも高度化し、量的にも増大する事務を適切かつ効率的に
処理することが求められています。
また、就任以来11年間にわたる村政を運営してくる中で、職員の削減や起債
の繰上償還等、行財政改革に取り組んできたところですが、現在政府が進めてい
ます三位一体の改革は、地方に大きな負担をかけるものであり、今後の村政運営
について考えますと、今までと同様な取り組みでは到底乗り切ることのできない
現実を実感しているところです。
当村においては、一昨年から村民の皆さま方の意向を、住民アンケート、地区
懇談会の開催、合併問題検討委員会からの答申等を通し、市町村合併について議
論を重ねて参りました。
しかしながら、郡下の状況、近隣町村の動向により合併によるむらづくりの研
究もかなわず、次の機運が熟すまでは、当面、合併する、しないにかかわらず、
この天龍村地域の良さを再確認し、住民が安心し豊かな生活を送るために、村民
の皆さま方にもご理解をいただき、行政と住民が一体となって行財政のスリム化
を図り、天龍村がいつまでも継承をされ、なお発展する地域にしなくてはならな
いものと考え、このたびの計画づくりとなりました。
今回、むらづくり計画の策定に当たりましては、広く村民の皆さま方のご意見
をいただくために 、「天龍村自治と協働によるむらづくり村民会議」を設け、今
後の村づくりのあり方について諮問したところであります。村内の各種団体から
の選出者、村民からの公募委員16名からなる村民会議では、各委員の精力的か
つ熱心な協議を通じ、まさに村民が主人公として 、『今後のむらづくりについて
は、村民が主体的に、責任を持って取り組んでいくことを原則とし、行政は、村
民の努力を可能な限り支援する。すなわち、村民と行政が一体となってすすめる
協働型のむらづくりへ意識を転換し、一人一人が実践していく、という基本的な
考えを共有した 。』という答申を頂きました。
村の将来について、多くの皆さま方が関心を持ち、協議くださいましたことに
対しまして、心から感謝し本当にうれしく思うところであります。
今後のむらづくりへの取り組みは、決して平坦ではありませんが、役場の行財
政改革の徹底を図り、住民・地域・民間団体・行政等の役割分担や近隣町村との
広域的な連携なども検討し 、「天龍村に住んでいて良かった」と思えるような地
域を、村民の皆さま方と一緒に創り上げていきたいと考えております。
平成16年9月
天 龍 村 長
1
秦
正
むらづくりへの基本理念 (スローガン)
と き
私たちはつくります 豊かな暮らしとしあわせな未来を
私たちはつくります 笑顔あふれる思いやりの郷 天龍
「豊かな心=思いやり」は、村民の衣食住、また文化、歴史、芸能、全てに通じる言葉であ
ります。
天龍村に今なお、継承されている文化、芸能、伝統、自然はその一つひとつがとても素晴
らしい遺産であり、誇れるものです。古い時代から現在(近代)まで、それらが脈々と息づ
いていられるのはどうしてでしょうか?
その時代々に天龍村に生きてこられた多くの先達、諸先輩の皆さんが、ただ守っていくと
いう気持ちより、参加し、手を加えてきてくれたからこそ、今があるのだと信じます。そし
て、これからも、この天龍村に、将来を担うこどもたちの笑顔があふれ、思いやりに満ちた
村であることを望みます。
この事を考える時、声を大にして提言します。全ての事柄に対し、守るという感覚から、
手を加える、参加するという「意識の転換」 「気持ちのきりかえ」をしていきませんか。
村民一人一人が全員で……、わたしたちが主人公となりつくるのです。
基 本 方 針 (3つの柱)
1. 住民が暮らしやすい環境づくり
住民が安心して働き、家庭を築ける環境づくりのために、生活基盤の整備、結婚対策や子
育て支援などの充実、UIターンを推進するとともに、定住するための雇用の場の確保が欠
かせません。村の基幹産業としての林業や農業、さらにこれらの産業、福祉、教育などを一
体的に進めることにより、健康に配慮した「療養・保養型観光」や村の自然文化を活かした
「体験学習型観光」など、地域資源を活かした地域にあった産業の育成に努めます。
2. 生きがいのもてる村づくり
本村は県内でも高水準の高齢化率となっておりますが、この現実を前向きにとらえる必要
があります。知恵と経験が豊富な高齢者に積極的に活躍してもらい、村の支えとなってもら
えるような体制を整備するとともに、介護保険制度の充実を含めて介護・福祉・医療を一体
的に推進し、地域ぐるみで高齢者の支援を進めます。
また、全村民が、活き活きにこにこ暮らしていくために、お互いを必要とし支え合えるよ
うなコミュニティの形成を目指します。
3. 誇りをもてる村づくり
本村には、天竜川をはじめ、豊かな水を育む山林や、日本の原風景ともいわれる伝統文
化、そして、豊かな心と思いやりの気持ちを育んできた風土など、辺境地ゆえに素晴らしい
財産があります。本来的な人間の幸せというものに基準を移したとき、この天龍村は非常に
多くの素晴らしい要素があります。日本全体が平準化しつつある現在、「天龍」ならではの
人情、歴史伝統、手つかずの自然などを大切にしながら、むらづくりを進めるとともに、村
民一人一人が村に対しての誇りをもつことができるように努めます。
2
重 点 事 項 (6項目)
定住促進
○
○
○
○
○
○
○
土地対策等居住環境の整備
雇用の場の確保
I・Uターン者の地域融合策の促進
生活習慣の見直しと改善
若者等定住促進策の見直し
危機管理(生活環境づくりのため)への対応
地区の見直し・再編による支え合う体制づくり
福 祉
○ 福祉と医療の連帯強化・介護の充実
○ 子育て支援の充実
○ 生きがい・就労対策
産 業
○ 農林業の振興
○ 森林の自然等、多面的利用の推進
○ 商工業、建設業の振興
○「天龍ブランド商品開発委員会」の設置(民間組織)
教 育
○
○
○
○
○
○
小中学校の存続と広域での教育交流
地域史・過去の歴史を踏まえた平和教育の維持・充実
生涯学習への参加意識の高揚と実践
特色ある学校づくりの研究と実践
天龍学校の実現
私立学校やNPO等との交流の推進
観 光
○
○
○
○
この地域の資源である自然等を有効活用した観光施策
観光協会の組織の見直しと強化
龍泉閣とおきよめの湯を中心とした面的観光の推進
国道418号線の拡幅改良など道路の整備
芸能文化
○ 祭り・伝統芸能・史跡・遺跡の保存伝承の強化
○ 観光とのタイアップ
○ 自然環境の見直し、水の復元化
3
○
これからの「むらづくり」について・・・村民が主人公となるむらづくり
村を住みやすくしていくのは、住民の権利であり義務でもあります。
地域の課題のすべてを行政が担当し、行政支出のみにより解決するのではなく、住民が自
分たちの生活の場に置いて、身のまわりの問題を一つ一つ解決していくことにより、自主的
なむらづくりの意識を高めることが出来ます。
基本理念に掲げられたむらづくりを行うには、こうした、住民参加、住民自らのむらづく
りの行動を通じ、行政と住民間の合意形成を図りながら、行政と住民との役割分担を確認
し、お互いの責任のもとでむらづくりを推進していくことが求められます。
協働によるむらづくりとは?
