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ドイツにおける妊娠中絶法の改革

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ドイツにおける妊娠中絶法の改革
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ドイツにおける妊娠中絶法の改革 −国際的比較法的観
点において−
エーザー, アルビン; 今井, 猛嘉(訳)
北大法学論集, 44(6): 339-365
1994-03-31
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/15562
Right
Type
bulletin
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Information
44(6)_p339-365.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
l国 際 的 比 較 法 的 観 点 に お い て │ │
一九九O年の
訳
ザ
、
芳
音
アルピン
井
二
コ
ドイツにおける妊娠中絶法の改革
ー
新たな妊娠中絶法の検討
猛
妊娠中絶法の改革は世界的な動向であるが、 ドイツでは特に熱心に改革が行われてきた。その理由は、
いわゆる
適 応 モ デ ル ヘ 英 米 の 用 語 で い うd
g
i
-同市ョの立場を採っていた一ドイツ民主共和国は、
H
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し
、
統一以前には、二つのドイツにおいて妊娠中絶法が全く相反する規制をしていた点に、 ある程度求められる一ドイツ連
邦共和国は、
わ
ム
、
i
寅
講
ゆる
(1)
H
F23 により近い立場を採っていた。
期
限モデルヘ左官。円Z
(2)
二つのドイツ政府は一方のモデルで同意できなかったので、妊娠中絶問題の検討は、脱線しそうなドイツ統一過程で
綿密に続けられた。統一条約が最終的に署名され批准されたのは、妊娠中絶問題に関して妥協が成立した後であった。
一第一に、論争は一九九二年の末までに、統一された立法機関によって新たな立法をすることで解決されることになっ
た。第二に、 その時まで、統一以前の妊娠中絶法は、 そ れ ぞ れ の 領 域 で 効 力 を 失 わ ず 、 そ れ 故 少 な く と も 妊 娠 中 絶 法 に
関しては、分割されたドイツが維持されることになった。
より官。lzpな 解 決 を 支 持 す る キ
一九九二年六月二五日に妊娠中絶法案が採択された。同法案は、社会民主党と自由民主党、更に、キリスト教
そこでドイツ連邦議会では、非常な時間的制約の下で日夜激論がくり返され、その様子はテレビで全国に放映された。
そして、
dgzP3とぜ﹃。門2223 の 中 聞 を 進 む も の だ と 言 え よ う 。 し か し 、
民主党の少数によっても支持されたのであった。
この新法は、
リ ス ト 教 民 主 党 の 大 多 数 は 、 新 法 は 、 胎 児 の 生 命 に 対 す る 憲 法 上 の 保 護 に 十 分 注 意 を 払 っ て い な い と 主 張 し て 、 ドイ・ツ
(3)
連邦憲法裁判所に提訴した。そして実際のところ、少なくとも連邦憲法裁判所が一九九三年五月二八日の判決で新法の
一部を無効にした限りでは、この憲法訴訟は成功したのである。
}の新法を更に紹介しその評価を試みる前に、 フ ラ イ ブ ル ク の 我 々 マ ッ ク ス ・ ブ ラ ン ク 外 国 刑 法 ・ 国 際 刑 法 研 究 所 に
一定の傾向は認識できるように思われる。この傾向は、多くの国々、 とりわ
000頁 以 上 に も の ぼ る 。 こ の 資
(4)
よる国際的比較法的、犯罪学的調査報告によって、国際的背景を確認するのが望ましいであろう。この研究の比較法の
品、
まだ完全には解析されていないが、
部 分 は 、 約 六0 か 国 に 関 す る 報 告 ( 日 本 法 に 関 し て は 芝 原 教 授 の 報 告 ) を 含 み 、 三 、
目
山
+
11
l
け、今なお伝統的な妊娠中絶法の改革に取り組んでいる国々にとっては、我々の研究から得られる比較法的知見と同様、
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ドイツにおける妊娠中絶法の改革
特に興味深いと思われる。
規制の相違
刑法が、出生後の生命に与える保護と、胎児の生命に与える保護とを比較すれば、胎児の生命を保護している法律/
規制の大きな相違が明らかになる。
概して、出生した人間の謀殺と故殺は統一的に取り扱われており、変化は、 せ い ぜ い 、 動 機 や 犯 罪 の 実 行 方 法 の 相 違
に応じて刑に差をつける際に生じるだけである。
一方では刑法によって規定され、他方では保健法によって規定されるかもしれない。その上、
しかし胎児の生命の保護に関しては、 そ の 侵 害 を 軽 い 逸 脱 行 為 と 考 え る か 否 か の 点 で 、 多 様 な 規 制 が あ り う る 。 胎 児
の生命の保護は、例えば、
例 外 的 な 事 情 は 、 多 か れ 少 な か れ 大 ま か に 限 定 さ れ 、 手 続 的 コ ン ト ロ ー ル は 、 関 連 し た 社 会 l法 的 手 段 に 応 じ て 変 化 す
るかもしれない。
これらの多様性は、妊娠中絶の規制が、他の事象以上に国民性と国民の態度/基本的なイデオロギーに依存している
ことを示している。それにもかかわらず、この領域でも規制の構造的な類似性と基本的な傾向は明らかである。
完全な禁止の否定、及び、完全な刑罰免除の否定
我々は、我々が研究したヨーロッパと非ヨーロッパの全ての国々の中に、妊娠中絶を例外なく完全に禁止している国
を一つも見いださなかった。
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例えば、
一九九O年の改革までのベルギー、 そ し て 今 日 で も な お ア イ
μ
であり
一国の刑法が明示的に妊娠中絶を禁止している場合でも、刑罰の免除は、 いわゆる治療的
一九七五年の改革までのドイツ連邦共和国ゃ、
ルランドで見られるように、
妊娠中絶の場合に見いだされる。そのような妊娠中絶は、妊婦の健康又は生命に対する危険を回避するか治療
u ものではなく、
せいぜい
相対的な
N
H
ものだったのである。
故意の妊娠中絶という犯罪の定義に該当するとは、 ほ と ん ど 考 え ら れ て こ な か っ た 。 そ れ 故 、 刑 法 に よ る 胎 児 の 生 命 の
保護は、決してか絶対的な
他 方 で 、 我 々 は 、 胎 児 の 生 命 侵 害 が 完 全 に (即ち、妊娠の全段階、 か っ 、 意 思 決 定 の 全 局 面 で ) 妊 婦 、 及 び / 又 は 、
他の関与者の裁量に委ねられている国も見いださなかった。妊娠中絶の規制は、たとえそれが胎児の生命の保護のため、
又は、妊娠後期における中絶を防止するためだけであるにせよ、いずれの国にも存在する。従って我々は、出産の開始
までの全過程で、任意に妊娠が中絶され得る国は見いださなかったのである。この事実を考慮すれば、あるドイツの改
草グループが主張したように、妊娠中絶に関する全ての規制を、新たな規制を設けることなく廃止するのは、世界的に
前例のないことだと言えよう。
しかし、妊娠中絶の他の関与者、特に医者その他の助力者は処罰されるが、妊婦は、 そ の 陥 っ て い る 特 別 の 個 人 的 葛
藤状況を考慮して刑罰を免除するという規制は存在する。特にスカンジナピア諸国は、婦人は自己の妊娠を正当な理由
