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自治体における仮想化 - 株式会社日立システムズ

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自治体における仮想化 - 株式会社日立システムズ
自治体向け情報提供誌
contents
AD229-01
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◆
■ view
自治体における仮想化
■ Product Introduction
仮想化ソリューション「VMware ® 」
■ 寄稿
「地方自治体における行政情報システム再構築・最適化に向けて」
■ e-ADWORLD な街
沖縄県北谷町 様
自治体における仮想化
昨今、情報技術を扱う業界において「仮想化」とい
うキーワードが大きな注目を集めています。一言で説明
するならば「1つのコンピュータ上で複数のOSを稼働さ
せる」技術のことを指し、増え続けるコンピュータ・リ
ソースを整理すると共に、様々なITコストの削減に役立
つとされています。実際、北米企業ではIT部門の実に
65%が仮想化技術の導入を検討しており、国内において
も約60%の企業が導入、または検討しているという調査
結果があります(図-1参照)。
今回は、仮想化技術およびその活用方法に注目し、自
治体における仮想化導入の動きなどをご紹介いたします。
図-1.国内企業の仮想化意識調査
検討中:37.1% 導入済:15.9%
その他:40.9%
半年以内に導入予定:6.1%
※ 出典 ノークリサーチ社(2007年6月)
調査対象:中堅・中小企業システム担当者1140名
自治体における仮想化への取り組み
VMware ®や Microsoft ®VirtualServer に代表される
仮想化製品はコンピュータの基盤ソフトウェア製品で、
業種や業務内容に関係なく導入することができます。特
に仮想化は物理サーバの台数削減に繋がり、省電力や熱
対策という意味で効果を発揮します。「グリーンIT」と
も呼ばれるITシステムの省電力化・熱対策は、京都議定
書の目標達成に不可欠であり、自治体においても積極的
に導入することが求められています。その一ステップと
して、仮想化を検討する自治体が徐々に増えてきていま
す。また、情報漏えい対策が急務である現在、クライア
ント環境の一元管理、セキュリティの向上や職員の作業
を「見える化」できるという意味で仮想化技術を利用す
るケースも増加しています。
「ハードウェアの省電力化」は、その名の通りハード
ウェアベンダが省電力プロセッサ等の開発を進めること
で消費電力削減を図ることを指し、「仮想化」は、サー
バの台数を削減することで省電力化を図る方法です。ベ
ンダ主導となりがちな前者に対し、仮想化はユーザ主導
で実施できるため、すぐにでも始められるグリーンIT実
践策として話題になっているのです。
セキュリティ向上策としての仮想化
近年、コンピュータに端を発する情報漏えいの問題が
後を絶ちません。企業や自治体では情報漏えいへの具体
的対策として、USBフラッシュメモリの使用禁止やノー
トパソコンの社外持ち出し禁止などを実施していますが、
このような対策は職員のセキュリティ意識に依存する部
分が多く、システム管理者の目が届かない部分について
は充分な監視ができていない状況です。
個人情報漏えいへの対応策として、政府は平成16年4
月に個人データの漏えい、滅失または毀損の防止を義務
付けた個人情報保護法を施行しました。さらに、平成16
年12月にはNISC(内閣官房情報セキュリティセンタ)よ
り「情報セキュリティ対策のための統一基準」も公開さ
れ、個人情報の取り扱いに関して、明確な対策を講じる
ことを求められる時代がやってきたと言えます。
これら情報漏えい対策の一手段として、近年注目され
ている方式が「シンクライアント」です。情報漏えいの
原因としてはその48.2%が「紛失・置き忘れ」「盗難」
によって発生していることがわかります(図-2参照)。
「シンクライアント」は、個人情報などのデータをサー
バ側に配置して、ユーザが自分の端末にデータを保存で
きないようにします。そのため、紛失や置き忘れ、盗難
の際の情報漏えいを防止でき、セキュリティの向上に繋
がるのです。
図-2.情報漏えいの発生要因
地球温暖化対策としての仮想化