・・・「補完性の原則」に基づく社会システムの構築
自律的な地域社会においては、個人ができることは個人自らが行い(自助)、個人ではでき
ないことは家族や地域の取組み(共助)の中で解決し、それでも解決できない問題は行政が
担うこと(公助)が基本となります。 ・・・「補完性の原則」
・・・・・・<協働型むらづくり イメージ図>・・・・・・
自助
主体
共助
主体
村民
区・班
公助
主体
(個人・家族)
(コミュニティ)
役 場
個人の努力
力の結集
補完的支援
○自分でできることは
自分で行う
○個人ではできない地域
活動を行う
○自らの暮らしをより
よいものとする
(任意の趣味的団体
への参加・活動)
○地域の和と伝統を
守る
(祭りの実施、隣組の
親睦など)
○地域の課題は村民が
結集し解決する
主
体
まちづくり団体・ボラン
ティア・NPO等
○公共サービスや地域
づくりの新たな担い手
○行政にない着眼点
地区・集落
個人 家族
班・隣組
各種団体
ボランティア
4
○地域社会のビジョンや
基本計画をつくる
・都市計画
・産業振興
・住民福祉の向上
・教育、文化振興
○共通のルールや制度を
つくる
○自助、共助で解決でき
ない課題に対応する
○地区の活動を財政的に
支援する
村(自治体)
協働型むらづくりにおける各主体の役割
《地域住民の役割》
住民は、サービスの受け手であるのみならず、行政と協働しながら、サービス提供や地域
づくりの担い手として主体的に活動し、住民自治の拡充に向けて積極的に取り組んでいくこ
とが期待されます。
《村の役割》
住民生活や地域に密着した行政を総合的に担うべき最も身近な政府として、自己決定・自
己責任の原則に基づき、地域のあり方について住民の意見を反映しながら、住民の監視のも
とに自律的な行財政運営を行っていくことが期待されます。
村民=自助
地域=共助
☆ 自分でできることは自分でやる
☆ 地域でできることは地域でやる
・健康づくりに取り組む
・隣近所でお互いに助け合う
・景観や自然環境を大切にする
・ごみを出さない暮らしに努める
・痴呆予防に取り組む
・地域における子育てに協力する
・自分の知識を地域に還元していく
・祭りや伝統芸能を支える
・地域間交流活動に取り組む
・消防・防災・防犯・交通安全・
保健福祉・青少年の健全育成の推進
・環境美化(草刈り・支障木の除去ごみの
分別・リサイクル)
・道路や水路の簡易な修理
・高齢者の介護・安否確認
・施設・公園の維持管理(清掃・草刈り・
公園用具の補修)
協働型むらづくりの必要性
協働型むらづくりが必要とされる背景には次のような理由が挙げられます。
(1)地方分権の推進による真の住民自治
むらづくりのあらゆる分野で、住民が主体となって行政運営に参加し、自分たちの暮らしや
考え方にあった地域づくりができるようになった。
(2)行政サービスの限界
住民活力の導入や行政経費に対する住民の応分な負担が必要となってきており、更に多様
化・増大する行政需要の全てに対応することが能力的・財政的にも厳しい状況
(3)自治への参画意欲の拡大
公共サービスや地域づくりを自治体が一元管理する行政システムには限界があります。従
来から行われている各地区における独自活動をはじめ、子育て、恵まれた自然環境、福祉、
村の特産品などに目を向けた各種団体や様々なグループが活動するなど様々な試みがなされ
ています。
このような活動の裾野を広げ、住民自治への参画意欲が拡大することにより村への愛着が
高まるとともに村づくりを支える人材の育成が図られます。
5
重点事項にかかる具体的な施策・行動等
協働型むらづくりの考え方のもと、基本理念の実現に向けて、重点事項別に具体的な施
策・行動・取り組みなどを以下にまとめました。
これらは、①役場が主体となって取り組むべきもの、②村民が主体となり役場はその取り
組みを支援するもの、③村民が主体となり独自に村民自身が取り組んでいくべきもの、と概
ね3つに分けられると考えられます。
これまでの行政主導型村づくりから脱却し、行政と住民がお互いの立場を尊重し、対等な
立場で良きパートナーとして連携し、それぞれの知恵と責任において取り組んでいくことが
必要となります。
定住促進
《具体的な施策・行動・取り組み等》
土地対策等居住
環境の整備
○村有分譲地の確保と土地取得希望者への提供
(空き屋リスト作成等情報の収集・公開)
○空き屋民家のリニューアルによるレンタルハウス等有効活用や土地売買
の仲介など
雇用の場の確保
○バイオマス発電等新エネルギーの活用と観光開発により
雇用の場を確保する。
I・Uターン者の
地域融合策の促進
○サークル、若者団体(若者が元気な村)などの設立
生活習慣の見直し
と改善
○慶弔時などへの対応
若者定住促進策の
見直し
○若者定住促進条例の失効に合わせ、出産祝金、結婚祝金、結婚
相談員制度、通勤助成金等の見直し
危機管理(生活環
境づくりのため)
への対応
○必ず起きると想定さる東海大地震等災害時マニュアルの充実
(組織・点検等)、周知
地区の見直し・再
編による支え合う
体制づくり
○地域で支え合うための体制づくり
(共助の促進)
6
福 祉
《具体的な施策・行動・取り組み等》
○共助と公助による身近で身軽な福祉を定着
・介護予防ヘルパー制度(元気かと声をかけるヘルパー:資格不要)
・郵便配達物、宅配物等の配達者との連絡会・生活面でのサポーター制度
・役場地区担当者による高齢者リストの作成と定期訪問
(地区担当職員の活性化)
福祉と医療の連帯
