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アブストラクト - 第1回福島第一廃炉国際フォーラム

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アブストラクト - 第1回福島第一廃炉国際フォーラム
第 1 回福島第一廃炉国際フォーラム
ハンフォードサイトの浄化に関する意思決定を裏付けるリスク評価の概要
Mark Triplett, Senior Advisor
Pacific Northwest National Laboratory
要旨
ワシントン州南東部のハンフォードサイトは 45 年間核兵器原料を生産していたが、1989 年に
その役割を終え、サイトの浄化が始まった。ハンフォードの浄化は非常に複雑な課題である。
サイト面積は 1,500km2 以上に及び、サイトの外周 80km にわたってコロンビア川が流れている。
この川は浄化措置によって保護すべき重要資源の代表例と言える。ハンフォードサイトの浄化
は、複雑さ、費用や期間といった点で福島第一発電所の廃炉(デコミッショニング)に匹敵す
る作業である。浄化には、9 つのプルトニウム生産炉を始め、数百ものサポート施設および廃
棄サイトのデコミッショニングが含まれている。
ハンフォードの浄化作業の最初の数年間で浄化のためのリスクインフォームド戦略が策定され、
作業順序の整理、およびコロンビア川その他の環境ならびに人々の健康の保護を目的としたロ
ジカルアプローチを確立した。この戦略の策定に当たっては、一般市民や関係者グループの積
極的な参加を得た。戦略はその後も改良が重ねられており、一般市民もハンフォードの浄化に
おける重要な役割を引き続き担っている。現在、コロンビア川沿いの除染作業はほとんど完了
し、地下水処理システムが設置されて環境保護のために稼動している。残された課題のうち、
最も重要なことはタンクに貯蔵された 2 億 1,000 万リットルの放射能汚染水の回収と処理・処
分である。
ハンフォード浄化戦略の策定に当たっては、環境および人体にさまざまなリスクがあるため、
多様なリスク評価手法を適用した。日本において福島第一原子力発電所の廃炉に関する長期戦
略を策定する際にも、同様の手法が有用なのではないかと思われる。福島関連の問題に関し、
PNNL は原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)、東京電力、日本原子力研究開発機構
(JAEA)に積極的に協力している。
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