なしには中絶しないであろうとの前提に立って、葛藤状況の存在を仮定する規制を設けている。
二つではなく、三つの基本モデル
前述したことから、現実に採りうるのは、妊娠中絶の絶対的な禁止でも、刑罰からの完全な解放白でもないことが明ら
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かであろう一むしろ境界線は、多かれ少なかれ厳格に設定されている
中間に存在するのである。
μ
適必事由
d
戸よる解決と
μ 限
期
μ による解決の
gtnF222 の立場の中間にある境界線は、 それ自体、 かなりの程度絶えず変化する。 し か も 多 く
このぜ﹃。-ロペと d
の場合、妊娠の進行状況に応じた一定の制限に加えて、実体的条件(妊婦の同意、及ぴ/又は一定の緊急状況など)と、
手 続 的 条 件 ( 妊 娠 中 絶 の 許 容 性 の 事 前 決 定 、 及 び / 又 は 相 談 な ど ) の同時充足が要求されている。
一定の場合には妊娠六か月の末になされた中絶でさ
それ故、純粋な期限モデルの下でも、刑罰の免除は通常、妊娠初期三か月内だけで認められるにすぎず、完全な刑罰
の免除が認められてはいないのである。アメリカ合衆国のように、
え刑罰から免除され得る国々では、免除はより長く存続するであろう。しかし六か月以後は、 その他の点では非常に許
μ という点だけを問題にするのではなく、自己決定のための女性の能力、更には、不
容的な規制の下でも、刑罰の免除は限定された条件の下で認められるにすぎないのである。
H
処
罰しえないか処罰しうるか
処罰の理由まで考えるならば、 ド イ ツ で 通 常 な さ れ る 適 応 モ デ ル と 期 限 モ デ ル の 対 比 は 、 更 に 皮 相 的 に な る 。 よ り 厳 密
に検討すると、三つの基本的なモデルが現れる。
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これらのモデルが顕著に現れている諸国の比較法的調査については、表ーを参照されたい。
自己決定に基づくか期限モデル
一定期間内の妊娠中絶を、刑罰から免除するのみならず、妊婦の法律上の権利として明記する規制が
ある。この規制の下では、女性は、明記された緊急状況の存在を証明する必要がないのみならず、自己の決定理由を示
一方の極には、
5
す必要もない。
そのような
N
自
己決定に基づく期限モデルが の 典 型 は 、 統 一 条 約 以 前 の D D R (ド イ ツ 民 主 共 和 国 ) に お け る 妊 娠 中
絶規制/政策を基礎づけていた規定である。統一条約によって・無効にされが一九七二年の妊娠中絶規制法一条一項は、
次のように定めていたつ子供の数、出産の時期及び間隔の決定のために、女性は、避妊の可能性の他に、自己の責任
に 基 づ い て 妊 娠 中 絶 を 決 定 す る 権 利 を 有 す る ou こ の 表 現 か ら は 、 妊 娠 中 絶 で は 妊 婦 と 胎 児 の 利 益 が 衝 突 し 、 そ の 比 較
衡量が問題となることは、 お よ そ 推 測 で き な い 。 逆 に D D Rで は 、 妊 娠 中 絶 は 他 の 出 産 制 限 の 手 段 と 同 一 視 さ れ 、 女 性
の自己決定の問題としてのみ把えられたのであった。
第三者の判断に基づく n
適応モデル“
このモデルの他の例は、 デ ン マ ー ク と ス ウ ェ ー デ ン の 規 定 、 並 び に 旧 ソ 連 の 規 定 の 中 に 見 い だ せ る 。
られる。
基本的なアプローチの一致を別にすれば、許容性の限界を定める現実の規定には、更にかなりのバリエーションが見
外的な状況においてのみ認められる。
インの刑法を基礎づけている。そして、このモデルの下では、胎児の生命は基本的に優先権を認められ、妊娠中絶は例
﹂のモデルは ( 一 九 九 二 年 六 月 に 改 革 さ れ る 以 前 の ) 連 邦 ド イ ツ 法 一 二 八 条 │ 一 二 九 条 d、及ぴ、 ポ ル ト ガ ル と ス ペ
イプの緊急状況に依存している点にある。更に、第三者の評価と決定に、事後的な司法審査が及び得る点も特徴である。
他 方 の 極 に あ る モ デ ル の 特 徴 は 、 妊 娠 中 絶 が 、 第 三 者 ( 医 者 あ る い は 専 門 家 の 委 員 会 ) によって認山{疋される一{疋のタ
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演
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妊娠中絶を許容する適応挙由として考えられる事項を定式化するのは、特に困難である。
ほとんどの場合、最近の改革まで効力があった西ドイツ刑法で見られたような暖昧な定義が見いだされるだけである。
医療的
ρ
μ
適応事由と言われることが多いが、女性の現在及び将来の生活条件も考慮さ
こ の 改 革 以 前 に は 、 刑 法 二 一 八 条 aは 四 つ の 適 応 事 由 を 規 定 し て い た 一 杜 会 的 医 療 的 適 応 挙 由 ( こ れ は 、 しばしば誤
解されている。何故ならこれは
J
般的緊急性の適
れていた限りでは、実は社会的適応事由だったからである)、優生学的あるい以胎児病他的適応挙由(子供が遺伝上の
欠陥を有すると危倶される場合)、犯罪学的あるいは倫理的過応挙由(強姦の場合)、そしていわゆる
応 事 由 ( 妊 娠 中 絶 が 女 性 を 緊 急 状 況 か ら 解 放 す る 唯 一 の 方 法 で あ る 場 合 ) である。
実体法的側面だけに着目して紹介した、これら四つの適応事由の中で、 そ の 最 後 の 事 由 に つ い て は 、 暖 昧 す ぎ る と の
批判がありえよう。しかし、万人を満足させる適応事由の定式化は、世界中のどの国でも提案されていないのである。
例えば、他の諸国と同様にハンガリーでは、女性が妊娠中絶できたのは、彼女が結婚していないか、彼女が常に夫と
一九八六年まで効力があった規定(その後、助言/相談を求める義務を伴った
別れているか、彼女が三五歳以上であるか、彼女と夫が各自の家を持っていないか、賃貸住宅に独立して住んでいない
場合であった。チェコスロバキアでは、
期限モデルに変更された) の下では、 四O歳 以 上 の 女 性 と 、 少 な く と も 三 人 の 子 供 と 生 活 し て い る 女 性 は 妊 娠 中 絶 を 許
されていた。
このようなこじつけは、恋意的で熟慮が欠けているという印象を与える。しかも一定の社会的規範と期待、例えば、
μ
が妊婦の個人的な窮状を真剣に考膚しているのかは、極めて疑わしい。
N
国民人口を維持するために必要とされる出産数といった通念を正当化する危険も有している。とりわけ、そのような 適
応事由のカタログ
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古
典的な
μ
u
第三者の判断に基づく適応モデルが
(他方において
)H
自己決定に基づ
対立関係の下で、第三のモデルが発達した理由足りえよう。このモデル自体の重要
)H
H
葛
藤を志向する対話モデル
という
と
を
一種の緊急性であるか必要な場合
μ
μ
H
あるいは
と呼ぶのが適当である。
(7)
H
苦
悩の状況
μ
に、明らかに言及している一イタリア法
ρ
期限モデル
と呼ぶべきである。相談の特別の重要性と医者の同意が強調されるべきならば、この規制
H
葛
藤を志向する対話モデル
己評価に基づく緊急モデル
H
この種の規制と共に:・最終的決定は女性の判断に委ねながら:・緊急性の要件が強調されるべきならば、この規制は 自