強化・介護の充実
子育て支援の充実
生きがい・就労対策
○予防医療の充実(保健師の積極的な村内活動、地区別介護予防
ヘルパーを各地区に養成)
○社会福祉協議会の事業(デイサービス事業、ホームヘルプ
サービス事業、福祉バス事業など)充実
○グループホームやミニディサービスの常設
○障害者用温泉風呂の設置及び温泉輸送車の活用
○老人住宅(森の郷)への入居促進
○寝たきり老人家庭介護者慰労金制度の検討
○小児医療費補助の充実=現在6歳までの医療費補助を小学校卒業
時まで延長。
○延長保育、一時的保育事業の充実
○学校、地区集会所等を活用した子育て世代へのサポート施設
(宅老所+保育園+託児所+子育て相談所としての集会所)と
合わせて地域コミュニケーションの活性化(小さい子供を持つ親、
または、幅広い年齢層の交流の場としての活用)
○農林業公社・社会福祉協議会を通じてのシルバー(シニア)人材
の活用
○村内の名人・達人の方々による文化の伝承と生きがいの創出
産 業
《具体的な施策・行動・取り組み等》
農林業の振興
○長期的計画を含む農林業公社の目的及び方向性の開示
○農地、林地の荒廃化の防止・保全と荒廃地の蘇生
○鳥獣による農作物への被害防止を推進し安定した生産確保を図る
○地域特産物の生産奨励と定着化(販売も含め中井侍のお茶、
田井沢のナス、ゆべし)
○農産物の地域集団出荷体制の確立と地産地消の推進
○委託(受託)営農事業の推進
○グリーンツーリズムへの参画
7
商工業、建設業の
振興
○商工会を中心とした組織の確立→地産地消
○特産品を村あげて支援拡大して、全国に発信する。
○福祉型商業の推進(御用聞き的商法の展開)
○観光に関連した現存する施設の120%活用
森林の自然等、
多面的利用の推進
○山林資源の活用(既存の森林事業を利用しつつバイオマス発電等
新エネルギー産業の掘り起こし)
○間伐材、竹材の活用
○観光施設(山菜、昆虫、遊歩道など)として併用する
天龍ブランド商品
開発委員会の設置
(民間組織)
○村全体をみた、様々な分野での商品開発
教 育
《具体的な施策・行動・取り組み等》
小中学校の存続と
広域での教育交流
○小中学校の存続と広域での教育交流
○広域による学校運営のあり方の検討
地域史・過去の歴
史を踏まえた平和
教育の維持・充実
○戦争と真正面から向かい合える戦争資料館(平岡、鴬巣捕虜
収容所・ダム等)の設置
○天龍中学とタイアップし、大人も一緒に地域学習により、
国際平和について世界中に発信する
生涯学習への参加
意識の高揚と実践
○公民館活動の見直しと活性化
公民館:地域交流の核とし、学習の場として、また地域文化の
担い手育成として地域の拠点となる組織
○働き盛りの人(40∼50代の)に生きがいを持ってもらう
○高齢者の教育の場への参画促進と活用
○村内の名人・達人の方々による文化の伝承と生きがいの創出
○休校、廃校施設の活用の検討
特色ある学校づく
りの研究と実践
○他の学校にはない特色、校風の検討
○思いやり教育の実践
○天龍ピカピカ大作戦の継続
8
天龍学校の実現
○こどもからお年寄りまでが共に育ち、学び合う場づくり
私立学校やNPO
等との交流の推進
○村内小中学校とどんぐり向方学園(予定)との交流の推進
○どんぐり向方学園(予定)との交流を通じて地域のお年寄りの
生きがいづくりと活性化
観 光
《具体的な施策・行動・取り組み等》
この地域の資源で
ある自然等を有効
活用した観光施策
○虫の声、鳥の声、自然の音などを聞く会、休耕田を活用して花菖蒲
園などをつくる。
○体験型観光(農業体験、山村体験、渓流の保全、渓流魚の保護
育成、伝統の地域色再発見)の推進
○飯田線を利用した観光メニューの開発と実践
○林道、自然道を活用し遊歩道の整備などを行い観光ルートを設定
○観光地インストラクター・ガイドの養成
○滝に名称を付けて、資源の発掘を図る。
○なんでも館を活用(館内へ史料、書の展示・保存コーナーの確保)
して郷土資料館的なものを設置
○戦争と真正面から向かい合える戦争資料館(平岡、鴬巣捕虜
収容所・ダム等)の設置
観光協会の組織の
見直しと強化
○観光リーダーとしての役割(観光のスペシャリストの配置)の強化
○観光客誘致のための積極的なPR
○観光事業の独立化によって観光の活性化を図る。
○観光客に対するサービスの質の向上
(料理・接遇などの教育・しつけ)
龍泉閣とおきよめ
の湯を中心とした
面的観光の推進
○龍泉閣等の経営体質の抜本的改革(民営化も含む)
国道418号線の
拡幅改良など道路
の整備
○(自然にマッチした)手作り案内掲示板の設置
○道路の安全確保、外来種雑草の駆除
○ふるさと天龍を美しく磨き上げる
→「天龍ピカピカ大作戦」大人版への村民参加の徹底
○天龍ピカピカ作戦(不法投棄ごみの回収、放置車輌一掃)による
定期的な村内全線巡視と住民による日常的な監視・通報の徹底
9
芸能・文化
《具体的な施策・行動・取り組み等》
祭り・伝統芸能・
史跡・遺跡の保存
伝承の強化
○『天龍村の霜月神楽』を始めとする祭り
○村民一人一人の関心と参加を促す学習
○祭り・伝統芸能への全村的取り組み(村のマイクロバス等の活用)
観光とのタイアップ
○観光ルートへの組入れ
○伝統芸能を活かした定期的なイベントを開催
自然環境の見直し、
水の復元化
○村名の由来であり、歴史ある天竜川に日々水が流れる環境づくり
10
村では、急速に進展する社会の様々な変化に対応し、高度化・多様化する住民
ニーズに応え、より効率的・効果的な行政運営の確立を目指すとともに、職員の資
