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癌の骨転移抑制のより有効な効果をもたらすことを目的とし、薬剤の選択
JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (57)【 要 約 】 癌の骨転移抑制のより有効な効果をもたらすことを目的とし、薬剤の選択を重ね、癌の 骨転移の抑制の完全化を達成しするための手段を提供することを課題とする。 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 と 、 破骨細胞前駆細胞から成熟破骨細胞への分化の抑制物質及び/又は骨吸収の阻害剤及び/ 又 は Cox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 す る こ と に よ る 。 こ の 併 用 は が ん の 骨 転 移 の 抑 制 に 極 め て 高 い 有 用 性 が あ る こ と を 見 出 し た 。 さ ら に 、 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 と し て の IL-12産 生 誘 導 剤 と 、 破 骨 細 胞 前 駆 細 胞 か ら 成 熟破骨細胞への分化の抑制物質としてのチロシンキナーゼ阻害剤及び/又は骨吸収の阻害 剤 と し て の ビ ス フ ォ ス フ ォ ネ ー ト 及 び / 又 は RANKL/ RANK受 容 体 の 刺 激 を 阻 害 す る た め に C ox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 す る こ と を 特 徴 と す る が ん の 骨 転 移 の 抑 制 剤 に よ る 。 10 (2) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 【特許請求の範囲】 【請求項1】 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 と 、 破 骨細胞前駆細胞から成熟破骨細胞への分化の抑制物質及び/又は骨吸収の阻害剤及び/又 は Cox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 す る こ と を 特 徴 と す る が ん の 骨 転 移 の 抑 制 剤 。 【請求項2】 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 と し て の IL-12産 生 誘 導 剤 と 、 破 骨 細 胞 前 駆 細 胞 か ら 成 熟 破 骨 細 胞 へ の 分 化 の 抑 制 物 質 と し て の チロシンキナーゼ阻害剤及び/又は骨吸収の阻害剤としてのビスフォスフォネート及び/ 又 は RANKL/ RANK受 容 体 の 刺 激 を 阻 害 す る た め に Cox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 す る こ と を 特 徴 と 10 するがんの骨転移の抑制剤。 【請求項3】 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 と 、 破 骨細胞前駆細胞から成熟破骨細胞への分化の抑制物質及び/又は骨吸収の阻害剤及び/又 は破骨細胞形成抑制因子の産生亢進物質を併用することを特徴とするがんの骨転移の抑制 剤。 【請求項4】 チロシンキナーゼ阻害剤が、以下の少なくとも1の受容体に対する選択的標的作用を有す る請求の範囲第1∼3項のいずれか一に記載のがんの骨転移の抑制剤。 HER2/neu、 HER3、 HER4、 c-kit、 PDGFR、 bcr-abl、 EGFR 20 【請求項5】 IL-12産 生 誘 導 剤 が 、 β 1,3/1,6グ ル カ ン 構 造 を 有 す る 物 質 で あ る 請 求 の 範 囲 第 1 ∼ 4 項 の いずれか一に記載のがんの骨転移の抑制剤。 【請求項6】 請求の範囲第1∼5項のいずれか一に記載のがんの骨転移の抑制剤による、がんの骨転移 の予防治療方法。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、癌治療の新たな領域を提供するものである。すなわち、新規ながんの骨転移 30 の予防治療方法のためのがんの骨転移の抑制剤を提供するものである。 【0002】 本出願は、参照によりここに援用されるところの、日本特許出願特願2004‐011 024号からの優先権を請求する。 【背景技術】 【0003】 骨 は 癌 の 転 移 好 発 臓 器 で あ る 。 骨 に は TGFβ や IGFsな ど の 増 殖 因 子 が 豊 富 に 蓄 え ら れ て いる。これらの増殖因子は破骨細胞が骨を吸収する際に放出され、骨に定着しはじめた癌 細胞の増殖および代謝を保証する。刺激された癌細胞は、破骨細胞あるいは骨芽細胞を活 性化するサイトカイン、増殖因子を産出し、骨破壊性骨転移あるいは造骨性骨転移を成立 40 、増長させる。このように骨転移は癌細胞と骨との共同作業によって成立する病変と捉え ることができる。この関係を断ち切ることが骨転移を効果的に抑制するアプローチとなる ( 非 特 許 文 献 1 ) 。 悪 性 腫 瘍 に 伴 う 骨 障 害 は 2種 類 あ る 。 そ の 1 つ は 癌 細 胞 が 骨 に 直 接 転 移し転移局所の破骨細胞の形成を促進しその増殖と活性化を起こす場合である。もう1つ は 癌 細 胞 が 直 接 骨 に 転 移 し て い な く て も 、 癌 細 胞 か ら 産 生 さ れ る PTH-rP( Parathyroid Ho rmone Related Protein) が 破 骨 細 胞 を 増 殖 お よ び 活 性 化 さ せ る 場 合 で あ る 。 い ず れ の 病 態であっても破骨細胞の形成や増殖、活性化さらには延命によって全身の骨組織を脆弱化 せしめ、その結果として疼痛あるいは骨折を合併するといった骨障害が起こる。骨転移は 激しい痛みを伴うのみならず運動障害をも伴う。また、骨折した場合は更に症状は激烈で ある。さらに骨転移の結果として発症する高カルシウム血症は直接生命を脅かすことも知 50 (3) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 られている。 この骨転移に対する現時点での治療法としては外科手術、放射線治療、抗癌剤、ホルモ ン療法などが挙げられるが、いずれの治療法も一時的あるいは局所的であり、極めて限定 的である。また、多発骨転移を合併した場合は、殆ど無力である。骨転移あるいは骨障害 が多い疾患は多発性骨髄腫、乳癌、前立腺癌、頭頚部癌、肺癌、腎癌、卵巣癌、悪性リン パ腫、胃癌などである。 【0004】 本発明者の医学博士八木田は、先にガン治療における画期的な手法として、インターロ イ キ ン 1 2 ( IL-12) を 生 体 内 で 誘 発 す る 物 質 の 有 用 性 に 着 目 し 、 キ ノ コ 菌 糸 体 加 工 物 が そ の 機 能 を 有 す る こ と を 発 見 し 、 新 免 疫 療 法 ( Novel Immunotherapy for cancer) ( NITC 10 ) と も い う べ き ガ ン 治 療 法 を 確 立 し た 。 