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原子核物理と原子力

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原子核物理と原子力
原子核物理と原子力
井上 信
2011.6.10 日本物理学会主催シンポジウム
「物理学者から見た原子力利用とエネルギー問題」
立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館3階多目的ホ-ル
原子炉を眠らせ、
太陽を呼び覚ませ
森永晴彦
1997年 草思社
1997年 草思社
はじめに
賛成か反対かという不毛な論議はやめよ!
賛成か反対かという不毛な論議はやめよ
本書の主題は、原子力の力で太陽を取ってくるという明るい
話である。しかしながら、私が過去五〇年間ずっとそばで見
てきた原子力の世界は、けっして明るい ものではなかった。
そこにはつねにウソと策略とがつきまとい、兄弟分である核
兵器の影がちらちら見え隠れしてきたのである。だから私の
友人のように、あえて学界から出ようとせず、頭から原子力と
のかかわり合いを避けている者も少なくない。だが、私には
一研究者の正直な感情として、科学者として、また社会人 と
して是非とも言っておきたいことがある。私は、自分が感銘を
受けてきた核の科学に、もっとましな道を歩んでもらいたいの
だ。私のような、一般には無名の人間が原子力について語れ
ば、おそらく読者の最初の反応は「お前は原発に対して賛成
派かそれとも反対派か」という設問となるだろう。だが、ここで
はっきりと断っておきたい。私は、賛成か反対かというような
不毛の次元で動くことは、科学者としてとるべき態度ではない
と信じる。重要なのは、そういう不毛の政治的立場をとること
ではなく、どうすればわれわれの生活を、現状から脱してより
良く、かつ安全なものにできるかという問題に取り組んでいく
ことであ る。
原子力のイメージ
(昭和20年代)
(昭和 年代)
広島原爆投下
鉄腕アトム
ピカドンとアトム
お茶の水博士
長崎原爆投下
TezukaOsamu.net(JP))
原子力とは
世界的には核兵器
世界的には核兵器としての利用が大きな意味
核兵器としての利用が大きな意味
(動力としての)核エネルギー
核エネルギー利用
利用と
日本では
では(動力としての)
核エネルギー
利用
と
日本
では(動力としての)
放射線利用が原子力の二本柱とされている。
放射線利用が原子力の二本柱とされている。
物理学者としては、原子核研究は学術的基礎研究、
原子力はその応用という感じがあるが、
原子力はその応用という感じがあるが、
応用を念頭に置いた基礎研究(Basic
Research)が
が
応用を念頭に置いた基礎研究
重要
基礎と応用の分担・連携
Basic research
大学工学部
大学共同利用機構
文科省研究所
(KEK・核融合研等)
KEK・核融合研等)
(理研・JAEA
理研・JAEA・
JAEA・JASRI・放医研等
JASRI・放医研等)
・放医研等)
大量生産
実用・・・・
大学理学部
可能性のののの研究開発
実用((((
採算))))
Fundamental science
利用可能性のののの研究開発
学術研究・・・・
知的好奇心
(基礎)
基礎)
(応用)
応用)
Development
経産省等研究所
(産総研等)
産総研等)
常陽
もんじゅ
J-PARC JRR3
JMTR
LHD
JT60
IFMIF/EVEDA
KEKB
RIBF
SPSP-8 X-FEL HIMAC
量子ビームテクノロジー
(学術機関課 学振)
学術機関課 学振)
(基礎基盤課・量研室 JST)
(NEDO)
連携ネットワーク・プラットフォーム
Industry
民間企業等
(メーカー・電力会社)
メーカー・電力会社)
原子核研究と原子力開発の小史
原子核研究と原子力開発の小史
原子核の存在 中性子の発見 加速器による人工核変換
(1911) (1932) (1932) ラザフォード
中性子発見 チャドウィック(1932)
中性子発見 チャドウィック(1932)
コッククロフトとウォルトンが作った
加速器(1932年)