質向上を図るために、行政改革大綱に沿って積極的に行政改革に取り組んできまし
た。
今後更に、今までの慣習にとらわれることなく全村民参加のもと徹底した情報公
開を進め説明責任を果たしながら行政改革を進めます。
1. 地区担当職員制度の活性化
協働型むらづくりのもとで、村は、自己決定・自己責任の原則に基づき、地域のあり方に
ついて住民の意見を反映しながら、住民の監視のもとに自律的な行財政運営を行っていくこ
とが求められます。今までの地区担当職員制度を見直し、地区と役場のパイプ役として地区
との信頼関係の構築に努めます。
☆ 住民意見の反映 → 政策形成・実施・評価プロセスへの住民参加の仕組みづくり
☆ 施策・事業に関する説明の徹底(説明責任) → 行政情報の徹底した公開と提供の推進
活動の内容(主な例)
○ 地区においては、村(役場)の行う事業・施策、考え方、状況について説明を行う。 ○ 役場においては、地区の実情を理解し、地区の立場になって、関係課への連絡調整を行う。
<対住民>
□ 地区の総会等への出席及び懇談会等の開催 ∼村の現況説明等
□ 地区行事等への積極的な参加(各地区の状況に応じて)
□ 地区からの要望等への対応
要望の相談・取り纏め → 担当課への連絡・協議 → 地区への回答
□ 村からの回覧文書等の区長への配布 ∼定期的な区長との情報交換
□ 村が行うアンケートの用紙等を配布・回収
□ 区への全戸加入の促進
<役場内>
□ 定期的な担当職員の勉強会の開催
・各課主要事業(住民に関係の深いもの)についての勉強会
・主要事業についての進捗状況(年度の中間)、事業結果(年度末)の説明会
□ 村民意見を施策・事業に反映するための情報交換会の開催
・総会・懇談会を通して得られた村政に対する意見を施策、事業に反映させるための会議等の開催
□ 各課(各係)に地区担当職員の相談窓口の設置
11
配
置
職
員
□ 担当地区は、基本的に、出身地区・居住地区とする。
□ 区の規模によるが、1地区につき2∼3名を配置する。
□ 配置職員は、課長職を含む一般職員(村営バス運転手、温泉職員は除く)
休職派遣等職員のうち、看護師、栄養士、寮母、調理員を除く一般職員
(地区担当職員以外の職員も、今回の制度の趣旨から居住する地区の活動には積極的に参加する)
そ
の
他
□ この制度等の管轄は総務課でおこなう。
□ 住民に対し地区担当職員制度の周知徹底を図る。
(広報、CATV、区長会、担当職員からの説明等)
検
討
課
題
等
□ 地区の再編成について
□ 現在の地区要望のあり方について
・現在の地区要望の取りまとめ方(提出項目数等)について別に検討する。
・産業建設課に係るものが多いので対応マニュアル(採択指針・基準)を作成する。
□ 集落創生交付金を活用しての地区事業の支援
12
2. 職員削減計画
天龍村では、行政改革大綱により定めました職員の定員適正化計画を超える人員削減を行い、
職員のスリム化に努めて参りましたが、更に、今後10年間で課・係の統廃合、一部事務の嘱託
化、社会福祉協議会への民営化など役場組織の改革や58才勧奨退職制度の復活と合わせ、職員
数の削減を行い適正化に努めます。
○特別職 三役の見直し <平成17年度:助役・収入役の兼務化による減>
平成16年度から平成25年度までの10年間で、
○一般職等 89人 50人 <対15年度比 約43%の削減>
<職員削減計画 内訳>
[H16∼25 毎年度4月1日現在]
職 員 数
部 門
一般行政
その他
39
16
38
14
37
14
37
14
37
14
37
14
36
13
35
12
35
12
33
12
10年間
削減数
32
△7
12
△4
小 計
55
52
51
51
51
51
49
47
47
45
44
△11
派遣職員
34
17
6
6
6
6
6
6
6
6
6
△28
合 計
89
69
57
57
57
57
55
53
53
51
50
H15
△ (退職)
+ (採用)
村 人 口
H16
H17
△20 △12
H18
H19
H20
△1
+1
H21
△3
+1
H22
△2
H23
△1
+1
H24
△3
+1
H25
△2
+1
2,153 2,099 2,012 1,965 1,919 1,872 1,826 1,779 1,735 1,690 1,646
全 職 員
一人当たり人口
39
40
39
38
37
36
37
37
36
37
37
一般行政職員
一人当たり人口
55
55
54
53
51
50
50
50
49
51
51
(新規採用は5減2増の割合で5人採用)
(参考)天龍村行政改革大綱・定員適正化計画と職員数
H11 対前年 H12 対前年 H13 対前年 H14 対前年 H15 対前年
増 減
増 減
増 減
増 減
増 減
定員適正化計画
61
0
60
△1
60
0
59
△1
59
0
職 員 数
61
△1
60
△1
61
1
55
△6
55
0
13
△39
△44
+5
3. 役場組織・機構の見直し
職員の意識改革をすすめ、少数精鋭による効率的・効果的な行政運営を行うため、
役場組織・機構の改革を行います。
(1)平成16年7月1日付け組織・機構改革
【変更前】
4課制
総務課
【変更後】
3課制
行政係
企画財政係
税務係
総務課
合併対策室
総務係
企画財政係
むらづくり推進室
税務出納室
収入役室
住民課
住民係
介護福祉係
生活環境係
国民健康保険係