従 来 IL-12は 、 抗 ガ ン 効 果 が あ る も の の 生 体 内 に I L-12自 体 を 直 接 投 与 し た 場 合 に は 副 作 用 を 生 じ る た め に 患 者 が 治 療 に 耐 え ら れ な い と い う 事実があり、それ自体を抗ガン剤として使用できなかった。しかし、八木田が報告したキ ノコ菌糸体加工物を含む製剤は、ガンの治療において著しい治癒・延命効果を達成した。 つ ま り 八 木 田 は 、 IL-12を 生 体 内 で 誘 発 で き る 有 効 量 の キ ノ コ 菌 糸 体 加 工 物 を 投 与 す る こ とにより、ガンの治療目的を達成した(特許文献1)。 【0005】 IL-12は 、 TNFα → IFNγ → IL-12→ CTL活 性 と い う ル ー ト で キ ラ ー T 細 胞 の 活 性 化 効 果 と 増 強 効 果 を も つ 。 つ ま り IL-12の 産 生 増 強 は 、 キ ラ ー T 細 胞 の 活 性 化 と 増 強 に よ り 抗 ガ ン 効果が期待される。 20 【0006】 ガンの分子標的治療剤が新タイプの制癌剤として従来の細胞標的治療剤と対比してその 意義が着目されている。そのなかでも特にシグナル伝達阻害作用を有する薬剤としてチロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 は 注 目 さ れ て い る 。 ZD1839( イ レ ッ サ : 登 録 商 標 ア ス ト ラ ゼ ネ カ ) は EGFR( 上 皮 成 長 因 子 受 容 体 ) チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ の ATP結 合 部 位 に お け る ATPと の 競 合 作 用 を有し、チロシンキナーゼの自己リン酸化を抑制することでチロシンキナーゼ活性を抑制 す る 。 そ の 結 果 、 EGFRの も つ 増 殖 、 浸 潤 、 分 化 、 転 移 に 関 連 す る シ グ ナ ル 伝 達 〔 EGFRの 細 胞 外 ド メ イ ン に 上 皮 成 長 因 子 ( EGF) 等 の リ ガ ン ド が 結 合 す る こ と に よ り 、 細 胞 内 ド メ イ ン に あ る EGFRチ ロ シ ン キ ナ ー ゼ が 活 性 化 し 、 EGFRの 自 己 リ ン 酸 化 お よ び 種 々 の 細 胞 内 標 的 たんぱくのリン酸化を引き起こすことにより細胞表面から核への増殖シグナルが伝達され 30 、癌細胞表面から核への増殖シグナルが伝達され、癌細胞の増殖、浸潤、転移、血管新生 を 起 こ す 〕 を 遮 断 す る こ と に よ り 抗 癌 作 用 を 発 現 す る 。 IMC-C225( EGFR標 的 モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 ) は 細 胞 膜 表 面 の EGFRレ セ プ タ ー 部 分 を 認 識 し 、 EGFRの 自 己 リ ン 酸 化 を 抑 制 す る こ と で チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 活 性 を 阻 害 す る 。 ハ ー セ プ チ ン は EGFRと 相 同 性 を も つ Her2/Neuに 対 す る モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 で あ り 、 STI-571( グ リ ベ ッ ク ) は BCR-Ablの チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 活 性 の 阻 害 と c − kitの チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 活 性 の 阻 害 能 を 有 す る ( 非 特 許 文 献 2 ) 。 【0007】 このような分子標的治療剤は新メカニズムのガン治療薬として着目されるが、その効果 は い ま だ 革 命 的 と は い え な い 。 た と え ば 、 ZD1839( イ レ ッ サ ) は ア ス ト ラ ゼ ネ カ 社 が 新 規 に 開 発 し た 強 力 か つ 選 択 的 な EGFRチ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 で あ り 、 ヒ ト で も そ の 有 用 性 が 40 判 明 し て い る 。 し か し 非 小 細 胞 肺 癌 や 前 立 腺 癌 な ど で の 臨 床 成 績 は PR( 部 分 寛 解 ) が 10∼ 20数 %で 、 CR( 完 全 寛 解 ) は 全 く な い と 言 っ て も よ い が 、 あ っ て も 極 く ま れ で 完 全 寛 解 ま で 4ヶ 月 以 上 の 期 間 が か か っ て い た 。 そ こ で ZA1839( イ レ ッ サ ) と 各 種 抗 癌 剤 と の 併 用 療 法が試みられているものの現時点では相加あるいは相乗効果は得られていない。 【0008】 【特許文献1】特開平10−139670号公報 【 非 特 許 文 献 1 】 実 験 医 学 Vol.20 No.17( 増 刊 ) 2002 【 非 特 許 文 献 2 】 血 液 ・ 免 疫 ・ 腫 瘍 Vol. 7 No.3 2002-7 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 50 (4) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 【0009】 本発明は、癌の骨転移抑制のより有効な効果をもたらすことを目的とし、薬剤の選択を 重ね、癌の骨転移の抑制率を上げ、完全な癌の骨転移の抑制手段を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本 発 明 は 、 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用物質を中心として、破骨細胞前駆細胞から成熟破骨細胞への分化の抑制物質及び/又は 骨 吸 収 の 阻 害 剤 及 び / 又 は RANKL/ RANK受 容 体 の 刺 激 を 阻 害 す る た め に Cox2合 成 阻 害 剤 を 併用することはがんの骨転移の抑制に極めて高い有用性があることを見出し本発明を完成 した。 10 【0011】 すなわち本発明は、 「 1 . 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 と、破骨細胞前駆細胞から成熟破骨細胞への分化の抑制物質及び/又は骨吸収の阻害剤及 び / 又 は Cox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 す る こ と を 特 徴 と す る が ん の 骨 転 移 の 抑 制 剤 。 2 . 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 と し て の IL-12産 生 誘 導 剤 と 、 破 骨 細 胞 前 駆 細 胞 か ら 成 熟 破 骨 細 胞 へ の 分 化 の 抑 制 物 質 と し てのチロシンキナーゼ阻害剤及び/又は骨吸収の阻害剤としてのビスフォスフォネート及 び / 又 は RANKL/ RANK受 容 体 の 刺 激 を 阻 害 す る た め に Cox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 す る こ と を 特 徴とするがんの骨転移の抑制剤。 20 3 . 