台北帝大のコッククロフトウォルトン型加速器(1934) 荒勝文策と木村毅一
京大に戻った荒勝研究室の
実験で核分裂の際の中性子
発生数2.6を得ている(当時
発生数 を得ている(当時
最も正確な値であった)
Lawrenceの学生だった
の学生だった Livingstonが
が
作った4インチのサイクロトロン加速箱
作った インチのサイクロトロン加速箱
(1931年
年) 80keV加速を確認
加速を確認
27インチサイクロトロン
インチサイクロトロン(1934年
年)
インチサイクロトロン
Livingston(左
左)と
とLawrence(右
右)
仁科芳雄
理研小サイクロトロン(1937年
年)
理研小サイクロトロン
(理研websiteより
より)
理研
より)
戦前の阪大のサイクロトロン
菊池正士研究室
戦前の京大のサイクロトロン
荒勝文策研究室
バークレイ60
バークレイ60インチサイクロトロン
60インチサイクロトロン
理研60インチ大サイクロトロン
理研 インチ大サイクロトロン
改造前(左) 改造後(右)
改造前(左) 改造後(右)
理研スタッフ(飯盛、矢崎、渡邊)と マクミラン(Sep.2, 1940, Berkeley))
日野川静枝「サイクロトロンから原爆へ」績文堂、p.45,
日野川静枝「サイクロトロンから原爆へ」績文堂、p.45,
(2009)より
(2009)より
仁科は金を出した陸軍に対しては原爆開発
の核データをとるために有効と説明していた
戦前のハーバード大学のサイクロトロン
原爆開発用の核データをとるため、ロスアラモスへ密かに運ばれた
(軍が戦後ハーバード大学にサイクロトロンを再建するという密約)
Otto Hahnの核分裂の発見(1938)と原爆開発
の核分裂の発見(1938)と原爆開発
マイトナーが核分裂の発見をボーアに伝
え、アインシュタインはシラードに勧めら
れルーズベルト大統領に手紙を書いた。
れルーズベルト大統領に手紙を書いた。
Lise Meitner Otto Hahn
マンハッタン計画
J. R. Oppenheimer E. Fermi E. O. Lawrence
ローレンスは電磁的なウラン
濃縮装置カルトロン
濃縮装置カルトロンを製作
カルトロンを製作
アルファ・
カルトロン
のタンク
の一つ
(銅が払底して
いて財務省から
貨幣用の銀を
借りてコイルを
巻いた)
アルファ・カルトロンの
レーストラック
このようなレーストラックを9台作った
(1レーストラックに96個のカルトロン磁石)
(ガス拡散-アルファ・
ガス拡散-アルファ・カルトロン-ベータ・
カルトロン-ベータ・
カルトロンの順に濃縮度を上げて、
カルトロンの順に濃縮度を上げて、原爆用
のウラン235を得た)
のウラン235を得た)
フェルミの原子炉シカゴパイル(絵)
フェルミの原子炉シカゴパイル(絵)
1942年12月2日臨界実験成功
ウイグナーはAlvin
ウイグナーはAlvin Weinberg等と
Weinberg
プルトニウム生産用の原子炉を
設計した(実際のプルトニウム生
設計した(実際のプルトニウム生
産用原子炉建設はDuPont
産用原子炉建設はDuPontに発
DuPontに発
注されHanford
注されHanfordに設置された
Hanfordに設置された)
に設置された)
Eugene Wigner Alvin Weinberg
Eugene Paul Wigner
日本の原爆研究
理研仁科 二号研究(陸軍)
理研仁科 二号研究(陸軍)
熱拡散分離筒の試作研究、阪大でも軍の指導で学生が行
った(理研のものは空襲で破壊され、阪大のものは戦後す
った(理研のものは空襲で破壊され、阪大のものは戦後す
ぐ学生が川に捨てた)
ぐ学生が川に捨てた)
京大荒勝 F研究(海軍)
遠心分離法の研究(製作まで
遠心分離法の研究(製作まで
に至らなかった)
に至らなかった)
F研究ノート
海洋投棄(1945.11.30 横浜沖
海洋投棄 1945.11.30 横浜沖)
1945.11.30 横浜沖
理研サイクロトロンの占
領軍による破壊撤去
(米国国立公文書館)
米国国立公文書館)
阪大サイクロトロン破壊撤去(1945.11.24)
阪大サイクロトロン破壊撤去
(米国立公文書館所蔵)