省電力化や熱対策というと、一般的にはデータセンタ
などの大規模環境にフォーカスが当てられます。しかし
グリーンITの目指している方向はそれだけではなく、オ
フィス環境の省電力化も大きなテーマとなっています。
グリーンIT実践に向けて期待されている技術が「ハー
ドウェアの省電力化」と「仮想化」です。
e-ADWORLD News 229-01
P1
注目を集める「仮想PC型シンクライアント化」
シンクライアント方式には、その仕組みから「画面転
送型」「ブレードPC型」「仮想PC型」に分類されます。
1.画面転送型
一般的にアプリケーション共有型と呼ばれている方式
を指し、複数のシンクライアントがサーバの資源を共有
する「1対多」の形式を取ります。アプリケーションが
サーバに全て存在するため、メンテナンス作業が容易に
なる一方、システム障害時の影響範囲がユーザ全体に及
ぶ可能性もあります。
2.ブレードPC型
ブレードPC方式は、「ブレードPC」と呼ばれる板状の
サーバを「ブレードサーバ」と呼ばれる筐体に詰め込む
ことで、物理的な集約を図る方式です。各ユーザがそれ
ぞれ独立した環境を持つため、障害が発生した場合の影
響範囲は小さい反面、ユーザ数に比例して導入・運用コ
ストが飛躍的に増加してしまうという問題があります。
3.仮想PC型 :近年最も注目を集めている方式
専用のソフトウェアを利用してサーバ上に仮想的に複
数の環境を構築し、その上で操作をする形式です。複数
の環境を構築し、ユーザは各々の環境を利用するため、
物理的には「1対多」のように見えますが、実際はシン
クライアントと仮想PCが「1対1」で接続されています。
近年最も注目を集めているのが「仮想PC型」のシンク
ライアントです。その理由の一つとして、画面転送型と
ブレードPC型のデメリットを解決した方式であることが
挙げられます。また、仮想PC型のデメリットだった「集
約による性能劣化」が、近年のサーバの高性能化に伴い
大きな問題ではなくなっていることも導入を後押しして
います。この方式で、個人情報漏えい防止の強化を目的
に、70台のPC環境を集約した自治体の事例もあります。
(当社事例)
当社の取り組み
日立情報では、自治体を含め様々な業種で仮想化環境
の導入を推進しており、仮想化ソフトウェアである
「VMware ®」を中核とした各種ソリューションをご用意
しております。また、仮想化技術に関しては専任技術者
を多数擁し、導入から本番運用、その後の運用後検証に
至るまでお客様に高品質なサービスを提供しております。
p
◆
Product Introduction
「VMware ® 」を利用した日立情報のソリューション
サーバ統合
既存サーバを集約し、サーバ台数及
び運用コストを削減
旧システムの
延命
旧OS(Windows NT4.0等)上のシステ
ムを最新ハードウェア上で継続利用
クライアント
統合
クライアント環境をサーバに集約し、
データやアプリケーションの一元管
理と情報漏洩防止を実現
*日立情報はVMware認定コンサルティングパートナー(VAC)です。
e-ADWORLD News 229-01
寄稿:第1回(全2回)
「地方自治体における行政情報システム
再構築・最適化に向けて」
~行政情報システム再構築に向けた取組み~
(株)流通戦略総合研究所 代表取締役 岡積 正夫氏
全国の地方自治体において情報システム構築と運用は、
情報利用拡大に伴い様々な形で取り組まれてきた。人口
規模5万人から20万人未満の自治体においては、おお
むね以下のような形式で今日に至っている。
① 従来の汎用機を利用した基幹システム(住民情報
系・税系)を形式的オープンシステムに置き換え、
原課(ユーザ部門)が必要とする個別システム(福
祉系、土木建設系、教育系、内部情報系など)は原
課の予算で個別調達を行い、2つのシステムを併用
して自治体職員により運用をしているケース。
② ①と同形式であるが、運用を外部に委託している
ケース。
③ 地域計算(電算)センタ、広域連合計算(電算)セ
ンタなど、その地域に根差した民間の電算センタの
システムを共同利用し、運用、帳票出力に至るまで
委託しているケース。
④ 初期(平成14年以前)のオープンシステムで構築
されたパッケージに、新たな法制度改正に伴うシス
テム、構築後新分野として構築が必要となった住民
サービスや内部情報系システムをつなぎあわせて利
用しているケース。