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 と 、破骨細胞前駆細胞から成熟破骨細胞への分化の抑制物質及び/又は骨吸収の阻害剤及び /又は破骨細胞形成抑制因子の産生亢進物質を併用することを特徴とするがんの骨転移の 抑制剤。 4.チロシンキナーゼ阻害剤が、以下の少なくとも1の受容体に対する選択的標的作用を 有する前項第1∼3項のいずれか一に記載のがんの骨転移の抑制剤。 HER2/neu、 HER3、 HER4、 c-kit、 PDGFR、 bcr-abl、 EGFR 5 . IL-12産 生 誘 導 剤 が 、 β 1,3/1,6グ ル カ ン 構 造 を 有 す る 物 質 で あ る 前 項 第 1 ∼ 4 項 の い ずれか一に記載のがんの骨転移の抑制剤。 6.前項第1∼5項のいずれか一に記載のがんの骨転移の抑制剤による、がんの骨転移の 30 予防治療方法。」 からなる。 【発明の効果】 【0012】 本 発 明 で は 、 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作用物質を中心として、破骨細胞前駆細胞から成熟破骨細胞への分化の抑制物質及び/又 は 骨 吸 収 の 阻 害 剤 及 び / 又 は Cox2合 成 阻 害 剤 の 併 用 に よ る 極 め て 高 い が ん の 骨 転 移 の 抑 制 に つ い て 臨 床 的 成 果 を 達 成 し た 。 本 発 明 は 、 破 骨 細 胞 の 分 化 、 誘 導 の 抑 制 は TNFα 、 RANKL 、 IL-1等 か ら 入 る 細 胞 内 伝 達 系 を ブ ロ ッ ク す る こ と に 基 づ き 、 そ の 具 体 的 方 法 は 4つ に 大 別される(図6)。 40 【図面の簡単な説明】 【0013】 【図1】破骨細胞の形成の図式である。 【 図 2 】 NITC療 法 の 図 式 で あ る 。 【図3】破骨細胞の形成を抑制して骨障害を治癒の図式である。 【図4】臨床例を示す。(実施例1) 【図5】臨床例を示す。(実施例2) 【図6】本発明の療法の図式である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 50 (5) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 以下、本発明を詳しく説明するが、本明細書中で使用されている技術的および科学的用 語は、別途定義されていない限り、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する 者により普通に理解される意味を持つ。 【0015】 本 発 明 者 の 医 学 博 士 八 木 田 の ガ ン 新 免 疫 療 法 ( NITC)と は 、 4 つ の 異 な る 作 用 機 序 を 組 み合わせることからなる治療手段である。 第一の作用機序は、血管新生阻害物質(ベターシャーク)を投与してガンへの血流を障 害 し て ガ ン 縮 小 を は か る 方 法 で あ る 。 こ れ は 血 管 内 皮 細 胞 増 殖 因 子 ( VEGF) を 測 定 す る こ と で そ の 効 果 の 判 定 が 可 能 で あ る 。 血 管 新 生 阻 害 作 用 は VEGF値 の マ イ ナ ス ( 負 ) 値 ( -VEG F) で 評 価 で き る 。 こ の VEGF値 の 代 わ り に FGF、 HGFな ど の そ の 他 の 血 管 増 殖 因 子 を 用 い る 10 こ と で も 、 血 管 新 生 阻 害 能 を 評 価 す る こ と が 可 能 で あ る 。 ま た VEGFの 替 わ り に 血 管 新 生 阻 害因子の正数値でもその評価が可能である(例えばエンドスタチン値)。 【0016】 第 ニ の 作 用 機 序 は 、 β 1,3グ ル カ ン 構 造 を 担 持 す る 化 合 物 を 投 与 し て Th1サ イ ト カ イ ン (T NFα 、 IFNγ 、 IL-12)を 誘 導 し て CTLを 活 性 化 す る 方 法 で あ る 。 CTL活 性 は CD8(+)パ ー フ ォ リ ン 産 生 能 力 で 判 定 が 可 能 で あ る が 、 こ の CD8(+)パ ー フ ォ リ ン 値 に は 細 胞 障 害 性 T細 胞 (CT L)と 免 疫 抑 制 性 T細 胞 (STC; Suppressor T cell)と が あ り 、 前 者 は ガ ン 細 胞 を 障 害 し 、 後 者の活性化は結果的にガンの増殖につながる。したがってその絶体値では評価はできない 。 し か し 前 者 は IFNγ が 10 IU/ml以 上 か も し く は IL-12値 が 7.8 pg/ml以 上 で あ れ ば CTLで あ り 、 IFNγ と IL-12が 低 値 で あ れ ば STCと 判 定 さ れ る 。 そ こ で CTL活 性 は 、 IFNγ 産 生 能 力 ( I 20 FNγ 値 ) も し く は IL-12産 生 能 力 (IL-12値 )で 評 価 が 可 能 で あ る 。 【0017】 第 三 及 び 第 四 の 作 用 機 序 で あ る α 1,3グ ル カ ン 構 造 を 担 持 す る 化 合 物 の 投 与 に よ っ て 活 性 化 さ れ る effector細 胞 は NK細 胞 と NKT細 胞 で あ る 。 こ の NKと NKT細 胞 と は NKR-P1(NK細 胞 受 容 体 CD161(+))を 共 有 し て お り 、 前 者 の NK細 胞 は CD3(-)CD161(+)の 表 面 マ ー カ ー で そ の 細 胞 数 が 測 定 可 能 で あ り 、 そ の 活 性 化 は CD3(-)CD161(+)パ ー フ ォ リ ン 産 生 能 力 で 判 定 が 可 能 で あ る 。 一 方 後 者 の NKT細 胞 は CD3(+)CD161(+)で そ の 細 胞 数 は 測 定 が 可 能 と な り 、 そ の パ ー フ ォ リ ン 産 生 能 力 ( NKTP(+)と 記 す )で NKT細 胞 の 活 性 化 は 測 定 可 能 で あ る 。 【0018】 し た が っ て ガ ン 治 療 に お け る 新 免 疫 療 法 ( NITC) で あ っ て も 一 般 的 な 免 疫 療 法 で あ っ て 30 も 以 下 の 測 定 項 目 で そ れ ぞ れ の effector細 胞 も し く は 血 管 新 生 阻 害 作 用 を 評 価 す る こ と が 可 能 で あ る 。 具 体 的 に は 、 CTL活 性 は IFNγ あ る い は IL-12の 産 生 誘 導 能 力 で 評 価 が 可 能 で あ る 。 NK細 胞 の 活 性 化 は CD3(-)CD161(+)も し く は CD3(-)CD161(+)パ ー フ ォ リ ン 値 で も 評 価 可 能 で あ る 。 NKT細 胞 の 活 性 化 は CD3(+)CD161(+)も し く は CD3(+)CD161(+)パ ー フ ォ リ ン 値 ( NKTP値 ) で も 評 価 が 可 能 で あ る 。 【0019】 本 発 明 は 、 上 記 の 新 免 疫 療 法 に お け る IL-12産 生 誘 導 剤 に 加 え て 、 チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 及 び / 又 は 骨 吸 収 の 阻 害 剤 及 び / 又 は Cox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 す る こ と に よ る 。 