米国立公文書館所蔵)
当時写真誌ライフに掲載されたもの
サイクロトロン
の破壊撤去
1945年
年11月
月
原子核研究の禁止
数年後ローレンスの来日もあり
基礎研究再開
理研小サイクロ、阪大・京大サイクロ再建、
東大核研設立とサイクロトロン建設
京大サイクロトロン破壊撤去(1945.11.24)
京大サイクロトロン破壊撤去
(米国立公文書館所蔵)
米国立公文書館所蔵)
Atoms for Peace
• 1953年
年12月
月8日アイゼンハワー米国大統領が国連総会
日アイゼンハワー米国大統領が国連総会
でAtoms for Peace という演説を行った
という演説を行った
• 我が国では学者たちの意見がまとまらない中で議員立法
により原子力予算が認められた(1954年)
により原子力予算が認められた(
年)
(学者がボヤボヤしているから札束でホッペタをひっぱたいてやった)
学者がボヤボヤしているから札束でホッペタをひっぱたいてやった)
• それを追って、原子力基本法が成立し(1955年)、科学技
年)、科学技
それを追って、原子力基本法が成立し(
術庁が設置された。(学術会議では茅・伏見提案、在野では武谷案などがあった)
・ 矢内原原則と国会
・ 矢内原原則と国会での付帯
矢内原原則と国会での付帯決議
での付帯決議
(原子力予算(科学技術庁の予算)は大学には使わない)
は大学には使わない)
・ 文部省は有力大学に原子力工学科設置
・ 文部省は有力大学に原子力工学科設置
しかし核兵器増強競争は続いた
TIME, vol. 176, no. 13, pp30-31, Sep. 27, 2010
一度得た力を手放すことは困難 「人間の性」か?
戦後もローレンスは燃料不足解消のため
核燃料製造用加速器を試作する
ウラン鉱山が発見されて mark
II は中止
は中止
ウラン鉱山が発見されて 水爆実験1954.3.1
水爆実験
MTA mark I
(25MeV
MeV deuteron linac) (直径
直径18m 長さ
長さ18m)
直径
長さ
Materials Testing Accelerator
(MTA), was found at the
Livermore Auxiliary Naval Air
Station
第五福竜丸の被爆
清水榮たちが水爆であることを示す
データを発表した
Alvin Weinberg
潜水艦用に軽水炉を開発
軽水炉が原発の主流となる
軽水炉だけでなく溶融塩炉((MSR)も開発 しかし実用化されなかった
Why wasn’t this (MSR)done?
“I've already given the political reason: that
the plutonium fast breeder arrived first and
was therefore able to consolidate its political
position within the AEC.
“It was a successful technology that was
dropped because it was too different from the
main lines of reactor development… I hope
that in a second nuclear era, the [fluoridereactor] technology will be resurrected.”
(LiF-BeF2(フリーベ)にフッ化ウランを混ぜた溶融塩燃料)
航空機用に研究されたもの
I suppose part of my admiration for Dr. Nishibori arose from
the enthusiastic support he gave, even until his death in his
late eighties, to the molten-salt system. But despite his
powerful political connections and his prestige, his support
for the molten-salt reactor in Japan never got very far.