告する旨要求することは、最低限可能であろう)。
肢の検討を求めている事実の評価を誤まることになる(このような規制の下でも、女性に、意思決定の過程を医者に報
(6)
として理解すれば、 そ の 規 制 を 含 む 法 律 が 女 性 に 妊 娠 中 絶 を 自 由 に は 許 さ ず 、 む し ろ 緊 急 性 を 要 求 し 、 女 性 に 他 の 選 択
ンセイユデタが認めたように、司法的な再検討に服しない)という規制もある。そのような規制を単なる
一 定 期 間 内 に 緊 急 事 態 が 存 在 し た か 否 か の 決 定 を 、 大 部 分 、 女 性 の 判 断 に 委 ね る (女性の決定は、最近フランスでコ
は、限定的ではあるが、 な お 適 応 モ デ ル の 性 格 を ほ の め か す 緊 急 状 態 の 要 件 を 含 ん で い る 。
フランス法は、
七九年)、イタリア (一九七八年)、最も最近ではベルギー (一九九O年) の規定である。
に委ねられている。このモデルの例を含むのは、 ノルウェーの規定(一九七五年) の他に、 フランス (一九七五/一九
娠 中 絶 を 許 容 す る た め の (一定の緊急性といった)理由を規定し、 そ の 理 由 の 存 否 の 決 定 は 最 終 的 に 女 性 の 判 断 と 裁 量
性は、最近に至るまでほとんど注意されず、 ま し て や 真 剣 に 考 え ら れ て は こ な か っ た 。 こ の モ デ ル の 下 で は 、 法 律 が 妊
く期限モデル
正にこの後者の問題が、(一方において
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手続的保証
完全な状況を把握するためには、妊娠中絶の禁止と許容を考察するだけでは不十分である。存在しうる手続的予防措
置も考慮されるべきである。この領域では、正に、注目に値する発展が生じている。
伝統的には、法律は、妊娠中絶を単に禁止するだけであり、例外的に妊娠中絶が許される場合の特別な手続について
規定していなかった。妊娠中絶が行われたという疑いが生じれば、検察官は、妊娠中絶が許容されるか否かを決定する
ために事後的な調査を行い、許容されないのであれば起訴しなければならなかった。決定の挙後的な再調査のみが制度
化されていたのである。
この代わりに、最近、特別の手続きの中で機能する予防的ゴントロールの制度が発展してきた。このコントロールに
は、二つの形式がある一第一に、妊娠中絶の前に、遁必事自の一つが正式戸決定されなければならない、第二に、適応
事由の決定に加えて、あるいはその代わりに、妊娠中絶の前に柑訴を受けなければならない。
スカンジナピア諸国では、前者の条件である許容性の決定は、妊娠中絶を求める訴えが提起された委員会でなされて
いる。このように、期限モデルの規定を有する諸国においても、予防的な手続的コントロールは全く可能である。した
μ
問題なのである。
がって妊娠中絶を、例えば盲腸の切除のような、医者と患者の間の単なる私的事項と見ることはできない。むしろ、国
公的な
N
一九七四年の改革以前のドイツ連邦共和国で採用されていた、専門家委員会が妊娠中絶
家が一定の手続の遵守を要求し、濫用を防止しうる点で、妊娠中絶は、ある程度は
当然ながら、以上の理解は、
の許容性を決定する適応モデルに、 より妥当するのである。
北i
去44(6・347)1759
8
なるほど、このことは、決定が本質的に第三者に委ねられており、 その第三者による許可が一種の
無罪放免
ρ
u
と見
なされ得る欠点を有している。このようにして直接的な関与者、旦ハ体的には妊婦と妊娠中絶を行う医師個人は免責され
るかもしれない。道徳的な観点からは、このことは、個人の免責として一層誤解されやすいであろう。
これに対してドイツでは、正当にも、妊娠中絶の法律的・道徳的責任は、直接的関与者にあり、最初の医者による適
応事由の決定は、中絶を施す医者が最終決定をする際の主たる要因と見られるべきだと考えられてきた。
妊娠中絶のための手続的保証が法的制裁に関して一層重要となったのと同様に、これらの事項が規定されている法廷
地に、しばしば変化が生じていることも、更に特筆されるべきである。伝統的には、刑法が、妊娠中絶を規制する第一
(8)
の手段であった。が今や、妊娠中絶の問題を、主に、医事法的な問題として捉え、最終的、予備的な手段としてのみ刑
罰を要求する傾向が見られるのである。
増大する相談の重要性
叩)
一九九二年まで適応モデルが義務
更 に 、 静 が 助 言 を す べ き かl 医 者 だ け か 、 あ る い は 、 特 別 の 相 談 機 関 か 1 そ し て 、 如 何 な る 事 項 に つ い て 助 言 が 与 え
的な相談と結びいていたし、 ス ウ ェ ー デ ン で は 、 期 限 モ デ ル が 選 択 的 な 相 談 と 結 び つ い て い る の で あ る 。
そ う で あ る 。 し か し 、 双 方 の 規 制 に は 例 外 が あ る 。 例 え ば 、 ドイツ連邦共和国では、
伝統的な適応モデルは、女性の自発性に基づく相談と調和し、 よ り 許 容 的 な 規 制 は 、 概 し て 、 義 務 的 な 相 談 と 調 和 し
る適応事由の決定に代えて要求できるし、単なる選択的な制度としても要求できる。
(9)(
今日、相談は、意思決定の過程で特に重要になっている一相談は、適応事由の決定と共に要求できるし、第三者によ
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ら れ る べ き か1医 療 情 報 だ け か 、 あ る い は 、 避 妊 と 他 の 社 会 的 な 問 題 に 関 す る 情 報 も か ! と い う 問 題 を 考 え る と 、
の相違が生じてくる。
一{疋
当然のことであるが、更に特に重要なのは、相談は特別の目的のために行われるべきか、仮にそうだとすると、その
目的は何であるべきかということである。この問題は、また、ドイツでは非常に議論されてきたし、現在でも議論され
H
に関してか助言
H
を受けなければならなかった。この点につ
ている。以前の刑法二一八条bによれば、女性は妊娠中絶の前に、母及び子のために利用できる扶助、即ちか特に妊娠
の継続並びに母及び子の状態を容易にするその種の扶助
継続
N
u
に
いである者は、相談の目的は女性を説得して妊娠を継続させることにあると解した。が、他方では、この解釈を一面的
で支持できないと解する者もいた。私には、後者が正当な法的根拠に基づいていると思われる。法が妊娠の
関してか特にがと一言っているからといって、他の相談の目的が排除されるわけではない。それ故、如何にして法的に妊
娠中絶を行うかに関する情報は、相談手続きで与えられるべきなのである。
また、国際的に見ると、相談は第一に、女性が自分の責任で決定できるように女性に包括的な情報を与えることを目
(日)
的としている一女性には、妊娠中絶に対する賛否両論が知らされなければならないが、女性はいずれの方向にも強制さ
れるべきではない。要約すれば、相談の後に、女性は自己の決定に関係する全ての事項(現在並びに将来に影響を及ぼ
す重要事項) を 考 慮 す る 立 場 に あ る べ き で あ る 。 女 性 は 、 状 況 に 対 処 す る 準 備 が で き て い る べ き な の で あ る 。
相談の実行と柑訴の評価に関しては、遺憾ながら、信頼できる経験的研究が欠如している。しかし以下のことは言い
うる。 フ ラ ン ス で は 、 自 己 決 定 に 基 づ く 期 限 的 な 緊 急 性 の 規 定 が あ る に も か か わ ら ず 、 妊 娠 中 絶 の 数 は か な り 低 く 、 相