本 発 明 で 使 用 す る IL-12産 生 誘 導 剤 は 、 例 え ば 、 β 1,3グ ル カ ン 構 造 を 持 つ 茸 菌 糸 体 組 成 物 製 剤 ( 例 え ば ILX商 品 名 : 東 西 医 薬 研 究 所 、 ILY商 品 名 : セ イ シ ン 企 業 ) 、 或 は β 1,3グ 40 ル カ ン 構 造 を 持 つ 各 種 酵 母 ( 海 洋 性 酵 母 、 パ ン 酵 母 、 NBGTM) が 利 用 で き る 。 特 に 海 洋 性 酵 母 が 好 ま し い 。 本 発 明 で 使 用 す る IL-12産 生 誘 導 剤 は 、 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 T RAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 を も っ て お り 、 こ の よ う な 機 能 を も つ 物 質 は 広 く 利 用 可 能 で あ る 。 本 発 明 で 使 用 す る IL-12産 生 誘 導 剤 は そ の 産 生 誘 導 活 性 を 誘 導 ま た は増強し、さらに活性化を維持できる処方にて用いられる。すなわち、その活性化を誘導 または増強し、さらに活性化を維持できる投与量、ならびに投与期間を選択して用いられ る 。 具 体 的 に は 、 そ の 投 与 量 は 、 CTL活 性 化 剤 ( IL-12産 生 誘 導 剤 、 INFγ 産 生 誘 導 剤 ) で あ る β -1,3グ ル カ ン 構 造 を 持 つ 化 合 物 は 1 g ∼ 1 0 g / 日 程 度 、 好 ま し く は 3 g ∼ 6 g / 日程度である。また、投与期は一般的には10日間∼24ヶ月間、投与頻度は隔日又は1 ∼ 3 回 / 日 で 、 好 ま し く は 連 日 投 与 で あ る 。 当 該 CTL活 性 化 剤 ( IL-12産 生 誘 導 剤 、 INFγ 50 (6) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 産生誘導剤)は、好適には経口摂取される。 【0020】 IL-12産 生 誘 導 剤 と 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 の 関 連 性 に つ い て 説 明 す る 。 悪 性 腫 瘍 患 者 の 骨 障 害 は 、 破 骨 前 駆 細 胞 が RANKL( サ イ ト カ イ ン の 1種 ) で 刺 激 さ れ た RANK受 容 体 と 接 着 す る こ と で 破 骨 細 胞 内 の TRAF6が 増 殖 し 、 次 い で シ グ ナ ル 伝 達 系 の NF− κ Bあ る い は JNK遺 伝 子 か ら 形 成 さ れ る AP-1を 介 し て 最 終 的 に は 成 熟 破 骨 細 胞 の 形 成 が 成 立 、増殖、活性化を促進する。この破骨細胞は骨組織を破壊すると、骨組織内に多く含まれ て い る TGFβ 、 IGF、 Ca + + を放出する。これらの骨組織内含有物資は癌細胞を増殖かつ活性 化させる作用を持っている。また、癌細胞は増殖に伴い骨芽細胞や破骨細胞を刺激して活 性 化 さ せ る 作 用 の あ る PTH-r Pを 大 量 に 増 産 さ せ る 。 つ ま り 骨 破 壊 の 促 進 に よ り 癌 細 胞 が 10 増 殖 し 、 さ ら に 癌 細 胞 の 増 殖 に よ り 骨 破 壊 が 促 進 す る と い う 悪 循 環 が 成 り 立 つ 。 そ こ で NI TC特 に CTL活 性 化 剤 ( IL-12産 生 誘 導 剤 、 INFγ 産 生 誘 導 剤 ) に よ り Th1サ イ ト カ イ ン の IFN γ や IL-12を 誘 導 し て 破 骨 細 胞 の TRAF6を 分 解 し 、 骨 障 害 の 悪 循 環 を 断 ち 切 る こ と に 意 義 が ある。(図1) NITC特 に CTL活 性 化 剤 ( IL-12産 生 誘 導 剤 、 INFγ 産 生 誘 導 剤 ) は 内 因 性 Th1サ イ ト カ イ ン ( IFNγ 、 IL-12) を 誘 導 し て CTLの み な ら ず NK細 胞 や NKT細 胞 等 を 活 性 化 し て 抗 腫 瘍 作 用 を 亢 進 せ し め る 治 療 法 で あ る ( 図 2 ) 。 こ の Th1サ イ ト カ イ ン は 破 骨 細 胞 の 形 成 に 重 要 な TRA F6を 分 解 す る 。 こ の 結 果 、 NITC特 に CTL活 性 化 剤 ( IL-12産 生 誘 導 剤 、 INFγ 産 生 誘 導 剤 ) が破骨細胞の形成を抑制して骨障害を治癒することになる(図3)。なお、現在遂行され て い る 多 く の 癌 治 療 の 外 科 手 術 、 放 射 線 及 び 抗 癌 剤 は い ず れ も Th1サ イ ト カ イ ン の 産 生 を 20 抑制するものであることから、これらは骨転移を悪化せしめる治療法といわざるを得ない 。 【0021】 NITC治 療 に よ る 骨 転 移 の 治 療 効 果 乳 癌 、 肺 癌 お よ び 前 立 腺 癌 で 骨 転 移 が 認 め ら れ た 143例 に つ い て NITCを 施 行 し た 結 果 、 8 2例 ( 57.3%) に 有 効 性 が 認 め ら れ た 。 ま た 55例 ( 38.5%) が 不 変 で あ り 、 無 効 が 6例 ( 4.2% ) で あ っ た 。 こ こ で の 判 定 基 準 は 骨 シ ン チ 、 MRI、 CT等 の 画 像 診 断 で 骨 転 移 陽 性 と 確 認 さ れ た う え で 骨 転 移 マ ー カ ー で あ る 1CTP値 が 治 療 前 に 対 し 25%以 上 減 少 し た 場 合 を 有 効 と し た 。 ま た 、 1CTP値 が 治 療 前 に 対 し そ の 増 減 が 25%未 満 の 症 例 を 不 変 と し 、 25%以 上 増 加 し た 症例は無効例となっている。 30 1)前立腺癌の骨転移症例に対する治療効果 対 象 は 65例 で 、 48例 ( 73.8%) で 有 効 、 16例 ( 24.6%) で 不 変 、 1例 ( 1.5%) が 無 効 例 で あった。 2)乳癌の骨転移症例に対する治療効果 乳 癌 の 骨 転 移 実 施 例 は 50例 で 、 23例 ( 46.0%) で 有 効 、 24例 ( 48.0%) で 不 変 、 3例 ( 6.0 %) が 無 効 例 で あ っ た 。 3)肺癌の骨転移症例に対する治療効果 肺 癌 の 骨 転 移 実 施 例 は 28例 で 、 1CTPに よ る 効 果 判 定 で は 11例 ( 39.3%) で 有 効 、 15例 ( 5 3.6%) で 不 変 、 2例 ( 7.1%) が 無 効 例 で あ っ た 。 【0022】 40 RANKLの シ グ ナ ル 伝 達 系 と し て は TRAF6を 介 さ ず に 別 の 経 路 、 す な わ ち c -Fos遺 伝 子 に よ っ て 形 成 さ れ る AP-1を 介 し て の 破 骨 細 胞 形 成 の 経 路 も 見 出 さ れ て い る 。 NITCで は 前 述 し た よ う な 治 療 成 績 が 得 ら れ て い る が そ れ で も 必 ず し も 充 分 と は い え な か っ た 。 