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「もんじゅ」のしくみと安全性

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「もんじゅ」のしくみと安全性
「もんじゅ」のしくみと安全性
● 「もんじゅ」のしくみ
原子炉を冷却し、原子炉から熱を取り出すシステムを冷却系といいますが、「もんじゅ」
の冷却系は、3ループの1次冷却系、2次冷却系と水・蒸気系から構成されて
います。
原子炉で核分裂により発生した熱は、1
次系ナトリウムによって中間熱交換器に運
ばれ、そこで2次系ナトリウムに、熱が伝え
られます。2次系ナトリウムの熱によって、
蒸気発生器で蒸気を発生させ、その蒸気
でタービンを回し、発電を行います。
外 部
遮へい壁
1次冷却系
原 子 炉
格納容器
● 安全性の考え方
「もんじゅ」の安全性確保の考え方は、
1)異常の発生を未然に防止
2)異常の拡大や事故の発生を防止
3)放射性物質の異常放出を防止
という3つのレベルの安全対策(多重防護)
に基づいています。これは軽水炉と
同じです。
ペレット
被ふく管
●異常発生の防止と事故発生の防止
燃料ピン
原子炉
容 器
中間熱
交換器
1次主循環
ポ ン プ
;5重の障壁
異常の発生を未然に防止するために、「もんじゅ」は、慎重で余裕のある設計がなされてい
ます。また、誤った運転操作は受け付けないインターロック・システムや故障が
発生しても、安全な状態に向かう“フェイル・セーフ”のしくみを備えています。
事故の発生を未然に防止するために、また、異常が発生した場合でも、それが拡大しない
ように、様々な計測・制御系が設置されており、異常を素早く見つけ出し、必要に
応じて原子炉を停止することとしています。
更に、異常時には、緊急停止装置や安全装置が作動し、原子炉は自動的に、そして
安全に停止する設計となっています。
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●いくつもの障壁を設けた多重構造
「もんじゅ」の原子炉施設は、多重構造になっています。
・第1の障壁:燃料ペレット(瀬戸物のように焼き固められた酸化物のペレット)
・第2の障壁:燃料被ふく管(燃料を包むステンレス鋼製の被ふく管)
・第3の障壁:原子炉容器および配管など(ステンレス製)
・第4の障壁:原子炉格納容器(鋼鉄製)
・第5の障壁:外部遮へい壁(コンクリート製)
2次冷却系
水・蒸気系
ナトリウム
抜き取り配管
過熱器
蒸発器
ナトリウム
タンク
連通管
●ナトリウム漏えい時の対策
2次主循環
ポ ン プ
蒸
気
発
生
器
発電機
床ライナ
タービン
○ 1次冷却系
1次冷却系ナトリウムには放射能があるので、
1次冷却系の部屋は、床、壁、天井を鋼板で仕切
り、窒素ガスを満たし、ナトリウムが漏
れた時も、燃焼しないようにしています。
○ 2次冷却系
放射能がない2次冷却系ナトリウムの部屋は
空気雰囲気なので、漏れたナトリウムは燃焼しま
すが、床ライナという鋼板を敷き、コン
クリートとの接触を防ぐようにしています。
この燃焼の影響を小さくするため、漏れをすば
やく検出し、機器・配管からナトリウムを
タンクに抜き取ることにしています。
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