談が明らかにかなり重要な役割を果している。妊婦は、相談の後七日間待たなければ妊娠中絶できないのであり、非常
に長い手続を経なければならない。待機期間は、女性に、自己の決定について考える十分な時間を与える。ドイツ連邦
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(
ロ
)
共和国に関しては、妊婦の態度と意思決定に関する我々マックス・ブランク研究所の犯罪学研究グループが行った
研究によれば、義務的な相談手続を経た女性の八二%は、相談に満足していた。しかし、これらの女性の多くは、相談
の要件を充たしたことを示す証明書の入手に主たる関心があった。更に、研究の結果によれば、妊娠の初期にはためら
いがあったが、出産した女性の約半分は、 そ の 決 断 に 際 し て 決 定 的 な 役 割 を 果 た す 社 会 的 問 題 に つ い て の 相 談 を 信 用 し
たとのことである。この結果は、確かに注目に値する。最初から妊娠の中絶を決意していた女性には相談が大きな影響
を与えなかったのは、驚くべきことではない。
この研究は、女性が三つのグループに分かれうることを示している。第一に、 た と え 何 が あ っ て も 妊 娠 を 出 産 ま で 継
葛藤状況にある妊婦
H
H
のグループが存在する。これらの女性の半分が相談
続したいと思っている女性のグループがある。他には、知何なる場合でも妊娠を中絶したいと思っている女性のグル l
プがある。その中間に、少数とは言えない
葛藤状況にある妊婦
H
μ
にのみ関するものか、
に影響を受けたと主張するならば、これは低いパーセンテージではない。 フ ラ ン ス で は 、 相 談 に よ っ て 五 一 O % の 女
性が妊娠中絶を思い止まったと概算されている。実際には、この割合が
あるいは、如何なる状況の下でも妊娠を中絶しようと決意している者をも含む、妊娠中絶を考えた全ての女性に関する
ものかは、明らかでない。 ス ウ ェ ー デ ン で は 、 相 談 は 選 択 的 で あ る に も 係 わ ら ず 、 女 性 の 三 O % が 相 談 を 求 め て い る 。
明 ら か に 、 相 談 は 、 二 O 歳 以 下 の 女 性 に 最 も 影 響 力 が あ る 一 四 O 歳 以 上 の 女 性 は 相 談 を 求 め ず 、 それ故、 ほ と ん ど 影 響
を受け得ない。イスラエルでは、相談のサービスが妊娠中絶を助長するために利用されているのではないかとの報告が
なされている。多くの諸国、特にイタリアでは、優れた適任の相談者の不足が惜しまれている。最後に、我々の研究は
驚くほど僅かの経験的素材しか扱っていないことに触れるべきであろう。今までのところ、相談には科学的研究がなさ
れてこなかったが、それは明らかに、分野の新規性のためである。将来は、この分野で多くの研究が必要であろう。
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ドイツにおける妊娠中絶法の改革
男性のパートナーの関与
妊娠の継続か中絶かの決定に関与する権利という意味での父親独自の利益は、少なくとも妊娠中絶の処罰に関する限
り、どこの国でも真剣には考慮されていないようである。にもかかわらず、医者が、妊娠中絶について父親の同意を要
求している国もある一医者には、父親の同意を要求する法律的な理由はなく、医者自身が同意を要求しているだけかも
しれない。例えばアメリカ合衆国の最高裁判所判決は、男性の意思に反するというだけで妊娠中絶を否定することを禁
(日)
止した。しかしそれにもかかわらず、男性が同意した場合にのみ中絶手術を行う病院がある。このことは、アメリカ合
(凶)
衆国では、男性の同意は実際には法律上要求されていないが、病院によっては要求されていることを意味する。幾っか
のかつての社会主義諸国では、男性が適応事由の決定手続で聴聞される可能性があった。しかし一般的には、父親が関
与するのは、妊婦が望むか、少なくとも同意する場合だけである。
(日)
こ こ で 、 こ の よ う な 男 性 の パ ー ト ナ ー の 関 与 が 強 調 さ れ る 。 と い う の は 、 C D Uが 統 治 し て い る パ l デン 1ヴ ユ ル テ
(日)
ンベルク州と、当時は S P Dが 統 治 し て い た ヘ ッ セ ン 州 の 比 較 の た め に 行 わ れ た 妊 婦 の 調 査 に お い て 、 男 性 の パ ー ト ナ ー
の役割を過少評価すべきでないとの研究結果が、双方のグループから出されたからである。多くの妊婦は、意思決定の
際にパートナーの態度も考慮するであろう。多くの場合、 パ ー ト ナ ー の 態 度 │ │ 出 産 予 定 日 ま で 妊 娠 を 継 続 す る の に 賛
成か否かーーが、女性の意思を決定するのである。
妊婦、特に未婚の妊婦は、自己の状況を議論できる者を見いだすのが、 し ば し ば 困 難 で あ る 。 両 親 は 多 く の 場 合 信 頼
しえないし、女性が第三者に自己の秘密を打ち明ける気になることは、更に少ないであろう。それ故、相談者は、男性
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のパートナーに、女性と共に責任があることを指摘できる唯一の者であろう。男性のパートナーは、自分がいなければ
妊娠しなかったし、自分が見捨てるべきではない妊婦に対してだけ、義務を負うのではない一彼は、結局は自分のもの
である子供に対しても、同様に義務を負うのである。
刑法の有効性への疑問
抑止
H
N
としての
)H
一般予防
H
H
特
別予防
u
(即ち、現実の犯罪者の
H
社
会
の点で、特別の予防的効果がないことは、
犯罪化の傾向を助長していることは、 テ レ ビ の 特 別 番 組 が 大 々 的 に 示 す と こ ろ で あ る 。 妊 娠 中 絶 を 規 制 す る 制 限 的 な 基
る。規制のための慎重で、厳格すぎるとも思われた試みが、特定の国々ではむしろ、規制の強化ではなく、遡及的に非
る)と、有罪判決の少なさとの聞に大きなギャップがあることは、実際のところ、制限的な規制を伴う制度の特徴であ
国際的経験並ぴに圏内的経験から明らかである。現実に行われた妊娠中絶の数(未確認であるが非常に高いと推定され
復帰化がと保安化)及び(潜在的な犯人の
現代社会において、妊娠中絶に厳格な法的制裁を加えて威嚇してみても、
も 妊 娠 中 絶 の 数 が 多 い と 、 単 純 に 想 定 す る こ と は で き な い 。 他 方 で は 、 あ る 国 が dglE巾ョの規定を有するから、
(時)
dgt 門町223の 規 定 を 有 す る 国 よ り も 妊 娠 中 絶 の 割 合 が 低 い と い う こ と も 、 証 明 さ れ 得 な い の で あ る 。
方 で は 、 我 々 の 研 究 が 時 々 誤 解 さ れ て い る よ う に 、 ザ ﹃ 。 円Z223の 規 定 を 有 す る 国 は ぜ21宮市ョの規定を有する国より
階では、規制モデルと妊娠中絶の頻度との関連性に係わる重要な政策問題について、確実に答えることはできない。
す る 経 験 的 デ l タは、 そ の 訴 追 と 処 罰 に 関 す る デ ! タ と 同 様 に 、 概 し て 非 常 に 乏 し く 、 国 に よ っ て か な り 異 な る 。 現 段
(げ)
妊娠中絶を防止する主たる責任を刑法に期待している者は、失望する覚悟が必要である。妊娠中絶の頻度と理由に関
1
1
i
寅
講
北法4
4
(
6・3
5
2
)1
7
6
4
ドイツにおける妊娠中絶法の改革