す な わ ち 、 NI TCで 充 分 な 量 の IFNγ 、 IL-12産 生 が 得 ら れ な か っ た か 、 ま た Th1サ イ ト カ イ ン の 充 分 量 の 産 生 が あ っ て も c-Fosの 経 路 で の 破 骨 細 胞 の 形 成 が 残 さ れ て い る 場 合 で あ る 。 そ の 場 合 は c -Fosの 阻 害 作 用 を 有 す る チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 で あ る イ レ ッ サ が 有 効 と な る 。 【0023】 本 発 明 で は 、 こ の 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 、 代 表 的 に は IL-12産 生 誘 導 剤 と 、 チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 の 併 用 が 有 用 で ある。チロシンキナーゼ阻害剤は、破骨細胞前駆細胞から成熟破骨細胞への分化の抑制作 50 (7) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 用をもっており、このような機能をもつ物質は広く利用可能である。チロシンキナーゼ阻 害 剤 の 具 体 例 は 、 ZD1839( イ レ ッ サ 商 品 名 ) 又 は STI571( グ リ ベ ッ ク 商 品 名 ) を 例 示 で き る が 、 各 種 チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 が 有 効 に 利 用 で き る 。 そ れ ら は 標 的 分 子 と し て 、 HER2 /neu、 HER3、 HER4、 c-kit、 PDGFR、 bcr-abl、 EGFR等 が 例 示 さ れ る 。 最 も 効 果 的 な 分 子 は E GFR又 は c-kitで あ る 。 チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 の 投 与 量 は 、 各 分 子 標 的 化 合 物 の 推 奨 投 与 量 に 従 う が 、 10∼ 500m g /日 の 経 口 投 与 が お こ な わ れ る 。 実 施 例 1 及 び 2 の 症 例 は Th1サ イ ト カ イ ン の IFNγ や IL-12が 大 量 に 産 生 さ れ て い た 症 例 であるにもかかわらず、骨転移・骨痛の改善が認められなかった症例である。こういった ケ ー ス で は c-Fosを 介 す る 経 路 に よ り 破 骨 細 胞 の 形 成 が 維 持 さ れ て い た と 考 え ら れ 、 チ ロ シンキナーゼ阻害剤の併用が有用な結果をえた。 10 【0024】 本 発 明 で は 、 破 骨 細 胞 の 活 性 化 情 報 伝 達 分 子 TRAF6の 分 解 に よ る 破 骨 細 胞 の 活 性 化 阻 害 作 用 物 質 、 代 表 的 に は IL-12産 生 誘 導 剤 を 中 心 と し て 、 破 骨 細 胞 前 駆 細 胞 か ら 成 熟 破 骨 細 胞への分化の抑制作用物質(代表的にはチロシンキナーゼ阻害剤)及び/又は骨吸収の阻 害剤の併用が有用である。骨吸収の阻害剤としては、ビスフォスフォネートが代表的であ る 。 ビ ス フ ォ ス フ ォ ネ ー ト 製 剤 に は 、 内 服 薬 と し て エ チ ド ロ ン 酸 二 ナ ト リ ウ ム 200∼ 1000m g/日 ( ダ イ ド ロ ネ ル : 登 録 商 標 ) 、 ア レ ン ド ロ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 水 和 物 5mg/日 ( フ ォ サ マ ッ ク : 登 録 商 標 、 ボ ナ ロ ン : 登 録 商 標 ) 、 リ セ ド ロ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 水 和 物 2.5mg/日 ( ベ ネ ッ ト:登録商標、アクトネル:登録商標)などがあり、注射薬としてはパミドロン酸二ナト リ ウ ム 30∼ 45mg/日 ( ア レ デ ィ ア : 登 録 商 標 ) 、 ア レ ン ド ロ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 水 和 物 10∼ 20m 20 g/日 ( オ ン ク ラ ス ト : 登 録 商 標 、 テ イ ロ ッ ク : 登 録 商 標 ) 、 イ ン カ ド ロ ン 酸 二 ナ ト リ ウ ム 10mg/日 ( ビ ス フ ォ ナ ー ル : 登 録 商 標 ) な ど が あ る 。 ま た 、 本 邦 未 承 認 で は あ る が 内 服 薬 と し て イ バ ン ド ロ ネ ー ト 10∼ 50mg/日 ( BONIVA) 、 ク ロ ド ロ ネ ー ト 1600∼ 3200mg/日 ( Bone fos: 登 録 商 標 、 Ostec: 登 録 商 標 ) 、 チ ル ド ロ ネ ー ト 240mg/日 ( Skelid: 登 録 商 標 ) な ど が あ り 、 注 射 薬 と し て ゾ レ ド ロ ネ ー ト ( Zometa: 登 録 商 標 ) や イ バ ン ド ロ ネ ー ト 2∼ 4mg/ 回などがある。 【0025】 さ ら に 本 発 明 で は 、 RANKL/ RANK受 容 体 の 刺 激 を 阻 害 す る た め に Cox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 す る こ と も 有 効 で あ る 。 Cox2の 合 成 が RANKLに 対 す る 阻 害 サ イ ト カ イ ン で あ る 破 骨 細 胞 形 成 抑 制 因 子 ( OPG: Osteoprotegerin) の 産 生 を 抑 制 す る た め で あ る 。 つ ま り 、 破 骨 細 胞 形 30 成 抑 制 因 子 の 産 生 亢 進 物 質 、 例 え ば プ ロ ス タ グ ラ ン ジ ン E2合 成 酵 素 で あ る 上 記 Cox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 す る こ と が 有 効 で あ る 。 Cox2合 成 阻 害 剤 に は 、 ア リ ー ル 酢 酸 系 の エ ト ド ラ ク 40 0mg/日 ( ハ イ ペ ン : 登 録 商 標 、 オ ス テ オ ラ ッ ク : 登 録 商 標 、 エ ト ペ ン : 登 録 商 標 、 オ ス ペ イン:登録商標、ニコナス:登録商標、ハイスラック:登録商標、ハイペラック:登録商 標 、 ラ イ ペ ッ ク : 登 録 商 標 ) 、 オ キ シ カ ム 系 の メ ロ キ シ カ ム 10mg/日 ( モ ー ビ ッ ク : 登 録 商 標 ) 、 そ の 他 本 邦 で は 未 承 認 で あ る が セ レ コ キ シ ブ 200mg/日 ( セ レ ブ レ ッ ク ス ) 、 ロ フ ェ コ キ シ ブ 12.5∼ 25mg/日 ( バ イ オ ッ ク ス ) 、 バ ル デ コ キ シ ブ 10∼ 20mg/日 ( ベ ク ス ト ラ ) 、ニメスリド等がある。 【0026】 これら4つの選択的併用は、治療初期からでもよいし、どれかを先行させても良い。