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長崎産イワシの研究―VI 製品中の蛋白について

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長崎産イワシの研究―VI 製品中の蛋白について
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE
Title
長崎産イワシの研究―VI 製品中の蛋白について
Author(s)
八坂, 茂; 宮原, 昭二郎; 田端, 義明
Citation
長崎大学水産学部研究報告, 5: 118-120
Issue Date
1957-02-28
URL
http://hdl.handle.net/10069/31970
Right
This document is downloaded at: 2017-03-31T17:26:17Z
http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp
1
1
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agasakiUniversity
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9
5
7
長 崎 産
イ ワ シ の 研 究 一Ⅵ
製 品 中 の 蛋 白 に つ い て
八坂
Shigeru
There
fish
regards
its
is
It
to the
protein
Studies
on
On
Protein
were
the
YASAKA,
a protein,
flesh.
茂 ・ 宮原 昭二郎 ・ 田端
is
which
fouud
flesh
in
of
traced
Sardine
Shôjirô
does
the
of
of
Sardine-products
coagulate
Sardinia
melanosticta,
from
fresh
flesh
and
at
manufactured
the
Nagasaki—VI
MIYAHARA
not
義明
100°C
goods,
the
to the
緒
for
property
Yoshiaki
among
TABATA
the
example
and
manufactured
constituents
dried
the
rise
fish.
and
of
With
fall
of
goods.
言
魚肉の中で 1
0
0Cに加熱しても演固しない蛋白 1戸川ーミオプロテイドと呼ばれるーは生の肉に限らず,乾
0
製品としたものや叉はつくだ煮などに加工された肉の中にも存在する。我々はマイワシ生肉,あるいは乾製
品などとしたものについて,
ζの
1
0
00Cで主義国しない蛋白をとり出し,この蛋白が生肉より製品化される聞
に如何に消長するかということを追究してみたので乙乙に報告する。
実 験
1
. 生肉中の非凝固性蛋白の割合
出来る?ごけ新鮮なマイワシの筋肉部分のみを細く砕き,乙れを約 1
0倍の蒸溜水に入れ 1
0分間沸とうさせる。
次に不溶性物質を取除き穏液を 6
0分連続して沸とうさせ冷却して再び出来る不溶性物質を取除く。
乙の穏液に 10%タンニン液を加えて生ずる沈)慨を採取し,キールダール法により N量を測定する。操作を
表示すれば次の通りである。
1
0
0
g
)全 N量 3
.
1
g
マイワシ筋肉 (
11
0倍量の水と煮灘 6
0分
岩
波
印A
│タンニン液を加える
↓
沈搬B
〈
約1
1
g
)
毒
液
全 N量 0
.
2
0
7
g
1
熱による非演固性蛋白 1)
全 N量よりこの沈搬 Bの蛋自の原料に対する割合は 6
.5%である。(窒素量 x6
.
2
5が蛋白量となる川
2
.
実験
乾製品中の非凝固性蛋自の割合
1
. に使用せると同様のマイワシを背聞きして内臓及び頭部を除き通風下に急いで乾燥させる。〈乙の
時食塩は用いない,筋肉に切り込みを付け,出来るだけ早く水分が逸散する様にする,乾燥したものの水分
は平均 1
3.