住民福祉係
住民課
上下水道、廃棄
生活環境係 物、消費生活
保育所
保育所
社会就労センター
社会就労センター
振興課
農務係
林務係
商工観光係
統 合
統 合
産業建設課
建設係
建設課
住民福祉
保健衛生
産業振興
産業振興係 商工観光
国土調査
建設係
上下水道係
土木
農林道
国土調査係
教育長
社会教育係
教育委員会
学校教育係
小中学校・調理場
教育長
社会教育係
教育委員会
学校教育係
小中学校・調理場
養護 天龍荘
養護 天龍荘
天龍温泉
天龍温泉
特養 天龍荘
民営化
社会福祉協議会へ移管(H16.4.1∼)
(休職派遣職員)
14
(2)平成17年度以降の組織・機構改革(案)
☆ 特別職の削減
助役・収入役の兼務化による1名減(平成17年度∼)
☆ 民間委託の推進
・ 養護 天龍荘
社会福祉協議会へ移管
・ 天龍温泉
民間へ(16年中に公募実施)
☆ その他組織・機構改革の検討事項
○ 南支所の窓口事務の嘱託化
○ 社会就労センター所長の嘱託化
○ 2課制についての検討
… 総務課(総務+住民+会計)、産業建設課、
教育委員会
15
4. 各種行政委員会等の見直し
天龍村に設置されているすべての各種行政委員会等について、構成する委員
数、開催回数、その必要性などを検証しました。その結果、3団体を見直しの
余地がある団体として検討します。
今後も、引き続き、社会情勢に応じた必要最小限の行政委員会等が運営され
るよう常に見直しを行います。
《見直し検討委員会》
天龍村青少年健全育成連絡協議会
○ 会の目的・内容等
健全育成会の連絡提携を図り、青少年の健全育成の活動の発展に寄与する。
構成員数:28名
◎ 見直しの内容・問題点・課題等
夏休み前に1回開催するが、会則を改正して構成団体の代表者にすれば7名
ほど削減が可能である。
林業振興地域育成協議会
○ 会の目的・内容等
村長の諮問により、村林政活動計画及び森林被害、林業就業者障害等対策を協議。
構成員数:23名
◎ 見直しの内容・問題点・課題等
関係者の意見聴取の機会としての役割を果たしているが、現状構成員を考え
ると4割程度削減の要素は認められる。
天龍村教育委員会
○ 会の目的・内容等
・学校、教育機関の設置、管理、廃止
・教育財産の管理 ・職員の人事
・学校給食
・社会教育
・体育スポーツ ・文化財保護
構成員数:5名
◎ 見直しの内容・問題点・課題等
教育委員会は5名の委員をもって構成されている。委員の定数については、
委員会のあり方を含め慎重に検討を行う。
16
5. 職員の意識改革等について
職員の意識改革をはじめ、村民と情報の共有を図り、開かれた行政を目
指し、村民と行政が一体となった協働によるむらづくりを目指します。
職員の意識改革
○わかりやすい情報提供や窓口・電話応対等の接遇改善に努めるなど村民の
目線に立ち考え実行します。
○コスト意識を持ち、無駄のない行政運営を目指します。
○職員提案制度を充実し職員自ら改善意識を高めます。
政策形成・実施・評価プロセスへの住民参加の仕組みづくり
○むらづくり計画を実践するために住民参加のワーキンググループ等の設置
○行政評価制度等の導入の検討
○政策決定時におけるパブリックコメント(*)制度の導入の検討
○村民から村長への提案制度(ホットライン等)の導入の検討
行政情報の徹底した公開と提供の推進
○施策・事業に関する説明の徹底(説明責任…地区担当職員制度の活性化)
○CATV、広報、ホームページなどを活用した情報提供
(*)パブリック・コメント
行政機関が政策の立案等を行おうとする際にその案を公表し、広く住民から意見や情報を
提供していただく機会を設け、行政機関は、提出された意見等を考慮して最終的な意思決定
を行うというもの。
17
村税、地方交付税の増収はなかなか見込まれず、現状のままでは、将来の財政運営は大
変厳しい状況が予測されますが、真に地方自治を確立し、村民と行政の協働によって支えあ
う地域づくりを進め天龍村地域の維持発展を図るには、収支バランスの改善に向けて歳入の
確保、歳出削減の目標を掲げ、最大限の自助努力に取り組んでいく必要があります。
1. 人件費の削減
天龍村では、人件費等の削減について、周辺町村に先駆け、すでに、四役給与の削
減及び議員報酬の削減等、各種手当の見直しなどにより人件費の縮減に取り組んで参
りました。今後の厳しい財政状況を踏まえ、更に、三役、議員、一般職員の独自の給
与削減を行います。
(1) 平成15年度までの主な人件費等削減への取り組み状況
① 特別職給与等のカット及び議員・委員報酬等の削減
村長等特別職
議員報酬・定数
委員報酬
対H13比 10%カット (対前年比 H15:△5∼7%、H14:△3∼5%)
対H13比 5%カット (対前年比 H15:△3%、H14:△2%)
定数 : H13∼2名減、 H17∼2名減
半日額制度の導入
② 一般職員の手当等の削減
(ⅰ) 職員手当に関すること
見直しの内容
手当の種類
廃止
税務手当
自動車運転手当 普通自動車・温泉事業の項目廃止
特
殊
勤
務
手
当 福祉業務手当
改正前等
改正後
2%
マイクロバス 100∼200km 1,000円
1,500円
200∼300km 1,500円
2,000円
300km∼ 2,000円
3,000円
福祉センター見回り手当の廃止
1回 500円
率の見直し 指導員、寮母、看護士:給与月額 2% 特養:8% 養護:6%
調理士、栄養士:給与月額 1%
3%
管理職手当
給料月額 3%