湯川秀樹 朝永振一郎 坂田昌一
初期には湯川ら素粒子研究
者が原子力問題に関わった
(湯川は原子力委員となるが
後に辞任)
後に辞任)。
その後、原子力は工学系の
研究者が主導。物理学者は
原水爆反対運動に重点を移
す。パグウォッシュ会議。湯
川の世界連邦構想。
川の世界連邦構想。
湯川の世代は物理研究と原子力問題の双方を一身に受け止めていた。
弟子たちの世代は純粋物理学と原子力工学に分かれ関係が薄くなっていった。
湯川と中間子がん治療
(中村誠太郎
(中村誠太郎)
中村誠太郎)
物理屋としての反省: 原子力に関心を持たなかったこと
「原子炉は完成された技術で研究することはもうない」(安全神話の一面)といわれていたが、
実は、原子力は初期の未熟な技術段階で急いで実用化された。
使用済燃料の処分問題についても置き去りで進められた。
機微情報が開示されないという、物理屋にとってはなじみにくい壁もある
日本の原子力の歴史については、
日本の原子力の歴史については、
吉岡斉 「原子力の社会史」 その日本的展開(1999年)、
年)、
吉岡斉 「原子力の社会史」 その日本的展開(
朝日選書624 が要領よくまとまっている
朝日選書
が要領よくまとまっている
吉岡斉
日本の原子力の進め方
原子力委員会の当初の方針(昭和31年9月)
・原子炉は原子力研究所を中心に建設する
(最初は輸入して勉強し、国産技術を開発)
大学用には関西にまず1基 大学用には関西にまず1基 (学術会議は全国共同利用研究所としての建設を勧告)
学術会議は全国共同利用研究所としての建設を勧告) 京大原子炉 - 敷地問題で難航(初代所長は木村毅一)
敷地問題で難航(初代所長は木村毅一)
・将来はプルトニウム利用(増殖炉、燃料再処理)へ進む しかし、すぐに米国製の軽水炉輸入路線となり、「ふげん」も
廃炉が決まる(Basic Research段階も
段階もDevelopment段階もスキップ)
段階もスキップ)
段階も
プルトニウム利用に関しては「常陽」を作り、さらに「もんじゅ」を作ったが・・・・・
プルトニウム利用に関しては「常陽」を作り、さらに「もんじゅ」を作ったが・・・・・
(安全に関しては内閣府原子力安全委員会、文科省安全課、経産省保安院)
原子力予算の財源と使途
-いわゆる電源特会の役割が大きい-
いわゆる電源特会の役割が大きい-
総額3500億円程度
億円程度(主な
総額
億円程度(主な財源は電源開発促進税
(主な財源は電源開発促進税)
財源は電源開発促進税) 2006年度までは電源特会へ、
年度までは電源特会へ、2007年度からは、一般会計に入れてからエネルギー対策特別会計のうち
年度からは、一般会計に入れてからエネルギー対策特別会計のうち
年度までは電源特会へ、
の電源開発促進勘定へ繰り入れ
電源開発促進税は電源事業者が納める
につき375円
円
電源開発促進税は電源事業者が納める。
電源事業者が納める。販売電気1000kWhにつき
販売電気
につき
経産省と文科省が主として使う
物理屋も原子力予算と無縁ではない
HIMAC、
、SPring-8、
、J-PARC、
、RIBF・・
・・
日本の原子力の経済規模
平成17年度 原子力利用経済規模 単位:億円
原子力委員会資料より(日本原子力研究開発機構の調査)
原子力委員会資料より(日本原子力研究開発機構の調査)
原子力に対する批判的意見
NPO法人
法人
原子力資料情報室
原子力安全研究グループ
今中哲二、海老澤徹、川野真治、
小出裕章、小林圭二、瀬尾健
http://cnic.jp/
脱原子力
小出裕章
武谷三男
高木仁三郎
(撮影・嶋田達也)
撮影・嶋田達也)
荻野晃也
高木仁三郎の部屋
http://cnic.jp/takagi/
久米三四郎
なお、物理学会では「物理学者の社会的責任」
シンポジウムにおいて原子力の問題がしばしば
取り上げられている
ロシナンテ社
1970年
年『月刊地域闘争(ちいきと うそう)』
うそう)』、
現在は『
現在は『むすぶ~自治・ひと・くらし~
むすぶ~自治・ひと・くらし~』
そして311大震災
エアフォートサービス3月
日
エアフォートサービス 月20日
今後の原子力
国民が選択 専門家は判断材料提供
いくつかの選択肢
A)直ちに現在の原発の運転を止める。
直ちに現在の原発の運転を止める。
B)現在の原発を、より厳しい基準で点検・改良工事した上で、廃炉時期を繰り上げて段階的に運転を止め
現在の原発を、より厳しい基準で点検・改良工事した上で、廃炉時期を繰り上げて段階的に運転を止め
る。
C)今後は革新的に安全な原子力システムを開発して更新する。(大深度地下原発、小型安全原子炉を分
今後は革新的に安全な原子力システムを開発して更新する。(大深度地下原発、小型安全原子炉を分
散配置、原子力電池的利用など)
D)今後は原子力発電を止め、自然エネルギー等で置き換える。
今後は原子力発電を止め、自然エネルギー等で置き換える。
などなど・・・・・
などなど・・・・・
日本が縮小しても、世界的に特に新興国では原子力発電が
日本が縮小しても、世界的に特に新興国では原子力発電が
今後増える現実、「人間の性」にどう対処するか?