準に実効性が欠けるのは、厳格な法律と、 よ り 自 由 な 社 会 の 態 度 と の 相 違 に 関 連 し て い る 場 合 も あ ろ う 。 決 定 的 な 要 因
μ
の原則を委任された訴追主体は、困難
は、妊娠中絶行為に対する態度である。通常、この犯罪には、告訴の適格がある被害者が存在せず、中絶行為が密室で
犯され、全ての関与者が、皆、中絶行為の隠ぺいに熱心であるため刀法と秩序
(問)
な 状 況 に お か れ て い る 。 余 病 の た め 手 術 後 の 治 療 が 必 要 と な り 、 妊 娠 中 絶 が 世 間 に 知 ら れ て し ま う こ と は 、 ほとんどな
いのである。
それ故、法的規制の違いとは別に、ある国では他の国より妊娠中絶が多いことには、他の理由があるはずである。
μ
リ向日
ト品 h
に至らなければならない。そこでは相談が極めて重要な役割を果たすであろう。例えば、他の基準が考えられる
例えばオランダでは、女性は、医師と相談した少なくとも六日後に妊娠中絶を許されるが、その聞に女性はか慎重な
決定
としても、 オ ラ ン ダ に お け る 妊 娠 中 絶 の 数 が 他 の 諸 国 よ り も 少 な い の で あ れ ば 、 こ の 違 い の 理 由 は 、 おそらく、
由なオランダの妊娠中絶規定ではなく、関係諸国の他の副次的な条件に求めなければならないであろう。それは、
良い避妊と予防の助言、ことによると、妊婦へのより多くの給付金と関連しているのかもしれない。
n
裁
旦
一
塁
μ
(初)
の問題ではなく、緊急状態における解決にすぎないとしても、
以上が実情であるならば、我々は、刑法の適用を第一に考えるよりも、妊娠中絶問題に対処するより良い社会的方法
に注意を向けるべきである。たとえ妊娠中絶が
最も可能な態様で全ての関与者の利益にかなう規制を見いだすべきである。
一九九二年六月の新たなドイツ妊娠中絶法
北法4
4
(
6・
3
5
3
)
1
7
6
5
よ
り
前述したように、一九九二年六月二五日、ドイツ連邦議会は、E
U
g
-ロペ又はぜ﹃。与223に一方的に片寄ることなく、
1
2
(幻)(幻)
ともかくも、両者の中間で妊娠中絶法に決着をつけた。対立する極端な草案、即ち、キリスト教民主党の少数グループ
(お)
による非常に限定的なE
U
S
-ロ ベ の 草 案 と 、 旧 東 ド イ ツ 社 会 党 を 継 承 す る グ ル ー プ 、 及 ぴ 、 主 に 東 ド イ ツ に 基 礎 を 持 つ
(M)(
お)(お)
改 革 グ ル ー プ に よ る 二 つ の 極 め て 自 己 決 定 的 な ぜgtnF22zの 草 案 は 無 視 さ れ た 。 そ の 結 果 主 た る 議 会 で の 論 争 は 、 キ
l
P
3の 草 案 と 、 社 会 民 主 党 、 自 由 民 主 党 に よ る 、 二 つ の 多 か れ 少 な か れ
リ ス ト 教 民 主 党 の 多 数 に よ る 穏 健 な ぜ 吋O
z
r
=の要求も認めているためキリスト教民主党のかなりの者にも受
一定のぜ﹃。J
23を 志 向 す る 草 案 に 集 中 し た 。 こ れ ら の 草 案 が 、 い ず れ も 連 邦 議 会 で 十 分 な 多 数 を 獲 得 で き な い 見 通 し と な
ぜ51F
円2
(幻)
った後、社会民主党と自由民主党は、
(お)
(
m
)
妊婦及び家族援助法
H
u
の全規定を示す十分な余地はない。なぜなら同法は、妊娠中絶の
け入れられる草案で同意した。その結果、この草案は、賛成三五五一反対二八三一保留一六の予期しなかった明白な多
数票を獲得した。
ここでは、非常に包括的な
みならず、 む し ろ 家 族 計 画 と 避 妊 に 関 す る 多 様 な 問 題 を 主 に 扱 っ て い る か ら で あ る 。 そ こ で 、 妊 娠 初 期 三 か 月 内 の 中 絶
の許容性に関連し、多くの諸国と同様、特に議論されてきた刑罰規定のみを紹介したい。妊娠中絶の一般的禁止を規定
す る ド イ ツ 刑 法 二 一 八 条 の 後 で 、 一 二 八 条 a 一項は、 その免除を設けた一
H
妊
娠中絶が違法でないのは、
1. 妊 婦 が 妊 娠 中 絶 を 要 求 し 、 か っ 、 ( 特 定 の ) 証 明 書 に よ っ て 、 手 術 の 少 な く と も 三 日 前 に 、 彼 女 が (自己
この規定の背後にある理由を要約すれば、次のとおりである一
ou
の緊急状況あるいは葛藤状況に関して)相談を受けたことを証明し、
2. 妊 娠 中 絶 が 医 者 に よ っ て 行 わ れ 、
か
3. 受 胎 後 二 一 週 を 越 え る 期 間 が 経 過 し て い な い 場 合 で あ る
て
コ
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講
北法4
4
(
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3
5
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)
1
7
6
6
山生命に対する憲法上の権利は、胎児の生命に対しても保証されるべきであるから、妊娠中絶は、単なる一面的な自己
決定行為ではあり得ず、利益の衡量が必要である。
社会的相談
H
H
を受ける義務がある。
凶女性は、相当な助言及び財政的援助を含む相当な援助を受けたならば、防止し得たと思われる妊娠中絶を避けるため、
妊娠中絶の決定前に一穫の
任行為として、究極的には尊重されるべきである(そして、単なる一面的な自己決定行為とは見なされない)。
)H
葛藤を志向する対話モデル
U
に非常に近い。にもかかわらず、
同 女 性 に 対 す る 援 助 は 、 刑 罰 に よ る 威 嚇 よ り も 効 果 的 だ と 思 わ れ る の で 、 新 法 は 、 女 性 が ぜgEmョ の 選 択 を す る こ と
を促進しうるいくつかの社会的手段を規定している。
容 易 に 分 か る よ う に 、 こ の 規 定 は (上記7 で 述 べ た
31nF223的 な 方 向
よ り 制 限 的 な ぜ2123
巾 の草案の採決に失敗したキリスト教民主党の多数は、この規定を非常にぜ
暫定的命令“によって一時停止させ
H
にあるととらえた。そこで同党の訴えの資格を有する一派は、 キ リ ス ト 教 社 会 同 盟 が 指 揮 す る バ イ エ ル ン 州 と 共 に 、 連
邦憲法裁判所に正式の訴えを提起して新法の違憲性を主張した。
一九九三年五月の憲法判断
(初)(剖)
連邦憲法裁判所が新法の合憲性を適正に審査する前に、その刑罰規定の執行を
1
3
違法でない
ρ
d
と 宣 言 し た 前 述 の 一 二 八 条 a 一項に対する非難にもかかわらず、新法が支持される期待は、 な お 存 在
たことは、驚きではなかった。更なる非難、特に、妊娠の初期二一週以内に相談を受けた後になされた医療的妊娠中絶
を
北法4
4
(
6・3
5
5
)1
7
6
7
ωしかし、もしも彼女が妊娠中絶を決意すれば、その決定は、胎児の生命に対して正当な敬意を払った意識的な自己責
ドイツにおける妊娠中絶法の改革
(幻)(お)
した。しかし一九九三年五月二八日に裁判所の判断が言い渡された時、 ど ち ら の 側 も 明 ら か に 勝 訴 し た の で は な い こ と
g J川 川 ヨ ﹃44d 〆
'・ 0
・
‘
4
H吋恥市 1聞凶ソl レ サ 人
﹄の判決の主たる主張は、以下のように要約され得る
川 非 常 に 議 論 の あ っ た 一 二 八 条 a 一項は、 そ の 実 体 的 な 要 件 は 支 持 さ れ た も の の 、 法 的 な 帰 結 は 支 持 さ れ な か っ た 。 女