4
0%)
この乾燥した筋肉を細く砕き,実験 1と同様に非頚回世蛋白をとり,その割合をはかる。この非混固i
性蛋
である。
白のもとの乾燥筋肉に対する割合は 7.3%
3
. 比較のためのサパ, トビウオの生肉及びキピナゴつくだ煮中の非凝固性蛋自の割合
119
第1表非凝固性蛋白の含有率
材
料
︹
∩コ∩﹁︶∩コ
︹
Rりに﹂2泥什
ついてのN
量9(b)
欝(8)%
O .. 207
6.5
O.873
7.3
O.215
6,3
O.179
5.1
O.528
6.9
1.9
(1.9)
︺
09Q﹂∩∪∩U
2
112り乙
︹
∩U50∩∠︻J−4
111122
eeは材糊009についての平均。
7・6
4五丁OQ︶ 4つ﹂りQ∩∠︹06
3.5
︺ ︺
︺
OQ8Q︶8
88
88QりQQ
3,4
0只﹂りQ
100
0170∩∠R︶
50
50
50
50
48.5ee
︺
キビナゴ
(つくアご煮)馨涛
100
︻﹂に﹂凶什=﹂
(生 肉)
11.9
︺
50
50
24.7
25.0
48.6
︺
∩UO
ト ビウオ
∩∪0
(生 肉)
マ サ ノミ
23.0 ’
’. ︹
100
3..1
︺
(乾燥肉)
8
7
787
りi
OQJ3OQOOつQ7
11211
Q ︹
︹ ︹ つ
マイ ワシ
50
50
50
︻J50000
(生 肉)
材iPFloogに
(繋畿、〔畢鶏〕
︺
マイ ワシ
100
100
100
100
21∩∪∩∪1 ρ048ρ0∩﹂バ什nO4
1
00QJつQOOQJ
︹ ︹
醤欝艦1〔NO/o平均〕 筋肉蛋白100g
についての
総N量9(a)
瀞調味料は出来るだけ拭き除いたもの。一
eoeeタンニンを加えて沈澱した量。
第2表非凝固性蛋白の組成
amino acid
マイワシ 生
hydroxyl−proline
,tryptophane
cystine
ee既報1)の.ものを追試
サバ生oo
÷+
valine
isoleucine
proline
+?
glutamic a.
aspartic a.
トビウオ 三
十?辮昔冊十十冊十十皿川冊皿川十
tyrosine
argmlne
(つくだ煮)
+?
threonine
キビナゴ
十?・皿川u什冊十十十十十⋮什冊柵⋮十
histidine
lysine
+?
Serlne
冊十?冊⋮廿冊十十十十十帯十寸十
alanine
glycine
+?
phenyl−alanine
methionine
+?帯駅亭++冊++冊冊冊十
leucine
マイワシ 乾
1
2
0
比較試験のため,マサノミ及びトピウオの生肉について実験 1と同様にして筋肉中の非凝固性蛋自の割合を
しらべた。マサバ肉については 6~3% ,
トぜウオ肉については 5.1%である。
叉キぜナゴっくに煮、発をとり調味料を出来るだけ丁寧に拭き去り,魚体を分割して筋肉部分のみをとって
実験 1 と同様に非凝固性蛋白をとり出す。その蛋自に対する割合は 6.9%である。
これらの非凌因性蛋白の割合をまとめて表示すれば第 1表の通りである。
4
.
非凝固性蛋自のアミノ酸組成
実験 1, 2, 3の非差是固性蛋白を塩酸で加水分解したものを P
aper-chromat
o
g
r
a
phによりアミノ酸の
組成をしらべると第 2表の通りである。
摘 要
1.100℃
2.マ
で凝 固 しな い蛋 白 は魚 生 肉 に 限 らず 製 品 とし た魚 肉 中 に も存 在 す る 。
イ ワ シ に つ いて,生 肉 と乾 燥 肉 中の非 凝 固 性 蛋 白 の定 量 を行 つ た 。 これ は筋 肉 中 の総 窒 素 量 に 対 す
る非 凝 固性 蛋 白窒 素 の割 合 で あつ て,筋
肉 中 には 非 蛋 白性 窒 素 等 も存 在 す るか ら,あ
くま で見 掛 け上 の割 合
で あ る。
3.そ
れ ら非 凝 固性 蛋 白 の ア ミノ酸組 成 を し らべ た 結果 生 肉 中の もの と乾 燥 肉 中の もの との 間 に 大 きい 差
は ない 。
文 献
1) 入坂,宮原:長大水研究報告, 3,4
6(
1
9
5
5
).
2) 森,浅}
Iい日水誌, 1
2
,6
7(
1
9
4
3
).
3)
WE
下回
andMEYER :B
iochem.Z
.
,266,1
3
7(
1
9
3
3
).
6(
1
9
5
5
).
4) 永原,岩尾:食品分析法,柴田書庖 8
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