技術力(研究開発・人材育成)
技術力(研究開発・人材育成)
判断力(学校教育・社会教育)
判断力(学校教育・社会教育)
は必要である
これからの研究開発
人々の心配は
原子力システムの安全と
原子力システムの安全と使用済燃料処分
それに応える研究をすること
それに応える研究をすることが重要である。
研究をすることが重要である。
原子力がエネルギー源として役立つことは理解している。
原子力がエネルギー源として役立つことは理解している。
放射線の利用が生活や医療に役立っていることもわかっている。
放射線の利用が生活や医療に役立っていることもわかっている。
これらのことを強調しても原発建設を認めることにはならない
これらのことを強調しても原発建設を認めることにはならない。
これらのことを強調しても原発建設を認めることにはならない。
科学者としてとるべき態度・・・、重要なのは・・・・どうすればわれわれの生活を、現状から脱し
てより良く、かつ安全なものにできるかという問題に取り組んでいくことであ る。(森永晴彦)
る。(森永晴彦)
そこに物理学者が取り組むべき課題があるか
そこに物理学者が取り組むべき課題があるか?
物理学者が取り組むべき課題があるか?
森永さんの提案
絶海の孤島に原子炉を作ってもっぱら太陽電池の生産に使う。
必要な量が生産できたら原子炉を眠らせる
太陽電池の生産に要した電力は3年で返せると推進者は主張している(最近ではも
っと短くてすむともいう)。
太陽電池の寿命は10年以上あるのでその後は太陽電池で作る電力で回っていく。
1997年 草思社
年 草思社
ということは日本で使っているすべての電力を太陽電池生産だけに使う(他は全て
停電する)としても3年間かかる。 1割節電して太陽電池生産に回す場合なら30
年かかることを意味する。
古川和男さんの考え
より安全な原子力システムを求めて
トリウムサイクル
をウラン233に変換して燃料とする。
トリウム232をウラン
をウラン
に変換して燃料とする。
トリウム
U-Puサイクルに比べ、
サイクルに比べ、核不拡散性。環境負荷低減
サイクルに比べ、核不拡散性。環境負荷低減。
核不拡散性。環境負荷低減。
トリウム炉の開発は現在ほとんどが中止された。
トリウム炉の開発は現在ほとんどが中止された。 例外はインド。
例外はインド。
ごく最近中国がトリウム溶融塩炉開発の予算を認めた! ごく最近中国がトリウム溶融塩炉開発の予算を認めた! 加速器駆動システム(ADS)にすれば未臨界なのでより安全。
)にすれば未臨界なのでより安全。
加速器駆動システム(
高橋 博 加速器駆動トリウム炉提唱
高橋 博 加速器駆動トリウム炉提唱 高橋 博 加速器駆動トリウム炉提唱 大深度地下構想
カルロ・ルビア 加速器駆動トリウム炉計画
カルロ・ルビア 加速器駆動トリウム炉計画
古川和男 トリウム溶融塩炉 加速器で
古川和男 トリウム溶融塩炉 加速器で燃料増殖
(エネルギー増幅器:ルビア:1993
(エネルギー増幅器:ルビア:1993年)
1993年)
加速器駆動未臨界炉
トリウム溶融塩炉
LiF - BeF2
大気圧
常温でガラス固化
全電源喪失対策
水を使わない
古川和男
2006年佐藤栄作賞「
年佐藤栄作賞「
核拡散防止」
最優秀賞
使用済燃料の処理処分:ADS
使用済燃料の処理処分:ADSによる核変換
ADSによる核変換
旧原研時代にOMEGA計画というものがあったが、現在要素技術実験施設として
計画というものがあったが、現在要素技術実験施設としてJ-PARCの2期
の2期
旧原研時代に
計画というものがあったが、現在要素技術実験施設として
計画で実験施設が提案されている(しかし原子力村では高速炉による核変換派が優勢)
計画で実験施設が提案されている(しかし原子力村では高速炉による核変換派が優勢)