性が緊急状況又は葛藤に関して義務的な相談を受けた後、妊娠初期二一週以内になされた医療的妊娠中絶は非犯罪化さ
H
と宣言する
u と考えられている。
n
違法ではない
違法
H
(それは、二一八条 a 一 項 が 、 同 条 所 定 の 妊 娠 中 絶 を
れるが、処罰されないという意味で非犯罪化されるだけである一それはしかし、なお
ω妊 娠 中 絶 を 完 全 に 適 法 化 す る こ と
一つの帰結は、 し か し な が ら 既 に 判 決 に よ っ て 述 べ ら れ た 一 妊 娠 中 絶 は 、 な お 違 法 と 考 え ら れ て い る た め 、 判 決
ことで達成しようとした目的であった) な く 非 犯 罪 化 す れ ば 、 明 確 か つ 公 平 に 決 定 し が た い 帰 結 が 広 範 囲 に 生 じ る で あ
ろ
、
っ
。
H
妊娠中絶に関与する医者及び病院との契約を無効とすることが考えられるべきであ
は、この種の妊娠中絶に対する社会保障計画を無効とした。
山川更なる帰結としては、ぷ温法な
ろ う 。 し か し 判 決 の 多 数 意 見 は 、 その判断を差し控えた。
凶他方で判決は、医者には、妊娠中絶に必要な法的要件の充足を確認する責任があることを強調した。
μ
H
奨
励
μ
の準備をさせ、 ひ い て は 、 女 性 の 自 己 責 任 、 並 び に 、 出 生 前 の 生 命 の 高 い 価 値 を 認 め る こ と
H
間判決は、妊婦に対する相談の目的と方法について特に強調している。一二九条の新たな相談規定の目的は、妊婦に 責
任ある良心的な自己決定
にある。しかし判決は、この規定を不十分だと考え、憲法は女性に対して妊娠を出産まで継続することを
し
いると判示した。更に判決は、この重要な相談の任務が責任をもって遂行されるためには、相談は、特に-認可された相
談者によってのみ行われ、 か っ 、 規 則 的 で 公 的 な 監 督 に 服 す べ き だ と 判 示 し た 。
て
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簿
北法4
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5
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)
1
7
6
8
ドイツにおける妊娠中絶法の改革
タ イ プ で 打 た れ た 二 O O頁 以 上 の こ の 憲 法 判 断 に は 、 確 か に 、 コ メ ン ト あ る い は 批 判 に 値 す る 多 く の 点 が 含 ま れ て
(泌)(お)
いる。しかし、その判断に一貫性が無いことは、以下の論評で十分要約できるであろう一一方で判決が、相談モデルは
法的に承認しない
N
H
と述べることで、
一貫性の無
l
-同べないし dglnF223 モ デ ル の 改 善 で あ ろ う と 認 め る 点 は 、 注 目 に 値 す る 前 進 で あ る 。 他 方 で こ の 判
一面的なぜ﹃O
決は、全ての相談の要件を完全に充たして行われた妊娠中絶ですら
さを露呈している。そして、 お そ ら く 更 に 悪 い こ と に 、 こ の 判 決 は 女 性 の 責 任 の 基 礎 を 崩 す 点 で 社 会 福 祉 に 逆 行 す る こ
とも示しているのである。
しかし幸いにも、連邦憲法裁判所の裁定は最後の命令ではない。ドイツ議会は、再び、妊娠中絶に関する新たな刑法
を可決すべく努力しなければならない。この作業は、憲法裁判所によって宣告された非常な制約の下では容易でないで
あ ろ う 。 連 邦 憲 法 裁 判 所 の 暫 定 的 な 命 令 が 、 いつ、あるいは、 ど の よ う に し て 新 法 に よ っ て 具 体 化 さ れ る の か は 、 当 分
の間誰にも分からないのである。
NEmNH
∞合ム匂(官官
-ESt-印コ)・連邦ドイツ法について、より詳しくは
(1) 一 一 つ の ド イ ツ の 妊 娠 中 絶 法 の 、 よ り 詳 細 な 比 較 に つ い て は 己 h P R 5﹀ ωnFEZ¥ 国-PF﹃邑巾ア宍ogggg﹃ NEB
EE- ︿ O﹃σ巾
∞門﹃白﹃岡市認定吉門戸立与包・玄ロヨ円F
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(#失話回で)丘、山町白鳥 R 河市営﹃ヨ O四
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時
い
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日
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(3) 新たな妊娠中絶法、及び、その部分的な無効に関して、より詳しくは以下のロ、日節を参照。
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号 ﹄ ア に よ っ て 発 表 さ れ た 、 ∞n
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(4) 与・同号、¥同 C-R
巾
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巾初白﹃富市ロ F巾任口問巴口問巾ロ l開ヨ℃弓回目門町市の﹃ロロ色色白押巾ロ・勺出﹃円同一開 E﹁O匂MY∞担且巾ロー∞白色角川口同匂∞∞司苛白﹃門 N一﹀ロ岳巾﹁巾巴同, C
市
戸 E口問内ロ∞ CNSm
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古
FEE∞。・外国法に関する以下の参考文献は、この編集された研究にもとづくものである。最初の比較法的考察について川
は
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古
田 FBE丹市﹃口忠5ロ包めロ︿巾﹁也市同門戸 5 ・N2Z円
え 図 。 。 回 同R
r 河町内Z EロB 2・白出回込町的 ω円﹃項目口町内﹃印円FMWP印
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-HCムωlHOY
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25Zロ ロ2g喜一回口門戸叶号百四
目印宮﹃凹呂 O島
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5S・
3 ・NHl話・最近の妊娠中絶に係る法と実務の国際的状況に関する、他の見解としては、河-nSF ﹀FOESF5自己
旬
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zmロ四巾印即ロ品。司旬。ュzE門戸市少百一︼=庁内﹁ロm
o問可除。σ22ユ円印 Hmv∞myωZu--ω-U同︼・。]戸∞叶一-凶-R
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(5) 統 一 条 約 ( 一 九 九O 年八月一一一一日の統一条約、EEg常 招 反 豆 島 “ ∞ の ∞ 戸 国 匂 ∞ ∞ 匂 ) 九 条 二 項 、 及 び 、 付 録E 、B 、田章、
c 、I 、 恥40
(6) このモデルを説明するために、ノルウェー凶とベルギー倒の法律の関連規定を引用するい
一条社会は、全ての子供のために、安全な幼児期にとって必要な事項を、できる限り保証しなければならない。こ
凶妊娠中絶に関連する、一九七五年六月二一一日のノルウェー法の一、二節(抜粋)一