具 40 体 例 で は 、 NITC療 法 特 に 癌 免 疫 療 法 剤 を 一 定 期 間 投 与 後 に 、 チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 及 び / 又 は ビ ス フ ォ ス フ ォ ネ ー ト 及 び / 又 は Cox2合 成 阻 害 剤 を 併 用 し 、 劇 的 な 臨 床 効 果 を 確 認 した。 【0027】 本 発 明 で は 、 癌 免 疫 療 法 剤 と し て 、 IL-12産 生 誘 導 剤 に 加 え て 、 NK活 性 化 剤 又 は NKT活 性 化 剤 の 併 用 が 可 能 で あ る 。 ニ ゲ ロ オ リ ゴ 糖 、 フ コ イ ダ ン 等 の α 1,3グ ル カ ン 構 造 を 持 つ 化 合 物 の 組 成 物 製 剤 が NK活 性 化 剤 又 は NKT活 性 剤 と し て 有 用 で あ る 。 α 1,3グ ル カ ン 構 造 を 持 つ 化 合 物 は 種 々 知 ら れ て お り 、 こ の 既 知 構 造 と CD3( -) CD161( +) 、 CD3( -) CD161( +) パ ー フ ォ リ ン 産 生 能 、 CD3( +) CD161( +) 、 CD3( +) CD161( +) パ ー フ ォ リ ン 産 生 能 の 測 定 を 組 み 合 わ せ れ ば 当 業 者 は 容 易 に NK活 性 化 剤 を 特 定 可 能 で あ る 。 な お 、 CD3( +) CD161 50 (8) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 ( +) は NKT細 胞 の 受 容 体 NKR-P1に 作 用 す る こ と を 意 味 す る 。 【0028】 本発明の併用は、その適用法を選別することで肺ガン(肺扁平上皮ガン、肺腺ガン、小 細胞肺ガン)、胸腺腫、甲状腺ガン、前立腺ガン、腎ガン、膀胱ガン、結腸ガン、直腸ガ ン、食道ガン、盲腸ガン、尿管ガン、乳ガン、子宮頸ガン、脳ガン、舌ガン、咽頭ガン、 鼻腔ガン、喉頭ガン、胃ガン、肝ガン、胆管ガン、精巣ガン、卵巣ガン、子宮体ガン、転 移性骨ガン、悪性黒色腫、骨肉腫、悪性リンパ腫、形質細胞腫、脂肪肉腫等の治療に有効 である。これらの癌の骨転移を優位に抑制可能である。 【0029】 抗ガン(化学療法)剤、放射線、あるいはステロイド併用療法を、本発明の併用に加え 10 て 行 う 場 合 に は 、 2種 類 の 免 疫 系 の う ち 、 TNFα → IFNγ → IL-12→ キ ラ ー T細 胞 の 系 統 が 著 しく障害される。そのためこれらは本発明では用いないことが好ましい。但し抗ガン剤を 投与するとき、上記の免疫系を障害しない投与法である低濃度化学療法すなわち5FU、 U F T 、 ミ フ ロ ー ル 、 フ ル ツ ロ ン 、 C D D P ( 5μ g∼ 10μ g) の 低 濃 度 や タ キ ソ テ ー ル あ るいはタキソール、アドリアマイシン、マイトマイシン、CPT−11などの低濃度抗ガ ン剤の投与法等を適用することは有用である。また同様に放射線療法において低容量照射 の適用、ステロイド療法においても低濃度投与等を選択する必要がある。 【0030】 細胞および各サイトカインの測定方法を以下に例示する。 ( NKT細 胞 の 測 定 ) ( NK細 胞 の 測 定 ) ( CD8の 測 定 ) 20 NKR-P1を 有 す る NKT細 胞 の 測 定 は 、 NKT細 胞 の 細 胞 表 面 に 特 異 的 に 存 在 す る 細 胞 表 面 抗 原 ( CD3お よ び CD161) の 測 定 に よ り 行 う こ と が で き る 。 具 体 的 に は 、 末 梢 血 中 の リ ン パ 球 に つ い て 、 CD3が 陽 性 で か つ CD161が 陽 性 〔 CD3(+)CD161(+)〕 の 細 胞 を 検 定 す る 。 つ ま り 、 NK T細 胞 の 細 胞 表 面 抗 原 で あ る CD3お よ び CD161を 、 モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 を 用 い て フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー を 使 用 す る Two Color検 査 に よ り 測 定 す る 。 こ こ で NKT細 胞 が 活 性 化 さ れ て い る と は 、 リ ン パ 球 の 中 で NKT〔 CD3(+)CD161(+)〕 細 胞 の 割 合 が 1 0 % 以 上 、 よ り 好 ま し く は 1 6 % 以 上 で あ る こ と を い う 。 NKT細 胞 活 性 化 能 と は 、 NKT細 胞 の 割 合 を 1 0 % 以 上 、 よ り 好 ま し く は 1 6 % 以 上 に 増 加 せ し め る 機 能 、 ま た は あ る 物 質 を 投 与 す る 前 の NKT細 胞 の 割 合 よ り 更 に 増 強 せ し め る 機 能 を 意 味 す る 。 同 様 に 〔 CD3(-)CD161(+)〕 と は CD3が 陰 性 で か つ CD161が 陽 性 の 細 胞 を 検 定 す る こ と で あ る 。 こ の 方 法 は NK細 胞 の 測 定 に 有 用 で あ る 。 さ 30 ら に CD8(+)と は CD8が 陽 性 の 細 胞 を 検 定 す る こ と で あ る 。 こ の 方 法 は C T L 活 性 の 測 定 に 有用である。 【0031】 実 施 例 で は ガ ン 患 者 の 血 液 を 用 い て 、 血 中 細 胞 に つ い て 細 胞 表 面 抗 原 で あ る CD3、 CD161 、 CD8に つ い て 陽 性 ・ 陰 性 で 区 別 し 、 各 細 胞 の 割 合 を 、 フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー を 用 い た Two Color検 査 に よ り 常 法 通 り 測 定 し た 。 こ の と き CD3、 CD161、 CD8に 対 す る モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗体は、それぞれコールター社製又はベクトンディッキンソン社製ものを使用した。 【0032】 (パーフォリン産生細胞の測定) 末 梢 血 中 の リ ン パ 球 に つ い て 、 細 胞 表 面 抗 原 で あ る CD3、 CD161、 CD8の う ち 2 者 と パ ー 40 フ ォ リ ン に つ い て フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー を 用 い た Three Color検 査 に よ り 常 法 通 り 測 定 す る。具体的には、採取した血液に固定液を加えて細胞を固定し、膜透過液を添加後抗パー フ ォ リ ン 抗 体 ( Pharmingen社 製 ) を 添 加 し て 反 応 さ せ 、 さ ら に P R E − C y 5 標 識 二 次 抗 体 ( DAKO社 性 ) を 添 加 し て 反 応 さ せ 、 つ い で 抗 CD3-PE( Coulter 6604627) 抗 体 お よ び 抗 C D161-FITC( B-D) 抗 体 を 添 加 し て 反 応 さ せ 、 そ の 後 フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー で 測 定 す る 。 