時間外勤務手当
月限度額の見直し 3時間
9時間
通勤手当
現支給額の半額 2,200円∼20,900円
住居手当
現支給額の半額
16,000円/月が上限
7%
18
(ⅱ) 賃金に関すること
臨時職員
月額払いとしている者のうち、できるところから日額・出面払いに
切り替える。また、毎年の定期昇給はしない。
(ⅲ) 旅費に関すること
県内出張の日当廃止
H11.4∼実施
内規による加算額は、片道150km以遠の県外のみ適用する。
H15.4∼実施
私有車の公用車使用の場合、旅費の支払いは1kmにつき18円(←37円)とする。 H15.4∼実施
(ⅳ) その他
職員厚生費の引き下げ
8,000円 ← 10,000円
冷暖房の運転基準の見直し
・冷房の運転基準
不快指数が78以上になった場合又は、室温が29℃を超えた場合
・暖房の運転基準
室温が13℃以下になった場合
19
(2) 平成16年度以降の人件費削減
① 削減の内容
○三役 <給与:現行ベースから10%カット H16∼H18の3年間>
<助役・収入役の兼務化により1名減 平成17年度から>
○議会議員 <報酬:現行ベースから10%カット H16∼H18の3年間>
<定数削減:2名 H17選挙から適用>
○一般職員 <給与:人勧実施後、等級別に4%∼10%のカット (平均7%)
H16∼H18の3年間>
<58才勧奨退職制度の復活 平成16年度から >
○非常勤特別職 <委員等報酬:4%カット H16∼H18の3年間>
② 削減見込み額・・・平成16年度∼18年度の3年間
6,018万5千円
・三役1名及び議会議員定数2名減、職員58歳勧奨の復活
*勧奨制度の実施にあたっては、その後の再雇用(臨時職)について要綱どおり実施
・三役 給与削減(10%カット)
565万9千円
・議会議員 報酬の削減(10%カット)
625万9千円
・一般職員 給料の削減(等級別4∼10% 平均7%カット)
4,408万7千円
(8級−10%、7級−9%、6級−8%、5級−7%、4級−6%、3級−5%、2級・1級及び労務職−4%)
・非常勤特別職の委員等報酬関係
40万7千円
3年間の削減総計 1億1659万7千円
︵
︶
内
訳
20
H16
2,515万2千円
H17
4,068万9千円
H18
5,075万6千円
(特別会計分含む。)
③ 年度別人件費(普通会計)の推移 (16年6月補正以降)
(ア) 職員58歳勧奨による削減、三役1名減、議員定数2名減
(イ) 三役給与カット、議員報酬カット、一般職員給料カット (H16∼H18のみ実施)
(単位:千円)
H15まで
年度
(A)
(ア)勧奨等 (B)
(予算額)
削 減 内 容
(イ)給与等削減 (C)
削減額
(A)-(B)
(予算額)
削減額
(B)-(C)
①にかかるもの
H15
429,705
429,705
0
429,705
0 勧奨△1
H16
399,976
394,681
5,295
376,912
17,769 勧奨△1
H17
403,489
380,990
22,499
364,921
16,069
H18
406,624
374,233
32,391
358,066
16,167 新採+1
H19
402,253
379,977
22,276
379,977
0
H20
398,288
398,768
△480
398,768
0
H21
406,330
397,653
8,677
397,653
0 勧奨△2、新採+1
H22
411,292
382,401
28,891
382,401
0 勧奨△1
H23
413,117
391,480
21,637
391,480
0 勧奨△3、新採+1
H24
404,463
366,140
38,323
366,140
0 勧奨△2、新採+1
H25
403,637
349,713
53,924
349,713
0 勧奨△1、新採+1
削減額計
233,433
うち三役分(H17∼25)合計額
111,462
うち議員分(H17∼25)合計額
45,208
うち職員分(H16∼25)合計額
76,763
勧奨△1、三役△1、
議員定数△2名
(特会2,088含むと
全体19,857)
(特会2,121含むと
全体18,190)
(特会2,198含むと
全体18,365)
勧奨△1、
(特別会計勧奨△2)
50,005 勧奨△15,新採5
※ ・15年度は決算見込み数値
・16年度は6月補正後の見込み数値
・職員人件費は15人事院勧告(△1.07%) 後の 給料表で算出
21
②にかかる削減額
(特会計 6,407含むと
全体56,412)
2. 歳入の確保(増収案)
受益者負担の原則に基づいた手数料・使用料等の見直し、村有財産の有効活用等の
他に新たな税の創設や行政サービスの提供による歳入確保の検討をします。
村税等の見直し
固定資産税率の見直し
<現行>
1.58
<変更後>
1.70
《見直しに対する考え方》
固定資産税は村の自主財源として最も重要な位置を占め、法においても制限税率が廃
止され課税自主権が拡大されています。当村における特殊事情(大規模償却資産の占め
る割合が全体の約8割と大きく、なおかつ、一般分の4分の1を大手法人が占める)や
近隣町村の現行税率(阿南町1.6 南信濃村1.6 泰阜村1.7)を踏まえ地方交付税等が削
減される厳しい現況下、改正を検討する必要があります。
《増収見込額》
村全体で、約1,491万9千円の税収増(平成15年度決算見込みから試算)