の作業の一貫として、社会は全ての人々に、道徳的な支援、生活事実の説明、共同生活の疑問に関する知識を与えな
ければならず、かっ、妊娠中絶の数をできるだけ低く抑えれるように、これらの問題に対する責任ある態度を育成す
るための家族計画を提供する。
二条妊娠が女性に重大な困難をもたらすのであれば、女性には、社会が彼女に提供しうる援助についての情報と助
言が与えられなければならない。女性は、この助言に対して、最終的には自分で態度決定できる権利を有する。
聞もしも女性が、五条二項一文に従った助言並ぴに前述した情報等を与えられた後に、なお妊娠を継続しえないと考
えるならば、手術が妊娠一二週以前に行われ、かっ、大きな医療上の難点が存在しない限り、彼女は最終的に妊娠中
絶に関して自ら決定を下す。
倒一九九O年 四 月 三 日 の 法 典 に お け る ベ ル ギ ー 刑 法 三 五O条(抜粋)一
山(原則として妊婦は可罰的である)
4
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北法4
ドイツにおける妊娠中絶法の改革
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装
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況
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り
ou
μ
かっ、医者に妊娠中絶を求め、 しかもこの手術が以下の条
決定の可能性は、特にノルウェーで強調されている。フランスでは、相談は、妊婦に妊娠中絶
相談制度をまだ設けていない改正法も、なお存在する。
自らが責任を負うべき
)H
が避けられないのか考え直させることを目的としている。ルクセンブルクにおける表現つ妊娠中絶に関する全ての問題を
に考え、意識した後に、自己の自由意思で行動することを決定
H)
は似ている。イタリアの規定は、逆に、妊婦に妊娠を継
完全に知った上で決定が十分検討されたしと、オランダにおける表現つ女性が、胎児の生命に対する自己の責任を十分
続する旨説得することを、より明確に意図している。
H∞ω件
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(ロ)匂志向N言 "RR∞円﹃垣吉岡巾﹃印円EPZ口弘∞円﹃者向山口問巾﹃凹円宮常的白寸寸﹁ロ円F05 月♀-m島市国﹁巾同2EqZ口
明N
2号﹁開門戸仲田口rEE
(
日
(叩)スウェーデン(期限モデル)とイングランド(適応モデル)におけるように。他方、ポルトガルやスペインのように、
円
∞
ロ2gnFEEl何百円同﹃5 2垣
された。
内
問
・ 5E3ω ヂ主による説明とともに提出H
(
8
) ドイツにおいて規定されている。
(
9
) 即ち、フランス、イタリア(対話モデル)と同様、オーストリア、旧ドイツ民主共和国(期限モデル)において。
∞
(
7
) 実 際 に は こ の 種 の モ デ ル は 、 最 初 、 ド イ ツ 議 会 の 議 長EEEa苦ミFEMEM包富山ggE三冊目ロg の22NgNEEWEC号
d﹁
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巾
口
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- によって、'同 白書怠hp- FZR 品巾印ロロ四巾σ。﹃巾口市ロ戸市F巾ロ印回同国岡市巾EZロ
Ht
悶︿白ロ岡市ご印円﹃巾﹀}内白色自己巾↓ロ門N
司 H
われない
決定の理解、及び、妊婦が医者に妊娠中絶手術を求める前提としての緊急状況は、本項の条件が遵守される限り、疑
ヮ“:::・
行、
σ
σ
岡
丘
町
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巾
﹃
同
吋BEE-NEE-'F2t 5 2 3-N5p3N3ge我々の犯罪学研究グループによって収集された田
、
同国ロ昔話 σ2﹃
日
間
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そ の 他 の 経 験 的 デ ー タ は 、 ミE
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g・3-NHEの中に見
図工¥
忌σ﹃巴円言明石5E回日開包口市的巾目立﹃岡田喜gm,C﹃印円FEロ岡田刀﹃ O﹄巾EPR ﹀5-SEE-内ロロ円四N2円崎市凹門ESF
いだせるであろう。
違反は、重大ではないと考えられている。
d
を与えられ
(日)一九八三年のトルコの人口計画法は、妊婦が結婚している場合には妊娠中絶に対する夫の同意を要求している。しかし
H
理
由があると息われるならば:::自分の意見を述べる機会
な け れ ば な ら な い 。 一 九 八O年 五 月 二 二 日 、 ヨ ー ロ ッ パ 人 権 委 員 会 は 、 夫 及 ぴ 父 親 に な り 得 る 者 が 、 自 己 の 私 生 活 及 び 家
(
H
) フィンランドでも、予想される子供の父親は、
一切口円。匂釦昨日口町めのE口弘同・2Z?N2Z円F2PHmw∞﹁℃℃-NO回目)。
族生活を尊重される権利には、妻が望んでいる妊娠中絶について聴聞を受ける権利は含まれない、と決定した(EZ口事件
イツ社会民主党)は、よりリベラルなので、社会的手段による改善を望んでいる。
(
日)CDU(キリスト教民主同盟)は、妊娠中絶の問題に関して、かなり制限的で保守的な見解を主張する。他方、 SPD(ド
(日)切・旬。﹄NE号、(上記(臼)を見よ)-3目白。目的・
(げ)ドイツに関する研究は、我々マックス・ブランク研究所の犯罪学研究グループによって行われた一同・亡霊-
閉
山
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丹
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p
h吋¥ C R S認可¥問要3h吉弘(巾品目・)-
. ド﹃・、之宮司令PF∞円﹃Md司恒国間mZ円﹃回目凶﹃円凹白σσ﹃ロ円Flm自ヨュ印nF巾 C口
門田巾凶﹃巾向。﹃BF巾﹃門司ロmNH∞∞円。∞.司25=﹃間同市wmW0.また h
仲
巾
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印
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口
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冊
目
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巴
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問自立巾自巾ロ門出巴。=仏巾﹁的門司由同﹃巾円宮-EFSF四=zmEロ向島冊目∞円Fd司即巴岡市﹃凹内町民門的白σσ﹃Ez--口一み・
E)
N耳2ZMPMESE-uc-ロ回目円四回巾的問。--oagzguσ巾﹁∞可え﹃巾円﹃円ロロ己穴﹁FEED-。四一タ回同己27回白色2MH匂∞mp同)唱-H匂印1NNN(NOm印 ・
(時)詳細については衰2を参照。
(叩)出産可能な年齢の全ての女性を、定期的に保健当局が調査することは、妊娠中絶を一貫して予防することに役立つ│こ
3
れは実際、ルーマニアでは時々計画された│。しかしこの規制は、これほどドラスティックではないが、これに相当する
自由主義諸国での規制手段と同様に、望ましくもないし実行可能でもない。