図 ・ 表 中 で の 略 語 は P又 は PERと 表 示 し た 。 【0033】 (サイトカインを測定するための試料の調製) まず、血液より単核球画分を分離調製する。ヘパリン加末梢血をリン酸緩衝生理食塩水 ( Phosphate Buffered Saline) ( PBS) で 2 倍 に 希 釈 し て 混 和 し た 後 、 Ficoll-Conray液 50 (9) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (比重1.077)上に重層し、400Gで20分間遠沈後、単核球画分を採取する。洗 浄後、10%牛胎児血清(FBS)を加えたRPMI−1640培地を加え、細胞数を1 ×10 6 個となるように調製する。得られた細胞浮遊液200μlにフィトヘマグルチニ ン ( Phytohemagglutinin) ( DIFCO社 製 ) を 2 0 μ g / m l の 濃 度 と な る よ う に 加 え 、 9 6穴マイクロプレートにて5%CO2 存在下、37℃で24時間培養し、該培養した細胞 溶液中のサイトカインを測定する試料とする。 【0034】 ( IL-12の 測 定 ) IL-12量 の 測 定 は 自 体 公 知 の 臨 床 、 生 化 学 的 検 査 を 利 用 で き る が 、 R&D SYSTEMS社 や MBL 社 よ り 入 手 す る こ と の で き る 酵 素 免 疫 測 定 法 ( ELISA) に よ る 測 定 キ ッ ト が 使 用 さ れ る 。 10 こ こ で は R&D SYSTEMS社 の 測 定 キ ッ ト を 用 い た 。 実 際 に は 9 6 穴 マ イ ク ロ プ レ ー ト の 各 穴 に 測 定 用 希 釈 液 Assay Diluent RD1Fを 5 0 μ l 、 標 準 液 ( standard) ま た は 前 記 サ イ ト カ イン測定用試料の調製法で調製した試料を200μlずつ分注した後、室温にて静置して 2 時 間 反 応 さ せ た 。 そ の 後 、 西 洋 わ さ び パ ー オ キ シ ダ ー ゼ ( horse radish peroxidase) ( H R P ) 標 識 抗 IL-12抗 体 を 2 0 0 μ l ず つ 分 注 し 2 時 間 室 温 で 静 置 し た 。 各 穴 の 反 応 液を除去し3回洗浄後、発色基質溶液を200μlずつ分注し、20分間室温静置後、酵 素反応停止溶液を50μlずつ分注した。550nmを対照として450nmにおける各 穴 の 吸 光 度 を E m a x ( 和 光 純 薬 株 式 会 社 製 ) に て 測 定 し た 。 IL-12量 は 、 p g / m l と し て 表 さ れ る 。 こ こ で IL-12産 生 誘 発 能 と は 、 末 梢 血 単 核 球 画 分 が 刺 激 に よ り 産 生 す る IL12量 を 、 7 . 8 p g / m l 以 上 に 増 強 せ し め る 機 能 、 ま た は あ る 物 質 を 投 与 す る 前 の IL-1 20 2産 生 量 よ り 増 強 せ し め る 機 能 を 意 味 す る 。 【0035】 ( IFNγ の 測 定 ) IFNγ の 測 定 は 、 BioSource Europe S.社 の IFNγ E A S I A キ ッ ト を 用 い て 、 酵 素 免 疫 測 定 法 ( E I A 法 ) で 測 定 し た 。 実 際 に は 9 6 穴 マ イ ク ロ プ レ ー ト の 各 穴 に 標 準 液 ( st andard) ま た は 上 記 調 製 し た 試 料 を 2 倍 希 釈 し た も の を 5 0 μ l ず つ 分 注 し 、 H R P 標 識 抗IFN−γ抗体を50μlずつ分注し更に振盪しながら2時間室温で反応させた。各穴 の反応液を除去し3回洗浄後、発色基質溶液を200μlずつ分注し、振盪しながら15 分間室温で反応させ、酵素反応停止溶液を50μlずつ分注した。630nmを対照とし て450nmおよび490nmにおける各穴の吸光度をEmax(和光純薬株式会社製) 30 に て 測 定 し た 。 IFNγ 量 は 、 I U / m l と し て 表 さ れ る 。 【0036】 (血管新生阻害能の測定) ( 血 管 内 皮 細 胞 増 殖 因 子 /V E G F と 塩 基 性 繊 維 芽 細 胞 増 殖 因 子 /b F G F 及 び 血 管 新 生 阻 害 因 子 エ ン ド ス タ チ ン /endostatinの 測 定 ) 市 販 キ ッ ト の 各 酵 素 免 疫 固 相 法 ( ELISA: en zyme linked immuno sorbent assay) ( ACCUCYTE Human VEGF, ACCUCYTE Human bFGF, AC CUCYTE Human Endostatin: CYTIMMUNE Sciences Inc.) で 血 清 中 濃 度 を 測 定 し た 。 【0037】 (骨転移の測定) 骨 転 移 の 抑 制 効 果 の 確 認 は 、 骨 転 移 マ ー カ ー で あ る 1CTPの 変 異 に よ っ た 。 1CTPは 、 骨 吸 40 収 の 特 異 的 マ ー カ ー と し て 実 用 化 さ れ て お り 、 例 え ば O r i o n 社 製 の 1CTPキ ッ ト ( C l in.Chem.39:635∼640,1993)がある。これは脱灰ヒト大腿骨を精 製 バ ク テ リ ア ル コ ラ ゲ ナ ー ゼ に よ っ て i n v i t r o に て 分 解 精 製 し た も の を 抗 原 ( 1C TP) と し て 用 い 、 ウ サ ギ に 免 疫 し て 抗 体 を 作 製 し 、 抗 原 を 1 2 5 I標識し、競合型ラジオ イムノアッセイ(RIA)としたものである。その測定感度は、0.5ng/ml以下で あり、測定は少なくとも50ng/mlまで可能である。また、25歳から72歳までの 287例の血中平均値は、3.00±1.12ng/ml(平均±S.D.)である。血 中 1CTPは 、 こ れ ま で 骨 転 移 や 副 甲 状 腺 機 能 亢 進 症 な ど の 各 種 代 謝 性 骨 疾 患 に お い て 異 常 値 を 示 し 、 ま た 治 療 経 過 と も 相 関 す る も の と 認 知 さ れ て き た 。 1CTPを 測 定 す る た め の キ ッ ト は、既知の臨床診断キットであり、中外診断科学株式会社製造によるRIAキット、ピリ 50 (10) ジ ノ リ ン 1CTP「 中 外 」 が あ る 。 具 体 的 に は 、 標 識 と し て JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 1 2 5 Iを利用したラジオイムノ アッセイ試薬であるが、その他にも自体公知の酵素標識を利用したエンザイムイムノアッ セイ試薬、蛍光物質を利用した蛍光イムノアッセイ試薬等も当然に利用可能である。測定 手技は、販売キットに詳述されているので省略する。文献的には“核医学30:1411 ∼ 1 4 1 7 , 1 9 9 3 ” を 参 照 で き る 。 1CTP測 定 の た め の 代 表 的 標 準 曲 線 も 、 キ ッ ト に 説 明されている。最低検出感度は0.5ng/ml以下である。また、骨転移としてのマー カーとして用いる場合のカットオフ値は、4.5ng/mlである。 【0038】 なお、臨床検査に用いた各マーカーは何れも市販品を用い、各推奨の方法により測定値 を示した。