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エネルギースター認可の家庭用給湯器による節約可能性(米国)(21KB)

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エネルギースター認可の家庭用給湯器による節約可能性(米国)(21KB)
NEDO海外レポート
NO.1037,
2009.1.28
【エネルギー】
エネルギースター®認可の家庭用給湯器による節約可能性(米国)
今後 5 年間で最大 8 億 2,300 万ドル
米国エネルギー省(DOE: Department of Energy)は、エネルギースター®認可の家庭用給
湯器 1 が入手可能になることを発表した。現在エネルギースター®プログラムは、家庭用給
湯器以外にも、米国の大半の家庭にある主要な家庭用電化製品への取組みを行っている。
消費者はエネルギースター®認可の家庭用給湯器を導入することで、大幅な節約が行える可
能性がある。給湯は、全米の家庭エネルギー消費量のうち、最大 15.5%を占めており、家
庭におけるエネルギー最終用途の第 2 位である(首位は冷暖房)。後述する 5 種類の特定
の給湯技術のうち、どれか 1 種類のエネルギースター®認可の給湯器を導入することによ
って、給湯費を 7.5%∼55%も削減できる可能性がある。
「エネルギースタープログラムによって、消費者はエネルギーを賢明に選択し、光熱費
の節約や省エネ、二酸化炭素排出量の削減ができるだろう」と DOE エネルギー効率化・
再生可能エネルギー(EERE)2 の David Rodgers 副次官補は話す。「エネルギースター®プ
ログラムの適用範囲を給湯器にまで拡大することによって、米国民に家庭でのより効率的
なエネルギーの使用方法を提供でき、国家のエネルギー安全保障を向上させ、気候変動に
も取組むことができる。」
予測によると、給湯器の新基準により、5 年間で、米国の消費者の光熱費が 8 億 2,300
万ドル節約され、二酸化炭素の排出量を 420 万トン防止できる。累算節約量は、39 億 kWh
強、天然ガス 2 億 7,000 万サーム 3 と予測される。これは、37 万 5,000 軒強の家庭に対し
て一年間エネルギーを供給するのに十分なエネルギー量である。
エネルギースター®ラベルの貼付が認められているのは、以下の 5 種類の給湯技術であ
る。
・高効率ガス(high-efficiency gas storage)給湯器は、標準的なガス給湯器と同じ技術を
用いている。このタイプの給湯器は、タンク底部のバーナーにより、グラスライニン
グ鋼鉄製タンクを加熱する。エネルギースター®認可モデルは、より良質の断熱材、ヒ
ートトラップ 4、及び高効率バーナーを取り入れることで、効率性を向上させている。
1
http://www.energystar.gov/index.cfm?c=water_heat.pr_water_heaters
EERE: Energy Efficiency and Renewable Energy
3 サーム(therm: th):天然ガスの熱量単位(=10 万 btu)。
4 温水が消費されない時に自然対流による熱の移動を抑えて熱損失を防止する。
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・潜熱回収 5 型ガス(gas condensing)給湯器は、一般のガス給湯器とほぼ同様の仕組みで
あるが、燃焼ガスを直接外気に放出する代わりに、排気ガス中の潜熱を回収して水に
戻すため、効率性が高い。
・住居全体用のガスタンクレス(gas tankless)給湯器 6 は、水の加熱原理は標準的なガス
給湯器と同じであるが、貯湯タンクがない。このタイプの給湯器は、必要な時のみ水
が加熱され、スタンバイ中のエネルギー損失も低減されるため、エネルギーを節約で
きる。
・ヒートポンプ(heat pump)給湯器の技術は、熱を直接発生させる代わりに、電気を用
いて熱を移動させる。ヒートポンプ給湯器の仕組みは、冷蔵庫の仕組みの逆に似てい
る。液体冷媒を利用して室外の大気から熱を得て、その熱を貯湯タンク内の水に伝導
させる。
・太陽熱(solar)温水器の設計には様々なものがあるが、水を加熱するために太陽熱エネ
ルギーを用いる点が全てに共通している。
2008 年 4 月 1 日に性能基準が発表された 7。製造業者にはラベル貼付の認可を得るため
に 9 ヵ月間が与えられ、自社製品をエネルギースター®に適合させ、認可モデルを提出し
た。エネルギースター®認可の高効率ガス給湯器、住居全体用ガスタンクレス給湯器、およ
び太陽熱給湯器は、2009 年 1 月 1 日から入手可能となった。潜熱回収型ガス給湯器とヒ
ートポンプ給湯器の認可モデルは 2009 年後半に入手可能となる予定である。これらの新
興技術を用いた給湯器を最初に購入できるのは、配管専門業者(plumbers)もしくは大規模
小売商を通じてとなる。
エネルギースター®認可の給湯器に関係する配管専門業者と建築業者は、認可モデルにつ
いての知識をより深めるために、「Water Heater Criteria Development(給湯器基準策
定)8」をレビューすることが奨励されている。消費者への先進的な給湯技術を提供する配
管専門業者は、導入技術についての訓練の機会創設と指導書の入手を可能にするために、
製造業者と協議を行わなければならない。
エネルギースター®は、DOE と米国環境保護庁(EPA)のジョイントプログラムであり、
エネルギー効率を高めて大気汚染を減らすことを目標とした、市場基盤の自主的なパート
ナーシップとして、1992 年に設立された。DOE と EPA は、エネルギーとコストを低減
させるための、エネルギー効率の高いソリューションを事業者と消費者に提供する一方で、
5
潜熱回収:排気ガス中の水蒸気を凝縮する際に出る熱(潜熱)を回収すること。
日本では「ガス瞬間式給湯器」と呼ばれる。
7 DOE2008 年 4 月 1 日付けリリース http://www.energy.gov/news/6134.htm
8 http://www.energystar.gov/index.cfm?c=new_specs.water_heaters
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環境の保護にも取り組んでいる。製品、家庭、及び事業者のエネルギー効率の改善に従事
するパートナーとして、これまでに 9,000 以上の組織がエネルギースター®に参加してい
る。現在エネルギースター®ラベルは、50 種類以上の消費者製品に貼られている。エネル
ギースター®についての詳細と、家庭用給湯器プログラムの要件については、エネルギース
ターの HP から参照できる 9。
翻訳:NEDO 研究評価広報部
出典:http://www.energy.gov/news/6820.htm
9
http://www.energystar.gov/
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