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米国初の商業規模セルロース系バイオリファイナリー

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米国初の商業規模セルロース系バイオリファイナリー
NEDO海外レポート NO.1077, 2011.9.15
(資料 1)
【再生可能エネルギー(バイオマス)】セルロース
エタノールプラント
仮訳
米国初の商業規模セルロース系バイオリファイナリー(アイオワ州)
での実証支援に DOE が 1 億 500 万ドルの融資保証(米国)
200 人超の雇用創出と年間推定 1,350 万ガロン(約 51,100kL)のガソリン相当の燃料を生産
米エネルギー省(DOE)のスティーブン・チュー長官は2011年7月7日、米国初の商業規模
のセルロース系エタノールプラントの建設を支援するため、1億500万ドルの融資保証を行
うと発表した。POET注 1 社が資金提供を行うLIBERTYプロジェクトでは、アイオワ州
Emmetsburgを拠点とし、年間最大2,500万ガロン(約94,600kL)のエタノールを生産する予
定である。POET社は、同プロジェクトで、プラント建設時に約200人分、建設後の正規
職員として40人分の雇用を創出するだろうと推定しており、同プロジェクトはこの地域の
農業従事者に、新たに約1,400万ドルの収益をもたらすものと推定される。
「このプロジェクトで米国は、石油への依存を減らし、雇用を創出し、国内で生産され
るクリーンな再生可能エネルギーへの移行を進めていく。また、このプロジェクトによる
改革が新たなビジネスチャンスを生み出し、これは、クリーンエネルギーの未来を勝ち取
るもう一つの実例なのだ」と、チュー長官は述べた。
Vilsack農務長官は、「今日発表したようなプロジェクトは、次世代バイオ燃料への投資
の成果が上がっていることを示している。LIBERTYプロジェクトは、年間最大2,500万ガ
ロン(約94,600kL)のエタノールを生産し、200人を超える雇用を創出し、地域経済に何百
万ドルもの収益をもたらすだろう。このプロジェクトは、米国が持続することのできない
海外石油への依存を断ち、クリーンエネルギー経済へと移行するというオバマ政権の政策
において重要なステップなのだ」と述べている。
また、上院農業委員会のシニアメンバーであり、前委員長でもあるTom Harkin(アイオ
ワ州、民主党員)上院議員はこう述べた。「POET社はこのイニシアティブに対しLIBERTY
プロジェクトという実にふさわしいネーミングを行った。独立記念日に非常に近いこの時
期にこの公表が行われるのも妥当なことだ。」また同氏は、「この活動の目的はすべて、政
治的に不安定かつ敵対することの多い海外諸国からの原油輸入への米国の依存度を減らす
ことにある。そして、この先駆的な施設は、穀物残渣、 野草、木質材料等の豊富な原料か
注1
http://www.poet.com/
1
NEDO海外レポート NO.1077, 2011.9.15
ら先進バイオ燃料を生産する主要な国内産業を推し進め、米国内の地方で何千人もの雇用
を生むだろう。これまで米国が依存してきた輸入石油から、国内生産できるクリーンなバ
イオ燃料へと、できるだけ早くエネルギー依存をシフトさせるように全力を傾けてこられ
たチュー長官とエネルギー省に感謝したい」と続けた。
従来の多くのコーンエタノール・プラントと異なり、LIBERTYプロジェクトでは、地
元の農家から提供された、飼料用穀物と競合しないトウモロコシの穂軸、葉、殻等の資源
を使用する予定だ。このプロジェクトのイノベーティブなプロセスでは、酵素加水分解を
用いて廃棄物をエタノールへと変換し、(さらにエタノール生産後の有機物残渣を、嫌気
性微生物により嫌気性消化させることによって、)このLIBERTYプロジェクトのプラン
トや近隣のPOET社の穀物由来のエタノールプラントに電力を供給するのに十分な量のバ
イオガス(メタンガスを主成分とする可燃性の消化ガス)を生産する。LIBERTYプロジェク
トにより、年間1,350万ガロン(約51,100kL)超のガソリンに相当するエネルギーを生産し、
2013年再生可能燃料基準(2013 Renewable Fuel Standard Requirement)で計画されたバ
イオマス由来のセルロース・エタノールの目標シェア25%を超える予定である。POET社
は、自社が所有するその他27か所のコーンエタノール生産施設ではすべて、同じ特殊なプ
ロセスを用いる計画で、これらを総合したセルロース系エタノールの年間生産量は、10億
ガロン(約3,785,400kL)になるものと推定される。同社は、LIBERTYプロジェクトの85%
は、米国産資源で賄えるものと予測している。
DOEの融資プログラム局は、以下の独立した3つのプログラムを運営管理している。
・タイトルXVIIのセクション1703
・セクション1705の融資保証プログラム
・先進自動車製造 (Advanced Technology Vehicle Manufacturing:ATVM)融資プログラ
ム
ローン保証プログラムは、温室効果ガスの回避、減少、隔離を行う革新的な技術に準じた
商業用技術の採用を支援しており、一方ATVMは、先進自動車技術の開発を支援している。
DOEは、合計3つのプログラムの下、全米で41件のクリーンエネルギープロジェクトを
支援するため、総額380億ドル超の融資、融資保証、または融資保証を行うための条件付
き融資予約を提示した。DOEは、世界最大規模の太陽光発電施設、3つの地熱プロジェク
ト、世界最大規模のウィンドファーム、また、過去30年で初の新しい原子力発電所など、
数多くのプロジェクトを支援するため、条件付き融資予約または融資保証を発行した。
詳細については、DOEの融資プログラム局注 2 のサイトを参照のこと。
注2
http://loanprograms.energy.gov/
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NEDO海外レポート NO.1077, 2011.9.15
翻訳:NEDO(担当
総務企画部
原田
玲子)
出典:本資料は、DOE の以下の記事を翻訳したものである。
”DOE Offers Conditional Commitment for a $105 Million Loan Guarantee for
First-of-its-Kind Cellulosic Bio-Refinery in Iowa”
http://www.energy.gov/news/10413.htm
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