23﹃﹃巾円F?戸口一N2znF﹃HPE﹃河内円宮田旬。-ErNKH(HmwmwH)噌目当-NmEHtN@∞-又、発表されたものとしてはみ・閃た司¥向。・同REF
(却)私自身の法的│政治的見解に関しては、門戸、A-PEPF耳目岡市ZngpgzznE25FSのEE42ュ。コ自片岡市﹃出口同=ロヰ
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N
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)。女性の裁判官を含む五人が多数意見を構成し
早
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ω 回目本論文の翻訳として、上田健二・浅田和茂(訳)、試験台に立つ新妊娠中絶刑法、同志社法学二二七号(
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- 匂N
四巻一二号)一一一一頁以下も参照。
-PRHRZ
た。一人の裁判官は部分的に同意し、二人は同意しなかった。全体の判断、即ち、多数意見並びに反対意見は、一九九三
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(泊)一九九三年五月二八日の連邦憲法裁判所の判決3 5島
内
回
開
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2N巾
年六月六日の吉コ2
FEZ-ωSP35官官で発表された。
(泊)憲法訴訟に関与していた弁護士と専門家による、憲法裁判所判決に対する最初の反応は、
5qEEF﹃
命
的N
2仲良﹃﹃広三島﹃の市田市門N E Z E品目山市内Z252nzp の同¥ES の特別版で発表されている。
岡
されている。
(お)より詳しくは上記7 と9 で記述市
北法4
4
(
6・
3
6
2
)
1
7
7
4
ドイツにおける妊娠中絶法の改革
表妊娠中絶の規制に関する基本モデル
(
E
)
(
A
)
(
8
)
(
C
)
(
D
)
完全な
第三者の評価に基づく
自己決定に基づく
禁止の
禁止
禁止/許容モデル
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中間のコース
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デンマーク
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(
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(
19
9
2年まで)
フィンランド
フランス
ドイツ連邦共和国
ドイツ (
1
9
9
3
年以来)
ギリシャ
スウェーデン
ソ逮
(
1
9
9
2年まで)
ハンガリー
ポルトガル
イタリア
ルクセンプルク(ワ)
ユーゴスラピア
ルーマニア
ノyレウェー
チュニジア
イスラエル
アメリカ合衆国
トルコ
スペイン
スイス(ワ)
メキシコ(?)
アルゼンチン
プラジル
コスタリカ
エクアドル
ベルー
ウルグアイ(ワ)
アルジエリア
ガーナ(?)
ヨルダン
クウエート
レノてノン
リビア
モロッコ
オーマン
カタール
ザンピア
レ
セネガ J
南 77リカ
南ナイジエリア
スーダン
シリア
オーストラリア
台湾
インド
北法44(6・
363)1775
講 演
表 2:法的規制モデルとの関連での妊娠中絶発生率
妊娠中絶の実数値 (FN)又は
国/年
最小値 (MN)
非常に制限的
*
1
9
8
5
)
ベルギー (
アイルランド(19
8
7
)
15.900(MN)
3.700(MN)
スペイン(19
8
7
)
63.900(FN)
やや制限的
ドイツ連邦共和国(19
8
7
)
イギリス/ウエールズ(19
8
7
)
フィンランド(19
8
7
)
>5.9
5
)
(
1
2,
**
2
)
(
2
3,
175.000(FN)
1
5
6
.
2
0
0(FN)
1
3
.
0
0
0
(FN)
15.500(MN)
スイス
13.500(FN)
84.500(FN)
ハンガリー
*
ブルガリア(19
8
7
)
フランス(19
8
7
)
イタリア(19
8
7
)
オランダ(19
8
6
)
ノルウェー(19
8
7
)
ポーランド (
1
9
8
7
)
>12,
2
**
イスラエル (
1
9
8
7
)
かなり許容的
妊娠中絶発生率
(パーセンテージ)
6
1
8,
1
8
.
0
>13.5
(
1
5
)
*
*
2
4
0,
119.000(FN)
1
61
.000(MN)
5
0,
7
>17.3
>25,
7
1
91
.5
0
0(MN)
18.300(FN)
1
5.
400(FN)
122.600(MN)
9.0
2
2
2,
>16,
8
許容的
156.000(FN)
20.800(FN)
96.200(FN)
42.2
2
7,
0
2
9,
7
スゥエーデン(19
8
7
)
3
5
8
.
3
0
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(FN)
34.700(FN)
4
8,
8
9
2
4,
トルコ(19
8
7
)
5
31
.400(FN)
2
6
1
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7
)
チェコスロパキア (
デンマーク(19
8
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8
4
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1
9
8
4
)
* その聞に法律が変更された。
*
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6
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ドイツにおける妊娠中絶法の改革
[訳者あとがき]
本稿は、 フライブルク大学教授、
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マ yク ス ・ ブ ラ ン ク 外 国 刑 法 ・ 国 際 刑 法 研 究 所 所 長 の ア ル ピ ン ・ エ l ザl博 士
(
3・0同市目的。﹃ロ﹃・ 0﹃-F・ 円 ﹀FEZ 回以山E F 富。・﹄)が、 一 九 九 三 年 九 月 九 日 、 北 海 道 大 学 法 学 部 で な さ れ た 講 演
Egg-g自宮ZZ232宮22巾ョの翻訳である。
円、回耳目耐えミ呂田ロの巾﹃呂田口︼二ロ百円巾﹁
本講演で触れられている﹁妊婦及び家族援助法﹂による改正後のドイツ刑法については、上田健二・浅田和茂訳、
[ドイツ堕胎]刑法規定の対照表(抄訳)、同志社法学二二七号(四四巻三号)一六二頁以下を参照されたい。また、一
カール・フリードリッヒ、 ドイツ連邦憲法裁判所の第二次
九九三年五月二八日のドイツ連邦憲法裁判所判決については、堀内捷三、人工中絶・揺れ動くドイツの堕胎罪、法学セ
ミナ l四六四号(一九九三年八月号)二二頁以下、 レンツ
妊娠中絶判決について、ジュリスト一 O 三四号(一九九三年十一月十五日号)六人頁以下、及び、上田健二、ドイツ連
邦憲法裁判所新妊娠中絶刑法違憲判決の理論的分析、ジュリスト同号七三頁以下を参照されたい。
北法4
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6・3
6
5
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