<うち、大規模償却資産及び大手法人(土地家屋)分 1,246万4千円(83.5%)>
一般家庭では、現在の年税額が約1.07倍(例:30,000円→32,100円)です。
国民健康保険税の見直し
《見直しに対する考え方》
現在の税率は、医療分、介護分とも平成15年6月に見直しをし、今年6月には
介護分(第2号被保険者:40才以上65才未満の人)について見直しをしました。
今後も、医療・介護(給付額)が増加する場合には税率の見直しが必要となります。
介護保険料の見直し
《見直しに対する考え方》
介護保険料(第1号被保険者:65才以上の人)は、3年ごとに見直しをしてきてお
り、現在の保険料は平成17年度まで同額です。
平成18∼20年度の額については、平成17年度中に、給付額の状況を踏まえ見直
しの検討を予定しております。
保育料の見直し
《見直しに対する考え方》
当村の保育料は、平成10年度以降料金改定をしていなかったので近隣町村と比較す
ると低い料金設定となっており、平成16年度に各階層10%の値上げを行ったところ
です。今後も園児数の減少が見込まれる中、現状の保育サービスの維持充実を図るに
は、料金の改定が必要になると考えます。
22
使用料・手数料等の見直し
水道料金の見直し
《見直しに対する考え方》
水道料金の改定は、施設の維持管理・老朽化の補修のため、基本的に3年をめどに
行っています。平成15年度に料金改定を行っているので、次回の改定予定は平成18
年度になります。ただし、全体の歳入歳出の均衡を図る観点から、平成17年度に改定
をする場合もあります。
《増収見込額》
仮に10%の改定を行った場合:料金収入全体で、約799万7千円の増収
公共下水道料金の見直し
《見直しに対する考え方》
公共下水道料金の改定は、水道料金と同様な考え方で、見直しを検討しています。
また、今後管路の清掃等維持修繕費が多額にかかる場合には、段階的な値上げも必要
となります。
《増収見込額》
仮に10%の改定を行った場合:料金収入全体で、約238万1千円の増収
村営住宅・教員住宅料の見直し
《見直しに対する考え方》
平成15年度にCATVが整備され、利便性が向上したため、200円の料金改定の
検討をします。
《増収見込額》
料金収入全体で、約4万3千円の増収
CATV利用料の見直し
《見直しに対する考え方》
平成17∼18年度を目途にインターネット網の整備を予定しており、これによる新
規利用料の設定が必要となります。
《増収見込額》
仮に現行500円を1,000円とした場合:料金収入全体で、約540万円の増収
23
その他増収案の検討
村有財産の有効活用
・遊休財産(空き家となっている村営住宅等)の売却
・赤線(里道)の売却
・和知野川グランドの有効活用
等
新税の導入や新たな行政サービス導入等その他歳入確保の検討
・不在地主等に対する資産管理税(仮称)の創設
・親を置いて他の自治体に転出している者への課税(負担金等)の検討
・村民用コピー機の設置による使用料の徴収
24
等
3. モデルケースからみた負担増加額の試算
「2.歳入の確保(増収案)」で示した項目を下記の内容で実施した場合、住民に
かかる負担をモデルケースにより試算した結果は次のとおりです。
<改定項目>
項 目
個人住民税
固定資産税
国民健康保険税(医療費分)
介護保険料(65才以上)
上下水道料
保育料
CATV利用料
改定の内容
法改正(生計同一の妻に対する非課税措置の廃止)
税率の改正(1.58 → 1.70 で試算)
給付額の変動により改定が必要(直近の改定率で試算)
給付額の変動により改定が必要(直近の改定率で試算)
前回改定率と同じ率で試算(10%up)
平成16年度改定率で試算(10%up)
インターネット接続、維持管理費用の見直し
モデルA(親子4人家族)
(夫:30才代・年収(給与300万円)、妻:専業主婦、こども2人:保育所)
《現 行》
住民税(給与300万円)
《改定後》
非課税
⇒
《増加見込額》
非課税
13,730 円/月 ⇒
14,780 円/月
1,050 円/月
上下水道料
7,390 円/月 ⇒
7,940 円/月
550 円/月
村営住宅料
36,000 円/月 ⇒
36,200 円/月
200 円/月
保育料
11,850 円/月 ⇒
13,050 円/月
1,200 円/月
500 円/月 ⇒
1,000 円/月
500 円/月
国民健康保険税
CATV利用料
増加見込額計
3,500 円/月
モデルB(親子4人家族)
(夫:40才代・年収(給与600万円)、妻:専業主婦、こども2人:小学生)
《現 行》
《改定後》
《増加見込額》
住民税(給与600万円)
84,300 円/年 ⇒
84,300 円/年
0 円/年
固定資産税
19,000 円/年 ⇒
20,500 円/年
1,500 円/年
上下水道料
10,450 円/月 ⇒
11,310 円/月
860 円/月
500 円/月 ⇒
1,000 円/月
500 円/月
CATV利用料
増加見込額計
25
1,485 円/月
モデルC(親子4人家族)
(夫:40才代・年収(給与450万)、妻:40才代・年収(給与250万)、こども2人:小中学生)
《現 行》
住民税(給与:夫450万円、妻250万円)
《改定後》
108,900 円/年 ⇒ 112,900 円/年
《増加見込額》
4,000 円/年
固定資産税
31,600 円/年 ⇒
34,000 円/年
2,400 円/年
上下水道料