表示される略字は各一般的な表示方法によった。 10 【0039】 患 者 の 効 果 判 定 は 、 次 の CR( 完 全 寛 解 ) 、 PR( 部 分 寛 解 ) 、 LNC( 長 期 不 変 ) 、 SNC( 短 期 不 変 ) 、 PD( 病 状 進 行 ) の 5 段 階 判 定 を 行 っ た 。 ま た 、 各 癌 種 で の 奏 効 率 と は 、 各 癌 種 の 全 症 例 中 の CR、 PR、 LNC、 SNC、 PDの 割 合 を 示 す 。 【実施例】 【0040】 以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定される ものではない。 新 免 疫 療 法 ( NITC) と し て 進 行 末 期 癌 症 例 に 対 し 治 療 を 行 っ て き た 。 こ の NITCは β -1,3 グ ル カ ン の 投 与 で 内 因 性 TNFα 、 IFNγ 、 IL-12を 誘 導 し て CTL( キ ラ ー T細 胞 ) を 活 性 化 し 20 、 か つ α -1,3グ ル カ ン の 投 与 で NKお よ び NKT細 胞 の 活 性 化 を は か る と 共 に ベ タ ー シ ャ ー ク の 経 口 投 与 で 血 管 新 生 阻 害 を は か る BRM療 法 で あ る 。 患 者 に は 、 癌 免 疫 療 法 剤 、 IL-12産 生 誘 発 剤 、 サ メ 軟 骨 ( セ イ シ ン 企 業 ) 、 及 び α 1,3構 造 を も つ 糖 類 等 を 、 各 推 奨 処 方 に よ り 投 与 さ れ た 。 ま た 、 IL-12産 生 誘 導 剤 と し て 、 ILX( 東 西 医 薬 ) 、 ILY( セ イ シ ン 企 業 ) 、 ク レ ス チ ン ( 三 共 ) 、 イ ミ ュ ト ー ル ( NBG) 等 を 患 者 の 症 状 に よ り 、 単 独 又 は 併 用 し て 投 与がなされた。 【0041】 実施例1 ( 図 4 ) 62歳 前 立 腺 癌 で 坐 骨 転 移 例 前立腺癌で坐骨転移の診断を受け、カソデックス、リュープリンのホルモン療法を受け 30 て い た 。 200X年 6月 11日 よ り NITCを 開 始 し た 。 前 立 腺 癌 の マ ー カ ー で あ る PSA、 PAPに つ い て は NCの 判 定 で あ っ た が 、 IFNγ お よ び IL-12の 充 分 な 活 性 を 得 ら れ て い る に も か か わ ら ず 、 骨 転 移 マ ー カ ー で あ る 1CTPは 上 昇 し 続 け て い た 。 200X年 9月 18日 に は 激 し い 腰 痛 と 左 股 関 節 痛 と 臀 部 ( 坐 骨 転 移 ) の 痛 み が 出 現 し モ ル ヒ ネ ( MSコ ン チ ン 40mg/日 ) を 使 っ て い た 。 200X年 10月 29日 よ り イ レ ッ サ 1T( 250mg/日 ) を 開 始 す る 。 イ レ ッ サ 投 与 後 2ヶ 月 目 で 腰 痛 、 左 子 関 節 痛 及 び 臀 部 の 痛 み が 軽 減 し た の で MSコ ン チ ン の 投 与 が 20mg/日 ま で 減 少 し て き た 。 そ こ で イ レ ッ サ の 投 与 量 を 250mg/隔 日 に 変 更 し た に も か か わ ら ず 、 PSA及 び PAPは そ の 後 著 明 に 低 下 、 1CTPも 上 昇 が 停 止 し 減 少 傾 向 と な っ た 。 次 の 年 7月 22日 よ り 仙 骨 部 に 放 射 線 療 法 を 併 用 し PSAと PAPは 正 常 化 し 1CTPも 著 明 に 低 下 し た 。 【0042】 40 実施例2 ( 図 5 ) 48歳 前 立 腺 癌 多 発 骨 転 移 例 NITC単 独 治 療 開 始 後 、 1CTPが 低 下 、 PSA、 PAPも 小 康 状 態 で あ っ た が 、 200X年 5月 頃 か ら P SAと 1CTPが 著 明 に 増 加 し 全 身 骨 痛 が 激 し く な り モ ル ヒ ネ 240mg/日 で も 痛 み が 抑 制 で き な く な っ て き た 。 200X年 7月 27日 よ り リ ュ ー プ リ ン ( ホ ル モ ン 療 法 ) を 開 始 し た が 痛 み は 減 少 し な か っ た 。 200X年 8月 17日 よ り イ レ ッ サ 1T( 250mg/日 ) を 開 始 し た 。 そ の 結 果 、 全 身 骨 痛 は 著 明 に 減 少 し た 。 そ の 後 イ レ ッ サ は 250mg/隔 日 、 250mg/3日 と 投 与 量 を 減 ら し た が 痛 みは全く認めず、モルヒネも全く使用する必要が無くなった。現在は痛みが出現した際に イレッサを痛み止めとして一時的に経口投与するのみである。痛み止めとしてはモルヒネ よりもイレッサの方が効果的であった。 50 (11) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 【産業上の利用可能性】 【0043】 以上説明したように、本発明のがんの骨転移の抑制剤によれば、局所、全身等に関係な く骨転移を抑制可能であることが示唆された。また、本発明のがんの骨転移の抑制剤によ り、骨障害による激しい疼痛を和らげ、疼痛による患者の運動抑制、日常生活の障害を防 ぐことができることが示唆された。 【図1】 (12) 【図2】 【図3】 【図4】 JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (13) 【図5】 【図6】 JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (14) 【国際調査報告】 JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (15) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (16) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (17) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (18) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (19) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 (20) JP WO2005/067974 A1 2005.7.28 フロントページの続き (51)Int.Cl. FI A61K 31/663 テーマコード(参考) (81)指定国 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM), EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ, CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW (注)この公表は、国際事務局(WIPO)により国際公開された公報を基に作成したものである。なおこの公表に 係る日本語特許出願(日本語実用新案登録出願)の国際公開の効果は、特許法第184条の10第1項(実用新案法 第48条の13第2項)により生ずるものであり、本掲載とは関係ありません。