⑤ 最新の行政統合パッケージを利用してすべてのシス
テムを再構築するケース。
④、⑤については運用を自庁内で行うケースと外部へ委
託するケースがある。
①~④の問題点
このうち①~③については、
●情報システム部門側が基本帳票類を出力し、原課の要
求に応じて改修、トラブル対応、その他サービスを行
うという従来の汎用機利用型組織体制で運営されてい
る。一見、原課は、システム部門が何でもやってくれ
るような錯覚に陥るが、現実的には不足する機能を原
課側でカバーしなければならない。
●システムの連携性についても不十分であり、データの
再入力、加工、データの非正規な補完・管理など不要
な業務が増加することになっている。
●セキュリティ面においても様々な脅威にさらされてい
る。
●新たに必要となったシステムは、自部門で予算獲得・
調達業務を行わなければならず、契約実務も含め雑務
が増えて効率の良い情報化が阻害され、結果的に人件
費を押し上げることになっている。
●基本的には独自システムのため、法改正時の対応が
非効率な上、予想外にコストがかかる。
④についても、全体システムとしての最適性と各原課と
しての最適性とのバランスが崩れてきており、上記同様
の問題・課題が多かれ少なかれ出てきている。
P2
行財政改革の視点からの制約条件
図-1は、最適化に向けた現状調査分析と最適化計画
策定までの流れを表したものである。最適化計画策定
自治体内情報システム部門自身も問題・課題を解決す
には全庁の再構築に向けた合意形成が必須であり、そ
るためにすべての見直しに着手したいのは山々であるが、
のためには、IT資産、情報投資の把握だけでは不足
人員の削減・情報投資の削減など新たな取組みに対する
で、各原課の持つ問題点・課題・情報処理人件費・個
制約条件が次々に方針として出されており、現状維持と
別調達機器・ソフトをすべて把握する必要がある。こ
改革の間で閉塞状態に陥っているのが現状である。
れをもとにあるべき姿・最適化計画を策定する。
情報システム最適化に向けた新たな取組み(基本方針)
上記の問題を整理し基本方針としてまとめると以下の
ようになる。
・電子自治体への対応を想定し、全庁一体(必要情報が
完全に連携されている)となった統合システムを導入
すること。
・地域情報プラットフォーム対応、総合行政ネットワー
クとの接続が可能であること。
・保守運用費用を見直し、SLA締結による運用補償
範囲が具体化できること。
・法制度改正(大規模改正を除く)に対しては、構築
ベンダの債務として保守運用費用内で行うこと。
・総合的情報セキュリティに関して厳守できる運用体制、
機能を保持している事業者に外部委託をすること。
・行政職職員に運用負担のないやさしく、効率のよい
図-2は、現状システム体系と新システム体系を合
システム設計であること。
成したものである。可視化することによりシステムの
・行政職職員の人事異動時に負担のない引き継ぎを可能
方向性が鮮明になり、より正確な仕様書作成へと進む。
とする最新マニュアルが常備されていること。
・ヘルプデスク設置により、障害・懸案・問題対応が
タイムリーかつ適正に行われること。
・現在よりも情報コストが低下すること。
(5~7年の期間で総額を算出し平均化して単年度金額
として表した場合)
・将来に向けて住民サービスの高度化に柔軟に対応でき
るシステムであること。
最適化構築の全体構想
基本方針をベースに最適な方法を整理すると、⑤で触
れた行政情報統合パッケージの採用とそのシステム運用
の総合的アウトソーシングに行き着く。
最新の行政情報統合パッケージは、全国自治体への従
来のパッケージ導入実績を踏まえ、過去の不足機能を整
理しながら各原課のニーズを組み込み今日に至っている。 図-3は調達に向けた全体スケジュール(例)である。
また年に数回のレベルアップ、最新の技術の取り込みを 調査分析から調達業者選定までの期間が9カ月~1年程
行うことによってその時期に相応した機能を装備してお 度、構築事業者決定から構築までの期間は最短で1年程
り、飛躍的に自治体ユーザの満足度を高めてきている。 度(第1ステップ)が目安となる。
また統合データベース・共通基盤の採用により、情報と
全庁共通項目の一元管理を実現し、原課個別システムと
の連携もスムーズになって様々な面で業務効率化に寄与
できるようになってきた。
コスト面でも、従来の単年度主義はコスト低減は難し