以前「消滅」という言葉が使われたが、「消滅」ではない。長寿命核を短寿命核に変換するだけ。
(JAEA)
JAEA)
“Neutron
multiplication
factor”
M = 1 + keff + keff + keff + keff
2
3
4
1
+ ...... =
1 − keff
n-TOF ADS用中性子核データ精密実験
用中性子核データ精密実験
(CERN)
加速器駆動未臨界炉の基礎実験開始
KART (Kumatori Accelerator-driven Reactor Test facility)プロジェクト
プロジェクト
FFAG complex at KURRI
Beam
to
KUCA
最初のADS
最初のADS実験
ADS実験 (2009.3.4)
トリウムによる実験(2010.3.3)
トリウムによる実験
加速器駆動システム(ADS)の研究
の研究段階
加速器駆動システム
の研究段階
熊取の研究は小さな一歩を踏み出したに過ぎない
第2段階:
段階:J-PARCの
の2期計画(
期計画(核変換の要素開発)
段階:
第3段階:
段階:10MW級の加速器駆動試験研究炉
級の加速器駆動試験研究炉
段階:
システムの安全研究と、連続ビーム中性子源としての利用
核変換、エネルギー増幅・・・)
(材料照射、MA核変換、エネルギー増幅・・・)
(材料照射、
Basic Research
実用に供するかどうかはその研究開発状況を見て判断する
Fusion-fission hybrid thorium fuel cycle alternative
(ADSの加速器部分を核融合で置き換えたもの)
の加速器部分を核融合で置き換えたもの)
Magdi Ragheb
Graduate seminar, department of nuclear, plasma and radiological engineering, University of Illinois at
Urbana-Champaign, 103 Talbot laboratory, USA, February 10, 2010
核融合学者の現実論か?
核融合炉材料試験用加速器(IFMIF)開発
開発
核融合炉材料試験用加速器
(材料研究は意味があるBasic
Research)
)
(材料研究は意味がある
原子力研究開発の分担・連携
Basic research
大学理学部
(応用)
応用)
Development
大学工学部
京大原子炉実験所 核融合研
大量生産
実用・・・・
Fundamental science
可能性のののの研究開発
実用((((
採算))))
利用可能性のののの研究開発
学術研究・・・・
知的好奇心
(基礎)
基礎)
JAEA
Industry
経産省等研究所
民間企業等
(産総研等)
産総研等)
(メーカー・電力会社)
メーカー・電力会社)
連携ネットワーク・プラットフォーム
ADS・核変換
ADS・核変換
KART
加速器駆動試験研究炉
J-PARC 2期計画
高速炉
中性子
核融合
常陽
J-PARC
KUR
JRR3
LHD
JT60
もんじゅ
JMTR
IFMIF/EVEDA
FaCT
実証炉
商業炉
ご静聴有り難うございました
The thorium cycle
232U (α, 72 years)
228Th (α, 1.9 year)
224Ra (α, 3.6 day, 0.24 MeV)
220Rn (α, 55 s, 0.54 MeV)
216Po (α, 0.15 s)
212Pb (β−, 10.64 h)
212Bi (α, 61 s, 0.78 MeV)
208Tl (β−, 3 m, 2.6 MeV)
208Pb (stable)
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