6,790 円/月 ⇒
7,280 円/月
490 円/月
500 円/月 ⇒
1,000 円/月
500 円/月
CATV利用料
増加見込額計
1,523 円/月
モデルD(親子5人家族)
(70才以上:2名、夫:50才代・年収(給与650万)、妻:専業主婦、こども1人:高校生)
《現 行》
《改定後》
《増加見込額》
住民税(給与650万円)
69,400 円/年 ⇒
69,400 円/年
0 円/年
固定資産税
36,300 円/年 ⇒
39,000 円/年
2,700 円/年
介護保険料(65才以上)
35,500
42,150
6,650 円/年・人
上下水道料
11,410 円/月 ⇒
12,370 円/月
960 円/月
500 円/月 ⇒
1,000 円/月
500 円/月
CATV利用料
円/年・人
⇒
円/年・人
増加見込額計
2,793 円/月
モデルE(老人夫婦、2人家族)
(70才以上:2名、年収:年金計200万円=100万×2人)
《現 行》
住民税(年金200万円)
固定資産税
国民健康保険税
介護保険料(65才以上)
上下水道料
CATV利用料
《改定後》
非課税
⇒
《増加見込額》
非課税
25,000 円/年 ⇒
26,800 円/年
1,800 円/年
2,520 円/月 ⇒
2,660 円/月
140 円/月
26,620
円/年・人
⇒
31,610
円/年・人
4,990 円/年・人
4,530 円/月 ⇒
4,800 円/月
270 円/月
500 円/月 ⇒
1,000 円/月
500 円/月
増加見込額計
26
1,892 円/月
4. 天龍村の税財政試算(シミュレーション)
平成16年度予算編成における国の動向と本年6月に決定されたいわゆる骨太の方針(第
4弾)から、現時点で予想される地方財政の方向性を加味し、当村の平成15年度決算見込
額と平成16年6月補正予算後の予算額等を用いた平成25年までの10年間の税財政試算
(シミュレーション)は以下のグラフとおりです。
百万円
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
歳 入 合計
歳 出 合計
H15
3058
2999
H16
2349
2231
H17
2117
2082
H18
2134
2145
H19
2017
2158
H20
1993
2139
H21
1962
2076
H22
1941
1994
H23
1906
1945
H24
1844
1864
H25年度
1787
1753
歳入歳出差し引き額 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
(単位:百万)
59 118
35 △11 △141 △146 △114 △53 △39 △20
34
今回の試算では、歳出の主な抑制策として、「1.人件費の削減」を反映し、普通建設事業
費を平成17年度から約2億5千万円としています。それでも、平成18年度から単年度で赤
字に転じ、平成20年度にピークを迎え約1億4,600万円の赤字となり、以後逓減し、平
成25年度に黒字となる結果でした。
これらの赤字を解消し健全な財政運営を行っていくには、「2.歳入の確保(増収案)」を
検討し実施していくことや基金の取り崩しや、さらには、協働型むらづくりの考え方に基づい
た住民、地域、民間団体、行政の役割分担を明確にし、今までの行政サービスのあり方を見直
し、歳出全体の抑制を図ることが必要になります。
27
5. 歳出の削減
厳しい財政状況の中、コスト感覚を持ち、限られた財源をいかに効率的・効果的に
支出していくのかは大事な視点となります。
村では、職員手当・給与の見直し等の人件費の削減と同時に、平成15年度、16
年度予算編成に合わせ、行財政のスリム化に努め、事務事業の見直し、補助負担金の
見直し等に取り組んできました。
今後も引き続き、次に掲げる視点により、事務事業の見直し等歳出の削減に取り組
みます。
《見直しの視点》
○ 他の制度、体制で対応が可能ではないか。
○ 所期の目的が達成さているのではないか。
○ 費用対効果の点から、効果が十分出ているのか。
○ 少額の助成・補助金などは、真に行政が支援しなければならないか。
○ 民間に委託することができないか。
○ 緊急性などを考え、事業期間の延長、一時休止などはできないか。
※第4次天龍村総合計画との関係について
村では、地方自治法に基づきまして、平成13年度から平成22年度までの10年間の村政運営
の基本的な指針として、平成12年度に第4次天龍村総合計画を策定しています。総合計画は、
基本構想、基本計画、実施計画からなり、実施計画は、毎年見直しを行い、基本計画は、平成
13年度を初年度とし5年経過したところで見直しを行うこととなっています。
今回、村民会議に諮問しその答申をもとに策定しました当むらづくり計画には、現在の総合計
画にない視点も含まれていますが、総合計画に活かせるものについては、毎年の実施計画の
見直し、これからの基本計画の見直しに反映してまいります。
なお、「協働型むらづくり」の考え方は、総合計画のみならず、今後の村全般のあり方や行政
運営を含めた広い意味の「むらづくり」を考えていただく上で、基本になるものとして位置づけて
いただきたいと考えておりますので、ご理解賜りたくお願いします。
28
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