い面はあるが、債務負担行為による複数年度処理で運用
コストも含め経費を再配分することにより、全体コスト
を低下させることが可能となってきた。
ここでの重要なポイントは、従来のオーダーメード的
システム構築概念の払拭にある。ややもすると原課の要
求に引きずられ手厚いカスタマイズを余儀なくされるが、
これはコスト増加、導入後の法制度改正時、更なる改修
増・複雑化につながり、新たな問題を発生させることに
なる。当然コスト増加につながる。業務をシステムに合
わせるということは、業務の標準化につながり自動的に
業務効率化を達成することにもなる。
次回は、運用とSLAについて詳述する。
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e e-ADWORLDな街
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沖縄県北谷町 様
行ってみたいまち「ちゃたん」
北谷町は那覇市から北へ約16kmの沖縄本島中部に
位置し、町の東部から中央部は丘陵地、西部は平坦で、
国道58号が南北に通過しています。亜熱帯性気候のた
め四季を通じて温暖で、年平均気温は約22℃、湿度は
75%前後です。
自立、交流、共生
住民とともに創造する「ニライの都市」
太古の昔、北谷町の祖先は豊かな幸を恵む大洋の彼
方に思いを馳せ「理想郷」を思い描きました。彼らは
それを「ニライ」と呼びました。海の彼方のニライへ
の思いは、遠く世界への飛躍をもたらし、諸国との交
近年は、公有水面埋立や返還米軍用地の跡地利用によ
る西海岸一帯の開発意欲が旺盛で、特に進出企業と共同
開発を進めている美浜アメリカンビレッジの進展に伴い
沖縄県内でも”賑わいのあるエリア”として高い評価を
流、交易へとつながっていきました。北谷町は、ニラ
イの都市を「人と自然が調和した創造性豊かな活力あ
る民主的な社会」として定義し、まちづくりの目標と
しています。
受けています。
●町名:沖縄県中頭郡北谷町
●人口:約2万7千人(平成20年1月1日)
●町の成立:昭和55年4月1日
●公式ホームページ http://www.chatan.jp/
(サンセットビーチ)
(北谷町の町花「フィリソシンカ」)
【個人情報保護を目指した仮想化システムの構築】
仮想化システムイメージ図
北谷町様では、平成14年より従来のレガシー型シス
テムより小型化、高機能化を目指して、当社の住民
情報システム「ADWORLD」をご利用いただいています。
今回、システム更新時期に合わせて、従来以上に
ブレードサーバ
(仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure」
個人情報保護強化をはかるべく、仮想化ソフトウェア
【仮想DBサーバ】
「VMware Infrastructure」及びシンクライアント端
【仮想APサーバ】
末「Wyse S10」を採用いただきました。基幹システム
【仮想バッチサーバ】
には大きく手を入れず、各端末に一切システムを持た
せない(シンクライアント化)形態をとることで、
【仮想PC】
個人情報流出の危険を著しく低減するシステムを構築
クライアント端末
(シンクライアント端末「Wyse S10」)
しています。(平成20年1月28日より稼働)
【仮想化を選択した理由】
コストに対して最も導入効果が見込め、かつ無駄の
ない構築を検討され、「データの集中管理の実現」、
「クライアント端末のセキュリティ強化」という点を
重視し、仮想化を採用されました。
【仮想化システムへの期待】
セキュリティ面での強化とともに、サーバを統合す
ることで運用面でのコストダウン及び職員の負担の軽
減を期待されています。
e-ADWORLD News 229-01
http://www.hitachijoho.com/solution/e-adworld/
北谷町 総務部 情報政策課
課長 多和田 滿夫 様(左)
係長 伊波 興勇 様(右)
2008.3.28 発行
発行元;株式会社日立情報システムズ 営業統括本部
〒141-8672 東京都品川区大崎1-2-1 Tel.03-5435-1266 Fax.03-5435-2707
*記載されている内容は、予告無しに変更になる場合があります。ご了承下さい。
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